楽天(★0対4☆)オリックス =リーグ戦25回戦(2021.10.25)・楽天生命パーク宮城=
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ORIX
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楽天
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勝利投手:山本 由伸(18勝5敗0S)
敗戦投手:田中 将大(4勝9敗0S)
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◆オリックスが完封勝利でリーグ優勝へ大きく前進。オリックスは5回表、紅林の適時打で先制する。その後7回に再び紅林が適時打を放つと、9回には安達の2ランスクイズで試合を決めた。投げては、エース・山本が9回無失点で球団新記録となる15連勝を達成。一方、楽天の先発・田中将も8回2失点と好投した。

◆オリックス最終戦は山本由伸投手(23)が先発する。山本は楽天戦通算5勝2敗だが、黒星は救援で喫したもので、先発では5勝0敗の負け知らず。対戦したパ5球団の中で先発黒星がないのは楽天戦だけだ。得意カードで勝利なるか。

◆楽天田中将大投手(32)が、楽天に復帰後初めて登場曲にファンキーモンキーベイビーズの「あとひとつ」を採用した。 今季、本拠地楽天生命パークで登板する際はももいろクローバーZの「吼えろ」を使用していた。国内での登板試合で「あとひとつ」を登場曲に使用したのは日本一に輝いた13年11月3日、巨人との日本シリーズ第7戦以来となる。

◆オリックスの山本由伸投手(23)が、自身初のシーズン200奪三振を達成した。 試合前時点で200奪三振まで残り1とリーチをかけており、1回無死、楽天の山崎剛から空振り三振を奪い達成した。 シーズン200奪三振達成は19年ソフトバンク千賀滉大以来で、オリックスでは13年金子千尋以来8年ぶりの記録となる。

◆オリックス山本由伸投手(23)がツイッターでトレンド入りした。 試合中盤にさしかかった午後7時ごろに「山本由伸」がツイッターのトレンドに入った。この日の山本は1回に自身初のシーズン200奪三振を達成。さらに、最多勝、最高勝率、最優秀防御率、最多奪三振、最多完封の投手5冠を目指すマウンドで、4回までスコアボードに0を並べている。白星を手にすると、球団新の自身15連勝となる。 対する楽天の先発は田中将大投手(32)。今夏の東京五輪では金メダルを獲得し、それぞれ背番号18を背負う投手が初めての投げ合いとなり投手戦となっている。

◆「オリックス先制」と「三振ゲッツー」がツイッターのトレンド入りを果たした。 5回表2死二塁、楽天の先発田中将大投手(32)から7番紅林弘太郎内野手(19)が三遊間をしぶとく破る適時打でオリックスが先制に成功した。 直後の5回裏には1死一塁から楽天辰己を空振り三振。スタートを切っていた渡辺佳の二盗を刺した。山本由伸投手(23)と若月健矢捕手(26)のバッテリーが三振ゲッツーを完成させ、トレンド入りとなった。 5回の攻防がともにトレンドに入った形となった。試合は5回を終了し、オリックスが1-0とリードしている。

◆楽天先発の田中将大投手(32)がレギュラーシーズン最終登板で8回4安打2失点の力投も9敗目を喫した。7月13日以来自身10戦ぶりの白星となる5勝目を逃した。 楽天に復帰後初めて登場曲にファンキーモンキーベイビーズの「あとひとつ」を採用した。「球場の雰囲気がいつもとは違うことは感じました。自然と手拍子の流れになっていたと思うし、そういうところで変えることができたら」と引き締まった表情でマウンドに上がった。 3回まで4奪三振でパーフェクトに抑える。だが5回2死二塁で紅林に左前適時打で先制を許すと、7回にも紅林に右前へ落とされる適時打を打たれ、追加点を失った。8回まで投げきるも、打線が相手先発山本から得点を奪えなかった。 田中将は登板を終え「今年1番よかったです。それが次につながらないわけはない。この投球はこの投球で、いいものはいいですけど、自分が取り組んでいくことはぶれずにやっていきたいと思います」と振り返った。 今季23試合に登板し4勝8敗、防御率3・01をマークし、レギュラーシーズンの登板を終えた。

◆オリックスのラオウこと杉本裕太郎外野手(30)が、シーズン最終戦で自身初の3割30本越えを決めた。 本塁打数は試合前時点で32本で30本以上をクリア。一方の打率は、試合前時点で474打数143安打で3割2厘。楽天との最終戦は、2回の第1打席が中飛。5回の第2打席で二ゴロ。7回の第3打席では投ゴロと3打数凡退で迎えた9回の第4打席に右前打を放ち、代走を送られた。打率を3割1厘とし、3割をクリア。右拳を突き上げた。 球団での3割30本塁打となれば08年カブレラ以来13年ぶり。日本人打者となると89年門田博光以来32年ぶりとなる。さらに球団生え抜きとなると、87年石嶺和彦以来34年ぶりの達成となる。 杉本はすでに規定打席に到達しており、安打、本塁打、打点、打率ともにキャリアハイの数字を残している。

◆オリックスが快勝した。5回に紅林の適時打で先制。7回にも紅林の適時打で加点し、9回に安達の2ランスクイズで突き放した。山本が4安打完封で15連勝を飾り18勝目。楽天は田中将が8回2失点と好投したが援護がなかった。

◆先発はともに背番号18の楽天田中将とオリックス山本。3回までともに35球で田中将は4奪三振無安打、山本は1安打で無失点。 オリックスは5回に紅林の左前適時打で先制。山本は6回まで3安打無失点。楽天田中将も6回まで79球で2安打1失点と好投。 オリックス山本が今季4度目の完封で18勝目。球団新記録の15連勝。27日にも優勝が決まる。楽天田中将は10戦勝利なしで9敗目。

◆オリックスが鮮やかな2ランスクイズで、ダメ押し点をもぎ取った。2-0で迎えた9回1死二、三塁で、安達が三塁前へのスクイズを敢行。三塁走者の佐野皓に続いて、二塁から後藤も突入し、一塁から捕手炭谷への送球がそれる間に4点目のホームに滑り込んだ。 この回、安打を放ったのはラベロ、杉本の3、4番コンビだったが、いずれもチーム屈指の俊足の代走を送っていた。起用と作戦がマッチし、追加点に結びついた。

◆楽天石井一久GM兼監督(48)が、9敗目を喫するも8回2失点(自責1)と力投した田中将大投手(32)をねぎらった。 立ち上がりから飛ばし、3回までパーフェクトに抑えながら、5、7回にいずれも紅林を打ち取った当たりが適時打となり2点を失った田中将に「2失点はしましたけど、ここ最近の中では1番いい状態だった。状態だけではなくて、気持ちというところがしっかりとマウンド上で見ていても感じた。終始ボールを持っているのが将大、というところがあったので、自分からピッチングを仕掛けられたのかなと思います」と粘り強い投球を称賛した。 今季最終登板を終え、次回登板はクライマックスシリーズとなる。指揮官は「今日のようなピッチングをしてくれるとチームとしては心強いので、そういう状態を維持して(CSへ)入ってほしいなと思います」と期待を寄せた。 田中将は8年ぶりの日本球界復帰となった今季は4勝9敗と黒星が先行するも、規定投球回数に到達し、防御率3・01、ハイクオリティースタート(7回以上自責2以内)達成は11度を数え、安定した投球を見せた。 自身も米国でプレー経験のある石井GM兼監督は「いろんなチャレンジの年だったと思います。ボールも違うし、環境も違う。何年も日本の野球からアメリカにいって、その間の長く日本の野球を経験していない中で対応していかないといけないということがある中で言えば、さすがの対応力は見せてくれたと思います。内容的なことで言えば前回悪かった時とがらっと変わる内容を見せてくれたりするので、しっかりと好不調の波をあまり作らないというか、しっかりといつも通りのゲームプランを実行してくれる頼もしい投手だと思います」と信頼を置く。 さらに「プロとしての姿をしっかりと見せてくれたと思います。楽しくやる時は楽しくやるし、勝負に徹する時は勝負に徹するし、一流選手としてのいろんな部分での振る舞いは見せてくれていると思います」とチームにとっての好影響も口にした。

◆オリックスは2位ロッテに1ゲーム差をつけた首位で全日程を終了。優勝はロッテの結果待ちとなった。優勝の可能性を残して全日程終了は93年日本ハム以来10度目(前後制のパと勝利数で優勝を決めた01年セは除く)。 2位で終了のチームが優勝した「棚ぼたV」は過去にないが、オリックスのように首位で終了のチームは過去4度のうち66年南海と88年西武が優勝している。

◆オリックスが、山本由伸投手(23)の完封と鮮やかな2ランスクイズで最終戦に快勝した。中嶋聡監督(52)の試合後の一問一答は、次の通り。 -山本の投球は 中嶋監督 しんどいゲームというのは分かっていたんですけど、それをしっかり乗り切ってもらって、ゼロで抑えて、本当にすごいピッチャーだと思います。 -15連勝で終えた 中嶋監督 それはもう数字の話であって、なんていうんですかね、それは皆さんが勝手に。勝手にっていったらおかしいけど、皆さんが言っていることなので、別にそこを気にせずに僕はやってましたけど。 -今季の投球をどう見ていたか 中嶋監督 数字が物語るようにすごく安定していると思いますし、その中でも自分の中で好不調が必ずあると思う。そのへんをうまくまとめたのかなと思いますけど。 -開幕投手を託した。これくらいはやってくれるだろうという期待があったか 中嶋監督 それはどの選手にも思ってますよ。どの選手にも思ってますし、これくらいはやってくれるだろうという数字というのはないです。 -今季の最初と最後の試合をエースが投げた 中嶋監督 まあ、日程のせいなんで。 -田中将も好投していたが、打線は 中嶋監督 すごいなあと思います。この投手戦というんですかね。 -紅林が粘り強く2本の適時打 中嶋監督 形がどうであれ、気持ちの部分があると思うんで。きれいなヒットをみんな打ちたいでしょうけど、その中で本当によくついていったと思います。 -守備の部分も含めて、いい働きを見せた 中嶋監督 今日は本当に、もう守備ですよね。守備で勝ったゲームだと思いますけどね。まあエラー出ましたけどね。しかもフライ2つと。 -開幕から粘り強く使ってきて、成長を見せた 中嶋監督 まあ難しいポジションですし、うちは安達という存在がいたんですけど、それを動かしましたけれども、それでも食らいついて最後までやったとは思いますけどね。 -2ランスクイズも決めた 中嶋監督 そうですね。まあ、あの、いろんな細かいことをやってきて、キャンプの時からいろいろやってきたわけですけど、こういう大事な場面でしっかりそういうのを決められるというのは非常にいいことですし、チームの中でやろうとしたことができるようになってきたのかなと思いますけどね。 -会心の様子だったが、やってやったという感じだったか 中嶋監督 やってやったという感じはしないけど、スクイズというのは出す方も緊張しますからね。 -全員で勝つという野球を最後にできた 中嶋監督 駿太の守備でもそうですし、本当に今日、だいぶ守備で助けてあげられたと思います。 -レギュラーシーズンを終えた。けが人が出て苦しい時期もあったと思うが、振り返って 中嶋監督 けが人出ても苦しいですけど、普通にやっても苦しいですね。こんなしんどいんだなというのはありますし。 -ロッテの試合が残っているが、首位で戦いを終えた 中嶋監督 こればっかりはね、むこうの方が試合数多いわけですし、全然もう、負けてくれとかも思えないですし、これだけいい勝負をできたなというのは思いますけどね。 -勝利と育成の両立を掲げてきた。手応えは 中嶋監督 育成って言っても、若いやつを使うとかそういう問題じゃなかったんですよね、僕がいいたかったことは。チーム自体の育成というか、チーム自体がどうやって熟成していくのかとか、そういう意味も込めて言ってたんですけどね。それが、勝つことで勝ち方を覚えていって、選手の中に勝ち癖をつけてと。今までの負けてばっかりだった、負け癖じゃなくて勝ち癖をつけるのも育成だと思ってたんでね。いろんなことを、コーチ陣全員でやってきましたけど。 -勝ち癖という意味で手応えを感じた瞬間は 中嶋監督 手応えというか、簡単に負けなくなった。諦めなくなった。連敗をどこでストップさせるかといった時に、非常に大きな連敗というのはあまりなかったのかなというのも、その点で諦めない姿勢というのが出てきたのかなと思う。どこでというわけじゃないんですけど。 -いろんな選手が育った。全員でと。 中嶋監督 チーム自体のスキルというか、本当に上がってきたらそれが一番いいことだと思う。誰がとかよりもチームがという気がしますけど。 -これからCSに向かっていく 中嶋監督 もちろんその先もありますんで、その先まで何とかしがみつきたいと思います。 -シーズン最後の最後まで並走が続き、苦しかったと思う。終盤の戦いぶりをどう見ていたか 中嶋監督 誰もが苦しかったと思いますけどね。打てない、自分の中で体が動かないとか、いろんなことが起こってきてると思うんですよね。その中でも本当にしがみついたというか、頑張りましたよね。いつダダッと落ちてもおかしくない状況だったんですけど、それをピッチャー陣が止めてくれたりとか、してくれましたんで。 -競り合ってきたロッテはどう見ていたか 中嶋監督 去年あれだけこてんぱんにやられたわけですから、何とかくっついていきたいなというのはずっと思ってましたし、本当に負けてとは思わないですし、本当にいい戦いをできたなというのだけを思いますね。

◆オリックス山本由伸投手(23)がシーズン最終戦に登板し、今季4度目の完封勝ち。今シーズン18勝目を手にして、球団新の自身15連勝となった。これで、最多勝、最高勝率、最優秀防御率、最多奪三振、最多完封の投手5冠が濃厚になった。 山本投手の試合後の一問一答は以下の通り。 -率直に今の気持ちは もう本当に必死に投げたので、とにかくうれしいですね。 -力が入っているように見えた 力が入っているというか、フォームが良い感じというか。先週は横振りのフォームになっていたので、縦に振れるようになって、良い感じに振れていた。 -調子の良さが出ていた 球速に出ていた。思い切って投げての球速ではなくて、良い感じに投げられたと思います。 -今年の中でも良い方か まあ、普通くらいです(笑い)。 -投げている中で寒さは感じなかったか 全く。ベンチがすごかった。全然大丈夫でした。 -首脳陣からかけられた声は 高山さんが「1人にさせないから」と言ってくれていた。最後も8回終わって、「決着をつけてこい」と高山さんが言ってくれたので、思い切っていきました。 -守備でもビッグプレーが多かった もう本当に助けられてよかったです。危なかった。紅林ノリノリでしたね(笑い)。ちょっとうざかった(笑い)。 -味方が点を取ったときの喜びが激しかった 確かに。熱く戦いました。それほど大事な試合でしたね。 -緊張よりも集中の方が強かったか 緊張感というかプレッシャーというか、1試合の重要さは十分に理解してのマウンドだった。いつも通りを心がけて、落ち着いて投げられた。 -いろんな記録がついてきた。今シーズンを振り返って まず1シーズン投げ切れたのが僕としてはすごいうれしいのと、今年も1年投げられたので成長できたかなと感じています。 -相手は直球を待っていて前に飛ばせなかった 今日とか特にファウルを取れていた。変化球が序盤に決まらない中でなんとか無失点でいけたのは真っすぐで押せたからかな。練習の成果が感じられますね。 -今シーズンの点数を付けるなら わかんないです。合格点。良い感じです。 -自身の連勝が続いたが、負けないことについては もちろん自分の力だけじゃないので、なんとも言えないですけど、調子を安定して毎試合出来ているので、去年すごく課題に思ったポイントだった。そこはすごくいいことかなと思います。 -田中将大投手との投げ合いだった いつも田中さんが良いピッチングでまとめているのをよく見ていたので、ロースコアになるだろうなと思った。より丁寧になってしまったかなとは思います。 -1年間戦い続けたシーズンになった いろいろ工夫しながら練習もしっかり積みながらできた。そこは自信にして、CSとかになりますけど、来シーズンもよりパワーアップしてやっていけたらなと思います。 --あとは待つだけですね ここで決められたらよかったですけど、仕方ない。待ちたいですね。

◆オリックスが今季最終戦で奪首した。エース山本由伸投手(23)が楽天を4安打完封し、球団記録を更新する15連勝で18勝目(5敗)を挙げた。 2種類のフォークを操って初の200奪三振もクリア。チームは貯金15で、山本は1人で貯金13を稼いだ。これぞエースという働きで、2年連続最下位のチームを押し上げた。25年ぶり優勝の行方は27日以降に3試合を残す2位ロッテの結果次第。人事は尽くした。天命を待つ-。ふうっと息を吹き、両手でギュッと白球をこねた。山本は1球1球に愛情を込める。「触った感じがパサパサから、しっとりに変わるように」。ボールの革を優しくなで、味方にする。 悲願Vへ、負けられない今季最終戦。エースは122球の熱投で9回4安打無失点。今季4度目の完封勝利を飾った。球団新記録の自身15連勝&今季18勝目に「とにかく必死でした。(試合前)高山投手コーチが『1人にさせないから』と言ってくれた。8回が終わった最後も『決着をつけてこい』と」と完封劇の舞台裏を明かした。 高卒プロ5年目の今季、自身初のシーズン完走。1度も故障なく、最多勝、最優秀防御率、最高勝率、最多奪三振...投手タイトルを総なめ。磨いた直球と"握らないフォーク"が最大の武器だ。「カウントを取るのと、三振を狙う2種類のフォークです。(捕手の)サインは1つなんですけどね」。ボールを2本指で挟まず「握ってないんですよ」と縫い目に添える。 初回先頭の楽天山崎剛を146キロフォークで空を切らせ、シーズン200三振に到達。空振りを奪うフォークは、見よう見まねでモノにした。投手を始めた8年前、宮崎・都城高1年。紅白戦の左打席で"打者目線"で覚えた。「1歳上の先輩が『ツーシーム』と言って投げていたんです。でも、落差がすごかった」。打席を離れると即座に同じ右腕の先輩に、握り方や投げ方を教わり習得。探求心が、エースへの道を切り開いた。 これで首位奪回。貯金15でオリックスはペナントレースを終えた。最短Vは27日で、2位ロッテの3試合を待つことになる。中嶋監督は「こればっかりはね...。全然もう、負けてくれとか思えない。良い勝負をできたなと思う」と充実の表情。「その先もあります。しがみつきたい」と指揮官はポストシーズンも見据えた。歓喜か、悲運か-。全員で喜ぶために、最善は尽くした。【真柴健】 ▼27日にロッテ●なら、オリックスの優勝が決まる。ロッテが逆転優勝するケースは、残り3試合を○○○または○○△の場合のみ。ロッテが1敗または2分けした時点で、オリックスの優勝となる。

◆背番号18のプライドを、白球で示した。楽天田中将大投手(32)がレギュラーシーズン最終登板でオリックス山本と初の投げ合いに臨み、8回2失点(自責1)と好投した。国内では8年ぶりに登場曲をファンキーモンキーベイビーズの「あとひとつ」に採用。7月13日以来、国内自身ワーストの10戦勝利なしでの9敗目を喫したが「今年一番よかった」と手応えを得た。 これまで以上に球に力がこもった。初回からこの日最速150キロを計測。右打者の外角へ「そこに自然と球が行くような投げ方で投げられた」と直球、スライダーを的確に集め、4回まで1安打と圧倒した。 ただ、勝利の女神は、そっぽを向いた。5回2死二塁で紅林の弱い打球は三遊間をすり抜けた。7回2死一、三塁でも紅林を内角直球で詰まらせたが、打球は滑り込む右翼手のグラブを抜けた。「あれはどうしようもできない。運、ツキがなかった」と割り切った。 8年ぶりに日本球界へ復帰し、4勝9敗、防御率3・01と負け越した。チームは3位。「迷惑をかけた。自分自身の思いだけでどうにかできるほど簡単なことじゃない」と責任は痛感するが、リベンジの機会はすぐに訪れる。「開き直って、勢いに乗ったもの勝ち。切り替えていい準備をしたい」。このままじゃ、終われない。【桑原幹久】 ▽楽天石井GM兼監督(オリックス山本に4安打完封負け)「終始主導権を握られてしまって、苦しい対応になってしまった。割り切ってアプローチしていかないといけない。そこからは能力勝負。割り切った中でどれだけ打てるのか」

◆オリックス山本由伸投手(23)がシーズン最終戦に登板し、今季4度目の完封勝ち。今シーズン18勝目を手にして、球団新の自身15連勝となった。 これで、最多勝、最高勝率、最優秀防御率、最多奪三振、最多完封の投手5冠が濃厚になった。寒空の仙台で山本は熱投を続けた。「とにかく必死。1試合の重要さを十分に理解したマウンドでした」。悲願Vへ負けられない最終戦。「高山投手コーチが『1人にさせないから』と言ってくれた」。紅林が、後藤が、バックが好守で助けてくれた。そのたび白い歯を浮かべ、グラブをたたいて感謝。8回を終え、同コーチから「決着をつけてこい」と声が掛かった。ベンチ、仲間とつかんだ今季4度目の完封。散発4安打で三塁を踏ませなかった。 高卒5年目で故障なく初のシーズン完走。13年に楽天田中将が24連勝した同じマウンドで、21年の山本は15連勝で18勝目とした。最多勝、最優秀防御率、最高勝率など投手5部門のタイトルを総なめに。磨き上げた直球と"握らないフォーク"が最大の武器だ。 初回先頭の山崎剛を146キロフォークで空を切らせ、初めて200奪三振に到達。空振りを奪うフォークは見よう見まねでものにした。投手を始めた宮崎・都城高1年のとき、紅白戦の左打席で"打者目線"で覚えた。「1歳上の先輩が『ツーシーム』と投げていたんです。でも落差がすごかった」。打席を離れると即座に教わって習得。探求心がエース道を切り開いた。 改良を重ねて、今では「カウントを取るのと三振を狙う2種類のフォーク」を操る。「(捕手の)サインは1つなんですけどね」。ボールは2本指で挟まず「握ってないんですよ」と縫い目に添えるだけ。そして1球1球に愛情を込める。球審から新しいボールを受け取ると、ふうっと息を吹き、両手でギュッとこねる。「触った感じがパサパサから、しっとりに変わるように」。この日も122球を優しくなで、味方にした。 これで首位奪回。貯金15でペナントレースを終えた。最短Vは27日で、2位ロッテの3試合を待つ。中嶋監督は「全然もう、負けてくれとか思えない。良い勝負をできたなと思う」と充実の表情。「その先もあります」とポストシーズンも見据えた。歓喜か、悲運か-。全員で喜ぶために、最善は尽くした。【真柴健】

◆楽天田中将大投手(32)が、楽天に復帰後初めて登場曲にファンキーモンキーベイビーズの「あとひとつ」を採用した。 今季、本拠地楽天生命パークで登板する際は、ももいろクローバーZの「吼えろ2021」を使用していた。国内での登板試合で「あとひとつ」を登場曲に使用したのは日本一に輝いた13年11月3日、巨人との日本シリーズ第7戦以来。曲が流れるとスタンドのファンから手拍子が起こり、8年前の光景をほうふつさせるシーンとなった。 田中将は「いつも流している曲がどうとかではなくて、そこは勘違いしてほしくない」と前置きし「球場の雰囲気も含めて何かを変えたかった」と登場曲を変えた意図を説明。8回2失点(自責1)の力投も報われず、自身10戦勝利なしとなったが「実際に今日使って、雰囲気が僕はいつもと違うと感じましたし、ファンの皆さんの反応も、自然と手拍子の流れになっていた。そういうところで球場の雰囲気とかを変えることができたらなと思った」と空気感の違いを感じていた。【桑原幹久】

◆オリックスが今季最終戦で奪首した。エース山本由伸投手(23)が楽天を4安打完封し、球団記録を更新する15連勝で18勝目(5敗)を挙げた。 2種類のフォークを操って初の200奪三振もクリア。チームは貯金15で、山本は1人で貯金13を稼いだ。これぞエースという働きで、2年連続最下位のチームを押し上げた。25年ぶり優勝の行方は27日以降に3試合を残す2位ロッテの結果次第。人事は尽くした。天命を待つ-。極度の緊張状態でも、オリックス山本は動じない。優勝に望みをつなげたい最終戦。13年に24連勝を飾った楽天田中将との投げ合いを制し、15連勝で18勝目をつかんだ。東京五輪で金メダルも獲得し、飛躍の1年となった21年。ふと思い返すのは、初詣の帰り道。岡山・倉敷市の「鷲羽山(わしゅうざん)ハイランド」でのバンジージャンプのことだ。 「めっちゃ怖いんですよ! 震えたっすけど、勇気が出た。もう、なんでもいける! みたいな感じ」 高さ30メートルから飛び降りる。海抜170メートルで「下は見ていられなくて」と苦笑い。つま先10センチが空中に浮き、かかと部分のみで数秒間、直立不動した。「足ガクガクですよ。今思うとオリンピックのマウンドに似てたかも、あの震え方。震えが...ヤバかった!」と無邪気にメンタルを鍛えた。 そんな捨て身の精神強化が実って? この最終局面で今季4度目の完封勝利。肝っ玉が据わっている。【オリックス担当=真柴健】

◆オリックスは2位ロッテに1ゲーム差をつけた首位で全日程を終了。優勝はロッテの結果待ちとなった。 優勝の可能性を残して全日程終了は93年日本ハム以来10度目(前後制のパと勝利数で優勝を決めた01年セは除く)。2位で終了のチームが優勝した「棚ぼたV」は過去にないが、オリックスのように首位で終了のチームは過去4度のうち66年南海と88年西武が優勝している。

◆オリックス・紅林弘太郎内野手(19)が、先制打を放った。 「追い込まれていましたし、形というよりもなんとか食らいついていこうと思って、気持ちで打ちました! 当たりはよくなかったんですが、いいところに飛んでくれてよかったです!」 0─0の五回2死二塁。楽天先発・田中将が投じたスプリットをとらえ、三遊間をしぶとく破る。二走・T─岡田が激走し、本塁へヘッドスライディング。チームに貴重な先取点をもたらした。

◆オリックスが快勝した。五回に紅林の適時打で先制。七回にも紅林の適時打で加点し、九回に安達の2ランスクイズで突き放した。山本が4安打完封で15連勝を飾り18勝目。楽天は田中将が8回2失点と好投したが援護がなかった。

◆オリックスが快勝した。山本由伸が4安打完封で15連勝を飾り、18勝目(5敗)。打線は五回に紅林の適時打で先制。七回にも紅林の適時打で加点し、九回に安達の2ランスクイズで突き放した。優勝の行方は27日以降に3試合を残すロッテの結果次第。ロッテが1敗でもすれば、オリックスの優勝が確定する。 レギュラーシーズン最終戦。最初と最後を託された23歳のエースが、全力で右腕を振った。山本が、自身初の開幕投手から始まった2021年シーズンを快投で締めるべく、先発のマウンドに上った。 登板前から気合十分。その気持ちをボールに込めた。一回、先頭の山崎剛を146キロフォークで空振り三振。今季の奪三振数を「200」とし、自身初で球団では2013年の金子(現日本ハム)以来となる大台に到達した。その後も最速155キロの直球を軸にガンガン押した。四回まで1安打。楽天のエース、田中将との白熱の投手戦を展開していった。 この日は122球の熱投。今季4度目の完封で18勝目を挙げ、自身初の最多勝は確定。加えて最優秀防御率(1・39)や最多奪三振(206)、勝率第1位(・782)、完封数もリーグトップで、2006年の斉藤和巳(ソフトバンク)以来、史上8人目の〝投手5冠〟も決定的となった。 さらに、5月28日のヤクルト戦(京セラ)から自身15連勝。阪急時代を含めても球団新記録だ。 今季は、右のダブルエースと形容されてきた山岡が負傷離脱。その穴を埋めるべく、獅子奮迅の活躍を見せてきた。ロッテとの熾烈な首位争い。オリックスは山本由伸という絶対的なエースを武器に、大きな1勝を手にした。

◆オリックスが快勝した。山本由伸が4安打完封で15連勝を飾り、18勝目(5敗)。打線は五回に紅林の適時打で先制。七回にも紅林の適時打で加点し、九回に安達の2ランスクイズで突き放した。 以下、山本のヒーローインタビュー。 --今日の勝利で15連勝の球団新 「はい、うれしいです」 --レギュラーシーズン最終戦。どんな気持ちでマウンドに上がったか 「とにかく勝つことだけを考えて、思い切り腕を振りました」 --楽天・田中との投げ合い 「最後に(同じ試合で)投げられると思っていなかったので、試合前からワクワクしていたんですけど、とにかく落ち着いて投げようと、自分を抑えました」 --初回から155キロを連発 「試合前のブルペンからボールが結構行っていたので、自信を持って腕を振れたと思います」 --シーズンを振り返って 「いろんな方にサポートしていただいての自分の実力以上の数字だと思います」 --支えてくれた人へ 「1年の感謝の言葉を伝えたいと思います」 --優勝を信じているファンへ 「相手の結果待ちという形にはなってしまったんですけど最後まで信じて、僕も待とうと思います。1年間、応援ありがとうございました。またここから熱い戦いをしたいと思います。応援よろしくおねがいします」

◆パ・リーグは25日、オリックスがレギュラーシーズン最終戦で楽天に4―0で快勝し、ソフトバンクに7―15で大敗したロッテをかわして首位に浮上した。2位となったロッテに出ている優勝へのマジックナンバーは「3」のまま。 ロッテが16年ぶりの優勝を果たすには残り3試合で3連勝か2勝1分けが条件となり、どちらの場合でも優勝決定は30日の日本ハム戦となる。27日の楽天戦に敗れると、その時点でオリックスの25年ぶりの優勝が決まる。 セ・リーグは26日に優勝へのマジックナンバーを「2」としている首位ヤクルトがDeNAに勝って2位阪神が中日に負けるか引き分け、ヤクルトが引き分けても阪神が敗れると、6年ぶりの優勝が決まる。

◆楽天・田中将大投手(32)が先発し、8回4安打8三振2失点(自責点1)と好投したが、9敗目を喫した。8年ぶりに日本復帰したシーズンは、打線の援護に恵まれず4勝、防御率3・01で終了した。試合後の一問一答は以下の通り。 --投球を振り返って 「いろいろなことを含めて、今年一番良かったかなと思います」 --五、七回の適時打に悔いはない 「ないです。あれは、どうしようもできない。運がなかったと思います」 --外角への制球がよかった 「そこはしっかりと制球できたと思いますけど、一番は投球フォームのバランスがよくて、しっかりと腕も振れましたし、強いボールがいっていたと思います。体重移動もそうだし、いろいろなタイミングが、うまくいったと思います」 --チームは3位が決定 「シーズン前からみんなが、東日本大震災から10年というタイミングで、みんなで優勝の喜びを分かち合うと意気込んで臨んだシーズンだったので、この結果は非常に悔しいです」 --自身は4勝9敗 「それも含めて悔しい結果になった。チームとしての結果も、自分の責任が大きいと思うし、チームに迷惑をかけたなと思っています」 -―クライマックスシリーズに向けて 「僕自身のレギュラーシーズンの登板はきょうで終わった。クライマックスシリーズは、また別物だと思う。勢いに乗ったもの勝ちだと思うので、しっかりと切り替えて、いい準備をしてクライマックスシリーズに入っていけるようにやっていきたいと思います」

◆オリックスは投打がかみ合い、レギュラーシーズン最終戦を快勝で締めくくった。就任1年目の中嶋監督は2年連続最下位だったチームを70勝55敗18分けで貯金15にまで躍進させた。「勝ち方を覚えていって、選手に勝ち癖を付けるのも育成と思っていた」と感慨深げだった。 6月には37年ぶりの11連勝を飾った一方で、5連敗は一度もなかった。優勝決定はロッテの残り3試合の結果を待つ状況になったが「負けてくれとも思えない。これだけいい勝負をできた」と率直な思いを口にした。 中嶋監督(完封でチームを優勝に大きく引き寄せた山本に)「しんどい試合というのは分かっていたが、それをしっかり乗り切ってゼロで抑えた。本当にすごい投手だと思う」

◆楽天は山本に散発4安打に抑え込まれて三塁すら踏めず零敗を喫した。クライマックスシリーズ(CS)で勝ち進めば、対戦する可能性があるだけに嫌な印象を抱かせたかったが、返り討ちに遭った。 浅村、島内、鈴木大と中軸が無安打に終わった。石井監督は「終始、山本投手に主導権を握られてしまい、なかなか苦しい打者の対応になった。前に飛ばすことができないところもあった」と悔しがった。 石井監督(8回2失点で9敗目の田中将に)「ここ最近のなかでは一番いい状態だった。このような投球をしてくれればチームとしては心強い」

◆25年ぶりのリーグ優勝へ〝隠れマジック〟「1」が点灯した。オリックス・山本由伸投手(23)が4安打に抑えて完封し、レギュラーシーズン最終戦で楽天に4―0で快勝。ソフトバンクに7―15で大敗したロッテをかわして首位に浮上した。2位に転落したロッテの優勝へのマジックナンバーは「3」のまま。27日以降の残り3試合でロッテが1敗でもすれば、オリックスの優勝が決まる。 中嶋オリックスのレギュラーシーズン最終戦のマウンドに、背番号「18」が最後まで立ち続けた。山本が楽天を散発の4安打に抑え、今季4度目の完封勝利。田中将とのエース対決を制して球団新記録の自身15連勝で18勝目を挙げ、25年ぶりの優勝への可能性を広げた。 「とにかく勝つことだけを考えて思い切り腕を振りました。(田中将さんと)最後に投げ合えると思ってなかったので試合前からすごくワクワクしていました」 東京五輪でともに戦った右腕同士が白熱の投手戦を繰り広げた。元メジャーリーガーに負けじと、山本も最速155キロ直球を軸に立ち上がりから飛ばした。一回先頭の山崎剛から空振り三振を奪い、球団では2013年の金子(現日本ハム)以来となる200奪三振に到達。三塁を踏ませず、魂の122球でスコアボードに「0」を並べた。 最終戦を終えてファンにあいさつするオリックスナイン。あとはロッテの残り3試合の結果を待つだけとなった 今季は自身初の開幕投手を務め、フル回転した。26試合に登板し、18勝(5敗)で最多勝。防御率1・39で、2年ぶり2度目となる最優秀防御率も確定した。さらに最多奪三振(206)、勝率第1位投手賞(・783)、4完封もリーグトップ。2006年の斉藤和巳(ソフトバンク)以来、史上8人目となる〝投手5冠〟も決定的だ。 中嶋監督は「数字が物語るようにすごく安定している」と絶賛し、右腕は「色んな方にサポートしてもらったので、自分の実力以上の成績だと思います。感謝の言葉を伝えたい」と頭を下げた。 ロッテがソフトバンクに敗れたことで、オリックスに優勝への隠れマジックナンバー「1」が点灯した。最短で、ロッテが次戦27日の楽天戦(楽天生命パーク)で敗れれば、その瞬間、オリックスの25年ぶりのリーグ優勝が決まる。ロッテは残り3連勝か2勝1分けでないと優勝を逃がす状況となった。 「相手の結果待ちにはなってしまったんですけど、信じて待とうと思います」と山本。やれることはやった。激動のシーズンを送ったエースは悲願達成を信じ、次なる戦いに備える。(西垣戸理大)

DAZN

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
ORIX
705518 0.560
(↑0.004)
-
(-)
0551
(+4)
500
(-)
133
(-)
50
(+2)
0.247
(↓0.001)
3.310
(↑0.02)
2
(1↓)
ロッテ
675419 0.554
(↓0.004)
0
(-)
3580
(+7)
558
(+15)
125
(+3)
105
(-)
0.241
(-)
3.670
(↓0.03)
3
(-)
楽天
656215 0.512
(↓0.004)
5
(-)
1530
(-)
506
(+4)
108
(-)
45
(-)
0.243
(↓0.001)
3.420
(-)
4
(-)
ソフトバンク
606221 0.492
(↑0.004)
7.5
(↑1)
0564
(+15)
493
(+7)
132
(+3)
92
(-)
0.247
(↑0.002)
3.250
(↓0.02)
5
(-)
西武
556918 0.444
(-)
13.5
(↑0.5)
1521
(-)
588
(-)
112
(-)
84
(-)
0.240
(-)
3.960
(-)
6
(-)
日本ハム
526820 0.433
(-)
14.5
(↑0.5)
3443
(-)
512
(-)
75
(-)
76
(-)
0.231
(-)
3.380
(-)