ヤクルト(☆6対4★)巨人 =リーグ戦25回戦(2021.10.24)・明治神宮野球場=
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巨人
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ヤクルト
00060000X6610
勝利投手:原 樹理(3勝1敗0S)
(セーブ:マクガフ(3勝2敗31S))
敗戦投手:戸郷 翔征(9勝8敗0S)

本塁打
【巨人】廣岡 大志(5号・6回表3ラン)

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◆ヤクルトは4回裏、無死満塁から村上の適時打で先制する。さらに原の走者一掃となる適時二塁打などで、この回6点のリードを奪った。投げては、先発・原が今季3勝目。なお、今季限りでの引退を表明している巨人の大竹は、打者1人を打ち取り20年間の現役生活に幕を下ろした。

◆今季限りの引退を表明している巨人大竹寛投手(38)が、3月30日以来、約7カ月ぶりに1軍に昇格した。 今季は開幕1軍もシーズン途中に膝痛を発症し、引退を決断。プロ20年間で通算102勝101敗17セーブ、防御率は3・77。1軍登板となれば、3月30日の中日戦(バンテリンドーム)以来、今季4試合目、通算376試合目となる。 代わりに、同じく今季限りで引退を表明している亀井善行外野手(39)が出場選手登録を抹消された。レギュラーシーズンでの本拠地最終戦となった前日23日のヤクルト戦(東京ドーム)では、5回に代打で出場し、三ゴロに終わった。試合後には、引退セレモニーが行われた。 21日の亀井の引退会見にサプライズで登場した原辰徳監督(63)は「戦いは残ってます。『困ったときの亀ちゃん頼み』は、まだ卒業しないということを誓って、ねぎらいの言葉とさせて頂きます」と、今後の起用も示唆していた。

◆巨人原辰徳監督(63)が試合前の練習前、来季の続投が決定した件について言及した。 今季は3年契約の最終年。前日23日のヤクルト戦後には、山口寿一オーナーが「来季、原監督に続投を要請して、内諾を得ました。阿部君に来季は1軍のベンチにコーチとして入ってもらって、元木ヘッドと3人を中心にチームを立て直してほしい」と来季の続投を明言した。オーナーの発言を受け、原監督は「その通りです」と語った。 来季で巨人の監督史上最長となる16年目のシーズンを迎えることになる。「毎年そうなんだけど、何回も言っているけど、1年1年なんだよね、今回、3年契約で3年、3年って周りの人は言っているけど1年、1年だから、自分の中ではね。そういうつもりで積み重ねたのが...(16年目)ということしかない。そういう気持ちでなきゃ監督はできない。そういうつもりでやっています」と、目の前の戦いに集中していた。 今季はセ・リーグ3連覇は逃したが、前日にクライマックスシリーズ(CS)進出を決定させた。ここからは3位からの下克上日本一に挑む。

◆今季限りの引退を表明している巨人大竹寛投手(38)が、今季リーグ最終戦の円陣の声出し役を務めた。 「今日、僕に投げられるチャンスをいただきまして、本当にありがとうございます! 20年の思いを込めて今日、腕を精いっぱい振ります! そして明日からはもうラーメンを食べて、スープを飲みきって、そういうのも出来ます!」とラーメンマニアぶりを見せ、笑いを誘った。 続けて「僕は最後ですが、みんなにはCSに勝ち進んでもらって、日本一になる姿が見たいです。応援してます。今日も勝ってCS行きましょう! さあ行こう!」と叫び、坂本と両手でグータッチした。 大竹は今季、開幕1軍もシーズン途中に膝痛を発症し、引退を決断した。プロ20年間で通算102勝101敗17セーブ、防御率は3・77でこの日、出場選手登録された。1軍登板となれば、3月30日の中日戦(バンテリンドーム)以来、今季4試合目、通算376試合目となる。

◆ヤクルトの切り込み隊長、塩見泰隆外野手(28)がようやく安打を放った。 0-0で迎えた4回、先頭でカウント2-1からの4球目、直球をとらえると、三塁手岡本和を強襲する安打になった。 12日の中日戦での14号ソロ以来、32打席ぶりとなる安打に、ほっとした笑顔でベンチに向かってガッツポーズを決めた。 巨人先発戸郷からのチーム初安打となった。

◆ヤクルトが、5試合ぶりに先制した。 0-0で迎えた4回無死満塁、4番村上宗隆内野手(21)が、3球フォークが続いた後の巨人戸郷の直球をとらえて右前打を放ち、1点を先制。ベンチに向かってガッツポーズし「とにかくランナーをかえす気持ちで打席に入りました。大振りせずコンパクトに打ちました」とコメントした。 さらに無死満塁で、ドミンゴ・サンタナ外野手(29)がフォークにうまく合わせて2点適時中前打。「追い込まれていたので、なんとか食らいついて打ちました。抜けてくれてよかったです」と話した。 なおも2死満塁で先発原樹理投手(28)がカウント0-2から左翼線への二塁打。走者一掃となり、プロ入り後初となる3打点をマークした。 引き分けをはさんで3連敗、4戦勝ちなしの重苦しい雰囲気は、打線が振り払った。

◆ヤクルトの先発原樹理投手(28)が、大事な1戦で試合をつくった。 0-0で迎えた3回1死二塁のピンチで、丸を直球で空振り三振。続く岡本和をフルカウントからスライダーで見逃し三振に仕留めると、マウンドでほえた。 打撃では、4回2死満塁のチャンスでカウント0-2から外角の変化球にくらいつき、左翼線へ走者一掃の適時二塁打。プロ入り後初の3打点を挙げ、塁上でベンチに向かって拳を突き上げた。 5回1/3を被安打5の3失点(自責2)で降板し「とにかく先制点を与えないように、1人1人丁寧に投げることを心がけてマウンドに上がりました。イニングの途中でマウンドを降りてしまい申し訳ないです」と話した。

◆ヤクルトが連敗を3で止め、優勝マジックを2に減らした。4回に塩見泰隆外野手(28)の32打席ぶり安打となる三塁強襲内野安打をきっかけに無死満塁とすると、村上宗隆内野手(21)が右前に先制打。ベンチに向かってガッツポーズし「とにかく走者をかえす気持ちで打席に入りました。大振りせずコンパクトに打ちました」。さらに無死満塁で、ドミンゴ・サンタナ外野手(29)も中前2点適時打で続いた。「追い込まれていたので、なんとか食らいついて打ちました。抜けてくれてよかったです」と振り返った。 この回一挙6点を奪って主導権を握ると、巨人の追い上げを継投でかわし、逃げ切った。次戦26日のDeNA戦(横浜)に勝ち、阪神が同日の中日戦(甲子園)に敗れれば、6年ぶりのリーグ優勝が決まる。

◆最後は得意のシュートでバットを粉砕した。今季限りの引退を表明している巨人大竹寛投手(38)が、2点を追う8回に5番手で、208日ぶりに1軍マウンドに立った。 ヤクルトのサンタナへ内角シュートを4球続け、カウント2-2からこの日最速タイの139キロシュートでバットを折り、遊ゴロに仕留めた。アウトを確認するとグラブをパンとたたき笑顔で喜んだ。 マウンドに直々に歩み寄った原監督は、肩を抱き寄せて、たたえた。ベンチで前のめりになって見守ったナインは、ベンチ前に出て、大竹の体をパンパンとたたいてねぎらった。大竹は笑顔でベンチに駆けていった。 試合前には円陣の声出し役を務めた。チームは前日23日にCS進出を決めていた。「今日、僕に投げられるチャンスを頂きまして、本当にありがとうございます!20年の思いを込めて今日、腕を精いっぱい振ります!そして明日からはもうラーメンを食べて、スープを飲みきって、そういうのも出来ます!僕は最後ですが、みんなにはCSに勝ち進んでもらって、日本一になる姿が見たいです。応援してます。今日も勝ってCS行きましょう!」と、ジョーク混じりで仲間を鼓舞していた。 試合には惜敗した。今季最終戦となった試合後には、チーム全員で左翼席の巨人ファンにあいさつを行った。その後、大竹は仲間に胴上げされると、球場全体から拍手が起こった。

◆先発はヤクルトが原、巨人が戸郷。巨人は1回と3回に得点圏に走者を進めたものの無得点。戸郷は3回までパーフェクト投球。 ヤクルトは4回、村上とサンタナの連続適時打と原の走者一掃の適時二塁打で6点先制。巨人は6回、広岡の3ランなどで4得点。 ヤクルトは6回途中から継投策でリードを守り切り、優勝マジックを2とした。巨人は3年ぶりのシーズン負け越しが決定した。

◆巨人戸郷翔征投手(21)が4回6失点で、自身初の2ケタ10勝を逃した。 3回までヤクルト打線をパーフェクトに封じ込めていたが、4回に捕まった。内野安打と2四死球で無死満塁のピンチを招くと、村上、サンタナに連続で適時打を浴び3点を献上した。さらに2死満塁から投手の原に左翼線への走者一掃3点適時二塁打を許し、打者一巡で一挙6失点を喫した。 前半戦で8勝を挙げ、自己最多の2ケタ勝利へ視界は良好だった。後半戦に入ってからは一転、12戦1勝と苦しんだ。リーグ最終戦のこの日も振るわず、5戦勝ちなしでシーズンを終えた。開幕前に「昨季できなかった2桁勝利を」と掲げた目標は来年以降にお預けになった。

◆ヤクルトが逃げ切り連敗3でストップ。優勝へのマジックを2とした。4回に村上の適時打で先制すると、続くサンタナも2点適時打。さらに2死満塁から原が自ら走者一掃の適時二塁打を放ち、この回一挙6点を奪った。先発・原は6回途中3失点で3勝目。今季最終戦となる巨人は、自身初の2桁10勝目を目指した先発・戸郷が4回6失点の誤算。広岡の5号3ランなどで追い上げたが及ばず、負け越しが決定した。

◆巨人岡本和真内野手が18、19年に次いで自身3度目の全試合出場。 今季はすべて4番で先発したが、巨人で全試合4番は10年ラミレス以来5人目(9度目)で、日本人選手では02年松井以来19年ぶりとなった。岡本和は25歳。全試合4番の年少記録は20年村上(ヤクルト)の20歳だが、巨人では00年松井の26歳を抜いて最年少。

◆巨人が3年ぶりのシーズン負け越しに沈んだ。6点ビハインドから2点差まで迫るも、ヤクルトに惜敗。 3位でCS進出は決めているが、原監督は「ペナントレースに関しては終わってから反省と言うね。こういう成績になったのは原因はしっかりあると思いますね」と反省の弁を口にした。 故障者が続出し、投打がかみ合わず大失速した今季を象徴するような敗戦だった。主将の坂本は16日に右手首付近に死球を受けたこともあって欠場。先発戸郷は3回まで完全投球も4回に突然の乱調。投手原には申告敬遠後の2死満塁で走者一掃の適時二塁打を食らった。原監督は「同じような感じでね。セットポジションになってビッグイニングをつくられる。生きた練習をしているのかというところかな」と期待を込めて厳しい言葉を並べた。 停滞していた打線は上昇気配を見せ始めた。CS初戦まで約2週間。今月末のフェニックスリーグ(宮崎)で先発陣が調整登板の予定。投打で立て直し、下克上への地盤固めに入る。

◆今季限りの引退を表明している巨人大竹寛投手が、全球シュート勝負で最後のマウンドを飾った。 2点を追う8回、打者はヤクルトのサンタナ。何度も首を振り、伝家の宝刀を投げ込んだ。最後はカウント2-2から139キロでバットを粉砕。遊ゴロに仕留めると、笑顔でグラブをぽんとたたいた。「マウンドに上がったらスイッチ入って、シュートシュートになっちゃって。投げると決めていたんですけど、まさか自分でも、あれだけ首振って...。でも投げ切れたと思います」と、すがすがしい表情で笑った。 マウンドに歩み寄った原監督からは「お疲れさん」と肩を抱かれた。「ありがたいです。こんな僕に」。試合後は左翼付近で仲間から5度、胴上げされた。「一生の思い出ですね。あんなに気持ちいいものだとは思わなくて」と、また笑った。今季は負傷も重なり、1軍登板はわずか4試合で208日ぶりの1軍マウンド。プロ20年間を生き抜いてきた武器で、涙なく笑顔で投手人生に幕を引いた。

◆先発のヤクルト原樹理投手(28)が投打でチームをけん引した。 3回1死二塁のピンチで、丸を直球で空振り三振。続く岡本和をフルカウントからスライダーで見逃し三振に仕留めると、マウンドでほえた。打撃では、4回2死満塁でカウント0-2から左翼線への二塁打を放った。走者一掃となり、プロ入り後初の3打点をマーク。5回1/3を被安打5の3失点(自責2)で3勝目を挙げた。前日から緊張していたが「よく粘れたと思う。自分の結果よりチームが勝てば、自分のことなんて何でもいいやと思って投げていました」と振り返った。

◆6年ぶり8度目のリーグVへ、燕がもう1度上昇気流に乗る! ヤクルトが巨人に競り勝ち、優勝マジックを2とした。 4回に塩見泰隆外野手(28)の32打席ぶりの安打から打線がつながり、"チーム一丸"で一挙6点を先制。追い上げを振り切って、引き分けをはさんだ連敗を3で止めた。本拠地神宮のファンとともにつかんだ5試合ぶりの大きな1勝。最短で26日に歓喜の瞬間が訪れる。このまま、優勝は譲らない。これが燕の力だ、意地だ。連敗のトンネルを、全員の力を合わせて抜けだした。高津監督は「結果がすべてなので。反省しないといけないところはたくさんあったし、良かったところもたくさんあったけど、勝ててホッとしています」と言った。 試合前の声出しで、まさに"チーム一丸"になった。選手会長の中村が前に進み出ると、つば九郎とともに全員が肩を組み、異例の円陣をつくった。前回優勝した15年シーズンの9月27日巨人戦(東京ドーム)で、当時現役だった松元打撃コーチが発案。この試合を2-1で勝ち、マジック3を点灯をさせた縁起のいい円陣だった。6年の時を経て復活した"輪"の中心で中村が「走塁も打撃も守備も、すべていいイメージを想像してやっていきましょう」と号令をかけた。 デーゲームで2位阪神が勝利し、負けられない一戦。全員の気持ちは1つだった。0-0で迎えた4回、先頭の塩見が三塁手強襲の内野安打で出塁した。巨人戸郷からの、この日チーム初安打は自身にとって12日中日戦での14号ソロ以来、32打席ぶりのヒット。ベンチに向かって見せたホッとしたような笑顔にチームメートが応え、この回打者一巡で一挙6点を奪った。 引きずっていた後悔が、やっと吹っ切れた。21日の広島戦。塩見の後逸など守備の乱れも響いて敗れた。打撃不振も重なり、沈んでいた。そんな雰囲気を察したベテラン青木が、選手を集めてミーティングを行い、伝えた。「止まるな」。負けても、明日は来る。暗くなっても、何も変わらない。「野球だからミスもあることだろうし。小さくまとまらないようにやっていこうと伝えた」。いい時はみんなで喜び、悪い時はみんなで支え合う。7日ぶりの勝利。全員が前を向いている燕は、強い。【保坂恭子】 ▽ヤクルト高津監督(塩見の32打席ぶりの安打での出塁に) 3回まで(戸郷に)ぴしゃっといかれていたのでちょっと嫌なムードだったんですけど、塩見が先頭で出塁するというのが大きい。ヒットが大きかった。 ▽ヤクルト村上(4回に先制の適時打を放ち) ワンチャンスをものにできたのは、すごくよかった。なかなか勝てず、すごくプレッシャーを感じたし、なんとかしたいという気持ちはあった。明後日からまた頑張りたい。

◆巨人が今季のリーグ最終戦に敗れ、3年ぶりのシーズン負け越しが決定した。先発の戸郷翔征投手(21)は、4回に打者一巡の猛攻を受け、一挙6失点。6回に広岡の3ランなどで4点を返すも及ばなかった。 試合後の宮本和知投手チーフコーチ(57)の一問一答は以下の通り。 -今日の試合は先発の戸郷 もう最後の2桁へのチャンレンジということで、ちょっとジタバタ、シブがき隊じゃないけど。最後までジタバタで。結局、昨年同様、9勝で終わったということ。彼はまだまだ伸びしろのある若い選手なんで、これをいい糧にまた来季。(課題は)もう少しコントロールという部分と、今年先発ローテーションでやってきて浮き彫りになったのはセットポジションからの投球ですよね。その辺りを克服しないと、先発投手としての2桁勝利、その壁っていうのは非常に厚いと思います -戸郷の場合CSを見越してになる 宮崎のフェニックス・リーグに先発ピッチャー全員を送りこもうと思ってます。最終、3連戦の中で先発投手は調整させようかなと思っています -戸郷が2戦目という可能性は それはまだですね。後半見てもらってたら分かる通り、先発投手がバタバタしているところがある。安定感のある投手からいきたいと思います。我々は下克上ということでいろいろなチャレンジができる。畠も、どこでも先発でもリリーフでもいけるし、そういった良い投手からどんどんつぎ込んでいけるように。ましてや勇気を持って試合ができるっていうことは、3位での特権かなと思うので。そういった意味ではチャレンジ精神を持って、いろいろなものにトライしていきたい。だから、今までのシーズンとは違う投手リレーもあるかもしれませんよね。それは、シーズン後半に調子が悪くなった投手をまたリリーフに使ったり、いろいろ試行錯誤して考えている。最高の状態で、チャレンジャーということを忘れずに、いろいろな戦術を、投手リレーを考えていきたいなと思っています -今日でレギュラーシーズンを終え、投手陣を振り返ると 3位になったという結果においては私の責任もあると思います。8月26日からかな、中5日で(先発)投手を詰めてやるというのは私の提案で、投手コーチを含めて決めて、監督に相談したところ、OKをいただいてそうなった。そういった意味では、それで成績が出せなかったことに対しては私の責任だと思う。これは自分に責任があるなとは思っています。 -間隔を詰めてから先発陣に疲労など何か変化は見られたか うーん、疲れと言ったらキャンプを失敗したのかなとも思いますしね。それは最後の最後まで体力的にもたなかったという部分は、これは反省すべき部分だと思います。あとは6人目の投手、今で言う今村なのか、井納なのか、そのあたりが、いまひとつローテーションに入ってくることが難しかったといったところで、5人で回したという。まあこれはいろいろなお考えがある、評論家の皆さんたちもあると思うが、やはり台所事情は我々にしか分からないし、我々はベストの状態で選択して、そういうローテーションを組んだ。これは全て私なので、責任は、チーフとして、私が責任を持っていかないといけないことだったので、責任は私ですね。球数を見ても平均で100球いっていないんですよね。8月26日までを見ても。やっぱり90何球で先発が終わったりしている。やはり先発投手の踏ん張りを、今後の課題にして、やっていかないといけないなと思います。やっぱり先発ですよ。先発陣がしっかりしないと救援陣に負担がかかる。そういった意味ではステップアップしたね、投手陣を作り上げていかないと行けないと思います -幸い、CSまでにも時間がある。どういった修正を これはもう制球力ですよ。ここにきたらあとはもう制球力。スタミナもそうですけど、短期間で行くわけですから、今日みたいに戸郷も逆球も多かったし、制球力というのは課題です。勝負に強い、ピンチに強い投手というのをね。どうも弱々しく見えてしまう部分は、私だけでしょうか。ベンチから見ていてもそういった弱々しさがあるので、胸を張ってね。「下克上」という言葉がある通り、「3位になったんだ」「3位だから俺たちはチャレンジするだけだ」という捨て身でいきたいなと思います。 -救援陣は前半戦から踏ん張った そうね、リリーフには本当につらい思いをさせたなと。この143試合を終えてそう思います。それは私の責任はもちろん第一ですけど、先発陣の踏ん張りが足りなかったのはあります。もう1度、立て直していかないといけないという風には思います。

◆今季限りで現役引退を表明した巨人大竹寛投手(38)が、ラストマウンドで「シュートピッチャー」の生き様を示した。ヤクルトのサンタナに対し、5球連続でシュートを選択。カウント2-2から5球目でバットをへし折って、遊ゴロに抑えた。 広島から巨人へFA移籍1年目の14年、惜しげもなく、巨人の若手にシュートの「極意」を伝授した。春季キャンプでは、当時、シュートの習得に取り組む小山雄輝(現巨人球団職員)にこう伝えた。 大竹 あまりコースギリギリを狙いすぎると、ピッチングが窮屈になって、自分を苦しめるよ。真ん中から曲げる意識で投げるくらいで、ちょうどいいんじゃないかな。 プロ4年目の25歳、1軍生き残りをかけ、結果を求めすぎるあまりに完璧を目指す後輩右腕に、的確な助言で新球習得を手助け。投球の幅を広げ、小山はその年、16試合(15先発)に登板し、キャリアハイの6勝をマークした。 当時も今も、大竹の「投球論」は若手にとって、貴重な財産となる。広島時代に右肩を痛めた経験から、同じ悩みを抱える後輩たちに寄り添う姿も何度見ただろうか。完治には手術が必要なほどの右膝痛を抱えながら、投げ込んだ魂の5球はジャイアンツ球場でリハビリを続ける若手にも勇気を与えた。【久保賢吾】 ▽巨人原監督(大竹について)「寛ちゃんらしい、見事な全てシュート、伝家の宝刀だったしね。投げられる状況じゃなかったかもしれないけど全力で投げた姿は寛ちゃんらしいなというね、しかも陽でね。あのプレースタイルは私の記憶の中に非常に残る投手です」

◆6年ぶり8度目のリーグVへ、燕がもう1度上昇気流に乗る! ヤクルトが巨人に競り勝ち、優勝マジックを2とした。4回に塩見泰隆外野手(28)の32打席ぶりの安打から打線がつながり、"チーム一丸"で一挙6点を先制。追い上げを振り切って、引き分けをはさんだ連敗を3で止めた。本拠地神宮のファンとともにつかんだ5試合ぶりの大きな1勝。最短で明日26日に歓喜の瞬間が訪れる。このまま、優勝は譲らない。これが燕の力だ、意地だ。連敗のトンネルを、全員の力を合わせて抜けだした。高津監督は「結果がすべてなので。反省しないといけないところはたくさんあったし、良かったところもたくさんあったけど、勝ててホッとしています」と言った。 試合前の声出しで、まさに"チーム一丸"になった。選手会長の中村が前に進み出ると、つば九郎とともに全員が肩を組み、異例の円陣をつくった。前回優勝した15年シーズンの9月27日巨人戦(東京ドーム)で、当時現役だった松元打撃コーチが発案。この試合を2-1で勝ち、マジック3を点灯をさせた縁起のいい円陣だった。6年の時を経て復活した"輪"の中心で中村が「走塁も打撃も守備も、すべていいイメージを想像してやっていきましょう」と号令をかけた。 デーゲームで2位阪神が勝利し、負けられない一戦。全員の気持ちは1つだった。0-0で迎えた4回、先頭の塩見が三塁手強襲の内野安打で出塁した。巨人戸郷からの、この日チーム初安打は自身にとって12日中日戦での14号ソロ以来、32打席ぶりのヒット。ベンチに向かって見せたホッとしたような笑顔にチームメートが応え、この回打者一巡で一挙6点を奪った。 引きずっていた後悔が、やっと吹っ切れた。21日の広島戦。塩見の後逸など守備の乱れも響いて敗れた。打撃不振も重なり、沈んでいた。そんな雰囲気を察したベテラン青木が、選手を集めてミーティングを行い、伝えた。「止まるな」。負けても、明日は来る。暗くなっても、何も変わらない。「野球だからミスもあることだろうし。小さくまとまらないようにやっていこうと伝えた」。いい時はみんなで喜び、悪い時はみんなで支え合う。7日ぶりの勝利。全員が前を向いている燕は、強い。【保坂恭子】

◆巨人が今季最終戦を勝利で飾れず、3年ぶりのシーズン負け越しに沈んだ。先発戸郷が3回まで完全投球だったが4回に突然乱れ、6失点でKO。主将の坂本は16日に右手首付近に死球を受けたこともあって欠場したが、打線は6回に広岡の5号3ランなどで4得点。2点差まで迫ったが、序盤の大量失点が痛すぎた。 今季は61勝62敗20分けの3位でリーグ戦は終了した。11月6日開幕のクライマックスシリーズ(CS)のファーストステージで、セ・リーグの2位チームと対戦する。 試合後、原辰徳監督(63)の主な一問一答は以下の通り。 -打線は追い上げたが敗戦。試合を振り返って 「戸郷が同じような感じでね。セットポジションになって、もろくも、ビッグイニングをつくられるというね。やっぱり修正していかないと、チームから信頼を得なきゃいけないよね。それまでは完璧なのに、セットポジションになったというところでね。対応、練習というのをしているのか、生きた練習をしているのかというところかな」 -勝てば自身初の2ケタ10勝目だった 「2ケタ投手というのは簡単には生まれないということじゃないでしょうか。昨年だって同じようなもん(9勝)だな。やっぱり彼はまだまだ、無限とは言わないにしても可能性を秘めた選手なので、あえて成長してほしいという中で、厳しい目で我々は接しなきゃいけない。このままで終わるような形にしないようにね」 -CSに向けて野手は状態が上がってきた 「そうですね。今日は勇人(坂本)がやっぱりなかなか出られる状況じゃなかったので、頑張っていた。しかし時間がありますので、ペナントレースに関しては終わってから反省と言うね。ただ、やっぱりこういう成績になったというのは、原因というのはしっかりあると思いますね。そこをあえて皆さんの前では言わないでね」 -大竹が引退登板 「寛ちゃんらしい、見事な全てシュート、伝家の宝刀だったしね、そこは良かったと思いますね。いい舞台を我々もつくってあげたくて、投げられる状況じゃなかったかもしれないけど、でも全力で投げた姿というのは寛ちゃんらしいなというね、しかも陽でね。あのプレースタイルというのは私の記憶の中に非常にありますね。残る投手です」

◆優勝マジックを3としているヤクルトが四回、均衡を破った。巨人先発の戸郷に対して無死満塁の好機を作ると、村上が右前適時打で先制した。続くサンタナは中前2点打を放ち、3-0。なおも2死満塁から、原樹理が三塁線を破る走者一掃の二塁打で、6ー0とした。 3点二塁打を放ったヤクルト・原樹理=神宮球場(撮影・塩浦孝明) 先発の原樹理は四回まで無失点。優勝を争う阪神はデーゲームで広島を7-2で下した。 ◆先制を放った村上 「打ったのはストレートです。とにかくランナーを還す気持ちで打席に入りました。大振りせずコンパクトに打ちました」 ◆2点打を放ったサンタナ 「打ったのはフォークボールです。追い込まれていたのでなんとか食らいついて打ちました。抜けてくれて良かったです」

◆優勝へのマジックナンバー「3」で迎えたヤクルトは四回に若き主砲・村上宗隆内野手(21)の一振りから大量リードを奪った。 無死満塁から打席に立った村上は、真ん中に甘く入ってきた直球を捉えて右前適時打。「とにかくランナーをかえす気持ちで打席に入りました。大振りせずコンパクトに打ちました」と振り返った。 続くサンタナも中前2点打を放ち「打ったのはフォークボール。追い込まれていたので、なんとか食らいついて打ちました。抜けてくれて良かった」。さらに、2死満塁から先発の原が三塁線を破る3点二塁打を放ち、二塁ベースを回ったところで両拳を握った。デーゲームでは阪神が7ー2で広島に勝利している。

◆巨人・広岡大志内野手(24)が1点を返した後の六回に5号3ランを放った。開幕前のトレードで移籍後、古巣の本拠地に初めてアーチをかけた。 2死一、三塁でヤクルト・石山の外角直球を左中間席へほうり込んだ。今季最終戦のこの日は、坂本に代わって「8番・遊撃」でスタメン。これまでは中日・大野雄、DeNA・今永の左腕2投手から2本ずつ放っていたが、初めて右投手から一発を放ち、首脳陣にアピールした。 チームは自身初の10勝目をかけて先発した戸郷が4回6失点でKO。それでも6点ビハインドで迎えた六回に相手の失策もあって4安打で4点を返した。

◆今季限りで現役を引退する巨人・大竹寛投手(38)が2点ビハインドの八回に5番手で登板。代名詞のシュート5球でプロ20年間現役生活に幕を下ろした。 8回裏、サンタナ相手に投げる大竹寛=神宮球場(撮影・今野顕) 3月30日の中日戦(バンテリンドーム)以来、今季4試合目、通算376試合目のマウンド。右打者のサンタナの内角へシュートを5球連続で投げ込み、5球目で遊ゴロに打ち取った。敵地のファンからも拍手が注がれた。原監督自らマウンドへ労いに向かい、三塁ベンチ前にナインが花道を作って出迎えた。優しい性格で慕われ、〝投手陣のオアシス〟と呼ばれたベテランは、充実感いっぱいの笑顔でマウンドを降りた。

◆ヤクルトが四回に奪った6点のリードを守り、優勝マジックを1つ減らして「2」とした。先発の原樹理が5回?を投げ、5安打3失点(自責点2)で3勝目(1敗)。四回には3点二塁打を放ち、投打で勝利に導いた。26日ヤクルトは敵地でDeNAと、阪神は甲子園で中日と戦う。ヤクルトが勝って阪神が負けるか引き分け、ヤクルトが引き分けても阪神が敗れると、6年ぶりのリーグ優勝が決まる。 優勝を目前にして、1分けを挟む3連敗と足踏みが続くヤクルトだったが、先発の原が粘投。打っては3―0の四回2死満塁で三塁線を破る走者一掃の二塁打を放った。 「とにかく先制点を与えないように、一人一人丁寧に投げることを心掛けてマウンドに上がりました」 一回は1死から吉川、丸に連続四球を与えて一、二塁のピンチを招いたが、岡本和を空振り三振。中田を三飛に打ち取った。二回も1死から立岡に中前打を許したが、無失点。三回1死一塁では丸、岡本和を連続三振に仕留め、流れを呼び込んだ。 粘りの投球で、低調だった打線に火をつけた。四回は先頭の塩見が32打席ぶりの安打となる三塁強襲の内野安打で出塁すると、連続四死球で無死満塁。絶好機に4番・村上が右前適時打を放ち、先制した。さらにサンタナが中前へ2点打。2死満塁からは原が自らのバットで3点を追加した。 投手陣は六回に巨人・広岡に3ランを浴びるなど4点を返されたが、七回からスアレス、清水、マクガフとつないで逃げ切った。

◆ヤクルトが四回に奪った6点のリードを守り、優勝マジックを2とした。先発の原樹理が5回1/3を投げ、5安打3失点(自責点2)で3勝目(1敗)。四回には3点二塁打を放ち、投打で勝利に導いた。原の一問一答は以下の通り。 --大仕事をやってのけた。今の気持ちは 「今日を迎えるにあたって、前日からとんでもなく緊張してたんですけど、最後は腹くくってやるしかないと思って。今日はマウンドに上がって、最後は途中で代わってしまったんですけど、それまでよく粘れたかなと思います」 --今日のピッチングを振り返って 「初回からピンチで苦しかったんですけど、自分の結果よりチームが勝てば、もう自分のことなんて何でもいいやと思って投げてました」 --四回裏、2死満塁の場面。全て振っていましたが、最初から決めていた 「そうですね。狙い球1つに絞ってて、2球空振った時点でちょっとヤバいかなと思ったんですけど、絞り球を信じて3球目もいった。それがいい結果につながって、こうやってチームが勝って良かったと思います」 --その後を抑えてくれた中継ぎ陣の印象は 「1点でも勝っていれば、その点差は絶対守ってくれるので。いつも心強いですし、ありがたいです」 --残り3試合。投手陣にどんなことを託すか 「形はどうあれ、何失点しようが試合が終わった時に相手より1点でも多かったら勝ちなので。何としてもみんなで、精いっぱい頑張っていきたいと思います」

◆巨人の戸郷は4回6失点と打ち込まれ、高校出3年目で初の10勝目はならなかった。三回まで一人の走者も許さなかったが、四回に突然崩れた。内野安打に四死球が絡んで無死満塁とされ、村上に適時打を献上。続くサンタナに2点適時打、投手の原にも走者一掃の二塁打を浴び「最終戦でいい投球ができず悔しい」とうつむいた。 昨季は9勝をマークし、今季はさらなる飛躍が期待されたが、勝ち星を上積みすることはできなかった。防御率は2・76から4・27に悪化。規定投球回数に初めて到達したものの、昨季に続き後半戦に失速した。来月6日からのクライマックスシリーズ(CS)が控えるだけに「しっかり準備していきたい」と気持ちを切り替えた。

◆ヤクルトが四回に奪った6点のリードを守り、優勝マジックを1つ減らして「2」とした。先発の原樹理が5回1/3を投げ、5安打3失点(自責点2)で3勝目(1敗)。四回は先頭の塩見が32打席ぶりの安打となる三塁強襲の内野安打で出塁すると、連続四死球で無死満塁。絶好機に4番・村上が右前適時打を放ち、先制した。さらにサンタナが中前へ2点打。2死満塁からは原が自らのバットで3点を追加した。村上の一問一答は以下の通り。 ーー先取点で勢いづけた 「なかなかチャンスが来ない中、ああいうワンチャンスをモノにできたのは、すごく良かったです」 ーー原が二塁打を打った際にベンチでガッツポーズをしてた 「(原)樹理さんなら打ってくれるかな、って半信半疑で見てたんですけど。自分でなんとかしよう、っていう樹里さんの気持ちが、あの打球になったのかなと思います」 ーー試合前の円陣、声出しをした中村は何て声を掛けてた 「走塁にしろ、バッティングにしろ、守備にしろ、全ていいイメージで想像してやっていきましょう、と会長が声を掛けてくれました」 ーー全員で肩を組んでた。発案者は 「僕は知らないですけど、2015年に松元(ユウイチ)コーチがちょうど巨人戦でやったみたいで。その話は僕たちも聞いてますし、たぶんそれです」 ーーマジック「2」。チームの雰囲気は 「なかなか勝てず、すごくプレッシャーを感じました。なんとかしたいって気持ちはありましたけど、なかなか結果がついてこなかったですけど、今日の勝ちの勢い、明後日からまた頑張りたいと思います」 ーー優勝に向けて意気込みを 「残り3試合、樹理さんが僕たちにプレッシャー掛けたこと言いましたけど、投手が何点取られても僕たちが1点でも多く取りたいと思います。なんとかマジックあと2つ。しっかり勝って優勝できるよう頑張ります」

◆ヤクルトの原はシュートとスライダーのコンビネーションを武器に要所を締め、六回途中まで3失点で3勝目を挙げた。4番の岡本和を3打席全てピンチで迎えながら無安打、2三振と圧倒し「前日からとんでもなく緊張していたけれど、最後は腹くくってやるしかないと思った」と息をついた。 打席でも気迫を見せた。3―0の四回2死満塁で2ストライクから戸郷の変化球に食らいつき、左翼線を破る走者一掃の二塁打で勝利を大きくたぐり寄せた。高津監督は「何とかしようという気持ちが出ていた。どの選手にも必要なこと」とたたえた。

◆今季限りで現役を引退する巨人の大竹が八回に登板し、サンタナを遊ゴロに抑えて最後の投球を会心の笑顔で締めくくった。何度もピンチをしのいできたシュートを5球連続で投げた。「投げるチャンスをもらって、本当に幸せ者だなと思う」としみじみと話した。 通算102勝でユニホームを脱ぐ。試合後に巨人ファンが陣取る左翼席前で、仲間の手で胴上げされた。宙を5度舞い「一生の思い出。あんなに気持ちいいものだとは思わなくて」と感謝した。

◆最後は得意球で、と決めていた。今季限りで引退する巨人・大竹寛投手(38)が八回に登板。5球すべてシュートを投げて、20年の現役生活に幕を閉じた。 「自分でもまさか、首を振って(投げ続けるとは)。マウンドに上がったらスイッチが入った」 3月30日の中日戦以来、通算376試合目。右打者のサンタナの胸元をえぐり、最後は139キロでバットを折って遊ゴロに打ち取った。広島での12年間、FA移籍した巨人での8年間を支えた武器でラストを飾った。 温厚な性格で慕われた右腕は試合後、左翼席の前でナインから胴上げされ「あんなに気持ちいいものだとは。本当に幸せ者」と柔和な笑みを浮かべた。(谷川直之)

◆巨人は最終戦に敗れ、レギュラーシーズンを61勝62敗20分けの3位で終了。2018年以来3年ぶりに負け越し、原辰徳監督(63)は「こういう成績になった原因はしっかりある。(ポストシーズンが)終わってから反省」とし、多くは語らなかった。 昨季の9勝を上回る自身初の10勝を目指して先発した戸郷が、四回に突如崩れて4回6失点。指揮官は前半戦に8勝をマークしながら、後半戦はわずか1勝に終わった3年目右腕に「同じような感じ。セットポジションでビッグイニングを作られる。生きた練習をしているのか」と、あえて苦言を呈した。 今季は丸らが新型コロナウイルスに感染し、坂本、梶谷は骨折で離脱。3人の新外国人は全員シーズン途中に帰国するなど、難しい戦いを強いられたのも事実。10月には球団史上ワースト3位に並ぶ10連敗を経験した。「良薬としてワンチームで勝ち抜く」という指揮官のもと、クライマックスシリーズ(CS)で下克上に挑む。(伊藤昇)

◆ナインが、燕党が、4番の一振りに集中した。ヤクルト・村上宗隆内野手(21)が、四回無死満塁で先制の右前適時打。大きな拍手に、一塁ベース上で大きくうなずいた。 「なかなかチャンスが来ない中、ワンチャンスをものにできたのは、すごく良かった」 デーゲームで阪神が勝ったことを知り、臨んだ一戦。三回まで戸郷に完璧に抑えられたが、村上が5試合ぶりの先制点をもたらし、この回一挙6得点の口火を切った。 緊張と重圧を全員で振り払った。試合前、ベンチ前での〝燕陣〟でナインは肩を組んだ。仕掛け人は選手会長の中村だ。 4回、適時打を放ったヤクルト・村上宗隆 =神宮球場(撮影・塩浦孝明) 「『走塁、打撃、守備、全ていいイメージを想像してやっていきましょう』と会長(中村)が声を掛けてくれた」と村上。2015年には9月27日の巨人戦(東京ドーム)で、松元ユウイチ(現打撃コーチ)が「いい走塁、いい守備、いい打撃のイメージを持ってください」と鼓舞し、そこからチームは3勝1敗と波に乗って頂点に立った。再現された験担ぎの〝スクラム〟が、チームに一体感をもたらした。 高津監督も3連敗中に「結果はどうであれ、しっかり胸を張って戦おう」と呼び掛けていたという。思いを背負い、結果を出した村上に、指揮官は「打つのも、重圧がかかるのも、打てなくて点が入らないのも4番。それは背負っていかないといけない」と、さらなる期待を口にした。 「何点取られても、僕たちが1点でも多く打ちたい。しっかり勝って優勝できるように」。最短でのV決定は26日。若き主砲は、力強く誓った。(赤尾裕希)

◆セ・リーグ首位のヤクルトは24日、巨人最終戦(神宮)に6―4で勝って連敗を3で止め、優勝へのマジックナンバーを1つ減らして「2」とした。先発した原樹理投手(28)が六回途中まで5安打3失点(自責点2)で3勝目。重圧の中で、チームを勝利に導く投球を見せた。25日は試合がなく、最短での優勝決定は26日。DeNA戦(横浜)に勝つか引き分けると、阪神の結果次第で6年ぶりのリーグ優勝が決まる。 絶対に負けるわけにはいかない。ゲーム差なしで追い掛けてくる阪神の勝利がナイターの開始直前に確定。高津監督は、敗れれば2位に転落し、26日に最短Vを決める権利を譲ることになる〝天下分け目の戦い〟を制し、自信をにじませた。 「(阪神の結果は)気にならないと言ったら?になりますけど、阪神が勝つ負けるではなく、われわれが勝つことを常に頭に置いている」 窮地からチームを救ったのは、6年目右腕の原だった。指揮官は開口一番に「しっかり(一回を)立ち上がって、怖がらずに腕が振れていた」と好投をたたえた。 重圧のかかるマウンドで、原は六回途中5安打3失点と粘った。序盤からピンチの連続だったが、一回1死一、二塁では岡本和を空振り三振、中田を三飛に仕留め、三回1死二塁では丸を146キロの直球で空振り三振、岡本和をスライダーで見逃し三振に斬った。 19日から1分けを挟んで3連敗。負けた3試合では奥川、小川、石川と先発が5回を投げきれず降板した。悪い流れを断ち、優勝マジックを「2」に減らす立役者となった先発右腕は、お立ち台で「前日から、とんでもなく緊張していましたが、最後は腹くくってやるしかないと思った」と息をついた。 自らのバットでも勝利を大きく引き寄せた。3点を先制し、なお2死満塁で迎えた四回の打席。2球連続で狙い球のスライダーを空振りした後、3球目を捉えた。「狙い球は1つにずっと絞っていた。3球目も絞り球を信じていった」と外角いっぱいのコースに食らいつき、三塁線を破る走者一掃の3点二塁打。二塁ベース上で、両拳を天に突き上げた。2016年にドラフト1位で入団。大きな期待を受けながら、近年は状態が上がらない日々が続き、今季の前半戦も2軍を主戦場とした。自信を取り戻すきっかけとなったのが主将の言葉だ。6月24日のイースタン・リーグ、巨人戦(ジャイアンツ球場)。6回4安打3失点で終えると、山田からLINEが届いた。「きょうは良かったよ」公私で仲が良い後輩のため、山田は毎試合、投球を映像でチェックし、思ったことを伝えてきたのだという。その期待に、原は応えた。後半戦で1軍の先発ローテ入りをつかみ、ここ5試合連続で5回以上を投げて自責点3以下と安定した投球を見せ、優勝争いを展開するチームの重要なピースとなっている。残り3試合で優勝マジックは「2」。いよいよ、次戦の26日にも6年ぶりのリーグ優勝が決まる。高津監督は「切り替えて全力で戦うだけ。そういう気持ちが勝つ近道、原動力」と力を込めた。少し足踏みは続いたが歓喜の瞬間へ、あと〝二歩〟だ。(横山尚杜)

◆原樹理には恐れ入った。投打とも気力充実。いま最も頼りになる存在だろう。 一回に2四球で招いた1死一、二塁のピンチ。岡本和への投球は圧巻だった。初球に得意のシュートでファウル。カウント1-2と追い込んで、また内角へのシュートで空振り三振を奪った。 負けられない試合。与えてはいけない先取点。さらに、同僚の村上とタイトルを争う岡本和...。二重、いや三重のプレッシャーをはねのけ、投げ損じることなく、シュートで押し切った。いまどきのルックスから、そうは見えないかもしれないが、相当な度胸の持ち主だ。 四回の3点二塁打も、打者顔負けだった。スライダーを2球空振りして簡単に追い込まれた後、3球目もスライダー。外角いっぱいのコースに、しぶとく食らいつき、三塁線をきわどく破った。 三回の第1打席でも、初球から振りにいき、やはりカウント0-2から三ゴロ。野手が打てないなら自分で決める! 心の声が聞こえてくるようだった。 短期決戦では、こういう選手が大仕事を成し遂げるものだ。クライマックスシリーズ初戦の先発に、急浮上してくると思う。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
725018 0.590
(↑0.003)
M2
(↑1)
3612
(+6)
517
(+4)
141
(-)
70
(-)
0.254
(-)
3.460
(↑0.01)
2
(-)
阪神
775510 0.583
(↑0.003)
0
(-)
1541
(+7)
504
(+2)
121
(+1)
114
(+2)
0.248
(-)
3.300
(↑0.01)
3
(-)
巨人
616220 0.496
(↓0.004)
11.5
(↓1)
0552
(+4)
541
(+6)
169
(+1)
65
(-)
0.242
(-)
3.630
(↓0.02)
4
(-)
広島
606812 0.469
(↓0.003)
15
(↓1)
3537
(+2)
581
(+7)
120
(+1)
65
(+1)
0.262
(↓0.001)
3.850
(↓0.01)
5
(-)
中日
547117 0.432
(-)
19.5
(↓0.5)
1401
(-)
478
(-)
69
(-)
59
(-)
0.237
(-)
3.250
(-)
5
(-)
DeNA
547116 0.432
(-)
19.5
(↓0.5)
2558
(-)
612
(-)
136
(-)
30
(-)
0.258
(-)
4.120
(-)