阪神(☆6対1★)中日 =リーグ戦24回戦(2021.10.21)・阪神甲子園球場=
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中日
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阪神
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勝利投手:髙橋 遥人(4勝2敗0S)
敗戦投手:柳 裕也(11勝6敗0S)
  DAZN
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◆阪神は1点を先制して迎えた2回裏、島田の適時二塁打などで3点を追加する。そのまま迎えた7回には、ロハス・ジュニアと高橋が適時打を放ち、リードを広げた。投げては、先発・高橋が8回1安打無失点の快投で今季4勝目。敗れた中日は、打線が振るわなかった。

◆今季限りで現役引退する阪神俊介外野手(34)が、試合前練習が行われる前にユニホーム姿で甲子園球場に現れ、ナインらとあいさつを交わした。 自身の登場曲が流れる中、拍手で迎えられた。バックスクリーンのビジョンには「俊介さん12年間お疲れ様でした」と表示され、選手やコーチ、スタッフの前であいさつした。 その後、秋山拓巳投手(30)から花束を、近本光司外野手(26)から寄せ書きされたユニホームを贈られた。 「大事な試合前にこういうことをしていただいてありがたいですし、本当に頑張ってもらいたいなと思います」と感謝。「今いるメンバーだったら糸井さん以外、全員僕より年下。ハツラツとした若い力もいると思うので、そこでいろいろ経験もできると思う。しっかりと自分らのプレーで、楽しむっていうのは無理だと思うので...、優勝してもらいたいです」とエールを送った。 俊介は9月25日のウエスタン・リーグ、オリックス戦(甲子園)で5打数1安打。現役最終打席で中前打を放ち、同戦後に引退セレモニーを行った。

◆阪神近本光司外野手(26)が2回の守りからベンチに退いた。「3番・中堅」でスタメン出場し、1回無死一、三塁での第1打席で二ゴロを放ち1点を先制した。だが、一塁へ全力で駆け込んだ際に足を痛めた模様で、板山祐太郎外野手(27)と交代。板山が右翼に入り、右翼の島田海吏外野手(25)が中堅にまわった。 プロ3年目の今季はここまで全140試合に出場し、打率3割1分3厘、10本塁打、50打点、24盗塁をマーク。後半戦に入り低調な打線を自身の好調なバットで引っ張っている。負傷となれば、逆転Vへ大きな打撃だ。

◆奇跡の逆転優勝に向け残り4試合を負けられない阪神は2回までに4点を奪った。 今季ここまで11勝5敗の中日先発柳裕也投手を攻略し、2回でKOした。 前日20日は首位ヤクルトと0-0のスコアレスドローと打てなかった打線が、1回から機能した。1回無死一、三塁から3番近本光司外野手(26)の二ゴロの間に先制点を奪う。2回は無死二、三塁から坂本誠志郎捕手(27)の二塁後方へ高々と上がった飛球を二塁手石垣が落球する適時失策で2点目を奪った。なおも1死二、三塁から1番島田海吏外野手(25)が左中間へ適時二塁打を放ちさらに2点を追加した。島田は「同学年の(高橋)遥人が頑張って投げてくれているので、少しでも楽にさせたいという気持ちで打ちました」とコメントした。 負けられない試合であることはもちろん、セ・リーグトップ13勝を挙げているチームメートの青柳の最多勝タイトルの奪取を援護するためにも、11勝の柳を打ち崩したのは大きい。

◆阪神が7回にメル・ロハス・ジュニア外野手(31)の適時二塁打と高橋遥人投手(25)の適時打で2点を追加した。 1死二塁でロハスが中日鈴木の150キロツーシームを中堅へはじき返す適時二塁打。 「なかなか追加点が取れていなかったから、打つことができてよかったよ」とコメントした。 さらに2死三塁で9番高橋が初球の外角直球をとらえ、飛び込む遊撃手根尾の横をしぶとく抜く左前適時打で自らを援護した。高橋の打点は昨年10月5日巨人戦以来2打点目。

◆阪神は1回無死一、三塁から近本の二ゴロで1点先制した。2回にも島田の2点適時二塁打などで3点を追加し、4-0とした。 中日は阪神先発高橋を前に6回までに1安打無得点に封じられた。阪神は毎回走者を出すも、3回以降は6回まで追加点なし。 阪神は7回にロハスの適時二塁打などで6-0とした。引き分けをはさんで3連勝で高橋が4勝目。中日柳が6敗目を喫した。

◆逆転Vを目指す阪神が中日を振り切って、1分けを挟んで3連勝とした。 先発高橋遥人投手(25)が8回1安打無失点、4勝目(2敗)を無四球で飾った。高橋は今季中日戦で24イニング連続無失点となった。 打線は11安打で援護した。初回に連打で無死一、三塁とし、近本光司外野手(26)の二ゴロの間で1点を先制した。2回は無死二、三塁から坂本誠志郎捕手(27)の飛球を中日石垣内野(23)が落球して1点(記録は二失)を加え、1死二、三塁では島田海吏外野手(25)の左中間への適時二塁打でさらに2点を挙げた。4-0の7回には高橋も適時打を放って2点を加えた。 中日先発の柳裕也投手(27)は2回4失点で6敗目(11勝)を喫した。

◆逆転Vを目指す阪神が中日に快勝し、1分けを挟んで3連勝とした。 先発高橋遥人投手(25)が8回1安打無失点、4勝目(2敗)を無四球で飾り、9三振を奪った。高橋は今季中日戦で24イニング連続無失点となった。 打線は11安打で援護した。初回に近本光司外野手(26)の二ゴロの間に1点を先制し、2回は敵失と島田海吏外野手(25)の2点適時二塁打で3得点。7回には高橋も適時打を放って2点を加えた。 ヒーローインタビューで島田の一問一答は以下の通り。-2日ぶりのお立ち台。2日前とは何か変わった 「いや、あんまり代わらないですけど、青柳さんが隣にいないんでちょっと...(笑い)」 -1人だから思う存分話してください 「はい、頑張ります」 -ライトスタンドが沸いている 「ありがとうございます」 -初回は柳から安打で出塁 「いいピッチャーっていうのは始めから分かっていたので、きれいなヒットを打とうとせずに、なんとか食らい付いていこうと望んだ結果が、ヒットになったと思います」 -2回は左中間への2点打 「今度はランナーがいた状態でのバッティングということだったんですけど、とにかく絶対にかえすって気持ちで振り抜きました」 -バットを短く持って 「ファームでずっとやってきて、どうやったら1軍の投手についていけるのかと、すごい考えながら1年間ずっとやってきたんですけど、その中で僕の中では短く持つってところが1つの答えっていうか、ついていけるんじゃないかっていう、って思って取り組んできたんで、それがちょっとずつ形になってきたっていうことはうれしく思います」 -8個目の盗塁 「一番の持ち味は走力だと思っているので、塁に出たらどんどんプレッシャーを与えていくってことは1つの役割だと思っているので、そういう意味ではまた自信になりました」 -1番に抜てき 「ものすごいチャンスだと自分自身感じてやっているんで、本当に、とにかく前だけを向いて必死にやっていきたいと思います」 -ムードは 「いつもと変わらずすごいいい雰囲気で試合に臨めていると思うので、前も言ったと思うんですけど誰も下を向いていないんで、優勝に向けて一丸となって」 -残り3試合 「負けていい試合なんて1つもないと思うので、僕たちだけの力では勝ちきれないと思うので、ファンの方も1つになって、メンバーと一緒に戦っていきましょう!」

◆阪神の糸原健斗内野手(28)が今季7度目の猛打賞で打線を引っ張った。 3回1死で左前に運び、5回は先頭で内角の変化球に詰まりながら右前に落とす技ありの一打。7回も先頭で三塁強襲打で出て、5点目のホームを踏んだ。「自分のやることをよく考えてその結果が3本になっただけ。残り試合も自分のできることをしっかりしてチームの勝利に貢献できるように」。打順を問わずシュアな打撃を貫いている。

◆阪神メル・ロハス・ジュニア外野手(31)が得点に絡む2本の二塁打で、存在感を見せた。1点リードの2回無死一塁ではカウント2-2から柳の低めチェンジアップに体勢を崩されながらも、執念で右翼線へ運んだ。二、三塁と好機を広げ、この回の得点へつなげた。「チェンジアップがいいピッチャーだったので、(体勢が)崩れはしたが、なんとかチャンスを広げられて良かった」と、防御率リーグトップの右腕を攻略した。 4点リードの7回1死二塁では、中日鈴木の失投を見逃さなかった。1ボールから真ん中へ入ってきた速球をコンパクトに振り抜いた。二塁手が右に寄り、広く空いた二遊間を破る適時二塁打。「ランナーがかえってくれて、追加点が欲しい場面だったのでいい場面で点がとれて良かった」。3回以降、毎回走者を出しながら追加点を挙げられず、遠かった5点目を呼び込み満足顔だった。「全部勝つしかない。残り全部勝つつもりでチームに貢献できるように」。近本の状態が気掛かりだが、両打ち助っ人が残り3試合フル回転でチームを救う。【前山慎治】

◆阪神が中日に快勝し、逆転Vへ望みをつなげた。ただ、チームを引っ張る近本光司外野手(26)が右ハムストリングの張りで2回守備から交代。8回1安打無失点と快投を続けていた高橋遥人投手(25)も9回のマウンドに上がったところで降板した。左肘の違和感を訴えたとみられる。試合後の矢野燿大監督(52)の一問一答は以下の通り-先発高橋がすばらしい投球 そうですね。本当に安心して見ていられる投球でしたし、三振をとるところはしっかり取れてっていうね。ハルト(高橋)らしい強いボールがいってたんじゃないですかね。 -後半は変化球も交えていたが、今日最もよかったところは トータルじゃないですかね。もう本当にストレートの力もコントロールもありましたし、ツーシーム系のボールも、スライダー系のボールも使えたんで。バッターもなかなか的が絞られないような、そういうほぼ完ぺきな投球かなと思います。 -完封ペースだったが、9回は1度マウンドに登ってから投げなかった まあそうですね。いけなくはなかったんですけどね。ちょっと違和感あるんでね。ちょっと無理させないで、おこうかなというところです。 -近本も途中交代 まあ近本もね、あまり張りが出たことなかったんで。ずっと出ているんでね。これ以上悪くなるということは避けたかったんで、代えました。 -大事を取ったという表現でいいか と思っています。 -3試合連続の1番の島田が4出塁、2打点 本当に相手投手の柳といういい投手から打てたということも自信にして欲しいですし、本当に積み重ねてきたものがじょじょに結果として表れているんでね。走攻守全てで活躍できる選手だと思うんで自信を持って、大化けして欲しいですね。 -2軍監督時代からかなり指導してきた そうですね。ファームでやっている時はちょっと積極性というか、失敗したらどうしようというような、そういうものが先行していた部分もあったんですけど、本当にそういうところから超積極的にいくぞというところから、そのような姿勢で取り組んできたものが結果として積み重なっていると思います。 -残り3試合に向け ヤクルトの結果はもちろん気になるんですけど、でも僕たちは残り全部勝つという、それしかできないんで。まずは目の前の試合を取って、全部勝つというのを全員で戦う姿を見せていきたいと思います。 ? (囲み) -高橋は同じ相手にも好投 研究されてもいいピッチャーはやっぱり打てないよね。それは相手が誰であろうと簡単に打てるようなボールには見えなかった。 それぐらいレベルが高いというか。 -ポストシーズンに向けて大事を取った それは、今すぐどうとは言えないけど。まあ無理はさせないでおきたかった。それは今後を見て。 -島田の存在感 本人は必死やし。自分が試合に出たところでどうするか。チームで同じユニホーム着ているけど、ライバルなんでね。自分がどう出るかを考えていけばいいしね。結果的にあいつが頑張ることがチームのためになるんでね。それよりも、もっともっとハングリー精神を持ちながら俺を使えっていう姿勢と結果を見せていく事の方が必要やし。もっとガンガン、ハングリーにきてほしいなと思ってる。 -近本は病院に 一応行ってるんじゃないかな。まだ結果も何もない。今後のことは正直分からない。 -島田が活躍したり、他の外野手ででカバーも 近本はねえ、なかなか外せない選手なんで。そういうところでは気にはなるけど。こればっかりは俺が何かできることじゃないんで。軽症を祈るけど。それが出られないってなるんであれば、それは残っているメンバーでしっかりやっていくしかない。 -坂本マスクでここ3試合で1失点 もともとそういうピッチャー心理とか、打者心理とかそういうものは幅広く見て感じてできる選手なんで。また試合に出ていない時の準備もさすがやなって思わせてくれるところもある。それはキャッチャーって出ている時だけじゃないんでね。試合前もそうだし、試合中もそうだし、試合外もそうだし。そういうところではアイツは準備からレベルが高いし。共同作業なんでね。誠志郎の意思がピッチャーに伝わって、お互いの気持ちを一致させて、どう投げていくか。また打たれた時は次、どうしていくかというものを積み重ねていけるようなキャッチャーのタイプなんでね。そういうところが、しっかり意思疎通できているっていうのが、こういう結果につながっていると思う。

◆中日柳裕也の投手4冠が消滅した。12勝目を目指したが、阪神打線につかまり今季最短の2回4失点でKO。勝てば中4日で26日の阪神戦(甲子園)に先発し、青柳に並ぶハーラートップの13勝目とともに、最高勝率狙いもあった。 柳は「悔しいです」とがっくり。一方で、リーグ1位の防御率2・20、168奪三振は2位以下を大きく引き離しており、投手2冠は濃厚な情勢。この日が今季最終登板になる可能性が高まった。 ▽中日与田監督(高橋に今季24イニング無得点で3戦全敗)「選手個々も反省して、来シーズンに向けて考えないといけない」 ▽中日岡林(9回に完封負けを阻止する左前適時打)「四球でつないでくれたので、何とか後ろにつなごうと振っていった。ヒットになってよかったです」

◆矢野阪神が非常事態に直面した。初回に近本光司外野手(26)が右ハムストリング(太もも裏)の強い張りを訴えて途中交代。さらに高橋遥人投手(25)も左肘に違和感を覚えた模様で、完封を目前の9回に1度はマウンドに上がりながらも降板した。中日に快勝し、首位ヤクルトと0・5ゲーム差に接近したが、シーズン終盤を引っ張ってきた投打の柱が離脱すれば、逆転V、そしてポストシーズンに大きなマイナス材料になる。奇跡の逆転V、そしてポストシーズンに暗雲が垂れ込めた。投打の柱に、まさかのアクシデント発生だ。3番近本が1回無死一、三塁で二ゴロを放った。先制点を挙げたが、一塁へ全力疾走した際、一瞬、顔をゆがめ、そのままベンチ裏へ。右ハムストリング(太もも裏)に強い張りを感じたため、大事を取って2回の守りから板山と交代。試合中に西宮市内の病院で検査を受けた。 リードオフマンの負傷交代に、矢野監督の表情も曇った。「近本もあまり張りが出たことがなかったんで。これ以上悪くなることは避けたかったんで代えた。(診断の)結果も何もないし、今後のことは分からない」。近本は全140試合に出場し、打率3割1分3厘、10本塁打、50打点、24盗塁。178安打はリーグトップで、最多安打のタイトルを確実なものにしている。後半戦は打線の得点力が低下する中、好調の打撃で引っ張ってきた。残り3試合だけでなくCSまで故障が長引くと、大きな戦力ダウンは避けられない。 追い打ちをかけるように、9回表の守備でもショッキングな場面があった。先発高橋が、1度はマウンドに上がったが、トレーナー、福原投手コーチと話し合い、ベンチに下がった。そのまま矢野監督は小川に交代を告げた。中日打線を8回1安打無失点で、球数は90球。今季3度目の完封も狙える中での緊急降板。指揮官は「(9回は)いけなくはなかったが、ちょっと違和感があるんで、無理をさせないでおこうかと」と説明した。その後、アイシングした姿でベンチに高橋は戻ってきたが、左肘の違和感とみられる。 高橋は故障がちで、今季は上肢のコンディション不良で出遅れた。9月に復帰し、7試合先発し4勝2敗。いずれも中5日でヤクルト、巨人にぶつけるなど、首脳陣の信頼も厚く救世主的存在となっている。ポストシーズンもフル回転が期待されるだけに、軽傷を祈るばかりだ。首位ヤクルトが逆転負けを喫し、マジックは3のまま。矢野阪神はこの日の快勝で0・5ゲーム差に接近したが、喜べない夜となった。【石橋隆雄】

◆阪神坂本誠志郎捕手が8試合連続のスタメンマスクで好リードを続けている。 先発の高橋とは7回無失点だった14日の巨人戦に続いて、2週連続のバッテリー。「(中日は)早打ちのイメージだったのでどのようにして空振りを取るとか、打たせて取るとかを意識しながら投げようと話をしていました」。サイン交換時のジェスチャーも大きく、試合前や試合中でもコミュニケーションを徹底し、左腕の好投を引き出した。

◆阪神島田海吏外野手(25)がアクシデントをはね返す活躍を見せた。 3試合連続1番起用で、3打数2安打2四球1盗塁。「なんとか食らいつく」と、防御率リーグトップの中日柳を初回先頭から襲った。中前打で出塁後、近本の二ゴロで先制のホームイン。直後、2回表の守備から近本が負傷でベンチに退く緊急事態も、島田が火をつけた打線は最後まで一丸だった。 2点リードの2回1死二、三塁では143キロ外角直球を左中間へ。2点適時二塁打でグッと流れを引き寄せた。 「『とんでもないんじゃないか』ってくらい、すさまじいピッチングで、僕も負けてられないなって」 17年ドラフト同期の先発高橋の快投に心が震えた。2回からは近本に代わり中堅へ。真後ろから見る背番号29を刺激に、前日無安打の屈辱を意地で返した。「いつもチャンスがもらえる立場じゃない。1打席1打席大事にすることが結果につながった」とうなずいた。 試行錯誤の末にたどり着いた道だ。バットを指数本分短く持つスタイルは、2軍の鳴尾浜球場で体に染みこませた。「どうやったら1軍の投手についていけるか...。僕の中で短く持つってことが1つの答え」。これからもしぶとく1本のヒットをもぎ取っていく。 起用に応えた背番号53を矢野監督は「走攻守全てで活躍できる選手だと思うんで、自信を持って大化けしてほしい。『俺を使え』っていう姿勢を見せて、もっとガンガン、ハングリーに」とさらなるアピールを期待した。 4安打を放った2日前は青柳と2人だったお立ち台は、この日は1人。島田は泥だらけになったユニホームでナインの思いを代弁した。「負けていい試合なんて1つもない。ファンの方も1つになって戦っていきましょう!」。ラスト3戦も泥臭く戦っていく。【中野椋】

◆両軍のスターティングメンバーが発表され、阪神・島田海吏外野手(25)が3試合連続で「1番・右翼」を任された。先発は高橋。逆転優勝のためには、絶対に負けられない一戦で、新リードオフマンが左のエースを援護する。

◆阪神が幸先よく先制した。中日の先発は試合前の時点で、今季の防御率0・78と抑えられている柳。難敵から1番・島田がいきなり快音を響かせる。 ファウルで粘って7球目、128キロを中前にしぶとく運ぶと、中野が二塁強襲のヒットで続き無死一、三塁のチャンスを作った。3番・近本の二ゴロの間に島田がホームに生還。負けられない一戦で序盤の主導権を握った。

◆まさかのアクシデント発生だ。「三番・中堅」で先発出場した阪神・近本光司外野手(26)が二回の守備からベンチに退いた。 ここまでリーグトップの178安打を放っている近本は第1打席で無死一、三塁から先制点をもたらす二ゴロを放っていた。何らかのアクシデントがあったとみられる。近本に代わって右翼の島田が中堅へ、右翼には板山が就いた。

◆阪神の坂本誠志郎捕手(27)が、二回にラッキーな形で追加点をもたらした。 先頭の木浪が四球で出塁すると、ロハスが右翼線へ二塁打を放って無死二、三塁と好機を広げた。ここで坂本が打席へ。その2球目。甲子園上空に高々と舞い上がった白球を、二塁手・石垣が弾いて落球(記録は失策)。木浪が悠々と2点目のホームを踏んだ。 阪神はさらに1死二、三塁から島田が左中間を破る2点二塁打を放ち、4-0と大きくリードを広げた。「同級生の(高橋)遥人が頑張って投げているので、少しでも楽に投げさせてあげたいという気持ちで打ちました」と島田は広報を通じてコメントを寄せた。

◆阪神が七回に大きな追加点をあげた。中日の4番手・鈴木から先頭の糸原が左前打、木浪の二ゴロの間に二進した。ここでロハスが中前に適時二塁打を放って追加点。「打ったのはツーシーム。なかなか追加点が取れなかったから、打つことができてよかった」とロハスはコメント。三回以降、毎回得点圏に走者を進めながらも得点を奪うことができなかったが、勝利を大きく手繰り寄せる5点目をあげた。 さらに2死三塁とすると、7回1安打無失点と好投している先発の高橋が左前に運んで6-0とした。

◆阪神が快勝した。先発の高橋が8回1安打無失点と躍動。二回に高橋周に中前打を許したものの、続く加藤翔を遊ゴロ併殺。三回以降は4者連続三振を奪うなど一人の走者も許さない完璧な内容だった。一度は九回のマウンドに向かった高橋だったが、ベンチに退き小川にバトンタッチした。 打線は苦手としていた柳から、一回先頭の島田が中前打を放つと、無死一、三塁とし近本の二ゴロであっさりと先制。二回には島田が左中間へ2点二塁打を放つなど、11安打6得点とつながった。投打のかみ合った阪神は引き分けを挟んで3連勝とした。

◆一回に内野ゴロの間に先制した阪神は二回に敵失と「1番・右翼」で出場した島田海吏外野手(25)の2点二塁打で加点。七回にも2点を追加して、快勝した。先発の高橋遥人投手(25)は8回無失点で、4勝目(2敗)を挙げた。 ヒーローインタビューで島田は「絶対に返すという気持ちで振り抜きました」。2安打2四球で4出塁。「ものすごいチャンスだと自分自身、感じてやっているので、本当に、前だけを向いて必死にやっていきたいと思います。負けていい試合はひとつもないと思うので、僕たちの力では、勝ちきれないと思うのでファンの方もひとつになって、メンバーと一緒に戦っていきましょう」と全員野球を強調していた。

◆中日は先発・柳が序盤に失点を重ね、打線も高橋をとらえきれなかった。試合後の与田剛監督(55)の主な一問一答は以下の通り。 ――柳は2回4安打4失点(自責点2)で降板。ボールカウントの先行も多かった 「少し慎重に入っている気がしたかな。変化球も多かったし、いろんな思いがあったと思いますけど、きょうはうまくいかなかった」 ――味方の失策も絡んだ 「これは仕方のないこと」 ――柳は今回が今季最終登板となる 「もう一度、全て確認をしてから決めます。最多勝に関しては厳しいので、そのほかの部分をしっかりと見て(そのほかのタイトルを)確実に取れるかどうか、最終チェックをしてから(考える)」 ――打線は今年、高橋に対してなかなか得点できない 「確かにいい投手ですけれども、それを何とか攻略しなければいけないのでね。選手個々も反省はするでしょうけど、来季に向けて考えていかないといけないところ」 ――ビシエドは五回の打席で右膝付近に自打球を当てた。状態はそんなに悪くない 「現時点ではね。それはあしたにならないと分からない。あの時点でかなり痛そうだったので交代させましたけど、あしたにようすを見て、ひどければあしたのゲームも考えないといけない」 ――岡林が九回に適時打を放った 「三ツ俣から粘り強く四球選んで、根尾も追い込まれてからの四球。ああいうところはすごく成長してきたと思うし、そういうことがどんどんできるようになってくるといい」

◆投手タイトル4冠獲得の可能性があった中日・柳裕也投手(27)が先発したが、2回4安打4失点(自責2)で白星を逃した。 「悔しいです」 一回に1点を失うと、四球と二塁打で作られた二回無死二、三塁で〝事件〟が起こった。8番・坂本を144キロ直球で飛球に打ち取るも、前進守備から背走して落下点へ向かった二塁・石垣が、打球をグラブに当てながら落球。このプレーで1点を失い、その後の1死二、三塁では1番・島田に左中間への2点二塁打を許した。直後の三回で代打が送られ、降板した。 今季はキャリアハイに並ぶ11勝を挙げ、防御率2・20、168奪三振はともに2位に大差をつけるセ・リーグトップで、2冠で自身初のタイトル獲得を果たす可能性は高い。しかし、最多勝争いではトップの阪神・青柳との2差が変わらず、最高勝率の条件となる13勝以上も絶望的となった。中4日で26日の阪神戦(甲子園)に登板するプランもあるなか、与田剛監督(55)は今後の登板について「最多勝に関しては厳しいので、そのほかの部分をしっかりと見て(そのほかのタイトルを)確実に取れるかどうか、最終チェックをしてから(考える)」と話した。

◆一回に内野ゴロの間に先制した阪神は二回に敵失と島田海吏外野手(25)の2点二塁打で加点。七回にも2点を追加して、快勝した。4勝目(2敗)を挙げた高橋遥人投手(25)は九回のマウンドに上がったものの、降板。近本光司外野手(26)は二回の守備から交代した。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ーー高橋が素晴らしい投球だった 「本当に安心して見ていられる投球でしたし、ハルトらしい強いボールがいってたんじゃないですかね」 ーー九回は一度マウンドに登ってから投げなかった。アクシデントがあったと想像できるが 「まあそうですね。いけなくはなかったんですけどね。ちょっと違和感あるんでね。ちょっと無理させないで、おこうかなというところです」 ーー違和感というのは肩か肘か 「まあそれはちょっと...はい」 ーー近本も途中交代 「近本もね、あまり張りが出たことなかったんで。ずっと出ているんでね。これ以上悪くなるということは避けたかったんで、代えました」 ーー大事を取ったという表現でいいか 「と思っています」 ーー残り3試合に向け 「ヤクルトの結果はもちろん気になるんですけど、僕たちは残り全部勝つしかできないんで。まずは目の前の試合を取って、全部勝つというのを全員で戦う姿を見せていきたいと思います」 (囲み) ーー高橋はポストシーズンに向けて大事を取った 「今すぐどうとは言えないけど。まあ無理はさせないでおきたかった。それは今後を見て」 ーー島田の存在感 「結果的にあいつが頑張ることがチームのためになるんでね。それよりも、もっともっとハングリー精神を持ちながら俺を使えっていう姿勢と結果を見せていく事の方が必要やし。もっとガンガン、ハングリーにきてほしいなと思ってる」 ーー近本は病院に 「一応行ってるんじゃないかな。まだ結果も何もないし。今後のことは正直分からない」 ーー島田が活躍したり、他の外野手ででカバーも 「近本はねえ、なかなか外せない選手なんで。気にはなるけど。俺が何かできることじゃないんで。軽症を祈るけど。出られないってなるんであれば、それは残っているメンバーでしっかりやっていくしかないんで」 ーー坂本マスクでここ3試合で1失点 「元々ピッチャー心理とか、打者心理とかは幅広く見て感じてできる選手なんで。また試合に出ていない時の準備もさすがやなって思わせてくれるところもあるし。それはキャッチャーって出ている時だけじゃないんでね。試合前もそうだし、試合中もそうだし、試合外もそうだし。そういうところではアイツは準備からレベルが高いし。共同作業なんでね。誠志郎の意思がピッチャーに伝わって、お互いの気持ちを一致させて、どう投げていくか。また打たれた時は次、どうしていくかというものを積み重ねていけるようなキャッチャーのタイプなんでね。そういうところが、しっかり意思疎通できているっていうのが、こういう結果につながっていると思う」

◆中日は打線がわずか2安打と苦しんだ。10月2日に完封された高橋には、八回まで走者を1人しか出せなかった。反撃の糸口をつかめず、与田監督は「なんとか攻略しないといけない。ずっといい投球をされている」と苦しげに言った。 2番手の小川に代わった九回は若手が意地を見せた。零敗は免れる適時打を放った岡林は「つないでくれたので、自分も何とか後ろにつなごうと振っていった結果」と息をついた。

◆まさかのアクシデント発生だ。「3番・中堅」で先発出場した阪神・近本光司外野手(26)が一回に二ゴロで先制点を挙げた際に一塁ベース手前でスピードを緩め、二回の守備からベンチに退き、右翼の島田が中堅へ、右翼には板山が入った。 試合後、球団広報は「試合中に右ハムストリング(太もも裏)の強い張りを感じたため、大事を取って交代し、西宮市内の病院を受診しております。明日以降は様子を見て対応いたします」と発表した。矢野監督は「今後のことは正直分からない。近本は外せない選手なんで。気にはなるけど。俺が何かできることじゃないんで。軽症を祈るけど。出られないってなるんであれば、それは残っているメンバーでしっかりやっていくしかないんで」と話した。

◆途中交代した近本の状態が気がかりだ。そんな状況で1番を任されている島田が、ようやく〝らしい〟働きができるようになってきたのは明るい材料。2安打2四球で4出塁は立派だ。 2軍で結果を残して昇格してきたので、もともと調子は良かったのだろうが、打席を重ねる中で1軍の投手に慣れてきたのが大きい。経験を積み、落ち着いてプレーできている。今年から「短打に徹するバッティング」にしたことが現在の結果につながっているのだろう。たとえば近本は長打の可能性を秘めたスイングだが、島田のバッティングから長打は望めない。今はシンプルなこのスタイルでいいと思う。 「成長中」という表現が当てはまる。調子が落ちたときの精神的な切り替えをどうするか。対左腕は? 課題も多いし、ライバルも多い。これからが大変だ。 ポストシーズンに向けて先発投手陣の安定感は素晴らしいが、得点力不足は深刻。フェニックスリーグのメンバーを含めて、首脳陣がいかに選手の調子を上げ、状態のいい選手を見極めるか。その中で島田が有力な候補であることは間違いない。(本紙専属評論家)

◆阪神・高橋遥人投手(25)が8回1安打無四球、無失点の快投で4勝目を挙げた。しかし完封目前の九回、一度はマウンドに向かったもののベンチに退き、小川にバトンタッチした。 試合後、矢野監督は「(九回も)いけなくはなかったんですけどね。ちょっと違和感あるんでね。ちょっと無理させないでおこうかなというところ」と説明。場所については「それはちょっと...」と言葉を濁したが、左肘の張りとみられる。9月に今季初昇格後、4勝(2敗)、防御率1・65と圧倒的な投球を見せている左腕だけに、CSへ向けても、状態が心配だ。

◆百点満点の投球に、甲子園の誰もが完封勝利を待ち望んでいた。しかし、あとアウト3個を残してアクシデント発生。九回のマウンドに上がった高橋だったが、投球練習中に福原コーチとトレーナーが駆けつけ、急きょ降板。8回零封の快投も、不安が残る形でグラウンドを後にした。 「リズム良く投げることができたかなと思う。序盤はあまりよくなかったけど、坂本さんが引っ張ってくれて、いろんなボールを使いながら抑えることができた」 落とせない一戦で手も足も出させない、最高の投球を見せた。許した安打はわずか1本。しかも無四球。七回には京田からの上位打線を3者連続三振に斬った。 八回を終え、準完全試合まであと3人としていたが、九回の投球練習で2球を投げたところでストップし、トレーナーとともにベンチへ。そのまま交代となり、球場は一瞬の沈黙の後にどよめきが起こった。 九回、緊急登板した小川(右)に高橋(左)は手を合わせて感謝した 8回90球を投げ、1安打無失点。中日に対して24イニング無失点としたが、予想だにしないアクシデントが降りかかった。矢野監督は「ほぼ完璧な投球」と称賛しつつ状態について「ちょっと違和感があるんでね。無理はさせないでおきたかった」と説明。左肘とみられ、今後についても「今すぐどうとは言えない」と言葉を濁した。 先発の柱として期待された4年目の今季は、春季キャンプで右脇腹を痛めて離脱。その後、上肢のコンディショニング不良なども重なり、9月にようやく1軍初登板。そこから圧倒的な投球で勝利を呼び込み、沈みかけていた虎を引っ張ってきた。ここにきて再び戦列を離れることになれば、今後もクライマックスシリーズなど厳しい戦いが続くチームにとって大きな痛手だ。 「プレッシャーはいつも、どの試合もある。特別な思いは持たずに、いつも通りの投球を心掛けました」 奇跡の逆転V、そして日本一へ、左腕の力は不可欠。大事に至らぬことを祈るしかない。(織原祥平)

◆阪神・近本光司外野手(26)が21日の中日戦(甲子園)で走塁中に右太もも裏に強い張りを訴え、途中交代した。試合中に西宮市内の病院へ行き、診察を受けた。診断結果は不明だが、長期離脱の可能性も急浮上。奇跡の逆転Vを目指す虎に、激震だ。いつもは風のように駆け抜ける一塁手前で、近本がスピードを緩めた。絶好調の選手会長に、まさかのアクシデントが発生。二回の守備から途中交代した。大逆転Vを目指す矢野監督も、神妙な面持ちで軽症を祈った。 「近本もね、あまり(右太もも裏に)張りが出たことなかったんで。ずっと出ているんでね。これ以上、悪くなるということは避けたかったんで、代えました」 3試合連続の3番起用で、一回無死一、三塁と絶好の先制機に悲劇が起こった。柳の初球のスライダーをたたきつけ、結果は二ゴロ。それでもこの間に先制点をもぎとった。近本は歩いてベンチ裏へと下がったが、再びグラウンドに戻ってくることはなかった。 試合後、球団広報は「試合中に右ハムストリングの強い張りを感じたため、大事をとって交代」と発表。西宮市内の病院に直行して受診したが、診断結果は不明だ。エースの西勇が右肘違和感で離脱し、復帰時期は不透明。さらに大山も背中の張りから不振に陥り、常時スタメン出場できる状態ではない。マルテも2試合連続無安打で10月は打率・206と急降下。ここで近本まで離脱となれば〝飛車角落ち〟どころではない。 指揮官は「まだ結果も何もない。今後のことは正直分からない」と説明し「近本はなかなか外せない選手。軽症を祈るけど、出られないってなるんであれば、残っているメンバーでしっかりやっていくしかない」と必死で前を向いた。 シーズンは残り3試合だが、その先にはクライマックスシリーズが待っている。重症、長期離脱とならないことを祈るばかり。虎が最終盤に来て、正念場を迎えた。(新里公章)

◆まだまだ諦めへんでぇ~! 阪神は中日に6―1で快勝。近本光司外野手(26)が一回の攻撃で右脚を痛めて緊急交代。選手会長離脱の危機に「1番・右翼」でスタメン出場した島田海吏外野手(25)が2安打2打点、4出塁と奮起した。首位ヤクルトが敗れたため、ゲーム差は0・5となり、優勝マジックは「3」のまま。奇跡の逆転Vへ、突っ走る!虎にとって大事な男がグラウンドから姿を消した。それでも島田が響かせた快音が、難敵からつかみ取った白星が、不安をかき消してくれる。覚醒した伏兵が、奇跡の逆転Vの希望だ。 「打席の中で粘って、何とかしようという思いが強かった。それが結果として出せたことは自信にもなるし、盗塁も決めれたので、持ち味はしっかり発揮できた」 難敵・柳の出はなをくじいた。一回先頭。ファウルで粘って7球目をしぶとく中前へ。中野のヒットで三進すると、近本の二ゴロで先制のホームへ。ここで思わぬアクシデントが待っていた。 二回の守備に近本がベンチから出てこない。代わって板山がコールされた。暗雲立ち込める甲子園。しかし、どよめきはすぐさま歓声へ。直後の攻撃だ。敵失で2-0とし、なおも1死二、三塁。島田がフルスイングした打球は、左中間で弾む2点二塁打。新リードオフマンの奮闘で、最多勝を狙った柳に今季初めて土をつけた。 3試合連続で任された1番。低調な打線にメスが入り、選手会長が3番に移ったことによる大抜てきだった。その近本の緊急離脱。燃えないわけがなかった。しかも、マウンドでは同学年&同期入団の高橋が腕を振っている。「初回からエンジン全開で、外野に飛んでこないんじゃないかと。遥人に負けていられないと思った」。ここまでチームを引っ張ってきたのは近本や大山ら1994年組。その1学年下だって負けていない。虎の窮地を、1995年組の投打のヒーローが救った。 矢野監督は3連勝に導いた2軍監督時代からの教え子に「もっとハングリー精神を持ちながら『俺を使え』っていう姿勢を、結果を見せていくことが大事。もっとガンガンきてほしい」とさらなる奮起をうながした。近本が重症となれば、クライマックスシリーズに向けて島田の役割はさらに重要になるからだ。 20日に地元・熊本で阿蘇山が噴火。熊本地震の傷痕が残る中、また天災が故郷を襲った。「馬刺しも帰ったら絶対食べますし、熊本城もぜひ見てほしい。復興は続いていますけど、熊本の方も絶対に喜ぶと思う」。語りつくせぬ地元愛。今できることは、グラウンドで雄姿を届けること。首位ヤクルトは広島に敗れ、マジックは「3」のまま。ゲーム差は0・5に迫った。大逆転優勝の奇跡を故郷のファンへ-。笑顔を届けてみせる。 指揮官が「全部勝つというのを、全員で戦う姿を見せていきたい」と言い切れば、島田も「残り全部勝つつもりで、自分のできることをやりつくして、シーズンを終えたい」とキッパリ。残り3試合。最後に並べる怒とうの白星が、甲子園に、そして熊本に歓喜の瞬間をもたらす。(原田遼太郎)

◆ふ~っ。まるで熾烈な優勝争いの呪縛から解放されたかのような虎の快勝!! 投げては高橋が8回をわずか1安打! 打っては防御率、奪三振でリーグトップを走る中日・柳を2回でKOときたもんや!! もしかしたら、あれですか!? 井上陽水の『夢の中へ』。 ♪探すのを止めたとき~見つかることもよくある話で~ もちろん、この探しモノは言わずもがなの『優勝』なんだけど。 本日、虎の安打製造機・近本が負傷退場し、今季開幕戦のスタメンで残っているのはマルテ、糸原だけ...。これじゃ、さすがに探しモノもなあ...。いや、本日2安打2打点4出塁の若虎・島田が見つかりました!! 何~!? ヤクルトが負けた!? 待て待て、シーズン中、3連勝と2勝3敗なんてよくある話...。こいつは、ひょっとして探すのを止めたとき、見つかること(逆転V)もよくある話で...なんてネ!! 探さないぞー!!

◆ひょっとして、いや本当に奇跡が起きるのでは...。10月21日は、そう思わせるような一日だった。阪神は中日を投打で圧倒。一方、首位ヤクルトは前半の3点リードを守り切れず、まさかの逆転負け。両チームのゲーム差は「0・5」となった。 「ヤクルトの勢いはそう続かない。連勝の反動は必ずある。最後まであきらめずに頑張っていればなにが起きるか、わからんよ」 10月12日からの巨人3連戦(東京ドーム)を取材中、阪神OBの一人は喫煙所で熱く語っていた。ヤクルトは9月中旬に9連勝、10月1日からは7連勝。阪神、巨人を抜いて、一気に首位に立ったことに言及。「大型連勝よりも2勝1敗と勝ち越して、手堅く貯金を増やしていくのが、本当の強いチーム」とも力説。右ハムストリングに張りを訴えた近本の状態は気になるが、最近のヤクルトは救援投手が不安定。打撃陣も好不調の波があり、チーム状態は明らかに下降線だ。 順位は貯金数ではなく勝率で決まる。引き分け数(阪神9、ヤクルト18)を考えると、同じ貯金数ならヤクルトを勝率で上回れない。阪神は残り3試合をすべて勝てば勝率・590。ヤクルトが残り5試合で2勝3敗(・584)なら〝奇跡〟は起きる。 「ヤクルトの結果は、もちろん気になる」と矢野監督。僕もスポーツ新聞を手にすると、真っ先に、優勝ラインの「勝率表」をチェックするのが日課となっている。(三木建次)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
714918 0.592
(↓0.005)
M3
(-)
5605
(+7)
502
(+11)
141
(+1)
70
(-)
0.255
(-)
3.410
(↓0.04)
2
(-)
阪神
76559 0.580
(↑0.003)
0.5
(↓1)
3533
(+6)
501
(+1)
120
(-)
112
(+1)
0.249
(↑0.001
3.330
(↑0.02)
3
(-)
巨人
606120 0.496
(-)
11.5
(↑0.5)
2537
(-)
534
(-)
166
(-)
65
(-)
0.242
(-)
3.630
(-)
4
(-)
広島
606711 0.472
(↑0.004)
14.5
(↑1)
5534
(+11)
573
(+7)
119
(+1)
63
(-)
0.264
(↑0.001)
3.860
(↓0.03)
5
(-)
中日
546917 0.439
(↓0.004)
18.5
(-)
3399
(+1)
469
(+6)
69
(-)
57
(-)
0.237
(↓0.001)
3.220
(↓0.01)
6
(-)
DeNA
527116 0.423
(-)
20.5
(↑0.5)
4549
(-)
610
(-)
135
(-)
30
(-)
0.258
(-)
4.170
(-)