阪神(☆11対0★)ヤクルト =リーグ戦24回戦(2021.10.19)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:青柳 晃洋(13勝5敗0S)
敗戦投手:奥川 恭伸(9勝4敗0S)

本塁打
【阪神】近本 光司(10号・1回裏3ラン)

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◆阪神は初回、近本の3ランで幸先良く先制する。その後は4回裏に島田と中野の連続適時打、5回には青柳の適時打が飛び出すなど、終わってみれば16安打で11得点を挙げた。投げては、先発・青柳が7回無失点の力投でリーグトップの今季13勝目。敗れたヤクルトは、投打ともに振るわなかった。

◆今季限りで現役を引退する阪神中田賢一投手(39)が試合前練習の前にユニホーム姿で現れ、ナインらとあいさつを交わした。 自身の登場曲が流れる中、拍手で迎えられた。バックスクリーンのビジョンには「賢一さん17年間お疲れ様でした」と表示され、選手やコーチ、スタッフらの前で約3分、あいさつした。中田は「(阪神で)2年間全力で野球をさせていただいたことの感謝の気持ちと、まだシーズンが続いていますので、全力で応援しますということと、僕自身が大きなケガをせずにやってきたので、体のケアを含めて体を大事にやってくださいという話をしました」と明かした。 その後ロベルト・スアレス投手(30)から花束が、高橋遥人投手(25)からは寄せ書きされた色紙、青柳晃洋投手(27)からは寄せ書きが記されたユニホームを贈られた。 「本当に、なかなか厳しい戦いは続いていますけど、最後の最後の1球が終わるまでは本当に野球というのは分からないので。最後の1球までボールを追いかけて、執念で勝ちをもぎ取りにいってほしいと思います」。逆転Vを目指す思いを託し、グラウンドをあとにした。 中田は八幡-北九州市大を経て、04年にドラフト2巡目で中日に入団。14年にソフトバンクにFA移籍し、18年に通算100勝を達成。トレードで20年から阪神でプレーし、昨季は3試合に登板して未勝利。今季は1軍登板がなかった。通算297試合登板で100勝79敗1セーブ、防御率3・75。

◆ヤクルト奥川恭伸投手(20)が今季10勝目を狙う。 高卒2年目に2桁勝利を挙げたのは今年の宮城(オリックス)がいるが、ヤクルトでは51年金田22勝、58年村田15勝、90年川崎12勝の過去3人。球団31年ぶりの記録を狙う。

◆スタメンが発表され、阪神大山悠輔内野手(26)がベンチスタートとなった。代わって4番にはジェフリー・マルテ内野手(30)が入る。 大山は7日DeNA戦で右腕ロメロの150キロツーシームを左脇腹に受け、12日の練習中に背中の張りを感じ、12、13日巨人戦のベンチ入りメンバーから外れ、14日同戦もベンチスタートだった。17日広島戦(甲子園)で4試合ぶりに「4番三塁」でスタメン復帰していたが、優勝マジック4の首位ヤクルトとの直接対決で、再び先発を外れる形となった。

◆阪神近本光司外野手(26)が1回、値千金の先制3ランを放った。ヤクルト先発奥川の立ち上がりを攻略した。 1番島田、2番中野の連打で無死一、二塁。高め速球を強振し、右翼席に10号弾を放った。「島田、中野といい形でつないでくれたので、その勢いに乗って打ちにいきました。初回から(先発の)青柳さんを援護することができてよかったです」。自身初めてシーズン2桁アーチに到達。「2年続けて9本塁打だったので2桁本塁打に乗せることができてよかった」と振り返った。連敗なら、首位ヤクルトの優勝を許す2連戦の初戦を幸先よく滑り出した。逆転優勝に向けて必死に戦う。

◆優勝マジック4の首位ヤクルトと2位阪神の直接対決は、雨天により4回に一時中断となった。 阪神が3点リードの4回裏、先頭のロハスの打席を迎える場面で、3回裏から降り始めた雨が強くなり、一時中断がアナウンスされた。 この日の阪神の先発は青柳晃洋投手(27)。チームの屈指の雨男として知られ「雨柳さん」とも呼ばれる右腕。この日は4回まで無失点と好投を続けている。2回には打席に立ち、打席登場曲の徳永英明「レイニーブルー」が流れていた。

◆ヤクルト奥川恭伸投手(20)が、4回途中で降板した。 1回、1番島田に中前打、2番中野に左前打を浴び、無死一、二塁のピンチを作ると、3番近本に右翼席へ先制3ランを献上した。その後、追加点を許さなかったが、ボークや暴投を記録し、不安定な立ち上がりとなった。2、3回は無失点に切り抜けるも、降雨による中断を挟んだ4回につかまった。1死走者なしから木浪に左翼へ二塁打を放たれ、2死二塁で青柳を四球。島田に中前適時打を浴びたところで降板。「大事な試合を任せていただいたのでなんとか試合を作りたかった。先発としての仕事ができず悔しい。チームに申し訳ない」と、表情をこわばらせながらベンチに下がった。 2番手石山も流れを断ち切れず、奥川は3回2/3を投げ、7安打5失点となった。今季甲子園では2試合で合計14回で1失点、防御率0・64。相性の良いマウンドで、結果を残せなかった。

◆阪神中野拓夢内野手(25)がシーズン123安打に積み上げ、球団新人安打記録で6位に浮上した。 4回に1点を追加した直後、2死一、二塁で2番手石山のフォークをとらえ、右前適時打を放った。「(島田)海吏さんがいい打撃を見せてくれたので、それに続いて打つことができました。追加点を取ることができてよかったです」。猛打賞で、50年徳網茂の122安打を抜いた。 1回無死一塁でエンドランの左前打で好機を広げ、近本の先制3ランをお膳立てした。3回は先頭でしぶく右前に運んでいた。この日を終えれば残り5試合。同1位の19年近本159安打には及ばないが、同5位は01年赤星憲広の128安打で、どこまで伸ばせるか注目される。

◆阪神島田海吏外野手(25)が貴重な加点タイムリーを放った。降雨による26分間の中断明けの4回、2死一、二塁で奥川のスライダーをとらえて、中前に運んだ。二塁走者木浪もヘッドスライディングで生還。本塁送球でクロスプレーになり、ヤクルトはリクエストを出したが覆らなかった。 「2打席目に少し強引になってしまったので、センター方向に意識を持って打ちにいった結果がいい形になってよかった。ホームまでかえってくれた(木浪)聖也さんには感謝です」。1回も中前打を放ち、5回も中前適時打。プロ4年目で初の猛打賞をマークした。大一番でシーズン3度目の1番先発に抜てきされて、好結果を出した。

◆阪神青柳晃洋投手(27)が投打の大奮闘で、13勝目の権利を手にして降板した。投げては7回3安打無失点。5回に2点二塁打を放つなど、バットでも貢献した。 「投球自体は無駄な四球も多くリズムが悪くなってしまいましたがなんとか0点で抑えることができてよかったです。野手の方々が大量援護をしてくれたおかげで投げやすかったです。野手の方々に感謝です」 ピンチはいきなり初回にやってきた。1死から2四球と安打で満塁のピンチ。5番サンタナをツーシームで遊ゴロ併殺に打ち取ると、グラブをたたいて喜んだ。その後は2回から3イニング連続3者凡退。4回裏に降雨で一時中断となったが、「雨柳さん」と呼ばれるほどチーム屈指の雨男は動じなかった。 4回2死二塁の打席では四球で出塁。島田の適時打の間に二塁に進むと、続く中野の右前打で激走を見せ、一気にホームへ生還。6-0の5回2死一、二塁ではヤクルト大下のスライダーを捉え、前進守備の中堅手を越える適時二塁打を放ち2点を追加。投げて、走って、打って、逆転Vへフル回転した。 現在ハーラートップタイ12勝を挙げている右腕。このまま13勝目をつかめば、リーグ単独トップとなる。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)がプロ1年目でシーズンの規定打席(443打席)に到達した。 ベンチスタートだったが、10-0の7回1死二塁の場面で代打として登場。相手投手は佐藤輝の代打と同じタイミングで右腕の大西広樹投手(23)にスイッチされた。 カウント1-2から落ちる球に空振り三振に倒れた。 2リーグ制後の阪神新人でシーズンの規定打席を満たすのは、2日の中日戦(甲子園)で到達した中野拓夢内野手(25)に次いで13人目。また、同一球団の新人2人が規定打席を満たすのは、62年東映の青野修三と岩下光一以来、プロ野球59年ぶり。阪神では1リーグ時代も含め、初となった。

◆2位阪神が首位ヤクルトとの直接対決2連戦の初戦に大勝し、2連勝でゲーム差を1・5に縮めた。ヤクルトのマジック4を減らさず、20日甲子園での胴上げを阻止した。 打線は試合前時点で5戦、防御率1・99と苦手だった奥川を4回途中5失点で降板させ、最終的に11得点の猛攻。26分間の雨天中断後も集中を切らさなかった。先発の青柳晃洋投手(27)は7回無失点でハーラー単独トップとなる今季13勝目をマークした。 1回はこの日3番起用された近本光司外野手(26)が先制の10号右越え3ラン。4回は1番島田海吏外野手(26)、2番中野拓夢内野手(25)の2者連続タイムリーが飛び出した。 5回には7番木浪聖也内野手(27)の右前適時打、9番青柳の中越え2点二塁打、1番島田の中前適時打でさらに4点を追加。7回には木浪、島田がともに適時二塁打を放った。 近本はプロ3年目で初の2ケタ本塁打。島田はプロ4年目で初の猛打賞から4安打を記録した。勢いづいて20日、直接対決2戦目を迎える。

◆阪神が16安打で大勝した。一回に近本の3ランで先制。4回に島田と中野の適時打で2点、5回にも4点を加えた。青柳は尻上がりに調子を上げ7回無失点でリーグ単独最多の13勝目。ヤクルトは奥川が4回途中5失点と誤算だった。

◆阪神が初回に3番近本の10号先制3ランで試合の主導権を握った。先発青柳は3回を1安打無失点と上々の立ち上がり。 阪神が中断後の4回に島田の適時打などで2点を追加。5回にも4点を加えた。ヤクルト奥川は4回途中5失点で降板した。 阪神が16安打11得点で快勝。青柳は7回3安打無失点の好投で単独トップの13勝目を挙げた。ヤクルトのマジックは4で変わらず。

◆二塁先発で起用された阪神木浪聖也内野手が今季初の猛打賞で気を吐いた。 4回に左中間二塁打を放つと、5回1死一、三塁では速球を振り切り、右前に落とす適時打を放った。「走者をかえすことしか考えてなかった。かえせてよかった」。7回も右翼線に適時二塁打で、この日は3安打だ。今季はルーキー中野に出番を奪われて出場機会は減ったが、大事な試合で存在感を見せた。

◆阪神中野拓夢内野手はすり足打法を取り入れ、シーズン123安打で球団新人6位に浮上した。右足を高く上げるスタイルから変更。 1回無死一塁ではランエンドヒットで三遊間を抜き、3番近本の先制3ランをお膳立てした。3回は先頭で右前打を放ち、二盗に成功。4点リードの4回2死一、二塁でも一、二塁間へ適時打を転がし、直後に再び二盗を決めた。新打法の感触を問われると「クイックだったりに差されてしまうことが多かった。タイミングを早く取って、どんな投げ方にも対応できるように」と納得した。 今季12度目の猛打賞で球団新人7位となった50年徳網茂の122安打を抜き、残り5試合で同5位の01年赤星憲広128安打に迫る勢いだ。リーグ最多を独走する盗塁数もこの日2個を積み重ね、29盗塁で目標とする30に王手。19年近本の球団新人最多猛打賞13回にも王手をかけた。

◆近本光司はここ2年"日本トップクラス"に摂取しているものがある。昨年開幕前の6月に東京にある築地果汁創作所の「飲むあんこ」に出合い、試合前やゲーム中に飲む。あんこに含まれる小豆は疲労回復効果が高いといわれ、血糖値を維持する力で、運動による筋肉の損傷を最小限にとどめることができるという。 近本は、それらの効果を求めてたどり着いた。ネット販売で平均で1カ月60パックを購入。同社の平子社長は「単純計算で1日2パック。今、日本で一番あんこを食べていると思います」と真剣に言う。ペースト状に加工された白あん、粒あん、こしあんの3種類を"ヘビロテ"。何より甘さが控えめで飲みやすく、飽きない。「昨年は最後まで体重が落ちなかったと近本選手から聞いています」。 毎試合、必ずあんこのパックを持っているから、チーム内でのあだ名が一時期「あんこ」になったとか...。「10本塁打の壁」を打ち破った裏には、欠かせないエネルギー源があった。【阪神担当=中野椋】

◆阪神が16安打11得点で首位ヤクルトに大勝した。本拠地甲子園での胴上げを阻止し、逆転Vに望みをつないだ。投手陣も完封リレーを決め、投打で圧倒した。 1回に近本が今季10号3ランを放って先制し、先発青柳が7回3安打無失点と好投した。島田もプロ初の猛打賞となる4安打の大暴れ。お立ち台に上がった島田は「昨日、大事な場面で(佐藤)輝の代打で、うまくバントを決められなかった。見返すチャンスだと自分で思った。やってやろうとしか思っていなかった。派手な打撃はできない。泥臭いヒットが持ち味」と話した。単独トップの13勝目を挙げた青柳も壇上で「負けていい試合は1試合もない。優勝するために絶対に勝たないといけない。(13勝は)シーズン前から目標で、監督にも『13勝する』と言っていた。やっと目標を達成できた」と声を張り上げた。

◆投げて! 打って! 走って! 阪神青柳晃洋投手(27)が投打の大奮闘で、リーグ単独トップの13勝目を手にした。 「負けていい試合は1試合もない。絶対勝つという気持ちでマウンドに上がりました」 マウンドだけでなく、打席でも主役になった。6-0の5回2死一、二塁。ヤクルト大下のスライダーを捉えると、打球は前進守備の中堅手を大きく越えた。「投げるだけじゃなくて、ほかのところでも貢献できたらといつも思ってるので、本当に最高の形になった」。思わぬ2点適時二塁打に、矢野監督もナインも満面の笑み。続く島田が中前打を放つと、今度は激走を見せ、一気に生還した。 本業では7回3安打無失点の快投。初回にいきなり1死満塁のピンチを招いたが、サンタナを144キロツーシームで遊ゴロ併殺。打たせて取るスタイルがさえた。降雨で4回裏に一時中断したが、「雨柳さん」と呼ばれるほどの雨男は動じない。魅力を存分に発揮した13勝目になった。 かつては青柳も、伝説の剛腕を夢見る小学生だった。「僕、松坂さんに憧れていたんで。上から速いボール投げたいっていう気持ちはすごくあった」。しかし、素質を見いだした当時のコーチが、サイドスロー転向を勧めた。それでもあこがれは変わらず、中学1年で再度オーバースローに挑戦したが右肘を負傷。思いを封印し、貫いた投球スタイルは、今ではプロでも唯一無二の存在になった。偶然にもこの日は松坂の引退試合。思い描いていた未来とは少し違ったかもしれないが、あこがれた右腕と同じ舞台で胸を張って戦っている。 かねて目標にしてきた「13勝」には強い決意を込めていた。「最初は10勝にしたかったけど、10勝だったら9勝で終わっても満足しそう」。最多勝とともに勝率7割2分2厘もリーグトップ。逆転Vと自身初のタイトル。どちらも全力でつかみにいく。【磯綾乃】

◆阪神青柳晃洋投手が今季13勝目を挙げ、最多勝争いで単独トップに立った。 また、勝率も7割2分2厘とし、トップを維持。勝率第1位のタイトルは、13勝以上挙げた投手が対象と規定されており、これもクリアした。ちなみに120試合制だった昨季は10勝以上が対象で、ソフトバンク石川は11勝でタイトルを獲得した。

◆阪神主将の大山悠輔内野手は終盤の1安打を次戦につなげる。 8回表の一塁守備から途中出場。8回裏、大西から三遊間を抜いた。背中の張りを抱える中、前日18日広島戦は4打席連続三振。矢野監督はこの日のベンチスタートについて「今の状態の中で(木浪)聖也もずっと良かったし、島田も悪いわけじゃなかったので」と説明した。

◆阪神・大山悠輔内野手(26)が3試合ぶりにスタメンを外れた。18日の広島戦(甲子園)では4打数無安打4三振を喫していた。代わって島田が「1番・右翼」、近本が「3番・中堅」に入った。また、18日の同戦で60日ぶりに長打を放っていた佐藤輝明内野手(22)もスタメンを外れた。

◆阪神の先発・青柳晃洋投手(27)が一回から大ピンチを背負った。先頭の山崎にファウルで粘られ10球目で何とか空振り三振。続く青木に四球を与えると、宮本に右前打、村上に四球で1死満塁とされた。打席には5番・サンタナ。カウント2-2から5球目だった。内角に投じた144キロツーシームで詰まらせると、狙い通りの遊ゴロ併殺。絶対に負けられない一戦で青柳が一回の大ピンチをしのいだ。

◆阪神・近本光司外野手(26)が一回に先制の10号3ランを放った。 苦手とするヤクルトの先発・奥川から先頭の島田が中前打、中野が右前打でいきなり無死一、二塁のチャンスを作った。打席には3試合ぶりに「3番」を任された近本。その2球目だった。高めの146キロを振り切ると、白球は虎党の待つライトスタンドへ。8月26日のDeNA戦(京セラ)以来の一発は、値千金の先制3ランとなった。近本はプロ3年目で自身初の2桁本塁打を達成。首位・ヤクルトとの大一番で選手会長がチームに勢いを与えた。「打ったのはストレート。島田、中野といい形でつないでくれたので、勢いに乗って打ちにいきました。初回から青柳さんを援護することができてよかったです」。初の10号本塁打については「2年続けて9本塁打だったので、2桁本塁打に乗せることができてよかったです」と広報を通じてコメントした。

◆阪神-ヤクルト戦は四回表が終了した時点で激しい雨により一時中断となった。阪神は一回に近本の10号3ランで先制。先発の青柳は一回1死満塁のピンチでサンタナを遊ゴロ併殺に打ち取ると、二回以降は一人の走者も許さない完璧な投球を続けている。

◆阪神-ヤクルト戦は降雨のため午後7時17分から一時中断していたが、26分後の午後7時43分に試合が再開された。再開後の四回に木浪が二塁打を放ち、2死一、二塁から島田の中前適時打で4ー0とした。

◆阪神・島田海吏外野手(25)が四回に貴重なタイムリーを放った。 降雨により26分間の中断の直後だった。1死から木浪が左中間へ二塁打で出塁。2死とするも、青柳が四球をもぎとり、つないだ。 島田は14日の巨人戦(甲子園)以来のスタメン出場。18日の広島戦(甲子園)では、代打で出場も送りバントを失敗していた。名誉挽回の大チャンス。3球目、奥川の123キロを素直にはじき返した。前進守備の中堅からホームへ矢のような送球。二走・木浪は執念のヘッドスライディングだ。判定はセーフ。ヤクルト・高津監督はリクエストを要求したが、判定は覆らず、阪神が大きな4点目を奪った。  「打ったのはスライダー。2打席目に少し強引になってしまったので、センター方向に意識を持って打ちにいった結果が良い形になって良かったです。ホームまでかえってくれた(木浪)聖也さんには感謝です」と島田。さらに2死一、二塁から中野が代わったばかりの石山から右前適時打を放って5-0とリードを広げる。この日、3安打猛打賞で2つの盗塁を決め、リーグ独走の29盗塁の中野は「打ったのはフォーク。(島田)海吏さんが良いバッティングを見せてくれたので、それに続いて打つことができました。追加点を取ることができてよかったです」とコメントを発表した。

◆優勝へのマジックナンバー「4」のヤクルトは、奥川恭伸投手(20)が先発し、四回途中でKOされた。 一回、島田と中野に連打を許したあと、近本に先制3ランを浴びた。四回には木浪に二塁打、投手の青柳に四球を与えた2死一、二塁から、島田に中前タイムリーを打たれたところでマウンドを降りた。 球団を通じて「大事な試合を任せていただいたので、何とか試合を作りたかったです。先発としての仕事ができず悔しいです」とコメント。高卒2年目で10勝に到達すれば、球団では1990年の川崎憲次郎以来だったが、2桁勝利は次戦までお預けとなった。

◆阪神が大量リードを奪った。5-0で迎えた五回1死一、三塁から木浪がしぶとく右前に運び追加点。「打ったのはストレート。ランナーをかえすことしか考えてなかったです。かえせてよかったです」と広報を通じてコメント。さらに2死一、二塁とし、矢野監督は5回2安打無失点ながら100球を投じている先発の青柳をそのまま打席へ送った。 この起用がはまる。青柳は2球目、大下の131キロを完璧にとらえると、打球は前進守備の中堅の頭を越える2点二塁打。さらに続く島田の中前打で一気にホームに生還し、9点目のホームを踏んだ。打って、走って、投げて。青柳がまさに〝二刀流〟の大活躍だ。また島田は「打ったのはカーブ。点差は何点あってもいいですし、取れる時にとっておきたいので、打つことができてよかったです」とコメントした。

◆先発した阪神・青柳晃洋投手(27)は7回3安打無失点と粘りの投球をみせた。 一回にいきなり1死満塁のピンチを背負ったが、サンタナを遊ゴロ併殺に仕留め、無失点で切り抜ける。二回から四回は一人の走者も許さない完璧な投球。降雨による中断を経て迎えた五回は2死一、二塁とされるも、最後は山崎を左飛に打ち取った。「投球自体は無駄な四球も多くリズムが悪くなってしまいましたが何とか0点で抑えることができてよかったです。野手の方々が大量援護をしてくれたおかげで投げやすかったです。野手の方々に感謝です」と広報を通じてコメントした。 青柳は五回に中越えの2点二塁打を放って自らを援護。122球で七回を投げ抜き、今季13勝目の権利を持って降板した。自身初の最多勝のタイトルへ大きく前進。阪神の選手が最多勝を獲得すれば、2014年のメッセンジャー(13勝)以来、日本人投手では2005年の下柳(15勝)以来となる。

◆阪神は打線がつながり、11―0とヤクルトに大勝した。一回に島田と中野が連打で無死一、二塁とすると、3試合ぶりに3番で出場した近本が右越えの3ランを放って先制。四回は島田と中野の適時打で2点を追加した。 五回は木浪の適時打に投手の青柳の2点二塁打、島田の適時打で4点を追加すると、七回にも木浪と島田に適時二塁打が飛び出して11得点の猛攻。6月9日の日本ハム戦(札幌ドーム)で10得点を挙げて以来となる2桁得点となった。 投げては先発の青柳が好投。一回に1死満塁のピンチを背負うもサンタナを遊ゴロ併殺に打ち取って無得点で切り抜けた。その後は、持ち味の打たせて取る投球で7回を3安打無失点。ハーラー単独トップとなる今季13勝目を挙げた。 これでヤクルトの優勝へのマジックは4のままで、20日の甲子園での胴上げは阻止。ゲーム差は1・5となった。

◆阪神は「1番・右翼」で出場した島田海吏外野手(25)が4安打3打点、「7番・二塁」の木浪聖也内野手(27)も3安打2打点を記録するなど、16安打11得点でヤクルトに快勝した。自ら2点二塁打を放った青柳晃洋投手(27)は7回無失点で単独トップの13勝目(5敗)。まずは甲子園でのヤクルトの胴上げを阻止した。矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 (テレビ) ーー阪神の手強さをヤクルトに見せつけた 「本当に怖いのは明日取って、おもしろい形にするのが、一番の怖さだと思うんでね。今日全員で取れたんでね、明日、もう1回、全員でもぎ取りにいきます」 ーーヤクルトと1・5差 「うちは勝つしかないんで。ゲーム差は関係なく、明日をどう勝つか。それだけに集中したいです」 ーー改めて20日への意気込みを 「今日こういう形でつなげたんで、明日勝ったらもっとおもしろいことになると思うんでね。いいイメージを持って、全員で挑戦していきます」 (囲み) ーー初回満塁を無失点で切り抜けたのが大きい 「村上には相性があんまり良くないのもあったし。そこで...聞いてないから分からんけど、ある意味そのハードルも受け入れて、次のバッターに行けたんじゃないかな。最高のダブルプレーも頭に入れながら。村上フォアボール出しちゃった、満塁にしちゃったってマイナスに行くんじゃなくてね。そこは勝手にそう思っています」 ーー近本は初の2桁本塁打 「バット短く持ってもね。ホームラン打てるというところも、子供たちの手本になると思うしね。ヒットで返してくれてもいいけど、1点じゃね、最近ムード的になかなか重いので、ああやってホームランという形にしてくれたので、あそこでチーム的には大きなホームランだったかな」 ーー大山の状態は 「ちょっと今の状態の中でセイヤもずっと良かったので、島田も悪いわけじゃなかったので、逆にああいう昨日悔しいこともあったし、取り返してこいという思いで使ったのを結果にしてくれたし、まあ、そういう思いで行ってみようと」 ーー1点も与えなかったことは20日につながる 「逆にそれは向こうのことだから俺らには分からないけど、まあでも言ってもらったようにピッチャーを休められたのは本当に大きいし、コスパのいい選手というか、給料もあんまり高くない選手たちもやってくれているのでムードも盛り上がると思うし、全体の勝ち方というのは明日につながるかなと思うし、つなげたい。つなげないとダメだなと思っています」

◆ヤクルトは6月26日の巨人戦(神宮)以来となる6点差以上の大敗。優勝へのマジックナンバーを「4」から減らせなかった。先発した奥川恭伸投手(20)は今季初めて5回持たず、3回?で7安打5失点で4敗目(9勝)。打線も先発・青柳を崩せず無得点に終わった。高津臣吾監督(52)の主な一問一答は以下の通り ――一回の攻防で明暗 「一回の表に点が取れなかったこと(1死満塁からサンタナが遊ゴロ併殺打)と、一回に立ち上がりのところパーンといかれたところと。ちょっと、展開的にすごく難しくなった一回の表裏でした」 ――奥川が苦しんだ 「まあ、しようがないですよね。そういうときもあるのかな、と。全体的にはあまり良くなかったでしょうね。ボールの走りも、制球もそんなによくなったのかなと思います」 ――重圧もあったか 「どうですかね。特別な感情、感覚もあったかもしれないですけどね。でも、しようがないですね」 ――四回の登板前には雨天中断 「多少、影響あったかもしれないですね、足場も含めて。体も濡れますし、いろいろな影響あったかもしれないです」 ――連敗は避けたい 「明日はぜひ勝ちたいですね。反省して、切り替えることが大事でしょうね。明日は新しい試合が始まるので、気持ちを入れ替えて頑張りたいですね」 ――打線は青柳対策で左打者を並べた 「それがいいと思って組んだが、そんなにうまくはいかない、なかなか先頭も出せなかったし、長打もなかった。やられた感じはしますね」

◆最後はワンサイドゲームになったが、勝負を決めたのは一回の攻防といっていい。青柳は立ち上がり、ツーシームが乱れてボール球も多かった。1死満塁となり、これは苦しいなと感じたが、サンタナに対し、カウント2-1となってからの投球が、見事だった。 内角へのツーシームでファウル。さらにもう1球、内角へツーシームを続けた。詰まらせて遊ゴロ併殺。サンタナはベースからだいぶ離れて立っており、いかにも内角は苦手そうとはいえ、あの場面でしっかり投げ切れたことは大きかった。 先制点を奪われていれば、流れはまったく違っただろう。逆に阪神は一回、1番の島田がヒットで出塁し、3番の近本が先制3ラン。矢野監督の起用が見事にハマった。 とにかく阪神は20日も絶対に勝たないといけない。まずは先発が先制点を与えないこと。そのためには4番・村上の前に走者をためないことだ。この日は一回1死一、二塁で四球。甘い球を投げるわけにはいかず、これは致し方ない。そういう状況で打席に迎えないようにしないといけない。20日のガンケルは、どんな状況で村上の第1打席を迎えるか。最初のポイントだろう。(本紙専属評論家)

◆大一番での起用に応えた。「1番・右翼」でスタメン出場した島田が打つわ打つわ。自身初の1試合4安打3打点。必勝を期した一戦で大勝利に貢献し、塁上で何度も白い歯をみせた。 「昨日(18日)、ミスして『絶対にやってやる』といつも以上に思えていたので、そこがよかったのかな」 前日18日の広島戦(甲子園)では七回無死一、二塁でバント要員として代打で登場するも、決められず(三振)。一夜明けて挽回の機会をつかみ「見返すチャンス」と燃えていた。 一回先頭では中前へはじき返し、近本の先制3ランにつなげた。四回2死一、二塁では中前へタイムリー。奥川をマウンドから引きずり下ろした。五回にも中前へポトリと落ちる適時打で初の猛打賞。七回にも三塁線へ適時二塁打を放った。 奥川には直近2試合でいずれも白星を献上。矢野監督は「どうやったら一番、対応できるかというのを考えた」と前日4三振の大山や佐藤輝を外し、1番に島田、3番に近本、7番に木浪を置いた。今季対奥川に打率・667(3打数2安打)の木浪はともかく、無安打の島田? ところが、これがズバリ。年俸900万円の島田らの躍動に「コスパのいい選手というか、給料もあまり高くない選手たちもやってくれている。ムードも盛り上がる」と目を細めた。 14日の巨人戦(東京ドーム)以来、今季3度目の「1番・島田」。このオプションを発動すれば虎は2勝1分けだ。 「こういう(優勝争いの)試合で出させていただいていることに感謝の気持ちを持ちながら、最後までやっていきたい。自分たちができることをしっかりやって、頑張っていきたい」 お立ち台で力強く意気込んだ。チャンスをモノにした伏兵が、虎を奇跡へと導く。(菊地峻太朗)

◆セ・リーグ首位のヤクルトは19日、2位・阪神との24回戦(甲子園)に0―11で大敗。優勝へのマジックナンバーは「4」のままで、1・5ゲーム差に迫られた。先発した奥川恭伸投手(20)は、今季最短の3回?を7安打5失点で4敗目(9勝)。チームの6点差以上の大敗は6月26日の巨人戦(神宮)以来、約4カ月ぶりとなった。一方、土俵際の阪神は青柳晃洋投手(27)がリーグ単独トップの13勝目を挙げ、逆転優勝へ望みをつないだ。 完全アウェーの甲子園で力を発揮できなかった。奥川は球威、制球ともに本来の投球を見せられず、3回?を7安打5失点で4敗目。5回を投げ切れなかったのはプロデビューを飾った昨年のチーム最終戦以来だった。 「大事な試合を任せていただいたので、何とか試合をつくりたかった。先発としての仕事ができずに悔しい。チームに申し訳ないです」 重要な一戦で地に足がつかなかった。一回は先頭の島田に中前打を許すと、続く中野にランエンドヒットを決められて一、二塁。近本には高めに浮いた直球を右翼スタンドに運ばれた。 先発の奥川恭伸 =甲子園球場(撮影・今野顕) 二、三回はゼロで乗り切ったが、四回の登板前に雨脚が強まり26分間の中断。リズムを再び崩した。2死二塁から投手の青柳に四球を与え、続く島田に中前適時打を浴びて降板。6月20日の中日戦(神宮)から続いていたクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)は9試合で途切れた。 6点差以上での大敗は、チームにとって6月26日の巨人戦(神宮)以来。裏を返せば、それだけ善戦を続けてきた証しでもある。高津監督は奥川について「しようがないですよね。そういうときもある」と好投を続けてきた高卒2年目右腕を責めずに、「明日は新しいゲームが始まるので、気持ちを入れ替えて頑張りたい」と前を向いた。 優勝決定は最短で1日延びて21日の広島戦(神宮)となったが、優位な状況に変わりはない。20日に勝利し、本拠地で6年ぶりのリーグVを決める。(横山尚杜)

◆雨の中、投げて、打って、走った。青柳が逆転Vへの執念をみせた。まずは本業だ。7回122球を投げて3安打無失点で13勝目を挙げ、ハーラー単独トップに。6年目で初の最多勝のタイトルに大きく前進した。 「うれしいです。優勝するためには絶対勝たないといけないと思っていた。絶対に勝つという気持ちでマウンドに上がりました」 絶体絶命のピンチは一回だ。1死から四球と安打。村上にはストレートの四球を与え、満塁。ここで踏ん張った。サンタナをツーシームで遊ゴロ併殺に仕留めて、無失点で切り抜けると、二回以降は本来の打たせて取る投球がよみがえった。 五回には自らタイムリー 「打ったら、たまたま飛んでいった。久々に気持ちのいい当たりが出ました」 バットでも鼓舞した。五回、1点を追加してなお2死一、二塁。大下のスライダーをフルスイングすると、中堅手の頭上を越える2点二塁打に。ベース上でガッツポーズだ。そして走った。島田の中前打で二塁から激走し、9点目のホームを踏んだ。 「シーズン前から目標にしていましたし、矢野監督にはずっと『13勝します』と言っていたので。やっと、目標を達成できたなと」 2年越しの夢がかなった。初めて規定投球回をクリアして9勝した2019年の年の瀬だ。鳴尾浜にフラリと自主トレに訪れたときに「2桁に1勝届かなかったのが悔しかった。でも、目標を10勝にすれば、それで妥協してしまう。あえて高めの設定をして、みなさんに公言することで自分もやらないと...という気持ちになる」と熱く語っていた。 島田のヒットで二塁から激走し、生還した 矢野監督は「(一回の)ピンチをよく粘ってくれた。13勝はずっと目標にしていた数字。いろんな思いを持って、きょう登板して、結果を残したのは青柳の成長。ましてや最多勝(をとりそう)。もう1個、いってもらいたい」と今季中、もう一度登板させることを明言。ローテ通りなら26日の中日戦(甲子園)になりそうだ。 「もう1回投げるかなと思うので、そこに向けて頑張りたい」 次は優勝のかかった大一番のマウンドに立つことをイメージしていた。(三木建次)

◆土壇場で猛虎復活や! 阪神はVへの希望をつなぐため、絶対に負けられない首位ヤクルトとの2連戦の初戦を11―0で大勝利。近本光司外野手(26)が一回、先制の10号3ランで打線に火をつけた。2桁得点勝利は6月9日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来。前半戦で首位独走を実現した強力打線が、ついに復活。ヤクルトとは1・5ゲーム差。きょうも勝つ!甲子園の夜空に上がった白球は、虎党が待つ右翼席へと吸い込まれた。絶対負けられない大一番。近本が勝利への道を切り開いた。チームの先頭を走る選手会長の言葉が、バットが、眠っていた虎をたたき起こした。 「最高の結果でしたね。打てていなかった投手でしたし、チームとして抑えられていたので。1、2番がチャンスを作ってくれたので、何とかつなげるようなバッティングをしたかった」 試合前まで対阪神戦防御率1・99の難敵・奥川に先制パンチを食らわせた。島田、中野の連打で一回無死一、二塁。3試合ぶりに「3番」を任された近本が2球目、高めに浮いた146キロを鋭く振り切った。10号3ランで主導権を奪った。 「正直、『また(今年も)9本か』と思っていた。ホームランはあきらめていたけど、打ったときはうれしかったです」 8月26日のDeNA戦(京セラ)以来プロ3年目で初の2桁に乗せた。愉快痛快16安打11得点の猛虎祭り。2桁得点勝利は実に6月9日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来。打って打って打ちまくって首位を独走した前半戦を思い出すような大爆勝の口火を切った。腹の底から発した熱い言葉がチームに勇気を与えた。連敗すればヤクルトの優勝が決まる2連戦。甲子園での胴上げという屈辱を許してしまうことになる。奇跡の逆転Vへ望みをつなぐには勝つしかない。独特の緊張感が球場を包む中、試合前、円陣の声出しを務めて言った。「きょうも失敗を恐れず、攻めて、攻めて、攻めていくぞ!」後がないのは分かっている。打線の状況が決してよくないことも分かっている。だからこそ、攻めるのみ-。選手会長のハッパが、土俵際の虎に再び活力をもたらした。矢野監督も「最近、ムード的になかなか重いので、チーム的には大きなホームランだった」と振り返った。自らバットで〝攻め〟を体現した男の気持ちはつながった。島田が、中野が、木浪が、青柳が快音を響かせた。逆転優勝へ、依然として首の皮一枚がつながっている状態に変わりはない。仮に阪神が残り5戦を全て勝っても、ヤクルトは残り7戦を4勝3敗で上回る。ただ、それがあきらめる理由にはならない。指揮官は「明日取って面白い形にするのが、(ヤクルトにとって)一番の怖さだと思う。もう1回、全員でもぎ取りにいきます」とキッパリと言い切った。「自分たちが攻めて、打って打席に入れている。自分たちの野球ができた。これからも大事な試合が続くので、より多く頑張っていきたい」近本の心に宿る攻めの炎も勢いを増す。これが本来の猛虎打線のあるべき姿。奇跡を、現実にしてみせる。(原田遼太郎)

◆ピ~ヒャラ、ピ~ヒャラ~。秋の虎祭りの始まり始まりー!! このヤクルトとの2連戦、もし虎が連敗でもしようものなら1992年以来の本拠地・甲子園での胴上げもあったけど、まずはそれをクリア(あの日俺は甲子園のネット裏でヤクルトを優勝に導いた野村克也監督を憎んだのを思い出しました)。どころか11-0の大勝で風が変わったぜ!! 季節は秋深し...。なれど、わが阪神に春が戻ってきたのだー!! そー、春先に猛虎快進撃を続けた、あの采配を矢野監督がやっと思い出してくれたのだ!! 一回無死一塁でエンドラン。見事的中からの近本の3ラン!! その後も中野が2盗塁を決めたり...。この挑戦者魂が今季の本来の姿なのだ!! マジック? ゲーム差? 関係あるかい! 型はどーでもええんや!! 絶対に負けるかいな!! その気持ちが、あと5試合で奇跡を起こすでェ!!

◆ヤクルトもこんな試合をしているようでは、クライマックスシリーズに不安を残す...。その考えも少しはチラつく。一方で、負けを引きずらないのが今季の戦い方。それほど心配することはないか...とも思う。 今のチームの特色は、首脳陣が「結果論」で責めないことだ。いきなり3失点し、四回途中でKOされた奥川にしても、プレッシャーのかかるマウンドで、逃げずに打者に立ち向かい、ストライクを投げ込んでいた。 攻めた末に打たれると、反省すべきポイントも、くっきりと浮かび上がる。つまり、次に生かせる敗戦にもなる。最善の姿勢を見せさえすれば、首脳陣も分かってくれる。そうした安心感が、投手陣にも、野手陣にもあるのだろう。 シーズンを通じ、度量の大きさを貫ける高津監督とコーチ陣は大したものだと感心する。 大したもの、という意味では、阪神もなかなかだ。負けたら終わり...という試合を何度もしのいでいる。ここまで優勝を争っているのは、マグレではなく実力。そういうチームが最後に残った、ということだ。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
714817 0.597
(↓0.005)
M4
(-)
7598
(-)
491
(+11)
140
(-)
70
(-)
0.256
(-)
3.400
(↓0.06)
2
(-)
阪神
75558 0.577
(↑0.003)
1.5
(↑1)
5527
(+11)
500
(-)
120
(+1)
111
(+2)
0.249
(↑0.002
3.370
(↑0.03)
3
(-)
巨人
596120 0.492
(-)
12.5
(↑0.5)
3534
(+4)
532
(+4)
164
(+1)
65
(-)
0.242
(-)
3.640
(-)
4
(-)
広島
596711 0.468
(-)
15.5
(↑0.5)
6523
(-)
566
(-)
118
(-)
63
(-)
0.263
(-)
3.830
(-)
5
(-)
中日
546817 0.443
(-)
18.5
(↑0.5)
4398
(-)
463
(-)
69
(-)
57
(-)
0.238
(-)
3.210
(-)
6
(-)
DeNA
527016 0.426
(-)
20.5
(↑0.5)
5547
(+4)
607
(+4)
135
(-)
30
(-)
0.258
(↑0.001)
4.180
(↑0.01)