ソフトバンク(☆6対0★)ロッテ =リーグ戦24回戦(2021.10.19)・福岡PayPayドーム=
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ロッテ
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ソフトバンク
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勝利投手:千賀 滉大(9勝3敗0S)
敗戦投手:小島 和哉(10勝4敗0S)

本塁打
【ソフトバンク】デスパイネ(9号・6回裏3ラン)

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◆ソフトバンクは両軍無得点で迎えた6回裏、柳田の適時打とデスパイネの3ランで一挙4点を奪い、先制に成功する。8回にはデスパイネの適時打などで2点を加え、リードを広げた。投げては、先発・千賀が8回途中1安打無失点の力投で今季9勝目。敗れたロッテは、打線が沈黙した。

◆ソフトバンク柳田悠岐外野手(33)は今季ペイペイドームで19本塁打。 同球場でシーズン20発打つと、15年の松田(23本)と李大浩(21本)以来5人目。9月15日ロッテ戦を最後に本拠地では本塁打が出ていないが、今日は打てるか。

◆ソフトバンク工藤公康監督(58)が、この日引退試合に臨む西武松坂大輔投手(41)へねぎらいの言葉をかけた。 松坂は指揮官が監督に就任した15年に米大リーグからソフトバンクへ入団。17年まで3年間在籍した。ロッテ戦前に取材に応じた工藤監督は「松坂君とは同じ西武のユニホームを着たし、ソフトバンクにも来てもらって一緒にね。彼が投げるのは難しかったけど、一緒にやることができた。いつかは終わりが来るんですけど、『怪物』と言われて、一時代を築いたピッチャーが去るっていうのは寂しい思いがあります」と、神妙な面持ちで話した。 松坂が引退発表した後には直接電話をもらったという。「『お世話になりました』というふうに言われたので、『もういいのか?』と言った。そしたら『なかなか難しいです』ということだったので。『長い間お疲れさま。人生、野球ができるのは半分しかない。残りの半分はまた野球界のために頑張れよ』という話をしました。いろんなことを学んで、いろんな事を聞いて、また彼も成長していくでしょうし、また頑張ってもらいたい。長い間お疲れさまでした」と、「平成の怪物」へ言葉を送った。

◆ソフトバンクの継投シーンで、珍しいハプニングがあった。 8回無死一、二塁で先発の千賀から2番手投手へスイッチ。右打者の加藤に左の代打佐藤都という場面で、ベンチからは左腕の古谷がマウンドに向かって飛び出した。 だが、場内にコールされたのは右腕の板東。古谷が慌ててベンチに戻り、しばらくして板東が姿を現した。どこかで伝達ミスがあった可能性があり、ベンチでは工藤監督も苦笑していた。

◆ソフトバンク千賀滉大投手(28)が、自身2度目のノーヒットノーラン達成を逃した。 7回まで3四球を出しながら無安打無得点。19年9月6日ロッテ戦(ヤフオクドーム)以来の無安打無得点が見えていたが、8回先頭の藤岡に内野安打を許した。Hランプがともると、ペイペイドームには「あぁ~」とため息が漏れた。 その後は岡に四球を献上。無死一、二塁のピンチを背負ったところで交代した。 ノーノー達成ならばプロ野球史上94度目、パ・リーグでは30度目で、複数達成は球界史上10人目という偉業だったが、目前で逃した。千賀はこの日で出場選手登録が8年となり、国内FA(フリーエージェント)権の取得条件を満たしていた。

◆序盤から緊迫した投手戦となった。ソフトバンク千賀、ロッテ小島の両先発がともに3回無失点と安定した立ち上がりを見せた。 ソフトバンクが均衡を破った。6回、柳田の適時内野安打で1点を先制。なおもデスパイネの9号3ランで計4点を挙げた。 ソフトバンクは8回にも2点を追加し完勝した。先発千賀は9勝目。ロッテは1安打と打線が沈黙。小島が4敗目を喫した。

◆ロッテがわずか1安打で敗れた。 19年9月6日にノーヒットノーランを喫しているソフトバンク千賀滉大投手(28)に、この日も7回まで打者24人で無安打。8回に先頭の藤岡裕大内野手(28)が内野安打を放つものの、結局この1安打のみに終わった。 井口資仁監督(46)は「1球で仕留めなくちゃいけない投手なんでね、そこがなかなか1球で仕留られないというところですね」と試合後にコメント。千賀とは中5日で25日にも対戦する可能性があり、試合前には「とにかく今日、やっつけておかなくちゃいけない」と意気込んでいたが、力で封じられた。 優勝マジック6がついている状況ながら、これで残りは6試合に。この日の敗戦で首位の座を再びオリックスに明け渡し、手痛い1敗となった。

◆ロッテ小島和哉投手(25)がまた1球に崩れた。 6回2死一、三塁。デスパイネへの4球目のチェンジアップが浮いた。打った瞬間にそれと分かる3ラン。小島はゆっくり回るデスパイネが二塁を過ぎたあたりまで、左翼席をぼう然と眺め固まっていた。 直前に、柳田の内野安打で先制を許していた。一塁でのコンマ数秒の差が、最終的には致命的な差に。「1点目のところで粘り切れていれば良かったんですが...。悔しいです」と唇をかんだ。 前回登板となった10月12日のオリックス戦(京セラドーム大阪)では8回2死から同点2ランを許した。引き分けに終わり、試合後には責任を背負い込んで涙を流した。井口監督は最近の好投を「前半戦はどちらかというと高いところで直球で勝負していたのが、今は(ゾーン9分割の)下6マスでしっかりと勝負できるようになってきている」と、制球の安定を評価してきた。8連戦(うち1試合は雨天中止)の最初と最後を若き左腕に託したが、熱投むなしく、ともに白星を得ることはできなかった。

◆ソフトバンク柳田悠岐外野手が体を張ったプレーでピンチを救った。 4点リードの8回1死一、二塁で、荻野の大飛球をフェンスに激突しながら好捕。ベンチに帰ると肩付近を気にするそぶりを見せ、直後の攻撃で代打を送られた。工藤監督は「トレーナーから大事を取ってとのことでしたので。そんなに大きなことにはなってないと思う」と説明。0-0の6回2死二、三塁では遊撃へ決勝の内野安打を放ち「(先発の)千賀が頑張っていたので、何とかしようと打席に入りました。必死に本気で走りました。ナイスランです」と自画自賛していた。

◆ソフトバンク千賀滉大投手(28)が7回まで無安打無得点の完璧な投球でロッテ打線を封じた。 8回に先頭打者を内野安打で出塁させ、自身2度目のノーヒットノーラン達成を逃したが、9勝目を挙げた。この日は西武松坂の引退試合。ソフトバンク時代に同じユニホームでプレーした憧れの先輩にささげる快投だった。鷹のエースが「怪物」への感謝をマウンドでぶつけた。ソフトバンク千賀滉大投手(28)が7回まで無安打、8回途中無失点の快投で今季9勝目を挙げた。わずかに残るCS進出の可能性をつないだ右腕は「勝てて良かったですし、本当にホッとしてます」と振り返った。 登板予定だった17日ロッテ戦が雨で流れ、スライド登板。くしくも、15年から3年間チームメートだった西武松坂の引退試合と同じ日にマウンドが巡ってきた。「憧れだった人。そういう人の引退をぼくも見たかったですけど。これからゆっくり(映像を)見たい」とかみしめるように話した。7回まではヒットを許さず「怪物」の全盛期を思わせるような快投。8回無死で内野安打を許し、次打者に四球を与えて降板したが、堂々の投球だった。 もう1人の先輩への思いも込めていた。18日に戦力外通告を受けた川原の登場曲を使用。「一番お世話になってきた先輩。ポンコツだったぼくらにいろいろ教えてくれた。川原さんにボールを渡すことだけしか考えていなかった」。長年、自主トレをともにしてきた1学年上の先輩に、この日の勝利球をプレゼントするつもりだ。 チームは連勝で、近年苦手にしていたロッテには、18年以来3年ぶりにシーズン負け越しがなくなった。敗れた3位楽天とは3ゲーム差に縮め、CS圏内にじわりと近づいた。次回は中5日で今季最終戦の25日ロッテ戦に向かう見込み。千賀が6年連続2桁勝利とチームの奇跡へ、最後まで腕を振る。【山本大地】

◆ソフトバンク・デスパイネ外野手が今季最多タイの1試合4打点で勝利に貢献した。 6回2死一、三塁で左翼へ9号3ラン。「完璧な感触だったよ」とお立ち台で笑みを浮かべた。4点リードの8回1死二塁ではダメ押しの右前適時打。「まだまだ(CS出場の)可能性がある限り諦めずに勝ち続けていくだけだよ」。助っ人も一丸となって、奇跡のAクラス浮上を目指す。

◆ソフトバンク王貞治球団会長(81)が、引退試合を終えた西武松坂大輔投手にねぎらいの言葉をかけた。 ロッテ戦後に取材対応し「斎藤佑樹と一緒でフォアボールだったね。打たせたくないわけではないんだろうけど、なかなか緊張してストライクが入らなかったのかな。本人は勝負して打ち取りたかったろうけどね」と、右腕の心情をおもんぱかった。 06年の第1回WBCで監督、選手としてともに戦い、優勝。米大リーグから日本復帰した15年には松坂をソフトバンクに迎え入れた。松坂の最終登板を見届け「幸せだね。みんなにああやっていい形で送り出してもらってね。本人も長年苦労したろうけど、こういう形で終えることができて。プロ野球人として最高の送り出しをしてもらったね。高校野球、プロ野球、アメリカの野球と3つの世界で彼が残した足跡はものすごく大きい。今後どういう世界にいくか分からないけど、また頑張ってほしいね」とエールを送った。

◆ソフトバンクはエース千賀が7回まで無安打の好投で9勝目。試合後の工藤公康監督(58)の一問一答は以下の通り。 --千賀がノーヒットノーランを思わせる好投 工藤監督 ちょっと1本打たれたところから変わったので。(ノーヒットノーランを)狙っていたのかなというところはあったんですけど。でも、雨で中止になって伸びてしまった中で、ピッチャーとしてはいいコンディショニングを作るのは難しいと思うんですけど、その中でいい立ち上がりを見せてくれたし、いいダブルプレーでいけるぞと思ったと思う。あそこまでよく投げてくれたと思います。 --バックの好守備も多かった 工藤監督 最後まで粘り強く追いかけていけばああいうプレーにもつながるし、チームを盛りあげる。それがみんなに伝わるような試合だったと思う。柳田くんが内野安打で点を取ってとか。ああいうところがしっかりとできるというのが、うちの強みかなと思います。 --柳田の交代は 工藤監督 フェンスに当たったところもあったので。トレーナーからは大事を取ってということでしたので。またこれから、報告は聞きたいなと思っていますけど。そんなに大きいことにはなっていないのかなと思います。 --デスパイネの3ランが効いた 工藤監督 いいですね。集中力というか、ここで1本というところで打てたのがすばらしい。プラスして8回に逆方向のヒットで1点を加えたのも大きかった。すばらしい働きでした。 --残り4試合 工藤監督 最終的に決まるまでは、1試合1試合が本当に大事になりますし、みんなで一致団結して、心をひとつにして、奇跡を信じて頑張っていきたいと思います。 --千賀の交代タイミングは 工藤監督 トレーナーからもあったんですけど、ちょっと張りが出てきたというところもあった。勝ち続けていれば、次は中5日というのも考えていたので。代えました。 --継投では板東のコールで古谷が登場した 工藤監督 ベンチでは板東という準備をしたつもりが、何を間違えたか、左だからオレだろう、って行ってきたのかもしれないです。それはわからないです。そこの件に関しては詳しくは聞いてないんですけど。ピッチングコーチも板東、ぼくも板東、バッテリーコーチがブルペンに電話したときも板東と聞こえていたので。で、板東くんが出てきた。古谷くんじゃないですよ、板東くんです(笑い)。 --三森は3安打 工藤監督 一番大事なのはこれを続けるということなのでね。左と右の打率の違いとかもあるので。対左でしっかり結果を残しているというのを考えれば、これからは対右ピッチャーというところで結果を残せるようになるだけで、レギュラーに近づくと思うので。ギリギリの中でやっている中でああいうプレーも打撃もできる。自信に変えてね、また明後日も試合があるので頑張ってほしいと思います。

◆「平成の怪物」と呼ばれた西武松坂がユニホームを脱いだ。引退登板で先発マウンドに立った。渾身(こんしん)の5球だった。最速は118キロ。日米球界で豪腕を披露してきた男の最後は四球で終わった。時は歩みを止めない。「怪物」もまた球史に大きな足跡と記憶を残してグラウンドを去る。松坂の最後のマウンドを中継で見守りながら「10・19」がまたプロ球界にとって記憶の1日になるのだろう、と思った。もう33年も昔の話になる。1988年(昭63)10月19日。ロッテ対近鉄のダブルヘッダーは球史に語り継がれる大熱戦となった。首位西武を逆転するには近鉄には連勝しかなかった。第1戦を4-3で勝利。ナイターとなった第2戦は延長にもつれ込んだが4-4で引き分け。閑古鳥が鳴いていたロッテの本拠地・川崎球場は超満員に膨れ上がった。得点シーンで近鉄中西ヘッドコーチがグラウンドに飛び出し選手と倒れ込みながら抱き合ったシーンは今も鮮明によみがえる。10月19日は「ドラマの日」なのだろうかと感じずにはいられなかった。リーグ連覇の夢を逃したソフトバンクはエース千賀が8回途中1安打の好投でロッテに完勝。ノーヒットノーランも期待させる投球ぶりだった。今季限りで退任する工藤監督はリーグVはかなわなかったものの、まだまだチームへ「必勝」のタクトを振り続けている。残り4戦全勝しても楽天次第にはなるが、Aクラス入りの可能性がある限り勝利を追い求めている。今季のV争いがロッテと、球団合併によりバファローズの名を踏襲したオリックスというのも何とも因縁めいているではないか。「奇跡」とは呼びたくないが、ホークスにとってまだ日本一への道は閉ざされていない。「10・19」がそんな究極のドラマへ導いてはくれないだろうか。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆ソフトバンク・平石洋介打撃コーチ(41)が試合前に代表取材に応じた。同世代の代表だった西武・松坂大輔投手(41)について話した。 「ついにきたなという感じですね。僕らも試合なのでリアルタイムでは見られないですけど。さみしいですよ。大輔もそういうときがきたなと。形としてこういう日を迎えるようになって、本当にさみしいです」 引退を決断して以降、本人からかけられた言葉を問われると「それはちょっと言いたくない」と苦笑いしたが「まずは心を体を労わってほしい」とメッセージを送った。〝松坂世代〟と呼ばれ、常にその先頭を走ってきた右腕。平石打撃コーチも、世代についての思いを語った。 「全員のことまではわからないですけど、僕らも同級生と交流もあって。大輔のことを悪くいうやつは本当にいない。本当に大輔の人柄であって。あいつがプロの世界に入って、まずは野球で示してくれて〝松坂世代〟が注目されるようになった。プライベートでも変わらない大輔がいて、みんながあいつのことを好きだと思うし。だから注目されることも多いので、感謝していることの方が多いと思いますよ」 試合前だったため、記者会見もまだ確認できていないが「(この後に)見ますよ、もちろん。記者会見も投げている姿も。本当なら(メットライフ)向こうにいきたいくらい」と笑顔で話していた。 松坂は横浜高の3年時にエースとして春夏連覇を達成。3年夏の甲子園準々決勝で平石打撃コーチを擁した大阪・PL学園高と延長17回の死闘を演じた。

◆ソフトバンク・工藤公康監督(58)が試合前の代表取材に応じた。引退試合を迎える西武・松坂大輔投手(41)から電話で、引退の報告を受けたことを明かした。 「本人から電話もかかってきて、話したりしたんです。ちょっと前ですけど、引退を決めたときに。『お世話になりました』というふうにいわれたので『もういいのか』と。『なかなか難しいです』ということだったので。長い間、お疲れさまと。『また人生、野球でできるのは半分くらいしかないので、残りの半分をまた野球界のために頑張れよ』という話はしたんですけど」 松坂がソフトバンクに所属していた2015年からの3年間、「監督と選手」という間柄だった。その3年で公式戦登板は16年の1試合にとどまったが、同級生の和田とも同じユニホームに袖を通した。工藤監督は「一時代を築いたピッチャーが去っていくのはすごくさみしい。彼も野球人ですので。これから野球界のためにできることがあると思う」と労いの言葉を送った。

◆ソフトバンク・小久保裕紀ヘッドコーチ(50)が試合前に代表取材に応じた。引退試合を迎えた西武・松坂大輔投手(41)について、思い出を語った。 「思い出としては、ナイターが終わった後に、1回も対戦していないのにここ(ペイペイドーム)で150キロのマシンを打たされたこと。よく秋山さんらと、文句も言わずにやったなと。何回かやられたのならわかりますけど。それが一番の思い出です、大輔といえば。ナイターが終わった後にマシンを打たされたこと。強烈に覚えています」 当時といえば当時らしい? 松坂対策をあっはっはと笑いながら振り返った。1999年にプロ入りした松坂。当時ダイエーの主砲だった小久保にとっても「衝撃的でした。あのスライダー。速くて曲がりの大きいスライダーを投げる投手はいなかったので」と今も脳裏に軌道が刻まれている。引退試合についても「今持てる力でやってほしい」とエールを送った。

◆ソフトバンクのデスパイネが1―0の六回2死一、三塁から9号3ランを放ち、今季初となる2試合連続本塁打をマークした。 柳田の適時内野安打で先制した直後、追い込まれてから高めに浮いた球を見逃さず左翼席中段まで運んだ。「チェンジアップを捉えることができた。ギータ(柳田)が全力で走って回してくれたチャンスだったので、生かそうと思ったよ」と笑みがはじけた。 今季は思うように打球が上がらず、工藤監督からは右方向へ逆らわずに打つ意識を求められてきた。16日のロッテ戦では注文どおりに右翼席への一発をマーク。今度は力強く引っ張る打撃を見せ、特大のアーチを描いた。

◆優勝へのマジックナンバーを「6」としているロッテは完封負け。先発した3年目左腕の小島和哉投手(25)は六回途中でKOされた。 ソフトバンク・千賀との息詰まる投手戦。小島は五回まで要所を抑えて無失点に抑えたが、六回につかまった。先頭の三森の左前打、今宮の四球などで2死二、三塁になると、柳田の当たりは高いバウンドの遊撃への内野安打となり先制を許す。さらにデスパイネに左翼へ3ランを浴びた。続く中村晃に左翼線二塁打を打たれたところで降板した。 自己最多の10勝をマークしている小島は、東京五輪後の後半戦は、8戦無敗、2完封勝利&1完投勝利を含む5連勝中だった。この日は六回途中、5安打4失点に終わった。7月14日以来の黒星で、これで10勝4敗。 打線も元気がなく、七回までソフトバンク・千賀の前に無安打に抑えられた。八回に藤岡の一塁内野安打でノーノーは阻止したが、結局、この1安打に封じられた。

◆ソフトバンクの千賀が七回まで無安打に抑え、八回途中1安打無失点で9勝目を挙げた。六回に柳田の適時内野安打で先制し、直後にデスパイネが9号3ラン。八回にも2点を加えた。ロッテは小島が六回途中4失点で4敗目を喫した。

◆ロッテ・小島和哉投手(25)が六回途中4失点で、後半戦初黒星となる4敗目(10勝)を喫した。 「1点目のところで粘り切れていれば良かったんですが...。悔しいです」 前回12日のオリックス戦では八回に同点2ランを浴びて、試合後はベンチで号泣した3年目左腕。それでも、直近5試合では2完封を含む3完投で防御率1・10。完全なエース格に成長した小島はこの日も五回までは1安打投球だった。しかし、六回2死二、三塁から柳田に遊撃内野安打、さらにデスパイネに3ランを左翼席に運ばれKOされた。

◆ノーヒットノーランを逃れるのがやっとだった。1安打零敗。前夜(18日)に首位に立ったロッテだったが、この日勝ったオリックスと入れ替わり、わずか1日で2位に転落した。 井口監督は「(ソフトバンク・千賀は)1球で仕留めなきゃいけないピッチャーなんで...。それが仕留められなかった。突破口というか、きっかけもつかめなかった試合」と振り返った。 優勝マジックを減らすことはできず、残り6試合で「6」のまま。指揮官は「勝っていくしかないんで。3日間空きますけど、しっかり調整したい」と、23日の日本ハム戦(ZOZOマリン)に視線を向けた。

◆ソフトバンクは先発の千賀滉大投手(28)が8回途中まで無失点で9勝目を挙げた。工藤公康監督(58)が代表取材に応じた。主な一問一答は以下の通り。 --千賀は素晴らしい内容だった 「1本打たれたところからちょっと変わったので。狙っていたのかなと思いますけど。雨で中止になって延びてしまった中で、投手としてはいいコンディションを作るのが難しい。その中でダブルプレー(一回1死一塁)できょうはいけると感じた部分もあったと思うので。よく投げたと思います」 --交代のタイミングは 「トレーナーからも、張りが出てきたのもあったので。勝ち続けていれば次は中5日というのも考えているので。本人がいきたいといえばいかせたところはありましたけど。トレーナーの方から張りが出てきていますというのもあったので、代えました」 --三森、柳田と好プレーが 「ああやって最後まで粘り強く追いかけていけばああいうプレーにつながる。それが伝わるというような試合だったと思います。打つ方も同じだったと思います。柳田君の内野安打で1点取って。あれが間一髪でしたけど、点に結び付けた。ああいうところがしっかりできるのがうちの強みかなと思います」 --柳田は途中交代 「フェンスに当たったところもあったので。トレーナーからも大事を取ってということでしたので。今、中でみてもらっていますので。報告は聞きたいと思っていますけど、そんなに大きいことにはなっていないのかなと思います」 --デスパイネが4打点 「集中力というか、ここで1本というところで打ったのも素晴らしいと思いますけど。八回に逆方向のヒットで得点に結びつけたのも大きかったので。合わされるとバッテリーも困るでしょうし、素晴らしい働きでした」 --厳しい戦いが続く 「決まるまでは1試合1試合が大事になってくるので。僕らは負けられない試合を戦っていかなくてはならないので。決まるまでは一致団結して、奇跡を信じて、頑張っていきたいと思います」

◆ソフトバンク・王貞治球団会長(81)が試合後に代表取材に応じた。引退する西武・松坂大輔投手(41)についてコメントした。 「幸せだよ。みんながああやっていい形で送り出してもらって。本人も長年苦労したけど、こういう形で終えることができて、プロ野球人として最高の送り出しをしてもらったわけですから」 松坂がプロ入りした1999年、王会長は当時ダイエーの監督を務めていた。2006年のWBCでも監督となると、松坂は3勝を挙げて大会MVPに輝いた。15年にはソフトバンクの一員にもなるなど、常に目をかけてきた選手の1人だった。 注目が集まる今後。松坂が野球界に刻んだ足跡を評価するとともに、期待を込めた。 「次の人生の方が長いんですから。高校時代から、ノーヒットノーランもあったし。松坂は別格ですよ。日本の野球界のプロ野球、高校野球、アメリカの野球も、3つの世界で彼が残した功績というのはものすごく大きいよ。どういう世界にいくかわからないけどまた頑張ってほしいね」とエールを送った。

◆ソフトバンクのデスパイネが今季2度目の4打点をマークし、チームの快勝に貢献した。 六回、柳田の適時内野安打で先制した直後、なお2死一、三塁で、追い込まれてから高めに浮いたチェンジアップを見逃さず左翼席中段まで運んだ。2試合連続の本塁打は今季初。「ギータ(柳田)が全力で走って回してくれたチャンスだったので、生かそうと思ったよ」と笑みがはじけた。 八回には工藤監督から意識づけられている右方向への打撃を好機で披露。試合を決める追加点を挙げ「甘い球だけを積極的に打ちにいっている結果」と満足げに話した。

◆ソフトバンクの柳田が八回の右翼守備で、右中間の飛球をジャンプして捕球した際にフェンスに激突し、直後の攻撃で代打を送られて交代した。工藤監督は「トレーナーからも大事を取ってということだった。そんなに大きいことにはなっていないと思う」と説明した。 六回2死二、三塁の打席では、遊撃への当たりに「必死に本気で走った」と快足を飛ばし、内野安打で先制点をもたらした。主砲が攻守で全力プレーを見せ、チームの勝利につなげた。

◆憧れの背中を見て育った鷹のエースが9勝目を挙げた。ソフトバンク・千賀滉大投手(28)は7回0/3を投げ無失点。勝利という結果に、まず胸をなで下ろした。 「勝ててよかったです。ほっとしています」 七回を終えて94球、無安打。自身2度目のノーヒットノーランが見えてきたが八回無死に藤岡に内野安打を許した。続く岡に四球を与えたところで、2番手・板東にバトンタッチ。後輩が無失点でしのいで、9勝目を手に入れた。 西武・松坂が引退試合に登板。2015年から3年間ソフトバンクに在籍した右腕はスーパースターだ。「野球のことを詳しくない人でも知られている、数少ないプロ野球選手の1人」と尊敬の思いは変わらない。試合前だったため、登板をリアルタイムでは見られなかったが「これからゆっくり見たいです」とほほ笑んだ。 次回登板は25日のロッテ戦(ZOZOマリン)で6年連続2桁勝利がかかる。逆転でのクライマックスシリーズ(CS)に向けても、エースが希望をつないだ。(竹村岳)

◆ノーヒットノーランを逃れるのがやっとの内野安打1本で零敗。〝1日天下〟で2位に転落したロッテ・井口資仁監督(46)は「(千賀は)1球で仕留めなきゃいけないピッチャーなんでね...。突破口というところで塁にもなかなか出られなかったし、きっかけがつかめなかった」と振り返った。 思い返せば、ペイペイドームでの開幕3連敗で始まった今季。同球場での最終戦も完敗に終わった。 天の配剤ともいうべきか。ZOZOマリンで千賀が先発予定だった17日の試合が雨天中止となったことで、この日にスライド。さらに、ソフトバンクにCS進出の可能性が残る場合は、17日の振替試合となる25日に6年連続2桁勝利も懸かる千賀と再戦する可能性が出てきた。試合前、指揮官は「2回来る可能性もあるので、とにかく今日やっつけないと」と話していたが、16年ぶりのリーグ優勝に向けて、またも千賀が立ちふさがることになる。 残り6試合で優勝マジック「6」。井口監督は「勝っていくしかない」と不退転の決意を口にした。(東山貴実)

DAZN

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
ORIX
685418 0.557
(↑0.003)
-
(-)
3542
(+6)
493
(+3)
131
(+1)
47
(+2)
0.249
(-)
3.340
(↑0.01)
2
(1↓)
ロッテ
655319 0.551
(↓0.005)
0
(-)
6566
(-)
538
(+6)
121
(-)
104
(-)
0.241
(↓0.001)
3.680
(↓0.01)
3
(-)
楽天
636015 0.512
(↓0.004)
4.5
(-)
5515
(+3)
493
(+6)
106
(+2)
45
(-)
0.245
(-)
3.430
(↓0.02)
4
(-)
ソフトバンク
586120 0.487
(↑0.004)
7.5
(↑1)
4540
(+6)
474
(-)
125
(+1)
88
(+1)
0.245
(-)
3.250
(↑0.02)
5
(1↑)
日本ハム
526519 0.444
(↑0.004)
12.5
(↑1)
7431
(+6)
496
(+2)
73
(+2)
72
(+1)
0.231
(-)
3.360
(↑0.01)
6
(1↓)
西武
546818 0.443
(↓0.003)
13
(-)
3512
(+2)
580
(+6)
109
(+1)
84
(-)
0.240
(↓0.001)
3.970
(↓0.01)