阪神(☆2対1★)広島 =リーグ戦23回戦(2021.10.18)・阪神甲子園球場=
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広島
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阪神
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勝利投手:伊藤 将司(9勝7敗0S)
(セーブ:スアレス(1勝1敗42S))
敗戦投手:九里 亜蓮(12勝8敗0S)
  DAZN
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◆阪神が接戦を制した。阪神は3回裏、坂本の犠飛で先制に成功する。そのまま迎えた7回には、代打・糸井の犠飛で貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・伊藤将が7回無失点の好投で今季9勝目。敗れた広島は、打線が8回に1点差とするも、あと一歩及ばなかった。

◆広島鈴木誠也外野手(27)は1試合2本塁打が今季だけで7度。 マルチ本塁打のシーズン最多回数は13年バレンティン(ヤクルト)など3選手の11度があるが、広島では77年山本浩二の8度が最多で、あと1回で球団記録に並ぶ。

◆2位阪神は4試合ぶりに佐藤輝明内野手(22)を「7番・右翼」でスタメン起用した。佐藤輝はあと3打席で今季のセ・リーグ規定打席(443)に到達する。すでに中野がクリアしており、同一球団で新人2人が到達すれば、62年東映の青野修三と岩下光一以来、プロ野球59年ぶり。阪神では1リーグ時代も含め、初となる。 広島先発九里は今季12勝で阪神青柳と並びリーグトップ。青柳の最多勝タイトル援護のためにも、打ち崩したい。佐藤輝は今季九里に対し7打数2安打。 佐藤輝は前日17日、2点を追う9回1死一、二塁の1発出れば逆転サヨナラの場面で登場。空振り三振に終わったが、ファンの大声援を浴びた。本塁打が出れば8月19日DeNA戦(東京ドーム)以来、甲子園での公式戦では6月20日巨人戦以来となる。

◆4試合ぶりに「7番右翼」でスタメン出場した阪神佐藤輝明内野手(22)が、4試合ぶりの安打で先制劇の起点となった。 0-0の3回先頭で迎えた第1打席。先発九里の126キロスライダーを捉え、右中間へ運んだ。右翼鈴木誠が打球処理にもたつく間に三塁到達(記録は二塁打と鈴木誠の失策)。直後、坂本誠志郎捕手(27)の中犠飛で生還し、先制のホームを踏んだ。 前日17日の広島戦(甲子園)では、2点ビハインドの9回1死一、二塁に代打で登場。ホームランなら逆転サヨナラの場面だったが、広島守護神栗林の138キロフォークを振らされ空振り三振。球団記録を更新する167個目の三振を喫していた。12日巨人戦(東京ドーム)以来のスタメンで、前夜の悔しさを晴らした。 ? ▽坂本 相手よりも先に点が欲しかったので、犠牲フライですが、先制点を取ることができて良かったです。

◆阪神伊藤将司投手(25)が、快投と器用な「素手キャッチ」で球場を盛り上げた。 4回、先頭の広島宇草の打球は一塁前方へのゴロ。一塁手マルテが捕球し、伊藤将は走ってベースカバーに入った。しかし、マルテの送球にタイミングが合わないと判断したのか、とっさにグラブをつけていない左手を出し、ボールをしっかりキャッチ。機転の利いた守備に、観客も大きな拍手で応えた。福原投手コーチとトレーナーは慌ててベンチを出たが、両腕で「○」マークを作り、問題がないことをアピールした。 伊藤将は初回から快投を続け、4回まで完全投球。この日白星をつかめば、阪神の新人左腕では67年江夏の12勝以来54年ぶりの9勝目となる。

◆阪神先発の伊藤将司投手(25)が、強烈なライナーが直撃するアクシデントに見舞われた。 1点リードの7回2死走者なし。坂倉の打球が左臀部(でんぶ)付近に当たり、顔をゆがめてもん絶。いったんベンチに退いたが、治療後に再びマウンドへ。菊池涼を三ゴロに抑えた。この回は先頭西川に右前打を許したが好調の大砲鈴木誠をチェンジアップで遊撃併殺打に片づけていた。気迫の投球で7回まで無失点の力投だ。

◆阪神は代打の糸井嘉男外野手(40)が貴重な追加点を挙げた。 1点リードの7回1死満塁で登場。九里の速球をとらえ、きっちり左犠飛をマークし、ようやく2点目を刻んだ。「(坂本)誠志郎が目の前でああいうつなぎの打撃をしてくれてチャンスで回してくれたので、あの場面で自分に任された仕事をしたいという思いだけでした。最低限、なんとか1点に絡むことができてよかった」。無死一、二塁で佐藤輝の代打島田が送りバントできずに見逃し三振。坂本の左前打で築いた満塁機だった。8回に1点を奪われ、結果的に大きな得点になった。 今季はこれまで代打で打率2割1分6厘。代打で今季6打点目を刻んだ。

◆阪神板山祐太郎外野手(27)が左翼守備で間一髪の好守を見せつけた。 8回、1点差に迫られ、なおも無死一塁。代打会沢の低いライナーに猛チャージし、地面スレスレで捕った。素早く一塁に転送。飛び出していた代走大盛もアウトになった。広島はリクエストを要求。リプレー映像がバックスクリーンに映し出されるたびに場内はどよめいた。グラブの先で捕球し、先に地面に落ちたようにも映ったが、判定は覆らなかった。結果的に球際を制して一気に2死走者なしになり、ピンチを断った。

◆2位阪神が広島戦の連敗を4で止め、首位ヤクルトとのゲーム差を2・5に縮めた。ヤクルトのマジックは4のまま変わらない。 両チーム無得点で迎えた3回、4試合ぶりスタメン起用となった7番佐藤輝明内野手(22)の右中間二塁打が右翼鈴木の失策を誘う。佐藤輝にとっては8月19日DeNA戦の1発以来、約2カ月ぶりの長打で無死三塁。この場面で8番坂本誠志郎捕手(27)が中犠飛を放ち、先制点を奪った。 その後は4回無死二、三塁で追加点を奪えず。重苦しい展開の中、1点リードの7回1死満塁で代打糸井嘉男外野手(40)が左犠飛を決めた。 先発の伊藤将司投手(25)は7回4安打無失点の快投で9勝目。守っては1点差に迫られた8回無死一塁、代打会沢の痛烈なライナーを左翼に入っていた板山祐太郎外野手(27)が地面スレスレで捕球し、一塁走者の封殺にも成功。広島側のリクエストでも判定は覆らず、同点のピンチを間一髪で防いだ。 守護神のロベルト・スアレス投手(30)は1点リードの9回を無失点で締め、15年呉昇桓の41セーブを超える球団助っ人最多の42セーブ目を記録。2年連続のセーブ王を確定させた。

◆阪神先発は伊藤将、広島は九里。阪神は3回、先頭の佐藤輝が4試合ぶりの安打で無死三塁とすると、坂本の中犠飛で先制した。 阪神先発の伊藤将は5回1死まで無安打に抑える好投。広島九里は6回までに10三振を奪い、3安打1失点(自責0)。 阪神は3回に坂本の犠飛で先制すると、7回には代打糸井の犠飛で追加点を挙げた。先発伊藤将は7回無失点で9勝目を手にした。広島九里は8敗。

◆阪神が接戦を制した。3回に坂本の犠飛で先制。7回には代打糸井が犠飛を放ち貴重な追加点を奪った。先発伊藤将は緩急を巧みに使い、7回4安打無四球の好投で9勝目。2番手岩崎が1失点したものの、9回はスアレスが3人で締め42セーブ目を挙げた。広島は先発九里が力投するも、打線が援護できず。連勝は3で止まった。

◆阪神の守護神ロベルト・スアレス投手(30)が今季42セーブ目を挙げ、2年連続となるセーブ王のタイトルを確定させた。2年連続での獲得は、阪神では呉昇桓の14、15年に次ぎ2人目の快挙だ。 1点差の9回にマウンドへ。先頭の小園を三ゴロに仕留めると、西川は157キロ直球で見逃し三振。迎えた4番鈴木誠には5、6球目に球団最速&自己最速タイの163キロを連発。最後は三ゴロに仕留め、3者凡退で仕事を終えた。 ▼スアレスが今季42セーブ目を挙げ、セ・リーグの2年連続最多セーブを確定させた。2位の広島栗林が、残り6試合すべてでセーブを挙げても41セーブ。スアレスを超えることがなくなったため。阪神投手の2年連続最多セーブは、14~15年の呉昇桓以来2人目。また年間42セーブは、15年呉昇桓41セーブを超えて阪神外国人最多となった。

◆2位阪神が広島戦の連敗を4で止め、首位ヤクルトとのゲーム差を2・5に縮めた。ヤクルトの優勝マジックは4のまま変わらない。 両チーム無得点で迎えた3回無死三塁、8番坂本誠志郎捕手(27)が中犠飛を放ち先制。1点リードの7回1死満塁では、代打糸井嘉男外野手(40)が左犠飛を決めた。 先発の伊藤将司投手(25)は7回4安打無失点の快投。阪神の新人左腕では67年江夏の12勝以来54年ぶりの9勝目を挙げた。 守護神のロベルト・スアレス投手(30)は1点リードの9回を無失点で締め、15年呉昇桓の41セーブを超える球団助っ人最多の42セーブを記録した。 勝利に導いたバッテリーの伊藤将、坂本、スアレスのお立ち台での一問一答は以下の通り。-ナイスピッチング 伊藤将 ありがとうございます! -7回にピッチャー返しがおしりに当たったが、大丈夫か 伊藤将 あ、大丈夫でした。 -しびれる展開。どんな思いで投げていたか 伊藤将 本当に今日も大事な試合なので、精いっぱい投げようと思って投げてました。 -坂本の犠飛で先制どんな気持ちで見ていた 伊藤将 誠志郎さんならやってくれると思ったので、あの回に点入れてくれて良かったです。 -9勝目で2ケタ勝利にあと1勝 伊藤将 あと1勝という中で、2ケタいけるので、次の試合もしっかり投げて、達成できるように頑張りたいと思います。 -逆転優勝へ望みをつないだ。残りの登板へ意気込みを 伊藤将 1戦1戦頑張りたいと思いますので、ご声援よろしくお願いします。 (坂本に代わり) -伊藤投手の投球は 坂本 えー、いつものらりくらりなので、そういう持ち味を引き出せたらいいなと思いながら、いたんですけど。ああいう、ケツに当たるあたりも将司らしいなと思いながら、しっかり投げてくれたと思います。 -坂本選手はそう言っているが、伊藤投手 伊藤将 そうですね、やっぱり誠志郎さんの配球のおかげでこうやってお立ち台に立てているので、本当に感謝しかないです。 -好リードが光る 坂本 本当に負けられない戦いが続いているので、ピッチャーのいい部分を引き出して。やるかやられるかなんで、気持ち込めてやってやろうという思いです。 -試合の中以外にも「虎メダル」などでチームを盛り上げている 坂本 そうですね、やっぱりチーム1つになって、選手もですけど、ファンの皆さんも1つになって、相手に向かっていくという姿勢が大事だと思ってるんで。皆さんも是非、そういうパフォーマンスの時は、一緒にやっていただけたらなと思ってますので、声は出せないかもしれないですけど、パフォーマンスお願いします! -明日からヤクルトとの2連戦 坂本 ヤクルト倒さないと優勝できないですし、強いのは分かっていますけど、僕らも強いチームだと思っているんで、思い切りぶつかってやりたいと思います。 (スアレスに代わり) -42セーブ目でセーブ王確定 スアレス ありがとうございます(日本語で)。 -率直な気持ちは スアレス こういう機会を与えていただいてチームに本当に感謝していますし、外国人の球団の記録も抜けたと思うんですけども、まだ試合はいっぱいあるので全部セーブするつもりでこれからも戦いたいと思います。 -球団外国人セーブ記録を更新 スアレス それに関してもとてもうれしく感じています。まだまだ試合が続くので、与えられた1試合1試合のセーブ機会をしっかりとものにするために頑張りたいと思います。 -今日も1点差だが、安心して見ることができた スアレス しっかりと集中した状態でいけましたし、全力で初球からいきましたけども、それがチームの結びついてよかったです。 -日本語でファンへ向けてひと言 スアレス みなさん、応援ありがとうございます。

◆2位阪神が広島に1点差で逃げ切り、この日試合がなかった首位ヤクルトのマジックを減らさなかった。先発伊藤将司投手(25)が7回4安打無失点で9勝目。9回を締めた守護神ロベルト・スアレス投手(30)は42セーブ目で球団外国人最多となり、2年連続のセーブ王も確定した。 試合後の矢野燿大監督(52)の一問一答は以下の通り。 (テレビ) --粘る広島を破り、1点差の接戦をものにした そうですね。接戦にしちゃった、というところも、あると思いますけど。 ? --3回の先制の場面は佐藤輝の長打(二塁打と右翼失策で三塁へ)から なかなかね、後半苦しんでいますけど、はい、いいヒットでした。 --無死三塁から、続く8番坂本がしっかり犠牲フライ 次(の打順が)投手なのでね。やっぱりあそこで点を取っているっていうのは流れ的によかったかなと思います。 --7回1死満塁。代打糸井は追い込まれながら犠飛 あそこはね、(伊藤)将司を代えても点を取りにいくっていうところだったので。あそこでやっぱり点を取ってくれたんでね。流れ的によくなりました。 --先発の伊藤将は好投 そうですね、(7回に打順が)回って来なければ、続投しようかなと思っていたんですけど。これで新人で9勝目ですか。2桁も見えるところに来たんでね。残り少ないですけど、しっかり頑張ってもらえたらなと思います。 --7回無死一塁での4番鈴木誠との勝負はしびれた そうですね、あそこも将司らしく低めに丁寧に投げてね。狙い通り(遊ゴロ併殺)というかね、そういう投球ができたので。本当にルーキーですけど、経験豊富な投手なんで。本当に助かっています。 --8回は左翼板山の好プレーも そうですね、本当に際どいプレーでしたけど、本当に球際強く、しっかり板山が捕ってくれたのはナイスプレーでした。 --明日19日から首位ヤクルトとの2連戦 そうですね、もうね、勝つしかないんでね。全員でつなげて、はい、全員でやり切ります。 (囲み) --伊藤将の安定感 球のキレとかコントロールは良さそうには見えるよね。 --4回のフィールディング(一塁ベースカバーで素手キャッチ)など総合力が高い 不器用ではないよね。バッティングも悪いわけじゃないし。トータルでいろんなことをやろうとしている、できる選手。そうじゃないとね。体も別に大きいわけじゃないからね。今までもそういうところを大事にしてきたんじゃないかな。 --7回には打球直撃したが それは大丈夫。お尻の肉のある部分だから。 --9回はスアレスの快投で42セーブ もうスアちゃんがいてくれるからこそなんでね。打線がやっぱりもうちょっと点を取って楽な展開にしないとダメなんだけど。でも耐えられるところを、しっかりスアちゃんがつなぐっていうことをしてくれたんでね。しっかり締めてくれました。 --状態の悪かったマルテにも1本出た マルテのところでチャンスでかえせてないというのが最近あったんでね。マルテの状態が上がるっていうのは、これからもウチの戦いの中では大事なところなんで。1本出たんでね、なんとかここから最後グッともう1回上げてもらいたいなと思います。 --佐藤輝がスタメンで1本 うん。期待に応えてというか、何かきっかけをつかんでほしいなと思っているんだけどね。 --7回の攻撃ではつないで1点 まあね、だから欲を言えばやっぱりその前に取っとかなあかんし。あそこでも1点じゃなくてね、もっといきたいなというのもある。

◆5試合連続先発マスクの阪神坂本誠志郎捕手が攻守で貢献した。 3回に中犠飛で先制。7回1死一、二塁の左前打で糸井の犠飛につなげた。先発伊藤将を好リード。7回は無死一塁で鈴木誠を迎えてチェンジアップで遊撃併殺打に仕留めるなど広島打線を1失点に抑えた。お立ち台で「(伊藤は)いつものらりくらり。持ち味を引き出せたらいい。ケツに当たるあたり将司らしい」と話した。19日からヤクルト2連戦。「ヤクルトを倒さないと優勝できない。僕らも強い」と気合十分だ。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手がトンネルを脱出した。4回無死一塁で左翼フェンス直撃の二塁打を放った。 10日ヤクルト戦(神宮)以来、5試合22打席ぶりの安打だった。シーズン最終盤は3、4番に入り、主軸として期待されるなか、ブレーキになっていた。矢野監督は「マルテの状態が上がるのは、これからもウチの戦いの中では大事なところ。1本出た。なんとかここから最後グッともう1回上げてもらいたい」と復調を望んでいた。

◆最多勝を狙う広島九里亜蓮投手(30)が7回途中2失点の力投も、8敗目を喫した。 リーグトップタイの12勝を挙げる右腕は、2週連続の中5日での登板。要所を切り抜け、失点は3、7回の犠飛2本のみ。自己最多11三振を奪ったものの、勝ち星に恵まれなかった。「先に点を与えてしまった。チームが勝てなかったことが本当に悔しい」。登板は最大で残り2試合の見込み。チームの連勝は3でストップし、3位巨人と再び3ゲーム差。2年連続の勝率5割未満が確定した。

◆最後は侍ジャパン4番を相手にギアチェンジだ。阪神守護神のロベルト・スアレス投手(30)が自身が持つ球団最速163キロを連発し、42セーブ目で2年連続のセーブ王を確定させた。 「しっかり集中した状態でいけた。全力で初球から行きました」 1点リードの9回にマウンドへ。2番小園を外角チェンジアップで三ゴロに打ち取り、3番西川は内角低め157キロ直球で見逃し三振。4番鈴木を迎えると、直球の威力が増した。 2ボール2ストライクから外角163キロでファウル、外角低め163キロはわずかにボール。フルカウントとなり、勝負球に選んだ156キロツーシームで三ゴロを奪った。 今季60試合目の登板も難なく3人で終え、15年呉昇桓の41セーブを超えて球団助っ人最多となった。14、15年の呉昇桓に続き球団2人目の2年連続セーブ王を手中にした。矢野燿大監督は「スアちゃんがいてくれるからこそ」と最敬礼だ。 逆転Vへ望みをつなぎ、残り6試合。07年藤川球児の球団記録46セーブも夢物語とは思えないだけの迫力がある。「まだ試合はいっぱいある。全部セーブするつもりでこれからも戦いたい」。マウンドに立ち続けた先に、セ界の頂点が待つ。【佐井陽介】

◆セットアッパーの阪神岩崎優投手は登板9試合ぶりの失点も、なんとかリードをキープした。 2点差をつけた直後の8回に登板。7番堂林に右翼線二塁打を浴びると、代打長野の中前適時打で1点差とされた。それでも無死一塁で代打会沢のライナーを左翼板山が好捕し、一塁封殺でダブルプレー完成。最後は1番宇草を遊ゴロに仕留め、今季39ホールド目を記録した。

◆広島佐々岡真司監督が、阪神戦での微妙な判定について言及した。 1点差に迫った直後の8回、無死一塁から、代打会沢の打球が左翼板山のグラブに入る手前でワンバウンドしたように見えたが、結果は左飛。飛び出していた一塁走者の大盛もアウトとなった。リプレー検証でも判定は覆らず。球審に塁審の「ジャッジが遅いんじゃないか」と抗議したという指揮官は「ちょっと残念なジャッジだった」と落胆。球団は現時点でのNPBへの意見書提出はないが、球団内で検証する構えだ。 1点差に迫った直後の8回、無死一塁から、代打会沢の打球が左翼板山のグラブに入る手前でワンバウンドしたように見えたが、結果は左飛。飛び出していた一塁走者の大盛もアウトとなった。リプレー検証でも判定は覆らず。球審に塁審の「ジャッジが遅いんじゃないか」と抗議したという指揮官は「ちょっと残念なジャッジだった」と落胆。球団は現時点でのNPBへの意見書提出はないが、球団内で検証する構えだ。

◆強靱(きょうじん)な心と体で、阪神伊藤将司投手(25)が今季9勝目を手にした。「立ち上がりから自分の中でも調子がいいと分かったので、行けるところまでしっかり投げようという気持ちでした」。4回まで完全投球と圧倒し、7回4安打無失点。7回無死一塁で4番鈴木誠を遊ゴロ併殺に仕留めるなど、主軸にも強いハートで立ち向かった。 痛いアクシデントにも動じない。1-0の7回2死。坂倉の強烈なライナーが左臀部(でんぶ)を直撃し、顔をゆがめてもん絶した。いったんベンチに下がったが、球場がざわつく中すぐにマウンドへ。「ここまで来たら気合だと思ったんで。あとは根性で投げました」。迎えた菊池涼をチェンジアップで三ゴロ。お立ち台では、直撃した場面について聞かれ「あ、大丈夫でした」とケロリと答えた。4回にも一塁ベースカバーに入り、マルテの送球を「素手キャッチ」。最後まで体を張って0を並べた。 阪神の新人左腕では67年江夏の12勝以来、54年ぶりの9勝目。規定投球回にはわずかに届かないが、防御率は"隠れ2位"で、10月は0・82と抜群の安定感を見せている。開幕からフル回転を続けてきたルーキーは、まだまだ元気に腕を振る。【磯綾乃】 ▽阪神矢野監督 本当にルーキーですけど、経験豊富なピッチャーなんで。本当に助かっている。(打球直撃は)それは大丈夫。お尻の肉のある部分だから。

◆広島佐々岡真司監督(54)が、阪神戦での微妙な判定について、NPBへ意見書を提出するよう球団に要望したことを明かした。 1点差に迫った直後の8回、無死一塁から、代打会沢の打球が左翼板山のグラブに入る手前でワンバウンドしたように見えたが、判定は左飛。飛び出していた一塁走者の大盛もアウトに。リクエストによるリプレー検証でも判定は覆らず、塁審の判定の遅さについて球審に抗議したが、そのまま試合が再開していた。 意見書の提出について指揮官は「球団の方にはそういうお願いをしたので、あとは球団の方で判断することになると思います」と説明。逆転CSへ向け、1つの試合も落とせない状況なだけに「この大事な時期にこの判定だからね。そもそもジャッジも遅い。1点を争う大事な時期なだけに...」と憤りを隠せなかった。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が決勝点につながる二塁打を放った。 広島戦に4試合ぶりに先発出場して3回に右中間を破った。敵失の間に三塁まで進み、坂本誠志郎捕手(27)の犠飛で先制のホームを呼んだ。長打は2カ月ぶり、甲子園では3カ月ぶりの安打で、勝利に貢献した。7回に代打を送られた際、球場を包んだ落胆の声は期待の裏返し。19日から2・5差で追う首位ヤクルトと甲子園で2連戦。テルの一打から逆転Vへつなげたい。全力で腕を振った。187センチ、94キロが進むにつれて、どよめきが大きくなった。甲子園では後半戦初の「Hランプ」点灯。三塁に到達した佐藤輝は、白い歯をチラリと見せた。「めちゃくちゃ久しぶりだったので、うれしかったです」。 3回。先頭で広島九里のスライダーを引っ張った。右中間を割る二塁打は、右翼鈴木誠の失策を誘う。4試合ぶりのスタメンで4試合ぶりの安打を放ち、無死三塁。8月19日DeNA戦で23号を放って以来、約2カ月ぶりに飛び出した長打に沸いた直後、坂本の中犠飛で先制&決勝のホームを踏んだ。 「今日は良いスイングができたと思いますし、状態は良いと思う」 そう言えるだけの準備を重ねてきた。この日のフリー打撃では体の開きを抑えるかのように逆方向を狙い、左中間へ快音を連発。スタメン落ちした直近3試合は、イニング間に右翼手とのキャッチボール役に走り、ベンチで仲間のプレーをじっと見つめた。 「準備の仕方であったり、代打の難しさとかベンチでの役割とか、いろいろ学ぶことが多いですし、これからに生かしていきたい」 前日17日の広島戦は1発なら逆転サヨナラの9回1死一、二塁で、代打で空振り三振に倒れた。それでもこの日、7回に代打が告げられるとスタンドからは「え~」と虎党の声。それほど、背番号8の1打席には流れを変える力がある。 甲子園では7月14日DeNA戦以来、実に3カ月ぶりの安打。悩める中でも1本を出した佐藤輝に矢野燿大監督(52)は「後半苦しんでいますけど、良いヒットでした」とうなずいた。首位ヤクルトがゲームのなかった日に1点差を制し、優勝マジックは4のまま。19日からは甲子園でヤクルト戦。連敗なら目前で胴上げを許してしまう。屈辱だけはなんとしても阻止する。 「もうね、勝つしかない。全員でつなげて全員でやり切ります」と指揮官が言えば、佐藤輝は「1試合1試合、1打席1打席に集中して、目の前の1試合をしっかり戦い抜く」と一戦必勝を誓った。復活の気配漂うルーキーとともに、矢野阪神が最終決戦に挑む。【中野椋】 ▼阪神が19、20日のヤクルト戦に連敗すれば、ヤクルトの優勝が決まる。21日以降に、阪神が4勝しても最終成績は78勝57敗8分けで勝率5割7分8厘。ヤクルトは同時期に6戦全敗しても、73勝53敗17分けの5割7分9厘となり、阪神を上回るため。

◆阪神先発の伊藤将司投手(25)が7回4安打無失点で今季9勝目を手にした。 ▼伊藤将の9勝は、阪神の新人左腕としては67年江夏豊12勝以来2人目。なおこの年の江夏は先発9勝、救援で3勝。伊藤将の白星はすべて先発で挙げたもので、次回も先発勝利を挙げ先発10勝となれば、阪神新人左腕では初となる。

◆強靱(きょうじん)な心と体で、阪神伊藤将司投手(25)が今季9勝目を手にした。 「立ち上がりから自分の中でも調子がいいと分かったので、行けるところまでしっかり投げようという気持ちでした」。4回まで完全投球と圧倒し、7回4安打無失点。7回無死一塁で4番鈴木誠を遊ゴロ併殺に仕留めるなど、主軸にも強気に立ち向かった。 痛いアクシデントにも動じない。1-0の7回2死。坂倉の強烈なライナーが左臀部(でんぶ)を直撃し、顔をゆがめ、もん絶した。いったんベンチに下がったが、球場がざわつく中ですぐにマウンドへ。「ここまで来たら気合だと思ったんで。あとは根性で投げました」。迎えた菊池涼をチェンジアップで三ゴロに仕留めた。4回にも一塁ベースカバーに入り、マルテの送球を「素手キャッチ」。最後まで体を張って0を並べた。 お立ち台で打球直撃について聞かれた左腕は「あ、大丈夫でした」とケロリ。父正宏さんが千葉県で牛乳販売店を営み、幼い頃から牛乳を飲むのが日課だった。野球と出会わなければ「ゴルファーを目指してるか、お父さんの牛乳屋を継いでるか...」。今も寮にある約200ミリリットルの紙パック牛乳を1日2本、朝にゴクゴクと飲み干している。「まだ生きてて骨折とかしたことないんで、そういうのは牛乳からきてるのかなと思います」。気温16度。冷たい風が吹いたこの夜も、ユニホームは半袖だった。「全然冬でも半袖で投げられます。半袖の方が投げやすいです」。ケガ知らず、寒さ知らず。骨太の丈夫な体はプロで戦う大きな武器だ。 阪神の新人左腕では67年江夏の12勝以来、54年ぶりの9勝目。規定投球回にはわずかに届かないが、防御率は"隠れ2位"で10月は驚異の0・82だ。「あと1勝で、2ケタ行けるので、次の試合もしっかり投げて、達成できるように頑張りたい」。リーグ終盤戦もパワー全開。最後まで元気に腕を振る。【磯綾乃】

◆阪神板山祐太郎外野手(27)が8回から入った左翼守備で微妙な判定になった。8回、1点差に迫られ、無死一塁。代打会沢のライナーにチャージし、地面スレスレにグラブを出した。判定はダイレクトキャッチでアウト。捕球したボールを中継で一塁に転送。飛び出していた代走大盛もアウトになった。広島はリクエスト。写真では地面でワンバウンドしてからの捕球なのが明白だったが、リプレー検証の映像では判別できなかったのか、判定は覆らなかった。矢野監督は「本当に際どいプレー。本当に球際強く、しっかり板山が捕ってくれたのはナイスプレーでした」とたたえた。 一方、広島佐々岡真司監督(54)は、微妙な判定について、NPBへ意見書を提出するよう球団に要望したことを明かした。「球団の方にはそういうお願いをしたので、あとは球団の方で判断することになると思います」と説明。逆転CSへ向け、1つの試合も落とせない状況なだけに「この大事な時期にこの判定だからね。そもそもジャッジも遅い。1点を争う大事な時期なだけに...」と憤りを隠せなかった。

◆不振の阪神・佐藤輝明内野手(21)が4試合ぶりに「7番・右翼」で先発出場。伊藤将司投手(25)は1967年の江夏豊(12勝)以来、54年ぶりとなる球団新人左腕の9勝をかけて先発。

◆阪神・佐藤輝明内野手(22)が4試合ぶりに「7番・右翼」で先発出場し、2カ月ぶりとなる長打を放って先制点を演出した。 3回、坂本の犠飛で生還した阪神・佐藤輝=甲子園球場(撮影・甘利慈) 三回先頭で打席に立つと、先発・九里の2球目、甘く入ったスライダーを引っ張り、右中間へ。相手の守備がもたつく間に全力疾走で三塁に到達した(記録は二塁打と右翼手の失策)。直後の坂本の中犠飛で生還し、先制のホームを踏んだ。 黄金ルーキーが長打を放ったのは、8月19日のDeNA戦(東京ドーム)の第4打席で本塁打を記録して以来、実に2カ月ぶり。これが今季25本目の二塁打となり、セ・リーグの新人では1999年に福留孝介(中日)の記録に並び、4位タイとなった。

◆阪神・伊藤将司投手(25)が7回4安打無失点と好投。9勝目の権利を手にしてマウンドを降りた。 四回まではパーフェクト投球。五回1死から坂倉に右翼手前にポトリと落とされて初安打。続く菊池涼にも右前へはじき返されて一、二塁とされたが、堂林を三ゴロ、林を空振り三振に仕留めて危機を脱した。 1―0の七回には2死走者なしで坂倉の打球が左臀部に直撃。一度ベンチで治療したが、プレーを続行し、ここも無失点に抑えてリードを死守した。 その裏の攻撃で1死満塁のチャンスを作り、代打が送られて交代。力投した左腕に代わって打席に立った糸井の犠飛で2点差に広げた。

◆阪神・伊藤将司投手(25)が7回4安打無失点と好投。9勝目の権利を手にしてマウンドを降りた。 7回、広島・坂倉の打球を受ける先発の阪神・伊藤将=甲子園球場(撮影・甘利慈) 「チームとしても負けることのできない試合でしたが、自分のピッチングをすることに集中した。ボールも低めに集めることができていたし、全体的に良いピッチングができた」 四回まではパーフェクト投球。五回1死から坂倉に右翼手前にポトリと落とされて初安打。続く菊池涼にも右前へはじき返されて一、二塁とされたが、堂林を三ゴロ、林を空振り三振に仕留めて危機を脱した。 1―0の七回には2死走者なしで坂倉の打球が左臀部に直撃。一度ベンチで治療したが、プレーを続行し、ここも無失点に抑えてリードを死守した。 その裏の攻撃で1死満塁のチャンスを作り、代打が送られて交代。力投した左腕に代わって打席に立った糸井の犠飛で2点差に広げた。

◆阪神は2点を守り切り、辛勝。広島戦の連敗を「4」で止めた。 三回、4試合ぶりにスタメン出場した佐藤輝の二塁打と敵失で無死三塁のチャンスを作り、坂本の犠飛で先制に成功。1―0の七回にも1死満塁で糸井の犠飛で得点し、2点差とした。 先発の伊藤将は7回4安打無失点の好投で9勝目。1967年の江夏豊(12勝)以来、54年ぶりの球団の新人左腕の9勝となった。 八回に登板したセットアッパーの岩崎が連打で1点を献上したが、九回は守護神・スアレスが無失点で抑えて勝利を収めた。 試合のなかった首位・ヤクルトとのゲーム差を「2・5」に縮めたが、阪神は残り6試合を全勝してもヤクルトは4勝4敗で上回る状況で負けられない戦いが続く。そして明日からはホームでヤクルトとの直接対決2連戦に臨む。

◆阪神は三回の坂本誠志郎捕手(27)、七回の糸井嘉男外野手(40)の犠飛による2点を守り切り、広島に競り勝った。伊藤将司投手(25)は7回無失点で9勝目(7敗)。42セーブ目をマークしたロベルト・スアレス投手(30)のタイトル獲得が確定した。チームはマジック4のヤクルトと19日から甲子園で2連戦を迎える。矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 (テレビ) ーー接戦をモノにした 「そうですね。接戦にしちゃった、というところもね、あると思いますけど」 ーー先制の場面は佐藤輝の長打から 「なかなかね、後半苦しんでいますけど、はい、いいヒットでした」 八回、広島・会沢の打球を捕球した阪神・板山=甲子園球場(撮影・甘利慈) ーー八回は板山の好プレー(八回無死一塁で左翼へのライナーを好捕) 「そうですね、本当に際どいプレーでしたけど球際強く、しっかり板山が捕ってくれたのはナイスプレーでした」 ーー19日からヤクルト2連戦 「そうですね、もうね、勝つしかないんでね。全員でつなげて、はい、全員でやり切ります」 (囲み) ーー伊藤の安定感 「球のキレとかコントロールは良さそうには見えるよね」 ーースアレスの快投 「もうスアちゃんがいてくれるからこそなんでね。打線がやっぱりもうちょっと点を取って楽な展開にしないとダメなんだけど。でも耐えられるところを、しっかりスアちゃんがつなぐっていうことをしてくれたんでね。しっかり締めてくれました」 ーー状態の悪かったマルテにも1本出た 「マルテのところでチャンスでかえせてないというのが最近あったんでね。マルテの状態が上がるっていうのは、これからもウチの戦いの中では大事なところなんで。1本出たんでね、なんとかここから最後グッともう一回上げてもらいたいなと思います」 ーー佐藤輝スタメンで1本 「うん。期待に応えてというか、何かきっかけをつかんでほしいなと思っているんだけどね」 ーー七回の攻撃ではつないで1点 「まあね、だから欲を言えば、やっぱりその前に取っとかなあかんし。あそこでも1点じゃなくてね、もっといきたいなというのもあるし」

◆4番・鈴木誠を完ぺきに抑えたことが勝因だ。特に七回無死一塁で、カウント3-0からカットボールで見逃し。さらに同じ高さからのチェンジアップで遊ゴロ併殺打に仕留めた配球は見事だ。伊藤将はことし一番の投球だった。佐藤輝の長打が勝利につながったことも、明るい材料だ。 迎えるヤクルトとの大一番のポイントは1戦目の青柳、2戦目のガンケルの両先発。昨日の試合で分かるように、今の阪神打線に大量点は望めない。先発が相手打線を抑えるしかない。鈴木誠を抑えたように、青柳がいかに山田を封じるか。青柳はゴロを打たせる投手だから、内野のつまらないミスも厳禁だ。 矢野監督の勝負どころを見誤らない采配も必要になる。七回無死から糸原が左前打で出塁した場面。代走を送らず、次打者がフルカウントになっても走らなかった。絶対に代走を出すべきだったし、足を使った攻めをしてもらいたかった。空振りしたらどうしようという消極的な采配はダメ。足で勝負できる選手はそろっているのだから。 状況は厳しいが、連勝すれば相手は慌てる。最後までいい戦いを見せてほしい。(本紙専属評論家)

◆阪神のロベルト・スアレス投手がセ・リーグ最多セーブのタイトルを2年連続で獲得することが18日、確定した。この日甲子園球場での広島戦で42セーブ目をマークし、ここまで35セーブを挙げている広島の栗林は残り6試合で、上回られる可能性がなくなった。 スアレスは加入2年目の今季はここまで60試合に登板し、1勝1敗、防御率1・19。5月には月間MVPを初めて受賞した。チームは残り6試合で、2007年に藤川が樹立した球団記録の46セーブにも迫っている。 阪神のスアレスが圧巻の三者凡退で試合を締め、今季42セーブ目を挙げた。2年連続となるセーブ王のタイトルを確定させ「まだ試合はあるので、全部セーブするつもりで戦いたい」と泰然と話した。 2―1の九回に登板。「初球から全力でいった」と先頭の小園を三ゴロ、西川は見逃し三振に仕留めた。4番鈴木誠との勝負は見応え十分。160キロを超える速球をファウルで粘られ、観客からどよめきが起こった。最後は三ゴロで打ち取り「チームの勝利に結び付いて良かった」と安堵感をにじませた。

◆広島は際どい判定で好機を逃した。0―2の八回に代打長野の適時打で1点を返し、なおも無死一塁。代打会沢のライナー性の飛球は左翼手の板山が地面すれすれで捕球したとされ、一塁走者も戻れず、併殺となった。佐々岡監督はリプレー検証を求めたが、判定は覆らなかった。 監督は「ジャッジが遅いから一塁にも帰れないし、ボールが地面に着いているようにも見えた」と不満げ。球団に日本野球機構(NPB)へ意見書の提出を求めたことを明かし「試合中はあれ以上言っても覆ることはなかった。ただ、審判に映像を見てもらったわけだから、何のためのリクエストだったのかとなってしまう」と話した。

◆考える時間もないほど鋭い打球だった。超積極的で、誰より強い覚悟でこの一戦に挑む板山だから、本能で前進できた。グッと伸ばしたグラブの先っぽで白球を捕らえ、大ピンチが一転2死走者なしだ。G倒の千金打で輝いた伏兵が今度は守備で大仕事をやってのけ、矢野監督も最敬礼だ。 「本当に際どいプレーでしたけど、本当に球際(に)強く、しっかり板山が捕ってくれたのはナイスプレーでした」 ほんの少しでも迷っていれば、後逸していてもおかしくなかった。2-0の八回を託された岩崎が連打で1点を失い、なお無死一塁で代打・会沢を迎えた。左翼前方をライナー性の打球が襲ったが、そこへ猛然と駆け込んだのが、代走から途中出場し左翼を守っていた板山だった。 間一髪でつかみ、ダイレクト捕球をアピールすると、すぐさま一塁転送。飛び出した一走までアウトにした。広島・佐々岡監督がリクエストするが結果は変わらない。白球が緑の芝生に触れるか触れないか、1センチもないようなギリギリの攻防をもぎとったのは、虎のラッキーボーイだった。 わずか4日前、14日の巨人戦(東京ドーム)では「あと1球」で勝ちがなくなるという0-0の九回2死カウント0-2から劇的決勝打を放ったばかり。あきらめない、一瞬も手を抜かない虎の象徴。板山さえ躍動すれば、ヤクルトとの直接対決でもツキは虎に来る。(長友孝輔)

◆虎のレジェンドの偉大な記録に、痛みに耐えきったからこそ、たどりつけた。伊藤将は左臀部付近をドスンと直撃した打球の衝撃に一度は膝をついた。それでも、心は折れずに7回4安打無失点で、今季9勝目をマーク。歴史の扉を開いた。 「大事な試合なので、精いっぱい投げようと。立ち上がりから調子がいいとわかったので、いけるところまでしっかり投げる気持ちでした」 絶対に負けられない一戦をものにし、充実感をにじませた。新人左腕が1年目に9勝以上をマークしたのは1967年の江夏豊(12勝)以来、54年ぶりの快挙も重なった。一回先頭の宇草、続く小園はいずれも初球で凡退。すぐさま流れをつかみ、五回1死まで圧巻のパーフェクト投球を続けた。この日初安打となる右前打を坂倉に浴び、その後1死一、二塁のピンチも後続は断った。 通算206勝を挙げた江夏。伊藤将が追いつき、追い越す 鋭いライナーが〝商売道具〟を襲ったのは1-0の七回2死走者なし。坂倉の打球に体をひねると尻を直撃(記録は内野安打)したが、ド根性を発揮。ベンチで治療を受けると、再びマウンドに戻り、菊池涼を三ゴロ。「ここまで来たら気合。あとは根性で投げました」と笑い飛ばした。 頑丈な体は、白星のように真っ白い牛乳をゴクゴク飲んで作った。父・正宏さん(51)が牛乳の販売所を営んでおり、「まだ骨折とかしたことない。そういうのは牛乳から来てるのかな。お父さん(の店)が雪印。ぜひ、雪印、お願いします(笑)」と伊藤将も自らの体を使って猛アピール? プロ入り後もホームでの試合開催時は、虎風荘で牛乳2パックを飲み干して球場入りする。赤ヘル打線もぐいっと飲み干した。 球団では2013年に藤浪(10勝)が達成して以来、7人目の新人投手2桁勝利に王手をかけた。伊藤将は「あと1試合投げられると思う。個人としてもいい結果を出せるように頑張ります」と力を込めた。中5日なら24日の広島戦(マツダ)で登板する可能性がある。記録を塗り替え、虎を大逆転Vに導く。(新里公章)

◆絶対に倒す! 阪神は広島に2-1で勝利。「7番・右翼」で4試合ぶりに先発出場した佐藤輝明内野手(22)が三回に二塁打を放ち、先制劇を演出した。19日からは優勝マジック4としているヤクルトと甲子園で2連戦。目の前で胴上げはさせない。勝って、勝って、奇跡を起こす! 熱い応援をしてくれた虎党へのお礼の一打だ。目の覚めるような打球が右中間をライナーで破った。4試合ぶりに「7番・右翼」でスタメン出場した佐藤輝が後半戦、甲子園で初安打となる二塁打。ヤクルトとの大一番を前に絶対に落とせない一戦で、チームを勝利に呼び込んだ。 「きょうは良いスイングができたと思う。めちゃくちゃ久しぶりだったので、うれしかったです」 0-0の三回先頭。1ボールからの2球目。最多勝を目指す九里のスライダーを振りぬいた。右翼手・鈴木誠が打球処理にもたつく間に三塁へ激走(記録は二塁打&失策)。続く坂本の中犠飛で先制のホームインだ。 七回無死一、二塁はシーズンの規定打席(443打席)に到達する手前でピンチバンターの島田を送られ、19日以降にお預けに。それでも甲子園に詰めかけた1万4787人に存在感を示した。先発出場がアナウンスされると、大きな拍手に包まれた一戦。打って勝てたことがすべてだった。 「(ベンチスタートで)準備の仕方であったり、代打の難しさとか、いろいろ学ぶことが多いですし、これからに生かしていきたい」 試合前の円陣では近本が声出し役を務め「精一杯やる姿勢は多くの人の心を動かします。全力疾走、ベンチの声、最後まであきらめない。僕たちのやっている姿勢は人を感動させます」と訴えた。選手会長の言葉が身に染みる。佐藤輝は試合前、スタンドから応援してくれていた子どもからサインボールをねだられると、ペンを走らせた。どんなに苦しいときもファンが支えてくれる。常に前を向いて、フルスイングをするだけだった。19日からはいよいよ優勝マジック4を点灯させている首位ヤクルトとの2連戦に挑む。2・5ゲーム差。この直接対決で連敗すれば、ヤクルトのリーグ制覇とともに、目の前で胴上げを見せられるという屈辱を味わう。矢野監督は「そうですね。もうね、勝つしかないんでね。全員でつなげて、はい。全員でやり切ります」とナインに結束を求めた。甲子園で決められることだけは絶対に避けなければいけない。指揮官を「いいヒットでした」と言わしめた佐藤輝の復調が、もう一度、燕と戦う勇気を呼んだ。「残り(試合)は少ないですけど、1試合1試合、1打席1打席に集中して、目の前の1試合を、しっかり戦い抜くという気持ちでやっていきます」と佐藤輝。ヤクルトとの大一番。不振で苦しんだ2カ月あまりの悔しさをすべてぶつける。(三木建次)

◆阪神が勝ったァー!! 八回に岩崎が1点差に詰め寄られ、なお無死1塁。代打・会沢のレフトへのヒット性の打球を板山がファインプレーして、そのまま一塁へ送球。ほぼ試合を決めるゲッツーを完成させた。板山といえば14日の巨人戦であと一人、あと一球で虎の勝利がなくなる場面で決勝ツーベースを放った男である!! よーし、分かった!! どーせ、これまでの阪神野球を続けても、波に乗りまくるヤクルトをひっくり返しての逆転Vは厳しそう...。ならば、大バクチやー!! 本日4三振の大山に代えて、4番に板山を起用したれー!! 3番は久しぶりに先制点を呼ぶ快音の二塁打を放ったルーキー・佐藤輝でえーやん!! 5番は、最近さえるリードに打撃好調の坂本でいったれ。いや...、坂本の5番はちょっと待ってね...。たまたまとしか思えないから6番、いや7番かな。う~ん、う~ん、やっぱ8番。アカーン!! 気がつけば、そーいう失敗を恐れているオレ、そして首脳陣も同じじゃないのかー!! 新人・伊藤将の9勝目はスバラシイ!! あとは矢野監督の腹のくくりかたに逆転Vをかけるのだ!!

◆久々に放った〝らしい〟打球が、わずかな可能性をつなぎました。阪神・佐藤輝明内野手(22)が、18日の広島戦(甲子園)で、右中間を深々と破る二塁打。相手が打球処理にもたつく間に、さっそうと三塁まで進み、塁上でホッとした笑顔を見せてくれました。 「めちゃくちゃ久しぶりだったのでうれしかったです」 長打を放つのは球団新記録の23号をマークした8月19日のDeNA戦(東京ドーム)以来、実に60日ぶりでした。帰ってきた最大の魅力でもある長打力。この一本で、今季の二塁打は25本目とし、坪井智哉(1998年、26本)が持つ球団新人記録まで、あと「1」に迫っています。 19日から首位・ヤクルトと甲子園で最後の2連戦が始まります。連敗すれば、目の前で、甲子園で胴上げを許してしまう屈辱...。今季、佐藤輝はヤクルトとの対戦打率・150と決して相性がいいわけではありません。それでも、これまで数々の伝説を打ち立ててきたこの男なら、打席に立つだけで空気を一変させるこの男なら...。奇跡の大逆転劇を信じたいと思います。(原田遼太郎)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
714717 0.602
(-)
M4
(-)
8598
(-)
480
(-)
140
(-)
70
(-)
0.256
(-)
3.340
(-)
2
(-)
阪神
74558 0.574
(↑0.004)
2.5
(↑0.5)
6516
(+2)
500
(+1)
119
(-)
109
(-)
0.247
(↓0.001)
3.400
(↑0.01)
3
(-)
巨人
596119 0.492
(-)
13
(-)
4530
(-)
528
(-)
163
(-)
65
(-)
0.242
(-)
3.640
(-)
4
(-)
広島
596711 0.468
(↓0.004)
16
(↓0.5)
6523
(+1)
566
(+2)
118
(-)
63
(-)
0.263
(-)
3.830
(↑0.02)
5
(-)
中日
546817 0.443
(-)
19
(-)
4398
(-)
463
(-)
69
(-)
57
(-)
0.238
(-)
3.210
(-)
6
(-)
DeNA
527015 0.426
(-)
21
(-)
6543
(-)
603
(-)
135
(-)
30
(-)
0.257
(-)
4.190
(-)