オリックス(★1対6☆)ロッテ =リーグ戦25回戦(2021.10.14)・京セラドーム大阪=
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ロッテ
31100100061101
ORIX
0000000011801
勝利投手:佐々木 朗希(3勝2敗0S)
敗戦投手:宮城 大弥(12勝4敗0S)

本塁打
【ロッテ】岡 大海(5号・6回表ソロ)
【オリックス】T-岡田(16号・9回裏ソロ)

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◆ロッテは初回、レアードとエチェバリアの連続適時二塁打で3点を先制する。続く2回に中村奨の適時打で1点を加えると、3回には藤岡が適時二塁打を放ち、試合を優位に進めた。投げては、先発・佐々木朗が6回無失点8奪三振の好投で今季3勝目。敗れたオリックスは、投打ともに振るわなかった。

◆オリックス宮城大弥投手(20)は今季のロッテ戦4試合で1勝0敗、防御率3・97と相性はイマイチ。 マーティンに被打率3割7分5厘、1本塁打、レアードに同4割5分5厘と、苦手の両助っ人を抑えられるか。

◆首位オリックスと2位ロッテの今季最終戦は、ペナントレースの行方を左右する大一番となった。 オリックスが勝ち、楽天がソフトバンクに負ければ、オリックスに7年ぶりの優勝マジック7が点灯。ロッテが勝てばM9、引き分けでもM10がつく。 またオリックスはこのカードここまで10勝9敗5分けで引き分け以上なら、今季の勝ち越しが決まる。 最後の決戦に先発するのは、オリックス宮城、ロッテ佐々木朗と19年の高校球界の顔で、ともにドラフト1位でプロ入りした2人。京セラドーム大阪での両チームの動きを、ドキュメントで追う。

◆オリックス宮城大弥投手(20)が、プロ2年目で自己ワーストとなる5点を失い、5回で降板した。初回にレアード、エチェバリアの適時打で3点を失い、2回は中村奨の適時打、3回は2死から山口、藤岡の連打で5点目を失った。 「ここが一番大事なゲームというところで、全然投げることができなくて。申し訳ないです、ということしかありません」と肩を落とした。ここまで12勝3敗と貯金9をチームにもたらしてきたが、相手先発のロッテ佐々木朗が6回無失点と好投しただけに、悔しい結果となった。

◆ロッテに優勝マジック「9」が点灯した。首位オリックスとは0・5ゲーム差の2位ながら、残り試合数や引き分け数の関係で点灯。2位チームのマジック点灯は14年のオリックス以来7年ぶりとなる。 ロッテにマジックが点灯したのは、前後期制だった73~82年を除くと、1970年(昭45)年以来51年ぶりのこと。当時のロッテオリオンズは東京スタジアムが本拠地だった。千葉ロッテマリーンズに改称した92年シーズン以降では、初めてのマジック点灯になる。

◆ロッテが序盤から5点を先制した。初回にレアードらの適時打で3点を奪い、2、3回にも1点ずつを追加した。 ロッテが6回、先頭の岡が中押しの5号ソロで6点目を追加した。オリックスはロッテ佐々木朗の前に無得点。 ロッテは終盤のオリックスの反撃も継投で封じ、51年ぶりの優勝マジック9を点灯させた。佐々木朗希は6回無失点で3勝目。オリックス宮城は4敗目。

◆首位オリックスと2位ロッテの今季最終戦は、ペナントレースの行方を左右する大一番となった。 ロッテが先発佐々木朗希の好投と、活発な打線の援護で快勝。順位は2位ながら、優勝へのマジック「9」が点灯した。以下大一番のドキュメント。 ? ◆18時 試合開始。ロッテの先頭荻野が初球141キロ直球を打って右飛。 ◆18時2分 ロッテ2番の中村奨が151キロ速球を捉え、二塁安達の頭上を越えるチーム初安打。 ◆18時10分 1死一、二塁、レアードの左翼線二塁打でロッテが1点を先制。さらにエチェバリアの適時二塁打で2点を追加。 ▽ロッテ・レアード(初回に2夜連続の先制適時打)「何より朗希に先に点を取ってあげることができて良かったよ」 ▽ロッテ・エチェバリア(初回に貴重な2点適時二塁打)「いつも通りセンター方向を意識したらタイミングも合ったよ。チャンスに打てて良かった」 ◆18時38分 2回、中村奨の適時打でロッテが4点目を追加し、なおも2死一塁でマーティンが自打球を負傷中の右足甲付近に当てた。ベンチからトレーナーが駆け寄る中、マーティンは痛みをこらえてそのまま打席へ。空振り三振に倒れ、少し足をかばいながらベンチに帰った。 ▽ロッテ中村奨(2回2死から4点目の適時打)「大事な一戦なのは分かっているので。何より朗希に追加点を取ってあげることができて良かったです」 ▽ロッテ藤岡(3回、三塁打の山口を適時二塁打でかえし5点目)「気持ちで、気持ちよく打ちました」 ◆19時39分 5回終了後のグラウンド整備が終わり、オリックスの宮城から吉田凌への投手交代が、場内にコールされた。宮城はプロ2年目でワーストとなる5失点で降板した。 ▽ロッテ岡(6回、投手交代直後の初球を5号ソロ)「何とか塁に出ようと思って打席に入った結果です。うれしいです」 ◆20時8分 ロッテの投手が佐々木朗から唐川に交代。佐々木朗は、無失点イニングでは自身最長となる6回でマウンドを降りた。 ◆20時56分 ロッテは9回、2死から4番手の東妻がT-岡田に1発を浴びたが、快勝で51年ぶりの優勝マジック9を点灯させた。京セラドーム大阪での今季最終戦を終え、左翼スタンドのロッテファン、右翼スタンドのオリックスファンに首脳陣、ナイン総出であいさつ。今季の応援に感謝した。

◆首位オリックスが2位ロッテに51年ぶりの優勝マジック7の点灯を許し、自力Vが消滅した。 中嶋聡監督(52)の一問一答は以下の通り。 -宮城は重圧がかかっていたのか 中嶋監督 もう、しょうがないですよね。どのピッチャーでも、重圧は誰にでもかかるわけですから。 -打線にも重圧が 中嶋監督 (重圧が)ない選手、いないでしょ。本当に。自分たちが今までどうやってきたのか、それが全く変わってるとは思わない。できてないとは思う。あーだ、こーだ言っても残り数試合。1打席、1球でも早く自分たちの野球を取り戻さないと。球種やコースを難しく考えすぎている。あまりにも深く考えすぎている。ピッチャーには、シンプルに自分のボールをね。バッターは、甘いと思ったら行ったらいい。見極めもしっかりしないといけない。1つ1つやっていけば、また流れが来るのかなと。 -自力優勝が消滅したが、まだ首位 中嶋監督 それはみなさんが言うことなので。

◆ロッテに優勝マジック「9」が点灯した。首位オリックスとは0・5ゲーム差の2位ながら、残り試合数や引き分け数の関係で点灯。2位チームのマジック点灯は14年のオリックス以来7年ぶりとなる。 ロッテにマジックが点灯したのは、前後期制だった73~82年を除くと、1970年(昭45)年以来51年ぶりのこと。当時のロッテオリオンズは東京スタジアムが本拠地だった。千葉ロッテマリーンズに改称した92年シーズン以降では、初めてのマジック点灯になる。9月16日のソフトバンク戦から点灯の可能性が発生したものの、ここまで6度のチャンスでは点灯せず。7度目で成功した。 井口資仁監督(46)就任4年目となる今季は開幕5連敗でスタートしたものの、20試合目で勝率5割に復帰した。荻野や中村奨が上位打線に固定され、レアードやマーティンの中軸が機能。益田、佐々木千、途中加入の国吉らリリーフ陣も安定し、8月下旬から9月中旬にかけ、貯金を大きく増やしてきた。 ▽ロッテ井口監督(優勝マジック点灯について)「試合数とほぼ変わらないのであまり意識しないですけど、残り10試合、良い戦いができるように頑張っていきたいと思います」

◆途中出場のオリックスT-岡田外野手が、今季5度目の完封負けを阻止する1発を放った 。9回2死で右翼スタンドぎりぎりに飛び込む16号ソロ。この日の試合前時点で22打席連続無安打で先発を外れた。7回無死一、二塁で代打で登場も、見逃し三振に倒れた。7年ぶりに優勝を争う状況に「プレッシャーの中で(野球を)やれるのは僕ら選手にとって、すごくいい経験になる」と常々語るベテランが、一矢を報いた。

◆2位ロッテに優勝マジック9が点灯した。首位オリックスは残り7試合に全勝で73勝53敗17分け、勝率5割7分9厘。ロッテはオリックスとの直接対決が終了し、残り10試合で9勝すれば72勝52敗19分け、勝率5割8分1厘で上回る。ロッテを自力で上回れるチームがなくなり、M9が出た。ロッテは05年に優勝しているが、05年はレギュラーシーズン2位からプレーオフを勝ち上がってV。74年の優勝は前後期制で、ロッテが1シーズン制でM点灯は70年(9月5日にM24)以来、51年ぶり。なお、現日程での最短Vは19日。 ▼シーズン最初のマジックが2位に出たのは14年オリックス以来で、パ・リーグが1シーズン制に戻った83年以降では86年近鉄、88年近鉄、98年西武、10年阪神、14年オリックスに次いで両リーグ6度目。このうち優勝は98年西武しかなく、残り4度はV逸でM点灯時の首位チームがV。M点灯の2位チームは苦戦しているが、ロッテはどうか。

◆首位オリックスが2位ロッテに51年ぶりの優勝マジック7の点灯を許し、自力Vが消滅した。2年目の宮城大弥投手(20)が、19年ドラフト1位対決となった佐々木朗希投手(19)との投げ合いに敗れ、自己ワースト5失点で5回KO。打線も佐々木朗に6回0封されるなど、最後の直接対決で痛恨の2連敗を喫した。25年ぶりの優勝をかけ、残り7試合に全力を尽くす。「令和の怪物」との投げ合いは、5回で幕が下りた。先にマウンドを降りたのは、12勝左腕の宮城だった。自己ワーストとなる5点を失い、5回100球で降板。「ここが一番大事なゲームというところで、全然投げることができなくて。申し訳ないです、ということしかありません」。20歳の左腕は肩を落とした。 8勝1敗と圧倒的に勝っていたころの「神様、仏様、宮城様」の似顔絵入りタオルを掲げ、スタンドでファンが祈っていた。だが、初回1死一塁からマーティンに四球を与え、レアード、エチェバリアにつかまった。3点を失い、2、3回も追加点を奪われた。19年ドラフト1位対決で注目された佐々木朗との初の投げ合いに敗れた。 12球団最速2桁勝利を挙げるなど、10代左腕の記録を次々に塗り替えていたころ。謙虚で愛らしい普段とは裏腹、マウンドでは相手打者を見下ろした。150キロ超の快速球に、100キロに満たない超スローカーブ。姿勢、投球術両面のギャップで相手を封じ、チームの躍進を支えた。その底力が必要だった天王山で、2位ロッテに優勝マジック点灯を許してしまった。 中嶋監督は「しょうがないですよね。どのピッチャーでも、重圧は誰にでもかかるわけですから」と、宮城を思いやった。その上で「ああだ、こうだ言っても残り数試合。1打席、1球でも早く自分たちの野球を取り戻さないと。1つ1つやっていけば、また流れが来るのかな」とチームに前を向かせた。ロッテとの最後の直接対決で痛恨の2連敗を喫したが、まだ0・5差をつけ首位にいる。連敗を止め、まずは自力優勝を復活させる。【堀まどか】

◆ロッテに優勝マジック9が点灯した。1970年(昭45)以来、実に51年ぶりの点灯だ。負ければ逆に首位オリックスに点灯する大一番で、佐々木朗希投手(19)が輝いた。最速158キロの直球とフォークで押し、6回無失点。同学年のオリックス宮城大弥投手(20)との投げ合いも制し、値千金の今季3勝目を手にした。残り10試合で全てが決まる。一丸となり、こちらも51年ぶりとなる勝率1位でのリーグ優勝へ進む。パ・リーグの行く末を決める大阪の陣で、令和の球界を担っていく2人が投げ合った。勝ったのは、佐々木朗希だった。 「チームとしても個人としても負けられなかったので、本当に今日は良かったなと思います」 個人としても-。宮城とは高3春に高校日本代表候補に選ばれてからの付き合いになる。「見た通りの柔らかい感じで本当にいいキャラクター、いい存在だと思います」。ただ、マウンドに立てば難攻不落。そんな好左腕から、先輩打者たちが3点を先制。「点差もあったので、思い切って投げられたと思います」と感謝し、腕を振った。 緊張の顔つきで投げ始めたが、少しずつほどけていく。1回から6回まで、全てのイニングで直球の平均球速が154キロ台を割らなかった。6回2死、空振り三振を奪ったこの日最後の直球も157キロ。ストライク率も2試合連続で70%超え。井口監督も「2年目ですけど、今年正味ルーキーみたいな感じで、その中で本当によく投げてるなと思います」とたたえた。 成績では宮城に先を行かれていた。「タイミングもありますし、それぞれ違うので」と1年目は体作りに徹した。この日は2軍フェニックス・リーグで、佐々木朗と同様に体作りに励んだ昨秋ドラフト2位中森がNPB相手に初登板し、151キロを投げた。佐々木朗の勝利は、ロッテの育成方針が決して間違っていないことの証明でもある。 同じパ・リーグだ。白熱の投げ合いはこの先何度もある。この大一番が始まりの地。「お互いすごくいい経験をさせてもらいましたし、本当にこれからにつながる、これからもっと大事な試合でお互いに投げられるように、頑張りたいなと思います」と決意した。 入団2年。投手も野手も、外国人も、チームスタッフも。最年少の立場ながら積極的にコミュニケーションを図り、溶け込んだ。「投手の先輩はすごく優しく、時には厳しくしてくれますし、野手の方もたくさん声掛けてくれるので、本当にいいチームだなと思います」。一時は遠のいた逆転Vへの流れを、快速球で完全に引き寄せた。このチームでの優勝への思いは? 「もちろん」と即答した。【金子真仁】

◆大一番でロッテ打線が2戦続けてつながった。初回、レアードとエチェバリアの連続適時二塁打でいきなり3点先制。2、3回も加点した。 レアードが「何より朗希に先に点を取ってあげられて良かった」と喜べば、2回に適時打の中村奨も「朗希に追加点を」と続けた。2戦連続2桁安打も8月25、26日以来。優勝に追い風が吹いてきた。

◆パ・リーグの優勝戦線を決定づける大一番で、オリックス宮城大弥投手(20)ロッテ佐々木朗希投手(19)が対決した。01年生まれ世代の活躍を、天国からきっと温かく見守る人がいる。日本高野連の元事務局長で、19年に64歳で亡くなった故竹中雅彦さん。同年の高校日本代表の韓国遠征で数週間をともに過ごした。2人とも竹中さんが願っていたような、球界の新時代を切り開くような存在になりつつある。佐々木朗希は岩手で育ち、宮城大弥は沖縄で育った。1930キロ。遠く離れた環境でも、通じ合うものが多かったのだろうか。19年夏。ともに高校日本代表に正式に選ばれると、2人の距離は一気に縮まった。 「見た通りの、柔らかい感じで、本当にいいキャラクターというか、いい存在だと思います」 身長差約20センチ。そんなことは気にもせず笑い合いながら歩いている姿を、何度も目撃されている。 「あのコンビ、ほんま仲良しだよねぇ。2人ともすごい投手になる」 いつものように表情を柔らかくし、竹中雅彦さんもうれしそうに話していた。当時、日本高野連の事務局長として韓国・機張(キジャン)で行われたU18W杯遠征に同行した。日韓情勢が悪化し、釜山(プサン)の日本総領事館前は厳戒態勢になったほど。移動に際しても強い配慮が必要な状況を懸命に切り盛りした。 気軽に出歩けない異国での日々。9月4日に焼き肉店で企画した決起集会も、選手たちに大いに喜ばれた。佐々木朗と宮城はその時も隣り合い、カメラマンのリクエストで宮城が佐々木朗に「あーん」で食べさせる一幕もあった。優しく愉快な人柄で、高校生たちに信頼されていた。 韓国戦で先発の佐々木朗が血マメをつぶして1回で投手交代になった。何があったのか? 報道陣にも優しい竹中さんは、球場の外で好きなタバコを吸いながらも、その時だけは「それはちょっとね、今はやめとこう」と口を閉ざした。 高校卒業後、彼らの未来を見守るはずだった。それが。成田空港での解散が永遠の別れになった。帰国から2カ月、間質性肺炎のため64歳で他界。2人やヤクルト奥川ら、かわいがった若者たちの進路を知らぬまま、ドラフト会議前夜に旅立った。すごい投手に-。大舞台で投げ合い、予言は早くも大正解になりそうだ。明日16日、竹中さんの命日を迎える。【金子真仁】

◆京セラドーム大阪での首位攻防3連戦は全て約1万枚の入場券が完売し、ファンの関心度の高さが表れた。 オリックスは本拠地で3試合を残しており、19、20日楽天戦、21日西武戦についても、球場担当者によると「ありがたいことに完売寸前」という。25年ぶりの胴上げを一目見ようと「プラチナチケット」と化している。

◆オリックスが、京セラドーム大阪で秋季キャンプ地の高知市から表敬訪問を受け、特産品のマスクメロンなどを贈られた。 25年ぶりの優勝に向けてエールをもらい、湊球団社長は「残り試合全勝をめざし、ご期待に応えられるように悔いのない試合をしていきたいです」と語った。チームは2年ぶりに同市で秋季キャンプを行う予定で後日詳細を発表する。

◆ロッテのレアードが首位オリックスとの直接対決3連戦で3試合連続の先制打となる適時二塁打を放った。一回1死一、二塁で、宮城が投じた低めの変化球を鋭く振り抜き、左翼線へ運んだ。「大事な一戦なのは分かっていた。先制点を取れて良かった」とコメントした。 これで4試合連続安打をマーク。来日7年目で日本ハム時代の2016年にはリーグ優勝も経験している。4番打者として、ロッテの16年ぶりのリーグ優勝に向けて勝負のシーズン終盤に調子を上げた。先発投手が2年目の佐々木朗だっただけに、「何より朗希に先に点を取ってあげることができて良かった」とうなずいた。

◆オリックスの先発・宮城大弥投手(20)が5回5失点とまさかの内容で、ロッテにマジックが点灯してしまった。ロッテの先発は同期入団の佐々木朗。高校日本代表でチームメートだった剛腕と、大舞台でぶつかった。 「(佐々木朗と)お互い楽しくできたらいいな、と思います。できれれば打ち勝って、僕が抑えて勝ちたいですけど、そんなにうまくいかない相手。うまくいかないロッテさんなので、緊張しながらもいい意味で楽しく野球ができたら」 登板前にはこう口にしたが、楽しむ余裕はなかった。一回1死から中村奨に右前打され、マーティンに四球で一、二塁のピンチを招くと、レアードに左翼へ先制の二塁打を許した。なおも二、三塁とピンチは続き、エチェバリアには中堅左へ2点二塁打。立ち上がりに3点を失った。 さらに二回にも1点を奪われ、三回には2死から山口に右中間へ三塁打、続く藤岡に右翼線へ適時二塁打を浴びた。この時点でプロ入り後ワーストとなる5失点となってしまった。 直接対決は△●●...。ロッテに優勝マジック「9」が点灯し、崖っぷちに追い込まれてしまった。

◆2位・ロッテが首位・オリックスに快勝し、16年ぶりの優勝へのマジックナンバー「9」が初点灯した。ロッテに優勝マジックが点灯するのは前後期制を除くと、実に51年ぶり。先発の佐々木朗希投手(19)が6回を投げ8奪三振を奪うなど5安打無失点で3勝目を挙げた。 重圧を力に変えることができる。怪物たる所以(ゆえん)だ。ロッテ・佐々木朗が首位オリックスとの今季最終戦、そして優勝マジック点灯が懸かる大一番で堂々たる投球。ついに、優勝に向けたマジックナンバー「9」が点灯させた。 「早い回から野手の皆さんが点をたくさん取ってくれたので、自分は思い切って投げることができました」 一回に4番・杉本に対して、プロ公式戦自己最速タイの158キロを2球マーク。二、五回にも158キロを計測するなど、力で押した。 「大事な試合を任されたので、その責任をしっかり背負って、期待に応えるようなピッチングがしたい」。これまでは登板翌日に出場選手登録を外れ、中10日以上の間隔で先発してきたが、今回は7日の楽天戦からプロで初めて中6日での登板。最大の勝負どころで禁は破られた。 同じ高校出2年目で今季12勝を挙げている宮城との初めての投げ合い。「相手はいい投手なので、しっかりゼロに抑えられるようにしたい。気持ちで負けないように、強い気持ちで攻めていけたら」。2019年に高校日本代表としてU18W杯(韓国)でチームメートだった2人。何かと波長が合い、よく話をしたという。 打線も前日13日に24試合ぶりの2桁安打を記録した勢いそのままに三回までに5点。右腕を援護した。

◆2位・ロッテが首位・オリックスに快勝し、16年ぶりの優勝へのマジックナンバー「9」が初点灯した。ロッテに優勝マジックが点灯するのは前後期制を除くと、51年ぶり。先発の佐々木朗希投手(19)が6回を投げ8奪三振を奪うなど5安打無失点で3勝目を挙げた。試合後にインタビューに応じた佐々木朗の一問一答は以下の通り。 ――大事なゲーム、初めて中6日で任された。どんな思いだった 「負けられない試合だったので、早い回で野手のみなさんが点を取ってくれて、思い切って投げることができました」 ――(オリックス・宮城と)同級生対決だった 「個人としても、チームとしても負けられない試合だったので勝つことができて良かったです」 ――今日は素晴らしい投球だった 「調子自体はあまり良くなかったんですけど、早い回で点を取ってもらえて思い切って投げられて良かったです」 ――158キロを連発。感覚は 「コントロールがあまりよくなかったので、どうにか球威で抑えることができて良かったです」 ――先輩たちから「朗希が投げているから追加点を」というコメントがすごく多かった 「ありがとうございます」 ――強い気持ちが表れた試合となりましたが、今どんなことを感じながらプレーしてますか 「ほんとに大事な試合を任せられているので、その期待に応えられるように頑張ってます」 ――マジック9が点灯。次に向けて意気込みを 「明日以降もたくさん点を取ってくれると思うので、明日も勝ってくれると思います」

◆ロッテは2試合連続2桁となる11安打で6点を奪って快勝した。一回にレアードの適時二塁打と続くエチェバリアの2点二塁打で3点を先制。その後も着実にリードを広げて優勝へのマジックナンバーを点灯させ、井口監督は「初回にみんなが集中してくれて、いい攻撃ができた」と満足げだった。 今季の快進撃を支えてきた強力打線が復活してオリックスとの今季最後の3連戦を2勝1分けと勝ち越した。残り10試合でマジック9。「試合数とほぼ変わらない。あまり意識はしない」と冷静に見据えた。

◆中嶋オリックス大躍進の象徴が、大一番で崩れてしまった。先発した宮城は5回を投げ、プロ2年目で自己ワーストの5失点。今季4敗目を喫し、首位にもかかわらず、自力優勝の可能性が消滅した。 「ここが一番大事なゲームというところで、全然投げることができなくて。申し訳ないですということしかありません」 広報を通じたコメントに悔しさをにじませた。自慢の制球が乱れた。一回1死一塁からマーティンに四球で一、二塁とされ、続くレアードに左翼へ先制の二塁打。なおも二、三塁でエチェバリアには中堅左へ2点二塁打。二回、三回にも1点ずつ奪われた。 中嶋監督は「しょうがないですよね。どの投手でも、重圧は誰にでもかかるわけですから」と冷静に話し、チーム全体に「一打席でも、一球でも早く自分たちの野球を思い出さないといけない。難しく考えすぎているのかな。球種とかコースとか。シンプルにいかせます」と奮起を求めた。 自力優勝の可能性が消えても指揮官は「それは皆さんが言うことなんで」と動じはしない。残り7試合。最後の最後まで戦い続ける。(西垣戸理大)

◆7度目の正直!! ロッテは14日、首位・オリックスとの今季最終戦(京セラ)に6-1で快勝し、0・5ゲーム差の2位ながら、ついに優勝へのマジックナンバーを「9」で初点灯させた。佐々木朗希投手(19)が先発で6回5安打無失点、8奪三振と好投。8月28日以来の3勝目を挙げた。球団の優勝マジック点灯は、1シーズン制では1970年以来、51年ぶり。残り10試合。チームも、令和の怪物も、このまま栄光のゴールまで突っ走る。 その右腕で待望の優勝マジックを点灯させた佐々木朗は、安堵(あんど)の息を吐き出した。 「個人としてもチームとしても負けられない試合だったので、勝つことができて良かった。コントロールはあまり良くなかったが、どうにか球威で抑えることができた」 緊張感の中でも、強い気持ちで攻め続けた。立ち上がりから9者連続で初球にストライクを投げ込んだ。一回2死一、二塁のピンチを脱すると、二回以降は二塁も踏ませない。要所で膝元へのスライダーを有効に使い、直球は五回に入ってもプロ入り後の公式戦自己最速タイとなる158キロを計測。六回2死一塁では、中川圭を157キロで空振り三振に斬り、初の中6日で先発した影響を全く感じさせなかった。 ヒーローとなり「M9」と書かれた色紙をもってポーズをとるロッテ・佐々木朗希=京セラドーム(撮影・宮沢宗士郎) 同じ高卒2年目で、今季12勝を挙げている宮城との初めての投げ合い。2019年に高校日本代表としてU18W杯(韓国)でチームメートだった沖縄・興南高出身の左腕を「柔らかい感じで、いいキャラクター」と評する。 大一番で〝パ・リーグ新時代〟を印象付けるマッチアップ。岩手・大船渡高出身の佐々木朗は「お互いにいい経験をさせてもらったし、これからもっと大事な試合で、また投げ合えるように頑張りたい」と、未来に視線を移した。 2010年11月21日。小学3年生だった朗希少年の姿は、ZOZOマリンスタジアム(当時、千葉マリン)にあった。両親と東京ディズニーランドを訪れ、幕張副都心でのロッテの日本一パレードには間に合わなかったものの、無料開放されていたスタンドから初めてプロ野球のグラウンドを見つめた。その3年後。東日本大震災で父・功太さんを津波で失った佐々木朗は、被災した子供たちを対象に開催された「リアスリーグ」で同球場を再訪し、千葉代表の少年野球チームと対戦。試合後には、当時ロッテのエースだった成瀬善久(現BC栃木・投手兼任コーチ)と記念写真に収まった。運命に導かれるようにロッテに入団して2年目。あの日の少年は「投手の先輩はすごく優しく、時に厳しくしてくださるし野手の方もたくさん声を掛けてくださる。本当に、いいチームだなと思います」とほほ笑む。チームにとって7度目の挑戦で、ようやく前後期制を除くと実に51年ぶりとなる優勝マジックが点灯した。ただ、残り10試合で「9」。厳しい戦いが続く中、井口監督は「〝ここぞ〟というところでギアチェンジできる投手。順調にいけば、あと2回投げるので頑張ってほしい」と、チームの命運を19歳に託した。(東山貴実)★ロッテの51年前のリーグ優勝 東京オリオンズからロッテオリオンズに改称して2年目。1970年9月5日にマジックが初点灯し、10月7日の本拠地・東京スタジアム(荒川区)での西鉄戦で10年ぶり3度目のリーグ優勝を決めた。3点を先制されながら六回に江藤慎一、アルトマンの本塁打などで5点を奪って逆転勝利。試合後には約5000人のファンがグラウンドになだれ込み、永田雅一オーナーを胴上げ。映画会社・大映の社長だったオーナーは、私財を投じて総工費約32億円で同球場を建設し、そのチーム愛から絶大な支持を得ていた。濃人渉(のうにん・わたる)監督に先んじて宙に舞うと「映画のストーリーも超えたよ」と歓喜した。

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ORIX
665317 0.555
(↓0.004)
-
(-)
7529
(+1)
485
(+6)
129
(+1)
42
(-)
0.251
(-)
3.380
(↓0.02)
2
(-)
ロッテ
635119 0.553
(↑0.004)
0
(↓1.5)
10557
(+6)
520
(+1)
116
(+1)
102
(-)
0.244
(↑0.001
3.660
(↑0.02)
3
(-)
楽天
625615 0.525
(↓0.005)
3
(↑0.5)
10503
(+5)
471
(+6)
101
(+1)
45
(-)
0.247
(↑0.001)
3.400
(↓0.02)
4
(-)
ソフトバンク
566020 0.483
(↑0.005)
8
(↑1.5)
7523
(+6)
467
(+5)
121
(-)
85
(-)
0.245
(-)
3.260
(↓0.01)
5
(-)
西武
526518 0.444
(↑0.004)
12.5
(↑1.5)
8498
(+3)
563
(-)
106
(+2)
83
(-)
0.241
(-)
4.000
(↑0.03)
6
(-)
日本ハム
496418 0.434
(↓0.004)
13.5
(↑0.5)
12415
(-)
487
(+3)
69
(-)
68
(-)
0.231
(↓0.001)
3.420
(-)