中日(★1対3☆)ヤクルト =リーグ戦23回戦(2021.10.13)・バンテリンドーム=
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ヤクルト
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中日
1000000001500
勝利投手:サイスニード(6勝2敗0S)
(セーブ:マクガフ(3勝2敗29S))
敗戦投手:松葉 貴大(6勝5敗0S)

本塁打
【ヤクルト】村上 宗隆(39号・6回表2ラン)

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◆ヤクルトは1点を追う5回表、サンタナの適時三塁打で同点とする。続く6回には、村上の2ランで勝ち越しに成功した。投げては、先発・サイスニードが6回途中1失点で今季6勝目。一方の中日は、現役最終打席を迎えた藤井が三振、現役最終登板の山井は先発のマウンドで打者1人を空振り三振に抑えた。

◆中日山井大介投手(43)と藤井淳志外野手(40)の引退試合として開催され、山井は「9番投手」で、藤井は「1番右翼」で先発出場した。 山井はヤクルト先頭の塩見から空振り三振を奪って降板した。藤井は1回はヤクルト先発サイスニードに見逃し三振だった。 現役最年長投手の山井は「20年応援してくれた人たちに最後の勇姿を見てもらえたなら」と、普段と変わらないサングラス姿でマウンドに立った。塩見への初球は外角低めへの143キロのストレート。1球ごとにスタンドから拍手が送られる。カウント2ボール2ストライクからの5球目、ワンバウンドする127キロの外角スライダーで空振りを取ると表情を和ませた。マウンドに内野陣が集まると、目をしばたたかせて見渡した。かつて同じ背番号29を背負った与田監督が交代を告げた後、マウンドに向かって山井をねぎらった。 藤井は1回表は守備機会がなく、その裏の打席でサイスニードに2球で追い込まれ、外角低めへの149キロの直球を見逃し三振。ファンのため息に苦笑いでベンチに戻り、そのまま退いた。 ともに中日一筋。山井は20年、藤井は16年。11年の最後のリーグ優勝を知る2人が戦いの場に別れを告げた。 山井は神戸弘陵-奈良産大-河合楽器を経て、01年のドラフト6巡目で中日に入団。新人の02年は31試合に登板し6勝をマーク。キレのある直球とスライダーを武器に主に先発として活躍し、12年には救援に回って56試合で4勝15セーブと。13年6月28日のDeNA戦(横浜)では史上77人目のノーヒットノーランを達成した。14年には自己最高の13勝(5敗)で最多勝利と最高勝率のタイトルに輝いた。今季の1軍登板はなかった。通算335試合で62勝70敗20セーブ、07年の日本シリーズでは完全試合リレーで日本一など、節目で強烈なインパクトを残した。 藤井は地元の愛知・豊橋市出身で、筑波大-NTT西日本を経て05年の大学・社会人ドラフト3巡目で中日入団。俊足巧打が武器のスイッチヒッターで、06年は福留孝介以来7年ぶりとなる新人開幕スタメンに抜てきされた。貴重な外野手として、落合監督時代の黄金期を支えた。地元豊橋市民球場で行われた試合で14年、15年と2年続けて劇的な本塁打をマーク。近年は若手の台頭で出番が減少し、ここ2年は1軍出場がなかった。【伊東大介】

◆中日は1回、A・マルティネスの適時打で1点先制。ヤクルトは2回1死一、二塁のチャンスを逃し、3回まで得点できない。 ヤクルトは5回、サンタナの適時三塁打で同点とする。6回には村上が39号2ランを放ち、3-1と勝ち越した。 ヤクルトは6回途中から救援陣が無失点リレーで快勝。サイスニードが6勝目。マクガフが29セーブ。中日松葉が5敗目。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(21)が、偉業に迫った。 同点で迎えた6回1死一塁で、高めの130キロカットボールをフルスイング。広いバンテリンドームの左翼席へ突き刺した。9月26日以来の39号2ラン。一塁をまわり、右手を力強く握った。「なかなか点が取れていない中、サンタナが流れを変えてくれたので勢いに乗って打てました」。5回に同点の適時三塁打を放ったサンタナをたたえた。 シーズン40本塁打の最年少記録は63年王(巨人)85年秋山(西武)の23歳。2月生まれの村上が、あと1本塁打を放てば、新記録となる。今季、史上最年少での通算100号を達成。シーズン最年少100打点も決め、記録を塗り替え続けている。

◆中日は2年ぶりのBクラスが確定した。 打線が初回に1点を挙げただけで、その後は6回まで走者を出せず。引退登板の山井からバトンを受けて粘投していた松葉が、6回にヤクルトの主砲村上に勝ち越し2ランを浴びた。「投高打低」の今季を象徴する逆転負けで、前年最下位から優勝マジックを点灯させた天敵の引き立て役に終わった。 与田監督の今季限りでの退任発表から一夜明けた試合。ビシエドをベンチに下げ、A・マルティネスが「4番一塁」、今季育成から支配下に昇格させた石岡を「7番左翼」で4年ぶりに先発させ、高松、岡林、石垣ら若手を積極的に起用した。指揮官は「若手に経験させたいこともあった。他の選手の体調も見ながら考えた」と説明。8回に代打起用した和製大砲候補の石垣が左翼フェンス直撃の二塁打を放ったことには目を細めた。 本拠地最終カードでCS進出の可能性が完全消滅。山井と藤井の引退セレモニーを飾ることもできなかった。与田監督は「今季のことは終わってから話す。全ての数字が出て、終わってから話したい」と話すにとどめ、残り6試合だけをにらんだ。【伊東大介】 ▽中日松葉(引退試合の山井の後を受け、1回1死から登板も6回に村上に決勝弾を浴び5敗目)「大事な試合でしっかりゲームをつくれなかったことが申し訳ないです」 ▽中日石岡(7番左翼で4年ぶりの1軍出場も2打数無安打)「久しぶりに1軍に出たことはよかったのですが、結果が出なかったのでしっかり修正して、次に結果が出せるようにやっていきたい」

◆ヤクルト先発のサイスニード投手(29)が、緊急降板した。6回先頭の代打渡辺に四球を与えたところで、異常を訴え、伊藤投手コーチやトレーナーがマウンドへ駆け寄った。トレーナーに付き添われ、治療のため引き揚げたが、そのまま降板。大西がマウンドに上がった。 サイスニードは1回に1点を失うも、その後は無安打投球。好投を続けていただけに、ヤクルトにとっては痛いアクシデントとなった。 試合後高津監督は降板理由を下半身の張りと説明。「本人はいけるというような感じだったんだけど、止めとけと言いました」と大事を取っての判断となった。

◆“世界の王”の足跡が目前だ。ヤクルト村上宗隆内野手(21)が、6回1死一塁で、39号2ランを放った。本塁打リーグ単独トップ、打点もトップタイに並んだ。チームが首位を走る中、決勝のアーチで、優勝マジックを8に減らした。40本塁打に到達すれば、史上最年少記録。自らのバットで優勝に導く。忘れかけていた会心の当たりだった。村上は同点の6回1死一塁、高めの130キロカットボールをフルスイング。広いバンテリンドームの逆方向、左翼席へ打球を突き刺した。左翼方向への1発は9月24日中日戦(神宮)以来。「久しぶりすぎてレフトフライかと思った」。一塁をまわり、打球の到達点を確認すると、右手を力強く握った。 シーズン40本塁打の最年少記録は63年王(巨人)、85年秋山(西武)の23歳。00年2月生まれの村上は、あと1本で最年少記録となる。今季は史上最年少での通算100号も達成。シーズン最年少100打点にも到達し、記録を塗り替え続ける。飛躍の1年。それでも、まだ超えられる壁はある。目前に迫った大打者たちの成績。「残り試合1本でも多く打てるように頑張りたいと思うし、そこが達成できたらいいなと思う」と静かに意気込んだ。 14戦ぶりの1発と間隔が空くも「何も思ってないです。普通にやっていました」と焦りは一切なかった。個人成績のためにではなく、チームのためにバットを振る。優勝チームの4番になりたいという目標を実現すべく、貪欲に結果を求めている。優勝マジックは1つ減って8。「とにかく今はチームが優勝することしか見えていないし、そのために僕が打点を稼げればなと思っている。最後に結果がついてくるかなと思います」と前を向いた。【湯本勝大】 ? ▽ヤクルト高津監督(村上の本塁打に)「レフトにああいう当たりというのはなかったので、会心の一発じゃないですか。ああやってランナーを置いて一振りで点を取ってくれるので、大きい1発だった」

◆ヤクルトが勝利の方程式を温存して逃げ切った。今季後半戦は7回今野龍太、8回清水昇で守護神マクガフへつなぐ形が確立。それでもこの日は2点リードの7回から石山、田口でつないだ。 高津監督は「今日は休みです。いい展開だったらこの順番でというのは決めていました」と明かした。今野は59戦、清水は66戦と登板過多気味。優勝への正念場でも、選手の状態維持に注視している。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(21)が勝ち越しの39号2ラン。本塁打は単独トップ、打点は107で岡本和(巨人)に並んだ。村上の打点トップは4月27日以来で、8月15日時点であった21打点差(岡本和82、村上61)を詰めた。村上は今年で21歳。プロ野球の最年少本塁打王は53年中西(西鉄)ら4人の20歳、最年少打点王は1リーグ時代の39年川上(巨人)ら2人の19歳だが、セ・リーグでは本塁打王が55年町田(国鉄)の21歳、打点王は58年長嶋(巨人)62年王(巨人)の22歳。残り試合で町田に並ぶセ・リーグ最年少本塁打王、ONを抜くセ・リーグ最年少打点王を目指す。

◆中日藤井の最後の打席は149キロの直球見逃し三振だった。1回裏、先頭で左打席へ。ヤクルト・サイスニードに対して、2球ファウルの後、外角直球に手が出なかった。通算566個目の三振。交代直後、球団広報に託したコメントは「ワオ」だった。 波乱の野球人生だった。「ぼくがもう少し大人になっていれば」と悔いた20代。「戦力になれたのは森(繁和監督)さんのときだけだった」と振り返った30代。ここ3年は2軍で若い選手と汗を流し、プロとしての生き方を体現し続けた。 試合後のセレモニーで家族から花束を受け取ると天を仰いだ。あいさつでは「(プロ初打席が)デッドボールに始まり、見逃し三振に終わった16年間でしたが、中身は濃かったような気がします。後輩たちが最後まで笑わせてもらいました、と。それがぼくの野球人生を表しているのかな」と笑顔で語った。634安打を刻んだ個性派プレーヤーは「笑顔で終わりたい」との公約を果たし、ユニホーム姿にケジメをつけた。 ◆藤井淳志(ふじい・あつし)1981年(昭56)5月20日生まれ、愛知県出身。豊橋東-筑波大-NTT西日本を経て05年大学・社会人ドラフト3巡目で中日入り。06年には新人ながら開幕スタメンに抜てきされるなど好守好打の外野手として活躍。通算1094試合、打率2割6分2厘、45本塁打、273打点。183センチ、82キロ、右投げ両打ち。

◆今季限りで現役を引退する中日山井大介投手(43)、藤井淳志外野手(40)の引退試合がバンテリンドームでのヤクルト戦で行われた。現役最年長投手の山井は今季初先発で、1回に塩見からスライダーで空振り三振を奪って降板。藤井は「1番右翼」で先発し、1回に見逃し三振に倒れて交代した。最後は本拠地での胴上げで宙を舞い、ファンの拍手に包まれながらプロの舞台を降りた。野球の神様は山井の20年のプロ野球人生の締めくくりにプレゼントを用意していた。球審は柳田。07年の日本ハムとの日本シリーズ第5戦で球審を務めた審判が、現役最後の試合も務めていた。8回まで完全投球を続け、岩瀬と2人で史上初完全試合リレーで日本一に輝いたあの試合と重なった。 「縁かな。昨日知ったんや。だからということはないけど。柳田さんは俺にとっては幸運の審判や。選手、チーム、審判がいて野球が完成する」 「29」「4」と山井と藤井の背番号が描かれていた。本拠地では19年以来の真っさらなマウンドで打者1人だけと勝負。塩見にカウント2-2からの5球目。ワンバウンドする外角への127キロスライダーで空振り三振を奪った。内野手が集まってくると「泣けへん言ってたけど」と目をしばたたかせ、必死で涙を止めながら降板した。 試合後の引退セレモニーでも声を詰まらせた。 「プロ野球生活の歴史に爪痕を少し残せたのかな。記録よりも記憶に残る選手と言ってもらえたことを誇りに思います」 青いユニホームで刻んだ「記憶」に包まれて本拠地を見渡した。 「野球が好きです。大好きです。ドラゴンズが大好きです」 帽子を脱いで白髪の目立ち始めた頭でファンに手を振るベテランは、少年のような笑みのままグラウンドを去った。【伊東大介】

◆中日藤井の最後の打席は149キロの直球見逃し三振だった。1回裏、先頭で左打席へ。ヤクルト・サイスニードに対して、2球ファウルの後、外角直球に手が出なかった。通算566個目の三振。交代直後、球団広報に託したコメントは「ワオ」だった。 波乱の野球人生だった。「ぼくがもう少し大人になっていれば」と悔いた20代。「戦力になれたのは森(繁和監督)さんのときだけだった」と振り返った30代。ここ3年は2軍で若い選手と汗を流し、プロとしての生き方を体現し続けた。 試合後のセレモニーで家族から花束を受け取ると天を仰いだ。あいさつでは「(プロ初打席が)デッドボールに始まり、見逃し三振に終わった16年間でしたが、中身は濃かったような気がします。後輩たちが最後まで笑わせてもらいました、と。それがぼくの野球人生を表しているのかな」と笑顔で語った。634安打を刻んだ個性派プレーヤーは「笑顔で終わりたい」との公約を果たし、ユニホーム姿にケジメをつけた。

◆今季限りで現役を引退する中日山井大介投手(43)、藤井淳志外野手(40)の引退試合がバンテリンドームでのヤクルト戦で行われた。現役最年長投手の山井は今季初先発で、1回に塩見からスライダーで空振り三振を奪って降板。藤井は「1番右翼」で先発し、1回に見逃し三振に倒れて交代した。最後は本拠地での胴上げで宙を舞い、ファンの拍手に包まれながらプロの舞台を降りた。野球の神様は山井の20年のプロ野球人生の締めくくりにプレゼントを用意していた。球審は柳田。07年の日本ハムとの日本シリーズ第5戦で球審を務めた審判が、現役最後の試合も務めていた。8回まで完全投球を続け、岩瀬と2人で史上初完全試合リレーで日本一に輝いたあの試合と重なった。 「縁かな。昨日知ったんや。だからということはないけど。柳田さんは俺にとっては幸運の審判や。選手、チーム、審判がいて野球が完成する」 「29」「4」と山井と藤井の背番号が描かれていた。本拠地では19年以来の真っさらなマウンドで打者1人だけと勝負。塩見にカウント2-2からの5球目。ワンバウンドする外角への127キロスライダーで空振り三振を奪った。内野手が集まってくると「泣けへん言ってたけど」と目をしばたたかせ、必死で涙を止めながら降板した。 試合後の引退セレモニーでも声を詰まらせた。 「プロ野球生活の歴史に爪痕を少し残せたのかな。記録よりも記憶に残る選手と言ってもらえたことを誇りに思います」 青いユニホームで刻んだ「記憶」に包まれて本拠地を見渡した。 「野球が好きです。大好きです。ドラゴンズが大好きです」 帽子を脱いで白髪の目立ち始めた頭でファンに手を振るベテランは、少年のような笑みのままグラウンドを去った。【伊東大介】

◆今季限りで引退する中日・山井大介投手(43)が現役ラスト登板で先発。打者一人を抑えて20年間の現役生活に幕を閉じた。 ヤクルト・塩見に対してこの日最速の143キロ直球、124キロスライダーの2球で追い込んだ。ここから2球連続の直球はともにボールとなったが、最後は切れ味の鋭い外角低めへのスライダーでバットの空を切らせて、出番を終えた。全力投球の5球だった。 内野陣と与田監督が詰めかけたマウンド上で、右腕の目には涙。スタンドからの拍手に包まれながらマウンドを降り、祖父江から渡された花束を抱えて、その歓声に手を振って応えた。 神戸弘陵高、奈良産大(現奈良学園大)、河合楽器を経て、2002年にドラフト6巡目で中日に入団。14年に最多勝(13勝)と最高勝率(・722)の2冠に輝くなど先発、中継ぎと幅広く活躍し、プロ生活を竜一筋で歩んだ。今季はこの試合が1軍初登板。2軍では19試合に登板して7勝5敗、防御率3・94だった。

◆今季限りで引退する中日・藤井淳志外野手(40)が「1番・右翼」で出場。1打数無安打で16年間の現役生活に幕を閉じた。 1回、中日・堂上から花束を受け取る藤井=バンテリンドームナゴヤ(撮影・甘利慈) 試合前はシートノックで右翼のポジションを守り、円陣でも声出し役として仲間を鼓舞した。一回の攻撃は、入場時に配られた記念ボードでスタンドが真っ赤に染まるなか、先頭で左打席へ。初球の142キロ直球、続く144キロ直球にフルスイングした。しかし、見送った3球目の149キロは外角真ん中に投じられ、見逃し三振…。まさか? のジャッジに悔しさをあらわにし、苦笑いを浮かべた。ベンチに引き揚げる際は堂上から花束を受け取り、スタンドの大きな拍手に応えた。 豊橋東高、筑波大、NTT西日本を経て2006年に大学・社会人ドラフト3巡目で中日に入団。昨季からここまでの2年間で、1軍での出場がなかった。

◆ヤクルトは0-1の五回、サンタナの適時三塁打で同点に追いついた。「サイスニードが良いピッチングをしているので、早く追いついてあげたかった中村が良く走ってくれた」と感謝。六回には村上が39号2ランを放ち勝ち越した。「なかなか点が取れていない中、サンタナが流れを変えてくれたので勢いに乗って打てた」と笑みを浮かべた。

◆ヤクルトのサイスニード投手(29)が、緊急降板した。六回先頭の代打・渡辺に四球を許した後、伊藤投手コーチとトレーナー、通訳が三塁側ベンチから駆けつけた。何かしらのアクシデントが発生したとみられる。 来日1年目の助っ人右腕は試合前の時点で12試合に登板し、5勝2敗、防御率3・53で自身3連勝中。この日は、5回0/3で68球を投げ2安打1失点の内容だった。 その後は、代わった2番手の大西が後続を抑えた。

◆中日は山井、藤井の引退試合を勝利で飾ることができず。今季のAクラス入りが消滅した。与田剛監督(55)の試合後の一問一答は以下の通り。 ――山井が引退登板。スライダーで三振を奪った 「三振を取ったかどうかということよりも山井の投げている姿が、藤井も含めて、ドラゴンズに貢献してきた2人の姿だったので、いろんな思いがあります」 ――監督自身もマウンドに向かった 「山井は私の監督初勝利の時の投手なのでね。(背番号)29番に対する思い入れもありますし、その番号をずっとドラゴンズで守ってきてくれた。個人的にはその思いもあるし、素晴らしい功績を残してきたと思っています」 ――藤井のプロ最終打席は見逃し三振だったが 「引退試合を球団が用意してくれる選手というのは、そうはいない。グラウンドに立ててよかったんじゃないかなと思います」 ――若手主体のオーダーだった。狙いは 「もちろん若手の力、経験をさせたいということもありますし、ほかの選手の体調を見ながら、というところもあったので、そういった部分で一致したということ」 ――五回に岡林は守備で後逸する場面があった 「あれは何とかフェンスに行く前に止めようとして追いつかなかったところ。これはどんどん経験をしていかないとわからないところなので、エラーがつかなかったからエラー、とみているわけではなくて、何とかしようと思った中でのプレーなのでね」 ――石垣は代打で、あと一歩でスタンドインとなる二塁打を放った 「あともう少しよね。その言葉を使わくていいように、打てるようになればいいですよね」

◆首位のヤクルトは中日に逆転勝ち。阪神が巨人と引き分けたため、優勝へのマジックナンバーは1つ減って「8」となった。ヤクルトは0-1の五回、サンタナの適時三塁打で同点に追いついた。「サイスニードが良いピッチングをしているので、早く追いついてあげたかった。中村が良く走ってくれた」と感謝。六回には村上が39号2ランを放ち勝ち越した。「なかなか点が取れていない中、サンタナが流れを変えてくれたので勢いに乗って打てた」と笑みを浮かべた。 松葉が投じた高めのカットボールを完璧に捉えた。9月26日の中日戦(神宮)以来、14試合ぶりの一発。セ・リーグ単独トップの39号で、プロ野球最年少となるシーズン40本塁打に王手をかけた。本塁打、打点ともにトップとなり2冠獲得に前進した。 先発のサイスニードは六回、先頭に四球を許した後、伊藤投手コーチとトレーナー、通訳が三塁側ベンチから駆けつけ緊急降板したが、5回0/3を投げ2安打1失点で6勝目を挙げた。

◆中日は今季を象徴するような内容で、クライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が消滅した。松葉が首位のヤクルトに5回2/3を投げて3失点と踏ん張ったが、打線が5安打で1得点のみと見せ場をつくれなかった。与田監督は4位以下が確定したことに「終わってから、全ての数字が出た時点で話します」と話すにとどめた。 一回にA・マルティネスの先制打でリードを奪いながら、その後は六回まで走者すら出せなかった。今季何度も見た敗戦の形で、山井と藤井の引退セレモニーの日を白星で飾れなかった。

◆ヤクルトが逆転勝ちした。0―1の五回にサンタナの適時三塁打で追い付き、六回には村上の39号2ランで勝ち越した。サイスニードが六回途中1失点で6勝目。この日、阪神が巨人と引き分けたため、優勝へのマジックナンバーは1つ減って「8」となった。村上との一問一答は以下の通り。 --リーグ単独トップの39号 「なかなか点が入らず苦しい状況だったが、(山田)哲さんが塁に出てくれて、何とか点を取りたいと思って打席に入った」 --14試合ぶりの一発 「久しぶりすぎて左飛かと思ったが、入ってよかった」 --40号に王手 「残り試合は少ないが1本でも多く打てるようにがんばる」 --107打点。打点王への思いは 「チームが優勝することしか見えていない。最後に結果がついてくる」 --今後へ向けて 「ここまできたら優勝したい。期待に応えられるようにがんばる」

◆今季限りで引退する中日・山井大介投手(43)が先発し、?回を無失点で現役最終登板を飾った。引退セレモニーでのスピーチ全文は以下の通り。 本日はこのようなすばらしい引退セレモニーを開いていただきました、中日ドラゴンズの関係者のみなさまをはじめ、ヤクルトスワローズのみなさん、球場に足を運んでくださったドラゴンズファン、スワローズファンのみなさまには心より感謝を申し上げます。私、山井大介は本日をもちまして、20年間の現役(生活)にピリオドを打ちます。正直、こんなに長くユニホームを着てプレーができるとは思ってもいませんでした。それも全て、陰ひなたとなり支えてくださった、家族や両親をはじめ、チームスタッフ、チームメート、監督、コーチ、ドラゴンズ関係者のみなさん、ナゴヤドーム(バンテリンドーム)、ナゴヤ球場のグラウンドキーパーのみなさん、自分の体にたくさんのケアをしてくださった多くの方々。何よりも厳しくもあたたかい目で叱咤激励をくださったドラゴンズファン。みなさんがいなければ、いまの自分はいないと思っております。本当にありがとうございました。 もちろん、野球の神様にも背中を押していただき、2013年にはノーヒットノーラン、14年には最多勝、最高勝率。何といっても03年の日本シリーズ。優勝、53年ぶりの日本一。ファンのみなさんと一緒に感動したあの一瞬は一生、忘れることはありません。プロ野球生活の歴史に爪痕を少し残せたのかなと。喜びでもあります。記録よりも記憶に残る選手と言ってもらえたことを誇りに思います。 私は野球がうまいと思ったことはありません。ただ、あの人のようにうまくなりたい、あの人に負けたくない、そんな思いを常に胸に、目標を掲げ、探求心を持っていままでやってきました。努力は必ず報われる、とは限りません。ただし、努力しなければ前に進むこともできない。道を切り開くことすらできない。これから第二の人生、第二のステージが始まろうとしています。やはりそこでも自分らしく信念を貫いて、一歩一歩、前に進んでいきたいと思います。 数多くあるスポーツの中で、野球という素晴らしいスポーツと出会えたことを本当に感謝します。野球が好きです。大好きです。ドラゴンズが大好きです。全国のドラゴンズファン、本当にありがとうございました。これで、山井大介の現役生活は〝マウンド〟を降ります。また、みなさんと出会える日を楽しみにしております。20年間、本当にありがとうございました。

◆ヤクルトは、1―1の六回に村上宗隆内野手(21)が左中間席に39号2ランを放って試合を決めた。先発したサイスニード投手(29)は途中降板するアクシデントがあったが六回途中2安打1失点の好投。優勝へのマジックナンバーを「8」に減らした。高津臣吾監督(52)の主な一問一答は以下の通り。 ――村上が14試合ぶりの一発 「最近、本塁打というところでは、左翼にああいう当たりというのはなかったので、会心の一発じゃないですか。ああやって走者を置いて、一振りで点を取ってくれるので、大きい一発だったと思います」 ――オスナ、中村、サンタナで7安打 「きょうは中村とサンタナ、オスナも3本打ったけど、ああやって下位のところでチャンスを作って、点を取ることができた。(計)11本打ったので、あともう1点、もう2点取れたらすごくいい、満点の試合だったかもしれないですけどね」 ――サイスニードの途中降板はアクシデントか 「足に張りが出たということだったので、本人はいけるという感じだったんだけど、やめとけということになりました」 ――緊急登板の大西が好投 「四球、四球というタイプではないので、しっかりゾーン内で勝負していける制球と度胸がある。誰もピンチの場面で上がりたくはないとは思うんですけど、冷静に対処してくれる投手ですね」 ――連敗を防いだ 「大きいと思います。なかなか崩れないというところはね。昨年みたいにズルズルいかないというのは、すごくチームとしても成長を感じます」

◆今季限りで引退する中日・藤井淳志外野手(40)が「1番・右翼」で出場。1打数無安打で16年間の現役生活に幕を下ろした。引退セレモニーでのスピーチ全文は以下の通り。 本日、このような素晴らしい舞台を用意していただいた中日ドラゴンズ関係者のみなさま、大事な試合にもかかわらず、引退試合で相手をしてくださったヤクルトの関係者の方々、そしてファンのみなさま、お世話になったたくさんの方々に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。 父親にあこがれ、兄の背中を負い、小学校1年生から始めた野球。プレーヤーとしての野球にきょうでピリオドを打ちます。33年という長い間、何の迷いもなく野球に取り組めたことが、本当に幸せなことだと、いまはつくづく思います。 死球に始まり、見逃し三振に終わった16年間でした。中身はよかったような気がします。幸せな野球人生を送れたのも支えてくれた家族や周りの方々のおかげだと思っています。本当はきょうの試合で気持ちよく、かっこ良く、涙々をしたかったのですが『笑顔で終わりたいです』と引退会見で話し、こういう笑顔の形になるとは思っていませんでしたが、後輩たちが『最後までやっぱり笑わせてもらいました』と。それが僕のプロ野球人生を表した言葉なのかな、と。 自分らしく、とは言葉はよく言われますが、いろいろとうまくいかなかったことが多かったような気がします。でもいま、こうやって引退セレモニーをしていただけること、長い間、ドラゴンズのユニホームを着られたということは本当に僕の誇りです。 これから新しい選手がどんどんどんどん出てくる、楽しみなチームだと思うので、ぜひ、きょう会場に来てくださったファンのみなさま、きょうは来られなかったけれど応援してくださっているファンのみなさま、これからの中日ドラゴンズに本当に楽しみな気持ちを持って、あたたかい声援を送っていただけたらな、と思います。16年という長いようで短いプロ野球生活でしたが、全ての方に感謝の思い出いっぱいです。きょう、『中日ドラゴンズ・藤井淳志』は卒業しますが、ユニホームを脱いで次の人生で、いままで以上に人に誇れるように頑張っていこうと思います。ここまで支えてくれたみなさま、本当にありがとうございました。

◆またも、緊急登板で大きな仕事をした。ヤクルト・大西広樹投手(23)が2点を勝ち越した直後の六回無死一塁から、下半身の張りで降板したサイスニードに代わって登板。岡林を空振り三振に仕留めると、一走を牽制(けんせい)で刺し、京田も空振り三振。1回無失点で勝利を呼び込んだ。 「ゾーン内で勝負していけるコントロールと度胸がある。誰もピンチの場面で上がりたくはないとは思うけど、冷静に対処してくれる」 高津監督は2年目右腕に賛辞を贈った。9月14日の阪神戦(神宮)でも危険球で退場したスアレスに代わって五回途中から登板し、1回無失点。今季は30試合で3勝0敗、防御率2・91と救援で結果を残している。 飛躍の裏にはオリジナルの枕があった。「昨年は初めての寮生活で寝つきが悪かった」と今季開幕前、オーダーメード枕を購入。寝た際の頭の高さ、クッションの硬さなどを完全オーダー。「寝つきがよくなった」と特別仕様の逸品で手に入れた最高の眠りが好投を生んでいる。 後半戦途中から気合を入れて丸刈りにした大西。6年ぶりのリーグ制覇を目指すチームで貴重な働きを見せている。(赤尾裕希)

◆セ・リーグ首位のヤクルトは13日、中日23回戦(バンテリンドーム)に3―1で勝利し、優勝へのマジックナンバーを「8」に減らした。4番・村上宗隆内野手(21)が六回にセ・リーグ単独トップとなる39号2ランを放ち、打点もトップに並ぶ107として2冠に浮上した。21歳シーズンまでに本塁打と打点の2冠を獲得したのは、1953年の西鉄・中西太のみ。世代のトップを走る21歳がチームを引っ張り、今季の2位以上を確定させた。 バンテリンドームにすさまじい打球音が響いた。1―1の六回1死一塁。村上が左中間席へ特大のアーチを描いた。値千金の勝ち越し弾でマジックを「8」に減らし、優勝へまた一歩近づいた。 「今はチームが優勝することしか見えていない。そのために僕が打点を稼げればいいと思っていますし、最後に結果がついてくるかなと思います」 松葉が投じた高めのカットボールをたたき、表情を変えずにダイヤモンドを一周した。9月26日の中日戦(神宮)以来、14試合ぶりの一発。セ・リーグ単独トップとなる39号2ランで、史上最年少でのシーズン40本塁打に王手をかけた。打点は107でリーグトップの巨人・岡本和に並び、2015年の畠山和洋がマークしたシーズン105打点を抜いて球団日本選手最多となった。

◆ヤクルトは今季17度目の引き分け。先発した原樹理投手(28)は7回6安打1失点の好投だったが、打線は二回にドミンゴ・サンタナ外野手(29)が右翼席へ放った15号ソロの得点のみだった。八回から?回無失点の清水昇投手(24)は48ホールドポイント目を挙げ、2年連続の最優秀中継ぎのタイトルを確定させた。高津臣吾監督(52)の主な一問一答は以下の通り ――先発の原が好投 「球場も広いし、攻めるところもしっかりできた。きょうは全体的に直球の質と変化球の切れもすごくよかったので、勝ち星はつかなかったけど、よく試合をつくったと思います」 ――好投が続いている 「以前のようにバラバラな感じがないので、しっかりまとまった投球ができる。カウント負けすることも少ないですし、四球で崩れていくことも少ない。すごくいい状態なのかなと思います」 ――清水がタイトル確定 「もう確定したの? 今の時代というか、救援の存在はすごく大きい。そうやって八回を締めることも簡単ではないし、毎日準備して一回も離れることなくブルペンに待機していることはすごく大きいことで、成長を感じます」 ――残り1ホールドで2010年に中日・浅尾がマークしたプロ野球記録に並ぶ 「ちょっと浅尾と並ぶのはまだ早かったかもしれない(笑)。でもそうやって強い勝っているチーム状況というのは、ホールド、セーブが必然的についてくるわけで、そこでしっかり勝ちにつながる投球でできている証拠だと思います」 ――打線がややお疲れか 「1点しか取れなかったですけど、負けなかった。明日以降に期待します。今は投手がよく頑張って少ない失点で負けていないわけなので、明日以降、点を取ってくれるでしょう」 ――負けないことを評価 「点を取られなかった、1―1で引き分けたというのはすごく大きかったと思います」

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
694616 0.600
(↑0.004)
M8
(↑1)
12579
(+3)
464
(+1)
133
(+1)
69
(+1)
0.256
(-)
3.320
(↑0.02)
2
(-)
阪神
72548 0.571
(-)
2.5
(↓0.5)
9509
(+2)
495
(+2)
118
(+1)
108
(+1)
0.247
(-)
3.440
(↑0.01)
3
(-)
巨人
595819 0.504
(-)
11
(↓0.5)
7516
(+2)
509
(+2)
159
(-)
65
(-)
0.243
(-)
3.570
(↑0.01)
4
(-)
広島
566611 0.459
(↓0.004)
16.5
(↓1)
10505
(+3)
552
(+9)
110
(-)
61
(+1)
0.263
(-)
3.860
(↓0.04)
5
(-)
中日
536816 0.438
(↓0.004)
19
(↓1)
6392
(+1)
459
(+3)
69
(-)
57
(-)
0.238
(-)
3.230
(-)
6
(-)
DeNA
526815 0.433
(↑0.004)
19.5
(-)
8537
(+9)
591
(+3)
135
(+2)
30
(-)
0.257
(↑0.001)
4.190
(↑0.01)