巨人(★1対2☆)阪神 =リーグ戦23回戦(2021.10.12)・東京ドーム=
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阪神
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巨人
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勝利投手:青柳 晃洋(12勝5敗0S)
(セーブ:スアレス(1勝1敗40S))
敗戦投手:メルセデス(7勝5敗0S)
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◆阪神が接戦を制した。阪神は2回表、2死満塁から近本の2点適時打が飛び出し、先制に成功する。投げては、先発・青柳が7回1失点の好投。その後は岩崎、スアレスの継投で逃げ切り、青柳は今季12勝目を挙げた。敗れた巨人は、打線が終盤の好機を生かせなかった。

◆阪神は今季巨人戦11勝9敗2分けで、今日勝てば巨人戦のシーズン勝ち越しが決定する。巨人戦は07年に14勝9敗1分けで勝ち越したのを最後に13年連続で勝ち越しがないが、今日は勝利できるか。

◆阪神のルーキー栄枝裕貴捕手(23)が初めて1軍昇格した。12日の巨人戦(東京ドーム)の試合前練習に合流し「一番はわくわくしている。この大事な時期に合流できて少しでも力になれればと思っている」とフレッシュに意気込みを語った。 立命大からドラフト4位で入団した栄枝は3月末に右肋骨(ろっこつ)を疲労骨折し、開幕に出遅れ、6月から実戦復帰。2軍戦では32試合でスタメンマスクをかぶり、3年ぶりのウエスタン・リーグ優勝、ファーム日本一へ大きく貢献した。平田2軍監督もリーグ優勝時に「(MVPは)キャッチャーの栄枝と長坂だ。このキャッチャー2人は非常に頑張ったと思うよ」と賛辞を送っていた。 「緊張は若干あるかもしれないですけど、思い切ったプレーを、ファームでやってきたことを出したいです」。今季は2軍戦47試合に出場し打率2割5分7厘だった。 なお熊谷敬宥内野手(25)が前日11日に出場選手登録を抹消されている。

◆阪神は12日、大山悠輔内野手(26)が背中の張りで同日巨人戦のベンチメンバーから外れることを発表した。 広報によると、練習中に張りを感じたため。「大事を取って」の措置だという。 大山は9月以降に状態を上げ、10月は9試合出場で打率3割7分1厘、4本塁打、8打点。現在11試合連続安打中だった。 14年ぶりのシーズン巨人戦勝ち越しを懸けた一戦、4番主将を欠いて戦うことになった。

◆阪神はここまで91試合で4番を務めていた大山悠輔内野手(26)が試合前練習で背中の張りを感じたため、大事をとってベンチ外となった。また10日ヤクルト戦(神宮)でプロ初の猛打賞を放ち、打撃好調の小野寺暖外野手(23)がプロ初の3番で起用された。注目ルーキーの佐藤輝明内野手(22)も「7番三塁」で出場する。 先発のマウンドには今季11勝(5敗)を挙げ、ハーラートップタイの青柳晃洋投手(27)が上がる。巨人のクリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(7勝4敗)と(27)と投げ合う。 首位ヤクルトのマジックが9となり、3ゲーム差で追う阪神にとって負けられない試合が始まる。試合は18時開始予定。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が10打席ぶりの安打で先制点を演出した。 背中の張りでベンチ外となった大山に代わり、三塁7番で出場。1死一塁から巨人先発クリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(27)の内角の直球を右前にはじき返し、3試合ぶりに安打を放った。 8番坂本は中飛に倒れたが、青柳が外角球を右前に執念ではじき返し、今季6本目の安打で2死満塁。近本が右前打を放ち、2点の先制に成功した。 「2死から青柳さんがつないでくれましたし、青柳さんのためにも先制点が欲しかったので、打つことができてよかったです」 首位ヤクルトのマジックが9となり、3ゲーム差で追う阪神にとって、負けられない試合で大きな2点を先取した。

◆巨人クリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(27)が、5回途中7安打2失点で降板した。今季ワーストタイの6連敗中のチームを救うべく、先発マウンドに上がるも、2回に2死満塁から阪神近本に2点適時打を浴び、先制を許した。 5回には、先頭の近本に左翼線二塁打を浴びると、続く中野の犠打を、メルセデスが一塁へ悪送球。自らのミスでピンチを広げた。直後、左手を握ったり、開いたりと気にするしぐさを見せ、桑田真澄投手チーフコーチ補佐らがマウンドへ。そのまま降板となり、8月24日広島戦(東京ドーム)以来、8試合勝ちなしとなった。 2番手田中豊は、無死一、三塁のピンチを託されるも、無失点で切り抜ける好リリーフを見せた。

◆育成出身の巨人松原聖弥外野手(26)が、26試合連続安打を達成し、「世界の王」を抜いた。2点を追う6回先頭の第3打席、阪神青柳のスライダーを右前に運んだ。一塁ベース上では思わず笑顔に。球団では王貞治を抜く、歴代単独3位に浮上した。 10日の広島戦(マツダスタジアム)で、25試合連続安打を達成したが、「(記録は)全然意識してない。すごいと言われても『そうなんかな?』という感じ」と話していた。9月11日の中日戦(東京ドーム)から継続してきた連続試合安打記録を伸ばし続けている。

◆巨人亀井善行外野手(39)が、左膝の裏付近に死球を受けて交代した。 1点差に迫った6回2死二、三塁、中島の代打で登場。阪神青柳が投げたカウント1-2からの4球目が直撃した。亀井は両膝に手をついて一塁まで歩けず、ベンチから出てきた原監督が亀井の元に近づき、球審に代走広岡を告げた。 その後2死満塁で、大城が空振り三振に倒れた。

◆阪神青柳晃洋投手(27)が7回1失点と好投し、今季12勝目の権利を持って降板した。試合前時点で11勝はリーグ最多タイ。勝てばハーラー単独トップとなる。 5回までは二塁も踏まさず無失点。2点リードの6回2死一、二塁から5番丸に右中間フェンス直撃の適時二塁打を浴びたが、この後、2死満塁で7番大城を空振り三振に仕留めた。 7回で109球を投げ、6安打2死球1失点。この日もしっかり試合をつくった。

◆巨人中田翔内野手(32)が、昇格して即、結果を出した。 1点を追う8回1死一塁、代打で9月30日中日戦(バンテリンドーム)以来の出場。2球で追い込まれるも、阪神岩崎の3球目外角142キロ直球を捉えた。三遊間を破る安打で一、三塁とチャンスを広げた。 1日に出場選手登録を抹消され、この日再昇格。初打席で結果を出した。一塁ベース上では、笑顔を見せながら一塁側ベンチのチームメートへ、右拳でガッツポーズを送った。

◆巨人が阪神に敗れ、3連覇の可能性が完全消滅した。2回、先発のメルセデスが、2死満塁から阪神近本に2点適時打を浴びるなど、5回途中7安打2失点で降板した。 打線は、チャンスをことごとく生かせなかった。6回先頭、松原の26試合連続安打となる右前打からチャンスを作ると、2死一、二塁から、丸が右中間へ適時二塁打で1点差に詰め寄った。だが、亀井が死球の後、2死満塁と一打逆転のチャンスも大城が空振り三振に倒れた。7回にも代打ウィーラーの左前打と、阪神佐藤輝の失策で2死一、二塁のチャンスを作ったが、坂本が遊ゴロに打ち取られた。8回は、昇格したばかりの中田が左前打を放つなど、阪神2番手岩崎を追い詰めたが、8回2死満塁から登板した守護神スアレスにウィーラーが遊ゴロに打ち取られた。9回もスアレスに3者凡退に抑えられた。 今季ワーストの7連敗で、14年ぶりに阪神相手に負け越しが決定。この日、ヤクルトは中日に敗れたものの、3連覇の可能性はなくなった。

◆2位阪神が接戦を制し、14年ぶりに「伝統の一戦」のシーズン勝ち越しを決めた。 2回2死満塁で1番近本が2点適時打を放ち先制。投げては先発青柳が7回1失点の好投で2番手岩崎、守護神スアレスとつなぎ、敵地3連戦の初戦を取った。 青柳はこれでハーラー単独トップの12勝目。プロ6年目で初のタイトル獲得へ前進した。ドラフト会議から一夜明け、逆転優勝へ負けられない戦いが続く虎の先輩たちが、意地の1勝をつかんだ。

◆阪神は2回、2死満塁から近本が2点適時打を放って先制。先発の青柳は巨人打線を3回まで1安打無失点に抑えた。 巨人先発のメルセデスは、5回途中7安打2失点で降板。打線は6回2死一、二塁から、丸の適時二塁打で1点差に迫った。 阪神は14年ぶりの巨人戦勝ち越し。先発青柳は7回1失点で12勝目。巨人は4年ぶりの7連敗で、優勝の可能性が完全に消滅した。

◆阪神ロベルト・スアレス投手(30)が球団3人目のシーズン40セーブを達成した。 1点リードの8回裏2死満塁で登板。内角158キロでウィーラーを遊ゴロに仕留めてピンチを絶った。そのまま9回裏も登板。9日ヤクルト戦に続いて登板2戦連続のイニングまたぎとなったが、1イニングを3人斬り。最後は3番坂本から162キロで空振り三振を奪った。 「最終的に勝利に結びつけられて良かった。この記録はやっぱりチームがいいところで自分に回してくれているからこそ。本当にチームメートに感謝しています」 今季40セーブは両リーグ最多。阪神投手の40セーブ以上は07年藤川球児の46セーブ、11年藤川球児と15年呉昇桓の41セーブに続き、計4度目の快挙となった。

◆2位阪神が接戦を制し、14年ぶりに「伝統の一戦」のシーズン勝ち越しを決めた。 2回2死満塁で1番近本が2点適時打を放ち先制。投げては先発青柳が7回1失点の好投で2番手岩崎、守護神スアレスとつなぎ、敵地3連戦の初戦を取った。 青柳はこれでハーラートップタイの12勝目。プロ6年目で初のタイトル獲得へ前進した。スアレスは8回途中から登板し、2奪三振無失点。12球団唯一の40セーブに到達した。 ヒーローに選ばれたスアレスの一問一答は以下の通り。-イニングまたぎの登板 「まずあの状況をしっかりと勝ってる状態でチームもいい運びをしてくれていたので、なんとかそれをつなげたいと思って、最終的に勝利に結びつけて良かったです」 -優勝争いの中で大きなプレッシャーがあるが 「しっかりと準備するだけだと思っていますし、セーブ機会をものにするのはもちろん、監督に言われたところでしっかりと自分が力を発揮できるように、試合が残っているので、全部勝てるように準備したいと思います」 -12球団唯一の40セーブ 「この記録はチームがいいところで自分に回してくれるからこそなので、チームメートに感謝しています」 -最後は3球三振 「三振で最後終われたので、しっかりといいピッチングできたと思います」 -明日以降へメッセージ 「これから引き続き応援してください。私たちはグラウンドに立って全力でやるだけなので、みなさんとともに優勝目指して頑張りたいと思うので、また応援お願いします」

◆阪神中野拓夢内野手はリーグ最多の盗塁を27に伸ばした。 2点リードの5回無死二塁、巧みな犠打を投前に転がし、メルセデスの悪送球を誘う。なおも無死一、三塁から二盗を決めた。9回には左前に運び、2戦連続安打をマーク。遊撃守備でも軽やかな動きを継続している。

◆阪神大山悠輔内野手(26)が12日、背中の張りで巨人23回戦(東京ドーム)のベンチメンバーから外れた。広報によると、練習中に張りを感じたため。 「大事を取って」の措置だという。矢野監督は出場選手登録抹消について「それはない」とした上で「多分、明日も厳しいとは思っている。死球の影響でちょっと無理をさせられない状態なので。明日も無理をさせられないと思っている」と説明した。10月は打率3割7分1厘、4本塁打、8打点。11試合連続安打中と好調をキープしているが、7日DeNA戦で左脇腹に死球を受けていた。

◆阪神近本光司外野手が決勝打を放ち、自己最多となるシーズン13度目の猛打賞を記録した。 両チーム無得点で迎えた2回。6番ロハス、7番佐藤輝、9番青柳の安打で2死満塁とした直後、一、二塁間を破る先制の2点適時打を決めた。「大きかったですね。投手も四球だけは嫌な場面で、しっかり初球から振りにいけた。フルカウントまで持っていってからヒットを打てて、投手に対しても相手に対しても、いい影響を与えたんじゃないかなと思います」。納得の一打で勝利を呼び込んだ。 先週末の首位ヤクルト3連戦は4四死球を選ぶも10打数無安打。「チームに迷惑かけたというのがあった。初回から自分の打撃に対してしっかり修正しながら打席に入れた」と悔しさをバットに込めた。1回に左前打、5回には左翼線二塁打も放ち、9月15日ヤクルト戦以来の猛打賞。調子を戻したリードオフマンは「明日、明後日しっかり勝って帰りたい」と力を込めた。

◆阪神が14年ぶりに巨人戦のシーズン勝ち越しを決めた。 先発青柳晃洋投手(27)が7回6安打1失点と好投。ハーラートップタイの12勝目を挙げた。守護神ロベルト・スアレス投手(30)は8回途中から登板し、2奪三振無失点。12球団唯一の40セーブに到達した。矢野燿大監督(52)の一問一答は以下の通り -1点差のしびれるゲームをものにした いや本当に、手に汗握ってね。もう応援するしかなかったですけど。本当にね、ピッチャー陣がよく頑張ってくれました。 -先発の青柳、捕手の坂本がチームを引っ張った そうですね、本当に丁寧に行きながら、その中でも攻めるところはしっかり攻めるというね。2人の意識というのがすごく出ていたからこそ、粘れたと思いますしね。本当にいいところを引き出しましたし、また青柳もね、本当にそれにしっかり応える。意識の高い投球でした。 -守護神スアレスがイニングまたぎ そうですね、今のうちの状況ではもうね、行ってもらうしかないと、いうような状況なのでね。もう岩崎もスアちゃんもね、体も疲れているんですけど、本当に最後の力を振り絞って頑張ってくれているんで。行くしかないと思って行きました。 -打線は近本のタイムリーから2点を先制した そうですね、あの、最近取ってもね、その後の追加点というのがどうしてもないので、苦しい展開にどうしてもなってしまうのでね。バッター陣も状態は良くはないんですけど。まあでも何とかね、僕も含めて何とか全員でしていきたいなと思います。 -巨人に14年ぶりにシーズン勝ち越し やっぱりジャイアンツを意識して戦うというのが本当に優勝に近づく、ひとつのものだと思っていますし、伝統の一戦というね、ファンの方が楽しみにしてくれている戦いなので。勝ち越せたというのはまたいいことですけど、今は目の前の試合を勝つというのが僕たちのできることなのでね。またもう1度明日からそこに集中したいなと思います。 -首位ヤクルトが敗れた。次戦へ向けて いや本当に一戦必勝しか僕たちにはないですけど。本当に全員その気持ちでね、戦ってくれているというのは、みなさんにも感じてもらえていたらなと思いますし。それしか現状できないですけど、本当に精いっぱい目の前の試合を全力で、全員で戦っていきます。 -大山の現状は 多分明日も厳しいとは思っている。デッドボールの影響でちょっと無理させられないような状態なので。明日も無理はさせられないと俺は思っている。 -抹消は それはないけど、たぶん無理だろうなと思ってやっていく感じになると思う。 -そういう意味では佐藤輝、小野寺に期待 誰か1人でやって、いけるっていうチームじゃない。出たところでみんながどうやってやってくれるか。誰か1人じゃない。 -伊藤将がブルペン待機 (伊藤)将司もずっと先発でやってきてたけど、いてくれることでどっかのところで将司っていうのは頭にはずっとあったし。なかなかいきなり中に入って厳しい場面はちょっとかわいそうだなというのはあったけど、どういう状況になるか試合が読めないんで。この3試合は入れながら、目の前の試合を勝つしかないんでね。そこを全力、全力全員でというところで将司にも入ってもらった。

◆阪神ロベルト・スアレス投手が今季40セーブ目を挙げた。プロ野球記録は17年サファテ(ソフトバンク)の54だが、40セーブ以上は過去9人(16度)しかおらず、スアレスは10人目の大台到達となった。 阪神では07年46、11年41の藤川、15年41の呉昇桓に次いで3人、4度目。

◆巨人は4年ぶりの7連敗で、セ・リーグ3連覇への挑戦に幕を閉じた。優勝の可能性を残す阪神の勢いに押され、あと1本が出ずに惜敗。同カードの14年ぶりの負け越しも確定した。原監督は「受け止めるしかないでしょうね」と、V逸の現実と向き合った。 夏の終わりとともに、打線が一気に冷え込んだ。首位に座った最後の日となった9月3日から、2分けを挟んで6連敗。その後も打線は沈黙し、投手陣は援護を待ちきれずに打ち返されと、投打の歯車が狂い続けた。9月以降は8勝21敗6分け。最大15あった貯金はこの日で1に。「ここというときに、この数カ月、なかなか男になってくれる人が出てこないね」。打開策も見いだせないまま1カ月以上もトンネルの出口にたどり着けず、V3の夢は散った。 シーズン前に立てた目標は、もう1つ残っている。3位以上を確定させてクライマックスシリーズに進出すれば、"下克上"で日本一を奪還する挑戦権を得る。残り8試合。4位広島は6連勝で5ゲーム差に迫ってきた。劇的な晩秋を迎えるためには、1試合たりとも無駄にはできない。

◆輝の意地だ! 阪神佐藤輝明内野手(22)が、チームを救う10打席ぶり安打で勝利を呼び込んだ。 試合前に4番大山が背中の張りを訴え、大事をとってベンチ外に。代役三塁で7番を任されたのが、佐藤輝だった。スタメン三塁は5月19日のヤクルト戦(甲子園)以来4カ月半ぶり。その第1打席でいきなり魅せた。 0-0の2回1死一塁。メルセデスの内角の直球に詰まりながらも右前に落とし、出場3試合ぶりのHランプをともした。「チームの優勝に直結するような数字を残していきたい」。その意気込み通り、この一打で一、二塁に好機を広げ、1番近本の先制決勝の2点適時打を呼び込んだ。ただでさえ低空飛行が続く打線にあって、好調だった4番大山の離脱は逆転Vに陰を落とす。ベンチも4番にマルテを置くなど懸命に策を講じる中、必死のスイングで起用に応えた。 背番号8の雄姿に、この日から条件付きで入場を許可された応援団の太鼓も、ドドドドドンと激しく鳴り響いた。佐藤輝は一塁上で右の拳と左の拳を交互に上げ下げする「ハンドルポーズ」で喜びを表現。メルセデスを"乗りこなした?"かのような歓喜の舞だ。 このポーズの生みの親はこの日1軍初昇格した同期の栄枝裕貴捕手(23)だ。2月28日のヤクルトとの練習試合で栄枝が試合前に一発芸として披露し、ひそかにチーム内に浸透している。栄枝はこの日の試合前の円陣で、こうナインを鼓舞した。「シーズン前半の初めの気持ちを思い出して、あの時のいい自分を、今日はしっかり出していきましょう!」。佐藤輝も同期の言葉で初心にかえり、前半戦だけで20本塁打を放った打棒で虎党を沸かせた。 4回先頭、6回先頭はともに空振り三振でシーズン三振数が165となった。14年ゴメスの球団記録(166三振)にあと1に迫るなど、不調の波が続いている。7回の三塁守備では失策もあった。だが、大山不在の危機でここぞの1本を放ち、巨人戦の屈辱歴史を止めた貢献度は高い。残り10試合。チームの窮地を救った一撃をきっかけに、奇跡を導く豪打復活といきたい。【前山慎治】

◆阪神先発の青柳晃洋投手(27)が、7回を1失点に抑える渾身(こんしん)投球でネバーギブアップを体現した。ピンチも粘り抜き、広島九里と並ぶ両リーグ最多の12勝で勝率と合わせて投手2冠。巨人戦14年ぶりの勝ち越しを導いた。目指す逆転Vへ、週末ヤクルト戦の円陣で激しくナインを鼓舞した勝ち頭が有言実行。敗れた首位ヤクルトとの差を2ゲームに縮めた。エース級の活躍を見せる右腕が奇跡に弾みをつけた。青ざめるルーキーに、青柳は笑顔で声を掛けた。1点差の7回2死一塁、佐藤輝が三塁へのゴロをファンブルした。「テルがエラーしたんで、絶対に点を取られちゃいけないなと思って(笑い)。頑張りました」。3番坂本に内角へのスライダーを見極められフルカウント。それでも気後れせず、内にツーシームを投げ込み遊ゴロで切り抜けた。「よっしゃー!」。雄たけびに自信がにじんだ。 粘り強く、7回6安打1失点。広島九里と並ぶトップ12勝目を挙げ、勝率と合わせて2冠。3年連続の規定投球回にも到達した。「僕に勝ちがついてますけど、チームも勝って、優勝に向かっていけるのがよかった」。2回2死一、二塁の打席では、右前打を放ち先制機を拡大。一丸で勝てたことが一番うれしかった。 プロ6年目。今年は言葉でもチームを引っ張る。前カードのヤクルト戦では、先発投手ながら2日連続で声出し役を務めた。第2戦の9日は「何勝できる? 何敗しかできない、そんなの考えたヤツ、いらないから!」とハッパ。翌10日は「僕漫画読むんですけど、漫画で『自信とは何か』っていうのを読んだ。楽観的な勘違い、だったりする。みんな『今日、行けんじゃね?』って勘違いの気持ちを持って」。ポジティブワード連発で、固くなっていた仲間を笑わせた。「偉そうなことを言う立場ではないですけど。今日、目の前のことを頑張りましょうということを伝えました」。この日はマウンドで、戦い続ける姿を体現した。 矢野監督はけん引する右腕をたたえた。「(坂本が)本当にいいところを引き出しましたし、また青柳もね、それにしっかり応える。意識の高い投球でした」。チームは14年ぶりとなる巨人戦勝ち越しが決定。昨季0勝3敗だった青柳も、今季は2勝1敗。「最近は勝っていなかったので、今年は勝って勝ち越しに貢献できてよかった」。宿敵を倒し逆転Vへ勢いづいた。 このまま行けば次戦は19日の首位ヤクルト戦(甲子園)。「負けるわけには行かないですし、自力優勝はないかもしれないですけど、ずっと勝ち続ければまだチャンスはある」。もちろんネバーギブアップ宣言。目の前の試合を必死に勝ちにいくだけだ。【磯綾乃】

◆阪神・大山悠輔内野手(26)が練習中に背中を張りを訴え、大事を取ってメンバー外となった。 代わって佐藤輝明内野手(22)が2試合連続で先発し、「7番・三塁」で出場する。 前カードのヤクルトとの3連戦中に1軍本隊に合流していた伊藤将は、中継ぎ調整。試合のベンチメンバーにも入り、今後はリリーフとしてブルペンで待機するもようだ。

◆阪神・佐藤輝明内野手(22)が二回の第1打席で10打席ぶりの安打を放った。 1死からロハスが左前打で出塁し、ルーキーが打席へ。先発のメルセデスの2球目の144キロにつまりながらも右前へ落として一、二塁と好機を拡大した。5日のDeNA戦(横浜)の第1打席以来、10打席ぶりに「H」のランプを灯した。 その後、投手の青柳が右前打でつないで2死満塁とし、近本の右前への2点打で先制に成功した。

◆巨人・松原聖弥外野手(26)が六回の第3打席で右前打を放ち、連続試合安打を26に伸ばした。 カウント1-1から阪神・青柳のスライダーをはじき返した。26試合連続安打は、球団では王貞治を抜いて歴代単独3位に浮上。球団最多の張本勲の30試合連続安打まで残り3とした。育成からはい上がった〝育成の星〟が球団史をまた塗り替えた。

◆阪神・青柳晃洋投手(27)が7回6安打1失点の好投で12勝目の権利を得て降板した。 中盤以降にピンチが続いた。2―0の六回に2死一、三塁とされ、丸に右中間への適時打二塁打で失点。続く代打・亀井には死球で満塁となったが、大城を高めの直球で空振り三振に仕留めて同点を阻止。マウンドで雄叫びをあげた。 七回も安打と味方の失策で2死一、二塁の危機を背負ったが、最後は坂本を遊ゴロに仕留めて乗り切った。

◆阪神が巨人に競り勝ち、2007年以来、14年ぶりの勝ち越しを決めた。 二回にロハス、佐藤輝の連打でチャンスを作り、投手・青柳も安打でつないで2死満塁。近本の2点打で先制した。 先発の青柳は六、七回にピンチを招きながらも粘りの投球で7回6安打1失点で広島・九里と並んでリーグトップタイ の12勝目を挙げた。 八回にはセットアッパーの岩崎が2死満塁の危機を背負い、ここで守護神・スアレスにスイッチ。イニングをまたいで九回も無失点に抑えて逃げ切った。 首位のヤクルトが中日に敗れたことでゲーム差は「2」に縮まった。

◆阪神は二回、近本光司外野手(26)の右前打で2点を先取。ロベルト・スアレス投手(30)が八回2死満塁の窮地をしのぎ、九回は三者凡退に抑えて、40セーブ目(1勝1敗)を挙げた。先発の青柳晃洋投手(27)はハーラートップタイの12勝目(5敗)。チームは2007年以来の巨人戦のシーズン勝ち越しを決め、首位ヤクルトとは2差となった。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 (テレビインタビュー) ーー巨人に14年ぶりにシーズン勝ち越し 「ジャイアンツを意識して戦うというのが本当に優勝に近づく一つのものだと思っていますし、伝統の一戦というね、ファンの方が楽しみにしてくれている戦いなので。勝ち越せたというのはまたいいことですけど、今は目の前の試合を勝つというのが僕たちのできることなのでね。またもう一回あしたからそこに集中したいなと思います」 --首位ヤクルトが敗れた。13日へ向けて 「本当に一戦必勝しか僕たちにはないですけど。本当に全員その気持ちでね、戦ってくれているというのは、みなさんにも感じてもらえていたらなと思いますし。それしか現状できないですけど、本当に精いっぱい目の前の試合を全力で、全員で戦っていきます」 (囲み) ーー青柳、坂本のバッテリーが粘り強く試合を作った 「この球場だとね、俺もやっているときもやっぱりホームランが頭をよぎるんで。その中で、丁寧に行きながら攻めたし、最後の大城の場面もね、ああいうところも何て言うのかな......。バッテリーの意識というか、そういうのがしっかり出たところだったと思う」 ーースアレスも回またぎの難しい場面で 「もうあっこはスアちゃんに行ってもらうしかないなっていうね」 ーー二回は近本はタイムリー 「チカはずっといい形でやってくれているんで。うん。でももう1本、2本タイムリーというか、なんとか点を取りたい。今日でもしんどいよね」 ーー大山の現状は 「多分明日も厳しいとは思ってる。デッドボール影響でちょっと無理させられないような状態なので。明日も無理はさせられないと俺は思っている」 ーー抹消は 「それはないけど、たぶん無理だろうなと思ってやっていく感じになると思う」 --そういう意味では佐藤輝、小野寺に期待 「誰か一人でやって、いけるチームじゃない。出たところでみんながどうやってやってくれるか。誰か一人じゃない」 ーー伊藤将がブルペン 「将司もずっと先発でやってきてたけど、いてくれることでどっかのところで将司っていうのは頭にはずっとあったし。いきなり中に入って厳しい場面はちょっとかわいそうだなというのはあったけど、どういう状況になるか試合が読めないんで。この3試合は入れながら、目の前の試合を勝つしかないんでね。そこを全力、全力全員でというところで将司にも入ってもらった」

◆巨人は接戦を落とし、今季ワーストの7連敗。14年ぶりの阪神戦負け越しも決まり、3連覇の可能性が完全消滅した。先発のメルセデスが五回途中2失点で5敗目。打線も六回の丸の適時二塁打のみとつながりを欠き、8試合連続で3得点以下に沈んだ。原辰徳監督(63)が試合を振り返った。 -―終盤粘って1点を返したが 「まあ、なかなかやっぱり殊勲打がね、ここというときに、この数カ月、なかなか男になってくれる人が出てこないね。懸命にやっているけれどもね、やっぱりこういうゲーム展開になってしまうね」 -―優勝の可能性が消滅 「そうですか。そこはね、受け止めるしかないでしょうね」 -―明日以降も一戦必勝 「それはまったく一緒だよね」

◆矢野監督が流れを変える意味で起用した捕手の坂本が、期待に応える好リードを見せた。ハイライトは六回。1点差に迫られて、なお満塁で大城を迎えた場面だ。 青柳は立ち上がりから丁寧に低めへ投げ続けていた。が、六回のピンチで、亀井に対し大胆に内角を攻めたが死球。当然、大城は「内角は投げづらい」と読んで、外角へのシンカー、真っすぐに狙いを定めていたはず。そこへ、まさかのインハイ要求。投げ切った青柳も見事だったが、それ以上に、一番予想しにくい球を要求した坂本の冷静な配球を褒めたい。 坂本と梅野の違いをよく聞かれるが、捕手はその日の投手に合わせて配球を変える。捕手だけを比較するのは難しい。この日は青柳の持ち味を引き出した坂本が最大のヒーローだろう。 なにがなんでも3連勝しなければいけない巨人3連戦。スアレスの八回2死満塁からの投入も正解だ。この1勝の意味は大きい。(本紙専属評論家)

◆これがエースの姿だ。阪神・青柳は危機を乗り越えると、珍しく感情を表に出し、ガッツポーズした。粘りの投球でリーグトップタイの12勝目をつかみ、開幕前に掲げた13勝に王手をかけた。 「三振も少なかったのでほとんど野手がアウトを取ってくれた感じだった。1点を取られたけど、粘れたのでよかった」 終盤に正念場を迎えた。六回に丸の適時二塁打で1点を献上。七回にも安打と三塁手・佐藤輝の失策で2死一、二塁の一打同点の危機を招いたが、坂本をツーシームで遊ゴロに料理。「輝(佐藤)がエラーしたので、絶対に点は取られちゃいけないなと思って投げた」と後輩のミスもカバーした。7回1失点で12勝目。マツダスタジアムでは広島・九里も12勝目を挙げたが、譲らずにトップを並走する。 さらにこの試合で規定投球回にも到達(147回?)。チームも巨人に勝ち越し、青柳自身も昨季0勝3敗だった難敵から今年は2勝1敗と勝ち越しを決めた。 青柳-坂本のバッテリーは、六回2死満塁のピンチで大城を空振り三振に斬った 「今年は(自分も)勝って(チームの)勝ち越しに貢献できてよかった」 右腕の好投を矢野監督も評価。「丁寧に行きながら攻めたし、(六回の)大城の場面もバッテリーの意識(の高さ)がしっかり出たところだった」と捕手・坂本との阿吽(あうん)の呼吸をたたえた。 「優勝の可能性がある限り、自分の目標よりどんな形でもチームが勝てるように頑張りたい」 逆転Vを信じ、最後まであきらめない。虎投の中心にいる青柳が気迫の投球で勝利を狙う。(織原祥平)

◆巨人は12日、阪神23回戦(東京ドーム)に1-2で敗れ、球団ワースト13連敗を喫した2017年以来となる7連敗。リーグ優勝の可能性が消滅した。3連覇を目指した戦いだったが、打線が調子を落とした9月以降に大失速。最大で15あった貯金は1まで激減し、首位のヤクルトとは10・5ゲーム差まで開いた。原辰徳監督(63)は「受け止めるしかない」と肩を落とした。これで対阪神は07年以来14年ぶりの負け越しが決まった。 1点を追う九回2死。阪神の守護神・スアレスが投じた162キロの直球に、坂本のバットが空を切った。最後は主将が3球三振を喫して泥沼の7連敗。優勝が完全に消滅し、東京ドームはため息に包まれた。 「そうですか。そこはね、受け止めるしかないでしょうね」 後半戦を象徴するような11残塁1得点でリーグ3連覇の夢が断たれた。悔しさたっぷりの原監督は試合後の会見を50秒ほどで終了した。 ヤクルト、阪神との優勝争いが激しくなった9月以降に大失速。6連敗が1度、5連敗が1度、そして現在は13連敗した2017年以来、4年ぶりの7連敗中。首位だった9月2日に15あった貯金は1まで減った。打線は8試合連続で3得点以下。指揮官は「やっぱり殊勲打がね。この数カ月、なかなか男になってくれる人が出てこないね」と貧打を嘆いた。 主軸の丸が8、9月に打率・174と不振に陥り、先発から外れることも増えた。さらに10月に入ると、今度は岡本和、坂本が低調。8月に日本ハムから無償トレードで加入した中田も移籍後の打率は・138(65打数9安打)。日本代表で4番を任された男の打棒は影をひそめ、2カ月で2度のファーム行きを命じられた。 戦況を見つめる(右から)原監督、大城、阿部作戦コーチ。打線が低迷し、阪神戦の負け越しも決まった(撮影・桐原正道) 中4、5日で5人でまわる先発陣も、ここ4試合は全員が5回を投げ切れない。9勝している戸郷は7月以降に11試合の登板で、わずか1勝。山口は自身7連敗中だ。 これで阪神戦は14年ぶりの負け越しが決定。残されるのは、クライマックスシリーズ(CS)からの下克上のみだ。ただ、巨人は2、3位でCSに進出した過去5度のうち、日本シリーズに進出した例は一度もない。 それでも、CS進出に向け、残り8試合を一戦必勝で戦い抜く。「それは全く一緒だよね」と原監督はファイティングポーズを崩さなかった。(伊藤昇)

◆阪神は敵地での巨人戦に2-1で辛勝。今季の対戦成績を12勝9敗2分けとし、2007年以来14年ぶりに〝伝統の一戦〟での勝ち越しを決め、巨人の優勝の可能性を消滅させた。主砲の大山悠輔内野手(26)が背中の張りで欠場した中、近本光司外野手(26)が2点打を放ち、緊急事態のチームを救った。首位ヤクルトは敗れてM9で足踏み。虎はあきらめん!大、大、大逆転Vへ虎を力強く前進させた。虎党の夢をつなぐだけじゃない。2007年以来14年ぶりに巨人戦の勝ち越しを決め、同時に宿敵の優勝の可能性も打ち砕く殊勲打を放った近本が勝利の立役者だ。主砲不在の危機も救い、一戦必勝の執念をさく裂させた。 「メル(ロハス)も打ってテル(佐藤輝)も打って、ヤギさん(青柳)もつないでくれて。(カウント)3-2までもっていってからヒットを打てて、投手に対しても相手に対してもいい影響を与えたんじゃないかな」 選手会長らしく、チーム一丸でつないで相手にダメージを与えた一打に充実感をにじませた。0-0の二回。1死からロハス、佐藤輝の連打で一、二塁とし、2死後に投手の青柳も右前打を放ち、塁が埋まった。 ここで近本は初球のカーブに迷わずバットを出した。結果はファウルだったが「しっかり初球から振りに行けた」。持ち前の積極性で攻め、7球目のスライダーを捉えた打球は一、二塁間を抜いた。 チームの緊急事態を救う一打だった。試合前の練習中に主砲の大山が背中の張りを訴え、急きょベンチ外となった。首位奪回を目指す虎にとって、痛すぎるアクシデントだ。それでも、近本はブレない。プロ入りこそ2年違いだが、大山とは同学年。キャプテンと選手会長という立場でもある。「自分たちは27歳の年。中堅みたいな扱いをされるときもある。しっかり自分たちのやることをやって、チーム全体を引っ張っていく」。チームは先発で8勝を挙げている左腕・伊藤将をこの日からブルペン待機させる、まさに総力戦の最終盤。背番号5は開幕前の誓い通り、きっちり仕事を果たした。8-10日のヤクルトとの天王山3連戦(神宮)は無安打に倒れていたが、この日は一回に4試合ぶりの安打となる左前打を放ち、2打席目は決勝タイムリーで9月29日の広島戦(甲子園)以来の打点を挙げた。五回は左翼線への二塁打で、5打数3安打の固め打ち。自己最多を更新する今季13度目の猛打賞で、クライマックスシリーズ(CS)での激突が濃厚な巨人バッテリーの脳裏にいや~な印象も植え付けた。首位ヤクルトは中日に敗れて優勝マジック9は変わらず、猛虎は勝ってゲーム差は2に縮まった。直接対決を除けば、阪神が勝ってヤクルトが負けるのは9月4日以来だ。〝お付き合い厳禁〟の終盤戦。ここから一気に差を縮めてみせる。近本はセ・リーグの打率ランキング4位(・313)とタイトルも狙える位置につける。矢野監督は「チカ(近本)はずっといい形でやってくれている」と目を細め、近本は「大事な試合が続きますけど、明日、明後日しっかりと勝って(甲子園に)帰りたい」と誓った。残り10試合。全勝で、駆け抜ける。(新里公章)

◆ひゃ~! ヤクルトとの天王山に負け越して今シーズンの優勝はあきらめなければ...と思っていたのに、巨人に今季の勝ち越しを決定したことにより『巨人戦に勝ち越すとV』の〝阪神あるある〟で、逆転優勝決定ということでいいんですよねー!! さらに首位ヤクルトが中日に逆転負け。キタキター!! これまた、プロ野球あるあるー!! 監督が交代する情報が流れた途端に(中日は立浪新監督を要請したらしい)Bクラスのチームがいきなり勝ち始めるのはプロ野球あるあるで、首位ヤクルトを食い続ける可能性があるでェ!! 青柳投手はハーラートップの12勝目、オメデトウ!! 残り2登板(?)で完封勝利して、最多勝に逆転での最優秀防御率も手に入れまっせー!! と、虎の勝利にニンマリしながらも...。1点リードの八回無死一塁、追加点が絶対にほしい場面で、バントのうまい山本らを起用せず、ロハスをそのまま打席に立たせて三振。矢野監督、相手を苦しめる采配をお願いします!!

◆巨人は、協力しあっていないように映る。冷静に周囲を見渡して、自分がすべきこと、できることが、できていない。 例えば、守りでは、ベンチの指示で動くだけ。自分で考え、それぞれでカバーしあう姿勢が見えてこなかった。打撃では逆に、ベンチの指示が少ない。顔の高さまでのボールは打ってもよい...など、局面打開への思い切った指示に乏しかった。 この日も終盤、気持ちだけはスタンドへ向いているかのようなフルスイングを、繰り返すばかり。スアレスの球が速いことはわかっている。ならば、バットをひと握りもふた握りも短く持って、ミート率を上げよう-。そうした工夫は、感じられなかった。 阪神側にも余裕はない。1週間の最初の試合から、スアレスを八回2死満塁で投入したほどだ。周囲を見渡すということは、相手ベンチや選手をも見渡すこと。相手の嫌がるプレーを、忘れてしまったのか。 もはやプレーオフに100%、気持ちを切り替えるしかない。短期決戦で考えられるとしたら、投手3人に3回ずつを任せるとか、一回からでも走者が三塁にいたらギャンブルスタートを切らせるといった、公式戦とは違う策。今からそうした短期決戦用の野球を、試しておくことだ。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
684616 0.596
(↓0.006)
M9
(-)
13576
(+2)
463
(+3)
132
(+1)
68
(-)
0.256
(-)
3.340
(-)
2
(-)
阪神
72547 0.571
(↑0.003)
2
(↑1)
10507
(+2)
493
(+1)
117
(-)
107
(+1)
0.247
(-)
3.450
(↑0.02)
3
(-)
巨人
595818 0.504
(↓0.005)
10.5
(-)
8514
(+1)
507
(+2)
159
(-)
65
(-)
0.243
(↓0.001)
3.580
(↑0.02)
4
(-)
広島
566511 0.463
(↑0.005)
15.5
(↑1)
11502
(+3)
543
(-)
110
(+1)
60
(+1)
0.263
(-)
3.820
(↑0.03)
5
(-)
中日
536716 0.442
(↑0.005)
18
(↑1)
7391
(+3)
456
(+2)
69
(-)
57
(+1)
0.238
(↓0.001)
3.230
(↑0.02)
6
(-)
DeNA
516815 0.429
(↓0.003)
19.5
(-)
9528
(-)
588
(+3)
133
(-)
30
(-)
0.256
(↓0.001)
4.200
(↑0.01)