ヤクルト(☆6対4★)阪神 =リーグ戦23回戦(2021.10.10)・明治神宮野球場=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
阪神
00040000041500
ヤクルト
10102200X61012
勝利投手:田口 麗斗(5勝8敗0S)
(セーブ:マクガフ(3勝2敗28S))
敗戦投手:アルカンタラ(3勝3敗0S)

本塁打
【ヤクルト】青木 宣親(8号・3回裏ソロ),塩見 泰隆(13号・5回裏ソロ)

  DAZN
チケットぴあ ヤクルト戦チケット予約 阪神戦チケット予約

DAZN

◆ヤクルトは2点ビハインドで迎えた5回裏、塩見のソロなどで2点を挙げて、同点とする。続く6回には、塩見と山田の適時打で2点を奪い、勝ち越しに成功した。投げては、ピンチの場面で好救援を見せた5番手・田口が今季5勝目。敗れた阪神は、投打ともに精彩を欠いた。

◆ヤクルト石川雅規投手(41)は本拠地の神宮球場で今季3勝1敗。同球場では02年から20年連続で白星を挙げ、通算では89勝。神宮球場の最多勝は松岡(ヤクルト)の91勝で、石川が2人目の神宮90勝に王手をかけている。

◆2位阪神は2ゲーム差で追う首位ヤクルトとの3連戦3戦目で、佐藤輝明内野手(22)を「7番・右翼」で4試合ぶりにスタメン起用した。 佐藤輝は5日DeNA戦の第1打席で45日、60打席ぶりの安打となる右前適時打を放った。だが、翌日6日は3打数無安打で安打後は再び6打席無安打。その後3試合は代打でも出番がなかった。神宮では開幕2戦目の3月27日に左腕田口からバックスクリーンを超える130メートル特大のプロ1号を放つなど、これまで3本の本塁打を放っている。8月19日DeNA戦(東京ドーム)以来の24号が負けられない1戦で飛び出すか。 ヤクルト先発はベテラン左腕の石川。佐藤輝は4月16日に2打席対戦し2つとも空振り三振。だが、今季佐藤輝は対左腕は打率2割5分5厘(145打数37安打)と右投手との対戦打率2割3分(256打数59安打)と打っている。

◆フリーアナウンサーで、日刊スポーツ評論家の里崎智也氏のYouTube番組「里崎チャンネル」のアシスタントを務める袴田彩会(30)が、ヤクルト阪神23回戦で始球式を行った。 背番号「30」のヤクルトの「燕パワーユニホーム」を着て登場。ワインドアップからノーバウンドで捕手中村のミットに収まった。 事前に投球フォームの指導をした里崎氏は、映像でこの日の内容をチェック。「ノーバウンドで届けば十分ですね。練習は軟式球で、本番は公式球。重さの違いもありますから」と合格点を与えた。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が4試合ぶりに「7番右翼」でスタメン出場した。 首位ヤクルトとの神宮決戦で気迫があふれた。2点ビハインドの3回裏の右翼守備。ヤクルト山田の右翼ライン際の飛球を猛チャージで追いかけると、最後は頭から飛び込んだ。わずかに及ばずファウルとなったが、スタンドからは拍手が起こった。佐藤輝はすぐに起き上がると、淡々と守備位置へ戻った。 直後、4回表先頭の第2打席では、左腕石川の外角変化球に空振り三振に倒れ、今季163個目の三振となった。これで14年ゴメスの球団最多三振166にあと「3」と迫った。 第1打席は1点を先制された直後の2回無死二塁。石川の内角133キロ直球に詰まらされ、中飛に倒れていた。

◆ヤクルト村上宗隆内野手が、痛恨のトンネルで追加点を許した。 2点でリードで迎えた4回。2点差を追いつかれ、なおも1死満塁のピンチで、阪神の4番大山の放った強烈な打球は三塁手村上の正面に飛んだ。村上が捕球していれば併殺打の可能性もあった一打だったが、両足の間を抜けて、左翼線に転がった。 村上の失策でさらに2点を失い、勝ち越しを許した。 ヤクルトは勝利すれば優勝マジックが1桁の9となる一戦。1回はオスナの左前適時打、2回は青木の8号ソロで2点を先取していた。

◆阪神ドラフト6位中野拓夢内野手(25)が、球団新人安打記録で歴代8位となる48年別当薫の114安打に並んだ。 ささやき効果が効いたのか。2点ビハインドの4回1死満塁の第3打席。打席に入る前、北川打撃コーチから耳元で何やらささやかれた。直後、同点の2点適時打を中前に運び「みなさんがつないで作ってくれたチャンスの場面で、なんとかしたいという思いだけでした。必死に食らいついていきましたし、一気に逆転できてよかったです。絶対に勝ちます」と力強くコメントした。 2点リードの5回2死一塁では、今度は井上ヘッドコーチからささやかれ打席に立つと、右翼への二塁打でマルチ安打を決めた。 今カード7打席無安打で迎えた一戦。この試合も2打席凡退していたが、2人のコーチのささやき効果で復活した。

◆阪神が4回に一気の4得点で逆転に成功した。2点ビハインドの1死満塁。まずは2番中野拓夢内野手(25)の2点適時打で同点に追いついた。 その後、ジェフリー・マルテ内野手(30)の四球で1死満塁。続く4番大山悠輔内野手(26)が三塁へゴロを転がすと、三塁手村上がトンネルし、2人の走者が生還。ラッキーな形で試合をひっくり返した。

◆リリーフ登板した阪神及川雅貴投手(20)が、3連続四死球で、1アウトも取れずに降板となった。 4-2の5回、2番手の馬場が先頭の塩見にバックスクリーンへソロ本塁打を浴び、及川に出番が回ってきた。迎えた青木に死球を与えると、山田にはストレートの四球。福原投手コーチが1度マウンドへ向かったが、今度は村上にフルカウントから死球を与えた。自己ワーストの3四死球で無死満塁とし、交代となった。 代わった小川は、オスナに同点の右犠飛を許すも、中村を空振り三振、サンタナを遊ゴロと勝ち越しは許さなかった。 高卒2年目の及川は、これが今季35試合目の登板。ここまで2勝3敗、9ホールドと中継ぎとしてフル回転してきたが、前回7日DeNA戦(横浜)で逆転2ランを浴びており、この日も苦しい投球となった。

◆阪神が首位ヤクルトとの天王山第3ラウンドに敗れ、3連戦を1勝2敗と負け越した。ヤクルトの優勝マジックは一気に2つ減り「9」となった。 前日の3時間39分に続き、この日は4時間超えの大熱戦となった。阪神は2点ビハインドの4回表の攻撃で先発ガンケルに代わり、代打山本を送った。山本は三塁線を破る二塁打でつなぎ、その後1死満塁から2番中野が同点の2点適時打を中前へ運んだ。さらに1死満塁で大山の三ゴロを村上がトンネル。この間に2人が生還し、阪神が一時逆転に成功した。 阪神はここから継投にスイッチ。前日9日は終盤3イニングを岩崎-スアレスでつなぐ勝負手が成功し逃げ切ったが、この日は中継ぎをつぎ込む作戦が裏目に出た。5回先頭で2番手馬場が塩見にソロ本塁打を浴びると、後を継いだ3番手及川は3連続四死球で無死満塁。ここで代わった4番手小川がオスナに同点の犠飛を許した。 6回に登板した5番手アルカンタラは塩見、山田に適時打を浴び2失点で勝ち越しを許した。一方阪神打線は、ヤクルトが投入した救援陣を打ち崩すことができなかった。

◆ヤクルトは2位阪神に逆転勝ちでマジックを9に減らした。田口が5勝目。阪神は得点圏であと1本が出ず。3連戦を負け越した。

◆主砲を救え! ヤクルトが一枚岩となって、2位阪神に逆転勝ちを果たした。切り込み隊長の塩見泰隆外野手(28)が、2安打2打点1本塁打でけん引。マジックを9に減らした。 4回に隙を突かれた。2点差を追いつかれ、1死満塁のピンチで阪神の4番大山の放った打球が三塁手村上宗隆(21)の正面へ。しかし、両足の間を抜け、2失点。痛恨の失策で勝ち越しを許した村上は表情をゆがめた。2死一、二塁、6番小野寺の打席では三遊間深くに転がった打球を遊撃手元山が捕球し、三塁へ。送球がそれ、タッチアウトを狙ったが、間に合わず内野安打とした。足を伸ばせばフォースアウトになり得た場面。追加点を許さなかったが、動揺がプレーに出た。 全員でカバーする。5回には塩見の13号ソロとオスナの中犠飛で追いついた。6回もつなぎの攻撃。先頭の8番元山が左前打で出塁すると、代打嶋が初球犠打に成功。続く塩見が中越え適時二塁打で勝ち越した。塩見は「嶋さんが一発でバントを決めてくれて、いい流れで打席に入れた。積極的に打つことができた」と喜んだ。1死二塁とし、3番山田も勢いに乗って左前適時打。山田は「チームも自分も楽になった。塩見に感謝です」と仲間を思った。打"線"でつかんだ1勝。試合終了が決まった瞬間、村上はホッとしたような笑顔を見せた。【湯本勝大】

◆2位阪神が首位ヤクルトとの天王山第3ラウンドに敗れ、3連戦を1勝2敗と負け越した。残り11試合で3ゲーム差に開き、ヤクルトの優勝マジックは一気に2つ減り「9」となった。 先発のジョー・ガンケル投手(29)が、3回2安打2失点で降板。中継ぎ陣もヤクルト打線を抑えられず、8回は「勝利の方程式」の岩崎が連投するなど計7人で継投。守護神スアレスもブルペンで準備したが、白星はつかめなかった。 打線は15安打を放って終盤まで好機をつくるも、あと1本が出ず17残塁の拙攻前日9日の3時間39分に続き、4時間19分の大熱戦を落とした。 阪神矢野燿大監督(52)との一問一答は以下の通り ? -あと1本が出なかった 「もちろん、最後もそうやけど前半3回までにちょっと点取りたかったわな。あそこで点取れないのがなかなか、先制されたので。たらればは、いろんなところでフォアボールもいっぱい出しちゃったし。原因はあるわね」 -得点圏であと1本が 「どっちも絡んでるからね。バッテリーだってやらなあかんこと。もちろん、相手がさせてくれないようにはしてくるんだけど、フォアボールも多いし。逆にこっちは踏んばれなかったけど。向こうは踏ん張ったり。そういうのはどっちかだけのことじゃないから」 -先発のガンケルは粘った 「まあでも調子は良くなかったよね。あんまりコントロールもガンケルにしては良くないなっていう感じやったし、球のキレとかもあんまり良くないなっていう。2点先制されたんで、(4回に代打山本を送り)もう勝負行くしかないかなと思って」 -岩崎、スアレスにつなぐリリーフ陣は 「まあまあ、結果やから受け止めなしゃあないし。若いピッチャーも使っているんでね。それはしゃあないけど、まあまあ攻めていった結果なんだけど、フォアボールじゃなんも起こらんから。フォアボールやデッドボールじゃ、やっぱり...それも経験にはなるんだけど。勝負していくっていうこと、もちろんそのつもりでは行ってるんだけど、そういうところはもったいないかなと。打たれたわけではないんでね」 -残り11試合、ここから 「そらもちろん、終わるまでね。ファンの人も最後まで応援してくれる、声掛けももちろんしてくれてるしさ、俺らが諦めるわけはないんで。それは、相手の負けるのを待っててもね、優勝が近づくことはないと思うので、まあ自分たちが、あきらめずに、今までやってきた全員一丸とか、今日もその気持ちは出してくれてるので。そういうものをどう勝ちにつなげていくか、もちろん連勝せなあかんのは分かってるし。もうね、何個も負けられるわけじゃないんでね、そういうところは全員の気持ちで最後まで戦って行きます」

◆ヤクルトは1回1死満塁からオスナの左前適時打で先制。3回は青木が8号ソロを放つ。阪神は3回まで5安打を放つも無得点。 阪神は4回に一挙4得点。ヤクルトは5回、塩見のソロ、オスナの犠飛で同点。6回は塩見と山田の適時打で2点を奪い突き放す。 ヤクルトは2位阪神に逆転勝ちでマジックを9に減らした。阪神は得点圏であと1本が出ず。3連戦を負け越した。田口が5勝目、マクガフが28セーブ目。アルカンタラは3敗目。

◆阪神・佐藤輝明内野手(22)が「7番・右翼」で6日のDeNA戦(横浜)以来、4試合ぶりにスタメン出場する。 黄金ルーキーは5日の同戦で60打席ぶりの安打を記録したが、7日から3試合連続で欠場していた。

◆首位のヤクルトが一回に1点を先制した。相手先発のガンケルを攻め、1死満塁の好機を作ると、オスナが左前適時打を放った。 先発はベテラン左腕の石川。 ◆先制打を放ったオスナ 「打ったのはフォークボールです。最近チャンスでチームに貢献出来ていなかったので何とかランナーを還したかった。先制することが出来て良かったです」

◆ヤクルトは1-0の三回、先頭の青木が初球をたたき、中越え8号ソロでリードを2点に広げた。

◆虎にまだツキは残っている。首位のヤクルトを追撃するためにも、喉から手が出るほどほしかった得点が大山のバットから生まれた。 中野が1死満塁で2点打を放ち、同点とした後の2-2の四回1死満塁。ヤクルト2番手・大西のスライダーを振り抜くと、白球は三塁手の正面へ。万事休すかと思われたが、この打球を村上がトンネルする間に2人の走者がかえり、ラッキーな形で勝ち越しに成功した。 逆転劇の勢いを加速させた中野は「皆さんがつないで作ってくれたチャンスの場面で、何とかしたいという思いだけでした。この回一気に逆転できてよかったです。絶対に勝ちます!」と気合を込めた。劣勢の展開から打線がつながり、チーム一丸で逆転勝利へ突き進む。

◆首位のヤクルトは2-4の五回、先頭の塩見が阪神・馬場からバックスクリーンに13号ソロを放った。この後、阪神3番手の及川が青木に死球、山田に四球、村上に死球と制球難で無死満塁。続くオスナが4番手の小川から中犠飛を放ち、同点に追いついた。 ◆13号ソロを放った塩見 「打ったのはストレートです。力負けしないようにコンパクトに打つことを心掛けて打席に入りました。良い角度で上がってくれました」

◆首位のヤクルトは同点の六回、1死二塁から塩見が中越え適時二塁打を放ち、1点を勝ち越した。なおも1死一、二塁とし、山田が左前適時打で二走・塩見が生還した。

◆首位のヤクルトが逆転勝ち。2位・阪神との天王山3連戦を2勝1敗で勝ち越し、優勝へのマジックナンバーを「9」に減らした。 ヤクルトは効果的に点を重ねた。2-4の五回、先頭の塩見が阪神・馬場からバックスクリーンに13号ソロを放った。この後、阪神3番手の及川が青木に死球、山田に四球、村上に死球と制球難で無死満塁。続くオスナが4番手の小川から中犠飛を放ち、同点に追いついた。 六回は1死二塁から塩見が中越え適時二塁打を放ち1点を勝ち越した。「嶋さんが一発でバントを決めてくれて良い流れで打席に入れた。良い流れだったので積極的に打つことができた」。なおも1死一、二塁とし、山田が左前適時打で二走・塩見が生還した。「塩見がタイムリーを打ってくれてチームも自分も楽になれた。塩見に感謝」とたたえた。

◆阪神は競り負け、首位・ヤクルトとの3連戦を1勝2敗と負け越した。 打線は0―2の四回に1死満塁で中野が中前へ同点の2点打を放った。さらにマルテが四球後、大山の打球を三塁手・村上が後逸。走者2人がかえり、勝ち越しに成功した。その後は好機を作るも、あと一本出ず。15安打を放ちながら、この4得点に終わった。 先発したガンケルは、一回に3四死球と乱れて1死満塁とされるとオスナに先制の適時打。三回には青木にソロを浴びると、四回の攻撃で代打を送られて交代となった。 四回に4―2とリードを奪い、継投策で逃げ切りたかったが五回。四回から登板した馬場が先頭の塩見にソロを浴びる。ここで及川がマウンドに上がるも3四死球で無死満塁とされ、小川に交代。その小川がオスナに同点の中犠飛を許した。 六回は5番手のアルカンタラが安打と犠打で1死二塁とされると、塩見に勝ち越しの適時二塁打。山田にも適時打を許して、万事休すとなった。首位との直接対決でカード負け越しとなり、ゲーム差は3となった。

◆ヤクルトが逆転勝ち。首位攻防3連戦を勝ち越し、優勝へのマジックナンバーを「9」に減らした。2―4の五回に塩見の13号ソロとオスナの犠飛で追い付き、六回に塩見の適時二塁打と山田の適時打で2点を勝ち越した。同点の六回に好救援の田口が5勝目で、マクガフが28セーブ目を挙げた。塩見との一問一答は以下の通り。 --五回に本塁打 「ちょっと上がりすぎて入るかどうか分からなかったけど、伸びてよかった」 --六回に勝ち越し打 「嶋さんが1球で犠打を決めてくれて、いい流れで打席を迎えられた。強い気持ちで1球目から仕掛けていこうという思いで打席に入って、いい結果になった」 --投打がかみ合う 「リリーフ陣ががんばってくれて、打撃陣も打たなきゃいけない。いいゲームだった」 --マジック9 「これからも自分の仕事を全うして塁に出る。これだけを強く思ってがんばっていく」

◆ヤクルトが逆転勝ち。首位攻防3連戦を勝ち越し、優勝へのマジックナンバーを「9」に減らした。2―4の五回に塩見の13号ソロとオスナの犠飛で追い付き、六回に塩見の適時二塁打と山田の適時打で2点を勝ち越した。同点の六回に好救援の田口が5勝目で、マクガフが28セーブ目を挙げた。田口との一問一答は以下の通り。 --六回に好救援 「大事な局面で投げさせてもらっているので、どんな形でもアウトを取る、そういう気持ちで挑んだ」 --ガッツポーズは 「出ちゃいました」 --ブルペン陣の合言葉は 「特にないけど、僕がブルペンに入ったときにいつも『チョリース』とあいさつしながら入っている。それでみんな、笑顔になってくれる」 --マジック9 「まだまだ厳しい戦いが続く。全員で戦っていきたい。最後は最高の報告ができるようにがんばっていく」

◆阪神は5番手のラウル・アルカンタラ投手(28)が六回、塩見と山田に適時打を浴び、勝ち越しの2点を献上。打線は九回2死一、三塁でジェフリー・マルテ内野手(30)が見逃し三振に倒れるなど、15安打&17残塁で12三振の拙攻で敗れた。ヤクルトの優勝マジックは「9」。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ーーあと1本が 「もちろん、最後もそうやけど、前半三回までに点取りたかったわな。あそこで点取れないのがなかなか、先制されたので。タラレバは、いろんなところでフォアボールもいっぱい出しちゃったし。原因はあるわね」 ーー得点圏であと1本 「どっちも絡んでるからね。バッテリーだってやらなあかんこと。もちろん、相手がさしてくれないようにはしてくるんだけど、フォアボールも多いし。逆にこっちは踏ん張れなかったけど。向こうは踏ん張ったり。そういうのはどっちかだけのことじゃないから」 ーーガンケルは粘った(3回2失点) 「でも調子は良くなかったよね。コントロールもガンケルにしては良くない感じやったし、球のキレとか良くないなっていう。2点先制されたんで、もう勝負行くしかないかなと思って」 ーーリリーフ陣 「結果やからしゃあないし。若いピッチャーも使っているんでね。それはしゃあないけど、まあまあ攻めていった結果なんだけど、フォアボールじゃなんも起こらんから。フォアボールやデッドボールじゃ、やっぱり...それも経験にはなるんだけど。もったいなと。打たれたわけじゃないんでね」 ーー残り11試合 「もちろん、終わるまでね。ファンの人も最後まで応援してくれる。声掛けもしてくれてるしさ、俺らが諦めるわけはないんで。それは、相手の負けるのを待っててもね、優勝が近づくことはないと思うので、自分たちが、あきらめずに、今までやってきた全員一丸とか、今日もその気持ちは出してくれてるので。そういうものをどう勝ちにつなげていくか、もちろん連勝せなあかんのは分かってるし。もうね、何個も負けられるわけじゃないんでね、そういうところは全員の気持ちで最後まで戦っていきます」

◆ヤクルトは競り勝ち、2位・阪神との天王山に2勝1敗で勝ち越した。塩見泰隆外野手(28)が五回に1点差に迫る13号ソロを放つと、4―4の六回1死二塁では決勝の適時二塁打を放った。「勝利の方程式」今野龍太投手(26)、清水昇投手(24)、スコット・マクガフ(31)は巨人、阪神と戦った今週の6試合中、5度の登板でチームを救った。 ――粘り強く戦った 「いつも言っていることですけど野手陣も、投手陣もその1点を大事に1つのアウトを大事に本当に粘り強く戦った結果だと思います」 ――阪神との3連戦で勝ち越し 「いい形で先制して中盤でひっくり返されて、そこから本当の粘り、投げる方も打つ方も。何とかピンチはたくさんあったけど、ゼロで帰ってくる。そんなに打てなくても四球でつないでとか、そういう形で点が取れたのは精神論じゃないですけど、すごくみんなの強さを感じました」 ――塩見が1本塁打を含む2安打2打点 「(五回の)本塁打と(六回の適時)二塁打というのがこの試合ですごく大きなポイントだったと思います。彼らしいというか、センターめがけてすごくいい打球がいったのかなと思います。思い切りよくスイングした結果だと思います」 ――塩見の成長 「まだまだ足らないところがたくさんあって、まだまだ修正するところはたくさんあると思います。でも思い切りのあるプレーや打球は人が持っていないものを発揮することがあるので、そこはできるだけ伸び伸び、ただ、しっかりいろいろ教えながらというのは続けていこうと思います」 ――田口が六回のピンチに救援し好投 「きょうは9人ベンチに入れて1人野手が少なかったので、ただ全員使ってでも点を取ってやろうと、全員使ってでも無失点で抑えてやろうと、勝ち切ろうと思ってました。田口があの場面で熱く冷静いい投球してくれたと思います。すごく大きな2死だったと思います」 ――今週は5勝1敗 「ホッとはしていないですけど、何とか乗り切れたのかなという感じはします。また休んで、まだ6連戦あるので今週はよかったとして来週の予習をしたいと思います」 ――選手の頑張り 「すごく疲れていると思います。ただ一生懸命やっている姿は休むか?とも言えないし、変えようとも思わないし、もちろん作戦上、守備(固めを)入れたりというのはあるんですけど、全力でグラウンドに立ってくれた6連戦だと思います」

◆両軍ベンチは最善の手を尽くしたし、選手も一生懸命プレーしていた。これぞプロ野球という素晴らしい試合だ。絶対に負けられなかった阪神としては、再三の好機での有効打が少なかったこと、与四死球が多かったことなど、反省すべき点もあったのは事実だが。 そんな優勝の行方を左右する試合を見て、ヤクルトの方が戦力的に一枚上という印象が強い。スタメンを比較しても、経験のある選手が並ぶヤクルトに対し、阪神は若手に頼らざるを得ないメンバー構成になっていた。 もちろん、矢野監督が若手を中心に戦う理由も分かる。現状を打破するため、若手の力を借りて勢いをつけることが狙いだったはず。佐藤輝は結果を出せなかったが、小野寺は3安打。何とかしようという思いは伝わってくる内容だった。 状況は非常に厳しくなった。ヤクルトとの直接対決残り2試合を再び盛り上げるためにも、目の前の試合を勝っていくしかない。その中で、おそらく若手の起用は続くだろう。経験の少ない選手に、これだけは言っておきたい。失敗してもいい。失敗を恐れないプレーが勢いをつけるし、矢野監督もそれを期待している。(本紙専属評論家)

◆万雷の拍手に負けないような雄たけびを上げた。ヤクルト・田口が六回1死一、二塁で登板。糸井を空振り三振、梅野に四球を与えた後の島田を空振り三振に斬ると、力強く左拳を握った。 「中継ぎの大事な場面で投げさせてもらっているので、とにかく目の前のバッターからどんな形でもアウトを取る気持ちで挑みました」 また、チームのピンチを救った。五回に2点差を追いついた直後の六回。石山が粘りの投球を見せ、代打・糸井の場面でマウンドに上がった。8日の阪神戦(神宮)でも3点リードの七回2死満塁と一発が出れば逆転の場面で登板し、糸井を空振り三振。前日9日を含め3日連続でイニングの途中から登板し、全て無失点に抑えた。 3月に巨人からトレードで加入。移籍時には妻・芽衣さんに「チャンスだから一緒に頑張ろう」と背中を押され、新天地での一歩を踏み出した。優勝争いをするチームに溶け込み、「落ち込んでも楽しくない」とムードメーカーとして盛り上げる。ブルペンに入る際には「チョリース」と言葉をかけ、仲間を盛り上げている。 両軍合わせて計15人の投手起用。8投手を送り出した高津監督は「あの場面で熱く、冷静にいい投球してくれた。すごく大きな2アウトだった」と田口を絶賛した。6年ぶりの優勝を目指す燕の投手陣には、生え抜きのような輝きを放つ頼れる新戦力がいる。(赤尾裕希)

◆殴り殴られ、また殴り、それでも最後は力尽きた。それでも中野のファイターぶりは虎党の心を焦がした。中野が一時同点の2点打を放ち、最後はヘッドスライディング。執念を体で示した。 「みなさんがつないで作ってくれたチャンスの場面で、なんとかしたいという思いだけでした。必死に食らいついていきました」 今季ワーストの17残塁を数えたように得点圏に走者を置きながらも、もどかしい攻撃が続いた。0-2の四回、梅野と代打・山本の連打、近本の四球で1死満塁としたところで打席に立つと、ベテラン石川のシンカーをとらえた。 二遊間への打球に二塁手・山田も飛び込んだが捕れず。中前へと転がり、試合を振りだしに戻した。四回、大山の一時勝ち越し打は三塁手・村上のトンネル。チームでただ一人、打点を挙げたのは新人王候補に名を刻む中野だった。 五回2死一塁では右翼線への二塁打を放つと、九回2死二塁ではマクガフの直球に詰まらされながらも、一塁へのヘッドスライディングで遊撃内野安打。得点にはつながらなかったが、好機を拡大させた。猛打賞は9月11日の広島戦(マツダ)以来、今季10度目だ。 負けられないヤクルトとの直接対決だったが、中野は前日までヒットを1本も飛ばせなかった。今季通算打率・208とセ・リーグ5球団の中で最も苦手とする相手。「最近、全く仕事もできていなかったですし、状態があまり良くない中でも塁に出るというのが大事だと思う。そこはしっかりとできた」。運命のドラフト会議から1年。D6位から虎に欠かせない戦力に成長した〝令和の牛若丸〟は自分の仕事を改めて見つめ直した。 「結果的に勝たないと意味がないので。つながりよく後ろにつなげられるようにやっていきたい」 敗戦の悔しさをにじませた。終わったわけではない。最後まであきらめず、逆転優勝へと突き進む。(菊地峻太朗)

◆ヤクルト・塩見泰隆外野手(28)が10日、阪神23回戦(神宮)で2―4の五回に反撃の13号ソロを放つと、4―4の六回には中堅フェンス直撃の決勝二塁打をマーク。投手陣では田口麗斗投手(26)が六回1死一、二塁で救援登板。無失点で乗り切り、塩見の勝ち越し打につなげた。6-4で競り勝ったチームは優勝へのマジックナンバーを2つ減らして「9」とした。 崩れやすい〝豆腐メンタル〟とはおさらばだ。優勝の行方を争う大一番で、塩見が勢いをもたらした。2―4の四回。ファーストストライクを完璧に捉え、バックスクリーンに運ぶ13号ソロ。快足を飛ばし、あっという間にダイヤモンドを一周した。 「力負けしないように、コンパクトに打つことを心掛けて打席に入りました。いい角度で上がってくれました」 一度、走り出すと止まらない。帝京大時代、時速50キロで走るといわれるイノシシを追いかけ回していた伝説を持つ背番号9は六回にも大仕事。再び初球を完璧に捉え、勝ち越しの適時二塁打を放った。2安打2打点、3得点。緊張感が漂う天王山で大暴れだ。 高い素質を持ちながら、昨季まで1軍では本領を発揮できなかった。「大学時代までは別に重圧もなかったし、普通に打って投げて走って、勝って喜んで、野球が楽しいという感情だけだった」。ただ1軍の舞台では楽しさなどみじんもなかった。 「『2軍に落ちるんじゃないかな』とか、『打てなかったら次の試合に出られないんじゃないか』とか、そういう重圧をすごく感じていました」。本来のプレーができない要因をメンタル面と自己分析した。 打席で自らにかける魔法の言葉がある。「まあ、何とかなるっしょ」「俺なら大丈夫だよ。何とかなる」。メンタルトレーナーのもとを訪れ、過度な重圧をかけず、平常心を意識するようになった。「打ちたいとか、そういう気持ちで打席に入るのではなく、フラットな考え」。今季の躍進は精神面の成長がある。 今季のセ・リーグで2番目に長い4時間19分の激闘を制し、優勝マジックは9に。「本塁打と二塁打がすごく大きなポイントだった。思い切りよくスイングした結果だと思う」と高津監督。スワローズが誇るリードオフマンは重圧のかかる一戦で役割を果たし、鋼のメンタルへ近づいた。(横山尚杜)

◆セ・リーグ首位のヤクルトは10日、阪神23回戦(神宮)に6-4で逆転勝ちし、優勝へのマジックナンバーを9に減らした。11日午後5時から東京都内のホテルで開催される「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」では、1位指名を西日本工大・隅田知一郎(ちひろ、22)、筑波大・佐藤隼輔(21)、三菱重工West・森翔平(23)の左腕3投手に絞ったことが判明。重複した場合は高津臣吾監督(52)がくじ引き役を務める。 ついにリーグ制覇へのカウントダウンが始まった。眼下の敵、阪神との3連戦を2勝1敗とし、ゲーム差を3に拡大。優勝マジックを一桁の「9」に減らした高津監督は戦士をたたえた。 「中盤でひっくり返されて、そこから本当の粘り(を見せた)。そんなに打てなくても四球でつないでとか、精神論じゃないけど、みんなの強さを感じました」 巨人、阪神を神宮に迎えた6連戦で5勝1敗と勝ち越し。最短17日のVにまた一歩近づいた。 勢いに乗るスワローズは11日、ドラフト会議に臨む。3日連続で開いたスカウト会議に出席した高津監督は「(1位指名を)公言しないことにしました。明日(11日)、正式に決定するというところです」と説明した。 昨年まで4年連続で1位指名選手を公表。今年はドラフト会議当日に結論を持ち越したが、1位指名を西日本工大・隅田、筑波大・佐藤、三菱重工West・森の左投手3人に絞ったようだ。 チームは左投手が不足しており、1軍で先発する左腕は41歳の石川と24歳の高橋。今季、1軍で5試合以上に登板した救援左腕は坂本と、先発から救援に回った田口だけだ。 「左腕が補強ポイントであることは間違いない」と球団幹部。昨年のドラフト会議では2度くじを外したが、早大・早川隆久(現楽天)と法大・鈴木昭汰(現ロッテ)の両左腕を1位指名した(3度目の入札で慶大の右腕、木沢尚文を指名)。 左投手の補強は急務で、特に候補に残した3投手は即戦力の期待がかかる。隅田は最速150キロの直球に加え、チェンジアップ、スライダー、カーブ、ツーシームなど多彩な変化球を操る。既に西武が1位指名を公言している好投手だ。 佐藤は最速が152キロの本格派で、スライダーとチェンジアップの精度も高い。今秋の首都大学リーグ戦で右内腹斜筋の肉離れを発症したものの、この日にベンチ入り。投球練習を行って試合に備えるなど、順調な回復ぶりを示した。関大から三菱重工Westに進んだ森も最速150キロの直球を投じ、スライダー、カーブ、チェンジアップを武器に高い奪三振率を誇る。 誰に入札するかは11日に最終決定し、重複した場合は高津監督がくじを引く。「スワローズをぐいぐい引っ張ってくれる選手というのは、どんなポジションでも必要。そういう選手に巡り合えたらなと思います」。2019年に奥川(石川・星稜高)の交渉権を引き当てた指揮官。再びゴッドハンドを発動させる。

◆4時間19分の死闘も...。阪神は今季最後の神宮でヤクルトに4-6で敗戦。15安打を放ちながらも、今季ワーストの17残塁と拙攻で、ヤクルトの優勝マジックナンバーは9となった。虎党から悲鳴の声が飛ぶが、あきらめたらアカン! 奇跡の逆転優勝を見せてくれ! 打てる手も、安打も、続々と打った。だが本塁もVも、向こうからは近づかない。嘆いてもキリがないほどの残塁禍でねじ伏せられて、この敗戦でできることはほぼなくなった。ここであきらめるのか。残すは11戦。矢野監督は言葉を紡いだ。 「もちろん、終わるまでね。俺らがあきらめるわけはないんで。相手の負けるのを待っていてもね、優勝が近づくことはないと思うので、自分たちがあきらめずに、今までやってきた全員一丸とか、きょうもその気持ちは出してくれているので」 総力をぶつけ、今季最長4時間19分に及ぶほど食らいついた。2点を追う九回も2死一、三塁まで追い詰めたが、頼みのマルテが見逃し三振に終わり力尽きる。七回以外の8イニングで計15安打を放ち、そのほぼ全イニングがチャンスだった。にもかかわらず、得点は四回に敵失が絡んで奪った4点だけ。残塁だけがいたずらに増え、1943年に記録した球団ワースト「18」にあと1に迫った。先発のガンケルを3回2失点でスパッと代え、覚悟を持って継投に出たがリリーフ陣も四死球絡みで失点を重ねた。 一歩も引けなかった直接対決3連戦にも負け越し、ヤクルトには3カード連続負け越しで優勝へのマジックナンバーを「9」とされた。ヤクルトが残り14試合を7勝7敗の勝率5割で進めば、阪神が上回るには残り11試合を10勝1敗以上が必要。デッドラインは通り過ぎたかもしれないが、食らいつくのをやめてしまえば、何も残らない。 神宮での今季のレギュラーシーズン最終戦だった。別れ際は、甲子園でのゲームのように虎党たちに深々とお辞儀をした。声を枯らした虎党の一人、千葉県から観戦に訪れていた星侑貴さん(26)=会社員=は「覇気が感じられない。1位のチームとの差を感じます。今後のCS(クライマックスシリーズ)を考えても不安」と嘆いた。ここで簡単にあきらめてしまうのなら、永遠に夢は叶わない。 春先には助っ人陣がそろって好調で、そこに佐藤輝が色を添えて白星を重ねた。ヤクルトにも開幕カードから3カード連続で勝ち越したが、終盤には対照的なチーム状況に陥った。サンズが不振によって2軍へ降格。周りが打つ間はどれだけでも三振できた大物ルーキーも、厳しいプロの攻めに無防備にさらされ続けてボロボロになった。助っ人陣がそろって沈黙したとき、一気に下降してしまうようでは、CSも、来季も変わらない。この先の絶対にあきらめない11戦から、何かを見せていかねばならない。 矢野監督は「もちろん連勝せなアカンのは分かってるし。もうね、何個も負けられるわけじゃないんでね」と言葉をつむいだ。後はない。だが、ファンもあきらめない。(長友孝輔)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
684516 0.602
(↑0.004)
M9
(↑2)
14574
(+6)
460
(+4)
131
(+2)
68
(-)
0.256
(↑0.001
3.340
(↑0.01)
2
(-)
阪神
71547 0.568
(↓0.005)
3
(↓1)
11505
(+4)
492
(+6)
117
(-)
106
(-)
0.247
(↑0.001
3.470
(↓0.03)
3
(-)
巨人
595718 0.509
(↓0.004)
10.5
(↓1)
9513
(+1)
505
(+3)
159
(+1)
65
(-)
0.244
(-)
3.600
(-)
4
(-)
広島
556511 0.458
(↑0.004)
16.5
(-)
12499
(+3)
543
(+1)
109
(-)
59
(-)
0.263
(-)
3.850
(↑0.02)
5
(-)
中日
526716 0.437
(↓0.004)
19
(↓1)
8388
(+1)
454
(+2)
69
(-)
56
(-)
0.239
(↑0.001)
3.250
(↑0.01)
6
(-)
DeNA
516715 0.432
(↑0.005)
19.5
(-)
10528
(+2)
585
(+1)
133
(-)
30
(+1)
0.257
(-)
4.210
(↑0.02)