ヤクルト(★1対2☆)阪神 =リーグ戦22回戦(2021.10.09)・明治神宮野球場=
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阪神
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ヤクルト
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勝利投手:アルカンタラ(3勝2敗0S)
(セーブ:スアレス(1勝1敗39S))
敗戦投手:今野 龍太(7勝1敗0S)
  DAZN
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◆阪神が接戦を制した。阪神は初回、大山の適時打で幸先良く先制する。その後同点とされるも、7回表に島田が適時二塁打を放ち、再びリードを奪った。投げては、2番手・アルカンタラが今季3勝目。敗れたヤクルトは、最終回に一打逆転サヨナラの好機をつくるも、あと1本が出なかった。

◆阪神秋山拓巳投手(30)がヤクルト戦今季初登板。 通算では13勝4敗の好相性で、19年からは9試合で6勝0敗の負け知らず。7連勝で優勝マジックを点灯させたヤクルトの勢いを止められるか。

◆阪神大山悠輔内野手(26)が、先制の左前適時打を放った。 初回1死一、二塁。制球に苦しむヤクルト左腕高橋のチェンジアップを振り抜き、しぶとく三遊間を破った。 「先制のチャンスで、どんな形でもランナーをかえしたいと思って打席に入りました。間を抜けてくれて良かったですし、もっともっと点を取れるようにチーム全体で頑張ります」とコメントした。 大山はこれで10試合連続安打。この間、全試合で4番に座り、4本塁打10打点と役目を果たす。自力V消滅から一夜明け、主将が初回から諦めない姿勢を示した。

◆阪神近本光司外野手(26)が、スーパープレーで逆転のピンチを救った。 1点を先制した直後の1回2死一、二塁。ヤクルト5番オスナの中堅左への飛球を追いかけ、フェンス際でジャンプ一番の"神キャッチ"でもぎ取った。 これには先発秋山拓巳投手(30)もグラブをポンっとたたいて喜び、近本は表情を変えずベンチへ帰った。 阪神の自力V消滅から一夜明けた試合は、初回の攻防だけで34分の熱闘。虎の選手会長が諦めない姿勢を示した。

◆阪神秋山拓巳投手(30)が粘りの投球を見せ、5回5安打1失点に抑えた。 勢いに乗るヤクルト打線を相手に、初回からピンチを背負った。2番青木に右前打を許すと、4番村上に四球を与え2死一、二塁。迎えたオスナの打球は中堅への大飛球となったが、近本がフェンス際で好捕し、味方に救われた。 2回は連打で無死一、三塁とピンチを再び招くも、西浦から3連続三振。3回は先頭の青木に右翼へ二塁打を浴び、そこから1点を失ったが、最少失点で踏ん張った。 4、5回は3者凡退に抑えて、6回からアルカンタラにスイッチ。前夜に絶好調の高橋遥人投手(25)が5回7安打4失点と打ち込まれたショックの中、ここまで10勝の右腕が底力を見せた。

◆「8回の男」阪神岩崎優投手(30)が今季初のイニングまたぎで、気迫の投球を見せた。 いつもの持ち場「8回」より、1イニング早く「7回」にマウンドへ。先頭の青木は痛烈な当たりも一塁手マルテの好捕で一ゴロ。山田から143キロ直球で空振り三振を奪うと、最後は村上も144キロ直球で連続三振。3者凡退と完璧な投球にも顔色一つ変えずに、マウンドを降りた。 8回はオスナを144キロ直球で二ゴロに仕留め、1アウトを奪ったところで守護神スアレスにバトンを渡した。 岩崎は今季登板55試合目で、初のイニングまたぎ。前夜に自力優勝の可能性が消滅し、絶対に負けられない一戦で、クールなセットアッパーが熱い投球を見せた。

◆阪神が首位ヤクルトとの天王山第2ラウンドを制し、連敗を2で止めた。ヤクルトの優勝マジックは「11」のまま変わらず。矢野燿大監督(52)は、就任3年目で監督通算200勝に到達した。 1-1と同点の7回1死二塁。守備から途中出場した島田海吏外野手(25)が、ラッキーなヒットで勝ち越し点を演出した。ヤクルト3番手今野の変化球を引っ張ると、打球は一塁ベースに直撃し、そのまま大きく跳ねて一塁手オスナのグラブの上を抜けた。運を味方につけた適時二塁打が、決勝点となった。 矢野監督の執念継投も実った。本来「8回の男」の岩崎優投手(30)が7回から登板し、8回1死まで打者4人の完璧リリーフ。さらに守護神ロベルト・スアレス投手(30)が後を継ぎ、計1回2/3を投げ抜いた。勝利の方程式の2人が終盤3イニングを担い、負けられない一戦で勝利をもぎ取った。

◆阪神が首位ヤクルトとの天王山第2ラウンドを制し、連敗を2で止めた。ヤクルトの優勝マジックは「11」のまま変わらず。矢野燿大監督(52)は、就任3年目で監督通算200勝に到達した。

◆阪神は1回1死一、二塁から大山の左前適時打で先制。ヤクルトは3回2死一、二塁で、中村が中前適時打を放って追いついた。 ヤクルト高橋は5回3安打1失点、阪神秋山は5回5安打1失点で降板。両軍とも継投に入り、1-1で終盤に突入した。 阪神は7回1死二塁から島田の右前適時二塁打で勝ち越し。連敗を2で止めた。アルカンタラは3勝目、スアレスは39セーブ目。ヤクルトは連勝が7で止まり、10月初黒星。今野は初黒星。

◆阪神島田海吏外野手(25)が、ラッキーなヒットで勝ち越し点を演出した。 1-1の7回1死二塁。ヤクルト3番手今野の変化球を引っ張ると、打球は一塁ベースに直撃し、そのまま大きくはねて一塁手オスナのグラブの上を抜けた。 ベースに当たっていなければ、一ゴロで2死三塁となっていたところ。運を味方につけた適時二塁打で、貴重な1点を挙げた。 試合後ヒーローに選ばれた島田の一問一答は以下の通り。

◆スアレス兄弟の兄アルバート(ヤクルト)が8回表、弟のロベルト(阪神)が8回裏1死から登板。兄弟が敵味方に分かれて同じ試合の同じイニングで投げ合うのは、98年7月16日広島-中日戦の6回に山田勉(広島=兄)と洋(中日=弟)が投げて以来。

◆8回の男と守護神が執念の「ダブル回またぎ」で、阪神が接戦をものにした。 阪神岩崎優投手(30)が、いつもの持ち場「8回」より、1イニング早い7回にマウンドへ。先頭の青木は痛烈な当たりも一塁手マルテの好捕で一ゴロ。山田、村上は直球で連続空振り三振に仕留めた。 8回はオスナを二ゴロに仕留めたところで、守護神ロベルト・スアレス投手(30)にバトンを渡した。 スアレスもわずか6球で2アウトを奪ったが、ピンチは最終回に待っていた。2イニング目の先頭川端を遊撃への内野安打で出すと、1死一塁から塩見の右前打でピンチを広げ、さらに遊撃手山本の失策で1死満塁と絶体絶命の場面。それでもスアレスは冷静に山田を二飛、最後は4番村上を初球の159キロ直球で投ゴロに仕留めた。 岩崎は今季55試合目、スアレスは登板56試合目で、ともにこれが今季初の回またぎ。前夜に自力優勝の可能性が消滅し、絶対に負けられない一戦。クールなリリーフ陣が熱い投球を見せた。

◆阪神の先発秋山拓巳投手(30)が5回5安打1失点と粘りの投球を見せた。「テンポよくゲームを進めることができなかったことは反省ですが、なんとか最少失点でゲームを壊さず次につなぐことはできたと思う」。2回に連打で無死一、三塁のピンチを招くも、西浦から3連続三振。3回は中村に適時打を浴び同点に追いつかれたが、最少失点で踏ん張り勝利につなげた。 矢野監督は「粘り切ってくれるという本当のアキらしさが出たと思う」と右腕をねぎらった。

◆「絶対大丈夫」。ヤクルトが接戦を落とし、連勝が7で止まった。1回に先制を許すも、3回に追いつくロースコアの展開。1-1の7回に今野が3番手でマウンドに上がると、1死二塁で不運に見舞われた。島田の打球は一塁付近に転がりベースに直撃。オスナは捕球できず、二塁走者の勝ち越し生還を許した。9回に1死満塁の好機をつくったが山田、村上が凡退。アンラッキーな一打が決勝打となったが、高津監督は「しょうがない。全力で戦った結果」と切り替えた。 前日8日にマジック11が点灯。この日減らすことはできなかったが仕切り直すだけだ。今、選手たちのヘルメット裏には「絶対大丈夫」という"スローガン"が貼られている。高津監督がナインに向けた言葉をステッカー化したものだ。指揮官は「強い気持ちを持って前向きな姿勢で、毎日グラウンドに立っているのは確か」と言った。6年ぶりの優勝へ、やってきたことを信じてプレーすれば、結果はついてくる。 ヤクルト中村(3回2死一、二塁で一時同点の中前適時打)「初回からチャンスは作れているが、得点ができていなかったので、なるべく早く取り返したかった。松元コーチのアドバイスで打つことができた」 ヤクルト高橋(先発して5回3安打1失点)「守備からリズムを作って攻撃につなげたかったが、全体的に力みがあり、ボールを操ることができなかった。なんとか5回までは投げられたが、中継ぎの方に申し訳ないです」

◆阪神ロハスが勝ち越し機をお膳立てした。7回、先頭で迎えた第3打席。ヤクルト今野の6球目のカーブを捉え、右前打に。「チームのみんなでタフなゲームを耐えながら終盤を迎えていたし、あの場面で自分に求められている役割を理解して、しっかりコンタクトして強い打球を打つことに集中していたよ」。そこまで2打席連続三振だったが、勝負どころで力を発揮。「チームみんなでつかんだ勝利だね」と喜んだ。

◆阪神が執念の「ダブル回またぎ」で、首位ヤクルトとの接戦をものにした。 「8回の男」岩崎優投手(30)が7回からマウンドに上がり、1回1/3を無安打無失点。守護神ロベルト・スアレス投手(30)も8回1死から前倒しで登板し、1回2/3を2安打無失点に抑えた。 決勝打は島田海吏外野手(25)。1-1と同点の7回1死二塁で、ヤクルト今野の変化球を引っ張った打球が一塁ベースを直撃。そのまま大きく跳ねて一塁手オスナのグラブの上を抜け、勝ち越し適時二塁打となった。 阪神矢野燿大監督(52)の一問一答は以下の通り -最後しびれる場面でスアレスが 「いやいや、ずっとしびれてるよ」 -走者を出しながらもしっかりと抑えた 「いやいやもう任せるしかないんで。それが信頼関係でね。今までやってくれているんで。全て受け入れるという気持ちで送り出しているんで」 -岩崎もまたいで 「だからスクランブルで、あの3回をどう行くかというのを考えていたんでね。(岩崎)優もぴしゃっと行ってくれたんで、いい流れでバトンを渡してくれたかなと思います」 -8回1死で迎えた中村からスアレスだったのは 「まあ、どこで代えるかねえ。2イニングとなれば球数的にどうかということもあるし、どこで行くかというのはなかなか難しかったんやけど、1人取れたところでスアちゃんにスイッチしようかなと決めていたんで」 -先発の秋山が粘った 「アキが結果的になあ。ピンチ、ピンチ、ピンチやったし、球数も使ったけど、粘ってくれたおかげで5回まで行ってくれたし、あれがなかったら序盤でやられていた可能性も高かったんで。アキらしく、本当に状態も今日はあまり良くなかったと思うけど、その中で粘り切ってくれるという本当のアキらしさというのが、そういうところにも出たと思う」 -坂本が引き出した部分も 「うんまあ、誠志郎ももちろん攻走守、打つこともアピールしたいやろうけど、1番は守りでどうアピールするかということに、本人も意識はそこに向いていると思うし。こっちとしてもそういうところで頑張ってくれと送り出しているんで、そういうところでは投手に意識高く、試合中も守っている時もジェスチャーの声も含めて、そういう意識をしっかり持ってやってくれたおかげかな」 -7回はロハスが先頭で出て、島田がいい仕事 「はねてラッキーな部分はあったけど。本当にあいつも打撃の内容自体も、最後の(ヤクルト5番手)田口にしたってしっかりついていけてるし、本当にこう、もっと貪欲になってもらいたいし、ああいうところでまた、1本のヒットがアイツの自信になってね、どんどん成長していく可能性を持ってる選手なので、ああいう選手がいてくれるっていうのは、足でも勝負できるし、打つ方でもね、勝負していけるような形になりつつあるんでね、本当に自信持ってどんどんチャレンジしてもらえたらなと思います」 -大山が先制適時打 「そうやね。ここにきて悠輔もいいヒットが多くなってきてるし、もちろん打点を挙げてもらうバッターなので、まあ、もうちょっと不安定なところでもう1点欲しかったけれど、まあ、そこでまず悠輔が行ってくれたっていうのは大きいし、残り試合少ないけど、やっぱり回ってくるんで悠輔に、打って勝たせたという打点を挙げてもらえたらと思います」 -2軍がファーム日本一に 「すごい試合してたね。結果しか見ていないけど。ファームも18連勝? やったっけ。シーズン中は。本当にすごい試合して、本当に平田さん含めてファームのみんながそうやってやってくれたおかげで、9回諦めずに、もちろん全員でやれた野球ということで、そうなれたと思うんでね。そういう気持ちというのは1軍、2軍、じゃなくてね。タイガースとして大事にしていきたいところなんでね。ファームからこっちに来る選手が出てくる可能性もあると思うし、勝負事は負けていいということはないんで、素晴らしい日本一だと思います」

◆阪神の4番大山悠輔内野手が初回に先制適時打を放ち、前日8日の敗戦のショックを吹き払った。制球が定まらず高めに浮き苦しんでいたヤクルト先発高橋を攻め1死一、二塁のチャンスをつくると、背番号3は低めチェンジアップにうまくバットを引っ掛ける技ありの打撃で左前へはじき返した。 「先制のチャンスで、どんな形でも走者をかえしたいと思って打席に入った。間(三遊間)を抜けてくれてよかった」。9月29日広島戦から10試合連続安打となった。この間すべて4番に座り、打線の中心として引っ張っている。 矢野監督も「ここに来て悠輔(大山)もいい安打が多くなってきている。そこ(初回)でまず悠輔がいってくれたっていうのは大きい」と、しびれる優勝争いの10月に復調してきたことを喜ぶ。10月は8試合で打率3割5分5厘、4本塁打、8打点と頼もしい。 残り12試合。まだ首位ヤクルトとの直接対決も3試合を残す。指揮官は「残り試合少ないけど、やっぱりそこ(好機)に回ってくるんで、悠輔が『打って勝たせた』という打点を挙げてもらえたら」と、逆転Vという劇的ドラマの主役になることを期待した。【石橋隆雄】

◆阪神のラウル・アルカンタラ投手(28)が1回を無失点で切り抜け、中継ぎでは初となる3勝目を手にした。 同点の6回に2番手で登板。2死から西浦に右前打を浴び、代打宮本に四球を与え一、二塁を招いたが、塩見をスプリットで空振り三振に仕留めた。「すごく大事な場面で監督が信頼して送り出してくれたから、なんとかその信頼に応えて、いい状態で次のピッチャーにつなぎたいという思いだったよ」。前カードDeNA戦では6、7日と連投し、ともにホールドを記録。リーグ終盤戦に入ってブルペンでの存在感が増している。

◆努力を重ねた男に、野球の神様がほほ笑んだのかもしれない。阪神島田海吏外野手(25)が、ラッキーなヒットで決勝点を演出した。 1-1の7回1死二塁。カウント2-2から3番手今野の変化球を引っ張った。一塁へのゴロに、心の中は「うわっやってしまった...」。そう思った直後、打球は一塁ベースを直撃。大きくはねて一塁手オスナのグラブの上を抜けた。 「ベンチの思いとファンの方の声援がああいう打球を生んでくれたと思います」。ベースに当たっていなければ、一ゴロで2死三塁となっていたところ。運を味方につけた適時二塁打は、値千金の一打となった。 2軍スタートの今季、鳴尾浜球場で毎日といっていいほど、平田2軍監督に言われてきたことがある。「上でやるために、今ここでしっかり力をつけているんだぞ」。その言葉に応えるように、2軍では打率3割4分4厘と打ちまくった。「そういう教えでやってきたことが、少しずつですけど、発揮できているのかなと思います」。ともに戦ってきた仲間のファーム日本一の朗報も力になったはずだ。 ラッキーボーイの一打に矢野監督は「ああいう1本のヒットがアイツの自信になってどんどん成長していく可能性を持っている。足でも勝負できるし、打つ方でも勝負していけるような形になりつつあるんで、どんどんチャレンジしてもらえたら」とさらなる成長を期待した。主力も伏兵も関係なしに、負けられない日々を戦い抜く。【中野椋】

◆これが奥の手のスクランブル方程式や! 2位阪神が1点を勝ち越した直後の7回からセットアッパー岩崎、8回途中からスアレスを投入。ともに今季初めての「ダブル回またぎ」で終盤3回を2人で逃げ切った。首位ヤクルトの連勝を7で止め、矢野監督は監督通算200勝となった。2軍は9回の逆転劇でファーム日本一。1軍も逆転優勝を諦めず、2ゲーム差のツバメの尻尾を追い続ける。崖っぷちで踏ん張った。1点リードの9回2死満塁。守護神スアレスが初球159キロの内角球で4番村上を詰まらせた。投前に転がったゴロを大事にキャッチして一塁送球アウト。3時間39分の激闘を決着させた。川端、塩見のヒットから途中出場の遊撃山本が青木の打球をファンブル。すべての塁が埋まった絶体絶命のピンチから脱出した。最後はしびれる場面だった...。そんな質問に矢野監督はツッコミを入れた。 「ずっとしびれてるよ! もう任せるしかないんで。それが信頼関係。今までやってきているんで、すべて受け入れるという気持ちで送り出している」 激しくタクトを振るった。1点を勝ち越した7回。断を下した。「8回の男」岩崎を7回のマウンドに送り込んだ。青木、村上と怖い左打者が打席に立つイニングで頼れる左腕を前倒し登板。7日DeNA戦で温存し、前日8日ヤクルト戦で登板機会がなかったセットアッパーは、注文通りに青木を一ゴロ。続く山田、村上を2者連続の空振り三振に仕留めた。指揮官は8回にためらいはなかった。 「スクランブルであの3回を2人でどういくかということを考えていた。優(岩崎)もピシャといってくれたんで、いい流れでバトンを渡してくれた」 岩崎を続投をさせ、先頭オスナを二ゴロに仕留めると、イニング途中のここで守護神スアレスにスイッチ。終盤の3イニングを絶対的な2人で抑え込んだ。岩崎は55試合目、スアレスは56試合目でともに初めてイニングをまたぐ「ダブル回またぎ」。絶対に負けられない一戦でリミッターを解除。奥の手とも言える決死リレーでつないだ。 約6時間前には神宮から遠く離れた宮崎で2軍がファーム日本選手権に臨み、ロッテを下した。若虎が終盤に見せた逆転劇に矢野監督も熱くなった。 「9回に諦めずに、もちろん全員でやれた野球。そういう気持ちは1軍だから、2軍だからじゃない。タイガースとして大事にしてきたところ」 前日8日には自力優勝の可能性が消滅。これで首位ヤクルトと2ゲーム差に縮まったが、逆転優勝が険しいことに変わりはない。もがいて歯を食いしばって勝利をつかむしか、道は開けない。最後の最後まで諦めない。矢野虎の明日なき戦いが続く。【桝井聡】 ▼阪神岩崎 絶対に勝たないといけないんで。そういう気持ちでした。ゼロで良かったです。やっぱりしっかり目の前の試合を取れるように、貢献できるように、いい投球できるように。それだけじゃないですか。 ▼阪神スアレス セーブも取れて良かったし、チームもいい状態でつないでくれたので、自信を持って投げるだけだったよ。しっかり明日の準備をするために、今日しっかり休んで、明日どこでも行ける準備をしたいなと思うよ。 ▼阪神坂本 昨日やられて、やられっぱなしでは、全然まだ何も終わったわけではない。ピッチャーにもすごい大変というか、きついことも要求したんですけど、みんな応えてくれて最後、いい形になって良かったなと思います。

◆阪神が一回に大山星翔に内野手(26)が適時打を放って先制に成功した。先頭の近本が四球。1死後、マルテも四球を選んで一、二塁と好機を作ったところで4番が打席に立った。 カウント1―0から高橋の低めの球をバットの先ながらも捉えて三遊間を抜ける左前適時打。大山はこれで10試合連続安打を記録した。8日の同戦に敗れて自力優勝が消滅したが、この日は幸先よく1点を奪った。 ◆先制打を放った大山 「先制のチャンスで、どんな形でもランナーをかえしたいと思って打席に入りました。間を抜けてくれて良かったですし、もっともっと点を取れるようにチーム全体で頑張ります」

◆首位のヤクルトは1点を追う三回2死一、二塁で6番・中村が相手先発の秋山から中前適時打を放ち、同点に追いついた。 チームは7連勝中。この日の先発は左腕・高橋で、三回まで1失点。 ◆三回に同点打を放った中村 「打ったのはカットボールです。初回からチャンスは作れているが得点が出来ていなかったのでなるべく早く取り返したかったです。松元コーチのアドバイスで打つ事が出来ました」

◆先発した阪神・秋山拓巳投手(30)は5回5安打1失点で降板した。 1―0の一回は1死から青木に右前打。山田を三ゴロの後、村上に四球で2死一、二塁とされたが、オスナの打球を近本の好守もあって中飛に打ち取った。二回は無死一、三塁のピンチも西浦、高橋、塩見と三者連続三振でゼロに抑えた。 三回に先頭の青木に右翼線への二塁打を許すと1死後、村上にカウント3―0となったところで申告敬遠で1死一、二塁。オスナは左飛に打ち取るも、続く中村に同点の中前適時打を浴びた。さらに、サンタナに四球で2死満塁とされたが、西浦を左飛に料理して最少失点で切り抜けた。 三回まで毎回得点圏に走者を許したが四、五回はともに三者凡退。87球を投げたところでアルカンタラに交代となった。

◆阪神が島田海吏外野手(25)の適時二塁打で勝ち越しに成功した。1―1で迎えた七回。先頭のロハスが右前打を放つと、坂本が投前犠打で1死二塁とした。ここで六回の守備から出場していた島田が打席へ。ヤクルト・今野に対してカウント2―2から外角の球を引っ張った。 打球は一塁線へ転がると、途中でバウンドが変わり、一塁・オスナが捕球できず。そのまま右翼線へ転がり、二塁から代走・熊谷が生還した。

◆首位のヤクルトは競り負け、連勝は7でストップした。優勝へのマジックは11のままで、2位・阪神とのゲーム差は2となった。先発の左腕・高橋は一回は制球が乱れ先制を許したが、5回3安打1失点と試合をつくった。打線は三回2死一、二塁で6番・中村が相手先発の秋山から中前適時打を放ち、同点。しかし、七回に今野が島田に一塁線に適時二塁打を許し、1点を勝ち越され、今季初黒星(7勝)。打線は九回に1死満塁の好機を作ったが、山田、村上が凡退した。

◆阪神がヤクルトに2―1で競り勝った。打線は一回1死一、二塁で大山が左前適時打で先制。1―1の七回は1死二塁から途中出場の島田が今野から右翼線への適時二塁打を放って勝ち越しに成功した。 先発の秋山は粘り強い投球で5回を5安打1失点に抑えると、そこから継投策。六回はアルカンタラが無失点に抑えると、七回はセットアッパーの岩崎がマウンドに上がった。 三者凡退に抑えると八回も続投し、先頭のオスナを二ゴロに打ち取ったところで、守護神・スアレスにスイッチ。後続を2人で断つと、九回は1死満塁とピンチを背負ったが無失点に抑えて1点リードを守った。

◆阪神は途中出場の島田海吏外野手(25)が七回1死二塁で、一塁線を破る適時二塁打を放ち、勝ち越し。投手陣は岩崎優投手(30)が七回から1回1/3を無失点。バトンを受けたロベルト・スアレス投手(30)がイニングまたぎの九回に1死満塁のピンチを迎えたが逃げ切った。 ヒーローインタビューで島田は「これ以上ない場面だったので、自分で絶対に、このランナーを返す気持ちで、バットを振り抜きました。苦しい状況がすごい続いていますけど、下を向いている選手は誰ひとりいないので、ファンの方と一緒に勝利に向かって、頑張っていければと思います」と語った。最後は「チーム全員、ひとつになって、明日もヤクルトを倒したいと思います」と必勝を誓っていた。

◆ヤクルトは打線がふるわず、連勝が「7」でストップした。先発した高橋奎二投手(24)は一回に先制を許したが5回3安打1失点の好投。だが、打線は三回に中村悠平捕手(31)が放った中前適時打の1点のみだった。高津臣吾監督(52)の主な一問一答は以下の通り――九回は1死満塁の好機をつくった 「3、4番(山田、村上)だったのでしようがないですね。全力で戦った結果だと思います」 ――あすにつながる攻撃 「欲を言えば一本打ってほしかったなと思いますけどね。向こうも抑えが出てきているので、そう簡単ではないと思いますけど」 ――高橋が5回1失点 「力みもあったでしょうしね。緊張もあったでしょうし、ちょっとストライク、ボールがはっきりしていたかなという気はします」 ――五回で交代 「球数もいい感じできたので、あとは救援の勝負だと思っていたのであそこで代えました」 ――4連投していた清水はベンチ外 「あす以降のことを考えてですね」 ――あすへ向けて 「今週、あすで最後の試合でね、非常によく粘って頑張ってというところ。最後もう1試合、是非勝ちたいと思います」

◆阪神は1点リードの九回、イニングまたぎとなるロベルト・スアレス投手(30)が1死満塁のピンチを招いたが山田、村上を抑えて逃げ切った。途中出場の島田海吏外野手(25)の二塁打で挙げた勝ち越し点を七回から岩崎優投手(30)とスアレスの2人でしのぎ、3年連続のヤクルト戦勝ち越しを決めた。通算200勝となった矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ーー最後しびれる場面でスアレスが 「いやいや、ずっとしびれてるよ」 ーー走者を出しながらも抑えた 「もう任せるしかないんで。信頼関係でね。今までやってくれているんで。全て受け入れるという気持ちで送り出しているんで」 ーー岩崎もまたいで 「だからスクランブルで、あの3回でどういくかというのを考えていたんでね。優もぴしゃっといってくれたんで、いい流れでバトンを渡してくれたかなと思います」 ーー(八回一死の)中村からスアレスだったのは 「どこで代えるかねえ。2イニングとなれば球数的にどうかということもあるし、難しかったんやけど、1人取れたところでスアちゃんにスイッチしようかなと決めていたんで」 ーー秋山が粘った(5回1失点) 「結果的になあ。ピンチ、ピンチ、ピンチやったし、球数も使ったけど、粘ってくれたおかげで5回までいってくれたし、あれがなかったら序盤でやられていた可能性も高かったんで」 ーー坂本が引き出した部分も 「誠志郎も攻走守、打つこともアピールしたいやろうけど、1番は守りでどうアピールするかということに意識は向いていると思うし。こっちとしてもそういうところで頑張ってくれと送り出しているんで、投手に意識高く、守っている時もジェスチャーの声も含めて意識をしっかり持ってやってくれたおかげかな」 ーー七回はロハスが出て、島田が良い仕事 「はねてラッキーな部分はあったけど。本当にあいつも打撃の内容自体も、最後の田口にしたってしっかり付いていけてるし、もっと貪欲になってもらいたいし、ああいうところでまた、1本のヒットが自信になってね、どんどん成長していく可能性の持ってる選手なので、ああいう選手がいてくれるのは、足でも勝負できるし、打つ方でもね、勝負していけるような形になりつつあるんでね」 ーー大山が先制タイムリー 「ここにきて悠輔もいいヒットが多くなってきてるし、打点を挙げてもらうバッターなので、もうちょっと不安定なところでもう1点ほしかったけれど、まあ、そこでまず悠輔がいってくれたのは大きいし、残り試合少ないけど、やっぱりそこにまわってくるんで悠輔に、打って勝たせたという打点を挙げてもらえたらと思います」

◆阪神・矢野耀大監督(52)は試合後、デーゲームのファーム日本選手権で、3ー2でロッテに逆転勝利を収めて、日本一に輝いた2軍について言及した。 九回に3点を奪った攻撃に「すごい試合してたね。結果しか見ていないけど。ファームも18連勝? やったっけ。シーズン中は。本当にすごい試合して、本当に平田さん含めてファームのみんながそうやってやってくれたおかげで。九回、あきらめずに、全員でやれた野球ということで、そうなれたと思うんでね」と粘りの姿勢を賞賛。「そういう気持ちは1軍だから、2軍じゃなくてね。タイガースとして大事にしていきたいところなんでね。ファームからこっちに来る選手が出てくる可能性もあると思うし、勝負事は負けていいということはないんで、素晴らしい日本一だと思います」と語っていた。

◆この試合を絶対に勝つ、という執念の采配だった。七回から岩崎とスアレスに任せ、しかも、2人ともイニングまたぎとは驚いた。矢野監督のメッセージは選手たちに必ず伝わったはずだ。 昔の中継ぎ投手であればロングリリーフは当たり前。しかし、今は分業制が確立している。異なる舞台設定や球数など、不安はあっただろうが、球速も切れもあった2人の内容を見れば意気に感じているようだった。しかも山田、村上、オスナのクリーンアップを試合を通じて無安打に抑えたのも大きなポイントだ。 この時期は勝つことがすべてだが、一つ疑問に思ったのは九回の攻撃。木浪が出て、熊谷が送る。続く坂本(三邪飛)に代打を送る手はなかったか。そして2死二塁で相手が左腕の田口を投入したが、左の島田がそのまま打席に立ち、遊飛。投手で奥の手を出しているだけに、もう1点を取りにいくことも有効だったのではないだろうか。 勝負手は繰り返して使えるものではない。逆転優勝へ、どう青写真を描いているのか。仕掛けどころに注目したい。(本紙専属評論家)

◆阪神・秋山は5回5安打1失点と粘りの投球で試合を作った。「テンポよくゲームを進めることができなかったことは反省ですが、なんとか最少失点でゲームを壊さず次につなぐことはできた」。三回に中村に同点打を許したが、勝ち越しのホームは踏ませず。リーグトップタイの11勝はならなかったが、矢野監督は「状態もあまり良くなかったと思うけど、その中で粘ってくれるというアキ(秋山)らしさが出た」と評価した。

◆4試合連続でスタメン出場した阪神・ロハスは島田の決勝打の起点となった。「あの場面で自分に求められている役割を理解して、しっかりコンタクトして強い打球を打つことに集中していたよ」。2打席連続三振で迎えた七回の第3打席。先頭で今野のカーブを右前へ運んで3試合ぶりの安打で出塁。代走が送られて交代したが、直後にタイムリーが出て勝利し「みんなでつかんだ勝利だね」と喜んだ。

◆六回から2番手で登板した阪神・アルカンタラはピンチを招きながらもゼロで抑えて岩崎にバトンをつないだ。「大事な場面で監督が信頼して送り出してくれたから、なんとかそれに応えて良い状態で次のピッチャーにつなぎたいという思いだった」。2死から安打と四球で一、二塁とされたが、最後は塩見をスプリットで空振り三振に斬った。これで登板6試合連続無失点と安定感が増している。

◆九回先頭で代打出場した川端が、遊撃への内野安打を放ち、今季の代打安打が「26」。1969年の東映・三沢今朝治と並ぶ歴代2位となった。「正直あまり個人のことは考えてない。チームの価値ある一打を打ちたい」と話していた33歳。2007年にヤクルト・真中満(本紙専属評論家)がマークした歴代1位の31安打まで5本に迫った。

◆前夜の自力優勝消滅のショックを、阪神・大山が一回の先制タイムリーで振り払った。主砲の意地が連敗中だった虎を目覚めさせ、シビれるような試合展開を競り勝った。 「先制のチャンスで、どんな形でもランナーをかえしたいと思って打席に入りました。(野手の)間を抜けてくれてよかった」 0-0の一回。先頭の近本が四球を選び、1死後にマルテも四球で出塁。一、二塁から背番号3がヤクルト先発・高橋のチェンジアップをはじき返し、しぶとく三遊間を抜いた。先制の左前適時打で今季の自身最長を更新する10試合連続安打とし、四回にも左前打で28度目の複数安打をマークした。 8月は月間打率・196と苦しんだが、9月は同・313と復調。しかも今月に入ってからは全8試合で打率・355(31打数11安打)、4本塁打、8打点とさらに状態をあげてきた。矢野監督も「ここにきて悠輔(大山)もいいヒットが多くなってきてるし、もちろん打点を挙げてもらうバッターなので。残り試合少ないけど、悠輔に、打って勝たせたという打点を挙げてもらえたら」とさらなる期待を込めた。 この日の2安打で、対ヤクルト戦は打率・329に上昇。4本塁打もチーム別でトップタイだ。この先も覇権を争うライバルを得意にしているのも心強い。大山のバットから、奇跡のような逆転Vへの道を切り開く。(新里公章)

◆勝利への執念が奇跡を起こした。だれもがアウトになると思った打球はまさかのベース直撃。バウンドが変わり、そのまま右翼線を抜けていった。阪神・島田が試合を決める勝ち越し打。両手を力強く、ギュッと握った。 「打った瞬間、『うわ、やってしまった』と思ったんですけど。でも、ベンチの思いとファンの方の歓声がああいう打球を生んでくれた」 六回の守備から出場。1―1の七回、ロハスの右前打、坂本の投前犠打で1死二塁の好機で打席に立った。カウント2―2からの5球目。今野のカットボールを引っ張った。一塁正面のゴロとなったが、打球はベースに当たり、大きく跳ねて一塁・オスナが捕れず。運も味方につけた決勝の適時二塁打となった。 打球が一塁ベースに当たるラッキーな殊勲打となった 「執念を込めることができたというか、諦めていなかったので、追い込まれてもどんな形でもいいからという思いが強かった。その思いが伝わってくれた打球かな」 ここまでの1軍出場は45試合。2軍暮らしが続く中、平田2軍監督からは「上(1軍)でやるために今ここでしっかり力をつけているんだぞ」と毎日のように口酸っぱく言われた。 課題の打撃では楽天・銀次のように追い込まれても食らいつく姿勢を参考にし、ウエスタンでは打率・344の成績を残して1軍昇格。2軍が日本一になった日に1軍で勝利に導く一打を放ち、「『絶対に上でやってやるんだ』という気持ちでやってきたことが、少しずつ発揮できているかな」とうなずいた。 ラッキーな勝ち越し打に矢野監督は「1本のヒットが自信になって、どんどん成長していく可能性の持っている選手。足でも勝負できるし、打つ方でも勝負していけるような形になりつつある。自信もってどんどんチャレンジしてもらえたら」と成長に期待を込めた。 「下を向いている選手は誰ひとりいないので、ファンの方と一緒にこれからも勝利に向かって頑張っていければ。チーム全員一つとなって、明日(10日)もヤクルトを倒したいと思います」 神宮の虎党に向けて力強く言い切った島田。逆転Vへのラッキーボーイとなる。(菊地峻太朗)

◆逆転サヨナラの絶好機を生かせず、連勝は7で止まった。優勝へのマジックナンバー11を減らせず、ヤクルト・高津臣吾監督(52)は「3、4番だったのでしようがないですね。欲を言えば一本打って欲しかったなと思うが、向こうも守護神が出てきているので、簡単ではない」と切り替えた。 1―2の九回は抑えのスアレスを攻め立て、代打・川端、塩見の安打などで1死満塁。一打サヨナラの場面だったが、3番・山田が二飛に倒れると、4番・村上も初球を打ち損じて力ない投ゴロに倒れた。だが、阪神の絶対的守護神を土俵際まで追い詰めた。 連勝こそ止まったが、戦いの『型』は見せた。先発の高橋はボールが荒れながらも要所を締め、5回3安打1失点。七回に登板した今野が1死二塁から島田にゴロを打たせたが、一塁ベースに当たって適時二塁打となる不運な失点。それでも石山、スアレス、田口は無失点で九回の反撃につなげた。 10日の天王山3戦目は、8試合連続で5回以上を2失点以下と安定感抜群の41歳石川が先発する。「今週は非常によく粘って頑張っている。最後もう1試合、是非勝ちたいと思います」と前を向いた指揮官。ここまで来れば、後ろは振り返らない。勝負の6連戦を勝利で締めくくる。(横山尚杜)

◆絶体絶命しのいだ!! 阪神は首位ヤクルトに2-1で競り勝ち、連敗を2で止めた。九回、守護神のロベルト・スアレス投手(30)が1死満塁の大ピンチで3番・山田、4番・村上を抑えた。七回からは岩崎優投手(30)が登板し、2人そろって今季初のイニングまたぎ。負ければ優勝が絶望的となる中、執念星をつかみ取った。 2-1の九回1死満塁。絶体絶命のピンチで山田&村上を打ち取ると虎の絶対的守護神、スアレスは大はしゃぎすることはなく表情を引き締めた。負けられない一戦。岩崎とともに今季初めてイニングをまたいで登板。二人三脚で執念星をチームにもたらせた。 「もちろん、自信を持って投げるだけだったので。セーブもとれたのでよかったですし、チームもいい状態でつないでくれたので自信を持って投げるだけでした」 七回から登板した岩崎のバトンを受けて、八回1死からマウンドへ。試練は九回に訪れた。先頭・川端の遊撃へのゴロは間一髪セーフ。矢野監督がリクエストしたが判定は覆らず。1死後、アンラッキーは続いた。塩見の打ち取った打球が右前にポトリ。さらに、青木の遊ゴロを山本が後逸し、1死満塁。矢野監督は「もう任せるしかないんで。それが信頼関係。でも、ずっとしびれていたよ」とベンチで祈る思いだった。 それでも、スアレスは心配無用とばかりに、山田を158キロのツーシームで二飛に。最後は燕の大砲、村上に力勝負を挑んだ。初球。渾身の158キロの直球でどん詰まりの投ゴロに抑えてゲームセット。リーグ断トツの39セーブ目をつかみ、大山らナインが笑顔で駆け寄ってくると、やっとはにかんだ表情をみせた。 優勝するために阪神に残った。移籍1年目の昨季、最優秀救援賞のタイトルを獲得。小さいころからの夢だったメジャー移籍を視野に入れたが、「タイガースに残って、いっしょに優勝を目指そう」と指揮官に懇願されて、虎残留を決断した。2016年、ソフトバンクに入団し、来日6年目。日本語も上達し、秋山や西勇ら投手陣と日常会話ができるレベルまで上達。トレーニング論を熱く語る光景とともに今季加入したアルカンタラとランニングをするのが日課だ。「このメンバーで優勝をしたいんだ」。思いはそれだけだ。 この日は執念のリレーが光った。2-1の七回から岩崎が登板。三者凡退に打ち取ると、八回もマウンドに上がり、先頭・オスナを二ゴロで打ち取ってお役御免。1死からスアレスにバトンを渡し、ラスト3回を2人が務めた。負ければヤクルトの優勝マジックは11から一桁の9となっていた大事な試合で、岩崎&スアレスが力を合わせた。 就任3年目で通算200勝を達成した矢野監督は「スクランブルで、あの3回(七回から)でどういくかというのを考えていた。(岩崎)優もピシャっといってくれて、いい流れで(スアレスに)バトンを渡してくれたかなと」と興奮気味。3年連続のヤクルト戦シーズン勝ち越しを決め、ゲーム差を2に縮めた。 「明日の準備するために、今日はしっかり休んで、明日どこでもいける準備をしていきたい」 スアレスは最後までクールだった。ネバーギブアップ。残り12試合。逆転Vのためなら連投も歓迎だ。(三木建次)

◆のこった! のこった! わが阪神タイガースが土俵際のこったァ!! 若虎、島田の決勝タイムリーは一塁ベースに当たったラッキーなものだったけど、ここから猛虎が逆転Vで日本一になったら1985年のバース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発のように「あの一打が虎の歴史を変えた」の伝説になるのだ!! 九回1死満塁、絶体絶命で1点でも奪われたら虎のペナントレースは終幕...、の大ピンチに燕の顔山田、村上を斬ったスアレスさま~。もう体中が感動でビリビリとしびれたでェ!! さあ、天王山の第3戦。矢野監督に、ここにきてだけど、お願いでーす!! 貧打は急に変わらないだろうから、確実なバント策を優勝用に使いましょうよ(例えば本日の三回無死一塁で中野にそのまま打たせてゲッツーの場面とか...)。 そうです、昼間は弟の虎(2軍)がファーム日本選手権で日本一に輝きました!! 九回、0-2をひっくり返しての頂点! これって追い詰められた1軍の奇跡の逆転Vの予告編としか俺には思えないのだ!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
674516 0.598
(↓0.006)
M11
(-)
15568
(+1)
456
(+2)
129
(-)
68
(-)
0.255
(↓0.001)
3.350
(↑0.01)
2
(-)
阪神
71537 0.573
(↑0.004)
2
(↑1)
12501
(+2)
486
(+1)
117
(-)
106
(-)
0.246
(-)
3.440
(↑0.02)
3
(-)
巨人
595618 0.513
(↓0.005)
9.5
(-)
10512
(+1)
502
(+7)
158
(+1)
65
(-)
0.244
(-)
3.600
(↓0.03)
4
(-)
広島
546511 0.454
(↑0.005)
16.5
(↑1)
13496
(+7)
542
(+1)
109
(-)
59
(+1)
0.263
(↑0.001)
3.870
(↑0.02)
5
(-)
中日
526616 0.441
(↑0.005)
18
(↑1)
9387
(+4)
452
(+2)
69
(+1)
56
(-)
0.238
(-)
3.260
(↑0.02)
6
(-)
DeNA
506715 0.427
(↓0.004)
19.5
(-)
11526
(+2)
584
(+4)
133
(-)
29
(+2)
0.257
(↓0.001)
4.230
(-)