DeNA(★0対2☆)阪神 =リーグ戦24回戦(2021.10.06)・横浜スタジアム=
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阪神
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DeNA
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勝利投手:西 勇輝(6勝9敗0S)
(セーブ:スアレス(1勝1敗38S))
敗戦投手:大貫 晋一(6勝6敗0S)

本塁打
【阪神】ロハス・ジュニア(7号・4回表2ラン)

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◆阪神がクライマックスシリーズ進出を決めた。阪神は4回表、ロハス・ジュニアの2ランが飛び出し、先制に成功する。投げては、先発・西勇が6回無失点の好投。その後は3投手の完封リレーで逃げ切り、西勇は今季6勝目を挙げた。敗れたDeNAは、打線が8安打無得点とつながりを欠いた。

◆阪神大山悠輔内野手(26)は横浜スタジアムと好相性。 同球場では昨年まで通算39試合で124打数43安打、9本塁打、31打点、打率3割4分7厘を残したが、今季もここまで20打数8安打、1本塁打、7打点で打率4割。今日も得意球場で好打出るか。

◆DeNAのドラフト2位ルーキー牧秀悟内野手(23)が、プロで初めてスタメン4番に座った。チーム129試合目は、オースティン外野手が左ふくらはぎの肉離れで登録抹消。佐野恵太、宮崎敏郎、ソトら4番経験者がいる中で、前日まで3番を打っていた牧が抜てきされた。 牧はここまで、打率2割8分7厘(チーム5位)、21本塁打(チーム2位)、65打点(チーム3位)と堂々たる成績を残している。

◆両チームのスタメンが発表された。阪神佐藤輝明内野手(22)が、「7番右翼」で3試合連続スタメン出場。 6日、第1打席で60打席ぶりにヒットを放ち、Hランプをともし、長いトンネルを抜けた。次は、8月19日以来の本塁打に期待がかかる。また、前日に「6番左翼」の小野寺暖外野手(23)に代わり、メル・ロハス・ジュニア外野手(31)がスタメン出場する。 阪神先発は、中5日の西勇輝投手(30)。今季まだ勝ち星のないDeNA戦で6勝目を目指す。 DeNA先発は大貫晋一投手(27)。今季阪神戦は4試合で2勝0敗。前回8月25日阪神戦(京セラドーム大阪)は6回2失点と好投し勝利投手となった。

◆阪神のドラフト6位ルーキー中野拓夢内野手(25)が今季110安打目を放ち、球団新人安打記録で単独9位に躍り出た。 1回1死、大貫から中前に落とした。前日5日の時点で80年岡田彰布の109安打に並んでいたが、初回からHランプをともした。

◆DeNAのドラフト2位ルーキー牧秀悟内野手(23)が、プロで初めてスタメン4番に座った。 球団で新人が4番を打つのは、球団史上初優勝した1960年(昭35)6月12日の黒木基康外野手(黒木弟)以来、61年ぶり。ドラフト制後では初の快挙となった。オースティン外野手が左ふくらはぎの肉離れで登録抹消。佐野恵太、宮崎敏郎、ソトら4番経験者がいる中で、前日まで3番を打っていた牧が抜てきされた。 第1打席、カウント1-1から142キロのシュートを左前へ、チームの初安打を放った。 牧は試合前まで、打率2割8分7厘(チーム5位)、21本塁打(チーム2位)、65打点(チーム3位)と堂々たる成績を残していた。

◆阪神メル・ロハス・ジュニア外野手(31)が3試合ぶりのスタメンで先制弾を放った。 「6番左翼」で先発。4回1死一塁、大貫の低めカットボールをすくい上げ、7号右越え2ラン。 「来たボールを強く打つことができた。先制することができて良かったね」 9月8日ヤクルト戦以来、約1カ月ぶりの1発でチームを勢いづけた。

◆DeNAのドラフト2位ルーキー牧秀悟内野手(23)が、通算26本目の二塁打を放ち、新人のシーズン二塁打数で自身の持つ球団記録を更新し、セ・リーグの3位タイに並んだ。4回無死一塁の第2打席、西勇の142キロ内角低めシュートを左翼線にはじき返した。26二塁打は、58年長嶋茂雄(巨人=34)98年高橋由伸(巨人=32)に次ぎ、98年坪井智哉(当時阪神。現DeNA打撃コーチ)と並んだ。 牧はプロで初めてスタメン4番に座った。球団で新人が4番を打つのは、球団史上初優勝した1960年(昭35)6月12日の黒木基康外野手(黒木弟)以来、61年ぶり。ドラフト制後では初の快挙となった。オースティン外野手が左ふくらはぎの肉離れで登録抹消。佐野恵太、宮崎敏郎、ソトら4番経験者がいる中で、前日まで3番を打っていた牧が抜てきされた。 第1打席では、カウント1-1から142キロのシュートを左前へ、チームの初安打を放っていた。

◆DeNAは主砲のタイラー・オースティン外野手(30)が左ふくらはぎの肉離れで離脱した。ソトや佐野、宮崎ら4番経験者がいる中で、代わりに4番に座ったのは、ルーキー牧秀悟(23)だった。球団の新人で4番に座るのは、1960年(昭35)6月12日の黒木基康以来61年ぶり。球団が初優勝した同年、主に5番として活躍したスラッガーだ。兄弟で在籍した選手としても知られ、当時は「黒木弟」と新聞に表記されていた。次々と往年の名選手の名前を掘り起こした牧だが、またも球団史に名を刻んだ。 すぐに結果を出した。2回の第1打席は、チーム初安打となる左前打。カウント1-1から西勇の142キロシュートを捉えた。4回の第2打席はカウント2-2から、またもシュートを左翼線にはじき返す二塁打とした。牧の二塁打は今季26本目。新人のシーズン二塁打数で自身の球団記録を更新し、セ・リーグでは、58年長嶋茂雄(巨人=34)98年高橋由伸(巨人=32)に次いで、98年坪井智哉(阪神、現DeNA打撃コーチ)と並ぶ3位タイとなった。 試合前に三浦監督は語っていた。「牧は2番を打ったり7番打ったり3番打ったりしているが、どの打順でも自分の働きをしてくれている」。すぐに指揮官の言葉を証明した。【斎藤直樹】

◆阪神西勇輝投手(30)が6回7安打無失点の好投で、先発の仕事を果たした。 2回から毎回走者を出すも、丁寧にコースを突き、粘りの投球を続けた。4回に連打を浴びて無死二、三塁のピンチでは、迎えた宮崎をスライダーで一ゴロ。ソトは投ゴロに打ち取り、三塁走者の楠本を挟殺すると、最後は大和を左飛に仕留めた。 昨季チームトップタイ11勝を挙げた右腕も、今季は5勝9敗と苦しい時期が続いていた。今季最短の3回5失点で降板した9月24日巨人戦(東京ドーム)の後には、矢野監督と約30分間の話し合いの場を持ったこともあった。 無失点でマウンドを降りたのは、8回無失点だった4月14日広島戦(甲子園)以来。指揮官の思いに応えるように、優勝争いの佳境で大黒柱が真価を発揮した。

◆阪神ドラフト1位ルーキー佐藤輝明内野手(22)が3試合連続「7番右翼」でスタメン出場し、3打席無安打に終わった。 第1打席は右腕大貫に直球中心に攻められ、見逃し三振に仕留められた。 第2打席は中飛に倒れ、迎えた6回無死一、二塁の第3打席。大貫に4球で追い込まれると、最後は落差の大きなスライダーに空振り三振に倒れた。今季162個目の三振となり、球団のシーズン最多三振記録となる14年ゴメスの166個まで、あと「4」に迫った。 8回無死二塁では、代打島田を送られベンチへ退いた。島田はきっちりと犠打を決め、チャンスを拡大した。 前日5日は、第1打席で45日60打席ぶりの安打となる右前適時打。NPB野手ワーストの59打席連続無安打のトンネルを抜けた。

◆2位阪神は無失点リレーで5連勝を飾り、シーズン15試合を残してクライマックス・シリーズ(CS)進出が確定した。 4回1死一塁。「6番左翼」で3試合ぶりにスタメン出場したメル・ロハス・ジュニア外野手(31)が先制の7号右越え2ランを放った。9月8日ヤクルト戦以来の1発が値千金の決勝弾となった。 先発の西勇輝投手(30)は6回を投げ、7安打を許しながら無四球で無失点。4回無死二、三塁のピンチもしのぐなど粘りの投球を披露し、今季6勝目(9敗)をマークした。 首位ヤクルトも5連勝を飾ったため、1ゲーム差は変わらなかった。

◆DeNA先発は大貫、阪神は西勇。DeNAは2回に先頭の牧が安打も併殺で無得点。阪神は3回に1死一、二塁も得点ならず。 阪神は4回、先頭の大山が中前打で出塁。1死一塁から、6番ロハスが右中間へ特大の7号2ランを放って先制した。 阪神は7回から継投に入って5連勝。西勇は6回無失点で6勝目。DeNAは4連敗で今季最多の借金18となった。

◆阪神先発西勇輝投手(30)が粘りの投球で今季6勝目を挙げた。2回から5回までは毎回先頭打者を許すも、要所を抑えて6回7安打無失点無四球の好投。今季3度目のチーム5連勝に貢献した。 打線では、4回1死一塁で、メル・ロハス・ジュニア外野手(31)が7号右越え2ランを放った。 西勇のヒーローインタビューは以下の通り。 ? --走者を出しながらもホームを踏ませない好投 西勇 先頭をよく出したが、仲間の守備といい、梅野のリードもそうですけど、皆で勝てた勝利だと思います。 --投球の中でよかったところ 西勇 コントロールが良かったですし、要所で低めに投げきることが出来たので、長打を打たれにくい配球でよかったなと思っています。 --4回にロハスの2ラン 西勇 本当に心強い1発でしたし、次の回が苦しいイニングでしたけど、なんとか0で抑えることが出来たので勝つことが出来ました。 --4回無死二、三塁のピンチでの投球 西勇 死ぬ気で投げていましたし、なんとか0という思いでした。見ている人全員がもう2点取られるだろうなという雰囲気だったので、逆手にとって気持ちで投げていきました。 --自身通算100勝以来の勝利でチームを5連勝に導いた 西勇 自分が導いたわけではなくて、チーム一丸となって戦っている試合の中で自分が今まで全然力になれていなかった。なんとかチームに貢献できるようにという思いでマウンドに上がっていましたし、勝てて良かったと思います。 --優勝争いをしているチームの代表として一言 西勇 この関東遠征が大事になっていくと思いますし、皆で一丸となって戦っていきますので、温かい応援よろしくお願いします。ありがとうございました。

◆DeNAは4連敗で今季最多の借金18となった。打線が2回から5回まで4イニング連続で先頭打者を出塁させながら、今季10度目の完封負けを喫した。 8安打を打ちながらの無得点に、三浦大輔監督は「ノーアウトのランナーを生かせなかった。バントミスもありましたし、そういうところだと思います」と振り返った。 無死で出した走者が進まない。2回は宮崎が三塁ライナーで併殺となった。3回は大貫が送りバントを失敗。4回は牧が二塁打でつないだが、5回はまたも大貫がバントを空振り三振した。8回は佐野が二塁ゴロの併殺打となった。 主砲のオースティンが左ふくらはぎ肉離れで登録抹消となり、4番には球団の新人では60年黒木基康以来、61年ぶりに牧秀悟を置いた。「状態もいいし、勝負強いので4番にしました」。試合前には、牧に直接話した。「4番でいくけど、いつも通り自分の打撃をしてくれ。何も変える必要はない」。牧は期待にこたえて2打席連続安打。第2打席の二塁打は26本目で、セ・リーグ3位タイとなった。 三浦監督は「牧らしい打撃でした。しっかりと、うまく腕をたたんでシュートをヒットにした」と評価していた。

◆阪神のドラフト6位ルーキー中野拓夢内野手(25)が球団新人安打記録で単独9位に躍り出た。 1回1死、大貫に対してフルカウントからファウルで2球粘る。最後は内角高め148キロを詰まりながら中前に落とした。この1本が80年岡田彰布の109安打を上回る今季110安打。「素晴らしい方の記録を超えられた。これからも1本ずつ積み重ねていきたい」と謙虚にさらなる上積みを誓った。 2点リードの5回2死でも2ストライクと追い込まれながら、外寄りスライダーを中前へ。「なんとか粘り強く出塁してという形が自分の強みでもあり、自分に求められているところでもある。追い込まれても対応することができて良かった」。3試合ぶりのマルチ安打を記録し、安打数は111に伸びた。 7回無死一、二塁、9回無死一塁では難なく初球からバントを決め、リーグ最多の犠打数も19まで増加。「気持ちの余裕が1番」と胸を張る。「早めに構えて、前でやる」。地道な練習で犠打の精度をアップさせ、8月下旬からすっかり2番に定着している。 矢野監督も「まだ1年目だし、前半戦は作戦に対してどうかなというのがなかなか見えてなくて不安なところもあった。そういうところも成長してくれている」と手放しで評価。もう、26盗塁でもタイトル争いをリードする韋駄天(いだてん)を抜きに、逆転Vは想像できない。【佐井陽介】

◆阪神が無失点リレーで逃げ切って5連勝とし、両リーグ一番乗りの70勝目。西勇は6回で7安打を浴びても要所を締めて6勝目。救援陣は危なげなく、4回のロハスの2ランによる得点を守った。DeNAは大貫を援護できずに4連敗。

◆阪神が5連勝を飾った。先発の西勇輝投手(30)は6回7安打無失点と好投。4回に飛び出したメル・ロハス・ジュニア外野手(31)の7号右越え2ランが決勝点になった。 シーズン15試合を残してクライマックス・シリーズ(CS)進出が確定。矢野燿大監督(52)の一問一答は以下の通り --西勇がピンチで粘ったのが大きい もちろんね。なかなか、ガンガン点を取れればよかったけど、そういう形にできなかったんで。ピンチは作ったんで。ノーアウト二、三塁もあったんかな? しっかり粘ってくれたというのが、一番勝ちを付けた要因かなと思う。 --序盤から相手打線に捉えられていた中でも粘れたのはバッテリーの力か それはもちろんあるんだけどね。アイツも悔しい思いをしてるから。いろいろ調整の中でも必死になんとかね、パターンを変えてみたりとかさ、いろんなことにも挑戦して、もがこうとしている気持ちがそうなったんじゃないかなと、俺は思いたいけどね。 --ロハスの1発が結果的に決勝弾に やっぱりなかなかタイムリー、タイムリーというのが、簡単には出ないんでね。そういうところではやっぱり1発というのが、マルちゃん(マルテ)のこの前の試合もそうやけどね。やっぱりホームランっていうのは今、大きな得点源になっているので、それはいいこととして、どこかでもう1本タイムリーというものを出していかないと、ちょっとピッチャーばかりに負担がかかるんで、まあ、何とか明日は打線で勝ってっていう形を。結果的には勝ちゃあ、何でもいいんだけど、明日はちょっと打線も奮起してほしいなと思います。 --そういう状況でも勝っている そりゃ、もちろんね。もう、みんな必死やし。目の前のヤクルトもずっと負けないんで。そういうところででは、目の前の1試合を勝つしかないんでね。こういう展開でもピッチャー陣が頑張って、苦しい中でも何とか勝てているというのは、ほんと、何とかつなげられるものをみんなでつくってくれているんで。 --中野がいい内容で そうやね。まあ、内容的にも、バントの内容もしっかりしたものがあるし、前半戦は作戦に対してちょっと俺の中でどうなのかなというのが。まだ1年目だし、なかなか見えてなくて。不安なところもあったんやけど、そういうところも成長してくれてるんで。それも大きかったし、チカ(近本)もそうやし、聖也(木浪)もそうやし。そういうところで守る方もよく頑張ってくれたかなと思う。 --7回はアルカンタラを起用 やっぱり登板が続いてしまうとどうしても。うまくいきたいんだけど、でもそうも言ってられへんから。まあでも、及川とアルカンタラっていうのはうまくセットというか、やりながらもあるし、本当は優(岩崎)のところもそういう使い方もできればいいんだけど、ちょっと状況的にいろいろやりくりしていきます。

◆阪神近本光司外野手が好守でチームを救った。6回左打者楠本の中堅左への切れていく打球を滑り込みながらキャッチした。 この日は前日と逆で右翼から左翼へ強い風も吹いていた。「甲子園の浜風に似ている感じだった。ちょっと危なっかしかったけど、打球のラインを見られていたのでよかった」と、難しい打球をしっかり読み切った。打っては4、5打席目と安打を放ち今季56度目のマルチ安打。両リーグトップの安打数を166とした。

◆2位阪神がメル・ロハス・ジュニア外野手(31)の先制決勝の7号2ランで3度目の5連勝を決め、3年連続のAクラスとクライマックスシリーズ(CS)進出を確定させた。1ゲーム差で追う首位ヤクルトも5連勝でCS進出を決め、両チームは7試合連続で同じ星取りのデッドヒート。矢野阪神は7日も勝って、好調右腕奥川の先陣が予想される8日からの神宮直接対決3連戦に弾みをつけたい。電光掲示板上の球団旗が、左翼方向へ強くなびいていた。0-0の4回1死一塁。ロハスが大貫の137キロカットボールをすくい上げると、打球は逆風の右中間上空へ高く舞った。スタンド最上段に着弾。ベンチ前では「虎メダル」を胸に、大山にポンポンっと頭をたたかれ笑顔がはじけた。 「勝ちに貢献するために来ているし、それが仕事。結果的に大きな点になったので非常に満足しているよ」。9月8日ヤクルト戦以来、約1カ月ぶりの先制&決勝7号2ラン。2日に1軍再昇格後、6打席目で飛び出した初安打が、値千金の一打になり、3試合ぶりのスタメン起用に応えた。 9月22日に出場選手登録を抹消。再びの2軍生活では、平野2軍打撃コーチが寄り添ってくれた。「本当に気にかけてくださって...。気持ちの面で助けていただいたし、平野さんのためにも良い結果が出てうれしいね」。平野コーチは助っ人とのやりとりに「企業秘密だよ」とニヤリ。鳴尾浜でもモチベーションを落とさせない。二人三脚の再昇格ロードが、実を結んだ。 あとにも先にも得点はこの2点だけ。助っ人の千金弾で関東遠征9番勝負の2戦目を取り、今季3度目の5連勝で3年連続のAクラスとCS進出を決めた。連勝中、5番までが固定される一方、6番以降は4度組み替え。前日5日は佐藤輝に適時打が飛び出し、この日はロハス。優勝争いの最終盤で、日替わりヒーローが打線を支える。矢野監督は「結果的には勝ちゃあ、何でもいいんだけど、明日は打線も奮起してほしい」と爆発に期待を込めた。 両リーグ70勝一番乗りも、直近7試合は首位ヤクルトと同じ星取りが続き、ゲーム差は1のまま並走。どう猛な虎が、食らいついて1戦1戦を戦っている。 矢野監督 みんな必死やし、ヤクルトもずっと負けないんで、目の前の1試合を勝つしかないんでね。苦しい中でも何とか勝てているというのは本当、何とかつなげられるものをみんなでつくってくれている。 8日から戦うヤクルトとの神宮決戦は、初戦に今季4試合で防御率2・16と抑え込まれている奥川の先発が濃厚だ。好調右腕を打ち崩して先勝するべく、7日もDeNAに勝って弾みをつけたい。【中野椋】 ▼07年にセ・リーグもCSを採用して以降、阪神の出場は9度目。昨年はCS開催がなかったため、19年までのセ球団の進出最多は巨人の12度。阪神はこれに次ぐ回数だ。 ▼阪神は最短8日に今季の自力優勝が消滅する危機は変わらない。7日は阪神はDeNA戦、ヤクルトの巨人との結果、さらに8日の直接対決の結果によってヤクルトにマジック11または12が点灯する。

◆ローテの柱として、意地を見せた。阪神西勇輝投手(30)が6回を7安打無失点に抑える好投で、約1カ月ぶりの6勝目。チームの3年連続AクラスとCS進出に大きく貢献した。 「自分が今まで全然...力になれていなかったので、なんとかチームに貢献できるようにと思い、マウンドに上がっていました。なんとか本当に勝てて良かった」 再三のピンチにも粘り負けなかった。2点の援護を受けた直後の4回。先頭から連打を浴びて無死二、三塁と絶体絶命の場面。「死ぬ気で投げていましたし、なんとかゼロでという思いで。見ている人全員がもう2点取られるだろうなという雰囲気だったので、逆手にとって気持ちで投げていきました」。迎えた宮崎は痛烈な当たりも、マルテが好捕して一ゴロ。続くソトをスライダーで投ゴロに打ち取って、三塁走者の楠本を挟殺すると、最後は大和を左飛に仕留めた。向かっていく気迫で0を刻んだ。 昨季チームトップタイ11勝を挙げた右腕も、今季は苦しい時期が続いていた。6月下旬から一時は自己ワースト6連敗。今季最短3回5失点で降板した9月24日巨人戦の後には、矢野監督と約30分間の話し合いの場を持ったこともあった。 それでも先発ローテーションを外れたのは、首の寝違え症状で出場選手登録を抹消された9月中旬の1度だけ。右腕は模索し、指揮官はずっと信じていた。「あいつも悔しい思いをしてるから。調整の中でも必死になんとか、パターンを変えてみたりとか、いろんなことにも挑戦して、もがこうとしている気持ちがそうなったんじゃないかな」。矢野監督の思いに、やっと応えることができた。 「普段はもっといろいろな考えを持って投げていますが、今日は死にものぐるいで投げた結果が0点という結果でよかった」。優勝争いのヤマ場。底力を見せた。【磯綾乃】

◆阪神守護神ロベルト・スアレス投手がセ界断トツの38セーブを挙げた。 2点リードの9回に登板。先頭の牧を二ゴロに仕留めると、宮崎を159キロで見逃し三振。最後はソトをスライダーで三ゴロに打ち取った。球団ではシーズンセーブ数が08年藤川と並んで5位タイに浮上。今季はDeNA戦で10試合に登板。防御率0・00と抜群の相性を誇っている。

◆阪神2番手ラウル・アルカンタラ投手がテンポ良く、1回を0封した。 2点リードの7回に登板。先頭大和を遊ゴロに打ち取ると、ここまで2安打の戸柱を138キロのスプリットを遊ゴロ。代打神里も初球のスプリットを打たせ、9球で仕事を終えた。「残り試合がわずかなので、準備をして優勝に向かって突き進むだけ。しっかり自分の仕事に集中して勝ちに貢献できるように頑張っていきたい」。佳境のV争いでフル回転を誓った。

◆阪神8回の男、岩崎優投手が無失点投球でリーグ2位の36ホールドをマークした。 先頭桑原に安打を許したが、続く佐野をスライダーで二ゴロ併殺。粘る楠本には8球目、低めに140キロ直球を投げ込んで見逃し三振を奪った。 10月は5試合中4試合に投げ、すべて無失点。今季の登板数はスアレスの55試合に次ぐ54試合と奮闘が続く。矢野監督は「本当は優(岩崎)のところも、そういう(他投手と併用の)使い方ができればいいんだけど」と、8回は岩崎にしか任せられないと絶大な信頼を明かした。

◆2位阪神は無失点リレーで5連勝を飾り、シーズン15試合を残してクライマックス・シリーズ(CS)進出が確定した。▼阪神の監督が、新人監督年から3年連続Aクラス入りしたのは2リーグ分立後初。1リーグ時代を含めると、若林忠志が1リーグ時代の1942年(昭17)~44年に3年連続で果たして以来77年ぶり。なお若林は、42、43年は3位。3年目の44年に優勝を飾っている。

◆「6番・左翼」で3試合ぶりにスタメン出場した阪神のメル・ロハス・ジュニア外野手(31)が先制の7号2ランを放った。 「甘く来たボールを強く打つことができたね。先制することができてよかった」 0-0の四回1死一塁。カウント2-0から大貫の137キロカットボールを振り切った。打球は右中間最深部へ。9月8日のヤクルト戦(甲子園)以来の7号2ランで阪神が先手を奪った。 DeNA・大貫とは今季4試合で対戦し0勝2敗、防御率1・52と苦しめられていた。矢野監督は8月18日の一戦(東京ドーム)で大貫からホームランを放っていたロハスを先発起用。その起用に応え、難敵から助っ人が大きな一発を放った。

◆先発した阪神・西勇輝投手(30)が四回の大ピンチを脱した。 2-0と援護点をもらった直後。先頭の楠本に左前打、さらに牧に左翼線へ二塁打を許し、無死二、三塁と一打同点のピンチを作った。それでも、宮崎のゴロを一塁手・マルテが好捕。走者をくぎ付けにして1死を奪うと、続くソトは投ゴロに仕留め、三走・楠本をタッチアウト。最後は2死一、三塁から大和を左飛に抑え、無失点で切り抜けた。

◆先発した阪神・西勇輝投手(30)が粘りの投球で試合を作った。 一回を三者凡退に抑えた後は、毎回ヒットを許す苦しい投球。四回は無死二、三塁と一打同点のピンチを作ったが、宮崎の打球を一塁手・マルテが好捕。走者をくぎ付けにし、続くソトは投ゴロに仕留めて、三走・楠本をタッチアウト。2死一、三塁から最後は大和を左飛に抑えた。 西勇は七回の打席で代打を送られ、今季6勝目の権利を持って降板。6回で7安打を浴びながらも、無失点だった。

◆阪神が逃げ切り、5連勝。2年ぶり9度目のクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。 四回1死一塁から3試合ぶりにスタメン出場したロハスが右中間に7号2ランを放って先制した。 先発の西勇は再三ピンチを背負うも、粘りの投球で6回7安打無失点。登板3試合ぶりの今季6勝目をマークし、その後はアルカンタラ、岩崎、スアレスとつないだ。 これで5連勝。首位のヤクルトも勝利したため、ゲーム差は「1」で変わらなかった。

◆阪神は「6番・左翼」で3試合ぶりにスタメン出場したメル・ロハス・ジュニア外野手(31)の7号2ランで先制。先発の西勇輝投手(30)は6回無失点で6勝目(9敗)を挙げ、チームは5連勝を飾った。 ヒーローインタビューで西勇は「先頭をよく出しましたが、みんなで勝てた勝利だと思っています。コントロールがよかったですし、要所で低めに投げ切ることができましたので、長打を打たれにくい配球でよかったと思います」。ロハスの本塁打については「心強い一発でした」と感謝。先制2ラン直後の四回無死二、三塁のピンチでは「死ぬ気で投げていましたし、何とかゼロでっていう思いで、見ている人全員が2点取られるだろうなという雰囲気だったので、そこを逆手を取って、気持ちで投げました」と語っていた。

◆阪神が無失点リレーで逃げ切って5連勝とし、両リーグ一番乗りの70勝目。クライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。 号砲を鳴らしたのは、ロハスだ。横浜の夜空に消えていきそうなほど高く舞い上がった白球が、長い長い滞空時間をへてDeNAファンが陣取る右翼席へ着弾。今季7号の先制2ランをほうり込み、連勝街道を走る矢野虎を勢いづけた。 「甘く来たボールを強く打つことができたよ。先制することができてよかったね」 少ない出場機会できっちり仕事を果たし、声を弾ませた。0-0の四回で先頭の大山が中前打で出塁。続く糸原は中飛に倒れたが、R砲が2ボールからDeNA先発・大貫の真ん中に入ってきた137キロカットボールを捉えた。9月8日のヤクルト戦(甲子園)以来、出場10試合ぶりの一発で試合の主導権を握り、好投する西勇を力強く援護した。 5日のDeNA戦(横浜)は代打で途中出場。この日は2日の中日戦(甲子園)以来、出場2試合ぶりに「6番・左翼」でスタメンに名を連ねた。1軍外国人枠(登録5人、ベンチ入り4人)の事情やマルテ、サンズが好調なら控えに甘んじることも多い。 ストレスのたまる日々にも、ロハスは「監督が勝つために必要な9人を選んで、その中に自分の配置というのがある。監督、チームの意向は尊重しますし、自分もできる限りのことをしていきたい」。チームへの献身を忘れないから、集中力も途切れない。9月22日に2軍落ちし、2日に1軍再昇格するまで、平野2軍打撃コーチにアドバイスを仰いで常に向上心を高めてきた。 シーズン開幕から打線を支えたサンズは不調で2軍調整中。連勝を伸ばし、首位・ヤクルトを捉え、追い越すには背番号24の爆発力は必要不可欠だ。2-0の五回2死一、三塁からは大山が見逃し三振、六回は1死一、二塁で梅野が遊ゴロ併殺とダメ押しができない展開で、助っ人砲の一撃の重みは増すばかり。 矢野監督が「もちろんどれも大事な試合になっちゃうんで全部取りに行く気持ちで戦っているんで」と必勝態勢で臨む関東遠征の9試合。ロハスが、頂点を目指す猛虎に追い風を吹かせた。(新里公章)

◆阪神は「6番・左翼」で3試合ぶりにスタメン出場したメル・ロハス・ジュニア外野手(31)の7号2ランで先制。先発の西勇輝投手(30)は6回無失点で6勝目(9敗)を挙げた。チームは5連勝で、CS進出を決めた。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ーー西勇がピンチで粘った(四回無死二、三塁) 「点を取れればよかったけど、そういう形にできなかったんで。ピンチは作ったんで。ノーアウト二、三塁もあったんかな? しっかり粘ってくれたのが一番、勝ちを付けた要因かなと思うけど」 ーーバッテリーの力か 「もちろんあるんだけどね。アイツも悔しい思いをしてるからさ。いろいろ調整の中でも必死になんとかね、パターンを変えてみたりとかさ、いろんなことにも挑戦して、もがこうとしている気持ちがそうなったんじゃないかなと、俺は思いたいけどね」 ーー東京ドームでの登板後に話して、気持ちが伝わってきたか 「それは俺には...。勇輝自身がどうしているかといったらそれは俺には分からない」 ーーロハスの一発が結果的に決勝弾 「タイムリー、タイムリーが簡単には出ないんでね。やっぱり一発というのが、マルちゃんのこの前の試合もそうやけどね。やっぱりホームランっていうのは今、大きな得点源になっているので、それはいいこととして、どこかで、もう1本タイムリーを出していかないと、ピッチャーばかりに負担がかかるんで、まあ、何とか明日は打線で勝ってっていう形を。結果的には勝ちゃあ、何でもいいんだけど、明日はちょっと打線も奮起してほしいなと思います」 ーーそういう状況でも勝っている 「もう、みんな必死やし。目の前のヤクルトもずっと負けないんで。目の前の1試合を勝つしかないんでね。こういう展開でもピッチャー陣が頑張って、苦しい中でも何とか勝てているのは、何とかつなげられるものをみんなでつくってくれているんで」 ーー中野がいい内容で 「バントの内容もしっかりしたものがあるし、前半戦は作戦に対して、俺の中でどうなのかなというのが。まだ1年目だし、なかなか見えてなくて。不安なところもあったんやけど、成長してくれてるんで。それも大きかったし、チカもそうやし、聖也もそうやし。そういうところで守る方もよく頑張ってくれたかなと思う」 ーー七回はアルカンタラを起用 「やっぱり登板が続いてしまうとどうしても。うまくいきたいんだけど、でもそうも言ってられへんから。及川とアルカンタラはうまくセットというか、やりながらもあるし、本当は優のところも、そういう使い方もできればいいんだけど、ちょっと状況的にいろいろやりくりしていきます」

◆零敗で4連敗(1分けを挟む)を喫したDeNAで、気を吐いたのがルーキー牧。初の4番起用に堂々と応え、左ふくらはぎの肉離れで離脱したオースティンの代役を十分に果たした。 最初の打席で西勇から左前打。続く四回も内角のシュートをさばいて左翼線二塁打とした。62年ぶりに球団の新人記録を更新している安打数は125に。低迷するチームの希望の星は「4番と聞いて驚きはあったが、試合前に監督から、いつも通りのプレーをしてくれと言われ、あまり意識せず試合に臨めた」と振り返った。

◆ツキを味方にした西勇の6回ゼロ封だった。右打者には内角ツーシームを引っ張られていたし、左打者には逆方向を意識した打撃で、全般的にかなり打たれたなという印象。それでも無失点に抑えられたのは、三回の糸原、六回の近本のファインプレー。さらに、いい当たりが正面を突くなどのラッキーが重なった結果と言わざるを得ない。 ただ、ピンチを迎えながら最少失点の投球ができるのも西勇の特長。苦しい投球ながらも〝らしさ〟が見えたシーンもあった。四回1死一、三塁からソトに対して、徹底的なインハイ攻め。ここ一番であそこへ投げ続けられる抜群の制球は見事だった。実際、この試合も無四球だ。余分な走者を出さない投球がツキを引き込んだともいえる。 優勝争いの真っただ中で、一番大事なことはその試合を勝ち切ること。そういう意味で、先制を許さず、我慢の投球をした西勇は評価したいし、この白星がまた1つ、西勇自身を復調させる材料になるのではないか。 一方で、何が何でも勝つという意味では、六回無死一、二塁の好機で佐藤輝が三振に倒れたが、ここは代打で送りバントではなかったか。実際、八回はその作戦をとった。勝ちに徹したさい配が必要な時期に来ていることを肝に銘じて戦ってもらいたい。(本紙専属評論家)

◆横浜の夜空に高々と打ち上げた白球はなが~い滞空時間をへて、虎党の願いをかなえる流れ星のように右中間スタンドへ降ってきた。限られた出場機会で奮闘するロハスが、値千金の今季7号2ランで勝負をつけた。 「今日は打撃練習の段階からずっと感じも良かった。そういう感じでいい打球が打てたし、とにかく強く打てる球を待って。結果的には大きな点になったので非常に満足しています」 練習中の予感を確信に変えるアーチをかけ、胸を張った。0-0の四回。1死一塁で2ボールから大貫のカットボールをガツンと捉え、右中間席へ運び去った。9月8日のヤクルト戦(甲子園)以来、出場10試合ぶりの一発に加え、八回にも一塁線を破る二塁打。ここで代走を送られてお役御免となったが、出場2試合ぶりのスタメンで1本塁打を含む2安打2打点と存在感を示した。 勝負の終盤戦に助っ人陣の一撃は欠かせない。 この日を含め、9月以降は、外国人選手が本塁打を放った試合は6連勝(2分け挟む)。4番・大山は五回2死一、三塁で見逃し三振、七回1死満塁で捕邪飛と好機を生かせなかったように、打撃に波がある。それを補うのが外国人の役目。ロハスは「やっぱりチームの勝ちに貢献するために(日本に)来ています。そういう仕事ができたのはうれしい。もっと続けられるように」と頼もしいコメントを口にした。 矢野監督は「なかなかタイムリーが、簡単には出ないんでね。やっぱりホームランっていうのは今、大きな得点源になっている」と評価。さらに「もう1本タイムリーというものを出していかないと。明日はちょっと打線も奮起してほしい」と野手陣の尻をたたいた。 2日に1軍再昇格するまで平野2軍打撃コーチに精神面でのサポートを受け、感謝を結果で示した。R砲は「(シーズンは)残りわずか。チームの勝利に少しでも多く貢献できるように、一生懸命頑張っていきたい」。2軍調整中のサンズも必ず復調して帰ってくる。助っ人軍団の力が首位奪回の原動力になる。(新里公章)

◆ライトからレフトに強烈な〝ハマ風〟が吹き荒れる。後ろ向きに走りながら近本は慣れ親しんだ本拠地を思い返した。ここは甲子園-。虎を救った超ファインプレー。大事そうにグラブで抱えた白球を見つめ、満面の笑みがこぼれた。 「風的には甲子園の浜風に似ている風だったので、いつも通り落ち着いて。捕る位置を間違えないように最後は入れたので。ちょっと危なっかしかったですけど、最後までボールのラインを見れていたのでよかった」 2-0で迎えた六回の守備。先頭・楠本の痛烈な打球がセンターを襲った。風に押され、近本から逃げていくようにボールは伸びる。ただ、そこは日々、甲子園の浜風に鍛えられている男だ。風を読み切り、落下地点を見極めると、最後はタイミングを合わせてスライディングキャッチ! 抜けていれば確実に長打。自慢の脚力と経験値でピンチの芽を摘み取った。 この好守が打撃の流れも変えた。第3打席までは大貫の前に無安打。それでも直後の七回無死一塁から積極的に初球をたたいて右前打だ。 「調子自体はよくないんで。3打席目までは思い切っていけなかったので、少し沼にはまりかけていましたけど、打てる球をしっかり振りにいけたのはよかった」 8試合連続安打で再び勢いづくと、九回は中前に運び、今季56度目の複数安打と止まらない。 「自分らしさ。『しっかり振りにいく』というところをこれからもやっていきたいと思います」 横浜に吹いた〝浜風〟。近本の脳裏に浮かんだ本拠地の景色が、忘れかけていた積極性を呼び起こした。(原田遼太郎)

◆周囲から重圧もプライドもすべて取っ払い、最後は開き直った。西勇は再三のピンチも粘って、粘って、粘り抜いた。やっとの思いで手にした6勝目。ヒーローインタビューで屈託のない笑顔と額の汗が光り輝いた。 「死ぬ気で投げていました。なんとかゼロでという思いで、見ている人、全員が(僕は)2点を取られるだろうな、という雰囲気だったので、そこを逆手に取って気持ちで投げていきました」 ハマスタの虎党も失点を覚悟したのは四回だ。楠本と4番・牧の連打で無死二、三塁とされ、ここで〝死ぬ気〟が出た。宮崎、ソト、大和の好打者3人を打ち取り、ホームを踏ませなかった。6回で7安打を許しながらも無四球無失点で、虎移籍後1勝3敗と苦手にしていたDeNAから2年ぶりの白星をゲットだ。 「決め球を低めに丁寧に投げることができた。野手の方々も守備で盛り立ててくれた」 今季はここまで6勝9敗と黒星が先行。9月24日の巨人戦(3回5失点)後には矢野監督と30分、今後について話し合った。虎の先発陣の中で唯一もどかしい内容が続いたが、この日は打たせて取る本来のスタイルを発揮。優勝争いを繰り広げるチームにとってこれほど明るい材料はない。矢野監督も「みんな必死。目の前のヤクルトもずっと負けないんで。目の前の1試合を勝つしかない。こういう展開でもピッチャー陣が頑張って、苦しい中でも何とか勝てているのは、何とかつなげられるものをみんなで作ってくれている」と目を細めた。 この日のマウンドで見せたあきらめない姿勢、そして〝猛虎魂〟は少年時代にある人物から注入されていたものだった。 三重の「菰野ボーイズ」に所属していた中学時代、唯一優勝を経験した福井・おおい町で開催された地方の大会での出来事だった。先発した決勝戦でチームは6点先取。もう1点を追加し、守り切ればコールド勝ちというところで、まさかの3失点。試合には勝ったものの、大会を観戦していた川藤幸三氏(現阪神OB会長)が閉会式で右腕を〝一喝〟した。 「コールドゲームを目の前にいらんことして、何をやっているんだ!」 勝負事は油断禁物。〝浪速の春団治〟からたたきこまれた、最後まで戦い抜くマインドは今でも忘れることはない。 右腕の力投でチームは5連勝を飾り、両リーグ一番乗りで70勝に到達。さらにCSの進出も決め、首位ヤクルトを1ゲーム差で追っている。 「西がいてよかったな、という投球を心がけたい。チームに勝ちを呼び込むような投球を見せていきます」 ようやく目覚めた右腕が虎を頂点へと導く。オリックスからFA移籍3年目。身を粉にして、全力で腕を振り続ける。(織原祥平)

◆シーズン終盤優勝を争う阪神と、下位に沈むDeNAの典型的な試合だったのだ。ゆえに出合い頭の事故には気を付けなければいけない試合とも言えるのだが、それをキッチリと勝利したのは当たり前だけど良かった!! 優勝のためにはこういう『B面勝ち』(昔の人じゃないとレコードのA面B面なんて知らないかなぁ?)は大事なんです! 虎の右のエースと期待された西勇がよもやの不調で今季はB面投手...昨年韓国で本塁打と打点の2冠に輝いて鳴りもの入りで虎のユニホームを着たロハスが日本野球に苦しみ、予想外のB面打者...そんなシーズンを過ごしてきたB面コンビが6回無失点の勝利投手に、値千金の2ランホームラン!! ということでまだまだ隠れてるB面虎戦士よ、優勝のためにA面より目立ってやー!! その一方、六回無死一、二塁で前日60打席ぶりにヒットを放ったとはいえ、まだ完全復活ではない佐藤輝に、勝ちにこだわるならバント要員の代打を送っていいのに? そのまま打席に送り三振の矢野A面采配が気になるなぁ...。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
654416 0.596
(↑0.003)
-
(-)
18562
(+3)
453
(-)
128
(-)
67
(-)
0.257
(-)
3.400
(↑0.03)
2
(-)
阪神
70517 0.579
(↑0.004)
1
(-)
15495
(+2)
477
(-)
115
(+1)
106
(-)
0.247
(-)
3.460
(↑0.03)
3
(-)
巨人
595318 0.527
(↓0.005)
7.5
(↓1)
13509
(-)
488
(+3)
156
(-)
65
(-)
0.245
(↓0.001)
3.570
(-)
4
(-)
中日
516416 0.443
(↓0.004)
17
(↓1)
12378
(+3)
436
(+7)
68
(+1)
56
(-)
0.238
(-)
3.220
(↓0.04)
5
(-)
広島
516511 0.440
(↑0.005)
17.5
(-)
16478
(+7)
537
(+3)
107
(-)
58
(+1)
0.262
(-)
3.920
(↑0.01)
6
(-)
DeNA
486615 0.421
(↓0.004)
19.5
(↓1)
14511
(-)
574
(+2)
129
(-)
26
(-)
0.257
(-)
4.250
(↑0.02)