1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 4 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 9 | 0 | 1 |
DeNA | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 7 | 1 | 0 |
勝利投手:青柳 晃洋(11勝5敗0S) (セーブ:スアレス(1勝1敗37S)) 敗戦投手:坂本 裕哉(4勝6敗0S) 本塁打 |
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◆阪神が4連勝。阪神は初回、中野と佐藤輝の適時打などで一挙4点を先制する。そのまま迎えた3回表には、大山のソロで追加点を奪い、試合を優位に進めた。投げては、先発・青柳が6回2失点の好投で今季11勝目。敗れたDeNAは、先発・坂本が振るわなかった。
◆両チームのスタメンが発表された。阪神佐藤輝明内野手(22)が、「7番右翼」で2試合連続スタメン出場。試合前時点でNPB野手ワーストの59打席連続無安打と苦しむが、トンネル脱出なるか。 阪神先発は、中5日の青柳晃洋投手(27)。今季3勝0敗と相性のいいDeNA戦で11勝目を目指す。 DeNA先発は坂本裕哉投手(24)。今季阪神戦は5試合で3勝1敗。前回8月26日阪神戦(京セラドーム大阪)は4回5失点と打ち込まれた。
◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、60打席ぶりに「Hランプ」をともした。2番中野、4番大山の適時打で、2点先制した直後の初回2死一、二塁。DeNA坂本から右前へ適時打を放った。カウント2-2から、133キロカットボールに少し体勢を崩されながらも、右手1本で鋭く一、二塁間を破った。8月21日中日戦(バンテリンドーム)の第4打席に中前打を放って以来、45日ぶりの安打だった。 「打ったのはカットボール。使ってもらっている中でチームに全然貢献できていなかったので、久しぶりにタイムリーを打つことができて、チームに貢献する1本を打つことができて良かったです。これからもっともっと打てるように頑張ります」と安堵(あんど)感をにじませた。 一塁ベース上では右手を挙げガッツポーズ。三塁側のベンチも悩めるルーキーの1本に大盛り上がりだった。試合前時点でNPB野手ワーストの59打席連続無安打。結果が出ずに苦しんでいたが、「7番右翼」で2試合連続スタメン出場。矢野監督の期待に応えた。 その後、2死一、三塁で佐藤輝は二盗を試み、二塁送球の間に三塁走者小野寺が生還。初回にいきなり4点を挙げた。
◆阪神大山悠輔内野手(26)が今季19号ソロを放ち、36年ぶりの「20本超カルテット誕生」に王手をかけた。 1点リードの1回1死二塁で坂本から左前適時打。4点リードの3回2死ではフルカウントから外角チェンジアップを打ち上げ、右翼フェンスをオーバーさせた。 チーム内ではすでにドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)が23本塁打、ジェフリー・マルテ内野手(30)が22本塁打、ジェリー・サンズ外野手(34)が20本塁打を放っている。 大山も20本塁打をクリアすれば、85年のバース54本塁打、掛布40本塁打、岡田35本塁打、真弓34本塁打以来、36年ぶりの快挙となる。
◆DeNAタイラー・オースティン外野手(30)が途中交代した。4回の第2打席で捕ゴロを打った後、5回の守備から、楠本泰史外野手と交代した。 オースティンはここまで107試合に出場し、打率3割3厘、28本塁打、74打点とリーグ屈指の成績を残している。9月28日ヤクルト戦で28号本塁打を放った後、5試合、20打席連続で無安打が続いていた。
◆DeNA先発の坂本裕哉が3回でマウンドを降りた。1回、警戒していた先頭の近本に中前打を許すと、中野、大山、佐藤輝に適時打を浴びた。さらに2死一、三塁から重盗を仕掛けられ、捕手戸柱の二塁送球の間に4点目を奪われた(記録は盗塁死)。「早いイニングでマウンドを降りることになりチーム、中継ぎ陣に申し訳ないです」。今季、阪神から3勝している「2代目虎キラー」は肩を落とした。
◆阪神先発青柳晃洋投手(27)が6回92球、6安打2失点で3点リードを保って降板した。このまま救援陣が逃げ切れば、リーグトップタイの11勝目となる。 「初回から援護をしてくれた野手の方々に感謝です。2失点をしてしまいましたが、何とか粘りの投球をすることはできました」とコメントした。勝てば青柳は8月24日DeNA戦(京セラドーム大阪)以来6戦ぶりの白星となる。青柳はこの試合前まで対DeNAは今季4試合で3勝0敗と好相性。中5日でカード頭に登板した。
◆2位阪神は投打がかみ合い、4連勝を飾った。 1回はドラフト6位の2番中野拓夢内野手(25)が先制二塁打、4番大山悠輔内野手(26)が左前適時打を放ち、ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)も60打席ぶりの安打となる右前適時打を放つなど一挙4得点。3回には大山の19号右越えソロでリードを5点に広げた。 先発の青柳晃洋投手(27)は6回2失点と粘り、自身6戦ぶりの白星となる今季11勝目をマーク。救援陣も危なげなくリードを守り切った。
◆阪神は1回、中野、大山、佐藤輝の適時打に、重盗を仕掛けて4点を先制した。3回に大山の19号ソロで加点し、5-0とリード。 DeNAは5回、1死二、三塁から関根の二ゴロで反撃開始。1番桑原が左翼線へ適時二塁打を放ち、3点差に詰めた。 阪神は継投で4連勝。先発の青柳は6回2失点で11勝目を挙げた。DeNAは3連敗で今季の負け越しが決まった。坂本6敗目。
◆4番の大山悠輔内野手(26)が1本塁打を含む、3安打猛打賞と打線を引っ張った。4-0の3回2死では右翼へ3試合ぶりの19号ソロを放ち、2打点でチーム4連勝に大きく貢献した。 大山のヒーローインタビューは以下の通り。--3安打猛打賞。1回の適時打を振り返って 大山 1、2番が良い流れをつくっていたのでなんとか(走者を)かえそうと思って打席に入りました。 --本塁打を振り返って 大山 打った感触が良かったので入ってくれと思って走ってましたけど、結果的に本塁打になって良かったです。 --負けられない試合が続くが 大山 残りの試合も少ないので1試合1試合なんとか全員で勝とうと思ってやってますけど、厳しい試合も続くと思うので、チーム一丸となってやっていきたいと思います。 --明日からも敵地での戦いが続く 大山 まずは明日勝てるように頑張ります。
◆DeNAが3連敗し、今季の負け越しが決まった。残り試合が15となり、48勝65敗15分けで借金が17となった。 三浦大輔監督は「今日は負けましたから。明日も試合がありますから、1つでも勝てるようにやっていくだけです」と話した。 1回に先発坂本裕哉投手が4安打4失点。先頭の近本光司に安打を許すと、中野、大山、60打席連続で安打がなかった佐藤輝に右前適時打を浴びた。さらに、2死一、三塁から重盗の間に、4点目を許した。3回には大山に19号を打たれた。3回6安打5失点で降板した。 三浦監督は坂本について「立ち上がりが悪すぎましたね。高めに浮いてました。いきなり4点で修正する前にやられてしまった。この時期に疲れのない選手はいないと思う。任されたマウンドで、ヨーイドンで4点は上位のチームには大きかった」と話した。坂本は「早いイニングでマウンドを降りることになりチーム、中継ぎ陣に申し訳ないです」と反省を口にした。 坂本は前回登板の9月21日ヤクルト戦でも初回に村上宗隆に満塁本塁打を浴びた。再び、立ち上がりに課題を残した。三浦監督は「変化球もマウンドで修正ができなかった。悪い時にどうするかという修正ができなかった。立ち上がりは難しいが、悪すぎた」と評した。 阪神先発の青柳には、今季4つ目の白星を献上した。試合前まで10打数4安打と相性のいい森敬斗内野手をスタメン起用するなど、打開策は打ったが、6回2失点に抑えられ、実らなかった。三浦監督は「今日もそうですが、初回に4点と大きな点数を取られたので、大胆にテンポよく攻められた」と分析した。 ▽DeNA桑原(左手薬指の突き指から3試合ぶりに復帰し5回に適時二塁打)「追い込まれていましたが、食らいついていったことが良い結果につながった」
◆DeNAタイラー・オースティン外野手(30)が左ふくらはぎの負傷で途中交代した。4回の第2打席で捕ゴロを打った後、5回の守備から楠本泰史外野手と交代した。 試合後、三浦監督は「左ふくらはぎの張りを訴えた。大事をとって交代した。(負傷は)試合中ですね。病院に行く予定はないです。(状態を)確認中です」と説明した。 オースティンはここまで107試合に出場し、打率3割3厘、28本塁打、74打点とリーグ屈指の成績を残している。9月28日ヤクルト戦で28号本塁打を放った後、5試合、20打席連続で無安打が続いていた。
◆阪神の及川雅貴投手(20)が落ち着いた投球で3人で抑えた。3点リードの7回に登板。 先頭の森は二ゴロに打ち取るも、続く戸柱を四球で出したが、代打ソトを初球の低めツーシームで三ゴロ併殺に仕留めた。「ボールが先行してしまいフォアボールも出してしまいましたが、落ち着いて投げることができました」。2年目左腕が7試合連続無失点と抜群の安定感を誇っている。
◆阪神がDeNAを下し、4連勝を飾った。初回に2番中野拓夢内野手(25)、4番大山悠輔内野手(26)の適時打などで4点を奪うと、3回には大山の19号ソロで1点を追加した。 先発青柳晃洋投手(27)は6回6安打2失点でトップタイの11勝目。大事な関東遠征9連戦の初戦を白星で飾った。矢野燿大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ? --初回はいい流れで攻撃 タクム(中野)がああやってつなげてくれるとね。もちろん1点を取りに行くことももちろんあるしね。でも、チカ(近本)がよく出てくれるんでね。そういうところではタクムが最高の形でつながったというところから広がるんでね。もちろん結果的にユウスケ(大山)が打ってなかったら、それはならないんだけど。ああいう流れを作って、ユウスケでかえしてね。いい攻撃ができたと思います。 --大山は中日戦では悔しい思い もちろん1年の中では悪かったというのはね。もちろん繰り返すと思うしね。でも、こういう日を多くしようとユウスケも必死に頑張っているんでね。1本、1本を調子上げる1本にしてほしいしね。また、自分の中で「これや!」というのをつかんでくれるようにね。逆方向にもいい感じには振れ出してはいるんでね。そういうのもプラスにしていってもらえればと思います。 --佐藤輝にも1本 いや、まあね。こんだけ打てないっていうのはさすがに、ルーキーとはいえ苦しい思いをずっとしていたと思う。ほんとうれしい顔をしていたんで。個人的にも1本出て良かったと思うし、これをホッとする1本じゃなくて、(大山)ユウスケと同じになっちゃうけど、いいきっかけにしていくように。そういうところではアイツも1本でいいとは思ってないだろうし。また残りの試合の中で、前半戦のようなっていうとアレだけど。感じをつかんでくれたらなと思って使っているんでね。 --佐藤輝は重盗をしかけてもう一点を奪った そやね。ランナーがやっぱりこううまくやってくれてのことなんで。そこは(小野寺)暖も輝もしっかりやってくれたっていうのがもちろん一番大きいんで。 --青柳は丁寧な投球 まあ、(失点は)勝負いっている中なので仕方がない。立ち上がりはいいリズムで点取った後にしっかり抑えていったというのはやっぱり流れが来るし。できれば1点で抑えてくれたらというのは青柳自身も思っていると思う。あいつも貪欲な部分をしっかりもっているんで。ちょっと連勝で勝って、勝てなかったというふうになっていた。今日みたいなピッチングをどんどんやってくれたら頼もしくなると思う。 --遠征9試合の最初を取った もちろん、どれも大事な試合になっちゃうんで全部取りに行く気持ちで戦っているんで。でも、まず最初をみんなでこう作れたというのを、明日の流れにね。自分たちを乗せていける1勝にしたいです。
◆阪神青柳晃洋投手が「DeNAキラー」ぶりを発揮し、6回2失点でハーラートップタイの11勝を挙げた。8月24日DeNA戦以来6戦ぶり、42日ぶりの白星となった。 「遥人(高橋)とかが活躍したゲームを見て悔しかった。何とか勝ちたい気持ちはありましたけど、自分の仕事をしっかりやることだけ頑張りました」と、チームの勝利に貢献することだけを考えた。 勝てない時期はビッグイニングの失点もあったが、丁寧に低めをついて流れを渡さなかった。4点の援護をもらった直後の1回裏2死一、二塁のピンチでは、宮崎に内角ツーシームを投げ込み、中飛で無失点。矢野監督も「いいリズムで点を取った後にしっかり抑えるとやっぱり流れがくる」と話すように、青柳の初回無失点が流れをつくった。 青柳は「嫌なイメージしかなかったんですけど、その記憶ももう消えました」と笑った。横浜のマウンドに立つのは8月2日、東京五輪の米国戦以来。試合はサヨナラ勝ちしたが、同点の5回に登板し、5安打3失点と炎上していた。「マウンドも(五輪仕様から)変わっていたし、DeNA相手には負けていなかったので」。今季の対戦は5戦で4勝負けなしとなった。今季2度目の中5日で青柳がチーム4連勝のバトンをつないだ。【石橋隆雄】
◆逆転Vへ、大きな1本が飛び出した。阪神佐藤輝明内野手(22)が2点リードの初回2死一、二塁で60打席ぶりの安打となる右前タイムリーを放った。 NPB野手ワーストの連続打席無安打は「59」でストップ。苦悩のルーキーは約1カ月半に及ぶ長いトンネルを脱出し、チームもDeNAに快勝。4連勝で3年連続シーズン勝ち越しも決定。首位ヤクルトを逃がさない。みんな笑っていた。佐藤輝の頬も思わず緩んだ。8月21日中日戦以来、45日60打席ぶりの「Hランプ」がともると右手を突き上げ、何度もうなずいた。三塁側ベンチでは首脳陣が、ナインが笑顔、笑顔だ。 「みんな待ってくれていたんで、やっと出せてよかったです」 2点リードの1回2死一、二塁。カウント2-2で左腕坂本の133キロカットボールに腕を伸ばした。右手1本のフォロースルーで一、二塁間を破る。3点目を呼ぶ右前適時打に「必死だった」。直後の2死一、三塁では二盗を仕掛け、三塁走者の生還をアシスト。ハツラツと打って走った。 「いろいろ(状態の)維持だったり...プロ野球は難しいなとすごく思いましたね」 苦しんだ期間について聞かれ、思わず本音がもれた。NPB野手ワーストの59打席連続無安打。夏場には体重が1、2キロ減ったという。それでも「いい感じに絞れた」とプラスに捉えた。デーゲーム続きの2軍暮らしでは、慣れない早起きに「最初はキツかった...」と笑い飛ばす。 1軍再昇格後も早出特打、遊撃での特守など体をいじめ抜き、小麦色の肌が光る。前だけを向いて復活ロードを歩んできたから、胸を張って誓うことができる。「この経験を糧にして、またレベルアップしていけるように頑張っていきたい。本当にチームの優勝に直結するような数字を残していきたいと思います」。 ルーキーの復活打もあり、DeNAに8年連続の勝ち越しを決め、4連勝でビジター9番勝負の初戦を取った。矢野監督も「苦しい思いをしていたと思うし、ホント、うれしい顔をしていた。アイツも1本でいいとは思ってないだろうし、前半戦のような感じをつかんでくれたらなと思って使っている」と逆襲を期待。1本で満足する男ではない。逆転Vへ、長いトンネルを脱出した男が、ついに目覚めた。【中野椋】
◆阪神大山悠輔内野手(26)は打席に入る直前、冷静に状況を見極めた。3回2死。4点リードがあるとはいえ、目の前で3番マルテが中越え打を放ちながら、二塁を狙って憤死していた。 「あそこで3人で終わってしまうと、流れも変わってしまう。まずは塁に出ようという気持ちがあった」 左腕坂本の外攻めに時間をかけて対応。フルカウントからの6球目、外角チェンジアップを丁寧に振り抜くと、高々と上がった飛球は右翼席最前列に届いた。 「3人で終わらず、打点がついたというところは本当にいい結果だった」 フォア・ザ・チームを貫いた末の無欲に近い19号ソロ。この1点で先発青柳の負担をさらに軽くし、4連勝に笑みがこぼれた。 2日前の3日中日戦では最後の2打席に悔しさを残した。ともに走者を置いた場面で絶好調のマルテが歩かされ、直後に凡退していた。「今後、この悔しさをぶつけていってほしい」。矢野監督の願いを初回からバットに乗せた。 1点リードの1回1死二塁では左前適時打。8回にも中前打を決め、9月3日巨人戦以来の猛打賞だ。勝利を最優先する主将としての責任感、そして4番の意地を早速両立させた。 9月は23試合出場で打率3割1分3厘、3本塁打、14打点。10月はここまで4試合出場で打率4割、2本塁打、4打点。好調をキープしたまま、球団では04~09年の金本知憲以来となる2年連続20本塁打以上に王手をかけた。 すでにチーム内では佐藤輝、サンズ、マルテが20発をクリア。大山も続けば85年以来36年ぶりの「20発超カルテット」誕生となるが、もちろん主将に個人記録を意識するスキはない。 「(勝利は)チーム全員が頑張っている証拠。また一丸となって勝てるようにやっていきたい」 この日も首位ヤクルトの1ゲーム差は縮まらなかった。1戦1戦にしびれる秋、持てる力を出し切るのみだ。【佐井陽介】 ▼大山が19号本塁打を放ち、昨年の28本塁打に続き2年連続20発の大台に王手をかけた。阪神の選手では、金本知憲が04~09年に6年連続で記録して以来。右打者では今岡誠の04~05年の2年連続以来。球団最長は7年連続で、藤村富美男49~55年、田淵幸一72~78年の2人。 ▼今季チームではすでに、佐藤輝23本、マルテ22本、サンズ20本と3人が20本塁打をクリア。ここに大山が加われば、日本一を達成した85年のバース54本、掛布雅之40本、岡田彰布35本、真弓明信34本以来、36年ぶりの20発カルテットが誕生する。
◆逆転Vを狙う阪神はDeNAに快勝し4連勝。首位ヤクルトを1ゲーム差で追走している。「チカナカ」が電光石火で先制点を奪った。初回に先頭近本が1ストライクからDeNA先発坂本の外角球に腕を伸ばし、リーグトップを独走する164安打目を中前に運んだ。直近6試合で5試合、1打席目に安打で出塁して打線を引っ張っている。打率も3割1分5厘で、首位打者鈴木誠に6厘差に迫っている。 続く中野は高めに抜けたスライダーを右中間にはじき返し、適時二塁打。一塁走者近本が快足を飛ばし、セ界トップの86得点目のホームを踏んだ。ここまで5球。わずか2分で先制点をもぎとった。中野は「ホームまで走ってくれた近本さんに感謝です。若い力でチームを盛り上げていかないといけない。なんとか優勝に導いていけるように」と力を込めた。速攻の「チカナカ」が逆転Vへチームを引っ張る。
◆8回の男・阪神岩崎優投手がバックの好守に助けられ、無失点で35ホールド目をマークした。 佐野の右安と牧の四球で1死一、二塁とピンチをつくった。楠本に中堅への大飛球を打たれるが、近本がフェンスへぶつかりながらジャンプし好捕。続く宮崎を外角チェンジアップで遊ゴロに仕留めた。この日のコメントはなくても虎党には「0点で抑えられてよかったです」のお決まりのセリフが頭によぎる粘りだった。
◆阪神の守護神ロベルト・スアレス投手がリーグ断トツの37セーブ目を挙げた。3点リードの9回に登板。柴田、森から2者連続の空振り三振を奪うと、最後は戸柱をチェンジアップで投ゴロに打ち取った。 スアレスは「チームがいい状態でつないでくれた。1度も負けたくないので、勝ち続けると信じてやっていきます」とどこまでも頼もしい。
◆逆転Vへ、大きな1本が飛び出した。阪神佐藤輝明内野手(22)が2点リードの初回2死一、二塁で60打席ぶりの安打となる右前タイムリーを放った。 NPB野手ワーストの連続打席無安打は「59」でストップ。苦悩のルーキーは約1カ月半に及ぶ長いトンネルを脱出し、チームもDeNAに快勝。4連勝で3年連続シーズン勝ち越しも決定。首位ヤクルトを逃がさない。やれ本塁打記録だ、やれ無安打記録だと騒がれても、阪神佐藤輝明外野手のキャラクターは変わらない。遠征先のホテルではウーバーイーツで大好きなすしを頬張り、フリー打撃でミスショットすれば「あ~!」と本能のまま叫ぶ。2軍でキャッチボールのコンビを組んだ育成2年目の奥山は「そのまんまの青年で、楽しいやつです」と22歳の素顔を語る。 だから、仲間も放っておかない。2軍降格前、ロハスに自身が使用するミズノ社製のソックスを贈ると、MLB選手も愛用するスタンス社製のソックスをお返しにもらった。「ほしいとは言ってないですけど、僕がメジャー好きなので、『あげるよ』って」とニンマリ。この日は散髪して試合に臨み「気分転換の効果ですね」とちゃめっ気たっぷりに話した。ドラフト順位も国籍も関係ない。ピカイチの「愛され力」があるから、復活の一打にベンチは笑顔であふれた。【阪神担当=中野椋】
◆DeNAは坂本裕哉投手(24)が、2試合連続で初回に4失点した。 9月21日ヤクルト戦は、先頭打者から4連打。4番村上宗隆には満塁本塁打を浴びた。この日は、最も警戒していた先頭の近本光司に中前打を許し、3本の適時打と重盗の間に4点を失った。2回は3者凡退に仕留めた。 なぜ、坂本は立ち上がりに打たれるのか。 三浦大輔監督は「変化球がマウンドで修正できなかった。悪い時にどうするか。立ち上がりは難しいが、悪すぎた」。自らの状態をマウンドの感触と合わせることができていない、という見立てだ。克服方法はあるのか。「悪いなりにどうするか。アウトを取る手段を増やしていかないといけない」と三浦監督。この日は初回の4安打のうち3本がカットボールだった。カットボールの制球が不調なら、直球やチェンジアップを中心とする組み立てに、素早く変更する必要があった。 阪神先発の青柳晃洋には、今季4つめの白星を献上した。 なぜ、青柳に何度も好投を許すのか。 三浦監督は「今日もそうですが、初回に4点と大きな点数を取られたので、大胆にテンポよく攻められた」と分析した。青柳は打たせて取るタイプだが、ツーシームやスライダーでどんどんとストライクを先行させた。点差があれば、狭い横浜スタジアムでも1発を気にしすぎることなく、大胆に攻められるのだ。 今季、青柳に10打数4安打と相性がいい森敬斗をスタメン起用し、打開策を探った。2点を奪った5回は、森が31打席ぶりの安打で反撃の口火を切った。6回までに6安打を浴びせるなど、まったく手が出ないというわけではない。序盤に大量失点せず、僅差の展開に持ち込むことが攻略の鍵となりそうだ。【斎藤直樹】
◆逆転Vへ、大きな1本が飛び出した。阪神佐藤輝明内野手(22)が2点リードの初回2死一、二塁で60打席ぶりの安打となる右前タイムリーを放った。 NPB野手ワーストの連続打席無安打は「59」でストップ。苦悩のルーキーは約1カ月半に及ぶ長いトンネルを脱出し、チームもDeNAに快勝。4連勝で3年連続シーズン勝ち越しも決定。首位ヤクルトを逃がさない。みんな笑っていた。佐藤輝の頬も思わず緩んだ。8月21日中日戦以来、45日60打席ぶりの「Hランプ」がともると右手を突き上げ、何度もうなずいた。三塁側ベンチでは首脳陣が、ナインが笑顔、笑顔だ。 「みんな待ってくれていたんで、やっと出せてよかったです」 2点リードの1回2死一、二塁。カウント2-2で左腕坂本の133キロカットボールに腕を伸ばした。右手1本のフォロースルーで一、二塁間を破る。3点目を呼ぶ右前適時打に「必死だった」。直後の2死一、三塁では二盗を仕掛け、三塁走者の生還をアシスト。ハツラツと打って走った。 「いろいろ(状態の)維持だったり...プロ野球は難しいなとすごく思いましたね」 苦しんだ期間について聞かれ、思わず本音がもれた。NPB野手ワーストの59打席連続無安打。夏場には体重が1、2キロ減ったという。それでも「いい感じに絞れた」とプラスに捉えた。デーゲーム続きの2軍暮らしでは、慣れない早起きに「最初はキツかった...」と笑い飛ばす。 1軍再昇格後も早出特打、遊撃での特守など体をいじめ抜き、小麦色の肌が光る。前だけを向いて復活ロードを歩んできたから、胸を張って誓うことができる。「この経験を糧にして、またレベルアップしていけるように頑張っていきたい。本当にチームの優勝に直結するような数字を残していきたいと思います」。 ルーキーの復活打もあり、DeNAに8年連続の勝ち越しを決め、4連勝でビジター9番勝負の初戦を取った。矢野監督も「苦しい思いをしていたと思うし、ホント、うれしい顔をしていた。アイツも1本でいいとは思ってないだろうし、前半戦のような感じをつかんでくれたらなと思って使っている」と逆襲を期待。1本で満足する男ではない。逆転Vへ、長いトンネルを脱出した男が、ついに目覚めた。【中野椋】
◆DeNA・桑原将志外野手(28)が3試合ぶりに「1番・中堅」でスタメンに復帰した。桑原は1日の巨人戦(東京ドーム)でダイビングキャッチを試みた際に負傷。左手薬指の突き指により、2、3日の同戦を欠場していた。 ここまで119試合に出場しチームトップの打率・314、12本塁打、10盗塁とリードオフマンとして存在感を発揮。打率は4日現在、セ・リーグ3位で、首位打者争いも期待される中、戦列に復帰した。
◆阪神がわずか5球で先制した。 一回先頭の近本が中前打で出塁すると、続く中野がDeNAの先発・坂本の137キロをはじき返し、右中間へ二塁打。一走・近本が一気にホームへと生還した。 プレーボールからわずか5球で幸先よく先制。先発の青柳に大きな援護点をもたらした。
◆長いトンネルをついに抜けた。阪神・佐藤輝明内野手(22)が一回の第1打席で右前適時打を放ち、60打席ぶりの「H」ランプをともした。 2-0と先制し、なおも2死一、二塁の好機。DeNAの先発・坂本に対してカウント2-2から133キロ変化球をうまくひろった。打球は一塁手の横を抜け、右前へ。塁上で久々に白い歯をのぞかせた。 8月21日の中日戦(バンテリンドーム)の第4打席で中前打を放って以来のヒット。きっかけをつかんだ黄金ルーキーが16年ぶりの悲願達成を加速させる。
◆阪神は中野の先制二塁打のあと、1死二塁から4番・大山が6試合連続安打となる左前適時打を放って2点目。大山は「初回から良い流れで回ってきたので、ランナーをかえすことだけを意識して打ちました」とうなずいた。 阪神はさらに佐藤輝が60打席ぶりのヒットとなる右前適時打を放って3点目。このあと、2死一、二塁から佐藤輝の盗塁死の間に三走・小野寺が生還し、4-0と一気にリードを広げた。
◆阪神がわずか5球で先制した。一回先頭の近本が中前打で出塁すると、続く中野がDeNAの先発・坂本の137キロをはじき返し、右中間へ二塁打。一走・近本が一気にホームへと生還した。 プレーボールからわずか5球で幸先よく先制。中野は「近本さんが出塁してくれたので、後ろにつなぐ意識で打ちました。ホームまで走ってくれた近本さんに感謝です」とコメントした。
◆阪神・大山悠輔内野手(26)が三回に19号ソロを放った。 2死から打席へ。坂本の134キロを逆方向へはじき返すと、白球は風に乗った。右翼席に着弾する19号ソロ。5-0とリードを広げた。 大山は1日の中日戦(甲子園)以来、3試合ぶりの一発。2年連続の20号に王手をかけた。阪神ではすでに佐藤輝(23本)、サンズ(20本)、マルテ(22本)が大台に到達しており、チーム4人目のシーズン20本塁打となれば、1985年のバース(54本)、掛布雅之(40本)、岡田彰布(35本)、真弓明信(34本)以来、36年ぶりとなる。
◆長いトンネルをついに抜けた。阪神・佐藤輝明内野手(22)が一回の第1打席で右前適時打を放ち、60打席ぶりの「H」ランプをともした。 「使ってもらっている中でチームに全然貢献できていなかったので、久しぶりにタイムリーを打つことができて、チームに貢献する1本を打つことができてよかったです。これからもっともっと打てるように頑張ります」 2-0と先制し、なおも2死一、二塁の好機。DeNAの先発・坂本に対してカウント2-2から133キロカットボールをうまくひろった。打球は一塁手の横を抜け、右前へ。8月21日の中日戦(バンテリンドーム)の第4打席で中前打を放って以来のヒットとなった。
◆先発した阪神・青柳晃洋投手(27)は6回6安打2失点でマウンドを降りた。 一回は2死から牧に二塁打、オースティンに四球で一、二塁のピンチも宮崎を中飛。五回に2点を失ったが、六回は1死二塁から宮崎を見逃し三振、柴田を二直で試合をまとめた。 青柳は七回に代打を送られて降板。リーグ最多に並ぶ11勝目の権利を持ってベンチから戦況を見守った。
◆阪神・佐藤輝明内野手(22)が一回2死一、二塁で右前に60打席ぶりの安打となる適時打を放った。この回、4点を奪い、三回の大山悠輔内野手(26)の19号ソロで加点。先発の青柳晃洋投手(27)は6回2失点で8月24日のDeNA戦(京セラドーム)以来、登板6試合ぶりの白星を挙げ、リーグトップタイの11勝目(5敗)をマークした。 ヒーローインタビューで大山は一回の適時打について「1、2番がいい流れを作ってくれたので、何とか返そうと思って打席に入りました」。三回の一発には「打った感触はよかったので、入ってくれと思って走っていた。結果的にホームランになってくれてよかった」。関東9番勝負で白星発進。「残りの試合も少ないですし、何とか全員で勝とうと思ってやってますけど、本当に厳しい試合が続くと思うので、もう一回、チーム一丸となって頑張りたいと思います」と話していた。
◆阪神が逃げ切った。打線は一回に中野が適時二塁打を放って幸先よく先制。大山が左前適時打で続くと、2死一、二塁から佐藤輝が60打席ぶりの安打を右前適時打で飾り3-0とした。さらに続く梅野の打席で重盗を仕掛け、自身の盗塁死の間に三走・小野寺が生還。三回には大山が19号ソロを放って序盤の主導権を握った。 先発の青柳は6回6安打2失点の粘投でリーグトップタイに並ぶ11勝目をマーク。及川、岩崎、スアレスとつないだ。阪神は4連勝。DeNA戦は2試合を残し、2014年から8年連続の勝ち越しを決めた。
◆阪神・佐藤輝明内野手(22)が一回2死一、二塁で右前に60打席ぶりの安打となる適時打を放った。この回、4点を奪い、三回の大山悠輔内野手(26)の19号ソロで加点。先発の青柳晃洋投手(27)は6回2失点で8月24日のDeNA戦(京セラドーム)以来、登板6試合ぶりの白星を挙げ、リーグトップタイの11勝目(5敗)をマークした。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ーー一回は、いい流れで攻撃 「チカがよく出てくれるんでね。タクムが最高の形でつながったところから広がるんでね。結果的にユウスケが打ってなかったら、それはならないんだけど。ああいう流れを作って、ユウスケでかえしてね。いい攻撃ができたと思います」 ーー大山は中日戦では悔しい思い 「1年の中では悪かったというのはね。繰り返すと思うしね。こういう日を多くしようとユウスケも必死に頑張っているんでね。1本、1本を調子上げる1本にしてほしいしね。自分の中で『これや!』というのをつかんでくれるようにね。逆方向にもいい感じには振れ出してはいるんでね。プラスにしていってもらえればと思います」 ーー佐藤輝にも一本 「こんだけ打てないのはさすがに、ルーキーとはいえね、苦しい思いをずっとしていたと思うし。ホント、うれしい顔をしていたんで。個人的にも一本出て良かったと思うし、これをホッとする一本じゃなくて、ユウスケと同じになっちゃうけど、いいきっかけにしていくように。アイツも一本でいいとは思ってないだろうし。また残りの試合の中で、前半戦のようなっていうとアレだけど。感じをつかんでくれたらなと思って使っているんでね」 ーー(一回は)佐藤輝は重盗をしかけて、もう1点を奪った 「そやね。ランナーがうまくやってくれてのことなんで。そこは(三走の)暖も輝もしっかりやってくれたのが一番大きいんで」 ーー青柳は丁寧な投球 「(失点は)勝負いっている中なので仕方がない。立ち上がりはいいリズムで点取った後に抑えたのは流れが来るし。できれば1点で抑えてくれたらというのは青柳自身も思っていると思う。あいつも貪欲な部分をもっているんで。連勝で勝って、勝てなかったというふうになっていた。今日みたいなピッチングをどんどんやってくれたら頼もしくなると思う」 ーー遠征9試合の最初を取った 「どれも大事な試合になっちゃうんで全部取りにいく気持ちで戦っているんで。まず最初をみんなで作れたのを、明日の流れにね。自分たちを乗せていける1勝にしたいです」
◆DeNAは序盤に坂本が与えた5点が響いて3連敗(1分け挟む)を喫した。一回は球が高く、4安打を許して4失点。三回は2死から大山にソロ本塁打を浴び、3回5失点で6敗目となり「早いイニングでマウンドを降りることになり、チーム、中継ぎ陣に申し訳ない」と唇をかんだ。 阪神戦は8年連続の負け越し。三浦監督は就任1年目のシーズンの負け越しが決まり「まだシーズンは終わっていないので、一つでも多く勝てるようにやっていくだけ」と言葉を絞り出した。
◆最近、勝ち運に見放されていた阪神・青柳だが、6回2失点。十分に先発投手の仕事を果たしての11勝目。見事だ。シンカーを中心に丁寧に投げて、いつも通りの青柳らしさを見せていた。 ただ、1点、指摘しておきたいことがある。六回1死から楠本に左翼線二塁打を打たれたシーンだ。本塁打の危険が少ない外角へのシンカーから入って、内角を見せ、再びシンカー勝負。決して間違いではない。
◆DeNAのオースティンが左ふくらはぎの張りのため、途中交代した。試合中に痛めたもようで、捕ゴロに倒れた四回の攻撃終了後に退いた。三浦監督は「大事を取って交代した」と説明した。
◆阪神の佐藤輝が一回に60打席ぶりの安打を放った。2点を先制してなお2死一、二塁で、坂本のカットボールをうまく拾って右前適時打とした。一塁ベース上でベンチに向かって拳を突き上げたルーキーは「みんな待ってくれていたと思う。やっと出せてよかった」と安堵の笑みを浮かべた。 8月19日に球団新人最多となる23号本塁打を放ったが、その後は調子が急下降し、9月10日に出場選手登録を外れた。約2週間で1軍復帰を果たしても快音は響かず、今月3日の中日戦で59打席連続無安打となり、投手を含めたセ・リーグのワースト記録を更新した。 長いトンネルをようやく抜け「チームの優勝に直結するような仕事をしたい」。この試合が復調のきっかけとなるか。
◆序盤の5失点が響いて1分けを挟む3連敗を喫し、2年連続のシーズン負け越し、8年連続の阪神戦負け越しが決まった。先発・坂本が一回に4失点するなど、3回6安打5失点と崩れた。球団では2003年の山下大輔氏から7人連続で就任1年目に負け越している。2年契約で1年目の三浦監督は「明日も試合がありますから。一つでも勝てるようにやっていくだけ」と前を向いた。
◆阪神・スアレスは登板4戦連続セーブで、阪神では2017年にドリスが記録して以来のリーグトップ37セーブに到達だ。「チームがいい状態でつないでくれた。この状態を続けていきたい。一回も負けたくないので勝ち続けると信じてやっていきます」。3点リードの九回、2試合連続の三者凡退セーブで気持ちよく締めくくった。試合前は円陣で「俺はできる!」と日本語で盛り上げた。4試合連続の声出し担当で4連勝だ。
◆チームも同期も引っ張る頼もしい2番打者だ。一回無死一塁、阪神・中野は右中間へ先制二塁打。「これからはやっぱり負けられない戦いが続く中で、なんとか先制点が欲しいというのもありました」。一挙4得点へとつなげた。佐藤輝に快音が出る日を同期として待ちわびていただけに「自分のことのようにうれしかった。ここから上がっていくと思うので期待したい。なんとか2人で優勝に導けるようにやっていきたい」と笑顔だ。
◆2試合連続スタメン出場も無安打に終わった阪神・小野寺だったが、佐藤輝との息の合った走塁で1点をもぎ取った。3-0となった直後の一回2死一、三塁、一走・佐藤輝が二塁へスタート。捕手が二塁へ送球すると、佐藤輝が一、二塁間に挟まれる間に三走・小野寺が本塁を陥れた(記録は盗塁死と送球間の生還)。矢野監督は「ランナーがやっぱりうまくやってくれてのこと。そこは(小野寺)暖も輝もしっかりやってくれたっていうのがもちろん一番大きい」とねぎらった。
◆〝新・七回の男〟として阪神・及川がまたも快投だ。5-2の七回に登板すると、1死から戸柱を歩かせるも続く代打・ソトを三ゴロ併殺に料理した。「ボールが先行してしまい四球も出してしまいましたが、ゲッツーを取ることができたことで、落ち着いて投げることができました」。登板3試合連続で同点もしくは僅差リードの七回を任されており、間違いなく虎ブルペンの救世主だ。9ホールド目をつかみ、高卒2年目にして2桁ホールドにリーチをかけた。
◆横浜の夜空に高々と舞い上がった白球は、風にも乗って右翼フェンスを越えた。阪神・大山がソロを含む3安打2打点。4番としての仕事を果たした。 「打った感触はよかったので、入ってくれると思って走っていました。結果的にホームランになってくれてよかった」 4―0の三回2死、フルカウントから坂本のチェンジアップを逆方向へはじき返した。3試合ぶりの一発は貴重な追加点となる19号ソロ。2年連続の大台に王手をかけた。 「まずは塁に出ようという気持ちがあった。(三回の攻撃を)3人で終わらなかった、打点がついたっていうところはいい結果だった。チームにとっても自分にとっても大きな一本だった」 三回に19号ソロを放ち、貴重な追加点をたたき出した大山 一回には近本と中野の連打で1点を先制し、なおも1死二塁で左前適時打。ここまで得点圏打率は・203も、ここ6試合では同・375(8打数3安打)と勝負強さを発揮している。八回には中前打で9月3日の巨人戦(甲子園)以来、今季7度目の猛打賞。自身が負傷離脱中に4番も務めた佐藤輝が久しぶりの快音を残した試合で、〝現4番〟が存在感をみせた。 矢野監督は「一本、一本を調子上げる一本にしてほしい。自分の中で『これや!』というのをつかんでくれるように。逆方向にもいい感じには振れ出してはいる。そういうのもプラスにしていってもらえれば」と爆発に期待を込めた。 「1試合、1試合、なんとか全員で勝とうと思ってやっている。厳しい試合が続くと思うので、もう一回、チーム一丸となって頑張りたい」 大山は横浜の虎党の前で力強く意気込んだ。主将として虎を頂点へと連れていく。(菊地峻太朗) ★V吉兆85年以来 大山が今季20号に王手をかけた。ここまで阪神では佐藤輝(23本)、マルテ(22本)、サンズ(20本)の3人がシーズン20発以上をマーク。4人が大台に到達すれば、日本一に輝いた1985年のバース(54本)、掛布雅之(40本)、岡田彰布(35本)、真弓明信(34本)以来36年ぶりとなる
◆東京五輪以来の横浜のマウンドで苦い思い出を払拭し、なが~いトンネルの出口にもたどり着けた。3連敗中だった阪神・青柳が6回6安打2失点でセ・リーグトップタイの11勝目。6試合ぶりの白星に、やっと笑えた。 「本当に最初に点取ってもらえたんで、楽な気持ちで投げられました。調子自体も良かった。2点取られましたけど、粘れたんで良かった」 序盤から大量リードをもらった野手への感謝も忘れなかった。 4-0の一回2死一、二塁から宮崎を低め144キロで中飛に打ち取り、制球も安定。その後は四回まで二塁も踏ませなかった。5-0の五回1死二、三塁で二ゴロの間に初失点、さらに桑原に適時二塁打を浴びたが、佐野は142キロで左飛に打ち取った。六回1死二塁のピンチも切り抜け、七回から中継ぎ陣に後を託した。 〝トラウマ〟にも打ち勝った。稲葉ジャパンの一員として戦った8月2日。準々決勝の米国戦(横浜)で五回に中継ぎ登板も、1回3失点と結果を残せず。「嫌なイメージしかなかった」という敵地。それでも「自分の中では横浜(DeNA)相手には負けていなかった」と自身を奮い立たせた。これで今季DeNA戦は5戦4勝負けなし。「嫌な気持ちはありましたけど、何とかその記憶も消えました」と声を弾ませた。 「悔しい気持ちも多かったですし、遥人(高橋)とかが活躍したゲームを見て悔しかった」 2試合連続完封など3連勝の高橋ら仲間の輝く姿も発奮材料にした。勝てない間、自らの意思で矢野監督に甲子園の芝生の上で〝青空教室〟を開いてもらい、配球のアドバイスをもらった。下を向かずにすべてを糧にしていたから、この日の1勝につながった。 指揮官は「立ち上がりはいいリズムで点を取った後にしっかり抑えていったのはやっぱり流れが来る」と評価し、「今日みたいなピッチングをどんどんやってくれたら頼もしくなる」と期待した。 「自分の目標よりもチームが優勝できるように、残り試合全部勝てるぐらい頑張っていきたい」 13勝を目標に掲げる青柳は力を込めた。虎で最多勝のタイトルを獲得すれば2014年のメッセンジャー以来で、くしくも勝利数は「13」。すべてを手にし、矢野阪神のラストスパートの柱になる。(新里公章)
◆やっと出た!! この瞬間を待っていた!! 阪神はDeNAに5-2で勝ち4連勝。「7番・右翼」で出場した佐藤輝明内野手(22)が一回に右前適時打を放ち、60打席ぶりの安打をマークした。虎党もチームメートも待ちに待ったHランプ。長いトンネルを抜け出した黄金ルーキーとともに、矢野虎が16年ぶりの優勝へ突き進む。横浜に久々の快音が響き渡る。佐藤輝は塁上でにっこり笑った。そして右手を突き上げた。長かった暗闇の出口。その目に飛び込んできたのは、ベンチで手を挙げて喜ぶ矢野監督と虎ナインの姿だった。 「チームの勝利に貢献できたので、必死だったのですごくうれしい。みんな待ってくれていたので、やっと出せてよかったです」 2-0の一回2死一、二塁。ついに、その瞬間が訪れた。坂本の133キロカットボールを振り切る。白球は飛びついた一塁手・牧の横を抜けた。8月21日の中日戦(バンテリンドーム)の第4打席以来45日ぶり、60打席ぶりの「H」ランプは、虎の勝利につながる貴重な3点目のタイムリーとなった。 ルーキーらしからぬ落ち着きぶりで、感情をあまり表に出さない男だ。ただ、プロ初の2軍降格。そして、1軍に復帰してもセ・リーグのシーズンワーストとなる59打席連続無安打。「もちろん悔しいけど、それが自分の実力。しんどいですけど、やるしかないので頑張っています」。その胸の内は当然辛くて、苦しかった。不振の期間、たくさんの人が激励の連絡をくれた。もちろん、力になった。ただ、家族だけはいつもと変わらない態度で接してくれた。父・博信さん(54)は「私たちがどうこう言える状況ではないので」と静かに見守り続けた。誰より息子自身が悔しくてリベンジに燃えていることを知っていたからだ。もう一度、グラウンドで輝く-。「でも、やっぱり(励みとなったものの)一番は『打ちたい』という気持ちですね」。佐藤輝がバットを振り続けた理由はただそれだけだった。長いトンネルの出口に立ったルーキー。矢野監督は「苦しい思いをずっとしていたと思うし、本当にうれしい顔をしていた。個人的にも一本出てよかったと思うし、いいきっかけにしていくように」と胸をなでおろした。西宮市の自宅でテレビ越しに見届けた博信さんは「妻と祝杯をあげます!」と久々の美酒に酔った。仲間が家族が、そして虎党が安堵し、笑顔になった。チームは4連勝。ただ、首位・ヤクルトも勝利したためゲーム差は変わらず「1」のまま。佳境に入った優勝争いを制するためには佐藤輝の完全復活は絶対条件だ。Vのキーマンはやはりこの男しかいない。「プロ野球は難しいなとすごく思いました。この経験を糧にしてまたレベルアップできるように頑張っていきたい。チームの優勝に直結するような数字を残していきたいと思います」味わった59度の悔しさを乗り越え、また強くなった。16年ぶりの頂点へ-。黄金ルーキーの逆襲が始まる。(原田遼太郎)
◆ついに出た。やっと出た。一回、佐藤輝が60打席ぶりに右前へ。8月21日以来らしい。でも、申し訳ないが「あのヒット以来かぁ」という記憶がない。スーパールーキーに1カ月半もヒットが生まれないなんて夢にも思わないから、サトテルのホームラン一本一本は覚えていても、サトテルのヒットなんて覚えていないのだ。 その点、こちらの記憶は鮮明だった。 あの夜以来だなぁ、このスタジアムに来たのは...。 ちょっぴり感傷に浸りながら、決戦のハマスタ記者席にいたのは、トラ番キャップ・長友孝輔。 8月7日。日本野球界の悲願、五輪での金メダルを、稲葉監督率いる侍ジャパン24戦士が実現してくれた。五輪の野球担当として密着取材していた長友。あの夜の記憶は一生の財産だ。 「表彰式の最中に写真を1枚だけ、パシャっと撮ったんです。せっかく、こんな場所にいるんだから、と思って」 スマホ内蔵の1枚は、宝物になっている。 「ミックスゾーンで、金メダルを首から下げている梅野の誇らしげな笑顔も忘れられません。決勝の夜は午後11時過ぎにようやく原稿を書き始めて、仕事が終わったのは深夜の1時過ぎ。五輪期間中、横浜のホテルに十数泊して、その途中で2度ほど、福島県まで日帰り。当時はきつかったですが、すべていい思い出です」 長友の〝ハマスタの記憶〟は羨ましいぐらいにステキだが、ハマスタに悪いイメージを抱いているトラ番はほとんどいない。あの空間に入るとなぜか「きょうも勝てるんじゃないかな」「いいことが起きるんじゃないかな」と予感するのだ。相性とは不思議だ。佐藤輝も、4月9日の衝撃的な場外ホームランが脳裏を過ぎったのでは。大山も3年前の9月17日の6打数6安打3本塁打を思い出したはず。幸先がいい。「炎の10番勝負」。まずは1つ勝った。長友キャップ、予想は何勝何敗だ?「先輩、DeNA、ヤクルト、巨人相手の関東圏ビジターでの9番勝負ですよ。10番ではないです」長友が否定してきたが、いやいや、違うぞ。試合のない11日に運命のドラフト会議があるだろう。これも大一番。1位指名が競合すれば、くじ引きになる。この勝負も負けられない。「そうですね。では、僕は1抽選勝ちを含めて8勝2敗の予想で行きたいと思います」虎が日本中の視線を独り占めする10番勝負といきたいところだ。表舞台は華やかだが、その裏で、この時期ならではの寂しい話題も。阪神から戦力外が5選手に通告された。5人中2人は、指名されたドラフト当日に取材した。2016年秋。藤谷は、偶然にもドラフト会場から徒歩5分のホテルに宿泊中。ふるさと・周防大島の話をしながら「ドラフト8位からはい上がります」と誓っていたっけ。17年秋。育成枠の石井将は群馬・伊勢崎市の合宿所で、高校、大学の恩師への感謝の言葉をつづりながら「一日も早く支配下になりたい」と希望にあふれていた。お父さんが営む実家のトンカツ屋さん、メチャクチャおいしかった記憶も。袖振り合うも多生の縁-。取材した若者たちが次なる挑戦で大成功することを祈りたい。
◆わが阪神タイガース、逆転優勝への試練の関東9試合の火蓋が切られたー!! と、言ってもヤクルト、巨人の前にベイスターズの隕石(いんせき)にでも当たったらどーしようとハラハラ...ドキドキ...。 そういえば、前のカードで中日に3連勝したといっても得点は全て本塁打。打線はヒットをつなげる『線』じゃなきゃいけないのに、『点』になっているし...と思っていたら、一回に中野、大山がタイムリー、仕上げに佐藤輝の60打席ぶりの安打がタイムリー(長いトンネル脱出オメデトウ!!)になり、打線が『線』になっていたのだ!! いや~ これ、虎の逆転Vは間違いなし!! 横浜、神宮、東京ドームはホームランが出やすい球場。一発狙いの大振りになり、相手投手の術中にはまるのでは...と不吉な予感がしていただけに一安心なのだ!!
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
ヤクルト |
64 | 44 | 16 | 0.593 (↑0.004) | - (-) |
19 | 559 (+3) | 453 (+2) | 128 (+2) | 67 (-) |
0.257 (-) | 3.430 (↑0.01) |
2 (-) |
阪神 |
69 | 51 | 7 | 0.575 (↑0.004) | 1 (-) |
16 | 493 (+5) | 477 (+2) | 114 (+1) | 106 (-) |
0.247 (-) | 3.490 (↑0.01) |
3 (-) |
巨人 |
59 | 52 | 18 | 0.532 (↓0.004) | 6.5 (↓1) |
14 | 509 (+2) | 485 (+3) | 156 (-) | 65 (-) |
0.246 (-) | 3.570 (-) |
4 (-) |
中日 |
51 | 63 | 16 | 0.447 (↑0.005) | 16 (-) |
13 | 375 (+4) | 429 (+3) | 67 (-) | 56 (-) |
0.238 (-) | 3.180 (↑0.01) |
5 (-) |
広島 |
50 | 65 | 11 | 0.435 (↓0.004) | 17.5 (↓1) |
17 | 471 (+3) | 534 (+4) | 107 (-) | 57 (+1) |
0.262 (↑0.001) | 3.930 (-) |
6 (-) |
DeNA |
48 | 65 | 15 | 0.425 (↓0.004) | 18.5 (↓1) |
15 | 511 (+2) | 572 (+5) | 129 (-) | 26 (-) |
0.257 (-) | 4.270 (-) |
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