阪神(☆5対2★)中日 =リーグ戦21回戦(2021.10.01)・阪神甲子園球場=
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中日
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阪神
00023000X5502
勝利投手:伊藤 将司(8勝7敗0S)
(セーブ:スアレス(1勝1敗35S))
敗戦投手:笠原 祥太郎(0勝1敗0S)

本塁打
【中日】福田 永将(7号・5回表ソロ),福田 永将(8号・7回表ソロ)
【阪神】大山 悠輔(18号・4回裏2ラン),マルテ(20号・5回裏3ラン)

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◆阪神は0-0で迎えた4回裏、大山の2ランで先制に成功する。直後に1点を返されるも、5回にはマルテの3ランが飛び出し、相手を突き放した。投げては、先発・伊藤将が7回2失点の力投で今季8勝目。敗れた中日は、打線が福田の2本塁打による2得点のみと振るわなかった。

◆阪神山本泰寛内野手(27)が、中日戦の試合前練習から1軍に合流した。そのまま出場選手登録される見込みだ。 山本は昨オフに金銭トレードで巨人から加入。今季は開幕1軍に名を連ね、4月3日の中日戦(京セラドーム大阪)に途中出場してサヨナラ適時二塁打を放った。 後半戦も1軍スタートし、8月30日に出場選手登録を抹消された。2軍では14試合に出場し46打数14安打、打率3割4厘とコンスタントに打ち、ウエスタン・リーグ優勝に貢献。直近では9月30日のソフトバンク3軍との練習試合(鳴尾浜)で5打数2安打。約1カ月ぶりの1軍で、今度は1軍のリーグ制覇へ向けて貢献する。 代わって小幡竜平内野手(21)が出場選手登録を抹消される見込み。

◆54打席連続無安打の阪神佐藤輝明内野手(22)が、遊撃でノックを受けて体をいじめ抜いた。 中日戦の試合前練習で右翼、三塁に続き、遊撃の位置で久慈コーチのノックを受けた。約20分、左右に打球を振られ、前にもダッシュし、時折息を切らして膝に手をついた。前日9月30日まで3日連続で早出特打を敢行。この日は特打ではなく守備で汗をかき、体にキレを取り戻させるように動いた。 前日は23日の1軍再昇格後初めて欠場した。9月29日は代打で左飛に倒れ、2リーグ制後の野手では最長の54打席連続無安打となった。とにかく練習を重ね、復活へのヒントを探っている。

◆阪神は前日9月30日広島戦(甲子園)で球団の育成ドラフト指名選手で初アーチとなる1号ソロを放った小野寺暖外野手(23)を「6番・右翼」で2戦連続のスタメン起用した。 前日の7番から打順も上がり、ラッキーボーイ的な活躍で3連敗中のチームを白星に導きたい。7番左翼には2戦ぶりのスタメン起用となるチーム最年長の糸井嘉男外野手(40)が入った。

◆この日の阪神-中日戦(甲子園)限定で、阪神の野手が打席に入る前や、投手が登板する際に流れる登場曲が、選手が選んだ「懐メロ」に変更された。 初回、1番近本光司外野手(26)は松任谷由実の『真夏の夜の夢』、2番中野拓夢内野手(25)はclassの『夏の日の1993』で登場。そして、続く3番ジェフリー・マルテ内野手(30)の打席では聞き慣れない曲が流れた。 SNSでは「マルテの曲はマジで分からん」「マルテが母国の曲を選んだからまったく懐かしい気持ちにならない...」とファンがざわついた。母国の懐メロなのか...、果たして。マルテ自身はご機嫌な様子で打席に立ったが、第1打席は三ゴロに倒れた。

◆阪神大山悠輔内野手(26)の4試合ぶりの18号2ランで先制点をたたき出した。 4回に先頭のジェフリー・マルテ内野手(30)が先発の笠原祥太郎投手(26)からチーム初安打となる左前打で出塁。無死1塁でカウント3-1から外角直球を左中間へはじき返した。滞空時間の長い、大きなアーチが左中間席へ着弾した。「将司(伊藤)が頑張って投げてくれていますし、とにかく先制点を取りたいと思っていたので、ホームランになってよかったです」。4回まで無失点投球を続けていた左腕に、大きな2点をささげた。 この日の試合は、阪神の野手が打席に入る前や、投手が登板する際に流れる登場曲が、選手が選んだ「懐メロ」に変更された。大山はCHAGE and ASKA「太陽と埃の中で」で快音を奏でた。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手(30)に驚愕(きょうがく)の1発が飛び出した。2-1の5回2死一、二塁で見逃せばボールかという、中日笠原の高めに抜けた変化球を振り抜いた。快音とともに打球は高く上がり、楽々と左翼席まで3ランを運んだ。「2アウトから1、2番がチャンスメークしてくれたから、何としてもホームまでかえしたいと思っていたよ。最高の結果になって良かったね」。 6試合ぶりの1発は、来日3年目にして初の20号。7月9日の巨人戦以来、約2カ月ぶりに甲子園でホームラン後のパフォーマンス「ラパンパラ」を披露した。 この日は選手それぞれが「懐メロ」を選曲し、それを登場曲に打席に入っていた。マルテもいつもの曲とは異なるラテン調の曲をバックに打席に入った。日本ではなじみのない曲だったが、マルテは思い入れが強いのか、豪快なアーチにつなげた。 ▼阪神マルテが今季20号本塁打。佐藤輝の23本、サンズ20本に次いで20本塁打が3人となった。阪神で20本塁打以上が3人は、04年の金本知憲34本、今岡誠28本、アリアス25本以来17年ぶり。球団最多は4人で、過去3度ある。76年=ブリーデン40、田淵幸一39、掛布雅之27、ラインバック22。79年=掛布48、ラインバック27、竹之内雅史25、スタントン23。85年=バース54、掛布40、岡田彰布35、真弓明信34。大山もこの日18号を打っており、36年ぶりに20本超カルテット誕生の可能性がある。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が7回先頭、先発伊藤将の代打で登場し二ゴロに倒れた。中日左腕岡田の134キロを引っかけた。これで55打席連続無安打で自身の持つNPB野手ワースト記録をさらに更新した。投手を含めると01年入来(巨人)、03年黒田(広島)の54打席連続無安打を抜き、プロ野球歴代単独4位となってしまった。 登場時には割れんばかりの大拍手が起きた。この日の登場曲は選手自身が選ぶ懐メロで、佐藤輝はEarth、Wind&Fireの「Let's Groove」をチョイス。大きなメガホン音の後押しも受けたが、凡退に終わった。 9月29日の広島戦(甲子園)では代打で左飛に倒れ、2リーグ制後の野手では最長だった93年トーベ(オリックス)の53打席連続無安打を更新していた。翌30日は23日の1軍再昇格後初の欠場となり、これで3試合連続でスタメンを外れた。 8月21日の中日戦(バンテリンドーム)を最後に安打がなく、甲子園での安打に限ると7月14日のDeNA戦までさかのぼる。 9月は11試合で28打席無安打。10月最初の試合でも快音は響かなかった。

◆3連敗中の阪神は2本の本塁打で5点を奪い、試合を優位に展開して連敗を止めた。 4回無死一塁で大山悠輔内野手(26)が左中間へ18号2ランを放ち2点を先制した。2-1の5回には2死から近本の二塁打と四球で一、二塁の得点機をつくり、ジェフリー・マルテ内野手(30)が左翼へ20号3ランを放ち、点差を4点に広げた。 先発の伊藤将司投手(25)は中日福田永将内野手(33)に2本のソロを浴びたが2失点にとどめた。7回を無四球で、球団新人左腕では86年遠山以来となる8勝目を挙げた。8回を3者凡退で抑えた岩崎優投手(30)が33ホールド目を記録。3点差の9回はロベルト・スアレス投手(30)がリードを守り、リーグトップのセーブ数を「35」に伸ばした。

◆阪神先発は伊藤将、中日は笠原。伊藤将は3回まで中日打線をパーフェクトに抑えた。阪神は3回1死二、三塁の先制機も無得点。 阪神は4回、大山の2ランで先制。中日は5回に福田のソロで1点を返した。阪神はその裏、マルテの3ランで点差を広げた。 阪神は継投でリードを守り切り、伊藤将の8勝目で連敗を3で止めた。中日は連勝が3で止まり、先発笠原が1敗目を喫した。

◆阪神は投打のヒーローがお立ち台に立った。 「投」のヒーローは先発の伊藤将司投手(25)。中日福田永将内野手(33)に2本のソロを浴びたが2失点にとどめた。7回を無四球で、球団新人左腕では86年遠山以来となる8勝目を挙げた。 「打」のヒーローはジェフリー・マルテ内野手(30)。2-1の5回2死一、二塁から左翼へ20号3ランを放ち、大きな援護点をもたらした。来日3年目にして初の20本塁打の大台に乗せた。 ヒーローインタビューは以下の通り。【伊藤将司】 -連敗を止めて今季8勝目 連敗ストップできて本当にホッとしています。 -どんな気持ちで 前回も良いピッチングをできたんですけど、今回もしっかり試合をつくろうとして(試合に)臨みました。 -7回2失点を振り返って 野手のみなさんに援護点をとってもらったんで、自分は本塁打2本打たれちゃったんですけど、その中で今日勝てたのは本当に良かったです。 -大山とマルテの本塁打はどんな気持ちで見ていた 大山さんとマルテにホームランを打ってもらえたので本当にうれしかったです。 -シーズン終盤。今どんな思いで ここまできたので最後まで投げぬきたいと思います。 -次回登板へ向けて 1戦1戦、頑張りますのでご声援よろしくおねがいします。 ? 【マルテ】 -甲子園では初のヒーロー こうやって自分のホームランが勝利に結びつくことができて本当にうれしいですし、これからもチームの勝利のために(本塁打後のパフォーマンスの)「ラパンパラ」をいっぱい届けたいと思います。 -本塁打の狙いは 良い打席を送ろうとしていましたし、ゾーンに来た球を強く打つことだけを心掛けていましたし、良い結果に表れて喜んでいます。 -来日初の20号 うれしいですね。こうやってファンの方々の前で、チームメートの前で自分のうれしさを共有できてうれしく思いますし、これからチャンピオン目指して頑張りたいと思います。 -ファンへ向けて みなさんに「1、2、3」と言うので一緒に「ラパンパラ」よろしいでしょうか。 いち、に、さん、ラパンパラ!

◆阪神が大山18号2ラン、マルテ20号3ランの2発で中日に勝ち、連敗を3で止めた。先発伊藤将は7回2失点で8勝目。8回岩崎、9回スアレスと必勝リレーで逃げ切った。首位ヤクルトが勝ち、ゲーム差は1のまま、ピタリと追走する。試合後の矢野燿大監督(52)の一問一答は以下の通り。 -連敗を3でストップ。まずは大山の先制2ランで大きな点が入った 矢野監督 風が運んでくれたところもあったんですけどね、いい2点だったと思います。 -5回は2死走者なしから1、2番が出塁してマルテが3ラン 矢野監督 1点、1点というのもね、もちろん攻撃の中で大事なところなんですけど。やっぱり本塁打で3点というのは、流れが一気にこっちに来る打撃をしてくれたのでね。素晴らしい本塁打でした。 -3、4番に1発が出たのも今後へ向けて大きい 矢野監督 それをね、どうするかっていうのは選手自身というか、僕らも応援しながら後押ししていきますけど。つなげていってもらえるように、やっていってくれると思います。 -先発の伊藤将は7回2失点 矢野監督 ルーキーでね、1年間ローテーションを守るっていうのも簡単なことじゃないですし。調子の波があってもおかしくないんですけど。将司(伊藤)もね、後半に来ても将司らしい投球をしっかりしてくれているんでね。本当に立ち上がりも素晴らしい投球でしたし。将司が流れを作ってくれましたね。 -6回2死一、二塁のピンチも4番ビシエドを投ゴロに抑えて踏ん張った 矢野監督 あそこは流れの中で、一番どうしても将司で切ってほしいという中で粘ってくれた。あの1球素晴らしい高さの、いいボールでした。 -8回は岩崎は前日9月30日広島戦に決勝弾を許していたが、3人で抑えた 矢野監督 僕らの信頼は何も、昨日何かあったから変わるものでもないですし。優(岩崎)にはもう任せているんでね。はい。あとは応援するだけですね。 -月が変わって連敗ストップ、あす以降へ向けて 矢野監督 毎日、優勝争いの中で戦うというのも本当に僕たちは、いい経験できていると思います。正直苦しいですけど、苦しい中でもみんな何とかしようという気持ちで戦ってくれているんでね。これが成長につながると思いますし、本当に強いチームになっていけると信じて、あしたからも戦っていきます。 ? -伊藤将が攻撃にリズムを生んだ 矢野監督 完璧に打ち取っていたし、抑え方、中身もしっかりした投球をしてくれていた。早く1点がほしいなと思っていた。 -セットからクイックやいろんなバリエーションで工夫して投げていた 矢野監督 そういうところもね、やっぱりあいつもエリート街道というか、いい高校や大学や社会人でやってきて、そういう経験というものがいい意味で変化していくっていうかね。相手が研究してくるんで、そういうところで自分なりにね。もちろん、俺らも、コーチも気づいたところを伝えていっているけど、相手が研究してくる中をどうしていくかをやっている証しかなと思う。 -4回2死一、三塁での梅野の三塁送球で三塁走者を刺したのも大きかった 矢野監督 そうやね。あそこも流れの中で、むこうがダブルスチールという形だったと思うけど、しっかり流れを止めてくれた。素晴らしいプレーでした。 -本塁打2発で打線に勢いも 矢野監督 そんなに簡単に本塁打を打てるもんじゃないけどね。流れの中で打っているし、そういうのが最近なかったんで、悠輔のも風が助けてくれた部分もあったけれど、しっかり振り切ったからこそホームランになったと思うし、マルテもね、ヒットは出てたけどホームランは出てなかったのでね。そういうところで、何かそういうのをきっかけにしながら、残り19試合をしっかりやっていけるようにつなげてほしい。 -大山は9月好調、打率も3割くらい打っている 矢野監督 こんな状態で満足しているような打者じゃない。 -先攻逃げ切りで勝てたことも大きい 矢野監督 それも1試合だけで大きいと言えるかどうかはわからない。1がないと2はないのでね。そういうところでは、それを生かすか、どうするか。それはチーム全員でつなげていくことが必要じゃないかな。

◆中日の連勝は3で止まった。今季3度目の先発となった笠原祥太郎投手(26)が2被弾して5回5失点で今季初黒星。4回無死一塁から大山に先制2ランを浴び、1点差に迫った直後の5回は2死から近本に二塁打、中野に四球を与えてマルテに3ランを浴びた。 笠原は「ボール先行の投球になってしまった」と肩を落とした。19年の不整脈、昨年の故障を乗り越え、9月15日に1軍に復帰。これまで阪神戦は先発では5戦2勝0敗だったが、初めて黒星が付いた。2年ぶりの勝利はまたも持ち越された。 打線は福田が5回に7号ソロ、7回にプロ初となる2打席連発の8号ソロをともに横浜高の後輩、伊藤将から放ったが、中盤までの5失点が重くのしかかった。 本拠地で巨人に3連勝した勢いは甲子園でストップ。与田監督は「笠原は球自体は良くなっていたが、ボールカウントが先行した。本塁打2本も甘く入ったが、しっかり打たれてしまったのは反省(材料)です。福田や大島も守備でよく頑張ってくれたが、四球と本塁打は守備の力ではどうにもならない」と、試合をつくれなかったバッテリーに辛口採点だった。【伊東大介】

◆強心臓のルーキーが連敗を止めた。阪神伊藤将司投手(25)が7回6安打2失点の好投で、チームを救う8勝目を挙げた。「自分の中では意識せず、その中で連敗をストップできたことはよかったと思います」。会心の笑顔がはじけた。 球場がどよめいても、マウンドの左腕は冷静だった。6回連打を浴び、2死一、二塁で迎えたのは4番ビシエド。カウント2-2、内角への直球を投じた後、外のツーシームに引っかけさせた。力ない投ゴロに仕留めると、表情一つ変えずにベンチへ向かった。 どんな時も物おじしないマイペースさは、伊藤将の魅力だ。グラブに入れている「飛ぶぞ!」の文字は、ABCテレビの人気バラエティー「相席食堂」内で、元プロレスラーの長州力が使って流行した言葉。グラブには座右の銘など、こだわりの言葉を入れる選手が多いが...。「シンプルにそのシーンが面白かったので、入れました」とあっけらかんと話す。次は同じく長州力が言っていた「お前形変えてしまうぞ」の言葉を入れようともくろむ。気負わない姿勢も、プロで戦う武器になっている。 開幕から先発ローテを守り続け、球団新人左腕では86年遠山以来の8勝目をつかんだ。ここ3試合は白星に恵まれなかったが、この日はクイックも交えて相手を翻弄(ほんろう)。横浜高の先輩福田に2本塁打を許したが、最少失点で粘った。矢野監督も工夫をこらす姿に目を細める。「あいつもエリート街道というか、いい高校や大学や社会人でやってきて、そういう経験というものがいい意味で変化していく。相手が研究してくる中をどうしていくかをやっている証し」。 この日は選手全員が懐メロで登場。伊藤将は、郷ひろみがカバーし有名な「リヴィン・ラ・ヴィダ・ロカ」と、打席ではTRF「EZ DO DANCE」を選曲。理由を聞かれ「なんとなくです、これいいなと思って」と感性のままに答えた。リーグ優勝をかけた戦いは残りわずか。「ここまできたので、最後まで投げ抜きたいと思います」。自然体のまま頂上まで駆け抜ける。【磯綾乃】 ▼阪神の新人伊藤将が8勝目を挙げた。阪神のドラフト新人としては13年の藤浪10勝以来8年ぶり。左腕では67年江夏12勝、86年遠山8勝に次いで35年ぶり3人目。

◆阪神8回の男岩崎優投手が3試合ぶりの無失点でリーグ2位の33ホールドを挙げた。懐メロ企画のこの日、アニメちびまる子ちゃんの主題歌「おどるポンポコリン」(B.B.クイーンズ)の曲に乗って登場。13球で内野ゴロ3つに仕留めた。 前日の広島戦で小園に痛恨の決勝弾を浴びるなど2試合連続失点していたが、矢野監督は「僕らの信頼は変わるものではない。優(岩崎)には、もう任せてあるんでね」と全幅の信頼。"そんなの常識"と言わんばかりだった。

◆1日の阪神-中日戦(甲子園)限定で、阪神の選手が打席に入る前や、投手が登板する際に流れる登場曲が、選手が選んだ「懐メロ」に変更された。 ▼1番近本 松任谷由実「真夏の夜の夢」 ▼2番中野 class「夏の日の1993」 ▼3番マルテ ラテン系の音楽。母国ドミニカ共和国の懐メロ? ▼4番大山 CHAGE and ASKA「太陽と埃の中で」 ▼5番糸原 KAN「愛は勝つ」 サザンオールスターズ「涙のキッス」(8回の打席のみ変更) ▼6番小野寺 中村あゆみ「翼の折れたエンジェル」 ▼7番糸井 SMAP「SHAKE」(通常時も同じ曲) ▼8番梅野 浜崎あゆみ「SEASONS」 ▼9番伊藤将 リッキー・マーティン「リヴィン・ラ・ヴィダ・ロカ」(登板時) trf「EZ DO DANCE」(打席時) ▼代打佐藤輝 Earth, Wind&Fire「Let's Groove」 ▼2番手岩崎 B.B.クィーンズ「おどるポンポコリン」 ▼途中出場で打席立った島田 倉木麻衣「Love, Day After Tomorrow」 ▼スアレス 海外の曲 ? ◆なぜ懐メロ? 阪神は例年、音楽と野球観戦を楽しめる「虎フェス」を行っている。19年7月のヤクルト戦前には、米米CLUBの石井竜也が「君がいるだけで」を熱唱。だが、昨年はコロナ禍もあってゲストを呼べず、7月の広島戦でファンに募った曲を登場曲にするイベントを開催。「Official髭男dism」の「宿命」に乗って糸原が決勝弾を放った。今年は選手自身が選んだ1日限定の「懐メロ」を登場曲にした。試合前にはチアのタイガースガールズが、サングラス姿でラッツ&スター「め組のひと」を踊って盛り上げた。

◆ノリノリで逆転Vだ。阪神大山悠輔内野手(26)が先制決勝の18号2ランを放ち、連敗を3で止めた。0-0の4回。登場曲が懐メロ企画のこの日、CHAGE and ASKAの「太陽と埃の中で」に乗って左中間席に運んだ。5回にはラテン系の曲に乗ったジェフリー・マルテ内野手(30)も20号3ランで中押しし、3週間ぶりの2発で快勝。3、4番が貧打脱出を予感させ、1ゲーム差で追う首位ヤクルトを猛追だ。追いかけて、追いかけても、いっこうに落ちてこない。甲子園に乾いた打球音が響くとナインが、1万4073人の観客が、雲1つない夜空を見上げた。大山がかち上げた滞空時間6秒28の放物線は、ファンの思いを乗せて中堅左のスタンド最前列に着弾。少し待った分、割れんばかりのメガホン音が奏でられた。 「将司(伊藤)が頑張っていましたし、とにかく先制点を取りたいと思っていたので、良いホームランになったと思います」。 広島にまさかの3連敗を喫し、この日も左腕笠原から得点を奪えず重苦しさが漂っていた0-0の4回無死一塁。カウント0-3から、真ん中137キロ直球をグッとこらえて見逃した直後。また高め外寄りに、同じ137キロが来た。待ってましたのフルスイング。これぞ4番だ。4試合ぶりの先制18号2ランで、一気に甲子園の空気を変えた。 この日は「懐メロ」企画で、登場曲は選手が選んだがかつての名曲が流された。大山はCHAGE and ASKAの「太陽と埃の中で」をチョイス。追いかけて、の歌詞に、主将としての強い思いも乗せたのかもしれない。4番復帰後7試合で23打数5安打。安打数は多くない中、うち4本が打点つきだ。「常に勝ちたいと思っています」。ここ一番での1本を欲していた。 5回には3番マルテの20号3ランで突き放した。チーム23日ぶりの1試合2発で連敗を3でストップ。矢野監督は「そういうのが最近なかったんで。きっかけにしながら、残り19試合をしっかりやっていけるようにつなげてほしい」と目を細めた。9月は月間打率3割1分3厘だった背番号3については、「そんなので好調と言われたら困る」と10月の猛スパートを求めた。 首位ヤクルトも勝利し、1差でぴったりと追う。大山は試合後、「勝」を4度も口にした。「とにかくチームが勝てるように、チームの勝利に貢献できるように全力でプレーしていきたいと思います」。追いかけて、追いかけて、強い執念の先に、つかみたいものがある。【中野椋】 ? ◆なぜ懐メロ? 阪神は例年、音楽と野球観戦を楽しめる「虎フェス」を行っている。19年7月のヤクルト戦前には、米米CLUBの石井竜也が「君がいるだけで」を熱唱。だが、昨年はコロナ禍もあってゲストを呼べず、7月の広島戦でファンに募った曲を登場曲にするイベントを開催。「Official髭男dism」の「宿命」に乗って糸原が決勝弾を放った。今年は選手自身が選んだ1日限定の「懐メロ」を登場曲にした。試合前にはチアのタイガースガールズが、サングラス姿でラッツ&スター「め組のひと」を踊って盛り上げた。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手が中押し3ランで伊藤将を援護した。 1点差に迫られた5回2死一、二塁。懐メロ企画でラテン系の曲に乗って登場した助っ人は、笠原の高めに抜けた変化球を強振し、来日3年目で初の20号を左翼席へ運んだ。「良いところで良いチャンスで、チームの点差を広げられて良かった。これからもチャンピオンを目指して頑張りたい」。試合後にはお立ち台で自ら音頭をとった。「いち、に、さん、ラパンパラ!」。ファンとともに「おかわりラパンパラ」を満喫。陽気な外国人がバットとマイクで虎党を盛り上げた。

◆阪神スアレスが「情熱」の単独35セーブだ。 3点リードの9回に登板。1死からビシエドに二塁打を許したが、続く福田の二直に二塁走者が飛び出し、併殺で無失点に抑えた。試合前の円陣では、「チャンピオンになりたいなら、100%の情熱と勇気を持って」と、熱い言葉で、仲間を鼓舞。「良い勝ち方をしてうれしい。とにかくこのチームのみんなとチャンピオンになりたい」。燃える思いを、胸に、強く、腕を振った。

◆1ゲーム差で首位ヤクルトを追う阪神は、メル・ロハス・ジュニア外野手(31)を1軍に昇格させ、「6番左翼」で即スタメンに起用した。両打ち助っ人が打線に新たな風を吹かせる。 先発は高橋遥人投手(25)。前回登板の9月25日巨人戦(東京ドーム)では9回13奪三振でプロ初完封を果たすなど、現在18イニング連続無失点中。中日戦は同18日に登板して7回無失点で今季1勝目を挙げている。

◆阪神・山本泰寛内野手(27)が1軍に合流。この後、出場選手登録される予定だ。 今季はここまで57試合に出場し、打率・179、3打点。9月30日にはソフトバンク3軍との2軍練習試合(鳴尾浜)に「4番・二塁」で先発出場し、5打数2安打と活躍していた。 山本に代わって高卒3年目の小幡竜平内野手(21)が登録抹消されるとみられる。後半戦ではスタメン出場はなく、主に代走と守備固め要員としての起用が続いていた。

◆阪神・大山悠輔内野手(26)が試合の均衡を破った。「将司(伊藤)が頑張って投げてくれていますし、とにかく先制点を取りたいと思っていたのでホームランになってよかったです」四回先頭のマルテがチーム初ヒットの左前打で出塁すると4番が打席へ。カウント3-1から、先発・笠原の137キロを振り抜いた。風に乗った打球は滞空時間の長い弧を描き、バックスクリーン左へ。9月26日の巨人戦(東京ドーム)以来の18号2ランで阪神が先手を奪った。

◆阪神のジェフリー・マルテ内野手(30)が五回に左翼席へ特大の20号3ランを放った。 「ツーアウトから1番、2番がチャンスメークしてくれたから、何としてもホームまでかえしたいと思っていた。最高の結果になってよかったよ」 2死から近本が二塁打、中野が四球で一、二塁。笠原の127キロを思い切り引っ張った。打球は左翼席へ飛び込む3ラン。5-1と中日を大きく引き離した。 マルテは9月24日の巨人戦(東京ドーム)以来の一発で来日3年目で初の20本塁打に到達。チームではすでに佐藤輝(23本塁打)、サンズ(20本塁打)が大台に到達しており、3人目となった。シーズン20発トリオの誕生は2004年の金本知憲(34本)、今岡誠(28本)、ジョージ・アリアス(25本)以来、17年ぶりとなった。

◆阪神が一発攻勢で中日に快勝し、連敗を3で止めた。四回に4番の大山がバックスクリーン左へ先制の18号2ラン。2-1の五回2死一、二塁では3番のマルテが左翼席へ豪快な20号3ランを放って突き放した。20本塁打到達は佐藤輝(23本)、サンズ(20本)に続きチーム3人目。2004年の金本知憲(34本)、今岡誠(28本)、ジョージ・アリアス(25本)以来、17年ぶりに20発トリオが誕生した。 先発した伊藤将は7回6安打2失点で8勝目をマーク。球団の新人左腕では1967年の江夏豊(12勝)、86年の遠山昭治(8勝)に次いで3人目の8勝到達となった。

◆阪神は1点リードの五回、ジェフリー・マルテ内野手(30)が20号3ランを放ち、連敗を3で止めた。先発の伊藤将司投手(25)は7回2失点で8勝目(7敗)を挙げた。 お立ち台の阪神・マルテとともにラパンパラをする観客=甲子園球場(撮影・松永渉平) 伊藤将はお立ち台で「連敗をストップできて、ほっとしています。ここまで来たので、しっかり最後まで投げ抜きたいと思います」。今季、甲子園では初のヒーローインタビューとなったマルテは「チームの勝利のために、ラパンパラをいっぱい届けたいと思います」。最後は「イチ・ニ、サン」のマルテの掛け声の後、ラパンパラの大合唱で締めくくった。

◆阪神・矢野耀大監督(52)は試合後、マルテの3ランについて「流れが一気にこっちにくるバッティングをしてくれたので、素晴らしいホームランでした」。連敗ストップに「毎日、こういう優勝争いの中で戦っているのは、いい経験ができていると思う。本当に強いチームになっていけると信じて、明日から戦います」と語っていた。

◆中日は一発攻勢に遭い、連勝が「3」でストップ。与田剛監督(55)の主な一問一答は以下の通り。 ――笠原は立ち上がりがよかったが、5回2被弾で5失点 「一番苦しんだのはボールカウントが先行したところじゃないですかね。ボール自体は段々、よくなってきてはいるのでね。一つ一つは。ボールカウントが先行すると苦しくなるなあ、と」 ――大山の一発のシーンも甘く入った 「そうですね。甘いからといっても2本のホームランはしっかりと打たれている。マルテのホームランも完全なボールゾーンですけど、あの高さをしっかりと持っていかれたというのも反省ですけどね」 ――ボール球が増えた要因は 「やっぱり、ウチもなかなか塁に出られないような状況も続いていたので、1点も与えてはいけないという力みは出たんじゃないかな、と。予想ですけど。本人に聞いてもらわないと分からないけれど、そこでていねいにいこうとしたことが(理由ではないか)、というふうには思います」 ――福田が1試合2本塁打 「すばらしい2本でしたよ。福田らしいホームランだったし、守備も、大島もそう。内野もみんな、よく守ってくれた。四球と本塁打は守備力では何ともできないですけれども、みんなよく守ってくれているので」

◆阪神は大山悠輔内野手(26)の18号2ランとジェフリー・マルテ内野手(30)の20号3ランで主導権を握り、先発の伊藤将司投手(25)は7回2失点で8勝目(7敗)を挙げた。連敗を3で止めた矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 (テレビ) ーー連敗ストップ。大山の先制2ラン 「ちょっとね、チャンスも作っていたんですけど。風が運んでくれたところもあったんですけどね、いい2点だったと思います」 ーー五回は2死走者なしから1、2番が出塁してマルテが3ラン 「1点、1点というのもね、もちろん攻撃の中で大事なところなんですけど。やっぱりホームランで3点というのは、流れが一気にこっちに来るバッティングをしてくれたのでね。素晴らしいホームランでした」 ーー3、4番に一発が出たのも大きい 「どうするかは選手自身というか、僕らも応援しながら後押ししていきますけど。つなげて行ってもらえるように、やっていってくれると思います」 ーー伊藤将は7回2失点 「ルーキーでね、1年間ローテを守るのも簡単なことじゃないですし。将司が流れを作ってくれましたね」 (囲み) ーー伊藤将が攻撃にリズムを生んだ 「完璧に打ち取っていたし、抑え方、中身もしっかりした投球をしてくれていた。早く1点がほしいなと思っていた」 ーーセットからクイックや、いろんなバリエーションがあった 「そういうところもね、やっぱりあいつもエリート街道というか、いい高校(横浜高)や大学(国際武道大)や社会人(JR東日本)でやってきて、経験がいい意味で変化していくっていうかね。相手が研究してくる中をどうしていくかをやっている証しかなと思う」 ーー四回の梅野の送球も大きかった(四回2死一、三塁で一走の二盗に反応せず、三走を刺す) 「そうやね。あそこも流れの中で、むこうがダブルスチールという形だったと思うけど、しっかり流れを止めてくれた。素晴らしいプレーでした」 ーー本塁打で勢い 「そんなに簡単に本塁打を打てるもんじゃないけどね。流れの中で打っているし、そういうのが最近なかったんで、悠輔のも風が助けてくれた部分もあったけれど、しっかり振り切ったからこそホームランになったと思うし、マルテもね、ヒットは出てたけどホームランは出てなかったのでね。そういうところで、何かきっかけにしながら、残り19試合をしっかりやっていけるようにつなげてほしい」 ーー大山は9月好調 「好調?そんなので好調と言われたら困る。こんなので満足しているようなバッターじゃない」 ーー先攻逃げ切りで勝てたことも大きい 「それも1試合だけで大きいと言えるかどうかはわからない。1がないと2はないのでね。そういうところでは、それを生かすか、どうするか。それはチーム全員でつなげていくことが必要じゃないかな」

◆阪神の伊藤将が7回2失点で1カ月ぶりの8勝目を挙げ、チームの連敗を3で止めた。左投げの頼もしいルーキーが連敗を止めたのは今回で4度目。「意識することはないが、ストップできたことは良かった」と笑顔で手応えを口にした。 同じ神奈川・横浜高出身の福田に2打席連続本塁打を浴び「先輩の力を見せられました」と苦笑い。ただ、それ以外は緩急自在に要所を締めた。開幕から先発ローテーションを守り「ここまで来たので、しっかり最後まで投げ抜きたい」と力強く語った。

◆中日の福田が神奈川・横浜高の後輩、伊藤将から2打席連続本塁打を放って貫禄を示した。 五回は内角カットボールを振り抜き、風も味方にしてバックスクリーンへ。「練習の時から打球を見ていて、上げたら入るかなと。甘い球は積極的に打っていこうと思っていた」と言う。七回は内寄りの直球を中越えへ運んで8号。「コンパクトにうまく打てた。風に乗ってくれた」と謙虚に話した。

◆先発投手が踏ん張ると、チーム全体にリズムが生まれ、打線も活性化する。そのお手本のような阪神・伊藤将の投球だった。 抜群の制球で無四球。これが最大の好投の要因だ。2本塁打を浴びたが、いずれもソロだったのは、全体的に無駄な走者を出さなかったから。真っすぐを基本にして、右打者には外へのチェンジアップ。左打者には外へのカットボール、スライダー。外角への制球が際立っていた。 先制を許さなければ、打線も落ち着いて相手投手を攻略できた。連敗脱出の最大の功労者が伊藤将だった。 次回登板は1週間後のヤクルト戦が予想される。優勝を左右する直接対決3連戦の初戦だが、この投球をしている限り、相手がどこでも抑えることができるだろう。 対戦成績を見ると、ヤクルトの中軸打者、山田、村上、オスナ&サンタナの両外国人らに打たれている。打線を寸断することを考えて、真っすぐ、カット以外のどの球が、どの打者に有効かを、早い段階で見つけること。冷静に〝合わない打者〟を見つけて打線を切れば、いい結果は自然についてくるだろう。(本紙専属評論家)

◆阪神・スアレスはリベンジの35セーブ目をつかんだ。「これからどの試合も重要になってくる。チームのみんなで頑張っていきたい」。9月23日の前回対戦(バンテリンドーム)では、2点リードの九回に登板も同点とされ今季初めてセーブ失敗。この日は1死からビシエドに二塁打を許したが、160キロ連発で無失点に抑えた。試合前の円陣では声出し役を務めた。投手で、しかも助っ人という異例の担当だったが「とにかくみんなとチャンピオンになりたい。そういう思いを込めてみんなに話した」とアツかった。

◆阪神・岩崎は「おどるポンポコリン」(B.B.クィーンズ)を登場曲にマウンドへ向かい、復活の無失点投球だ。前日9月30日の広島戦(甲子園)では、同点の八回に小園に決勝弾を浴び、2試合連続失点で4敗目を喫していた。だが、この日も淡々と仕事に徹し、桂と京田を連続で二ゴロに、三ツ俣を三ゴロに料理し三者凡退。矢野監督も「僕らの信頼は何も、きのう何かあったから変わるものでもない。優にはもう任せているんでね」と力強くうなずいた。

◆豪快なフォロースルーに左翼席の虎党が総立ちとなった。打球の行方を見届けた阪神・マルテがゆっくりと歩き出す。甲子園に響いた20回目のラパンパラ。虎に17年ぶりの20発トリオが誕生だ。 「ゾーンに来た球だけと意識していた。いいチャンスをものにできて、点差を広げることができてよかったよ」 2-1の五回。2死から作った一、二塁の好機でM砲が炸裂(さくれつ)した。先発・笠原の真ん中高めの127キロを一閃。思い切り引っ張った打球は軽々とフェンスを越えた。 来日3年目で初となる20号。チームでは佐藤輝(23本)、サンズ(20本)に続く3人目の大台到達となった。阪神では2004年の金本知憲(34本)、今岡誠(28本)、ジョージ・アリアス(25本)以来、17年ぶりに誕生した20発トリオ。過去2シーズンは度重なるけがに泣かされてきた助っ人だが、前日9月30日の広島戦(甲子園)でこちらも来日初の規定打席に到達と今季はフル稼働を続けている。 お立ち台で伊藤将(左)とラパンパラを披露するマルテ 決めポーズのラパンパラでチームを盛り上げる陽気なドミニカン。ただ、野球に対しては誰よりも真面目でひたむきだ。28日の広島戦(甲子園)ではバント処理を悪送球し、失点につながるエラー。すると、翌29日の全体練習前、一塁でノックに汗を流すマルテがいた。今季の球団助っ人では最長の3年目。その姿に他の外国人も、そして日本人の仲間も引っ張られている。 今季自身初の甲子園のお立ち台。ファンと一緒にラパンパラで締めたマルテが誓った。 「もっとファンの方々と(ラパンパラが)できることを祈って、これからも頑張るよ」 緊急事態宣言が解除されたこの日から甲子園球場内でのアルコールの販売が再開された。虎党を酔わせる一発を量産し、最後は、勝利の美酒を味わってもらう。(原田遼太郎)

◆イッツ〝将〟タイムというべき快投だ。マウンドでカクテル光線を浴びる阪神・伊藤将は、自らの投球でさらに光り輝いた。見事な竜斬りで8勝目。球団の新人左腕では35年ぶりの快挙も達成し、お立ち台で白い歯を見せた。 「連敗ストップできてほっとしています。野手の皆さんに援護点を取ってもらえたので、今日勝てたのは本当によかったです」 三回まで完全投球と最高の滑り出しで、その後も凡打の山を築いた。7回無四球で、失点は横浜高の先輩・福田に2打席連続で浴びたソロでの2点のみ。「先輩の力を見せられた」と苦笑いしながら「しっかり工夫して次の登板に臨みたい」と反省も忘れなかった。 球団の新人左腕では1967年の江夏豊(12勝)、86年の遠山昭治(8勝)に次いで3人目の8勝。「遠山さんの成績に並べたということは本当に良かった」。さらにチームの3連敗をストップ。今季、伊藤将が連敗を止めた試合はこれで4度目。正真正銘の〝連敗ストッパー〟が虎を救っている。 お立ち台のマルテと一緒にラパンパラで盛り上がる阪神ファン 観客にビールを提供する売り子。この日からアルコールの販売が再開された 矢野監督も「ルーキーで1年間ローテを守るというのも簡単なことじゃない。調子の波があってもおかしくないけど、後半に来ても(伊藤)将司らしい投球をしっかりしてくれている」と称賛した。 好投を支える〝相棒〟には伝説のレスラーの言霊が宿っている。ローリングス社のマイグラブには「飛ぶぞ!」という刺繍が施されている。そのフレーズはABCテレビのバラエティー番組「相席食堂」に出演した元プロレスラーの長州力がホタテを食べたときに発した言葉で、視聴者の間で話題になった〝流行語〟だ。 同番組を見ていた左腕も「めっちゃ笑ったので、これ面白いなと思って(刺繍を)入れた」と説明。グラブに刻んだその言葉通り、「キレてないですよ」で有名な、あの長州力もびっくりのキレッキレの球で打者を翻弄し、虎党が〝飛んで〟喜びたくなるような投球を見せている。 「ここまで来たのでしっかり最後まで投げぬきたいと思います!」 残り19試合。目標の2桁勝利も夢ではない。これからも新人離れした投げっぷりで相手をぶっ飛ばし、白星をもぎ取る。(織原祥平)

◆Vスパート弾!! 2位の阪神は中日に5-2で快勝。連敗を3で止め、10月白星発進を決めた。四回に大山悠輔内野手(26)が先制の18号2ラン。首位ヤクルトも勝ったため1ゲーム差は変わらないが、最近5試合で2本塁打5打点と好調な4番が、勝負の1カ月で大暴れの予感だ。高く舞い上がった打球は、センター方向に吹く風に乗ってバックスクリーン左に吸い込まれた。大山が4試合ぶりの一発となる先制の18号2ラン。4番&主将のバットが3連敗中だったチームの重苦しい雰囲気を吹き飛ばし、10月白星発進に導いた。 「チームも苦しい状況ですが、そういった意味では、きょう勝つことができてよかったです」 0-0で迎えた四回。先頭のマルテがチーム初安打となる左前打を放った直後だ。カウント3-1からの5球目。中日の左腕、笠原が投じた外角高めの137キロの直球をフルスイングした。「(伊藤)将司が頑張っていましたし、先制点が欲しかったので、良いホームランになったと思います」。粘投したルーキー左腕に1カ月ぶりの8勝目をプレゼントし、喜びをかみしめた。 9月28日からの広島3連戦(甲子園)で同一カード3連敗。打線は3試合で計6得点と沈黙した。今季前半戦に打線を引っ張ってきたサンズの不振に加え、佐藤輝はスタメン落ち。その3連戦で大山は打率・333(9打数3安打)、4四球を選んで適時打を2本放つなど、4番の責務は果たしたが、チームが勝たなければ意味がないことはわかっていた。「みんなが調子が悪いときやいい投手が相手のときに、ここぞという場面で打って、チームの勝利に貢献する。それが4番の仕事だと思う」。以前、熱く語っていた言葉だ。この日は大山が打線に火をつけると、マルテが五回に貴重な追加点となる3ラン。まさに4番の働きだった。矢野監督は「(大山)悠輔はしっかり振り切ったからこそホームランになったと思う」とたたえながらも、最近5試合で2本塁打5打点の活躍に「そんなので好調と言われたら困る。こんなので満足しているようなバッターじゃない」とさらなる爆発を求めた。首位ヤクルトも勝ったため、1ゲーム差は変わらないが、10月は大山の季節だ。昨季は27試合で打率・333(99打数33安打)、4本塁打、23打点と打ちまくって、本塁打と打点のタイトル争いにも参戦した。指揮官が「優勝争いの中で戦うというのも、いい経験ができている。苦しい中でもみんな何とかしようという気持ちで戦ってくれている。これが成長につながるし、本当に強いチームになっていけると信じて、明日からも戦っていきます」と誓えば、大山も力強く言い切った。「チームが勝てるように。チームの勝利に貢献できるように全力でプレーしていきたいと思います」しびれる戦いが続く勝負の1カ月。16年ぶりの優勝を果たすまで、4番の仕事は終わらない。(三木建次)

◆阪神の優勝へ、危機を止める8勝目を挙げてくれたルーキー・伊藤将...。あんたは天才!! この1勝をきっかけに猛虎はV街道まっしぐら、伊藤将も2桁勝利で新人王に輝いたれー!! 貧打の虎が3、4番の2発で、ここのところの重苦しい空気を台風一過の青空のように吹き飛ばしてくれたのだ!! ちなみに、わが息子・虎太郎(とらたろう)の弁では「緊急事態宣言解除とともに阪神の緊急事態も解除されました~」ということです! うーん、わが息子も天才!! と、ニコニコしながらホームラン2本だけの得点は気になるし...。それ以上にフライ(ライナー)アウトが11もあるんだよなぁ...。土のグラウンドの甲子園で優勝するためにどういう打法が必要か? 必然的に分かると思うんだけどねー? その最後の勉強に花丸をもらって、セ・リーグV入試合格やァ!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
614416 0.581
(↑0.004)
-
(-)
22543
(+5)
445
(+4)
123
(-)
66
(-)
0.257
(-)
3.450
(↑0.01)
2
(-)
阪神
66517 0.564
(↑0.004)
1
(-)
19484
(+5)
475
(+2)
111
(+2)
104
(-)
0.248
(-)
3.560
(↑0.02)
3
(-)
巨人
585117 0.532
(↑0.004)
5
(-)
17499
(+3)
475
(+2)
153
(-)
63
(-)
0.246
(-)
3.570
(↑0.01)
4
(-)
中日
506116 0.450
(↓0.005)
14
(↓1)
16371
(+2)
422
(+5)
67
(+2)
55
(-)
0.239
(-)
3.200
(↓0.02)
5
(-)
広島
506211 0.446
(↓0.004)
14.5
(↓1)
20462
(+4)
517
(+5)
106
(-)
55
(-)
0.260
(↓0.001)
3.880
(-)
6
(-)
DeNA
486314 0.432
(↓0.004)
16
(↓1)
18502
(+2)
559
(+3)
128
(+1)
26
(-)
0.257
(↓0.001)
4.270
(-)