阪神(★4対5☆)広島 =リーグ戦21回戦(2021.09.30)・阪神甲子園球場=
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広島
0102001105913
阪神
2001001004911
勝利投手:ケムナ 誠(2勝1敗0S)
(セーブ:栗林 良吏(0勝1敗28S))
敗戦投手:岩崎 優(2勝4敗1S)

本塁打
【広島】鈴木 誠也(31号・2回表ソロ),鈴木 誠也(32号・4回表2ラン),小園 海斗(4号・8回表ソロ)
【阪神】小野寺 暖(1号・4回裏ソロ)

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◆広島は3-3で迎えた7回表、代打・會澤の犠飛で1点を勝ち越す。直後に同点とされるも、8回に小園がソロを放ち、再びリードを奪った。投げては、最後を締めた守護神・栗林が今季28セーブ目。敗れた阪神は最終回に一打同点の好機をつくるも、あと1本が出なかった。

◆阪神小林慶祐投手(28)と小野寺暖外野手(23)が30日、1軍登録された。この日の広島戦(甲子園)の試合前練習から合流した。 小林は球団広報を通じ「すごく緊張していますけど、やることは変わらないと思うので、思い切ってやれたらと思います。前半は前半で忘れているって言い方はよくないですけど、またゼロからという気持ちで思い切りやりたい」と意気込んだ。 昨季トレードでオリックスから阪神に移籍した小林は、今季1軍で18試合に登板し防御率2・81。6月5日のソフトバンク戦(甲子園)でゴロを処理した際に左足首を負傷。翌6日に出場選手登録を抹消された。直近では29日、ソフトバンク3軍との練習試合(鳴尾浜)に登板し1回1失点。黒瀬にソロ本塁打を浴びるも直球に威力が戻り、約4カ月ぶりの1軍でもブルペンの一角として期待される。 20日に出場選手を抹消された小野寺は、最短10日での1軍復帰となった。この間、2軍のウエスタン・リーグ優勝を経験し、直近では29日の練習試合ソフトバンク3軍戦で3打数2安打と好調を維持している。 代わって岩貞祐太投手(30)、陽川尚将内野手(30)が出場選手登録を抹消された。

◆両チームのスタメンが発表された。阪神佐藤輝明内野手(22)が、2試合連続でスタメン落ちとなった。 「7番右翼」には、この日1軍昇格した小野寺暖外野手(23)が起用された。「8番捕手」には坂本誠志郎捕手(27)が起用され、西勇輝投手(30)とのバッテリーで連敗ストップを目指す。 広島先発は左腕の玉村昇悟投手(20)。阪神との前回対戦は7月2日で、7回1失点で勝利投手となっている。

◆阪神が隙のない走塁で初回の先制劇を演出した。 1番近本、2番中野が右前打で出塁し無死一、二塁。3番マルテの中飛で二塁走者近本のみならず、一塁走者中野もタッチアップに成功した。1死二、三塁とお膳立てし、4番大山の左前適時打で1点を先制した。大山は「前の3人が作ってくれたチャンスだったので、何としてもランナーをかえしたいと思っていました」と振り返った。 さらに1死一、三塁で迎えた5番糸原の打席でも、足が利いた。フルカウントから一塁走者大山がスタートを切り、糸原は一塁へゴロを転がした。広島一塁手松山は併殺狙いの二塁送球を諦め、本塁へ送球。スタートを切っていた三塁走者中野は素早く帰塁し、オールセーフで1死満塁となった。 ここで6番サンズがきっちりと中犠飛を打ち上げ2点目。上位打線のチャンスメークに中軸が応え、連敗中の嫌なムードを初回から打ち消した。

◆広島鈴木誠也外野手(27)が、自己最多となる31号ソロを放った。 2点を追う2回先頭打席。カウント1-1から西勇の3球目、高めに浮いた121キロスライダーを捉えた。最後は左腕1本で振り抜く形となったが、打球は高々と舞い上がり、左翼席に飛び込んだ。キャリアハイとなる1発に「取られた後にまず1点返すことが出来て良かったです」とコメントした。 「誠也ショー」はこれだけにとどまらない。1点を追う4回1死二塁からは、バックスクリーンへ2打席連発となる32号逆転2ランをかました。「逆転につながるホームランになって良かったです」。阪神西勇から今季3本目の1発で、9月だけで13本目。18年8月に記録した自身の月間最多本塁打を上回った。

◆広島小園海斗内野手(21)が、2戦連発となる勝ち越しの4号ソロを放った。4-4の8回1死から岩崎の142キロを強振すると、打球は甲子園最深部の左中間スタンドへ吸い込まれた。「思い切って自分のスイングが出来ました」。値千金の1発でルーキーだった19年シーズンに記録した自己最多に並んだ。

◆阪神は継投策がハマらず競り負けた。同点の8回は勝ちパターンの岩崎を投入した。だが、1死後に暗転だ。小園に速球をとらえられ、右中間に勝ち越し本塁打を浴びた。 首位ヤクルトをうかがう立場だが、5位広島に痛恨の3連戦3連敗を喫した。この日はヤクルトが敗れ、1ゲーム差を縮めるチャンスだったが、詰め寄れなかった。4回には小野寺がプロ初本塁打の同点弾を中堅に放っていたが、空砲になってしまった。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が23日の1軍再昇格後初めて欠場した。 チームは4-5で敗れ、広島に同一カード3連敗。最終回は途中出場の9番梅野からの攻撃で、佐藤輝は代打での出番はなかった。 前日29日の同戦では代打で左飛に倒れ、2リーグ制後の野手では最長だった93年トーベ(オリックス)の53打席連続無安打を更新した。 2試合連続でスタメンを外れ、試合前には3日連続で早出特打で打ち込むなど、復活へのヒントを探っている。

◆阪神は1回、大山の左前適時打とサンズの中犠飛で2点を先制した。広島は2回、鈴木誠の31号ソロで1点を返した。 広島は4回、鈴木誠の2打席連続の32号2ランで逆転した。阪神はその裏、小野寺がプロ初本塁打を中堅に放り込み、追いついた。 広島は同点の8回、小園の4号ソロ本塁打で勝ち越した。今季最長の6連勝に延ばした。阪神は競り負け、3連戦3連敗を喫した。

◆広島小園海斗内野手が2戦連発となる決勝の4号ソロを放った。 4-4の8回1死から岩崎の142キロを強振し、甲子園最深部の右中間へ。打ち合いに終止符を打ち「打席の中で強いスイングができるようになってきた。それが結果として出てきている」と手応えを示した。ルーキーだった19年の自己最多に並び、佐々岡監督も「すごく成長している。攻守ともに良い働きをしている」と絶賛だった。

◆阪神は広島相手に同一カード3連敗を喫したが、シーズン最終盤にラッキーボーイが出現した。1点を追う4回に、小野寺暖外野手(23)が球団の育成ドラフト指名選手で初アーチとなるプロ1号を放った。ウエスタン・リーグで首位打者など2冠を獲得した苦労人がチームに勢いを与える。首位ヤクルトも敗れ、1ゲーム差のまま。戦いはまだまだこれからだ。無我夢中で走った。小野寺にスタンドインを教えてくれたのは、1万1409人のメガホン音だった。「打った瞬間は入ったのか分からなかった。ファンの皆さんが喜んでくれていたので分かりましたし、甲子園で今まで経験したことない歓声を受けることができて、本当にうれしかった」。 1点ビハインドの4回先頭。左腕玉村のシュートを完璧に捉え、中堅左のスタンドへ突き刺した。一時同点のプロ1号ソロ。大商大から19年育成ドラフト1位で入団し、今年4月18日に支配下契約を勝ち取った苦労人。育成ドラフト指名選手で本塁打を放ったのは球団史上初の快挙だ。 今春の1軍キャンプで、体を張ったプレーとギャグでチームを何度も明るくした。ハングリーで熱い男。そんなスタイルは大商大時代から変わらない。ドラフトを控えた19年秋。リーグ戦も大詰めの状況で、小野寺は大学近くの居酒屋で涙を流して仲間に言った。 「プロ野球選手になるねん! 俺、絶対なる」。人目もはばからず、大真面目に泣いた。1学年下で正捕手を務めた岡沢智基(現Honda鈴鹿、23)は「とにかく熱い人。ここっていう場面では絶対打ってました」と証言する。1軍再昇格し、即「7番右翼」でスタメン。熱いハートがあるから1発回答できる。 今季5度目の1軍昇格。降格するたびに平田2軍監督から「(最短の)10日で上がるぞ」とハッパをかけられた。「モチベーションを落とすことなく絶対に上がってやるという気持ちで取り組めた」。2軍ではリーグ制覇に貢献し、打率&出塁率の2冠。もう鳴尾浜には戻らない。 「このままレギュラーを奪って、最後まで出続けて、何としても1位になることだけを考えてやっていきたいです」。広島に同一カード3連敗を喫した夜。逆転Vへ、ラッキーボーイになる可能性を秘めた男が現れた。【中野椋】 ▽阪神矢野監督(小野寺について)「素晴らしいホームランだった。育成から2軍でしっかり結果を残して上がってきている選手なんで、もっともっと高みを目指してやってもらえたらと思います」 ▼阪神小野寺がプロ初本塁打。小野寺は19年育成ドラフト1位で、今季開幕後に支配下選手となった。阪神の育成ドラフト出身選手では、初の本塁打となった。これまで阪神が育成ドラフトで指名した野手は10人(ほかに投手5人)いるが、支配下選手となったのは小野寺を含め4人、1軍出場したのは08年育成1位の野原祐也、09年同2位の田上健一の2人で、野原は通算22試合、田上は123試合に出場したが本塁打はなかった。小野寺が阪神の育成ドラフトに新たな歴史を刻んだ。

◆阪神中野拓夢内野手(25)が頭脳的な走塁で気を吐いた。思考はフル回転だ。1回、右前打の近本に続いて自らも右前に運んだ。一塁走者として集中した。マルテの飛球は中堅へ。二塁走者近本が三塁へタッチアップ。羽月は三塁方向に送球し、カットマンの小園も三塁までの中継を想定して動いていた。 羽月の送球もわずかに高く浮く。一瞬のスキを逃さなかった。快足を飛ばして二塁を陥れ、1死二、三塁の好機を築いた。大山の適時打で先制直後は一、三塁になり、三塁上に立つ。糸原のゴロが一塁前へ。松山は二塁送球するしぐさを見せ、すぐに本塁送球。本塁突入しかけた中野はきびすを返して、三塁に戻った。 瞬時の判断で走塁死をまぬがれ、野選を誘い、満塁機を演出。サンズの中犠飛で生還だ。矢野監督も「俺らはチャレンジャー。向かっていく姿勢が問われる。現状できることはそれしかない」と話す。敗戦の中、リーグトップの24盗塁を誇る韋駄天(いだてん)の攻める姿勢が際立っていた。

◆阪神4番大山悠輔内野手が先制機をものにした。 初回1死二、三塁から、ファウルで3球粘った7球目、玉村の低めチェンジアップを左前に運んだ。「前の3人が作ってくれたチャンスだったので、何としてもランナーをかえしたいと思っていました」。その後は無安打1四球に終わったが、2戦連続の適時打で打線の再浮上へ奮闘した。

◆阪神西勇輝投手は指揮官の思いに応えようと粘投した。「初回からとにかく腕を振っていくと決めていました。その中で坂本がいいリードをしてくれました」。2、4回と鈴木誠に2打席連続本塁打を浴びたが、大崩れはしなかった。7回途中7安打4失点で降板。 矢野監督は「あそこ(7回)まで行ってくれたらなとは思ったけど。でも、いいボールは行っていた」。今季最短3回5失点で降板した前回24日巨人戦の試合後、西勇は矢野監督と話し合いの場を持った。苦しむ心情を思いやった指揮官へ、次回は白星を送りたい。

◆阪神が広島に競り負け、今季3度目の同一カード3連敗となった。先発西勇は7回途中4失点。同点の8回に岩崎が小園に勝ち越しソロを浴びた。 試合後、矢野燿大監督(52)との一問一答は以下の通り。 -先発の西勇は何とか7回最後までいきたかった もちろん、あそこまでいってくれたらなとは思ったけど。でも、いいボールはいっていたんで。 -内容は 状態はこの前よりもいいと思ったけど。 -岩崎、スアレスにつないで打たれても言うことはない 今日も、みんな勝ちたい気持ちを持って。優(岩崎)だって円陣のときに声を出したりとかさ。みんな必死にやっている中の、勝負にいっている中の、それは結果として受け止めなしゃあないし、うん。誰も打たれようと思って投げているわけじゃないんで。それは、残りの試合でまた頑張ってくれたらなと思います。 -敗因は打線か 今はかみ合わないんでね。どうしても。いいところでボーンと本塁打でも出てくれたらムード的には楽になるんだけど。競って、競って、競ってで、1本出ないっていう。やっぱりピッチャーもプレッシャーがかかるし。そういうところでは、打線でちょっとボーンと勢いが出ればいいんだろうけど。流れ的に今日も2点取って、すぐ勇輝(西)が1点取られて流れがちょっと来てないんで、つくれてないんで。そういうところに原因があるかなと。 -小野寺がプロ1号 すばらしいホームランだったし、ファームでもしっかりした結果を残してきて。上ではなかなか結果は残せていないけれど、育成から2軍でしっかり結果を残して上がってきている選手なんで、しっかり、もっともっと高みを目指してやってもらえたらなと思います。 -中野、植田の走塁や2番手及川などいい部分も みんな必死にしようと思ってやっている。苦しいのは俺たちだけが苦しいわけじゃない。ほかの優勝争いしているチームも全部苦しい。俺らはチャレンジャーなんでね。そういうところでは向かっていく姿勢がより問われる。現状できることはそれしかない。みんなでより高めながら。苦しい中から自分らでチャンスを見いだせるような戦いをしていかないと、と思います。

◆広島守護神の栗林良吏投手が、新人の連続試合セーブ記録を「11」に更新し、28セーブ目を手にした。 5-4の9回に登板。1死一塁から新人王を争う中野をフォークで空振り三振。マルテに四球を許るなどして2死一、二塁を招いたが、4番大山を151キロ直球で遊ゴロにねじ伏せた。佐々岡監督は「相当プレッシャーがある中で、抑えてくれるのは頼もしい限り」とたたえた。

◆広島先発の玉村昇悟投手は初の甲子園で6回3失点と粘投した。 初回に2点を先取され、4回に小野寺に1発を浴びたが、その後は安打を許さず、プロ最多121球を投げ切った。同点のまま降板して3カ月ぶりとなる3勝目はお預け。それでも「持ち直せたのは収穫かと思います。今回の反省を生かしてやっていきたい」と自信を持てた。佐々岡監督は「初回に40球以上を要しながらも何とか粘って6回まで投げてくれたのは大きい」と評価した。

◆阪神佐藤輝明内野手は23日の1軍再昇格後、初の欠場となった。 6回2死、8番坂本の打席で先発西勇の代わりにネクスト・バッタースボックスに立つも、坂本が凡退し出番はなかった。前日29日には代打で左飛に倒れ、2リーグ分立後の野手では最長記録となる54打席連続無安打。この日の試合前には3日連続で早出特打で打ち込むなど、復活へのヒントを探っている。

◆阪神小野寺暖外野手(23)が球団の育成ドラフト指名選手で初アーチとなるプロ1号を放った。チームを明るくする「愛され力」と大一番での「勝負強さ」。阪神小野寺の魅力はアマチュア時代に育まれた。 高校時代を過ごした京都翔英では、毎日の練習前に監督らへ行う「二言あいさつ」が恒例。「おはようございます」の後に必ず「今日も寒いですが、よろしくお願いします」など、季節柄に合った気の利いた一言を付けなければならない。頭の回転の早さとコミュニケーション力は、10代から磨かれていた。 鍛錬を積んだ大商大では、練習試合の直前に「1球勝負」が開催される。投手は100キロの緩いボールを制球良く投げ、打者はその1球を打ち返さなければならない。その結果で試合出場可否が決まる、まさに一発勝負。勝負どころで仕留める力は、本番さながらのムードで培われた。これまでの野球人生で続けた毎日の積み重ね。全てがこの日の活躍につながっていた。【磯綾乃】

◆広島鈴木誠也外野手(27)が、2打席連発で自己最多の32号をマークし、今季初の6連勝に導いた。ともに阪神西勇輝からで2回は左翼へソロ、4回1死二塁ではバックスクリーンへ一時逆転の2ラン。9月は6戦連発や28日に自己最多に並ぶ3年ぶりの30号をマークするなど、これで13本塁打。月間13発は9月としてはセ界初で、自身でも18年8月の12発を上回って最多となった。鈴木誠の打棒が、甲子園で火を噴いた。2回は先頭で西勇のスライダーを捉え、最後は左腕1本で振り抜く形で左翼へ。キャリアハイの31号ソロで1点差に迫った。4回1死二塁ではバックスクリーンへ。打ち終わった瞬間は悔しそうだったが、長い滞空時間を挟んで一時逆転の32号2ランとなった。驚きの表情を隠せず、ダイヤモンドを1周し「たまたまっす。今日は風です。勝てたのでよかったです」と控えめに振り返った。 9月は猛烈に暴れ回った。序盤にはプロ野球記録へあと1試合まで迫る6戦連発をマーク。28日阪神戦では自己最多に並ぶ3年ぶりの30号をマークし、残り21試合を残して自己最多を更新した。9月としてはセ界初の月間13本塁打。自身でも18年8月の12本を上回って最多となった。9月は打率3割8分1厘、22打点と圧倒的な力を示した。 アーチ量産の裏には、シーズン中に改良した相棒の存在があった。7月の球宴でチームメートとなった同学年のDeNA佐野からバットを借りた。鈴木誠は「こっちの細いグリップの方がしっくり来る」と急きょアシックス社の担当者に連絡し、改良を依頼。昨季から使用する長さ86・5センチ、重さ約900グラムのバットから、グリップ部分を1ミリ細くした。新しい相棒は東京五輪期間中に手元に届き、後半戦で使い続けている。シーズン途中でバットを変える決断を下し、ミリ単位での道具へのこだわりが、好調を支える要因の1つとなっている。初の月間MVPに輝いた7、8月から勢いづいている。 チームは2カード連続の3タテで今季初の6連勝。9月は13勝11敗1分けで2カ月ぶりに勝ち越した。まだ5位ながら、破竹の勢いで上位を猛追している。佐々岡監督は「明日地元に帰って試合が続くので、1試合1試合全力で戦うだけです」と一喜一憂せずに先を見据えた。主砲が、下位に沈むチームを全力プレーで引っ張っている。【古財稜明】

◆8回の男・岩崎が痛恨の1発を浴び、阪神が今季3度目、広島には2度目の同一カード3連敗を喫した。7回にマルテの適時打で同点に追いついた。8回が始まる前にはビジョンにリードを許す首位ヤクルトのスコアが映し出されスタンドが盛り上がる。満を持して岩崎が登場したが、まさかの展開になった。1死から小園に142キロ直球を中堅右へ決勝弾となる4号ソロ。この日で50試合登板となった鉄壁の左腕が2戦連続失点で、今季4敗目を喫した。矢野監督は「今日もみんな勝ちたい気持ちを持って。優(岩崎)だって(試合前の)円陣で声を出したりとかさ。勝負にいっている中の結果として受け止めなしゃあない。誰も打たれようと思って投げているんじゃない」と、かばった。 打線は広島と同じ9安打を放ったが4回に逆転された後は2度追いつくのがやっとだった。「競って、競って、競ってで1本出ない。投手陣にもプレッシャーがかかるし打線でちょっとボーンと勢いが出ればいいんだろうけど」と、大量点や長打が出ない打線に頭を悩ましている。 広島に3連敗で10勝11敗と負け越しとなった。首位ヤクルトも負け、1ゲーム差は変わらない。矢野監督は「苦しい中から自分らでチャンスを見いだせる戦いをしていかないと」と気持ちを切り替えた。残り20試合。次は甲子園で中日3連戦。岩崎、スアレスを休ませるほどの大量リードで勝って勢いをつけたい。【石橋隆雄】 ▽阪神サンズ(1回に中犠飛)「前のみんなが塁を埋めてくれたから、絶対に走者をかえしたいと。自分の仕事をできて良かった」 ▼阪神は最短2日に自力優勝が消滅する。ヤクルトが1、2日の広島戦に○○か○△で、阪神が中日戦に●●で消滅する。

◆30日に今季5度目の1軍昇格した阪神・小野寺暖外野手(23)が、即スタメンを果たした。11日の広島戦(マツダ)以来の先発出場。2軍で打率・315を残し、現在ウエスタン・リーグの首位打者に位置する男が低調な打線の起爆剤となる。

◆阪神・大山悠輔内野手(26)が先制の左前適時打を放った。 一回。先頭の近本が右前打を放つと、中野が右前打で続き、無死一、二塁。3番・マルテの中飛で走者2人がスタートし、1死二、三塁。1番&2番が作り、3番がつないだ好機を虎の4番が仕留めた。 カウント2-2からファウルで粘り7球目。玉村の131キロにしぶとく食らいつくと、白球は左前に弾んだ。2試合連続の打点。2連敗中と悪い流れを断ち切ると、なおも1死満塁からサンズが中犠飛を放って2-0と先手を奪った。

◆阪神・大山悠輔内野手(26)が先制の左前適時打を放った。 「前の3人が作ってくれたチャンスだったので、何としてもランナーをかえしたいと思っていました。先制点を取ることができてよかった」 一回1死二、三塁。カウント2-2からファウルで粘り7球目。玉村の131キロにしぶとく食らいつくと、白球は左前に弾んだ。2試合連続の打点。2連敗中と悪い流れを断ち切ると、なおも1死満塁からサンズが中犠飛を放って2-0と先手を奪った。

◆広島・鈴木誠也外野手(27)がプロ9年目で自身のシーズン最多を更新する31号ソロを放った。 「打ったのはスライダー。(点を)取られた後にまずは1点返すことができて良かったです」 2点のビハインドを許した直後の二回先頭で打席へ。西勇の3球目の浮いた外角スライダーを左手一本で振り抜き、左翼席へ運んだ。打った本人もビックリの表情でダイヤモンドを1周した。 この一発で今月12本塁打とし、2018年8月に記録した月間自己最多本塁打数に並んだ。今夏の東京五輪では全5試合で4番を務め金メダル獲得に貢献。7、8月は月間MVPを初受賞。9月に入っても球団タイ記録の6試合連続本塁打を記録するなど勢いが止まらない。

◆ひと振りで球場の空気を変えた。阪神・小野寺暖外野手(23)が、記念すべきプロ第1号を放った。 先発の西勇が広島・鈴木誠に2打席連続となる2ランを被弾し、2-3と逆転された直後の四回。先頭で打席へ。球場に漂う不穏なムードを吹き飛ばした。 カウント3-1から玉村の140キロを捉えると、白球はバックスクリーン左へ。1軍では36打席目。記念すべきプロ初本塁打は起死回生の同点弾。一塁ベースを蹴ると、飛び上がるように右手でガッツポーズだ。 30日に今季5度目の1軍昇格を果たし、「7番・右翼」で即スタメン。打線の起爆剤をと送り出した矢野監督の期待にバットで応えた。

◆ひと振りで球場の空気を変えた。阪神・小野寺暖外野手(23)が、記念すべきプロ第1号を放った。 「打った瞬間は入ったのかどうか分からなかったので、全力で走っていました。ファンの皆さんが喜んでくれていたので、入ったことが分かりましたし、この甲子園で今まで経験したことのない歓声を受けることができて本当にうれしかったです」 1点ビハインドの三回。先頭で打席へ。球場に漂う不穏なムードを吹き飛ばした。カウント3-1から玉村の140キロを捉えると、白球はバックスクリーン左へ。1軍では36打席目。記念すべきプロ初本塁打は起死回生の同点弾。一塁ベースを蹴ると、飛び上がるように右手でガッツポーズだ。 30日に今季5度目の1軍昇格を果たし、「7番・右翼」で即スタメン。打線の起爆剤をと送り出した矢野監督の期待にバットで応えた。

◆先発した阪神の西勇輝投手(30)は6回?を7安打4失点だった。 一回は三者凡退も、2-0の二回に鈴木誠にソロを被弾。さらに四回には鈴木誠に2打席連続の2ランを浴び、逆転を許した。 その後は立ち直ったかに見えたが、3-3の七回。先頭の坂倉に中前打を許すと、1死から菊池涼に左翼線へ二塁打を浴び、1死二、三塁としたところで降板。2番手・及川が代打の会沢に右犠飛を許し、勝ち越された。

◆阪神は広島に逆転負け。今季3度目の同一カード3連敗を喫した。 打線は一回に大山の左前打などで2点を先行した。2-3の四回にはこの日1軍に昇格し即スタメンの小野寺がプロ1号を放って同点とした。 先発の西勇は6回?を7安打4失点。鈴木誠に2打席連発を許すなど一発に泣くと、4-4の八回には3番手・岩崎が小園に勝ち越しのソロを献上した。阪神は8月27日-29日の広島戦(マツダ)以来、今季3度目の同一カード3連敗。首位・ヤクルトも敗れたため、ゲーム差は変わらず「1」のままとなった。

◆広島が今季初の6連勝。4―4の八回に小園の2試合連発となる4号ソロで勝ち越した。2番手のケムナが2勝目、栗林が28セーブ目を挙げた。阪神は3連敗。2度追い付く粘りを見せたが、岩崎が痛恨の一発を浴びた。

◆広島が一発攻勢で、阪神に同一カード3連勝を飾り、連勝を今季最長の「6」に伸ばした。4─4で迎えた八回に小園が阪神セットアッパーの岩崎から殊勲の4号ソロ。ヒーローインタビューは以下の通り。 ──深い右中間席への本塁打 「強いスイングができたので、いったかなという風に思いました」 ──本塁打の場面は4─4の八回1死、相手投手は岩崎 「ボールツーだったので、入ってくる真っすぐを絞ってしっかり振りにいきました」 ──2試合連続で本塁打 「ホームランバッターではないのですが、ヒットの延長がホームランという気持ちでやっている。本当に入ってくれてよかったなと思います」 ──遊撃守備では5─4の九回に先頭・梅野の鋭いゴロに追いつきアウトにした 「九回だったので、チームを助けられたらと思っています」 ──若手が活躍 「底上げができたらと思っていますし、盛り上げていけたらチームが乗ってくると思う。みんなで頑張っていこうといっています」 ──シーズンの最終盤へ向けて 「最後まで続く。気を抜かず1戦1戦頑張っていきたい」

◆阪神は同点で迎えた八回、岩崎優投手(30)が小園に4号ソロを浴び、5位広島に同一カード3連敗を喫した。また昇格即、「7番・右翼」で出場した小野寺暖外野手(23)が四回、プロ1号を放った。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ーー西勇は何とか七回最後まで(6回1/3を投げて4失点降板) 「もちろん、あそこまで行ってくれたらなとは思ったけど。でも、いいボールは行っていたんで」 ーー内容としては 「状態はこの前(9月24日の巨人戦)よりもいいと思ったけど」 ーー岩崎、スアレスのところに対しては言うことはない 「いやぁもう、きょうもね、みんな勝ちたい気持ちを持って。(岩崎)優だって円陣のときに声を出したりとかさ。みんな必死にやっている中の、勝負に行っている中の、それは結果として受け止めなしゃあないし、うん。誰も打たれようと思って投げているわけじゃないんで。それは、残りの試合でまた頑張ってくれたらなと思います」 ーー敗因は打線か 「まあ、ねえ。今はかみ合わないんでね。どうしても。いいところでボーンとホームランでも出てくれたらムード的には楽になるんだけど、競って、競って、競ってで、1本出ないっていう。やっぱりピッチャーもプレッシャーがかかるし。そういうところでは、打線でちょっとボーンと勢いが出ればいいんだろうけど。流れ的にきょうも(一回に)2点取って、すぐ勇輝が1点取られて流れがちょっと来てないんで、つくれてないんで。そういうところに原因があるかなと」 ーー小野寺がプロ1号 「すばらしいホームランだったし、ファームでもしっかりした結果を残してきて。上ではなかなか結果というところでは残せていないけれど、育成から2軍でしっかり結果を残して上がってきている選手なんで、しっかり、もっともっと高みを目指してやってもらえたらなと思います」 ーーいい部分も 「みんな必死にしようと思ってやっている。苦しいのは俺たちだけが苦しいわけじゃない。他の優勝争いしているチームも全部苦しい。俺らはチャレンジャーなんでね。そういうところでは向かっていく姿勢がより問われる。現状できることはそれしかない。みんなでより高めながら。苦しい中から自分らでチャンスを見いだせるような戦いをしていかないと、と思います」

◆予想していなかった下位相手の3連敗だ。現役終盤に所属した阪神では代打の切り札として活躍した楽天初代監督の田尾安志氏(67)=本紙専属評論家=は七回の攻撃に疑問符をつけた。無死一塁、フルカウントの場面で一走にスタートを切らせなかった矢野采配を「消極的」と一刀両断。シーズン序盤のように積極的な攻撃を取り戻すように強く求めた。 ■一番打率の高い近本の打席で 残念だったのは七回の攻撃だ。先頭の梅野が出て無死一塁になった。打席の近本がフルカウントになったが、ベンチは一塁走者を走らせなかった。理由はなんだろう。 一番打率の高い打者でもスタートを切らないということは、誰が打席にいても走らないということになる。あそこで走らせなかったら、チームに勢いがつかない。打率が2割打者なら走者を止めておくという選択もまだ理解できるが、3割超えの打者でも走らせないということは、空振りが怖いということ。選手はこの采配を見て「近本ですら三振するかもしれないと信頼してもらっていないんだ」と感じるだろう。 走らせないということは近本は安打を打たないといけないということ。選手にとってしんどい作戦だ。近本は一ゴロで梅野は二塁で封殺された。最終的にマルテのタイムリーで1点入ったが、結果オーライ。すごく消極的な作戦だった。監督の責任でサインを出し、選手を助けてほしい。 ■監督の考えが選手の重荷に 監督の考えが選手の重荷になっている。とにかく相手を攻める采配がみたい。攻撃イニングでも守りに入っているように感じる。相手が嫌がることをやっているかと思って、改めて試合を振り返ったら、全くしていない。ここのところのゲームを見ると、打つか、打たないか、抑えるか、投手と打者だけの勝負で終わっている。これはさみしすぎる。相手にもプレッシャーはかからない。マイナス思考になっている。シーズン序盤、勝っていたときはベンチもどんどん動いていた。 ただ、考えようによっては阪神はまだついているといえる。首位ヤクルトも連敗して、大きな差が広がらなかった。3位の巨人はかなり苦しくなった。ペナント争いはまだまだ混戦。すんなりはいかないだろう。3連敗は非常に痛いが、まだチャンスをもらえたと切り替えることができる。 監督が弱気になれば、選手たちに伝わるものだ。あくまで自分たちは挑戦者、守りに入ってはいけないと原点に立ち返ってほしい。攻める気持ちを前面に出せば、結果も変わっていく。(本紙専属評論家)

◆虎の庭、甲子園で鯉が大暴れした。広島が今季最長の6連勝。鈴木誠が今季初の2打席連発を含む2安打3打点で存在感を発揮した。 「たまたまッス。風ッス。勝ったので良かった」 0─2の二回先頭で外角球を左手一本で振り抜き左翼席へ31号ソロ。1─2の四回1死二塁では変化球をバックスクリーン左に2ランをたたき込み、自身のシーズン最多本塁打数を32に伸ばした。 9月は球団タイ記録の6戦連発をマークするなど、13発。2018年の月間自己最多本塁打数を更新した。7、8月に続く月間MVP受賞が現実味を帯びる。 「タイトルのために野球をやっているわけではない」 打率・317と出塁率・434でリーグトップの主砲は私欲を捨ててチームの勝利のために打つ。(柏村翔)

◆夜空を舞った白球には目もくれず、無我夢中で走った。耳に届いた拍手と大歓声の嵐が着弾の知らせとなる。甲子園で放ったメモリアルアーチ。小野寺は右手を突き上げ、吼えた。 「ファンの皆さんが喜んでくれて入ったことがわかりましたし、この甲子園でいままでに経験したことがない歓声を受けることができて本当にうれしかったです」 2-3と逆転を許した直後の四回先頭。不穏な空気をひと振りで切り裂いた。玉村の140キロシュートをはじき返すと、打球はバックスクリーン左へ。プロ2年目、通算36打席目で放った記念すべきプロ1号は、これまでの悔しさを込めた下克上の一発だ。 「今年一番抹消を味わっているので、毎回ですけど、今回こそはと思って試合に挑んだ」 今年4月に支配下登録され、この日が実に今季5度目の1軍昇格。チャンスをもらいながらも生かせなかった過去4度の苦い記憶がある。それでも、ファームに落ちるたびに平田2軍監督から「(最短の)10日で上がるぞ」とげきを飛ばされ、はい上がってきた。 2019年10月のドラフト会議で、育成1位で指名された。「お金を返す手助けにはならない」-。大商大での指名会見では、女手一つで育ててくれた母・由子さんを思い、涙を流した。契約金はなく、支度金200万円からのスタート。だから、少しくらいの失敗や挫折ではへこたれない。2軍に落ちるたびに気合を入れ直し、打率・315でウエスタン・リーグの首位打者を獲得。すべては憧れの舞台で、母に雄姿を見せるため。必死に努力してきた。 踏まれても踏まれても立ち上がる強さがある。だからこそ、低調な打線の起爆剤として、矢野監督は昇格即「7番・右翼」でスタメンを決めた。そして見事バットで応えた。指揮官は「すばらしいホームラン。育成から2軍で結果を残して上がってきている選手。もっともっと高みを目指してやってもらえたら」と目を細めた。まだ、第一歩。小野寺の成り上がりストーリーは続く。 「このままレギュラーを奪って、最後まで出続けて何としても1位になることだけを考えてやっていきたいです」 泥だらけのユニホームに誓った。16年ぶりのリーグ優勝へ、どんな困難が待ち受けていようが心配はいらない。小野寺の雑草魂が虎を何度でもよみがえらせる。(原田遼太郎) ◆恩師・富山監督「1軍にしがみついて」 小野寺の恩師である大商大の富山陽一監督(56)は自宅のテレビで初アーチを見届けた。「一ファンとしてみています。うれしいですね。とにかく1軍にしがみついて、少しでも優勝の役に立ってほしいです」。小野寺が記念球を「大学の監督にあげようかな」と話したことを知ると「それはうれしいですね! 当たり前でしょ(笑)」と冗談交じりに喜んだ。

◆痛恨の3タテ...。阪神は甲子園で広島に4-5で敗れ、今季3度目の同一カード3連戦3連敗を喫した。首位ヤクルトも敗れて、ゲーム差1が変わらなかったことが救いだが、これで燕が敗れた日に虎も〝お付き合い〟するのは3戦連続。矢野燿大監督(52)は「俺たちだけが苦しいわけじゃない。(他の)優勝争いしているチームも全部苦しい」と、必死に前を向いた。これほど苦しい一発、そして3連敗は、そうそうない。頼みの岩崎までもが快音に貫かれ、決勝弾に倒れた。首位のヤクルトが最下位のDeNAに2連敗したにもかかわらず、虎は5位の広島に3タテを食らった。こたえる足踏みには違いなくても、矢野監督は下だけは向かなかった。 「みんな必死にしよう(勝とう)と思ってやっている。苦しいのは俺たちだけが苦しいわけじゃない。他の優勝争いしているチームも全部苦しい」 ゴールは遠い。今季3度目、広島には2度目の同一カード3連戦3連敗となった。東京ドームで巨人を2勝1分けと叩いた直後だけに、ここで喫する3連敗には思わずくじけそうになる。だが、ふと横を見れば、競り合う相手も息を切らしている。この苦しさに耐えたチームだけが、最後に笑える。甲子園と神宮、ほとんど時を同じくして、似たような展開になった。阪神もヤクルトも2点リードを守れず同点に追いつかれた。同点の九回に燕の守護神、マクガフは3失点。まだ同点だった七回終わりの甲子園の大型ビジョンに、その途中経過が表示されると虎党がドッと沸いた。だが、今度は4-4の八回を託された虎のセットアッパー・岩崎が小園にまさかの決勝ソロを被弾。悲鳴を切り裂いて、浜風とは逆の秋の夜風も打球を押した。頼みのリリーフエースが、登板2試合連続失点で6月3日のオリックス戦(甲子園)以来の今季4敗目(2勝32ホールド)となった。岩崎も苦しい。だが、マクガフだって苦しい。だからこそ、矢野監督はここからの姿勢こそが重要だと強調した。「俺らはチャレンジャーなんでね。そういうところでは向かっていく姿勢がより問われる。現状できることは、それしかない」ヤクルトの「13試合連続負けなし」という快進撃もあったが、それ以前から、阪神はヤクルトが敗れた日に限って勝てなかった。9月7-9日の甲子園での直接対決以降、ヤクルトは4敗しかしていないが、阪神は同日に試合があった3戦に全敗している。もう〝お付き合い〟を打ち切り、この苦しさから突き抜けなくてはならない。泣いても笑っても残すは20試合。直接対決は残り5試合。一歩も引けない。少しでも引けば、最短であす2日にヤクルトの優勝へのマジックナンバー「16」が点灯してしまう。矢野監督は「みんなでより高めながら。苦しい中から自分らでチャンスを見いだせるような戦いをしていかないと」と結んだ。この苦しさの先にしか、求め続けてきたものはない。すべてを受け止めて、全員でもう一度、挑んでいく。(長友孝輔)

◆あ~もったいない。ヤクルトも巨人も負けた日に、1点差負け。でも、大丈夫。今年はまだ20試合残っています。 本日は、ペナントレースが最終盤に入るのに合わせた特別仕様のラッピング紙面。阪神の逆転優勝への道を盛り上げるべく、〝外側〟を広げて楽しんでいただけるようになっています。ラッピングの裏側、2面と27面は『矢野虎V&日本一ロード』。整理部デスクの芝崎正剛と大嶋裕起、竹内あかりらがこの1週間、ああだこうだと意見を出し合ってきました。 「普通に残りの日程を載せるだけじゃおもしろくないな」(芝崎) 「優勝までのすごろく風にして、勝敗を書き込んでいってもらいましょう。ずっと楽しんでもらえます」(大嶋) 「だったら、クライマックスシリーズと日本シリーズの日程も入れて日本一までのすごろくにしましょう」(竹内) そうしたやり取りの末に完成した力作です。もちろん、優勝を信じて制作していますので、2位と3位が戦うCSファーストステージの日程は、優勝する阪神はそこには出ないと信じて、はしょっております。 「まあ、優勝できなくても2位にはなるだろうし、CSファイナルステージからのすごろくで楽しんでもらえる」 2位? 縁起でもないことを言っていたのは、紙面総括の局次長生頼秀基です。阪神とヤクルトと巨人が優勝争いをしている今年と似たシーズンだった1992年、生頼はトラ番でした。そのときの10月がトラウマになっているらしい。 「残り15試合のときに阪神は2位に3ゲーム差をつけていました。中村(勝広)監督に『Vラインは何勝くらいですかね』って質問したんです。監督はしばらく考えたあと『私の背番号(71)くらいかな』と答えてくれたんですが...」 ラッキーゾーンが撤廃されて広くなった外野で亀山、新庄が躍動。〝亀新フィーバー〟を巻き起こし、遊撃には今年の中野と同じく新人の久慈が定着して新人王を獲得。投手陣は先発で仲田、中込、抑えの田村ら若手が活躍したシーズンでした。しかし終盤は失速。阪神は10月に入ってからの最後の9試合が3勝6敗で67勝止まり。10月5勝2敗のヤクルト(69勝)に逆転されてしまったのです。 今季もいま、佐藤輝が苦しんでいます。 「7番・ライトは小野寺です。小野寺はプロ初本塁打を打って活躍してくれましたが、佐藤輝のことも気になります。きょう、2軍はソフトバンクの3軍との練習試合で、小幡は〝親子ゲーム〟で出たんですが、佐藤輝は出ていません。疲れがたまっていると判断されているんでしょうね。そうでなければ2軍で打席に立って調整しているでしょうから」 トラ番キャップ長友孝輔ももどかしそうです。あれ? 芝崎、見開きのすごろく、19試合ぶんのマスしかないぞ。20試合残っているのに。 「右下を見てください。中日戦が1試合、開催日未定で残っているんです。たぶん、25日以降に入るんだと思います。そこが優勝決定の日になってもいいように、右下にしっかりそのとき用の『マス』もつくってあります」 どうせなら、早めに巻き返して(CSファイナルへ)〝5マス進む〟とかになってほしいけれど、右下の最後のマスで決まってもいい。そして日本シリーズのマスを阪神〇で終わらせてほしい。みなさまも、10月の残り20試合、すごろくに勝敗を記入しながら楽しんでください。

◆アホかー!! 首位ヤクルトが最下位DeNAに連敗したっちゅ~に、Bクラスの広島に地元甲子園で3試合も負けるかー!! 現役時代に虎キラーだった『番長(三浦監督)の恩返し』がわかんねーのかよ!! 矢野監督も、過剰な期待はやめてくださ~い!! 先発の西勇は好投手に違いないけど、今季に限っては5勝9敗と勝てていない。だから並のローテーション投手と考えて5、6回を3失点に抑えてくれただけで上出来と欲を出さず、七回の頭から『新七回の守護神』の及川に任せたれやー!! 打線も一回に2点を入れた後は、小野寺のプロ初ホームランと、マルテのタイムリーの2点だけだってんだから、そりゃ勝たないわなあ...。 てか、今の阪神は近本と中野にマルテ、ときどき糸原の4人でやってるようなもんなのだ!! だったら俊足で盗塁王を狙う近本、中野が出塁したら強引といわれようが全て盗塁させたれー!! 『鳴かぬなら鳴くまで待とう...』の家康野球は時すでに遅しなのだ!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
604416 0.577
(↓0.006)
-
(-)
23538
(+6)
441
(+7)
123
(+3)
66
(-)
0.257
(-)
3.460
(↓0.03)
2
(-)
阪神
65517 0.560
(↓0.005)
1
(-)
20479
(+4)
473
(+5)
109
(+1)
104
(+2)
0.248
(-)
3.580
(↓0.02)
3
(-)
巨人
575117 0.528
(↓0.005)
5
(-)
18496
(-)
473
(+1)
153
(-)
63
(-)
0.246
(↓0.001)
3.580
(↑0.02)
4
(-)
中日
506016 0.455
(↑0.005)
13
(↑1)
17369
(+1)
417
(-)
65
(-)
55
(-)
0.239
(-)
3.180
(↑0.03)
5
(-)
広島
506111 0.450
(↑0.005)
13.5
(↑1)
21458
(+5)
512
(+4)
106
(+3)
55
(+1)
0.261
(-)
3.880
(-)
6
(-)
DeNA
486214 0.436
(↑0.005)
15
(↑1)
19500
(+7)
556
(+6)
127
(+2)
26
(-)
0.258
(↑0.001)
4.270
(↓0.01)