阪神(★2対8☆)広島 =リーグ戦20回戦(2021.09.29)・阪神甲子園球場=
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広島
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阪神
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勝利投手:九里 亜蓮(10勝7敗0S)
敗戦投手:青柳 晃洋(10勝5敗0S)

本塁打
【広島】小園 海斗(3号・3回表ソロ),坂倉 将吾(11号・4回表ソロ)

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◆広島が快勝で5連勝。広島は初回、坂倉の適時打で1点を先制する。その後3-2となって迎えた8回表には、代打・松山と大盛の連続適時打で3点を挙げ、相手を突き放した。投げては、先発・九里が6回2失点で今季10勝目。敗れた阪神は、投打ともに精彩を欠いた。

◆今季限りで現役を引退する阪神桑原謙太朗投手(35)が、甲子園でチームメートから惜別された。 練習開始前、バックスクリーンに「桑さん 14年間お疲れ様でした」のメッセージが映し出されると、桑原の登場曲、MAN WITH A MISSIONの「Raise your flag」が流れた。 グラウンドに姿を現した桑原は、センター付近に集まったチームメートの前であいさつ。梅野からは花束を、岩崎と岩貞からは惜別の品が贈られた。 最後はチーム全員で記念撮影を行い、拍手でねぎらわれた桑原は笑顔を見せた。

◆両チームのスタメンが発表された。阪神は怪物ルーキー佐藤輝明内野手(22)がベンチスタート。再昇格後は5試合連続でスタメン出場していたが、前日28日には3打数無安打でNPB野手ワーストの53打席連続無安打となっていた。 また、糸井嘉男外野手(40)が6番右翼で出場する。先発は青柳晃洋投手(27)が今季11勝目を目指してマウンドに上がる。

◆ついにNPB歴代野手ワーストの54打席連続無安打となった。阪神佐藤輝明内野手(22)が5回無死三塁で代打で登場、左飛に倒れ、これまで2リーグ分立後の野手では最長だった93年トーベ(オリックス)を超えた。 新人では投手の56年秋山(大洋)の50打席を抜き、単独でのワースト記録を更新中。この日は1軍復帰6戦目でスタメンから外れていた。それでも、途中出場で起用してくれる首脳陣、快音を待ち続ける虎党のためにも、早くトンネルを脱出したい。

◆広島小園海斗内野手(21)が、プロでは甲子園初本塁打となる3号ソロを放った。1点リードの3回1死走者なしから、カウント1-1からの3球目、青柳の内角変化球を引っ張った打球は右翼席最前列に飛び込んだ。自身4試合ぶりの1発に「自分のスイングでしっかり捉えることが出来ました。追加点に繋がって良かったです」とコメントした。 小園は報徳学園の高校2年時に出場したセンバツで、多治見(岐阜)との1回戦で右越えの本塁打をマーク。高校日本代表に選出され、壮行試合として18年8月28日に行われた大学日本代表との試合でも、日体大・松本(現西武)から本塁打を記録している。

◆阪神近本光司外野手(26)が適時打を放ち、1点差に追い上げた。 2点を追う5回1死三塁。カウント1-1から広島の先発九里亜蓮投手(30)の外角高めの直球を中堅方向へはじき返した。遊撃手小園海斗内野手(21)が飛びつくも、打球は二遊間を破り、中前に抜けた。「(三塁打を放った)梅野さんがつくってくれたチャンスでしたし、早く追いつくためにも打ちたいと思っていたので、仕事をすることができてよかったです」。初回にも中前打を放っており、今季52度目のマルチ安打でリーグトップの安打数を156に伸ばした。 5回には続く中野拓夢内野手(25)の3球目に今季23個目の盗塁に成功。リーグトップの同僚中野にあと1に迫った。

◆阪神青柳晃洋投手(27)が5回4安打3失点で降板した。今季広島戦は初登板で「1人1人丁寧に投げていくしかない」と意気込んでいたが、初回に広島坂倉将吾(23)の左翼線適時二塁打で先制を許した。 さらに、3回1死には小園海斗内野手(21)に129キロシンカーを右翼スタンドに運ばれ、4回にも坂倉にバックスクリーンへのソロを浴びた。「今日も先制点を与えてしまいました。早い回で降板することになり、申し訳ないです」と悔しさをにじませた。 自己最多の11勝目がかかった試合でリードを許し、5戦連続で勝ち星がない。

◆2番手で登板した阪神及川雅貴投手(20)が踏ん張った。2-3の6回から登板。先頭の西川龍馬外野手(26)に四球を与えた後、鈴木誠也(27)に左前打を許し、無死一、二塁のピンチを迎えた。 しかし、5回まで2安打の坂倉倉将吾内野手(23)を左飛に打ち取ると、林晃汰内野手(20)を149キロの速球で見逃し三振。さらに、田中広輔内野手(32)を変化球で見逃し三振とし、ピンチをしのいだ。「先頭打者に四球を与えてしまったが、そこからは何とか粘れました。0点で次の投手へつなぐことができた」と胸をなで下ろした。

◆広島は1回、坂倉が左翼線に先制適時二塁打を放った。3回は小園の右翼への3号ソロで加点し、阪神先発青柳を攻めた。 広島は4回、坂倉の中堅への11号ソロで加点した。阪神は4回に大山が適時内野安打を放ち、5回は近本の適時打で反撃した。 広島先発九里亜蓮は6回2失点でプロ入り初めて2桁の10勝目に達した。チームも5連勝。阪神は再三の満塁機を決められず連敗した。 阪神青柳が5敗目。

◆阪神2番手の及川雅貴投手がピンチを乗り切った。 2-3の6回に登板。先頭の西川を四球を出して鈴木誠に左前打を許し、無死一、二塁のピンチを迎えた。しかし、そこまで2安打の坂倉を左飛に打ち取ると、林を149キロの速球で見逃し三振、田中広も変化球で見逃し三振。1回を無失点でつなぎ「先頭打者に四球を与えてしまったが、そこからは何とか粘れました。0点で次の投手へつなぐことができた」と胸をなで下ろした。

◆阪神が広島に競り負け、2連敗となった。1位ヤクルトも敗れたため1ゲーム差は変わらなかったが、直前のカードで巨人に2勝1分けと勝ち越した勢いは薄れてしまった。 先発の青柳晃洋投手(27)は今季初めて広島戦に登板。初回2死一、二塁から坂倉奨吾(23)の左翼線の適時二塁打で1点を先制された。3回1死では小園海斗内野手(21)にソロ、4回にも坂倉にソロをバックスクリーンへ運ばれた。青柳は5回4安打3失点で降板。自己最多の10勝目を挙げた8月24日を最後に5試合連続で白星を逃した。 打線は4回1死三塁で大山悠輔内野手(26)の内野安打で1点を返し、5回にも1死三塁から近本光司外野手(26)の中前適時打で一時1点差に迫った。 ただ8回に3失点し、9回は浜地真澄投手(23)の暴投と安部友裕内野手(32)の犠飛で1点ずつ失い、さらにリードを広げられた。

◆甲子園が2夜連続でため息に包まれた。阪神が10安打を放ちながらも2得点、10残塁とチグハグな攻撃で広島に2連敗を喫した。首位ヤクルトがDeNAに敗れたため1ゲーム差は変わらないが、最短で10月1日にも自力V消滅の危機。矢野監督もあと1本が出ない打線に言及した。 「誰かが1本と言ったらあれだけど、出してくれるとだいぶ変わるんだけどね。そこはなかなか最近ずっと課題というか。それがずっとなかなか突破できない」 試合前には決断を下した。再昇格後は5試合連続で先発出場していた怪物ルーキー佐藤輝をスタメンから外した。6番右翼にベテラン糸井を据えて、つながらない下位打線に刺激を与えた。だが、ヒットは出ても得点が入らない。 まるで「金縛り」だ。最大のチャンスであるはずの満塁機で得点が生まれない。1点を追う6回。1死満塁の好機で8番梅野が一邪飛に倒れると、代打の切り札原口が中飛。7回には2死からマルテ、大山の2者連続ヒットなどでベースを埋めたが、糸井が9球粘った末に空振り三振。3度の満塁機はすべて得点に結びつかなかった。 負の流れを完全に断ち切れない。10日広島戦の8回に近本が適時打を放ってから、26日巨人戦(東京ドーム)で糸井が適時二塁打するまで、満塁機は9度あったがノーヒット(大山の犠飛を含む)。この日の3度を含めて13度の満塁機で1度しかヒットが出ない。 壮絶な優勝争い。プレッシャーに押しつぶされてしまうのか。矢野監督は首を振った。「いやいやプレッシャーはずっとある。プレッシャーがあるだけありがたい。あって当たり前」。30日はエース西勇が中5日で先発マウンドに上がる。指揮官は自身に言い聞かせるように「誰も助けてくれないんでね。自分たちで突破するしかない。全員でやるしかない」と力を込めた。【桝井聡】

◆阪神が広島に連敗した。今季10勝の先発青柳が2発を浴びるなど5回3失点。5回には近本の適時打で1点差にしたが、8回、9回にリリーフ陣がつかまり大差をつけられた。打線は10安打を放ち、4回は1死満塁、7回も2死満塁とチャンスをつくったが生かせなかった。試合後の矢野燿大監督(52)の一問一答は以下の通り。-青柳には左打者を並べられた どこもやってくるからね。今日は安打、安打で取られるならあれだけど、本塁打という感じだったので。まあ粘って欲しかったなというのもあるけど、そこに対して左打者をどう抑えるかというのを挑戦していく中で、やられている感じはあるんで。受け身になっている感じはないんだけど。そこはプラスの、左をどう抑えていくかという過程の中では必要なことなじゃないかなというのと両方ある。 -打線は組み替える中でチャンスは作っているだけに6、7番が 誰かが1本と言ったらあれだけど、出してくれるとだいぶ変わるんだけどね。そこはなかなか最近ずっと課題というか。それがずっとなかなか突破できないんで。どうしてもちょっと重いというか、投手に負担がかかって、思うように進められない、点が取れないというのがやっぱりね。その中で誰も助けてくれないんでね。自分たちで突破していくしかないけど。全員でやるしかない。 -8回途中に投入した4番手岩貞が先頭四球から あそこはもう、どうしてもゼロでいきたいというところで、あと1つのアウトを取りにいくためにサダを出しているわけだから。そこで先頭四球でヒット、ヒットじゃ。ちょっとさみしいよね。 -6回の2番手及川はピンチを招きながらも抑えた ビシッと抑えてくれたら一番いいけど、あそこでオヨいっているというのはこっちも勝負にいっているわけだから。ピンチ作りながらも抑えていくのも成長の中のひとつやし。いろんなボールを使いながら抑えられているというところも、経験の中から成長していってるところかなと思う。 -負けられない試合が続く中でプレッシャーを感じるか いやいやプレッシャーはずっとある。プレッシャーがあるだけありがたい。あって当たり前。 -明日はエースの西勇が先発。いい形で勝ちたい もちろん形も大事やけどね。結果としてどう勝つかというのが大事やし。打線の援護というのがね、早い回に理想としては取っていくというのが必要かなと思う。

◆広島坂倉将吾捕手が1発を含む3安打2打点と躍動した。 初回2死一、二塁で、外角直球を左翼線に運び、先制点を奪った。4回は先頭で青柳のカットボールを捉え、バックスクリーンまで運ぶ11号ソロ。「積極的にいこうと思った。良い角度で上がってくれた。最高の結果になりました」とニヤリ。8回にも2死から左前打で出塁して追加点につなげた。

◆広島九里亜蓮投手(30)が、プロ8年目で初の2桁となる10勝目に到達した。今季2戦2敗と苦にしていた阪神戦に先発し6回2失点。幾度と訪れたピンチを最少失点でしのぎ、節目を迎えた。気迫の投球でチームを今季最長タイの5連勝と2カード連続勝ち越しに導いた。九里が欲しかった勲章を、ついにつかみ取った。17年に9勝、18年からは3年連続で8勝にとどまった。今季も王手をかけてから2試合連続で足踏みしたが、三度目の正直で初めて2桁勝利を挙げた。ヒーローインタビューでは「率直にうれしいですけど、いつも野手の方が守ってくださって、打ってくださってついた勝ちだと思う。本当に感謝しています」とチームメートをたたえた。 気迫で乗り切った。4、5回と1点ずつ失うも、決して追加点は許さなかった。圧巻は6回。1死から単打2本と一塁手林の失策も絡み、満塁のピンチを迎えた。しかし梅野を内寄りの143キロ直球で一邪飛に封じ、代打原口は外角変化球で中飛にねじ伏せ、右拳で渾身(こんしん)のガッツポーズを決めた。右腕は「しっかりとゾーンの中で勝負して、その結果0点に終わってよかったです」と淡々と振り返った。 ピッチングの根本から見直した。「体の使い方」を学ぶべく、昨オフには前田健太、大瀬良らが師事する手塚一志トレーナーが運営する広島市内の施設「上達屋」に初めて足を運んだ。動作解析を行い、フォームの修正に取り組んだ。キャッチボールから徹底して軸足の粘り、下半身主導を意識し、テークバックを昨季からよりコンパクトな上げ方に変えた。「去年まで(体が)横回転になっていたのを、縦回転に近づけることができた」。春季キャンプのブルペンで異例の1日347球を投げ込むなど新フォームを体にたたき込み、今季の躍進につなげた。 魂を込めた熱投で、チームを今季最長タイの5連勝と2カード連続の勝ち越しに大きく貢献した。今後に向けて「残り試合は少ないですけど、しっかりと自分の投球をして、1試合でも多くチームに勝ちがつけられるような投球ができるように頑張りたい」と引き締めた。節目の到達にも満足せず高みを目指していく。【古財稜明】 ▽広島佐々岡監督(九里について)「先発をやっている以上は2桁を目標にやっている。(達成は)遅いぐらいだと思う。もっと早く(2桁)勝てると思っていた。10勝したのは大きな自信になると思う」

◆阪神佐藤輝明外野手がついにNPB歴代野手ワーストの54打席連続無安打となった。この日は1軍復帰後6戦目で初めてスタメンを外れていた。2点を追う5回無死三塁で先発青柳の代打として起用。好機での登場にスタンドも盛り上がった。 広島先発九里とは、過去2戦で6打数2安打1打点と苦手な相手ではない。1ボールから、2球目の高め142キロを打ちにいったが詰まって定位置よりも浅い左飛。三塁走者梅野もタッチアップできなかった。安打は出なくても犠飛や内野ゴロでも1点の場面で仕事ができず悔しそうにベンチへと戻った。 これまで2リーグ分立後で最長だった93年トーベ(オリックス)をルーキーが28年ぶりに更新してしまった。トンネル脱出へ必死にもがいている。この日も早出特打を行い、フリー打撃前にはベンチ前でメディシンボールを、バットをスイングするように腰を回し、遠くへ投げる練習を繰り返した。フリー打撃では39スイングで柵越えは5本。珍しくバットを折るシーンもあった。井上ヘッドコーチは「連敗でも切り替えていくしかない。それぞれが、誰かが突破口を開いてくれれば、それでその穴が大きくなってくれる。それに期待するしかない」と話す。佐藤輝も自身のトンネル脱出でチームに突破口を開けたい。【石橋隆雄】

◆阪神岩貞祐太投手(30)はワンポイント起用に応えられなかった。8回2死一塁で右腕小川からスイッチ。 最初の林に四球を出すと、代打松山に左前適時打を浴びた。なお2死一、二塁から暴投でピンチを広げて大盛に右前適時打を打たれ、さらに2人の生還を許した。5戦ぶりの失点。 矢野監督は「あと1つのアウトを取りにいくためにサダを出しているわけだから。そこで先頭四球でヒット、ヒットじゃ。ちょっとさみしいよね」と苦言を呈した。

◆阪神近本がマルチ安打でリーグトップの安打数を156に伸ばした。 2点を追う5回1死三塁から広島先発九里の外角高めの直球を中前にはじき返した。一時は1点差に迫る適時打。「早く追いつくためにも打ちたいと思っていたので、仕事をすることができて良かったです」。初回にも中前打を放っており、複数安打は今季52度目。5回には23個目の盗塁を成功させ、リーグトップの同僚中野にあと1に迫った。

◆阪神梅野が5試合ぶりの安打で反撃した。5回先頭で九里のスライダーをとらえ、右翼フェンス直撃の三塁打。近本の中前打で生還し、1点差に迫った。 しかし6回1死満塁の好機では一邪飛に倒れた。守備では4回に田中広の二盗を阻止もリリーフ陣の2度の暴投を止められず、悔しい展開となった。

◆今季限りで現役を引退する阪神・桑原謙太朗投手(35)が広島戦の練習開始前に甲子園に登場し、1軍のチームメートや首脳陣らに別れのあいさつをした。 数分間、スピーチした後は梅野から花束を、岩貞、岩崎からはプレゼントを受け取った。バックスクリーンには「桑さん、14年間お疲れ様でした」というメッセージが映し出され、全員で記念撮影。最後は拍手で送り出され、感慨深げな様子だった。

◆5試合連続でスタメン出場を続けていた阪神・佐藤輝明内野手(22)が、ベンチスタートとなった。28日の広島戦(甲子園)でプロ野球野手ワーストタイの53打席連続無安打を喫するなど苦しむルーキー。代わって糸井嘉男外野手(40)が「6番・右翼」で26日の巨人戦(東京D)以来のスタメン出場する。

◆阪神・大山悠輔内野手(26)が0-3の四回に遊撃内野安打を放って1点を返した。 1死三塁で打席に向かうと、カウント2-2から九里の131キロに食らいついた。打球は三遊間へ。遊撃手・小園のグラブにおさまったが、全力疾走でセーフをもぎ取った。 28日は完封負け。26日の巨人戦(東京D)の六回から無得点が続いていたが、虎の四番が執念の一打でチーム17イニングぶりの得点をあげた。

◆阪神・佐藤輝明内野手(22)が1-3の五回無死三塁の好機に代打で登場した。カウント1-0から2球目、九里の142キロを強振も結果は浅い左飛。三走・梅野も動くことができなかった。これで、佐藤輝は54打席連続無安打となった。 打線は1死三塁から、近本がこの日2本目の中前打を放ち、2-3と1点差に迫った。

◆阪神が絶好機を逸した。2-3で迎えた六回。1死から糸原が左前打で出塁すると、糸井の打球を一塁手が失策。さらにサンズが右前打で続き1死満塁のチャンスを作った。 しかし、梅野が痛恨の一邪飛。代打・原口も中飛に倒れ、同点にすることもできなかった。

◆阪神の青柳は今季初となる広島との対戦で序盤につかまり、5回3失点で降板した。「僕に勝ちがつかなくてもチームが勝てれば、優勝できればいいと思っている」と意気込み、マウンドに上がったものの、5試合連続で白星をつかめなかった。 菊池涼を外すなど左打者を並べてきた広島打線に苦戦。一回に坂倉に左翼線へ二塁打を運ばれ、先制を許した。三回に小園にソロ本塁打を浴び、四回には坂倉に中越えのソロ本塁打。ぼうぜんと打球を見送った。 自己最多の10勝目を挙げた8月24日を最後に白星から遠ざかり、苦しい投球が続いている。

◆痛すぎる3失点だった。阪神は4番手で登板した岩貞祐太(30)が誤算だった。 2-3の八回2死一塁からマウンドへ。林に四球で一、二塁とすると代打の松山に左前適時打を許した。さらに暴投で二、三塁と自らピンチを広げると、大盛に2点右前打を浴び、この回3失点(岩貞は2失点、自責2)。僅差で終盤を迎えた阪神だったが2-6と瞬く間に点差が開いた。

◆広島・小園海斗内野手(21)が高卒3年目で初めて甲子園で本塁打を放った。 「自分のスイングでしっかりとらえることができました。追加点につながって良かったです」 1点リードの三回1死走者なし。青柳の内角に食い込む変化球を振り抜き、右翼席に3号ソロを運んだ。今季10勝を挙げている好投手から価値ある1点を奪った。 報徳学園高3年時には2018年に甲子園春夏連覇した大阪桐蔭高の藤原(ロッテ)、根尾(中日)とともに〝高校ビッグ3〟として注目を集めた。1年から遊撃のレギュラーをつかみ、2年春に4強進出に貢献。3年夏は8強だったが、自身は聖光学院との2回戦で大会タイ記録の2塁打3本をマーク。思い出の詰まった聖地で待望の一発を放った。

◆阪神は広島に連敗した。大山の適時内野安打で1-3と差をつめ、なおも1死一、二塁で迎えた四回は糸井が一直、サンズが遊飛。2-3の六回1死満塁では梅野が一邪飛、代打・原口が中飛と追いつくことすらできなかった。さらに七回も2死満塁とチャンスを作りながら糸井が空振り三振。10安打を放ちながらもわずか2得点。10残塁と拙攻が目立った。また、佐藤輝は五回に代打で出場し左飛。プロ野球の野手ワースト記録となる54打席連続無安打となった。 先発の青柳は2本のソロを浴びるなど5回4安打3失点。2-3の八回2死一塁から登板した4番手の岩貞は四球と連打で2失点と精彩を欠いた。首位・ヤクルトがDeNAに敗戦したため、ゲーム差は「1」のまま変わらなかった。

◆広島が5連勝。九里が6回2失点で自己最多の10勝目をマーク。打線は一回に坂倉の二塁打で先制し、三、四回は小園と坂倉のソロで加点。八回に代打松山の適時打などで3点を奪った。阪神は投手陣が踏ん張れなかった。

◆広島が10安打で8得点を奪い、チームの連勝を今季最長タイの「5」に伸ばした。先発・九里は6回106球を8安打2失点で自身初の2桁となる10勝目(7敗)。ヒーローインタビューは以下の通り。 ──再三のピンチを切り抜けた。投球を振り返って 九里「初回からしっかり腕を振った。きょうまでの2試合はしっかりとした投球ができていなかったので、そこだけを意識した」 ──ピンチで心がけていたことは 「ボール先行になるのではなく、しっかりとゾーンの中で勝負することを意識した」 ──初の2桁勝利 「率直にうれしいです。いつも野手の皆さんが守ってくださって、打ってくださるから付いた勝ちだと思っている。本当に感謝しています」 ──最後に 「残り試合は少ないですけど、しっかりと自分の投球をして、1試合でも多くチームに勝ちが付く投球ができるように頑張りたい」

◆阪神は青柳晃洋投手(27)が5回3失点で5敗目(10勝)を喫した。打線は六回、七回の満塁機で得点を奪えず、終盤に突き放された。また五回に代打で登場した佐藤輝明内野手(22)は左飛に倒れ、「54打席連続無安打」となった。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ーー青柳は左打者を並べられている中で 「どこもやってくるからね。今日はヒット、ヒットで取られるならあれだけど、ホームランという感じだったので。粘って欲しかったなというのもあるけど、そこに対して左打者をどう抑えるかというのを挑戦していく中で、やられている感じはあるんで。受け身になっている感じはないんだけど」 ーー打線は組み替える中でチャンスは作っているだけに6、7番 「誰かが1本と言ったらあれだけど、出してくれるとだいぶ変わるんだけどね。そこはなかなか最近ずっと課題というか。それがずっとなかなか突破できないんで。どうしてもちょっと重いというか、ピッチャーに負担がかかって、思うように進められない、点が取れないというのがやっぱりね。その中で誰も助けてくれないんでね。自分たちで突破していくしかないけど。全員でやるしかない」 ーー岩貞が先頭四球から 「あそこはもうね、どうしてもゼロでいきたいというところで、あと一つのアウトを取りにいくためにサダを出しているわけだから。そこで先頭四球でヒット、ヒットじゃ。ちょっとさみしいよね」 ーー及川はピンチを招きながらも抑えた 「びしっと抑えてくれたら一番いいけど、あそこでオヨいっているというのはこっちも勝負にいっているわけだから。ピンチ作りながらも抑えていくのも成長の中の一つやし。色んなボールを使いながら抑えられているというところも、経験の中から成長していってるところかなと思う」 ーー負けられない試合が続く中でプレッシャーを感じるか 「いやいやプレッシャーはずっとある。プレッシャーがあるだけありがたい。あって当たり前」 ーー30日は西勇 「もちろん形も大事やけどね。結果としてどう勝つかというのが大事やし。打線の援護というのがね、早い回に理想としては取っていくというのが必要かなと思う」

◆広島の坂倉が3安打2打点で5連勝に貢献した。一回に左翼線へ先制二塁打。四回は中越えの11号ソロを放った。「塁に出ようと思ったところでいい角度で上がってくれた」と納得顔だった。 八回は左前打で追加点の起点となった。打率を3割1厘に上げ「意識せずに一日一日を一生懸命やりたいと思う」と気を引き締めた。 佐々岡監督(10勝目を挙げた九里に)「遅いぐらいだと思う。そのぐらいの力があるからね。大きな自信になると思う」 小園(三回に3号ソロ)「自分のスイングでしっかり捉えることができた」 松山(八回に代打で左前適時打)「いいところに飛んでくれた」

◆阪神の佐藤輝は五回に代打で出場して左飛に倒れ、54打席連続無安打となった。無死三塁で打席に立つも、浅い飛球で三塁走者をかえせず、甲子園からはため息が漏れた。 これで2リーグ制となった1950年以降の両リーグ野手ワーストを更新した。 阪神・井上ヘッドコーチ(打線に)「打てなかった。切り替えるしかない」 及川(六回のピンチを切り抜け)「何とか粘れた。0点で次の投手へつなぐことができて良かった」」

◆5試合連続で勝ち星のない青柳だが、投球内容は決して悪いとは思わない。苦手な左打者が7人も並ぶ打線に対して、外角へのツーシームを多投して、しっかり打ち取っていた。 ただ、外ばかりでは幅が広がらないから内角へも投げるのだが、この球が甘く入るケースが何度かあった。三回の小園の本塁打は内角のシンカー。四回の坂倉の本塁打は、内角を狙った真っすぐが真ん中に入って痛打された。内角攻めはより慎重に―を意識して投げるしかない。気持ちの持ち方で、勝てない流れは取り戻せるはずだ。 広島・田中広輔を三振に仕留めた阪神・及川雅貴=甲子園球場(撮影・門井聡) 今の阪神は打線の状態が上がってこない。その状況で先に点を許すと、どうしても投手の打席で好機を迎えると、代打を送って点を取りに行く作戦になってしまう。五回で降板になったのも、先に失点してしまったから。先発が早い回で降板すると、及川、小川が勝っていても、負けていても投げる、という悪循環に陥ってしまう。 優勝を争うチームは、ある程度仕方がない投手起用だが、この先は先発に我慢することも必要ではないか。その意味で、きょう先発の西勇への期待は大きい。(本紙専属評論家)

◆数々の歴史を作ってきた阪神・佐藤輝が、プロ野球野手ワーストの54打席連続無安打という新記録を打ち立ててしまった。 23日に1軍再昇格後、6戦目で初めてスタメンを外れた。出番は1-3の五回無死三塁。今季8度目の代打出場。しかし、九里の142キロ直球に差し込まれて左飛。三走を生還させることができずに肩を落とした。 これで1993年のトーベ(オリックス)を抜き、2リーグ分立後の野手ワースト記録。この日の早出特打では普段は行わないトス打撃を取り入れるなど必死で打開策を模索しているが、8月21日の中日戦(バンテリンドーム)で放った中前打を最後に、もう1カ月以上も1軍で「H」ランプをともせていない。 打線全体の状態も悪い。井上ヘッドは「誰かが突破口を開いてくれたら、その穴が大きくなって風通しがよくなる。それに期待するしかない」と願った。佐藤輝が打てばチームは最も勢いづく。快音を響かせ、自分と虎の流れを変える。(原田遼太郎)

◆おいおい、ウソだろ? 阪神は広島に2―8で完敗し、9月初の連敗。1点を追う六、七回に2度の満塁機を作りながら得点することができなかった。ヒットが出ても点を奪えない打線に、矢野燿大監督(52)は「自分たちで突破していくしかない」とハッパ。首位ヤクルトも敗れて1ゲーム差は変わらなかったが、痛恨黒星。きょうこそスッキリ勝つ!結果だけが問われる戦いで、安打の数だけが積み上がっていった。負けられないという思いに、ギッシリ詰まった走者が重みを与えて、身動きが取れない。1点を追う六、七回の満塁機に無得点に終わっては、矢野監督も嘆くしかなかった。 「誰かが1本と言ったらあれだけど、出してくれるとだいぶ変わるんだけどね。そこはなかなか最近ずっと課題というか。それがずっとなかなか突破できないんで」 先発の青柳が3点のビハインドを背負うも、1点差まではスルスルと迫った。あとひと押しに思えたが、その扉はとてつもなく重たかった。 6回、一邪飛に倒れる阪神・梅野隆太郎=甲子園球場(撮影・松永渉平) 6回、外野フライに倒れる阪神・原口文仁=甲子園球場(撮影・門井聡) 2-3の六回に敵失と2安打で1死満塁と攻めたが、梅野は一邪飛、代打・原口も中飛。七回は2死から2連打と四球で糸井。26日の巨人戦(東京ドーム)で3点二塁打を放ち、チームの満塁機で10打席ぶりに安打を放った超人だったが、フルカウントから空振り三振に倒れた。張り詰めていたものも途切れ、その後はいたずらにビハインドが広がっていった。 前夜は2安打零封負け。この日は13試合ぶり2桁安打をマークするも、またも満塁で苦しんで残塁地獄に陥った。指揮官も「誰も助けてくれないんでね。自分たちで突破していくしかない。全員でやるしかない」と語るしかなかった。 首位ヤクルトが14試合ぶりに敗れ、1ゲーム差が変わらなかったことが救い。最短での自力V消滅も10月1日へ延びた。だが、甲子園で24勝25敗3分けで勝率5割を切った。今週の残り4連戦を、何とか打ち勝っていかなくてはならない。 「いやいやプレッシャーはずっとある。プレッシャーがあるだけありがたい。あって当たり前」 自軍の全員に言い聞かせるように、矢野監督は語った。9月初の2戦連続黒星。自分たちで打破するしか、道はない。(長友孝輔)

◆クソ~! 首位・ヤクルトが負けた絶好のチャンスに勝てない...。というか自滅した...。 1点ビハインドでまだ十分逆転のチャンスがある八回に、投手キャプテンの岩貞がふがいないマウンドで試合を決められるとか...。これは昔からだけど、地元甲子園での詰めの甘さはなんなんやー!! 矢野さーん、優勝を真剣に狙うならば「どーにかなるやろ!」は駄目!! 「石にかじりついてでも、どーにかしたるわ!!」の精神力を見せなきゃ!! 例えば1点を追う六回1死満塁の場面。梅野に代打の切り札、原口をぶち込んだれー!! 結局、梅野のアウト後、原口を打席に送って中飛に打ち取られたけど、1死と2死じゃ、プレッシャーが全く違うから別の展開となり...。 その結果、青柳の黒星を救うこととなる上に、若虎の及川に白星が付き、し烈な優勝争いに、さらに自信を持ってマウンドに立てたり...。あくまで結果論で申し訳ないとは思いますが、悔いるなら勝負に出て悔いる方が明日があるでェ!!

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
604316 0.583
(↓0.005)
-
(-)
24532
(+5)
434
(+7)
120
(-)
66
(-)
0.257
(↓0.001)
3.430
(↓0.03)
2
(-)
阪神
65507 0.565
(↓0.005)
1
(-)
21475
(+2)
468
(+8)
108
(-)
102
(+1)
0.248
(-)
3.560
(↓0.03)
3
(-)
巨人
575017 0.533
(↓0.005)
5
(-)
19496
(-)
472
(+5)
153
(-)
63
(+1)
0.247
(-)
3.600
(-)
4
(-)
中日
496016 0.450
(↑0.006)
14
(↑1)
18368
(+5)
417
(-)
65
(-)
55
(-)
0.239
(-)
3.210
(↑0.03)
5
(-)
広島
496111 0.445
(↑0.005)
14.5
(↑1)
22453
(+8)
508
(+2)
103
(+2)
54
(-)
0.261
(-)
3.880
(↑0.02)
6
(-)
DeNA
476214 0.431
(↑0.005)
16
(↑1)
20493
(+7)
550
(+5)
125
(+3)
26
(-)
0.257
(-)
4.260
(↓0.01)