巨人(★3対4☆)阪神 =リーグ戦22回戦(2021.09.26)・東京ドーム=
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阪神
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巨人
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勝利投手:ガンケル(8勝3敗0S)
(セーブ:スアレス(1勝1敗34S))
敗戦投手:山口 俊(2勝7敗0S)

本塁打
【阪神】大山 悠輔(17号・3回表ソロ)
【巨人】松原 聖弥(11号・6回裏ソロ)

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◆阪神は3回表、大山のソロで先制に成功する。そのまま迎えた5回には、2死満塁から糸井の走者一掃となる適時二塁打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・ガンケルが6回4安打1失点の好投で今季8勝目。敗れた巨人は、打線が8回に1点差とするも、反撃は及ばなかった。

◆46打席連続無安打の阪神佐藤輝明内野手(22)がこの日も4試合連続で7番右翼でスタメン起用された。巨人先発山口は今季阪神戦初登板で、佐藤輝も初対戦となる。佐藤輝はこの日、試合前のフリー打撃では27スイングで3本の柵越えを放った。 2リーグ分立後の連続打席無安打に関する記録が迫る中、長いトンネルを脱出できるか。47打席連続無安打となると59年吉沢、16年荒木(ともに中日)に並ぶセ・リーグ野手最長となる。48打席だと50年山下(阪急)に並ぶ新人野手最長で、かつ球団では投手の76年上田二朗に並ぶ。投手を含めた球界全体の新人最長は、56年秋山登(大洋)の50打席。野手最長は93年トーベ(オリックス)の53打席。 阪神のスタメンは以下の通り。チーム最年長40歳の糸井が19日巨人戦(甲子園)以来のスタメンに入った。

◆巨人山口俊投手(34)が、数センチに救われた。2回先頭、阪神糸井に右翼ポール際へ大きな飛球を打たれた。判定はファウルで矢野監督はリクエストを要求した。大型スクリーンにリプレー映像が流れると、阪神ファン、巨人ファン双方から拍手が起こったが、判定は覆らず、ファウルのままとなった。 救われた形となった山口だったが、その後糸井に中前打を浴び、先頭の出塁を許した。

◆阪神大山悠輔内野手(26)が特大の「看板直撃弾」を決めた。 両チーム無得点で迎えた3回2死。山口の初球、真ん中に入った141キロ直球を寸分狂わずフルスイング。大飛球を左翼席後方上部にあるキリンビール「一番搾り」の看板まで届かせた。 17号ソロで先制点を奪い、賞金100万円と「一番搾り」1年分も贈呈される。

◆巨人山口俊投手(34)が、14年ぶりに中4日で先発も、3回を持たずに降板した。 2回までは3四球で、ピンチを招きながらも無失点に抑えていた。だが、3回2死から阪神大山に初球の直球を捉えられ、左翼席の看板を直撃する特大弾で先制点を献上した。続く糸原にこの日、4四球目を与えたところで、降板。70球を投げ、2回2/3を2安打1失点だった。 これで7月7日の中日戦で挙げた2勝目を最後に、9戦勝ちなしとなった。同一シーズンに6連敗となれば、自身初となる。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が4回の第2打席で三ゴロに倒れ、48打席連続無安打となった。2リーグ分立後の50年山下(阪急)に並ぶ新人野手最長となった。かつ球団では投手の76年上田二朗に並んだ。2番手左腕戸根と対戦。1ボール1ストライクからのスライダーで打ち取られた。 2回の第1打席では先発山口から8球粘り四球を選んだが、47打席連続は59年吉沢、16年荒木(ともに中日)に並ぶセ・リーグ野手最長。4回の打席で単独となった。 投手を含めた球界全体の新人最長は、56年秋山登(大洋)の50打席。野手最長は93年トーベ(オリックス)の53打席。

◆阪神糸井嘉男外野手(40)が走者一掃の二塁打を放った。 1点リードの5回2死満塁、鍵谷から一塁線を破る二塁打を決めた。 2回には右翼ポール際にあと数十センチ内側で本塁打かという大ファウルを放った後、中前打も記録。ベテランが調子を上げている。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が5回の第3打席でこの日2つ目の四球を選んだが、49打席連続無安打となった。投手を含めた球界全体の新人最長は、56年秋山登(大洋)の50打席にあと1打席となった。 巨人3番手鍵谷が制球に苦しみ4球すべてボールの四球だった。49打席となり、2リーグ分立後の新人最長だった50年山下(阪急)、球団では投手の76年上田二朗の48打席を抜き単独となった。 野手最長は93年トーベ(オリックス)の53打席。

◆巨人松原聖弥外野手(26)が育成ドラフト出身選手で史上最多タイの11号ソロを放った。  6回2死、右翼席中段に運ぶ1発で、19年、20年のソフトバンク甲斐の記録に並んだ。「1打席でも多く、チームに貢献する打撃をしたいと思っている。素直にうれしいです」とコメントした。原監督は「まだまだ粗削りではあるけれども、成長の余地を残しているという点で、魅力ある選手ですね」と評価した。

◆阪神先発のジョー・ガンケル投手(29)が6回4安打1失点と好投した。18アウトのうちゴロで10つを奪う持ち味たっぷりの投球で、3回から5回までは全て3者凡退と寄せつけなかった。 「低めにボールを集めてゴロを打たせることができたよ。ゴロアウトから守備のリズムを作ることができたのが良かった」 唯一の失点は6回で、2死から松原聖弥外野手(26)に甘く入ったスライダーを右翼席へソロを運ばれた。 チームは3回2死から大山悠輔内野手(26)の17号ソロで先制。5回2死満塁では糸井嘉男外野手(40)の3点適時二塁打で4点をリードした。右腕は「大山のホームランと糸井のタイムリー2ベースは本当に大きかったよ」と打線の援護に感謝。8勝目の権利を持って降板し、7回からは2番手の及川雅貴投手(20)にバトンをつないだ。 ガンケルは前回19日の巨人戦(甲子園)で2回を自己ワーストの7失点(自責6)と炎上したが、中6日でリベンジの快投を見せた。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が8回の第4打席で中直に倒れ50打席連続無安打となった。巨人5番手ビエイラの4球目157キロを芯でとらえたが、中堅手丸がかがみながら、ライナー性の強い打球をグラブに抑えた。佐藤輝は悔しそうな表情でベンチへ戻った。50打席連続は投手を含め2リーグ分立後新人最長の56年秋山登(大洋)に並んだ。 8回の守りから交代し、この日の4打席で安打出なかったが、2つの四球で出塁するなど、トンネル脱出のきざしは見えてきているようだ。 野手最長は93年トーベ(オリックス)の53打席。

◆阪神は3回2死、大山の左翼席上部の看板を直撃する17号ソロで先制。中4日で先発した巨人山口は2回2/3を1失点、70球で降板。 阪神は5回2死満塁、糸井が走者一掃の適時二塁打で3点を追加。巨人は6回2死、松原の11号ソロで1点を返した。 阪神は7回から継投策でリードを守り切った。先発ガンケルは6回1失点で8勝目。巨人は8回に2点を返したが及ばなかった。ガンケル8勝目、スアレスは34セーブ目。山口は7敗目。

◆阪神が接戦を制して2連勝を飾り、3位巨人とのゲーム差を4に広げた。 両チーム無得点の3回、4番大山悠輔内野手(26)が左翼後方上部の看板に直撃させる特大の17号先制ソロ。1点リードの5回2死満塁では糸井嘉男外野手(40)が走者一掃の3点二塁打を放った。 先発のジョー・ガンケル投手(29)は6回1失点で今季8勝目。2回7失点と大乱調だった19日巨人戦(甲子園)の雪辱を敵地で果たした。

◆阪神が1点差で逃げ切り、3位巨人との3連戦を2勝1分けと勝ち越した。3回に大山が左翼看板に直撃する特大の17号ソロで先制すると、1週間ぶりにスタメン起用した糸井が5回2死満塁から右翼線へ3点適時二塁打を放った。先発ガンケルは6回1失点で8勝目。9回は守護神スアレスが3人で締め34セーブ目を挙げた。試合後の矢野燿大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ? --壮絶な3連戦だった 本当にチーム状態としてはあまりいいとは言えないんですけど、その中でも全員で何とかしようという気持ちで何とかつなげてよくやってくれました。 --大山が特大の先制ソロ 何かきっかけが悠輔(大山)自身がほしい中ところで素晴らしいホームランだったんでね。残りの試合でも悠輔の打点、ホームランというのは必要なんで。いいきっかけにしてもらいたい。 --糸井が3点適時二塁打 嘉男(糸井)も本当にベテランの中でいつも早出したりね、ランニングしたり、何とかしたいという気持ちをずっと持ってここまで臨んでくれてたんでね。そういうところで嘉男が打ってくれるというのはチーム全体が盛り上がりました。 --打順の形が見えた 1試合では何とも言えないところがありますけど、僕たちの野球というのは全員で戦うというところも大事な部分なんでね。そういうところでは嘉男も頑張ってもらいますし、サンズも頑張ってもらいたいですし、輝もまだヒット出てないんでね。全員で何とかしていきます。 --先発のガンケルは 前回、1週間前あまり良くない形でやられたんですけど、投手コーチの方から「もう1回いってもいいんじゃないか」というアドバイスをくれてたんで。本当にみんなの考えをまとめながら、またガンケルがそこで結果を出してくれてうれしいです。 --継投で逃げ切った 及川から優(岩崎)、スアちゃんというのは全部任せて全部を受け止めるという気持ちで送り出してるんでね。その気持ちにしっかり応えてというか、素晴らしい投球を見せてくれました。 --この3連戦で何を感じた 本当に苦しい状況なんですけど、その中でも全員で1%でもよくなることを何かつなげていこうということでね。みんな強気で攻めるという気持ちを持ってチャレンジャー精神で向かっていってくれた結果かなと思います。 --最後に一言 本当に残りも少なくなってきてるんですけど、大きなことは言えないですけど、僕たちの戦いからみなさんに元気を届けて、そして最後には優勝します。 ? --大変な試合だったが、勝つと負けるとでは今後へ大きく違った もちろん勝ち切る大事さはね、もうここまで来ると1勝、1敗というのが大きく左右するので。勝ち切れたというところもチームにとっても大きいし、こういう試合から成長していけると思うんだよね、何か。そういう意味でも大きいかなと思っています。 --この3連戦で選手が自信を付けたり成長したり、振り返ったときにそうなりそうな3試合 まあそうやね、成長って、後からしかなかなか見えてこないし。でもこの今シーズンの中というか、チーム状態としてよくない中でも、こういう戦いをしてくれているというのは成長の部分。ダメだからもうダメだということじゃなくて、ダメな中でも何とかみんなでしようと戦ってくれいるからこそこうなったと思うのでそれは本当に何か、うれしいね。 --糸井がやってくれたのも大きい もちろんベンチで盛り上げるというのもそうなんやけど、嘉男自身ももちろんずっとレギュラーで出てきて、こうやって後から行くっていう難しさも感じながら、その中でもあきらめずにやってくれているのは誰もが知っていることなんで。ビジターでも早出したり、あきらめない姿を一番ベテランが見せてくれているんで。それは嘉男自身にとっても、1本1本が大きいし、チームにとっても、そういうベテランがいてくれるということは大きいことなんでね。助かってます。 --糸井の気迫 別に結果が出たから気迫があったとかそうでもなくてね。別に、いつも全力で臨んでくれているし。きょうが特別ね。プラスアルファの特別というのはあるけど、普段から高い意識のところでやってくれている。きょうは投手が多くいてくれた方がいいかなというところでサンズを外したけど。こういう試合で嘉男が打って勝てるというのはチーム全体としても大きい。 --ガンケルの状態 オレは正直、前回見たときに1週間後は厳しいかなと思ったんだけど。金村、福原コーチが「状態的にはブルペンでも良くなってきている」と言ってくれていたしね。「もう1回、行っていいんじゃないですか」ということを言ってくれたんでね。それがなかったら、オレもちょっと厳しいなとなっていたところなんでね。そういうところでは投手コーチも、思っていることをちゃんと言ってくれたからこそそうなったんで。その中でガンケルはガンケルでしっかりフォーム調整だったり、前回やられた反省とか悔しさというのを持って行ってくれたんで。俺がいいと思うのはやっぱり真っすぐが結構しっかりコーナーに投げられているっていうのはガンケルのいいときなんで。なんかこうガンガン力で押すタイプじゃないんだけど、やっぱり引いているときっていうのはあんまりうまくいってないんで。きょうは真っすぐで前半押せたんで。そういうのは前回とはだいぶ違ったのかなと思う。

◆巨人の自力Vが消滅した。 14年ぶりに中4日で先発した山口が3回に大山に看板直撃アーチを食らうなど3回途中で降板。8回に1点差に迫ってなお2死一、二塁で、北村に代打中田で勝負に出たが三ゴロに屈した。残り21試合で自力優勝が消えた現実を、原辰徳監督(63)は「心構えとしてはまったく変わらない状態で明後日からも戦うというところですね」と冷静に受け止めた。 勝ちパターンに持ち込めない。先発ローテを5人で回す今月は22試合中12試合で先制を許し、2勝6敗4分け。今季の3点差以上の逆転勝ちが1試合なだけに、追加点を許せない緊張感が制球をさらに狂わせる。原監督が「いずれにしてもちょっと四球が多いよね」と指摘したように、3失点の5回は4四球。無駄な走者を許して傷口をさらに広げている。先制必須の現状は、攻めにも焦りを生む。2回1死二塁、二塁走者丸が遊撃手正面のゴロに飛び出して走塁死。先の塁を狙う姿勢が判断を狂わせた。 1点差まで迫ったが、結果的に守護神で逃げ切られた。上位との差を縮めるべく臨んだ伝統の一戦で2敗1分け。投打を立て直して悪循環を断ち、燕と虎に再接近する時間はまだ残されている。【浜本卓也】

◆セ・リーグ3位巨人と2位阪神が対戦し阪神が巨人に4-3で勝利。先発は巨人が山口俊、阪神はジョー・ガンケル。

◆巨人宮本和知投手チーフコーチ(57)が、28日の中日戦からの6連戦も先発陣を5人で回す方針を示した。 2週間前の菅野智之投手(31)に続いて山口俊投手(34)が中4日で先発したが制球が安定せず、3回途中で降板。今週も6連戦が控えるが「変わらずにいきたい。今、我々の投手陣のベストメンバーだと思ってます。なんとか耐えるしかない」と5投手による先発ローテーションの継続を明言した。救援陣は桜井に代わって高木を昇格させて整備する。

◆頼れるチーム最年長が宿敵を崖っぷちに追い込んだ。1週間ぶりにスタメン起用された阪神糸井嘉男外野手(40)が1点リードの5回2死満塁で、右翼線へ3点適時二塁打を放ち、勝利に導いた。これで14年ぶりの巨人戦勝ち越しに王手となり、4ゲーム差に広げた。巨人は自力優勝の可能性が消滅。さあ、次は首位再浮上だ。超人のバットから強烈な打球が放たれた。一塁線を抜け、満塁の走者全員が本塁へ生還。お祭り騒ぎのベンチに、糸井は二塁ベース上でクールに「フゥ」と息をついた。1点リードの5回2死満塁。「爪痕残したろ、思って、それだけです」。チーム最年長40歳の執念が勝った。巨人鍵谷の四球の後の初球を逃さず、3点適時二塁打。終盤に反撃を受けたが、この3点が大きかった。 この日は外国人投手を3人ベンチ入りさせるため、サンズをベンチから外した。代役として「6番・左翼」で19日巨人戦以来1週間ぶりの先発起用。胸に期すものがあった。24日の巨人3連戦初戦。9回に同点に追いつき、なおも1死三塁で代打で出たが空振り三振。激闘はドローに終わった。「三振した悔しさがあるんで。あの後、部屋とかでも、じゅうたんが掘れるくらい素振りしていたんで」。ホテルの自室で一心不乱にバットを振った。「やっぱり何か爪痕を残したかったんで、勝ってよかった」とかみしめるように言った。 今季はここまで63試合に出場もそのほとんどが代打だ。矢野監督は言う。「あきらめない姿を一番のベテランが見せてくれている」。ベンチスタートが多くても、ビジターでの早出練習に汗を流し、黙々とランニングでコンディションを整える。「こういう試合で嘉男(糸井)が打って勝てるというのはチーム全体としても大きい」と指揮官は喜んだ。 これで敵地3連戦を2勝1分け。07年以来遠ざかる巨人戦勝ち越しに王手をかけた。ヒーローインタビューでチーム状態を問われ、糸井は即答した。「最高です!」。宿敵はこの敗戦で自力優勝の可能性が消滅。「強いジャイアンツに勝っていかないと頂点は取れない。みんなの目標はひとつなんで、絶対に頂点に立てるように、監督を胴上げできるように残り試合、頑張っていきます」と高らかに優勝を誓った。シーズンは残り23試合。勢いを取り戻した猛虎が狙うは首位奪還。殊勲のベテランは「全部がしびれる場面だと思う。勝ちたい。それだけ」と、頂点だけを見ている。【石橋隆雄】

◆7回に登板した阪神及川雅貴投手が3者凡退と完璧なリリーフを見せた。先頭の北村を151キロ直球で一邪飛に仕留めると、丸、中島のベテランにも直球で押し込んだ。 「ガンケルがいい投球をしてくれていたので、それに続くことができてよかったです」。24日巨人戦でも6回に登板し3者凡退。矢野監督は「及川から優(岩崎)、スアちゃん(スアレス)というのは、全部任せて全部を受け止めるという気持ちで送り出している」と、経験豊富な2人とともに2年目左腕にも信頼を寄せた。

◆阪神の先発ジョー・ガンケル投手(29)が巨人にリベンジの力投を見せた。落ち着いたマウンドさばきで、6回2死から松原に浴びたソロの1点だけ。「しっかり低めに丁寧に投げることができた。その中でカウント有利の勝負ができた」。狭い東京ドームで先発の役割を果たし、1カ月ぶりとなる8勝目を挙げた。 前回対戦の19日(甲子園)には2回7失点と大炎上。矢野監督は「1週間後は厳しいかな」と登板回避も考えたが、金村、福原両投手コーチが「状態的には良くなってきている。もう1回いってもいいんじゃないですか」と訴え、チャンスを与えられた。ガンケルも体の開きやリリースポイントを再確認。「しっかり投球フォームの修正ができた。投球フォームを修正したことでバッターに集中して攻めることができた」。コーチ陣の期待を6回1失点の快投で応えた。

◆その数秒間だけは敵も味方も関係ない。観客の誰もが大飛球の着弾点に目を凝らした。阪神大山悠輔内野手(26)が寸分狂わぬタイミングでフルスイングを決める。左翼席後方上部にあるキリンビール「一番搾り」の看板に白球が跳ねると、東京ドーム全体にどよめきと拍手が入り乱れた。 「当たり的には本当に完璧でした」 本人の言葉通り、打球速度、角度ともに、文句のつけようがなかった。0-0の3回2死。山口の初球、真ん中に入った141キロ直球を見逃さなかった。飛距離は143メートル。目で打球を追うことも、1歩目を踏み出すことも、左翼手の亀井に許さない。18日ぶりの1発となる17号ソロは先制弾、そして決勝弾。4番復帰後3試合目で初アーチ。宿敵巨人を相手に、重みのある1発となった。 主将に就任して1年目。年下の選手と会話する機会を増やしている。背中の張りのリハビリを続けた5月には、10代の若虎にも積極的に声をかける姿があった。「すれ違ったタイミングで声をかけてみたり。何げなく会話をするのも、すごく大事だなと感じました」。チームの一体感に尽力する毎日。激しい首位争いが続く秋、特大弾のゲーム後にも主将の立場が先に来る。 「ガンケルもそうですけど、チームにとっても先制点が欲しかったので、そこの点数が取れたのは良かった。その後に糸井さんがタイムリーを打ってくれて、チーム全員で戦えた1試合になったと思います」 巨人との敵地3連戦を2勝1分けで乗り切り、いよいよラストスパートに入る。16年ぶりのV奪回へ、主将の底力は欠かせない。矢野監督は「残りの試合でも悠輔の打点、ホームランというのは必要。いいきっかけにしてもらいたい」と期待。勝負の季節、力の限り突っ走る。【佐井陽介】 〇...大山は賞金とビールについて有意義な活用法を模索する。東京ドームの左翼席後方上部にあるキリンビール「一番搾り」の看板に大飛球を届かせ、賞金100万円と「一番搾り」1年分をゲット。使い道を問われると「まだ決めていないですけど、プラスに使えればいいと思う。なかなかもらえるものではないと思うので、いいことに使いたい」と見通した。

◆3位巨人が、2位阪神に、痛い連敗を喫した。 14年ぶりに中4日で先発した山口だったが、3回途中で70球を投げ、2安打1失点4四球で降板した。5回には、2番手戸根、3番手鍵谷の計4四球が響き、糸井の適時二塁打1本で3点を献上した。 巨人宮本和知投手チーフコーチ(57)の主な一問一答は以下の通り。-先発の山口は、序盤から制球が定まらず3回途中で降板。振り返って 本人も、自分の投球フォームに迷っている感はあった。リリースポイントが決まらなくて。プレートの踏む位置を変えたり、試行錯誤しながら、いろいろと試しているがまだしっくり来てないなという感じがします。彼は何かつかめば、順応性がありますから、またローテをしっかり守ってもらえれば -計8与四球と多かった 今日の試合は全て四球ですね。(5回に戸根と鍵谷の2人で)1イニング4つ。ああいった結果になるなと。これは投手としては恥ずかしい結果ですね。四球は非常にゲームの流れを左右する。反省すべき点ですね -ビエイラの状態は この前(24日阪神戦)は、久しぶりの登板で最初四球を出してしまった。1度、明日もゲームがないので、1つ回を前にして8回、いわゆる調整登板をさせました。気持ちよく投げてくれたので、また次はしっかり自分のポジションでやってくれると思います -6連戦が続くが、中4日、中5日でのローテーションは変わらず 変わらずいきたいですね。今、我々の投手陣のベストメンバーだと思ってますので。このメンバーでなんとか耐えるしかないですね。少々、入れ替えはします。桜井を抹消して左の高木京介を入れ替えます。実績ある左投手で、ここって時は信頼の置ける投手なので。

◆巨人の自力Vが消滅した。14年ぶりに中4日で先発した山口が3回に大山に看板直撃アーチを食らうなど3回途中で降板。8回に1点差に迫ってなお2死一、二塁で、北村に代打中田で勝負に出たが三ゴロに屈した。残り21試合で自力優勝が消えた現実を、原監督は「心構えとしてはまったく変わらない状態で明後日からも戦うというところですね」と冷静に受け止めた。 勝ちパターンに持ち込めない。先発ローテを5人で回す今月は22試合中12試合で先制を許し、2勝6敗4分け。今季の3点差以上の逆転勝ちが1試合なだけに、追加点を許せない緊張感が制球をさらに狂わせる。原監督が「いずれにしてもちょっと四球が多いよね」と指摘したように、3失点の5回は4四球。無駄な走者を許して傷口をさらに広げている。先制必須の現状は、攻めにも焦りを生む。2回1死二塁、二塁走者丸が遊撃手正面のゴロに飛び出して走塁死。先の塁を狙う姿勢が判断を狂わせた。 1点差まで迫ったが、結果的に守護神で逃げ切られた。上位との差を縮めるべく臨んだ伝統の一戦で2敗1分け。投打を立て直して悪循環を断ち、燕と虎に再接近する時間はまだ残されている。【浜本卓也】

◆阪神佐藤輝明が8回の第4打席で中飛に倒れ50打席連続無安打となった。 ▼佐藤輝が4打席無安打に終わり、8月22日中日戦から50打席連続無安打。2リーグ制後、野手の連続打席無安打記録は93年トーベ(オリックス)の53打席だが、セ・リーグの野手で50打席は59年吉沢(中日)16年荒木(中日)の47打席を抜くワースト記録。また、2リーグ制後の新人では、投手の56年秋山(大洋)に並び最長となり、新人野手では50年山下(阪急)の48打席を抜いてワースト。

◆主砲が試合を動かした。0-0の三回2死走者なしから、阪神・大山が巨人先発・山口の初球141キロを一閃。打球は外野手が一歩も動かない完璧な弾道で左翼席へ伸び、今季17号の先制ソロとなった。 「甘く来たボールを一発で仕留めることができました。(先発の)ガンケルに先制点をあげたかったので、打つことができてよかったです」と声を弾ませた。左翼席のキリンの看板直撃の一発で、賞金100万円と「キリン 一番搾り」を1年分もゲットした。 不振で打順を下げる試合もあったが、24日の同戦から4番復帰。9月8日のヤクルト戦(甲子園)以来、出場14試合ぶりの一発で復調を印象づけた。

◆宿敵を一気に突き放した。阪神は1-0の五回2死満塁で、糸井が巨人の3番手・鍵谷が投じた初球の147キロの速球を捉え、一塁線を破る走者一掃の3点二塁打で、4-0とした。 3試合ぶりにスタメン出場し、ここぞの場面で結果を出した40歳の超人のタイムリーにベンチは大盛り上がり。首位争いが激しさを増すなか、ベテランの仕事で虎が主導権を握った。

◆宿敵を一気に突き放した。1-0の五回2死満塁で阪神・糸井が巨人の3番手・鍵谷の初球147キロを捉え、一塁線を破る走者一掃の3点二塁打打で4-0とした。 3試合ぶりにスタメン出場し、ここぞの場面で結果を出した40歳の超人は、「絶対勝つ!!!」と短いコメントに必勝の思いを乗せた。 このタイムリーにベンチも大盛り上がり。首位争いが激しさを増すなか、ベテランの仕事で虎が主導権を握った。

◆巨人・松原聖弥外野手(26)が六回に右越え11号ソロを放ち、育成出身選手の最多記録に並んだ。松原は17日のヤクルト戦で自身初の2桁本塁打に到達していた。なお、松原はこれで13試合連続安打とした。 これまでの最多はソフトバンク・甲斐が2019、2020年に記録した11本。甲斐は今季も10本を記録しているが、育成出身選手の2桁本塁打を記録したのは甲斐と松原だけとなっている。

◆阪神が主砲の一撃とベテランの活躍で試合の主導権を握り、伝統の一戦を2勝1分けと勝ち越した。 0-0の三回2死走者なしから、大山が巨人先発・山口が投じた初球の141キロ速球を捉え、左翼席への今季17号ソロで先制。左翼席のキリンの看板直撃の一発で、大山は賞金100万円と「キリン 一番搾り」を1年分をゲットした。 五回には2死満塁から40歳の糸井が走者一掃の3点打を放って4点差をつけ、4投手のリレーでリードを守り切った。先発のガンケルは6回4安打1失点と好投して8勝目(3敗)を挙げ、4-3の九回に登板したスアレスは34セーブ目をマーク。佐藤輝は2四球を含む2打数無安打で、50打席連続無安打となった。 ナイターでヤクルトが中日に敗れれば、阪神が首位に返り咲く。

◆阪神は1ー0で迎えた五回2死満塁で「6番・左翼」で出場した糸井嘉男外野手(40)の一塁線を破る二塁打で3点を追加。終盤、1点差に詰め寄られたが逃げ切った。 8回、選手の交代を告げる阪神・矢野燿大監督=東京ドーム(撮影・桐原正道) 2勝1分で3連戦を終えた矢野耀大監督(52)は試合後のインタビューで「全員で何とかつなげて、よくやってくれました」とコメント。糸井の一撃については「ベテランの中でいつも早出したり、ランニングしたり、何とかしたいという気持ちを持ってここまで臨んてくれていたので、ヨシオが打ってくれるのはチーム全体盛り上がりました」と〝ヨシオ効果〟を強調。今後の意気込みを聞かれ、「大きなことは言えないですけど、僕たちの戦いからみなさんに元気を届けて、そして最後には優勝します」と語っていた。

◆1点リードの五回2死満塁で3点二塁打を放った阪神・糸井嘉男外野手(40)は試合後のインタビューで2勝1分で3連戦を終えたことについて「よかったです。強いジャイアンツに勝っていかないと頂点取れないと思っているんで」。適時打の場面については「いやもうなんかね。爪痕を残したろ、と思って。それだけです」と〝糸井節〟を炸裂させていた。

◆阪神が競り勝った。三回に大山の17号ソロで先制し、五回2死満塁から糸井の走者一掃の二塁打で加点。ガンケルは6回1失点で8月26日以来の8勝目を挙げた。巨人は打線の追い上げも及ばず、自力優勝の可能性が消滅した。

◆巨人は阪神との3連戦を2敗1分けと負け越し、自力優勝の可能性が消滅した。中4日の先発・山口が三回途中1失点で降板。救援陣も四球から追加点を許した。六回に松原が育成出身選手としてはソフトバンク・甲斐が2019、20年に記録した最多記録に並ぶ11号ソロ。八回にも2点を奪って1点差に迫ったが、あと一歩及ばなかった。原監督が試合を振り返った。 --終盤追い上げたが、あと1本が出なかった 「まあ、そういうことだね」 --先発の山口は14年ぶりの中4日だったが、序盤からコントロールに苦しんだ 「まあこのところ、やっぱりそこでしょうね。前回もかなりね、なかなか彼のリズムになっていかないね」 --三回途中での交代は、あそこが限界と判断 「ええ、そうですね」 --五回の失点の場面。2番手・戸根はその前を抑えていただけに... 「四球が4つ絡んだかな? 4つ絡むとやっぱりそういう形になるでしょうな。いずれにしてもちょっと四球が多いよね」 --松原が11号。育成出身選手としては最多記録に並んだ 「ねえ! まだまだ荒削りではあるけれどもね、成長の余地を残しているという点でね、魅力ある選手ですね」 --阪神3連戦を2敗1分け。自力Vが消滅した 「そうですか、そこは僕らはね。心構えとしてはまったく変わらない状態で明後日からも戦うというところですね」 --一戦一戦勝ち続けるしかない 「そうですね」 --梶谷が前日に2軍で復帰したが、今後の見通しは 「どうでしょう、ちょっと今日の具合も聞いてないし、そこの部分は今は何とも言えないですね」

◆巨人・宮本投手チーフコーチ(57)が、28日からの中日戦(バンテリン)に向け投手陣の入れ替えを明言。桜井俊貴投手(27)の出場選手登録を抹消して、左腕の高木京介投手(32)を昇格させる。同コーチは「高木も実績ある左(投手)なので。ここという時は彼も信頼の置ける投手。明日から入れます」と話した。

◆巨人・宮本和知投手チーフコーチ(57)が逆転優勝に向け、残り22試合の間に先発ローテーション(菅野、高橋、戸郷、メルセデス、山口)の5人を中4、5日で回すと説明した。この日先発した山口は制球が定まらず、三回途中1失点で降板。自身6連敗で7敗目を喫した。 それでも、宮本コーチは7月7日の中日戦(東京D)以来、勝ち星のない右腕の次回登板を明言。ローテの登板間隔についても「変わらずいきたい。今、われわれの投手陣のベストメンバーだと思ってますので。このメンバーで何とか耐えるしかない」と奮起に期待した。

◆広島が逆転勝ちで3連勝し、5位に浮上した。6―8の九回に鈴木誠の2点適時打と菊池涼の2点適時打で4点を奪った。6番手の菊池保が2勝目、栗林が26セーブ目を挙げた。DeNAは抑えの山崎が乱調で6連敗となった。

◆阪神は1点リードの五回2死満塁、糸井嘉男外野手(40)の3点二塁打で加点。最後は1点差となったが逃げ切り、巨人との3連戦を2勝1分で終えた。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 (テレビ) ーーこの3連戦で何を感じた 「本当に苦しい状況なんですけど、その中でも全員で1%でも良くなることを何かつなげていこうということでね。強気で攻める気持ちを持ってチャレンジャー精神で向かっていってくれた結果かなと思います」 ーーファンに一言 「本当に残りも少なくなってきてるんですけど、大きなことは言えないですけど、僕たちの戦いからみなさんに元気を届けて、そして最後には優勝します」 (囲み) ーー大変な試合だった 「ここまで来ると1勝1敗というのが大きく左右するので。勝ち切れたところもチームにとっても大きいし、こういう試合から成長していけると思う。そういう意味でも大きいかなと思っています」 ーーこの3連戦で選手が自信を付けた 「成長は後からしか見えてけえへんし。監督インタビューでも言ったけど、チーム状態としてよくない中で、こういう戦いをしてくれているのは成長の部分、ダメだからもうダメだということじゃなくて、ダメな中でも戦ってくれいるからこそこうなったと思うので、本当に何か、うれしいね」 ーー糸井が 「嘉男自身もずっとレギュラーで出てきて後から行く難しさも感じながら、あきらめずにやってくれているのは誰もが知っていることなんで。ビジターでも早出したり、あきらめない姿を一番、ベテランが見せてくれているんで。それは嘉男自身にとっても、1本1本が大きいし、ベテランがいてくれるということは大きいことなんでね。助かってます」 ーー糸井の気迫 「結果が出たから気迫があったとかそうでもなくてね。いつも全力で臨んでくれているし。きょうが特別ね。プラスアルファの特別というのはあるけど、普段から高い意識のところでやってくれている。きょうはピッチャーが多くいてくれた方がいいかなというところでサンズを外したけど。こういう試合で嘉男が打って勝てるというのはチーム全体としても大きい」 ーーガンケルの状態(6回1失点で8勝目) 「前回見たときに1週間後は厳しいかなと思ったんだけど。金村と福原コーチが状態的にはブルペンでも良くなってきていると言ってくれていたしね。もう1回、行っていいんじゃないですかと言ってくれたんでね。それがなかったら、俺も厳しいなとなっていたところなんでね」

◆この試合に限れば、ガンケルの好投が最大の勝因。前回、巨人に打ち込まれたリベンジを果たし、先発陣が不安定な中、次回登板に期待を抱かせる内容だった。 3連戦を通しては、負け試合をドローに持ち込んだ初戦がすべて。好調な1、2番がチームを引っ張って、しぶとく攻撃したことにより、2勝1分けという最高の結果となり、巨人に4ゲーム差をつけた。 これで、ヤクルトとのマッチレースの様相になってきたが、今後は、糸井の力を借りるのが優勝への近道ではないか。五回の適時二塁打はもちろんだし、幻の本塁打になった二回の打球も、いい形で打てていた。打順は何番でもいい。糸井を組み入れた打線で、ベテランの勝負強さを信じた戦い方がお薦めだ。 気になるのは甲子園での成績が良くないこと(24勝23敗3分け)。明日からはホームで6連戦。ビジターは練習を終え、その流れで試合に入れるが、ホームの場合は練習後に約2時間半の待ち時間が生じる。プレーボールに合わせてのコンディショニング、気持ちの持って行き方、もう一度見直して、大事な試合に臨んでもらいたい。(本紙専属評論家)

◆引きずり下ろそうとする巨人の闘争心を、大山がグビグビッと飲み干した。4番復帰後、初安打は先制の17号ソロ。雑味のない澄み切った? スイングから放たれた白球はキリンビールの看板を直撃し、G投を搾り上げる値千金の賞金100万円弾となった。 ■初球を「完璧」100万円&ビール1年分ゲット 「当たり的には本当に完璧でしたし、先制点というところでガンケルもそうですけど、チームにとっても先制点がほしかったので、そこの点数が取れたのは良かった」 爽快感でいっぱいの一撃を自画自賛した。0-0の三回。毎回走者を出しながら得点できず、この回は中野、マルテがあっさり凡退。巨人の先発・山口が波に乗りかけたところで、初球141キロを捉えた。推定143メートルの特大弾を「一番搾り」の看板にぶち当てた。 8日のヤクルト戦(甲子園)以来出場14試合ぶりの一発で賞金100万円に加え「キリン 一番搾り」1年分もゲット。「プラスにつかえればいい。なかなかもらえるものではないと思うので、いいことに使いたい」と声を弾ませた。 不振で打順を7番まで下げたこともあったが、勝利に貢献できれば主役でも脇役でもよかった。「試合が始まってしまえば、4番も打順も関係ない。どこでどうやって仕事をするか」。24日に4番復帰。ヒットが出なかったが、決して下は向かない。凡退でも全力疾走して、姿勢でチームを鼓舞した。今年のチームは〝大山が打てば、勝つ〟。不屈の精神に結果が伴えば、チームはさらにノッていける。 ■神話継続...主砲が打点あげれば8連勝 矢野監督も「きっかけが悠輔自身ほしいところで、素晴らしいホームラン」と絶賛し「残りの試合でも悠輔の打点、ホームランは必要。いいきっかけにしてもらいたい」と復調に期待した。 打点をあげた試合の連勝も「8」に伸ばした。大山は「その後に糸井さんがタイムリーを打って、チーム全員で戦えた1試合になった」と一丸を強調。打線の中心でどっしり構え、今年の秋は歓喜の美酒で虎党をプハ~ッと酔わせる。(新里公章)

◆巨人の山口は中4日で登板し、三回途中1失点で降板して6連敗で7敗目を喫した。後半戦は8試合に先発して勝ち星なしとなった。 無走者ではノーワインドアップだった投球フォームを、制球を改善するためか三回からは従来のセットポジションに戻したが、2死で大山に先制ソロを浴び、続く糸原に四球を与えて降板を告げられた。試行錯誤が実らず、宮本投手チーフコーチは「本人も自分の投球フォームに迷っている感はある」と復調を願った。

◆八回に1点差に詰め寄り、なおも2死一、二塁。東京ドームのボルテージが最高潮に達したところで、巨人の代打・中田は三ゴロに倒れた。勝負手が実らず、九回は三者凡退。21試合を残して巨人の自力優勝の可能性が消滅すると、スタンドからはため息がもれた。 「そうですか。そこは僕らはコメントを考えることもしないしね」 ■3連戦2敗1分け...2位阪神と4差に 3連覇に黄色信号も、原監督は冷静に語った。中4日で先発を託した山口は序盤から制球に苦しみ、三回途中1失点でKO。2番手・戸根が好リリーフを見せたが、五回に連続四球と乱れ、後を継いだ鍵谷が糸井に3点二塁打を浴びた。3人で8四球の結果に、指揮官は「ちょっと四球が多い」と苦言を呈した。 阪神3連戦を2敗1分けと負け越し、ゲーム差は4に開いた。残り3試合となった直接対決に全勝しても、阪神が他の試合をすべて勝てば勝率で上回れず、自力Vが消滅した。 ■戦力再整備へ高木昇格、梶谷も復帰間近 首脳陣は戦力の再整備に乗り出す。週明けの中日戦(バンテリンドーム)から、4月にコンディション不良で登録を外れていた高木の昇格を決定。代わりに桜井が登録を外れる。右手甲の骨折で離脱していた梶谷は2軍戦で復帰して2試合に出場し、昇格も間近とみられる。 「心構えとしてはまったく変わらない状態で明後日からも戦う」と原監督。3連覇に黄色信号がともったが、逆転Vへ手綱は緩めない。(伊藤昇)

◆虎党の頭をよぎった一抹の不安を剛球が吹き飛ばした。九回はスアレスが圧巻の3人斬りだ。 「このシリーズを2勝1分で終えれたことはチームにとって大きいし、最後を締めることができてよかったよ」 4―1で終わるかと思ったら岩崎が八回に2失点。風雲急を告げる九回のマウンドに登場した。先頭・丸を158キロで空振り三振に仕留めると、代打・八百板は外角低めに158キロをズドン! 最後は若林を左邪飛に抑え、登板3試合ぶりの34セーブをマークした。 23日の中日戦(バンテリンドーム)は2点差を守り切れず今季初のセーブ機会で失敗。同点で登板した24日の第1戦は1死満塁を辛くも無失点と、不安定な内容が続いていた。それでも矢野監督は「全部を任せて、全部を受け止める気持ちで送り出している」と信頼は揺るがなかった。 期待に満点快投で応えたスアレスは「これからも目の前の試合でベストを尽くしていくだけだね」。これぞ守護神だ。

◆巨人戦で失いかけた信頼は、巨人戦でしか取り返せない。来日2年目のガンケルが、リベンジG倒で巨人戦初白星をつかんだ。連日の熱戦をへてつながれた全員の気持ちが詰まったバトンを、最高の形でつないだ。 「しっかり低めに丁寧に投げることができた。その中でカウント有利の勝負ができた。チームを勝利に近づけるような仕事ができてよかったね」 一回先頭の吉川に右前打を許しても動じない。松原の遊ゴロ、坂本の三ゴロで一つずつ進塁されたが、2死三塁で岡本和を三ゴロに斬った。六回に松原にソロを浴びたが、持ち味のコーナーを突く投球で6回4安打1失点にまとめた。救援陣がリードを守り切り、8月26日のDeNA戦(京セラ)以来1カ月ぶりの白星で8勝目(3敗)。通算4度目の巨人戦先発で、うれしい初星だ。 この一勝は、ガンケルの勝利でもあり〝風通しのよい〟ベンチの勝利でもあった。前回19日の同じ巨人戦(甲子園)では2回8安打7失点(自責6)と荒れた。守備の乱れにも泣かされたが、吉川、坂本に同じイニングで本塁打を浴びていた。 炎上後すぐに、敵地での「伝統の一戦」を託せるのか-。当初は矢野監督は慎重だったという。「俺は正直、1週間後は厳しいかなと思ったんだけど。金村と福原(両投手)コーチがブルペンでも良くなってきていると言ってくれて。『もう1回、行っていいんじゃないですか』と」。信頼するコーチたちが遠慮なく進言してくれた。指揮官も「思っていることをちゃんと言ってくれたからこそ、そうなった」と率直に全員に感謝した。 ガンケルも「しっかり修正して投球できたことは自信にもつながる。次の登板に向けてしっかり準備していきたいね」と胸を張る。シーズン序盤には開幕6連勝で快進撃を支えた。Vへと導くべく状態を〝V字回復〟させて、宿敵から白星を搾り取った。(長友孝輔)

◆さすが超人さま! 阪神は巨人に4―3で競り勝った。6試合ぶりに「6番・左翼」でスタメン出場した糸井嘉男外野手が五回に3点二塁打。最年長40歳が勝負を左右する一打でカード勝ち越しに導いた。これで今季の巨人戦は11勝9敗2分けとなり、宿敵の自力優勝の可能性を消すとともに、2007年以来の勝ち越しにも王手。Gを倒して優勝、優勝、絶対優勝や!! チーム最年長の40歳が二塁ベース上で歓喜の阪神ベンチに向かってガッツポーズだ。糸井が1-0の五回2死満塁で走者一掃の二塁打。6試合ぶりの先発出場でチームに大きな1勝を運ぶとともに、巨人の自力Vの可能性を消滅させた。 「スタメンで使ってもらったので。なんか爪痕残してやろうと思って」 三回に大山が先制弾を放ち、1-0で迎えた五回だ。中野、マルテ、糸原が四球を選んで2死満塁。鍵谷の初球147キロ直球を振り抜くと、打球は一塁線を抜けた。 「おととい代打で三振した悔しさがあるんで。あの後、(宿舎の)部屋で、じゅうたんが掘れるぐらい素振りしました」 24日の九回、6-6の同点に追いつき、なおも1死三塁で代打で登場するも、空振り三振。悔しくて眠れなかった。「爪痕残してやろうと思って」。試合後は4度、同じセリフを繰り返した。プロ18年目のプライドをかけた一打だった。 二回には右翼ポール際への大飛球。審判のファウルの判定に矢野監督はリクエストを要求したが、覆らず。直後に14日のヤクルト戦(神宮)以来、出場5試合&11打席ぶりとなる中前打を放つと、今季4度目のマルチ安打となる3点二塁打で、あとのない巨人を突き放した。 「やっぱり強いジャイアンツに勝っていかないと頂点を取れないと思っているので、ハイ」 今回の3連戦は2勝1分け。今季の巨人戦は3試合を残して、11勝9敗2分けとなり、2007年以来14年ぶりの勝ち越しに王手をかけた。矢野監督は「(糸井)嘉男はいつも早出したり、ランニングしたり、何とかしたいという気持ちをずっと持ってここまで臨んでくれていたんでね。打ってチーム全体が盛り上がりました」とたたえ「みなさんに元気を届けて、最後には優勝します」と改めてV宣言が飛び出すほどの喜びようだった。 若手を積極起用するチーム方針で代打での起用が主で、スタメン出場は13試合目。25日も出場機会はなかったが、ベンチで声出しに徹した。先発した高橋がイニングを投げ終えて戻ってくるたびに声をかけ、リラックスさせようと笑わせた。チームは佐藤輝や中野、伊藤将ら若い力が躍動。それでも「出番は少ないと思うが、その中でチームの勝利に貢献したい」と熱く語っていた。日本ハム時代には何度もV争いを経験。グラウンドに立たなくても、やるべきことはわかっている。 巨人の自力Vを消したことで、首位ヤクルトとの一騎打ちの様相を呈してきた。「絶対に頂点に立てるよう、監督を胴上げできるように、頑張っていきます」と力を込める。残り23試合。超人の力が必要とされるときは、まだまだある。(三木建次)

◆続いてのニュースです。26日午後、東京ドームで担いでいたみこしが崩れる騒動がありました。まずは目撃した方々の声を...。「いや~若大将の原ちゃんは、わっしょいベースボールなんて威勢は良かったんだけどねェ...。あんなに強い虎見ちゃ、担いでいた兎だって食われると思ってビビるよねえ!」(67歳青果業)、「コロナ禍でホラ2年間夏祭りも秋祭りも自粛だったから足腰弱ってたのよ~きっと」(58歳主婦) という具合に社会ニュースでも扱ってほしい優勝争いでのわが阪神2勝1分けという大ニュースなのだ!! 何がうれしいって、派手な連勝に見えて実は本日4安打、その前日も6安打なんです...。それでも宿敵・巨人を倒したのは投打がかみ合ってきただけでなく、『優勝の精霊』が猛虎ナインに宿った証しなのだ!! よっしゃ~、虎祭でわっしょい...。いや、やめておこう。みこしが崩れるといけね~。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
594216 0.584
(↑0.004)
-
(-)
26523
(+16)
427
(-)
119
(+3)
66
(-)
0.258
(↑0.001)
3.430
(↑0.03)
2
(-)
阪神
65487 0.575
(↑0.004)
0
(-)
23473
(+4)
458
(+3)
108
(+1)
101
(-)
0.249
(↓0.001)
3.540
(-)
3
(-)
巨人
574817 0.543
(↓0.005)
4
(↓1)
21494
(+3)
462
(+4)
153
(+1)
62
(-)
0.247
(-)
3.590
(↓0.01)
4
(-)
中日
476016 0.439
(↓0.004)
15
(↓1)
20358
(-)
415
(+16)
63
(-)
54
(-)
0.238
(↓0.001)
3.250
(↓0.09)
5
(1↑)
広島
476111 0.435
(↑0.005)
15.5
(-)
24443
(+10)
506
(+8)
100
(+2)
54
(-)
0.261
(↑0.001)
3.930
(↓0.02)
6
(1↓)
DeNA
466114 0.430
(↓0.004)
16
(↓1)
22486
(+8)
541
(+10)
122
(+2)
25
(-)
0.258
(↑0.001)
4.250
(↓0.04)