中日(3対3)阪神 =リーグ戦20回戦(2021.09.23)・バンテリンドーム=
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阪神
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中日
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勝利投手:-
敗戦投手:-
  DAZN
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DAZN

◆阪神は1-1で迎えた8回表、大山の2点適時打が飛び出し、勝ち越しに成功する。対する中日は2点ビハインドの9回、大島の適時打で1点差に迫ると、なおも1死一三塁の場面から代打・福留が適時二塁打を放ち、試合を振り出しに戻した。続く好機では追加点を奪えず、試合は規定により引き分けに終わった。

◆阪神近本光司外野手(26)はここまで両リーグ最多の148安打でシーズン150安打にあと2。 チーム117試合目で150安打到達すれば、阪神では10年マートン(104試合)以来のスピード到達になる。今日は2安打以上打つか。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、1軍に再登録された。自己ワースト35打席無安打で10日に出場選手登録を抹消され、13日で戻ってきた。 試合前には矢野監督をはじめ、井上ヘッドコーチ、筒井コーチ、久慈コーチ、同期入団の中野、近大先輩の糸井...。多くの仲間に言葉をもらい、中日ビシエドからも声をかけられた。敵も味方も歓迎ムードの中、アップを開始。時折笑顔も見られ、リラックスした様子だった。 フリー打撃では左腕の高田打撃投手を相手に26スイング。序盤は低く鋭い当たりを連発し、中盤以降は打球に角度がついた。柵越えこそなかったものの、右翼フェンス直撃の当たりを放った。 佐藤輝1軍復帰戦の試合前練習の流れは以下の通り。 ? ▼午前11時22分 グラウンドに姿現す ▼同11時38分 アップ前に井上ヘッドに促されナインにあいさつ ▼同11時40分 全体アップからの個人でストレッチ ▼11時48分 中野と久慈コーチと話し、その後ベンチ裏へ ▼同11時56分 再びグラウンドに姿現し、坂本とキャッチボール ▼11時58分 ライトでノックを受ける ▼午後12時11分 ノックを終え、三塁側を通ってベンチ裏へ。スタンドのファンに手を振る ▼同12時18分 再びグラウンドへ。筒井コーチに背中をたたかれ一塁へ走塁練習に向かう ▼同12時21分 走塁練習を終え、「置きティー」前にストレッチ棒でのストレッチ ▼同12時24分 素振り開始。左だけでなく右でも数回スイング。糸井に声をかけられ笑顔 ▼同12時26分 ルーティンの「置きティー」で軽いスイング。後半には矢野監督が声をかける ▼同12時33分 矢野監督と糸井のフリー打撃を見ながら会話 ▼同12時35分 矢野監督が見守る中、左腕の高田打撃投手相手にフリー打撃開始。26スイングで柵越えはなし。序盤は低く鋭い打球を飛ばした。右翼フェンス直撃の当たりが1本 ▼同12時43分 フリー打撃終了

◆スタメンが発表され、この日再昇格した阪神佐藤輝明内野手(23)が「7番右翼」で即先発出場する。 チームは佐藤輝の降格後の9試合で平均得点わずか2・1点。直近5試合で本塁打は出ていない。首位再奪取へ向けて、怪物ルーキーが打線の起爆剤として期待される。 佐藤輝は自己ワーストの35打席連続無安打と打撃不振により、今月10日に出場選手登録を抹消。その後2軍では7試合で29打数9安打、打率3割1分の成績を残した。前日22日のウエスタン・リーグ広島戦(由宇)では約1カ月、72打席ぶりのアーチを左翼席に放り込んでいる。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、1軍中日戦の試合前練習に合流した。前日22日の同戦後、矢野燿大監督(52)は佐藤輝の1軍昇格を明言していた。 広報代理取材で佐藤輝は、復帰を待ちわびたファンの存在に「すごい励みになりましたし、早く1軍の舞台に帰りたいと感じていました」と感謝。「しっかり打つことが求められていると思う。そこをしっかりやりたいなと、自分のできることを一生懸命やりたいと思います」と意気込んだ。 アップ開始前には、井上ヘッドコーチに促されナインの前であいさつ。「フレッシュな僕が入ったことで、このチームの流れを変えられるように頑張ります」とちゃめっ気たっぷりに士気を高め、拍手で歓迎された。中日ビシエドからも声をかけられ、ライバルからも注目度も抜群だ。 佐藤輝は自己ワーストの35打席連続無安打と打撃不振で10日に出場選手登録を抹消された。2軍では7試合で29打数9安打、打率3割1分。19日のウエスタン・リーグ中日戦(ナゴヤ)では1、2軍通じてプロ初となる4安打を放った。同22日広島戦(由宇)では8月19日の1軍DeNA戦(東京ドーム)以来、約1カ月、72打席ぶりのアーチを左翼席に放り込んだ。 直近4試合は17打数8安打、打率4割7分1厘と状態を上げて1軍切符をつかんだ。チームは佐藤輝の降格後の9試合で平均得点はわずか2・1点。直近5試合本塁打なしも今季3度目のワーストで低調が続いている。前日22日は1-2で敗戦し、19日ぶりに首位陥落。佐藤輝は打線の起爆剤として期待が高まる。 矢野監督は「ファームに行って気持ちの変化やいろんなことがあったと思うんでね。テルらしくやってくれれば」と期待を込めている。ルーキーも「一番求められているのはホームランだと思います。いろんな練習への意識がファームでいい経験になった。上に戻った時も生かしていきたい」と気合十分だ。 中日先発は左腕の笠原で、佐藤輝とはこれまで対戦なし。試合は午後2時試合開始予定。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手(30)が、2試合連続の安打で先制点をたたき出した。 初回2死でカウント1-2からの4球目で一塁走者の近本光司外野手(26)が今季22個目の盗塁を成功させ、2死二塁に。1番打者が自身8試合連続安打と、試合前時点でリーグ最多23盗塁の中野拓夢内野手(25)に1差に迫る盗塁でつくった得点機で、4番打者が三遊間を破った。 「近本が塁に出て走ってチャンスメークしてくれたし、昨日(22日)は最初のチャンスで打つことができなかったから、今日はなんとしてもランナーをかえしたいと思っていたよ。自分の仕事をすることができてよかったね」 1-2で敗れた前日22日の中日戦でも、マルテはチーム唯一の打点をマークしたが、序盤の好機での凡退を悔やんでいた。首位奪回へ、負けられない試合で存在感を示した。

◆阪神大山悠輔内野手(26)が8回、勝ち越しの2点適時打を放った。 1-1で迎えたこの回、先頭の近本光司外野手(26)が敵失で出塁し、2死からのジェフリー・マルテ内野手(30)の四球などで2死二、三塁の大チャンスを迎えた。この場面で、中日又吉克樹投手(30)から中前打を放って2人をホームに迎え入れた。大山にとっては11試合ぶりの打点となった。

◆1軍再昇格した阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、「7番右翼」で即スタメン出場した。復帰戦は4打数無安打2三振に終わった。 試合後は「結果が出ていないのでなんとも言えないですけど、いい当たりも出たので、また次に向けて」と語り、「先輩たちもすごいやりやすい環境とか、作ってくれているので、あとはそれで結果で応えたいなというのはあります」と悔しさをかみしめた。 第1打席は中日先発左腕笠原の緩い変化球にタイミングが合わなかった。3球連続変化球で追い込まれ、最後は高めの138キロ直球に空振り三振。緩急を駆使され、今季152個目の三振を喫した。 第2打席は1点リードの4回1死一塁。笠原の初球を捉え、右翼ポール際の特大飛球は1度は本塁打と判定された。佐藤輝もダイヤモンドを1周し、胸に「虎メダル」をぶら下げ「Zポーズ」で復活を喜んだ...はずだった。 直後、中日からのリクエストでリプレー検討となり、映像がビジョンに映し出されると、まずは三塁側の阪神ファンが沸いた。今度は別角度の映像が流れ、一塁側の中日ファンが沸く...。結果はファウル。佐藤輝の復活アーチは"幻弾"に終わり、その後一ゴロに倒れた。 第3打席は同点に追いつかれた直後の7回。代わったばかりの2番手田島に3球で追い込まれると、144キロを打ち返し、力のない左飛に倒れた。 第4打席は2点リードの9回。フルカウントから、4番手藤嶋の142キロ直球に見逃し三振。これで今季153個目の三振で、10年ブラゼルに並び球団歴代3位タイとなった。自己ワーストの39打席連続ノーヒットと快音は響かなかった。 24日からは東京ドームで巨人との3連戦。「負けられない戦いだと思うので、少しでもチームのために今、自分のできることをやっていきたいと思います」と力を込めた。

◆阪神は1回2死二塁からマルテが中日先発笠原から左前適時打を放ち1点を先制。阪神先発伊藤将司は3回を1安打無失点に抑えた。 中日は6回1死三塁から代打堂上の犠飛で同点に追いついた。先発笠原は6回3安打1失点で降板。1-1の同点で終盤に入った。 阪神は8回に大山の2点打で勝ち越し。中日は9回に大島、代打福留孝介の適時打で同点に追いつき、引き分けに持ち込んだ。

◆阪神が、守護神乱調で引き分けに終わった。3-1の9回、ロベルト・スアレス投手(30)がマウンドへ。だが先頭の京田陽太内野手(27)からの3連打で1点を失い、なおも1死一、三塁で代打の福留孝介外野手(44)に左翼のラバーフェンスの扉の隙間に挟まる適時二塁打を打たれて追いつかれた。1死満塁から最後は併殺でサヨナラ負けを免れたが、バンテリンドームでの今季最後の試合は勝利目前から痛恨の引き分けとなった。 初回、近本光司外野手(26)の8試合連続安打と二盗で2死二塁とし、ジェフリー・マルテ内野手(30)の適時打で1点を先制。6回に追いつかれたが、8回に大山の2点打で再び突き放していた。 7回2安打1失点と好投の伊藤将は、8勝なら球団の新人左腕では86年遠山以来となる勝ち星だった。

◆中日が2点ビハインドの9回に阪神の守護神スアレスを打ち崩し、引き分けに持ち込んだ。先頭京田からの3連打で1点差に迫り、なおも1死一、三塁。代打福留孝介外野手(44)がフルカウントからの6球目、146キロチェンジアップを振り抜くと打球は左翼フェンスを直撃。はね返って...と思いきや、何と扉の隙間にすっぽり入る珍しいエンタイトル二塁打で同点に追いついた。 現役最年長の福留は二塁ベース上で右こぶしでガッツポーズを連発し、続けて左こぶしでも披露。「たまたま俺が打ったけど、みんなが流れを作ってくれた」。44歳が少年のように、体全体で喜びを表現した。もし打球が挟まっていなければ、44歳4カ月でのサヨナラ打という幕切れまであったかもしれないが、価値ある一打にはかわりない。 8回に2点を失って漂った敗戦ムードを、今季無得点に抑え込まれていたスアレス打ちで払拭(ふっしょく)。与田監督は「よく負けなかった。勝たせてあげたかったけど、ああいう粘りが出たのは大きかった」と選手たちをねぎらった。 ▽中日大島(9回に右前適時打)「後ろにつなげられて良かった」 ▽中日笠原(6回3安打1失点も、2年ぶりの白星ならず)「四球をけっこう出してしまったが、要所要所でしっかり投げきれたので良かったかなと思う」 ▽中日伊藤(6回に代打で出場。今季初安打となる二塁打)「1本出て安心した。もっと自分の良さを出してアピールしたい」 ▽中日堂上(この日33歳の誕生日。6回に代打で同点犠飛も、8回守備で阪神勝ち越しのきっかけになるファンブルでの二失)「(犠飛は)甘い球をしっかり外野まで持っていけた。(失策は)ちょっと焦って(球への)目切りが早かった」

◆阪神伊藤将司投手(25)が7回2安打1失点と好投した。球団新人左腕で86年遠山以来の8勝目は次回に持ち越しとなったが「1点を先に取ってくれたので、自分のペースで投げることができました。試合はつくることができましたし、また次も頑張りたいと思います」と手応えを示した。 初回に先頭京田を内野安打で出した後は、5回まで1本の安打も許さなかった。6回に先頭の代打伊藤に二塁打を浴び、1死三塁から犠飛で同点に追いつかれても、気持ちを切らさなかった。続投した7回は4番ビシエドからわずか9球で3者凡退に抑え、直後の味方の攻撃につなげた。 持ち前の制球力で緩急も生かし、7回をリズムよく82球で投げ抜いた。四死球も3回に京田に与えた死球だけ。「ボールを低めに集めることができていましたし、自分の投球スタイルが出せていたので、そこが試合を作ることのできた要因だと思います」。3試合連続で白星はつかなかったが、終盤戦で安心感を与えるマウンドとなった。 矢野監督も「ようよう粘った。バッテリーがこの3連戦は、よく粘って意識高めて投げてくれたと思う」とねぎらった。優勝をかけた戦いは残り26試合。「自分の登板もあと少しになってきているので、本当に1試合1試合を大事に、チームの勝ちにつながる投球ができるように投げていきたい」。開幕からローテを回り続けたルーキーが、最後まで腕を振る。【磯綾乃】

◆阪神大山悠輔内野手(26)が、11試合ぶりの打点を挙げた。1-1の8回2死二、三塁。中日又吉から勝ち越しの2点打を放ち、8日ヤクルト戦以来の打点で勝利をつかみかけた。 「本当にチャンスっていうところで仕事ができていなかったのでチームに迷惑かけましたし、あそこで打てないことにはチームは勝てない。そういうところっていうのをわかっているんで、そういう意味では、あそこで打てたっていうのはよかったんですけど」 引き分けだけに、大山の顔に手放しの喜びはなかった。ただ、中心打者に光が見えた。 打棒が振るわず、中日3連戦の21日初戦はスタメン落ち。5番で復帰した22日は初打席で安打も、6回1死二塁、8回1死一、二塁で凡退。チームは接戦を落とした。試合前時点の得点圏打率は1割9分3厘。投手陣を援護できない責任を抱え込んでいた。 矢野監督は「まあ、まだしんどいわな」と言いながらも、大山、マルテらの復調気配に期待。大山は「追い付かれてしまいましたけど、引き分けで終われたっていうのはすごい大きいと思うので、切り替えて頑張ります」と、巨人の次戦に目を向けた。【堀まどか】

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が、14日ぶりの1軍戦で後数十センチで本塁打というドデカい打球をぶちかました。中日戦に「7番右翼」で昇格即先発し、4回に右翼ポール際に大飛球。ダイヤモンドを1周したが、リプレー検証でファウルと判定され"幻弾"に。貧打にあえぐチームの起爆剤の復帰初戦は4打数無安打に終わった。試合は守護神スアレスが9回に追い付かれて引き分け。24日からの巨人3連戦(東京ドーム)で本物の復活アーチを見せてくれ!リプレーシーンが流れる約2分30秒、ドキドキして待った。三塁側ベンチの佐藤輝は時折、大型ビジョンを指さして野球少年のような笑顔になった。三塁側の虎党が沸いた後、右翼ポール右に打球の通過を確認した一塁側の中日ファンが沸く。簡単に判別できないほど紙一重だった。 4回1死一塁だ。左腕笠原から右翼ポール際に"本塁打"を放ち、ゆっくり一塁ベースを回った。そこで1度、不思議そうな顔で自軍の三塁ベンチを見た。ファウルかな-。予感があったのかもしれないが、ベンチ前ではノリノリで「Zポーズ」。その後、中日のリクエストからファウルに覆ると苦笑い。仕切り直した打席は一ゴロに倒れた。 「結果が出ていないのでなんとも言えないですけど、いい当たりも出た」。4打数無安打で、連続打席無安打は「39」と自己ワーストを更新した。2三振を加えて、10年ブラゼルに並ぶ球団歴代2位の153三振。13日間の2軍生活で試行錯誤した成果がすぐに出なくても、怪物ルーキーの弾道は復活を予感させた。 試合前には井上ヘッドコーチに促され、ナインの前で「フレッシュな僕が入ったことで、チームの流れを変えられるように頑張ります」とおちゃめに決意表明した。「カメラ用意いいですか?」と先輩たちにいじられ、また笑顔。「先輩たちもやりやすい環境をつくってくれているので、結果で応えたい」。試合後は本音がこぼれた。 矢野監督も「『ムード変える』って試合前の円陣で言ってたんで、そういうピースになってくれたら」と期待は変わらない。同時に「プロである以上、結果が求められていく世界。そこがあってのこと」と付け加え、次は快音でムードを変えることを願った。 9回は守護神スアレスが2点リードを守れず引き分け。佐藤輝の打球が数十センチずれていれば...。そんな思いを24日からの巨人戦にぶつける。今季打率4割と球場別トップの東京ドームで、本物の1発に期待がかかる。「負けられない戦いだと思うので、少しでもチームのために、自分のできることをやっていきたいと思います」。完全復活へ、ベストを尽くす。【中野椋】 ▼佐藤輝は東京ドーム9試合(巨人戦6試合、DeNA戦3試合)で、球場別最高の打率4割と相性がいい。9試合中マルチ安打が過半数の5試合あり、うち3安打の猛打賞が2度。無安打は2試合しかない。全14安打中二塁打4、本塁打3でちょうど半分が長打。長打率7割7分1厘はセ本拠地球場別最高で、持ち味の長打力発揮を期待できそうだ。 ▽阪神井上ヘッドコーチ(佐藤輝に)「輝明に言っとってん。『なんで、あの30センチ、50センチ、もうちょっとこっちに行かへんの』って。楽しみな素材を一生懸命見つけて、ポジティブな雰囲気を前面に出していくしかない。東京ドームって狭い球場だから、そこでバカーンって行くようなのがあったら、波に乗れることを期待して頑張るしかない。期待は十二分にしてます」

◆23日の中日-阪神戦で、打球が外野フェンスに挟まり、走者が2個の進塁を果たす珍しいプレーがあった。9回裏1死一、三塁で、打者福留はスアレスから左越えの一打を放った。打球はフェンスにある扉の端の溝のような部分を直撃し、そのまま挟まって動かなくなった。 公認野球規則では「2個の塁が与えられる場合」としていくつかの状況を明示。「フェアの打球が競技場のフェンス、スコアボード、灌木(かんぼく)、またはフェンスのつる草を抜けるか、その下をくぐるか、挟まって止まった場合」と定めている。このため三塁走者の加藤翔が生還。一塁走者の三ツ俣は三塁へ、打者走者の福留は二塁へそれぞれ進んだ。

◆耐えた、堪えた、挟まった。追い詰められた阪神が中日と引き分けた。3-1の9回に1点差に迫られ、なお1死一、三塁。守護神スアレスが代打福留に浴びた鋭い打球が、左翼フェンスの隙間に直接スッポリ。はね返っていれば、あわやサヨナラ負けの場面だったが、エンタイトル二塁打で3-3の同点と踏みとどまった。土壇場で怒濤(どとう)の攻撃を受けた矢野虎がラッキーな? 今季6度目のドロー。まだツキはある!?目を疑う珍現象がバンテリンドームで起こった。3-2と1点に迫られた9回1死一、三塁。阪神スアレスが6球目チェンジアップを代打福留に捉えられた。左翼方向に上がった打球は、フェンスにある開閉部分の溝にスッポリ。エンタイトル二塁打がコールされ、サヨナラの走者になる可能性があった一走・三ツ俣は三塁で足止め。同点までで、最後は申告敬遠を挟んで1死満塁から木下拓を153キロのツーシームで三塁併殺に仕留めて踏みとどまった。 「いやまあ、ギリギリね。何とか踏みとどまってくれたんでこれでも大きいと思うんで。負けるんと引き分けじゃ全然違う」 試合後に発した矢野監督の第一声がヒヤヒヤ、ドキドキの展開を物語っていた。フェンスをはね返った打球が思わぬ方向に転がっていれば...。本塁返球がそれていたら...。この世界でタラレバは禁句だが、試合がひっくり返っていた可能性は十分にある。 セ界トップ33セーブを誇るスアレスが先頭京田からまさかの3連打と振るわず、代打福留の二塁打で今季初めてセーブ機会失敗。16試合ぶりの失点だった。重要な試合が続く中で心配のタネではあるが、矢野監督は「スアちゃんがいなければこの位置にいない。そこで粘ってくれたというのは明日につなげられる要素ではある」と前を向く。 24日からは巨人3連戦に向かう。打線は8試合連続1桁安打と気配がないが、ぶち当たるしかない。「調子がどうこう言ってる場合ではない。みんなも必死にやってくれているし、みんな胸張って精いっぱいやっているっていうのは見える。全員の力じゃないと勝ちきるというところにはいきにくい」。大一番を前にして負けなかったことに意味がある。【桝井聡】

◆阪神岩崎優投手が14試合連続無失点に抑え、31ホールド目を挙げた。一時勝ち越した直後の8回に登板。 先頭の木下拓を空振り三振、続く渡辺、代打A・マルティネスをともに内野ゴロに打ち取り「0点で抑えることができてよかったです」。後半戦は14イニング連続で失点を許さず、被安打もわずか5。安定感が際立っている。

◆耐えた、こらえた、挟まった。追い詰められた阪神が中日と引き分けた。3-1の9回に1点差に迫られ、なお1死一、三塁。守護神スアレスが代打福留に浴びた鋭い打球が、左翼フェンスの隙間に直接スッポリ。はね返っていれば、あわやサヨナラ負けだったが、エンタイトル二塁打で3-3の同点と踏みとどまった。土壇場で怒濤(どとう)の攻撃を受けた矢野虎がラッキーな? 今季6度目となるドロー。首位ヤクルトが勝って順位変動はなくても、阪神にまだツキはある!?目を疑う珍現象がバンテリンドームで起こった。3-2と1点に迫られた9回1死一、三塁。阪神スアレスが6球目チェンジアップを代打福留に捉えられた。左翼方向に上がった打球は、フェンスにある開閉部分の溝にスッポリ。エンタイトル二塁打がコールされ、サヨナラの走者になる可能性があった一走・三ツ俣は三塁で足止め。同点までで、最後は申告敬遠を挟んで1死満塁から木下拓を153キロのツーシームで三塁併殺に仕留めて踏みとどまった。 「いやまあ、ギリギリね。何とか踏みとどまってくれたんでこれでも大きいと思う。負けるんと引き分けじゃ全然違う」 試合後に発した矢野監督の第一声がヒヤヒヤ、ドキドキの展開を物語っていた。フェンスをはね返った打球が思わぬ方向に転がっていれば...。本塁返球がそれていたら...。この世界でタラレバは禁句だが、試合がひっくり返っていた可能性は十分にある。 セ界トップ33セーブを誇るスアレスが先頭京田からまさかの3連打と振るわず、代打福留の二塁打で今季初めてセーブ機会失敗。16試合ぶりの失点だった。重要な試合が続く中で心配のタネではあるが、矢野監督は「スアちゃんがいなければこの位置にいない。そこで粘ってくれたというのは明日につなげられる要素ではある」と前を向く。 24日からは巨人3連戦に向かう。打線は8試合連続1桁安打だが「調子がどうこう言ってる場合ではない。みんなも必死にやってくれているし、みんな胸張って精いっぱいやっているっていうのは見える。全員の力じゃないと勝ちきるというところにはいきにくい」。大一番を前にして負けなかったことに意味がある。【桝井聡】 ▼23日の中日-阪神戦で、打球が外野フェンスに挟まり、走者が2個の進塁を果たす珍しいプレーがあった。9回裏1死一、三塁で、打者福留はスアレスから左越えの一打を放った。打球はフェンスにある扉の端の溝のような部分を直撃し、そのまま挟まって動かなくなった。 公認野球規則では「2個の塁が与えられる場合」としていくつかの状況を明示。「フェアの打球が競技場のフェンス、スコアボード、灌木(かんぼく)、またはフェンスのつる草を抜けるか、その下をくぐるか、挟まって止まった場合」と定めている。このため三塁走者の加藤翔が生還。一塁走者の三ツ俣は三塁へ、打者走者の福留は二塁へそれぞれ進んだ。

◆阪神近本光司が好調の打撃と俊足で先制機をつくった。 初回に笠原のカットボールを捉えて中前打を放ち、2死から4番マルテの4球目に二盗に成功し、先制のホームを踏んだ。12日DeNA戦から8戦連続安打で150安打に王手をかけて打率は3割1分3厘、中野に次いでリーグ2位の22盗塁とした。一時勝ち越した8回にも先頭で敵失を誘って出塁するなど打線で存在感が光っている。

◆阪神・佐藤輝明内野手(22)がバンテリンドームの1軍に合流した。 ここまで23本塁打を記録している黄金ルーキーだが、後半戦に入り、13試合&35打席連続無安打と不振が続き、9月10日に登録抹消。2軍では8試合に出場し、打率・273、1本塁打、5打点。22日のウエスタン・広島戦(由宇)では九回に降格後26打席目で初アーチとなる勝ち越し2ランを放ち、1軍昇格の切符をつかんだ。

◆阪神・佐藤輝明内野手(22)が出場選手登録され、試合前の打撃練習では力強い打球を連発した。 練習後には「やってやるぞという(気持ち)。(ファームでは)しっかりもう一回、1軍で打てるように、そこだけを考えてやっていた」と気合を語った。 全体ウオームアップの前にはチームメートの前に出て「佐藤輝明です。フレッシュな僕が入ったことにより、このチームの流れを変えられるように頑張ります」と挨拶し、拍手で歓迎を受けた。 右翼ノックなどを行った後、ティー打撃を行い、最後はフリー打撃へ。計26スイングで柵越えはなかったが、右翼フェンス直撃の当たりや左翼深部への打球を放ち、試合に備えた。 「しっかり打つことが求められていると思うので、そこをしっかりやりながら自分のできることをしっかりと一生懸命やりたい」 今季は1軍でここまで105試合に出場し、打率・254、23本塁打、60打点。この試合で出場すれば9月9日のヤクルト戦(甲子園)以来で、スタメンとなれば9月5日の巨人戦(甲子園)以来、2週間ぶり。出場13試合&35打席連続無安打は継続中で、安打が出れば8月21日の中日戦(バンテリンドーム)以来、1カ月ぶりとなる。

◆1軍に昇格した阪神・佐藤輝明内野手(22)が「7番・右翼」で先発出場する。 今季は1軍でここまで105試合に出場し、打率・254、23本塁打、60打点。スタメン出場は、9月5日の巨人戦(甲子園)以来、18日ぶり。出場13試合&35打席連続無安打は継続中で、安打が出れば8月21日の中日戦(バンテリンドーム)以来、1カ月ぶりとなる。

◆阪神のジェフリー・マルテ内野手(30)が一回に先制の適時打を放った。 「近本が塁に出て走ってチャンスメイクしてくれたし、昨日は最初のチャンスで打つことができなかったから、今日は何としてもランナーを返したいと思っていたよ。自分の仕事をすることができて良かった」 先頭の近本が中前打で出塁。2死後、M砲の打席の4球目で今季22個目となる盗塁決めてチャンスを作ると、助っ人も直後の5球目の直球を左前へはじき返した。これで2試合連続となる適時打。リーグ4位の得点圏打率・320(試合前時点)と勝負強さが光る。

◆1軍に復帰した阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)が「7番・右翼」でスタメン出場し、注目の第1打席は二回先頭。中日先発・笠原の前に空振り三振に倒れた。これで36打席連続無安打となり、9月4日の巨人戦(甲子園)の第2打席から7打席連続三振となった。

◆阪神・佐藤輝明内野手(22)が四回の第2打席で幻の特大弾を放った。 1死一塁で打席に立つと先発・笠原の初球、甘く入ったカットボールを強振。凄まじい勢いで飛んだ打球は右翼ポール際へ。ホームランか、それともファウルか? 一瞬の静寂の後、一塁の塁審は本塁打のジェスチャーを見せた。 ルーキーはダイヤモンドを1周し、ベンチで恒例となった「タイガースメダル」をチームメートから首にかけられたが...。リプレー検証となり、約3分間の協議の結果、判定は覆り、ファウルとなった。 佐藤輝の大飛球はリプレー検証でファウルに=バンテリンドーム(撮影・松永渉平) これにはドラ1もベンチで苦笑い。仕切り直して再び打席に立ち、結果は一ゴロの併殺崩れとなった。 本塁打となっていれば、8月19日のDeNA戦(東京ドーム)以来、1カ月ぶりとなる一発だった。

◆阪神・大山悠輔内野手(26)が1―1の八回に勝ち越しの2点打を放った。 相手の失策から点をもぎ取った。近本が敵失で出塁し、中野が送って1死二塁。マルテは四球を選んで主将が打席へ。一塁の代走・小幡が二盗で二、三塁へと好機を拡大し、3番手・又吉の6球目を中前へはじき返してリードを奪った。 得点圏で17打席連続無安打中で、得点圏打率・193(いずれも試合前時点)だった主砲が奮起。大山が得点圏で安打を放った試合は、6月24日の中日戦(バンテリンドーム)から8連勝中だ。

◆中日が1―3の九回に追い付き、引き分けに持ち込んだ。連打で好機を広げ、大島の適時打で1点をかえし、代打福留の適時二塁打で同点とした。阪神は八回に大山が2点打を放つも、抑えのスアレスが打ち込まれた。

◆阪神は守護神・スアレスが打たれて悔しいドローとなった。 1―1の八回に大山が2点打を放ち、勝ち越しに成功。しかし、3―1の九回に登板したスアレスが崩れた。3連打で1点を返されると、1死後に代打・福留に左越えの二塁打を許して同点に。その後も1死満塁とピンチは続いたが、最後は木下拓を三ゴロ併殺に仕留めてサヨナラ負けは阻止した。 この日1軍に復帰し、「7番・右翼」で先発出場した佐藤輝は4打数無安打2三振に終わり、39打席連続無安打となった。四回には右翼ポール際に特大ファウルを放つなど存在を見せたが、快音を響かせることはできなかった。 前日に首位陥落した阪神は引き分けたため、ナイターゲームのヤクルトが敗れれば勝率の差で首位奪取となる。

◆阪神は2点リードの九回、ロベルト・スアレス投手(30)が4安打を浴びて、逃げ切りに失敗した。「7番・右翼」で昇格即、スタメンの佐藤輝明内野手(22)はノーヒットで39打席連続無安打。四回の右翼への飛球に本塁打の判定が下ったものの、リブレー検証の結果、ファウルとなった。ナイターでヤクルトが勝利したため、首位奪回はならなかった。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ーー追いつかれたが負けなかった 「いやまあ、ギリギリね。何とか踏みとどまってくれたんで、これでも大きいと思うんで。負けるんと引き分けじゃ全然違うんでね」 ーースアレスは責められない 「スアちゃんがいなければ、この位置にいないんで。1年間の中でこういうこともね。完璧ということはなかなかシーズン、誰もいなんで。この結果も受け止めているし、さっきも言ったように、粘ってくれたのは明日につなげられる要素ではあるんで。そこは何も心配はしていないです」 ーー大山にも1本出た(八回の2点打) 「まあまだしんどいわな。打線が点を取れないのは、どうしても投手に負担がいってしまうんでね。上位で結構チャンス作ってくれてるし、返すところが、ここずっと返せていないケースが多いんで、ユウスケも打ってくれたし、マルちゃんも昨日に続いてできたんで、返すバッターのところが、ちょっと状態が上がるっていうのは毎日同じコメントなんだけど、そういう感じ」 ーー佐藤輝は際どい当たりもあった 「まあまあ1試合ではね。リフレッシュして戻ってきたんで、『ムード変える』って本人も試合前の円陣で言ってたんで。結果は出なかったけど、そういうピースになってくれたらなと思う」 ーー前半戦快進撃の立役者だけに、佐藤輝が戻ってきてチームの空気も変わる 「戻ってきただけではならんよね。それは。そこに、前半もあいつが勝たせたっていうとか、インパクトっていうところで引っ張った部分もあったっていうのが、そういうものになるんで。戻ってきただけでは、そういうことにはなりにくい。そこにはプロである以上、結果というのが求められていく世界。そこがあってのことなんで」 ーー伊藤将は勝ちは付かなかったが 「よう粘った。バッテリーは、この3連戦はよく粘って意識高めて投げてくれたと思うんでね。打線かな。やっぱり」

◆痛恨ドローとなった試合後、阪神・矢野耀大監督(52)は24日からの巨人3連戦(東京ドーム)について言及した。 「もう、調子がどうこう言ってる場合ではないのでね。みんなも必死にやってくれているし、そういうところではみんな胸張って精いっぱいやっているっていうのは見える」 選手個人の状態を超越した戦いであることを強調。ここまで対戦成績は9勝9敗1分と五分。「調子が悪くても試合はくるし、だからこそ全員の力じゃないと勝ちきるというところにはいきにくい。これからも続けてやっていく中で目の前の試合を全員で取りにいくしか出来ることはないのかなと思う」といつも通りに全員野球を力説していた。

◆帰ってきたサトテルは無安打に終わった。復帰戦の4打席を見守った阪神OBで通算1560安打を放った田尾安志氏(67)=本紙専属評論家=は「ボール球を振りすぎ」と指摘しつつも「飛距離は抜群、雰囲気もチームにプラス。7番固定で使い続けてほしい」と期待を込めた。 ◆ボール球を振り過ぎ 戻ってきた佐藤輝に大注目の試合だったが、まず目についたのは悪い点。いくらなんでもボール球を振り過ぎだ。前の球がボールになると「次はきっとストライクが来るだろう」という勝手な予測で、何でも振りにいっていた。いわゆる、ヤマ張りのスイング。この打撃では、なかなか結果に結びつかない。 逆に良い点は、四回の第2打席のホームラン性のファウルが象徴している。当たったときの飛距離は、ホレボレするぐらいに素晴らしい。あれだけ飛ばされると、投手は間違いなく怖さを抱きながら投げる。彼本来の魅力は失われていなかった。スイングも決して悪くない。 つまりストライク、ボールの見極めがしっかりできれば、一気に状態は上がる。ただ、見極めろと言っても打者によっては、なかなかうまくできないケースもある。 ◆輝加わり打線雰囲気良く 佐藤輝の場合、2ストライクを取られるまでは球種を絞って、その球だけを待ってみてはどうだろうか。コースで待つより、球種で待ったほうが、タイミングは合う。球種が違ったら、ストライクでも見送る。 「2ストライクに追い込まれたら、その打席は負け。現状の佐藤輝では仕方ない」ぐらいの〝逃げ道〟を作ってあげれば、落ち着いて打席に入れる。4打席トータルで、どこかで打てればいいという考え方だ。 ヒットは出なかったが、佐藤輝が打線に加わったことで、チームの雰囲気も良くなった感じがした。打線は長らくどん底だったが、この試合のマルテ、大山、サンズを見る限り、底は脱して上昇気配を感じた。ということは、佐藤輝を7番に置く打線を組むことが可能になった。外国人が3人並ぶ打線より、はるかに夢を感じる、楽しみな打線だ。(本紙専属評論家)

◆阪神の伊藤将は7回を2安打1失点の好投だった。8勝目にはつながらなかったものの「自分のペースで投げることができた」と手応えを口にした。 立ち上がりから低めの変化球がさえた。六回は堂上の犠飛で1点を奪われたが、4番ビシエドから始まった七回はわずか9球で三者凡退に抑えた。今後の優勝争いへ向け「チームの勝ちにつながる投球ができるように」と頼もしかった。

◆中日の笠原は6回を3安打1失点と好投した。2年ぶりの白星にこそ届かなかったものの「四球をけっこう出してしまったが、要所要所でしっかり投げ切れた」と手応えを口にした。 2シーズンぶりの登板だった15日の広島戦でも5回を1失点にまとめており、与田監督は「前回同様に攻めて、多少コントロールのばらつきはあったが投げ切ってくれた」と満足そうだった。

◆耳を疑うような快音ばかりだった。2点リードの九回を託したスアレスは、いつものスアレスではなかった。何とか同点でとどめてくれた。痛恨ドローには違いないが、矢野監督にとっては受け止められる痛みだった。 「いやまあ、ギリギリね。何とか踏みとどまってくれたんで、これでも大きいと思うんで。負けるんと引き分けじゃ全然違うんでね」 3-1の九回先頭から3連打を浴びて1点を失い、1死一、三塁から代打・福留の打球は左翼手の頭上を越えた。2者が生還してもおかしくなかったが、フェンスに直撃した打球は隙間に挟まり、エンタイトル二塁打で1失点のみ。珍現象に逆転サヨナラ負けから救われると、1死二、三塁から高橋周は申告敬遠。木下拓の三ゴロ併殺で、命からがら引き分けた。 とはいえ、スアレスを責める人間など三塁側ベンチには誰一人いない。今季34度目のセーブ機会での登板で、これが初めての失敗。セーブ機会での失点も、6月10日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来、15試合&3カ月半ぶり。ドローに持ち込んだことで「八回終了時にリードしていれば開幕から56連勝」という数字も続いた。指揮官に「優(岩崎)とスアちゃんを出した時点で、俺の仕事はほぼほぼ終わり」と言わせるほどの安定感で、ここまで支えてくれた。 昨季、唯一黒星を喫したのも10月15日の中日戦(ナゴヤドーム)だった。そういう土地かもしれないが、今季はもうここでのゲームはない。被安打4も虎入り後ワーストだったが、名古屋のファンに手を振り、前を向いて進めばいい。矢野監督も同じ気持ちだ。 「スアちゃんがいなければこの位置にいない。この結果も受け止めているし、粘ってくれたのは明日につなげられる要素ではある。そこは何も心配はしていない」 信じて託しているから悔やむところではない。最後に胴上げ投手になってくれれば、そんな日もあったねと振り返ることができる。(長友孝輔)

◆帰ってきたぞ! 阪神は中日と3―3で引き分け、1日での首位復帰はならなかった。この日、1軍昇格して即「7番・右翼」でスタメン出場した佐藤輝明内野手(22)は4打数無安打も、四回に右翼ポールを直撃しようかという大飛球。前半戦の快進撃をけん引したルーキーが復帰し、役者はそろった。24日から3位巨人と敵地で3連戦。宿敵をたたき、前半戦の勢いを取り戻す。負けなかった。ただ、勝ちきれなかった。幻のホームランは何か起こしてくれそうな期待を抱かせたものの、まさかのドロー決着。チームも自分自身も是か非か判断のつきづらい結末に、佐藤輝は言葉を絞り出した。 「結果が出ていないので、何とも言えないですけど...」 9月5日の巨人戦(甲子園)以来のスタメン出場。10日に初めて登録抹消されてから13日ぶりの1軍だった。しかし、4打数無安打で自己ワーストをさらに更新する39打席連続無安打。チームは3-1の九回に守護神・スアレスが同点に追いつかれ、痛恨ドロー。打線は最近5試合で計9得点、今季ワーストの6試合連続ノーアーチと、深刻な貧打の解消に一役買うことはできなかった。 ただマイナス面ばかりを数えても、前には進めない。手応えを残したスイングも確かにあった。 「いい当たりも出たので、ポジティブに、また次に向けてやっていきたいです」四回1死一塁。先発・笠原の初球、内角高め126キロをとらえた。白球は右翼ポール際スタンドにズドン! 見る者が驚く飛距離で一塁塁審の手が回った。しかし、中日がリプレー検証を要求。ボールはポールのわずかに外を通過しており、判定は無情にも覆った。それでも、持ち味のフルスイングで放った〝幻の24号〟は場内を騒然とさせ、ベンチにも笑顔をもたらした。球団の新人記録を更新する23本塁打を放ち、前半戦の快進撃の一翼を担ったルーキーの復帰は、後半戦で苦戦するチームの空気を確かに変えた。試合前には仲間たちの前で「フレッシュな僕が入ったことにより、このチームの流れを変えられるように頑張ります」と凱旋のあいさつ。矢野監督も「『ムードを変える』って試合前の円陣で言っていた。結果は出なかったけど、そういうピースになってくれたら」とテル効果に期待を寄せた。ヤクルトと巨人との優勝争いが佳境に入る中、チーム状況は決していいとはいえない。後半戦は15勝15敗3分けと、貯金を増やせていない。しかし、打席に立つだけで空気を変える男が帰ってきた。役者はそろった。24日からは敵地・東京ドームで3位巨人と3連戦。今シーズンの対戦成績は9勝9敗1分けの五分。16年ぶりのリーグ制覇に向けて、宿敵に勝ち越すことは必須課題だ。「負けられない戦いだと思っていますし、少しでもチームのために、自分のできることをやっていきたいと思います」それは佐藤輝も十分に承知。次はマボロシではなく、ホンモノの豪快弾をぶっ放して、チームのVばく進に貢献する。(原田遼太郎)★輝「すごくやりやすい環境」 1軍に戻ってきたルーキーは先輩たちに温かく迎えられました。「すごくやりやすい環境を作ってくれる。結果で応えたいと思います」と本人も感謝の気持ちでいっぱいでした。2軍の練習に駆けつけて指導した井上ヘッドは、幻のアーチのあとに「なんであの30センチ、50センチ、もうちょっとこっちに行かへんの?」と声をかけたことを明かし「楽しみな素材を一生懸命見つけて『こんないいこともあったやないか』って、ポジティブな雰囲気だけを前面に出していくしかない」と打線の起爆剤に期待しています。

◆復帰即ホームランは何本か見てきた。ホントにすごい打者だけが演じることができる〝離れ業〟だ。 記者生活で目撃した一番衝撃的な「復帰即アーチ」は、もう32年も前のこと。西武・清原和博が近鉄戦で1試合2発も放り込んだ。ヤジの品のなさなら〝世界一〟だった、あの藤井寺球場のファンも絶句、沈黙したほど。 この時の清原は故障からの復帰でもなければ、不振からの復帰でもなかった。この衝撃弾の3日前の1989年9月23日。死球に激こうして、投手に向かってバットを投げ、さらに飛び蹴りを食らわすという、史上空前の大立ち回りを演じた清原。結果、出場停止を食らう。もちろん、マスコミからは袋叩き。「暴力はいけない。ましてバットを投げつけるとは何事か」と。 つまり、清原という稀代のスラッガーは、謹慎明けの、好奇の目にさらされる中での「復帰即ホームラン」だった。それも2発。尋常ならざる精神力の持ち主でなければ打てない。まさしく〝離れ業〟だった。 長い年月を経て、虎の怪物ルーキーが復帰戦で放ったのは、幻のホームラン。考えてみれば、ホームランを打つより難しい「復帰即まぼろし~」。当然ながら、見たことがない。聞いたこともない。サトテルが歴史上の人物であることを、また1つ、証明したようなものだ。 「おかえりサトテル」デーは、試合前から活気にあふれていた。早々とバンテリンドームの記者席に陣取ったトラ番・織原祥平は、合流した背番号8を「どんな小さな動きも絶対に見逃さないぞ」と決死の覚悟で追い続けた。バックネット前のケージでティー打撃を開始すると、ドームのファンが少しでも近づいて写真を撮ろうとする。密はいけないんだが。最近は、サトテル以外ではめったに起きない光景。人気者はそんなファンに手を振る余裕も。これ、すべて織原の報告だ。さらに、フリー打撃が始まるとホームラン数をカウント。キャンプ、オープン戦では恒例行事だが、シーズンも押し詰まって、こんな密着、熱視線を受ける選手は、やっぱりサトテルしかいない。「ホームラン数を入れた速報を送りました」織原が会社に連絡している。こんな速報が世に出るのも、サトテルだけだ。「ベンチ前で、声を出すと、他のナインからも声が飛んで、ベンチがすごく明るくなってます。同期入団の中野クンもうれしそう。話し相手が戻ってきたこともあるんでしょう。2人に加えて、伊藤(将)クンが先発だから、スタメンにルーキーが3人。3人で1面から3面を埋め尽くす試合になってくれたらいいんですが」織原の予想は的中率33%ぐらいか。1面は「幻弾」のサトテルだが、まさかスアレスが2点のリードを守れない展開が待っていようとは。好投した伊藤将も、好守を披露した中野も、埋没してしまう残念な結果に。まあ、長いシーズン、こんな日もある。きょうから巨人戦。頼むよ。そして、マジック1の虎弟はオリックス戦が、なんと甲子園開催。さあ1軍の〝前祝〟! 平田監督が甲子園で宙に舞う-。痛恨ドローは1日で忘れましょうね。

◆「2点リードの九回のマウンドに立ったセーブ王独走のスアレスが何で同点に追いつかれんねん!!」「いやいや、同点でなお1死満塁サヨナラの大ピンチをゲッツー。負けなくて良かったア!!」 う~む、どっちが正直な気持ちなんだろう? 自分でも自分の気持ちが分からない~!! そうでしたか...。『秋分の日』の本当の意味は「秋の引き分けの日」ということなんですねェ...。いや、風流でいいですなあ...。日本人に生まれて良かった~って、誰がそんな気持ちになれるかい!! 最後はさておき、七回まで3安打、マルテのタイムリーの1点だけの貧打線じゃあ勝てませんよ...。 最近6試合は0、1、1、3、1、3。1試合平均1・5得点だもん...。えっ、視力検査ならバッチリだって? アホかあ!! だったら、ギニア生まれのサンコンさんは2キロ先のシマウマまで見える「6・0」もあったんだよー! よーし、かくなる上は次の巨人戦は全員ハズキルーペをかけて1試合6・0得点のサンコン打線に変身してやろうじゃねーか!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
574215 0.576
(↑0.005)
-
(-)
29504
(+4)
427
(+2)
115
(+2)
66
(-)
0.259
(-)
3.530
(↑0.01)
2
(-)
阪神
63486 0.568
(-)
0
(↑0.5)
26460
(+3)
449
(+3)
105
(-)
99
(+2)
0.250
(↓0.001)
3.550
(↑0.01)
3
(-)
巨人
574616 0.553
(↑0.004)
2
(-)
24485
(+5)
449
(-)
150
(+3)
62
(-)
0.247
(↓0.001)
3.570
(↑0.03)
4
(-)
中日
475815 0.448
(-)
13
(↓0.5)
23358
(+3)
396
(+3)
63
(-)
54
(-)
0.240
(-)
3.190
(↑0.01)
5
(-)
DeNA
465814 0.442
(↓0.005)
13.5
(↓1)
25474
(+2)
519
(+4)
119
(-)
25
(-)
0.258
(-)
4.190
(-)
6
(-)
広島
446111 0.419
(↓0.004)
16
(↓1)
27421
(-)
494
(+5)
96
(-)
52
(-)
0.258
(↓0.001)
3.940
(↑0.01)