阪神(★1対8☆)巨人 =リーグ戦19回戦(2021.09.19)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
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勝利投手:菅野 智之(5勝6敗0S)
敗戦投手:ガンケル(7勝3敗0S)

本塁打
【巨人】吉川 尚輝(5号・2回表3ラン),坂本 工宜(17号・2回表2ラン),ウィーラー(12号・7回表ソロ)

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◆巨人は1点ビハインドの2回表、大城が2点適時打を放ち、逆転に成功する。その後も吉川の3ランと坂本の2ランが飛び出し、この回7点を挙げた。投げては、先発・菅野が7回1失点の好投で今季5勝目。敗れた阪神は、先発・ガンケルが乱調で、打線も1得点と振るわなかった。

◆巨人菅野智之投手(31)が阪神戦に今季初登板。 阪神戦は通算18勝9敗だが、東京ドームが8勝7敗に対し、甲子園球場では10勝2敗。甲子園球場の黒星は14年5月11日と18年5月25日だけで、同球場の通算防御率は1・71。

◆チーム最年長の阪神糸井嘉男外野手(40)が「5番右翼」で、今季巨人戦では初めてスタメン起用された。先発は14日ヤクルト戦以来3試合ぶり、今季12試合目。 巨人菅野とはチームは今季初対戦で、昨季は5試合で1勝4敗と苦手にした。 糸井は今季の巨人戦は5試合に代打で登場し、5打席で4打数3安打の打率7割5分、適時二塁打を2本放って2打点を挙げるなど好相性を見せている。

◆ファーストピッチセレモニーに「パワプロくん」が登場し、剛速球で球場をどよめかせた。 試合は「パワプロナイター」として開催され、パワプロアプリでコラボレーション中の「鬼滅の刃」の竈門炭治郎、禰豆子のマスコットも応援に駆けつけた。 マウンドの手前から、バットの代わりに刀を持ったトラッキーに向かって、外角へ力のある直球を投げ込んだ。球場のビジョンには「113キロ」と表示され、拍手にグラブを上げて応えていた。

◆巨人が久々のビッグイニングを決めた。1点を先制された直後の2回、先頭亀井の中前打から打者12人で2本塁打を含む7安打で7点を奪った。1イニングの7得点以上は6月12日ロッテ戦以来で、その試合は勝利している。9月は3勝8敗4分けと波に乗り切れていない巨人に漂うどんよりした空気を「わっしょい猛攻撃」で振り払い、このまま敵地で首位阪神を撃破となるか。

◆先発の阪神ジョー・ガンケル投手(29)が、いずれも来日後ワーストとなる2回7失点(自責6)で降板した。先制した直後の2回に味方の失策も絡んで、まさかの1イニング7失点を喫した。 初回はテンポよく無失点に抑え、その裏に糸原の中前適時打で先制。しかし、2回に先頭亀井、丸に連打を許し、1死二、三塁から大城に中前へ2点適時打を浴び逆転を許した。 なお1死一塁から菅野のゴロを処理したガンケルが二塁へ送球するも、カバーに入った遊撃手中野が捕球ミス。1死一、三塁とピンチを広げると、吉川にバックスクリーンへ3ラン。続く松原にも中前打を浴び、今度は坂本に左中間へ2ランを許した。 中野の失策で12球団最多のチーム失策数は75となった。バタバタと落ち着かぬ間に打者一巡の攻撃を受け大量失点。ここまで7勝を挙げていたガンケルも、リズムを取り戻すことはできず、首位を走る阪神にとってまさかの展開となった。

◆首位阪神が失策絡みで一挙7失点した。 3・5ゲーム差をつけている3位巨人との直接対決。勝てば宿敵との差をさらに広げられる一戦、1回裏に3番糸原健斗内野手(28)の中前適時打で幸先よく先制する。だが2回表、先発ジョー・ガンケル投手(29)が巨人打線に捕まった。 連打で1死二、三塁のピンチを招くと、8番大城の中前2点適時打で逆転される。決して痛烈な当たりではなかったが、前進守備を敷いていた二塁糸原がバックハンドで止められなかった。 なおも1死一塁、今度は9番菅野の投前犠打に対するガンケルの二塁送球がそれる。これを遊撃手の中野拓夢内野手(25)がキャッチできず、一、三塁にピンチが広がった(記録は中野の失策)。ここから1番吉川の中越え3ラン、3番坂本に左中間2ランを食らい、この回だけで7失点を喫した。 これで両リーグワーストのチーム失策数は75となった。

◆セ・リーグ首位の阪神と3位の巨人が対戦。予告先発は阪神がガンケル、巨人は菅野。

◆首位阪神が宿敵との直接対決で大敗し、2位ヤクルトに1・5ゲーム差、3位巨人に2・5ゲーム差まで迫られた。 1回裏、3番糸原健斗内野手(28)の中前適時打で幸先よく先制。だが2回表、先発ジョー・ガンケル投手(29)が失策絡みで大炎上した。 2連打から1死二、三塁とされると、8番大城に逆転中前2点打を献上。なおも1死一塁、9番菅野の投前犠打に対するガンケルの二塁送球がそれ、これを遊撃手の中野拓夢内野手(25)が後逸し、一、三塁にピンチを広げた(記録は中野の失策)。 ここで踏ん張りきれず、1番吉川に中越え3ラン、3番坂本には左中間2ランを浴び、この回だけで7失点。結局、ガンケルは2回7失点で自身2連敗となる3敗目(7勝)を喫した。 調子が上がらない打線は、今季初対戦となった巨人菅野に7回5安打1失点の好投を許した。これで両リーグワーストのチーム失策数は75となった。

◆初回に先制された巨人が2回に逆転した。大城の2点適時打、吉川5号3ラン、坂本17号2ランと7安打を集中し7点を奪った。 阪神は継投策で3回から6回まで巨人に追加点を許さず。巨人先発の菅野は6回まで5安打1失点と安定感抜群の投球を続ける。 巨人は7回にウィーラーの12号ソロでダメ押し。菅野は今季5勝目。阪神は先発ガンケルが自己ワースト2回7失点と誤算だった。

◆首位阪神が3位巨人に敗れ、2位ヤクルトが勝ったためゲーム差は1・5差となった。阪神は初回に先制したが、先発のジョー・ガンケル投手(29)が2回に一挙7失点で逆転された。矢野燿大監督(52)の試合後の一問一答は以下の通り。 -ガンケルは守備のミスもあったがよくなかったか 矢野監督 もちろんあれだけ振られているような感じがあったので。コースももちろん甘いやろうし、球の質っていうところもよくなかったんだろうなと思っている。 -1点リードの2回1死二、三塁、8番大城の時の前進守備は相手投手のことも考えて勝負に 矢野監督 いやまあ次もピッチャーやしね。うん。(ガンケルは)ゴロを打たすピッチャーなんで、うん -来週末も巨人戦だが次回はガンケルは 矢野監督 ちょっと今から考えようかなと思うけど。 -打線は先制しながらもあとが続かなかった 矢野監督 ちょっと流れ的にね、ちょっと7点は多かったし。まあ菅野もそんなにすごいいいって感じでもなかったんで、もう1度何とかしたかったけどね、ズルズルいっちゃって。自分たちの野球っていうのがほぼできなかったっていうのが残念かなと。 -サンズの状態が上がってこない 矢野監督 誰かそこら辺の4番以降のバッターがちょっと状態がみんな上がってないんでね。何とかやりくりしたいんやけど。まあ考えます。 -今季初対決だった菅野の印象は 矢野監督 やっぱり状態的には去年の方が見ててよかったし。絶好調という感じには見えなかったけどね。

◆阪神の3番糸原健斗内野手が、唯一の得点をたたき出した。 1回1死三塁、1ボール2ストライクから甘く入った147キロ直球を中前に運び、菅野から先制点をもぎ取った。8回2死一塁でも中川から左前打。これで4試合連続安打、2試合連続マルチ安打と状態を上げている。

◆阪神ジョー・ガンケル投手(29)がともに来日2年目でワーストの2回7失点で3敗目を喫した。 初回は無失点も、2回は味方の失策も絡んでリズムに乗れず2被弾。2回で53球を要し、8安打と打ち込まれた。「チームがいい形で先制してくれたのに、自分の投球で試合を崩してしまい申し訳ない。ランナーのたまった状態で失投してしまい、大量点につなげてしまった」。前回12日DeNA戦も2被弾で6回5失点で今季初の連敗となった。

◆阪神浜地真澄投手は2戦連続で2回無失点とアピールを続けている。1-7の3回に2番手で登板し、2回を5奪三振で無失点。4回は先頭坂本を安打で出し、暴投もありながら4番岡本和から3者連続三振に仕留めた。「0点で帰ってくることができて、自分にとっても大きな登板になったのかな」とした上で「まだまだ修正しなければいけない課題も多い」と反省も忘れなかった。 ▽阪神斎藤(8回に登板し2回1安打無失点)「四球を出したりとピンチをつくってしまったたことは反省ですが、なんとか2イニングを0点で抑えることができて良かったです」

◆巨人原監督の直接指導が実った。試合前練習でアドバイスした丸が2回の猛攻撃を演出する安打を放てば、ウィーラーも7回に約1カ月ぶりの12号ソロ。復調の兆しを見せた2人に「いいきっかけにしてね。彼らが中心選手。先頭集団で引っ張ってもらいたい」と期待した。首位阪神とのゲーム差を2・5に縮めたが「これからが選手たち、チームの腕の見せどころですから」と引き締めた。

◆巨人の1イニング7得点の「わっしょい猛攻撃」を演出したのは、亀井善行外野手(39)だった。 1点を追う2回。鋭いライナー性の中前打で出塁すると、次打者丸の右前打で一気に三塁を陥れる激走。好機を広げると、その後は打線がつながって打者12人、2本塁打を含む7安打7得点へと導き、阪神先発のガンケル攻略の突破口となった。走攻守で元気いっぱいのベテランの姿に、原監督も「まずやっぱり、亀井のバッティング、それと走塁。非常に勢いをつけたと思いますね。まあ、何ていうか、若々しいね。プレーというものがね、一つ大きな要因だったように思いますね」と称賛した。

◆巨人菅野智之投手(31)が7回1失点で今月3勝目と復活を印象づけた。 初回に先制を許したが、大量援護を受けてテンポのいい投球を取り戻した。「粘り強く、打線の援護もあったのでノーストレスで投げることができた」と納得の表情。「自分自身も大事な一戦になると分かってましたし、おそらく来週も当たると思うので意識して投げた」と、中5日での再戦が濃厚な25日阪神戦へのくさびも打った。

◆眠れる巨人打線が1イニング7得点の猛攻で"誇り"を取り戻した。1点を先制された直後の2回。先頭亀井善行外野手(39)が中前打で口火を切ると、丸佳浩外野手(32)が右前打で続いた。一塁走者の39歳亀井も激走でチャンスを拡大。1死二、三塁から、大城卓三捕手(28)が前進守備の二塁手の横を抜ける中前への2点適時打で逆転に成功した。 "お掃除打線"はさらに加速した。1死一、三塁で吉川尚輝内野手(26)がバックスクリーンへ5号3ラン。「チャンスだったので、思い切って行けました」と敵失で塁上にたまった走者を一気に片付けた。1死二塁からは坂本勇人内野手(32)が2戦連発の17号2ラン。「(吉川)尚輝が良い打撃をしてくれた。良い流れで打席に入れた」。6月12日ロッテ戦以来今季2度目の1イニング7得点。終わってみれば今季4度目の先発野手全員安打となった。 試合前の円陣で"大掃除"の号令がかかっていた。声出しを務めた八百板卓丸外野手(24)が9月19日の語呂から「今日は『クイックルの日』です!」と雑学を披露すると「走者をためて、お掃除していきましょう!巨人の"ホコリ"をかけて戦いましょう!」。1軍昇格4日目で声出しの大役を任された八百板の渾身(こんしん)の呼び掛けに呼応するかのように、13安打8得点で走者を"お掃除"した。 試合前時点で9月は3勝8敗4分けだった重たいムードも、伝統の一戦での大勝でさっぱりと一掃した。首位阪神とは2・5ゲーム差に接近。原辰徳監督(63)は「いい形でまた来週から戦いに挑んでいくということですね」とすがすがしい表情で引き揚げた。"誇り"を取り戻した巨人が、ここから虎と燕との混戦もきれいに片付ける。【小早川宗一郎】

◆阪神井上一樹ヘッドコーチ(50)は天敵を"アシスト"した展開を嘆いた。 今季初対戦の菅野から初回に糸原の中前打で先制点を奪ったが、直後の2回の7失点に「初回にああやって先制したのにもかかわらず、その後ビッグイニングで楽に投げさせてしまった。言い訳になってしまうけど」と悔やんだ。 本調子とは言えない右腕に7回5安打1得点と2回以降はゼロ行進。昨季5試合で4勝1敗、防御率2・25と苦手にした相手を攻略できなかった。菅野は次回25日の敵地戦に回るとみられ、井上ヘッドは「楽に投げる要素を作ってしまったのはこっちだから。そこは次はそういうことがないように、それを念頭にやらないといけない」と先を見据えた。

◆巨人が首位阪神相手に投打がかみあって快勝した。先発菅野智之投手(31)は初回に1失点で先制を許したものの、2回に7点の援護を受けたのも追い風に7回1失点。打線は2回に打者12人の集中打で7得点を奪い、主導権を完全に握った。敵地での伝統の一戦を制してゲーム差を2・5に縮めた原辰徳監督(63)の、試合後の主な一問一答は以下の通り。 ? -先発菅野が今季5勝目 原監督 点数というものにも助けられたと思うしね、自分のフィールディングっていう部分においても、非常にプラスだったと思うしね。その中でリズムもどんどん良くなってきたという感じだと思いますね。 -2回は亀井の安打から、相手の失策もあったが打線がつながった 原監督 非常にツキもあったと思います。そこをつけ込むことができたというのがね、あのビッグイニングにつながったと思います。まずやっぱり、亀井のバッティング、それと走塁。非常に勢いをつけたと思いますね。まあ、何ていうか、若々しいね、プレーというものがね、1つ大きな要因だったように思いますね。 -残り試合にむけて 原監督 1戦1戦ですね。これからが選手たち、チームが腕の見せどころですから。そういう意味では、我々もさらに気を引き締めて、集中力を持ちながら力を出し切るという1戦1戦にしたい。

◆今季、甲子園では公式戦最後となる「伝統の一戦」で阪神が巨人に大敗した。 相手先発は菅野。お互い負けられない試合で、初回1死三塁で巨人が前進守備を敷く中、糸原が中前適時打で先制した。だが、2回に先発ガンケルが大炎上。1死二、三塁、8番大城の場面で阪神も前進守備を敷いた。矢野監督は「(打順が)次も投手だし(ガンケルは)ゴロを打たす投手なんで」と作戦の意図を説明。大城を狙い通り高いバウンドのゴロに打ち取ったが、二塁手糸原の横を抜けて逆転の2点適時打となった。 続く菅野の投手前のバントをガンケルが二塁へ送球したが、ベースカバーの遊撃手中野が捕球できず失策。12球団ワーストの75個目の失策でピンチを広げると、吉川に3ラン、坂本に2ランと打者12人攻撃を食らった。ガンケルは自己最短の2回、同最多の7失点でKOされ3敗目。矢野監督は「あれだけ(バットを)振られているような感じがあったので、コースももちろん甘いだろうし球質もよくなかったんだろう」と振り返った。ローテーション順なら24日からの巨人3連戦に登板するが「ちょっと、今から考える」と回避も含めて熟考することになった。 打線は今季初対戦の菅野に7回で1得点と抑えられた。菅野もローテ通りなら週末カードでの再戦が待っている。矢野監督は「状態的には昨年の方が見ていてよかったし、絶好調という感じには見えなかった」と、昨年1勝4敗と苦手とした姿ではないと見ている。 この日も5番に糸井を入れるなど組み替えた。今季初めて7番に入ったサンズは4打数無安打で4試合無安打が続く。「4番以降の打者が、ちょっと状態がみんな上がってないんで。何とかやりくりしたいんやけど。考えます」と苦悩は続く。2位ヤクルトが勝って7日以来の1・5ゲーム差に縮まった。21日からは中日、巨人と敵地で6連戦。優勝争いは激しさを増している。【石橋隆雄】 ▼阪神は最短21日に首位から陥落する。21日阪神●なら、ヤクルトが20、21日に○○または○△。21日阪神△ならヤクルトが20、21日に○○のとき。なお阪神●でヤクルト○△、阪神△でヤクルト○○のとき、ヤクルトは阪神にマイナス0・5差の首位となる。

◆巨人坂本勇人内野手(32)が、2戦連発の17号2ランで、大勝へ導いた。 吉川の3ランなどで5点を追加し、押せ押せムードの2回1死二塁。阪神ガンケルの真ん中付近のツーシームを左中間席へ運んだ。「(吉川)尚輝が良い打撃をしてくれた。そこから(松原)聖弥もつないでくれたし、良い流れで打席に入れました」とチームメートに感謝した。 11日の中日戦(東京ドーム)の試合前練習で、原監督からの助言を受け、力を抜いて楽に構えるフォームに微調整。「昔ああいう形で打っていましたけど、また、全然違うイメージ。いろいろ探りながらやっていますけど、結果として打てているので、いいんじゃないか」と一定の手応えを口にした。 フォーム変更後は、24打数12安打4本塁打と打線をけん引する。優勝争いも激しくなる中、ガッツポーズで感情を表すシーンも増えてきた。「まず、コンディションをしっかり整えながら。大事な試合が続くので、チームに貢献できるように頑張ります」と次を見据えた。【小早川宗一郎】

◆電光石火の攻撃で阪神が先制に成功した。 一回、近本が右翼線二塁打を放つと、中野の犠打で1死三塁。いきなり好機を作り、糸原が今季初対戦となった巨人・菅野の5球目、高めの147キロを中前へはじき返し、先制点を挙げた。 チャンスを作った近本は今季、初回先頭での打率が・333(111打数37安打、試合前時点)で、4本塁打の好成績。この日もいきなり勝負強さを見せ、得点を演出した。また糸原は昨季、菅野との対戦打率が・400(10打数4安打)の好相性で、今季初対戦でもデータ通りの活躍を見せた。

◆阪神の先発、ジョー・ガンケル投手(29)は自己最短&ワーストの2回8安打7失点(自責6)でKOとなった。1―0の二回だ。連打などで1死二、三塁とされ、大城の2点打であっさり逆転を許した。なおも1死一塁で菅野の犠打を処理し、二塁のカバーに入った遊撃手・中野へ送球したが、捕球できず、一、三塁にピンチを広げた(記録は中野のエラー)。直後に吉川にバックスクリーンへ3ランを被弾し、その後も坂本にも2ランを浴びて一挙7失点。その裏の攻撃で代打が送られて無念の降板となった。

◆3位からの逆転優勝へ、首位・阪神との伝統の一戦。G戦士の執念が二回の攻撃で爆発した。打者12人の猛攻の中、最も相手にダメージを与えたのは、5号3ランで勢いをつけた吉川だ。 「チャンスだったので、思い切っていきました。最高の結果になりました」 1点を追う二回。1死二、三塁で大城が逆転の2点中前打を放ち、相手の失策で好機は拡大。1死一、三塁で打席に入った吉川が、低めのスライダーを強振すると、打球はぐんぐん伸び、甲子園のバックスクリーンへ吸い込まれた。 8月31日以来16試合ぶりのアーチで、パンチ力を見せつけた。さらにその後、坂本が「いいスイングができた」と、最近4試合で4発目となる17号2ラン。調子がいまいち上がらなかった丸、大城にも安打が出て、今季最多タイの1イニング7得点。7勝右腕のガンケルをこの回で引きずり降ろした。 「これからが本当の選手の個々の力が出せるところ。出せない人はやっぱり力不足ですよ」 2回、2点本塁打を放つ坂本勇人=甲子園球場(撮影・門井聡) 原監督は試合前、28試合を残して優勝争いが大詰めを迎える今こそ、選手の真価が問われると強調した。それに応えるように打線が奮起。シーズン最終盤の猛反撃を予感させるビッグイニングだった。

◆阪神は今季最後の甲子園での伝統の一戦で完敗した。先発のガンケルが二回に打者一巡の猛攻を食らい、2被弾を含む7安打7失点。自己最短の2回でマウンドを降りた。 打線は一回に糸原のタイムリーで幸先よく先制したが、二回以降は今季初対戦となった菅野の前に沈黙した。この試合が今季の巨人との本拠地最終戦。引き分け以上で勝ち越しが決まる一戦だったが、敗れたことで戦績は6勝6敗1分の五分となった。順位の変動はなかったものの、広島に勝利した2位ヤクルトとは1・5ゲーム差、巨人とは2・5ゲーム差となった。

◆阪神は一回に糸原健斗内野手(28)の適時打で先制したものの、先発のジョー・ガンケル投手(29)が二回に7点を失い、巨人に完敗した。これでヤクルトとは1・5差、巨人とは2・5差となった。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ーーガンケルは守備のミスもあったがよくなかったか 「まあね、もちろんあれだけ振られているような感じがあったので。コースも甘いやろうし、球の質っていうところもよくなかったんだろうなと思っている」 ーー1点リードの二回1死二、三塁の前進守備は相手投手のことも考えて 「いやまあ次もピッチャーやしね。うん。ゴロを打たすピッチャーなんで、うん」 ーー来週末も巨人戦だが次回、ガンケルは 「ちょっと今から考えようかなと思うけど」 ーー打線は先制しながらも続かなかった 「ちょっと流れ的にね、ちょっと7点は多かったし。まあ菅野もそんなにいい感じでもなかったんで、もう一度何とかしたかったけどね、ズルズルいっちゃって。自分たちの野球っていうのがほぼできなかったっていうのが残念かなと」 ーーサンズの状態が上がってこない 「ねえ、だから誰かそこら辺の4番以降のバッターが状態がみんな上がってないんでね。何とかやりくりしたいんやけど。まあ考えます」 ーー今季初対決だった菅野の印象は 「まあやっぱり状態的には去年の方が見ててよかったし。絶好調という感じには見えなかったけどね」

◆巨人は先発の菅野が94球を投げて、7回を5安打6三振1四球1失点で、5勝目(6敗)を挙げた。今季初対戦となった首位の阪神相手に好投した。チームはこの勝利が9月4勝目と苦戦しているが、そのうち3勝がエースの白星となった。 --投球を振り返って 「先制点は取られてしまったんですけど、粘り強く、打線の援護もあったのでノーストレスで投げることができました」 --二回の7点の援護は大きかった 「はい。自分のバントは失敗気味だったんですけど、運があったのかなと思います」 --阪神戦は今季初登板。チームにとっても大事な一戦だった 「そうですね。自分自身も大事な一戦になるとわかっていましたし、おそらく来週も当たると思うので、そこは意識して投げました」 --今日一番良かったところは 「序盤は真っすぐ中心に組み立てて、ここ最近は組み立てとしてフォークボールをうまく使えているので、そこらへんが良かったんじゃないかなと思います」 --9月は4試合で3勝。手応えは 「徐々に安定はしてきていると思う。ただ、まだまだな部分も多いと思うので、ここから残り27試合、最後までもっともっと調子を上げていけるように頑張りたい」 --改めて来週への意気込みを 「今日のチームの勢いもまた来週の戦いにつながると思うので、自分もそこに乗っていけるようにまだまだ頑張りたいと思います」

◆巨人はガンケルを一気呵成に攻めた。0―1の二回だ。大城がしぶとく中前に逆転の2点打を転がすと、吉川と坂本には本塁打が出て一挙に7点を奪った。失策にも乗じて畳み掛け、原監督は「非常にツキもあった。そこをつけ込むことができたのが、ビッグイニングにつながったと思う」とご満悦だった。 監督はこの回の先頭打者で安打を放ち、続く丸の右前打で三塁を陥れる好走塁を見せた亀井をポイントに挙げた。「非常に勢いをつけたと思う。若々しいね、プレーというものがね」とベテランをねぎらった。

◆巨人は二回に大城の逆転2点打、吉川の3ラン、坂本の2ランで一挙7得点を挙げた。投げては先発の菅野が7回1失点で5勝目。原監督が試合を振り返った。 --先発の菅野が好投 「7回を1点に抑えたわけですから、良かったと思います」 --二回は亀井の好走塁、大城の適時打、本塁打と多彩な攻撃 「非常にツキもあったと思います。そこにつけ込むことができたというのがね、あのビッグイニングにつながったと思います」 --今年の巨人がペナントを取るために、残り試合のポイントは 「まだまだ。一戦一戦ですね。これからが選手たちもチームも腕の見せどころですから。そういう意味ではわれわれも、さらに気を引き締めて、集中力を持ちながら力を出し切るという一戦一戦にしたい」 --二回はここ最近の試合でほしかった集中打が出た 「立ち上がり、決していい状態で二回を迎えたわけではないしね。そういう意味では非常に大きなイニングになりましたね」 --亀井から始まり、8番の大城が返して (食い気味に)「まずやっぱり、亀井のバッティング、それと走塁。非常に勢いをつけたと思いますね。若々しいね、プレーというものがね、一つ大きな要因だったように思いますね」 --試合前には自ら丸、ウィーラーを指導。丸は二回につなぎ、ウィーラーも一発が出た 「うん、まあまあ、何かいいきっかけでね、彼らがやっぱり中心選手ですからね。何とか先頭集団で引っ張ってもらいたいよね」 --菅野が7回1失点。打線の援護もあったが、二回以降はリズムよく投げているように見えた 「点数というものにも助けられたと思うしね、自分のフィールディングという部分においても、非常にプラスだったと思うしね。その中でリズムもどんどん良くなってきた、という感じだと思いますね」 --投打がかみ合ってすっきり 「そうですね。いい形でまた来週から戦いに挑んでいくということですね」

◆ライバル巨人に完敗。しかも、終わってみれば一回の1得点のみ。最近3試合で2得点の打線の機能不全は解消する気配がない。本紙専属評論家・土井正博氏(77)は6番・大山ら走者をかえす打者に「全打席打とうとしすぎ。一日一善でいい」と気持ちの部分でのアドバイスを送りつつ、「相手捕手との駆け引き」の重要性を説いた。 ◆打線「線」ではなく「点」に 二回の一挙7失点で参考外の試合になった。決して調子のよくない菅野にも、外角中心の攻めでノビノビ投げられてしまった。ただ、攻撃陣が陥っている得点力不足は依然、重症のままだ。打線が「線」ではなく「点」になっているから、1点を奪うのが精いっぱいの状態が続いている。 現状のオーダーで1番から3番は十分に機能している。マルテを3番に戻したいが、代わりに4番を打てる文句なしの打者も不在。今は糸原が何とか「かえす」役割も果たしているから、マルテを4番にして、5番以降を糸井、大山、サンズ、ロハスらで日替わりになるのも仕方がない。 4番以降の打者、特に大山に顕著だが、全打席、ヒットかホームランを打とうと気持ちばかりが前面に出てしまっている。一日一善、4打席のうち一度、チャンスの打席のどこか一度打てばいい、ぐらいの気持ちで打席に入ればいい。 圧勝した巨人だって、二回の攻撃だけだ。どこかで一本打っておけば、とリラックスして打席に入ることを勧めたい。全打席打つ打者なんて見たことがないのだから。 ◆「捕手との勝負」工夫が必要 ただし、どこかの1打席で打つための工夫は必要。私自身も経験したし、指導した何人もの打者にアドバイスを送ったのは「捕手との勝負」だ。投手は何人も交代してくるから、それぞれの球種に対応するのは大変。が、捕手は比較的少ない。その捕手と駆け引きをするのだ。 ある球種を狙っているような動きを見せて、次の打席で裏をかく。エサをまいて、1試合トータルで考え、勝負の1打席で仕留める。そんな戦い方もある。すべて打とうとする大山は、ほんの少しの切り替えで、一気に変わるような気がする。一日一善で十分なんだ、と。 もう一つ、重要なのは投手がこの日のように大量失点しないこと。接戦に持ち込み、元気な1番から3番を、一日一善の4番以降が、どこかでかえす。開き直ればいい。毎イニング、「線」になる必要はないのだから。(本紙専属評論家)

◆阪神・ガンケルは自己ワーストの2回7失点でKO。今季3敗目を喫し「自分の投球で試合を崩してしまい申し訳ない。ランナーのたまった状態で失投してしまい、大量点につなげてしまった」と猛省した。二回に2被弾を含む7安打と打ち込まれた助っ人右腕の次回登板について、矢野監督は「今から考えようかなと思う」と話し、先発ローテを再編する可能性を示唆した。

◆前のめりに目の前の1点を防ぎにいき、突き破られた。今季最後の甲子園での「伝統の一戦」は、屈辱の1イニング7失点で二回に大勢が決まった。宿敵を相手に、ここまで自分たちの悪いところばかりがあふれ出しては、阪神・矢野監督も嘆くしかなかった。 「菅野もそんなにすごいいいって感じでもなかったんで、もう一度何とかしたかったけどね。ズルズルいっちゃって。自分たちの野球っていうのがほぼできなかったっていうのが残念かなと」 一回先頭の近本が二塁打、中野が絶妙な三前犠打で送り、糸原が中前先制打を放つまでは鮮やかだった。しかし直後の二回に、先発のガンケルが1死二、三塁のピンチを背負う。8番・大城を迎え、次は投手の菅野という場面で、阪神ベンチは二遊間に1点を防ぎにいく前進守備を命じた。 「いやまあ次もピッチャーやしね。うん。ゴロを打たすピッチャーなんで、うん」 大城さえ、この守備網にかければ、1-0のままゲームを進められると賭けた。だが、大城が放った打球は、二塁・糸原のグラブをはじき中前2点打になった。ここでもう、流れも運も、矢野監督、阪神ナインの手からは離れていた。 続く菅野が試みた投前バントを、ガンケルが処理して二塁へ送球するもベースカバーの遊撃・中野が捕球できず(記録は中野の失策)。続く吉川の打球が、風に乗ってバックスクリーンへ飛び込む3ランとなると、ガンケルはがっくりと膝に手を着くしかなかった。坂本にも2ランが出て、今季ワーストタイの1イニング7失点。甲子園の巨人戦に限れば13年9月8日の六回の9失点以来という8年ぶりの屈辱が、よりによってVを狙う年の、最後の顔合わせで訪れてしまった。 ここで白星をつかんでいれば、6年ぶりの甲子園での巨人戦勝ち越しも決まっていたが、6勝6敗1分けのタイに落ち着いてしまった。下を向く余裕もない。残すは東京ドームでの6試合で、24日からも3連戦が待つ。そうこうしているうちに2位ヤクルトは1・5ゲーム差に迫る。 3試合連続で1得点以下。直近5試合で平均1・4得点しか奪えていない打線も深刻だ。矢野監督は「4番以降のバッターがちょっと状態がみんな上がっていないんでね。何とかやりくりしたいんやけど。まあ考えます」と頭を悩ませる。 〝1点を守りにいきたくなる打線〟であることから、大量失点の悪循環に陥ってしまった。(長友孝輔)

◆6点差ぐらい、どうってことないで。2週間前の、あの劇的な試合、忘れたんかいな? 6点のビハインドを追いついての、執念のドローを。そういえば、あの時の相手も巨人やったなぁ。奇跡を起こすでぇ! 夢よ再びや! と、テレビのスイッチを切ることなく、何とな~く前向きに、最後まで試合を見続けた阪神ファンは、ここ数年で一番多かったのでは。 前回の巨人3蓮戦。今月3日の初戦はルーキー中野が満塁から走者一掃の三塁打を放っての大逆転で拍手喝采。2戦目の4日は大山の逆転サヨナラ2ランで狂喜乱舞。そして、3戦目の5日はまさかの6点差をはね返した、ドラマチックな展開に酔いしれた。 何か起こしてくれそうな矢野阪神。予感させるだけでも、ことしの阪神には「ありがとう」を言いたい。 だが、しかし。奇跡なんて、ほとんど起きないから奇跡である。都合のいい夢も、簡単に見られるはずもない。今シーズン、甲子園で行われる最後の伝統の一戦は、終わってみれば完敗だった。まあ、こういう試合もある。切り替えましょう。 というわけで、昨日のこの欄で「秋を感じる阪神監督の続投要請」の話をしたが、一夜明けて、今度は「シーズン最後の甲子園での巨人戦」をテーマにしたい。秋ですから。 「毎年、シーズンも押し詰まった頃に、ラストゲームにふさわしい、いろんなドラマが起こるTG戦を見てきました。30試合近く残す時期で最終戦といわれても、えっ、もう最後、というのが正直な感想ですね」 日程の都合とはいえ、トラ番キャップ・長友孝輔も戸惑う、随分の早めの〝最後の伝統の一戦〟になったもんだ。 昨年のTGラスト甲子園は11月10日。球史に残る剛腕・藤川球児の引退試合だった。伝説のストッパーのラス投に、ファンは涙した。 2年前は9月24日。この時は、引退を発表した阿部慎之助のラスト甲子園。ひと昔前なら、巨人の選手の引退に、阪神ファンは怒号浴びせても、拍手を送ることなどあり得なかった。が、360度から去り行く巨人のレジェンドに温かい声援が。甲子園も、いい雰囲気のスタジアムに変貌したもの。長年、甲子園の巨人戦を見てきた者として、偽らざる心境です。 でも、3年前はダメダメ! 10月9日。球団ワーストの甲子園シーズン39敗目を喫した金本阪神に、厳しいヤジが飛び交った。そして、家路につくオーナーに対しても、心ないファンが「辞めないんですか? いつまでやるんですか?」とド直球でグサリ。 そこから、一気に金本監督の交代劇に向かって一直線-。辞めましょうか、悪しき記憶を呼び覚ますのは。 さまざまなTG戦ラスト甲子園を舞台にした別れを見てきた長友キャップだが、「ことしは別れはないですよ。東京ドームでの巨人戦はまだ6試合も残ってるんですから。ポイントになりそうです」と力を込めた。10月は確かにビジターでの試合が多く、中旬には巨人戦を含むビジター9連戦も。そこが、最後の試練になりそうだ。 ただ、その先に栄光のゴールが待っている。もっと先にはクライマックスシリーズも。ことしは甲子園で再び、TG決戦があるかも。

◆アカ~ン! 阪神が優勝するためには、宿敵・巨人に勝ち越す必要があるのに...。地元甲子園でボロ負けして、どないすんねん!! 競馬でいうなら『セ・リーグ杯』で各馬はペナント第4コーナーを回って直線勝負に入ったところなのだ! 18日は、329日ぶりに〝ハルトハツショウリ〟(高橋遥1勝)がハナ差勝ち(1-0)で逃げ切ったと思ったら、本日は本命の〝ガンガンガンケル〟がビビったのか、7失点じゃレースにならんやろー!! ところが、このピンチに地方競馬(ファーム)で本日4安打3打点と虎のVに合わせて調教バッチリの〝サトテルゼットポーズ〟(佐藤輝)が満を持しての登場となるのだー!! 開幕から注目を集め、プロの厳しい壁に当たって2軍...。しかし、それを乗り越え、猛虎優勝のMVPとか、マンガ的過ぎて嫌なんだよねェ...というのはべーッ!! サトテルちゃん、『ドカベン』を超えるマンガ的アーチでCS、日本シリーズの重賞も手にしてくれー!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
62475 0.569
(↓0.005)
-
(-)
29453
(+1)
442
(+8)
105
(-)
95
(-)
0.251
(↓0.001)
3.580
(↓0.03)
2
(-)
ヤクルト
544214 0.563
(↑0.005)
1.5
(↑1)
33491
(+5)
420
(+1)
112
(+2)
66
(+1)
0.259
(↑0.001)
3.590
(↑0.03)
3
(-)
巨人
554516 0.550
(↑0.005)
2.5
(↑1)
27467
(+8)
447
(+1)
147
(+3)
62
(+2)
0.247
(↑0.001
3.640
(↑0.02)
4
(-)
中日
465614 0.451
(↓0.004)
12.5
(-)
27351
(+1)
383
(+9)
63
(-)
54
(-)
0.240
(↓0.001)
3.200
(↓0.06)
5
(-)
DeNA
455514 0.450
(↑0.006)
12.5
(↑1)
29463
(+9)
508
(+1)
117
(+1)
24
(-)
0.258
(↑0.001)
4.250
(↑0.03)
6
(-)
広島
435910 0.422
(↓0.004)
15.5
(-)
31417
(+1)
474
(+5)
94
(-)
52
(+1)
0.260
(↑0.001)
3.940
(↓0.02)