巨人(★2対8☆)ヤクルト =リーグ戦18回戦(2021.09.17)・東京ドーム=
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ヤクルト
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巨人
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勝利投手:奥川 恭伸(7勝3敗0S)
敗戦投手:髙橋 優貴(10勝5敗0S)

本塁打
【ヤクルト】サンタナ(12号・4回表2ラン),山田 大樹(28号・5回表ソロ),塩見 泰隆(11号・8回表満塁)
【巨人】松原 聖弥(10号・9回裏ソロ)

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◆ヤクルトは1-1で迎えた4回表、サンタナの2ランが飛び出し、勝ち越しに成功する。1点を加えて迎えた8回には塩見がグランドスラムを放ち、試合の大勢を決めた。投げては、先発・奥川が7回1失点の力投で今季7勝目。敗れた巨人は、投打ともに精彩を欠いた。

◆今季のヤクルト奥川恭伸投手(20)はここまで78回2/3を投げて与四球が8個、与死球が0個で、9イニング換算の与四死球率は0・92。 最後の与四球は6月20日中日戦で、同試合の7回から34回2/3連続無四死球を記録中。

◆元球児で高校時代に青森県大会で坂本との対戦経験を持つ三代目 J SOUL BROTHERSのELLY(33)が始球式でストライク送球を披露した。自身初の大役に「全力で投げて暴投やショートバウンドは...」とセットポジションから5割程度の力で投げ込んだ。「ライブで何回もパフォーマンスさせていただいているんですけど、初めて来たくらいの感覚。全然景色が違いました。少年時代、プロ野球選手になりたいと夢見ていた。人生の宝物になりました」とかみしめた。 05年夏、甲子園をかけて戦った1学年下の坂本と戦った。捕手を務めていたELLYは「インコース投げたらダメだなと思っていた。ひたすら外で勝負できるように組み立てた。その時は、2、3三振でリードは完璧だった。その気合から僕がエラーを2、3回したので...これからダンスの方で守備力を上げていこうかな(笑い)」と当時を回想した。 2人の再会は5、6年前の表参道。本名の「エリオットさん!」と呼び掛けられ、「あれ、坂本くん!」。そこから、始球式やコラボレーションという形でつながった。この試合で1回に坂本が先制の適時打を放ったと聞くとうれしそうに拍手。「よーし! やった! やりましたね! 始球式終わってから、坂本くんがベンチからめちゃめちゃ笑顔で手を振ってくれた。ゲームのパワプロくんで言うと絶好調に見えた。打ってくれてうれしい。これから巨人をどんどん引っ張っていって日本一を目指して欲しい」とエールを送った。

◆リーグトップタイの10勝を挙げている巨人高橋優貴投手(24)が、4回5安打3失点3四球で降板した。 1点リードの2回に2四球と安打でためた走者を犠飛でかえし、同点に追い付かれる。4回無死一塁では、サンタナに2ランを浴び、追加点を許した。79球で降板を告げられ、リーグ単独トップの11勝目とはならなかった。 2番手で田中豊樹がマウンドに上がるも、山田に初球148キロ直球を捉えられ、ソロを被弾。前回登板の14日DeNA戦でも危険球退場した山口の後、2番手で初球を牧に捉えられ2ランを被弾。2試合連続で初球に手痛い1発を浴びた。

◆巨人は1回無死一、二塁で坂本が左前に先制適時打。ヤクルトは2回1死満塁から西浦の左犠飛で追いついた。 ヤクルトは4回、サンタナの12号2ランで勝ち越し。5回には山田の28号ソロで加点。巨人先発の高橋は4回3失点で降板した。 ヤクルトは8回に塩見の11号満塁本塁打でダメ押し。先発奥川は7回1失点で7勝目。巨人は9回、松原の10号ソロも及ばず。高橋は5敗目。

◆ヤクルトが連勝。首位阪神との差を2ゲームに縮めた。奥川恭伸が7回1失点の好投で7勝目。巨人高橋優貴は5敗目。

◆逆転優勝への切り札だ! ヤクルト奥川恭伸投手(20)がゲーム差なしの3位巨人を相手に自己最多の103球を投げ、7回5安打1失点で7勝目を挙げた。初めて上がった中9日でのマウンド。苦しい中でも変化球を軸に投球を組み立て、巨人打線に決定打を許さなかった。これで今季巨人戦は2戦2勝。前回登板の7日阪神戦では7回2安打無失点と、若き右腕が優勝争いを繰り広げるライバルから2戦続けて白星奪取。チームは首位阪神に2ゲーム差に迫った。決して調子は良くなかった。奥川は1回、先頭の吉川に右前打を浴びると、2番松原にプロ初めての死球を与えた。これまで5戦、四死球なしだった制球がわずかに乱れた。3番坂本に左翼への適時打を浴び、先制点を献上した。いきなり迎えた大量失点のピンチ。しかし、自らの守備で自らを救った。無死一、二塁で岡本和が放った鋭い打球に体を反応させて捕球すると、二塁へ素早く送球。併殺打に打ち取った。 20歳の若き右腕は冷静だった。「序盤から状態が良くなかったが、どう抑えるか考えて投げた」。普段は150キロ超えを連発する直球も、この日は最速151キロ。140キロ台後半が大半を占める中、「むきにならないようにと思って投げた」と、変化球を織り交ぜて巨人打線をかわした。 4回2死三塁。ウィーラーに3ボールとしたが、動じなかった。4球目。球速や変化量を自在に変えるというスライダーを低めに決めてストライクを奪うと、5球目のフォークで二ゴロに仕留めた。「元々フォアボールが少ないのが自分の持ち味。カウントが悪くなってもなんとか自分のカウントに持っていけるようにと思って投げている」。7回、最後の打者を一ゴロに打ち取ると、息を深く吐きながらグラブをポンッとたたいた。終わってみれば自己最多の103球を投げ、四球も与えなかった。 逆転優勝への切り札として"上位キラー"ぶりを発揮した。前回登板の阪神戦に続き、正念場で連続の好投。プレッシャーも「優勝争いの緊張感ある試合を任せてもらえて経験になっている」と前向きに捉える。これで7試合続けて6回以上自責3以内のクオリティースタート。調子にかかわらず、試合をまとめる。20歳にして、エースのような貫禄を見せ始めてきた。【湯本勝大】

◆巨人松原聖弥外野手がセ・リーグでは育成選手出身者で初の2ケタ10号を放った。7点を追う9回にヤクルト大下の内角直球を右翼席上段に運んだ。セ・パ両リーグではソフトバンク甲斐に続き"育成史上"2人目の到達。「本塁打は求めていませんが、初めて2ケタを打てたのは、うれしい。勝ちにつながるような一打が打てるように、これからも頑張ります」と話した。

◆ヤクルトが3本塁打などで8点を奪い、先発奥川を援護した。史上最年少での通算100本塁打まであと1本と迫っていた4番村上は3打数無安打2四球と偉業は持ち越しとなったが、リーグ一の得点力を誇るツバメ打線が奮起した。 まずは7番サンタナだ。同点で迎えた4回無死一塁、左翼へ打った瞬間それとわかる勝ち越しの12号2ランを放った。5回に先頭山田の28号ソロで突き放すと、迎えた8回1死満塁、塩見がプロ4年目で初となる11号満塁本塁打を放って試合を決めた。 3位巨人を相手に10連戦初戦を勝利で飾り、高津監督は「徐々に相手にダメージを与えられたのかなと思う。勢いに乗れた攻撃ができた。優勝するためには勝たないといけない相手。いいスタートが切れた」と満足そうに振り返った。 ▽ヤクルト・サンタナ(4回無死一塁で12号2ラン)「打者有利カウントだったので甘い球は思い切っていくと決めていた。入ってくれて良かった」 ▽ヤクルト山田(5回無死走者なしで28号ソロ)「奥川が粘り強く投げてくれていたので、追加点をとってあげたかった」 ▽ヤクルト塩見(8回1死満塁で11号満塁本塁打を放ち)「満塁だったので犠牲フライでもいいという気持ちで打席に入りました。良い角度で上がってくれて良かったです」

◆巨人が波に乗りきれずに完敗した。15日のDeNA戦で9回に2点差を逆転した勢いそのまま、初回に坂本の適時打で開始わずか8球で先制。だが、続かない。直後に4番岡本和が併殺打で5番亀井が空振り三振と、奥川の完全攻略に失敗した。 投手陣は計10四死球と走者をためて、みすみす相手に主導権を手渡した。ヤクルト打線を3者凡退に抑えたのは初回と最終回のみで、得点はその直後のみと投打がかみ合わず、一方的な展開で敗れた。 残り29試合で首位阪神と2位ヤクルトとの対戦を7試合ずつ残す。原監督は「なかなか(投打が)かみ合っていない。みんなでかみ合うような形にしないとね」と先を見据えた。18日のヤクルトとの第2ラウンドを終えれば、19日には敵地甲子園で阪神戦。首位とのゲーム差は3に広がった。このままずるずると、離されるわけにはいかない。

◆巨人坂本勇人内野手(32)が、劇的サヨナラ勝利を収めた前の試合の勢いそのままに先制適時打を放った。1回、先頭吉川が右前打、松原が死球でヤクルト奥川から無死一、二塁のチャンスを作ると、主将が流れに乗った。外角の変化球を引っ張り、左前適時打。「1、2番が作ったチャンスを自分もつなぐことができて良かったです」と振り返った。 15日DeNA戦では、2打席連続アーチを含む3安打4打点。9回1死満塁からは、左前へ同点適時打を放ち、続く岡本和のサヨナラ犠飛につなげていた。この日は勝利にはつながらなかったが、1回から先制攻撃に成功し、勢いづけた。 始球式では坂本が高2の夏、青森県大会で対戦した経験を持つ三代目 J SOUL BROTHERSのELLYが登場。投球後にはベンチから笑顔でマウンドのELLYへ手を振る一幕もあった。 1ゲーム差で追う2位ヤクルト、3ゲーム差で追う首位阪神を上回って逆転優勝へ。7試合連続安打中の主将がチームをもり立てる。

◆巨人原辰徳監督(63)が、先発高橋の"カウント負け"を指摘した。1回は3者凡退も2回に先頭村上の四球を含む2四球で失点。続く3回にも塩見を四球で歩かせ、リズムに乗れなかった。同点の4回に無死一塁からサンタナに2ランを浴び、4回5安打3失点でKOされた。ボール先行の投球内容に指揮官は「見ていて苦しいわな。本人は苦しいかどうかは知らないけど。でも、やっぱりカウント負けしている。全てね」と振り返った。 5回から2番手で登板した田中豊は山田に初球148キロ直球を被弾。14日DeNA戦でも先発山口の危険球退場を受け、緊急登板したが、初球を牧に2ランされ、2試合連続での初球被弾となった。投打ともに勢いに乗り切れないチーム状況が続く。原監督「常に越えたものなんて、みんなないんだから。いつでもやっぱり挑戦しなきゃ。どんな選手であってもね」としつつ「今日は、なかなかかみ合っていないっていうところで、みんなでやっぱりかみ合うような形にしないとね」と先の戦いを見据えた。

◆ヤクルト奥川恭伸投手がプロ入り最多の103球を投げて7勝目。巨人戦は初登板の7月13日に続いて白星を挙げ、ヤクルトで巨人戦初登板から2戦2勝は13年小川以来だ。 交流戦までの奥川は7試合で2勝2敗、防御率5・45だったが、交流戦後は7試合で5勝1敗、防御率1・70。セ・リーグで交流戦後に5勝は青柳(阪神)らに並び最多で、防御率も40イニング以上投げている投手ではトップ。交流戦後は与えた四球が2個しかなく、奥川が抜群の制球力を見せて交流戦後のセ・リーグ最多勝投手になっている。

◆ヤクルト・山田哲人内野手(29)が3ー1で迎えた五回先頭で左翼席への28号ソロを放った。代わったばかりの2番手右腕・田中豊が投じた直球を捉え「奥川が粘り強く投げてくれているので、追加点をとってあげたかったです」。9月8日の阪神戦(甲子園)以来となるアーチで、貴重な追加点をもたらした。

◆ヤクルトが一発攻勢で快勝した。1-1の四回、サンタナの12号2ランで勝ち越すと、五回は山田が28号ソロ、八回は塩見が11号満塁弾を放った。先発の奥川は7回5安打1失点の好投で7勝目を挙げた。

◆首位争いの大一番を託されたヤクルトの20歳右腕、奥川恭伸投手が巨人打線を相手に好投した。 「いつも通り、最少失点で抑えたい。大事な一戦に投げられることは責任を感じますが、少しワクワクしています」 立ち上がりは不安定だった。一回は先頭の吉川に右前打、続く松原に死球を与え一、二塁。3番・坂本に左前適時打を浴び、先制を許した。それでも続く岡本和を投ゴロ併殺打。亀井を空振り三振に仕留め、踏みとどまった。 3―1の四回には岡本和、亀井に連続安打とされたが、ハイネマンを遊ゴロ併殺打とし、ウィーラーを二ゴロ。尻上がりに状態を上げ、主導権を握った。 1軍では初めて中10日未満となる中9日での先発。今季は中10日以上空けて登板し、13試合で6勝3敗、防御率3・55。後半戦の開幕投手(対DeNA、新潟)も任され、7回4安打1失点と勝利投手になった。直近5試合は無四球投球。この日は松原にプロ初死球を与えたが、7回1失点で降板するまで無四球と制球力が光った。 2年目の奥川について「いろんな経験をさせていきたい」と話す高津監督。場数と経験を積んで、確実に成長を遂げている右腕に打線も援護。五回には山田が28号ソロ、八回には塩見が11号満塁本塁打を放つなど、巨人を圧倒した。

◆ヤクルトが快勝した。0―1の二回に西浦の犠飛で追い付き、四回にサンタナの2ランで勝ち越した。五回に山田のソロ、八回には塩見の満塁本塁打で突き放した。奥川が7回1失点で7勝目を挙げた。奥川との一問一答は以下の通り。 --試合を振り返って 「10連戦の一発目の試合だったので、何とか勝ちたいと思っていた。先制されて苦しい試合になったけど、粘り強く投げられた」 --勝因は 「野手に点数を取ってもらって、気持ちを楽にしてもらった。いい流れのまま自分が抑えるんだという気持ちで投げた」 --試合のポイントは 「頭が整理できていないので思い出せない。何とかゲームを作ることができてよかった」 --無四球 「ピンチでも四球を出さなかったことが、大けがにつながらなかった。継続していけたら」 --初の100球超え 「次戦以降、もっとよい投球をしたい。これからたくさん投げられるようにがんばりたい」 --今後へ向けて 「チームの優勝に貢献できるようにがんばりたい」

◆3位巨人は首位阪神への〝挑戦〟をかけて2位ヤクルトに挑んだが、先発の高橋優貴投手(24)が4回3失点で降板。痛い1敗を喫した。 先制したのは巨人。一回に左前適時打を放った坂本は「1、2番がつくったチャンスを自分もつなぐことができてよかった」。奥川の立ち上がりを攻めた。1番・吉川が右前打、2番・松原が死球で無死一、二塁。坂本は後輩が演出してくれた好機で、カットボールを捉えた。15日のDeNA戦で2本塁打を含む3安打3打点と気を吐いた主将が、7試合連続安打とした。 しかし高橋が二回に同点に追いつかれ、四回にはサンタナに勝ち越しの12号2ランを浴びるなど、乱調。打線も奥川に封じられ、5投手が計10四死球を与えて8失点と大炎上。八回に満塁策を取った直後、塩見に本塁打を喫するなど、まさに〝投壊〟だった。

◆ヤクルトが快勝した。0―1の二回に西浦の犠飛で追い付き、四回にサンタナの2ランで勝ち越した。五回に山田のソロ、八回には塩見の満塁本塁打で突き放した。奥川が7回1失点で7勝目を挙げた。高津監督との一問一答は以下の通り。 --試合を振り返って 「10連戦がスタートして、いいスタートが切りたいと思っていた。いいゲームだった」 --奥川は 「そんなに絶好調という感じではなかった。丁寧にいろんなことを意識しながら投球できた。中村と話し合いながら、いい投球ができた」 --初の100球超え 「徐々に上げていきながら、いいペースで成長してきてくれている」 --打線は3発 「つないでつないでと思っていたが、本塁打で点が入ると雰囲気もよくなった。奥川にいい援護となった」 --今後へ向けて 「新たな気持ちでがんばりたい」

◆ヤクルトの塩見が4年目で初めて満塁本塁打を放った。4―1の八回1死満塁で、2ボールから古川の直球を逆方向の右中間席に運んだ。試合を決定づける今季11号に「犠飛でもいいという気持ちで打席に入った。いい角度で上がってくれて良かった」と喜んだ。 今季は1番打者に定着し、打率2割8分6厘、19盗塁と高い身体能力で存在感を示している。この日は2安打で今季99安打とし、初のシーズン100安打到達も間近に迫った。 高津監督(10連戦の初戦で3位巨人に快勝)「巨人は優勝するためには勝たないといけない相手。初戦は奥川に託そうと思っていた」 山田(五回に28号ソロ)「奥川が粘り強く投げていたので、追加点を取ってあげたかった」

◆巨人は一回に坂本の左前適時打で先制しながら、先発の高橋が4回3失点と逆転を許し、救援陣も打たれて大敗。2位・ヤクルトとのゲーム差は「1」、首位・阪神とのゲーム差は「3」となった。9月は14試合でいまだ3勝(8敗3分け)。九回に松原が10号ソロを放ち、ソフトバンク・甲斐に続いて育成出身者としては2人目となる2桁本塁打を達成した。原監督が試合を振り返った。 --高橋は二回に四球から崩れた 「うん、うん、うん」 --ボール先行になると苦しい 「そうね(苦笑い)。見ていて苦しいわな。本人は苦しいかどうかは知らないけど。でも、やっぱりカウント負けしているもんね、全てね」 --高橋は乗り越えないといけないところがある 「いや、もちろん、もちろん。常に越えたものなんて、みんなないんだから。いつでもやっぱり挑戦しなきゃ。どんな選手であってもね」 --打線も先制直後にもう1点なら 「そうそうそう。スミ1みたいなもんだから。今日はね。なかなかかみ合っていないっていうところで、みんなでやっぱりかみ合うような形にしないとね」 --松原は自身初の10号 「うん、うん。それはいいことですね。どういうゲームにおいてもね、集中力を切らさずに打つということはね」

◆巨人・松原聖弥外野手(26)が九回に10号ソロを放ち、セ・リーグの育成出身選手では初の2桁本塁打に到達した。 7点を追う九回の先頭。カウント2-0から3番手・大下の直球を捉え、右翼席上段に運んだ。 育成出身選手の2桁本塁打到達は、2019、20年(ともに11本)に記録したソフトバンク・甲斐に続き、プロ野球史上2人目の快挙となった。松原は「ホームランは求めていませんが、初めて2桁(本塁打)打てたのはうれしいです。チームの勝ちにつながるような一打が打てるようにこれからも頑張ります」とコメントした。

◆巨人の高橋は4回3失点で5敗目を喫した。ボール先行の苦しい投球。一回以外は全て先頭打者を塁に出し「いい流れをつくれずに申し訳ない」と唇をかんだ。 味方が1点を先制した直後の二回、2四球が絡んで1死満塁のピンチを招き、西浦に同点犠飛を許した。1―1の四回無死一塁では3ボール1ストライクからサンタナに甘いスライダーを痛打されて特大2ランを浴びた。 開幕5連勝するなど前半戦だけで9勝を挙げたが、後半戦は6試合でわずか1勝。前回登板に比べ、今回は球速が3キロほど増した一方で、制球が荒れてセ・リーグ単独トップの11勝目はまたもならなかった。 原監督(ボールが先行した高橋に)「見ていて苦しいわな。やっぱりカウント負けしているもんね、全て」 松原(九回にソロを放ち、5年目で初の10号到達)「本塁打は求めていないが、初めて2桁打てたのはうれしい。チームの勝ちにつながるような一打が打てるようにこれからも頑張る」

◆ヤクルト・奥川恭伸投手(20)が先発し、7回5安打1失点の好投で7勝目(3敗)を挙げた。一回に無死一、二塁から坂本に左前適時打を浴びたが、その後は尻上がりに状態を上げ失点を許さなかった。この日も四球を出さず、6試合連続&41回2/3に渡って連続無四球となった。

◆育成ドラフト出身選手として新たな勲章を手に入れた。巨人・松原聖弥外野手(26)が九回に10号ソロを放ち、セ・リーグの育成出身選手では初の2桁本塁打に到達。「本塁打は求めていませんが、初めて2桁打てたのはうれしい」と控えめに喜んだ。 3番手・大下の直球を捉え、右翼席上段まで運んだ。育成出身の2桁弾は2019、20年のソフトバンク・甲斐(ともに11本)に続き、プロ野球史上2人目となった。 もう一つの勲章も現実味を帯びる。球団の育成出身では規定打席に到達した選手はいない。143試合制の今季、規定打席数は443。松原は17日時点で346打席。残り29試合で97打席に立てば、規定に達する。 試合には敗れたが、背番号31が育成選手に希望を届ける特大アーチとなった。(樋口航)

◆プロ野球最年少となる通算100本塁打まで1本に迫っている村上(21歳7カ月)は3打数無安打、2四球だった。18日に対戦する巨人・メルセデスとは通算で打率・500(18打数9安打)、4打点と相性が良く、19年には本塁打をマーク。高津監督は「いいところで打ってほしい」と期待しており、白星につながるメモリアル弾を放つ。

◆ヤクルト・奥川恭伸投手(20)が17日、巨人18回戦(東京ドーム)で7回1失点。6試合連続の無四球投球で今季7勝目(3敗)を挙げた。球団で高卒2年目以内に7勝を挙げたのは、1990年の川崎憲次郎(12勝)以来、31年ぶり3人目。昨季限りで現役を引退した五十嵐亮太氏(42)が99年にマークした6勝を超えた。 現役最終年の昨季、2軍で奥川とともに汗を流した五十嵐氏が、後輩の活躍ぶりと今後への期待を語った。 「早い段階で1軍で通用するボールは持っていると思っていました。あとは打者の反応を見ながら、捕手のサインを理解しながら投げるというところが重要だと思っていた。彼は投げながらいろいろ感じて、どんどん抑えるためのコツをつかんでいる。投げるたびに良くなっているし、適応能力の高さを感じます」 昨季は、埼玉・戸田球場で汗を流す時間も多かった。米大リーグを経験し日米通算906試合に登板したレジェンドは、若手にも積極的に声をかけ、黙々と練習に励んでいた。奥川もその優しさに感謝し、ストイックさに感嘆していた。 「現役中は、その日のベストを尽くすことを心掛けてやってきた。彼は僕に刺激を受けたと言ってくれていますけど、僕も彼のプロ1年目から野球に向き合う姿勢というのを見ていたので、刺激を受けていました」 将来のスワローズを背負っていく投手になることは間違いない。そんな奥川に五十嵐氏は「ここから、どんどんプレッシャーのかかる展開で投げることになると思う。そういった経験をして、ヤクルトのエースと呼ばれる選手に育っていく過程をとても楽しみにしています」とエールを送った。

◆四球、四球、また四球―。巨人は全5投手で計10四死球8失点の大敗。4回3失点で5敗目を喫した高橋優貴投手(24)は「いい流れをつくれずに申し訳ないです」とうなだれた。 先制点をもらった直後の二回、ここまでリーグトップに並ぶ10勝左腕が安打と2四球で満塁のピンチをつくり、西浦に同点犠飛を浴びた。4番手・古川が2イニング目となった八回は1死二、三塁から代打・川端を申告敬遠し、満塁策を取ったが、塩見に一発を食らう悪循環。三者凡退は一回と九回だけで、投壊ぶりが際立った。 これで9月のチーム防御率は4・64となり、阪神の4・58を下回ってリーグ最下位となった。今月は14試合で3勝8敗3分けの勝率・273と苦しい展開が続く。 原監督はボール先行の投球が続いた高橋に「見ていて苦しいわな。カウント負けしているもんね」と苦言を呈し、6安打2得点の打線にも「かみ合っていない」と頭を抱えた。2位・ヤクルトとは1ゲーム差、首位・阪神とは3ゲーム差。一度狂った歯車が、なかなか元に戻らない。(伊藤昇)

◆主将が会心の一撃を放った。ヤクルト・山田哲人内野手(29)が、五回先頭で左翼席上段に28号ソロ。巨人2番手、田中豊が投じた148キロの直球を捉え、8日以来、7試合ぶりの一発だ。 「奥川が粘り強く投げてくれていたので、追加点を取ってあげたかった」 走攻守で20歳の先発右腕をもり立てた。左腕にキャプテンマークが入った今季は、ピンチになると1人でマウンドへ行き声をかけることも増え「キャプテンになって周りも見えてきた」。結果で引っ張ることはもちろん、責任感は増し、視野も広がってきた。 偉大な先輩の記録にも近づいてきた。勝利をたぐり寄せるアーチで、2年ぶり5度目のシーズン30発まで2本とした。大台に到達すれば、球団の日本選手では池山隆寛(現2軍監督)に並ぶ最多記録(バレンティンが8度)。同じ背番号1をつけた先輩の背中を追っている。 七回2死では、一走で投球より早くスタート。一、二塁間の挟殺プレーとなり、一塁手・ウィーラーのタッチをかいくぐったかのように見えたが、判定はアウト。リプレー検証でも覆らなかったが、一瞬の加速など身体能力の高さは健在だ。 打線は3本塁打で8得点。巨人に快勝し、高津監督も「本当に勢いに乗れた攻撃ができた」と目を細めた。逆転Vには、山田の勝負強さが欠かせない。(赤尾裕希)

◆セ・リーグ2位のヤクルトは17日、巨人18回戦(東京ドーム)に8―2で快勝した。先発の奥川恭伸投手(20)が自己最多の103球を投げ、7回5安打1失点で7勝目(3敗)を挙げた。球団で高卒2年目以内に7勝を挙げたのは、1990年の川崎憲次郎(12勝)以来、31年ぶり3人目。入団1年目の昨季、「心の支え」となってくれた五十嵐亮太氏(42)が99年にマークした6勝を超えた。チームは2連勝で、首位・阪神とは2ゲーム差に縮めた。 難攻不落―。崩れかけても、踏ん張った。奥川が自己最多の103球を投げて、7回5安打1失点。立ち上がりは球数を要したが、尻上がりに状態を上げて、今季7勝目を手にした。 「10連戦の一発目の試合だったので勝ちたかった。ピンチでも四球を出さなかったことが、大けがにつながらなかったと思う」 3位・巨人との2連戦の初戦に初の中9日で先発した。一回先頭の吉川に右前打、続く松原にはプロ初の与死球、3番・坂本には左前適時打で先制を許した。さらに無死一、二塁のピンチ。岡本和の強烈な投ゴロを華麗にさばき併殺打にすると、亀井はスライダーで空振り三振に斬った。 五回以降は一人の走者も許さず、6試合連続、41回?連続の無四球投球だ。球団の高卒2年目以内での7勝は1990年の川崎憲次郎以来、31年ぶり3人目。99年に救援で6勝を挙げた五十嵐亮太を抜いた。 入団1年目の昨季。2軍でノースロー調整を余儀なくされた夏場に心の支えとなってくれたのが、同じく2軍にいた五十嵐氏だった。22歳上のベテランは、寄り添うように声をかけてくれた。 「投げられなかったときに『焦るなよ』って。自分の投げたいという気持ちも分かってくれて、『もっともっと上を目指せ』って言ってくれました」尊敬する先輩は高卒2年目にブレークし、2004年には37セーブを挙げ、最優秀救援投手に輝いた。メジャーリーグにも挑戦し、日米通算906試合に登板。昨季限りで引退したが、2軍最終登板後には、セレモニーで花束を手渡し、1軍での引退試合も神宮球場のスタンドで目に焼き付けた。「考え方も素晴らしいし、練習量もすごい」。自主的に勉強し、黙々とトレーニングをする五十嵐氏を見て、奥川も苦手だった読書に取り組み、トレーニングへの理解を深めた。阪神、ヤクルト、巨人。今季の上位3球団の競合の末、ドラフトで交渉権を引き当てた高津監督も背中を押した。苦しんだ試合序盤は「ズルズルいくなよ」。六回を終えてからは「もうちょっといくぞ、頑張れ!!」。右腕は「自分の中でも火が付いた。何とか抑えてやろうと思いました」と初めて〝100球の壁〟を乗り越えた。チームは10連戦の初戦で快勝し、首位・阪神に2ゲーム差と迫った。 「優勝争いの中ですごく緊張感のある試合を任せてもらっている。チームの優勝に何とか貢献できるようにといつも思っています」と背番号11。難攻不落の20歳が、力強くスワローズを支えている。(横山尚杜)★新人王争いに急浮上 7勝目を挙げた奥川は入団2年目だが、昨年の登板が30イニング以内(2回0/3)のため、新人王の資格を持つ。ただ、今季は広島D1位・栗林(トヨタ自動車)、阪神D1位・佐藤(近大)、DeNAのD2位・牧(中大)の新人が好成績を収めており、混戦模様。奥川は順調にいけば残り3試合以上の先発が可能で、2桁勝利に届く可能性も残されている。

◆巨人は奥川をつぶすチャンスを逸した。一回の岡本和の投ゴロ、四回のハイネマンの遊ゴロ。2つの併殺打で、乗せてしまった。 岡本和の当たりは、よかった。奥川の正面に飛んで好捕された。抜けていれば明らかに中前タイムリー。ここはまあ、奥川が何かを持っている、と表現するしかない。 ハイネマンは残念ながら、打てそうにないと見ていた。上体に力が入りすぎて、ストレートには遅れる。変化球だと、芯に当たらないんだから。 したがって、3番・坂本、4番・岡本和に続くオーダーを、どうするかも課題だ。5番の亀井はスイングが鈍く、休みが必要な状態だし、ハイネマンを6番に置くから、送りバントをさせるべき場面でも、させられない。5番以降の組み方が、どうもズレている。このままでは厳しいね。 ただし、上位3チームにはどこも決め手がない。弱くなったと思ったら、また突然、息を吹き返す現象が、3チームのどこに出てもおかしくない。先が読めないよ。 もう1つ、ただし書き。奥川は決して、巨人に助けられただけではない。速球に勢いがあるし、四球を出さないという点も素晴らしい。守備なども含めて、投手としてのセンスがある。先発の間隔を短くして、長いイニングを投げさせれば、2桁勝利もいけるのではないかな。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
61465 0.570
(-)
-
(-)
31451
(-)
434
(-)
105
(-)
95
(-)
0.252
(-)
3.580
(-)
2
(-)
ヤクルト
534213 0.558
(↑0.005)
2
(↑0.5)
35480
(+8)
413
(+2)
109
(+3)
65
(-)
0.257
(↑0.001
3.590
(↑0.02)
3
(-)
巨人
544515 0.545
(↓0.006)
3
(↓0.5)
29453
(+2)
440
(+8)
141
(+1)
60
(-)
0.247
(-)
3.640
(↓0.04)
4
(-)
中日
465414 0.460
(-)
11.5
(-)
29350
(-)
373
(-)
63
(-)
54
(-)
0.242
(-)
3.160
(-)
5
(-)
DeNA
435514 0.439
(-)
13.5
(-)
31450
(-)
505
(-)
116
(-)
23
(-)
0.258
(-)
4.300
(-)
6
(-)
広島
435710 0.430
(-)
14.5
(-)
33414
(-)
465
(-)
93
(-)
51
(-)
0.260
(-)
3.940
(-)