ヤクルト(☆1対0★)阪神 =リーグ戦20回戦(2021.09.15)・明治神宮野球場=
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阪神
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ヤクルト
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勝利投手:小川 泰弘(8勝4敗0S)
(セーブ:マクガフ(2勝1敗20S))
敗戦投手:伊藤 将司(7勝7敗0S)
  DAZN
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◆ヤクルトが投手戦を制した。ヤクルトは1回裏、村上の適時打で1点を先制する。投げては、先発・小川が8回途中無失点の力投。その後は2人の継投でリードを守り抜き、小川は今季8勝目を挙げた。敗れた阪神は、先発・伊藤将が好投するも、打線が9残塁とつながりを欠いた。

◆今季のヤクルト小川泰弘投手(31)は阪神戦に3試合登板して0勝2敗、防御率8・78。 投手のガンケルを含め、阪神の外国人選手に対して被打率6割2分5厘で、中でもサンズには7打数6安打と打ち込まれている。

◆阪神伊藤将司投手(25)が6回5安打1失点と力投したが、白星はならなかった。この日ヤクルトに勝てば、球団新人で13年藤浪以来のセ5球団からの勝利達成となったが、快挙は次回のチャンスに持ち越された。 初回に村上の適時打で先制を許したが、2回から3イニング連続で3者凡退。持ち前の制球力で変化球を低めに丁寧に集めた。5回1死二、三塁のピンチも、スクイズを試みた小川をツーシームで捕飛に仕留め、三塁走者のサンタナも戻れず併殺。6回にも2死一、二塁としたが、オスナへ内角に直球を決めて見逃し三振。追加点は意地でも許さなかった。 前回8日ヤクルト戦(甲子園)では、黒星こそつかなかったが5回7安打3失点で降板。1点ビハインドの3回に山田にソロ本塁打を浴びるなど、粘りきれなかった。「前回はやられてしまっているので、相手打者をイメージして調整してきました」。この日は、その山田を3打数無安打と完璧に封じ込めた。悔しさを糧にした。

◆阪神が接戦での勝利を逃し敗戦。2位ヤクルトに2・5ゲーム差に迫られた。 阪神伊藤将司(25)が先発。初回2死三塁で、4番村上宗隆内野手(21)に左前適時打を浴び、先制点を許した。2回以降は立ち直った。5回1死二、三塁のピンチでは、相手のスクイズを許さず、併殺で追加点を許さなかった。伊藤将は粘りの投球で6回5安打1失点の好投を見せ、2番手小川一平投手(24)、3番手岩崎優投手(30)も1回無失点で切り抜けた。 しかし、打線が投手陣に応えることができなかった。ヤクルト先発小川泰弘投手(31)から7回2/3まで得点を奪えなかった。8回には2死満塁と好機をつくるもあと1本が出ず、ホームベースを踏むことができなかった。

◆2位ヤクルトと首位阪神が直接対決。 ヤクルトは1回2死三塁から村上が左前適時打を放って先制。ヤクルト先発の小川は6回まで5安打5奪三振の無失点と粘りの投球。 ヤクルトが1点リードを守り切り、連敗を2で止めた。小川は7月3日中日戦以来の白星。 阪神は3回まで毎回先頭が出塁したが、得点につなげられず。6回と8回に2死満塁の好機を作るも、サンズが左飛、空振り三振に倒れ逸機。打線が投手陣に応えることができず、最後まで得点を奪えず敗れた。 到達すれば、89年西武清原和博の21歳9カ月を抜き、史上最年少記録となったヤクルト村上のプロ通算100号はお預けとなった。

◆ヤクルトは1回2死三塁から村上が左前適時打を放って先制。阪神は3回まで毎回先頭が出塁したが、得点につなげられなかった。 阪神は6回2死満塁の好機でサンズが左飛に倒れ逸機。ヤクルト先発の小川は6回まで5安打5奪三振の無失点と粘りの投球。 ヤクルトが1点リードを守り切り、連敗を2で止めた。小川は7月3日中日戦以来の白星で8勝目。阪神は伊藤将が7敗目。

◆阪神が完封負けを喫し、2位ヤクルト、3位巨人とのゲーム差はともに2・5に縮まった。 先発の伊藤将司投手(25)は6回5安打1失点と粘投したが7敗目。打線は再三の得点機をつくるも、あと1本が出なかった。 ? 阪神矢野燿大監督(52)の一問一答は以下の通り ? -先発の伊藤将は黒星がついたが、持ち味を出した 「そうやね。立ち上がりはちょっとあれやったけど、中盤以降はよう粘ってくれたから、こういう試合になったと思うし。いろいろ研究されてきているなっていうのは、随所にあるなかでね、粘れたっていうのも収穫やと思う。でもこっちも、よりやっていかなあかんっていうか、そういうのは試合を重ねて出てくる。その両方出たんじゃないかなと思うけど、よく粘ってくれた」 ? -前日14日もそうだが、失点は1点ずつ。前回対戦時からバッテリーで工夫している 「もちろんできているから、こういう結果になっている面もあるし。でももっとできるとこもあると思うんでね。もちろん、1点っていうこの点数だけのことじゃなくて、0で終わっているところでも、もうちょっとやれることはやっぱりあるし。そのなかでやることやって打たれているのと、もちろんやることをやれてなくても点入らん時もあるから。そこはいいとこと、また改善していくとこというのは、どの試合でもあるので」 ? -どこかのチャンスで点が欲しかった 「もちろん、もちろん」 ? -5回に相手がスクイズ失敗した後とか 「そうやね、その後も先頭出たりとかチャンスはつくったんで。そういうところでは、ジェリー(サンズ)がちょっと状態が悪いし、まあジュニア(ロハス)もあれやけど、チカ(近本)が出てくれるだけにね、かえすところのバッターが誰かが(調子)上がってこないとちょっと厳しいなと」 ? -近本が好調。足を絡めての攻撃は 「いやそれは相手があることだから。今日も別に行ったやん、行ったけどアウトになってるだけで。誰でも彼でも足を絡められるっていうことではないからさ」

◆エースが帰ってきた。ヤクルト小川泰弘投手(31)が、7回2/3を6安打無失点と好投した。7月3日中日戦以来の白星で8勝目を挙げた。同7日に新型コロナウイルス陽性判定を受け、離脱を経験。復帰後、満足いく投球をすることができなかった。体を追い込み、立て直しを敢行。神宮での"スミ1勝利"を呼び込んだ。チームは首位阪神との2連戦を1勝1分け。2・5差に迫った。1点勝負の緊迫したマウンドで、小川は何度も踏ん張った。前回登板の8日阪神戦では、5回2/3を4失点で4敗目を喫した。中6日で同じ相手との対決。「なんとかやり返したいと思っていた。ピンチは作ってしまったが、なんとか粘れた」と安堵(あんど)した。 1回村上の左前適時打で先制してもらったが、4回まで毎回先頭打者に出塁を許し、得点圏まで進められる苦しい展開。それでも下半身をしっかり使って投げ込んだ。7奪三振はすべて直球。要所で力で押し切れた。しかし、8回2死から安打と2つの四球で満塁のピンチで降板。「本当はあそこからギアを上げてなんとか投げきりたかったが、そこまで甘くはないなと思った」と反省した。 コロナから復帰しても、体は完全復活とはならなかった。「息がなかなか戻らなかった」。エキシビションマッチや2軍戦で調整をしたが、1軍復帰戦の8月31日巨人戦は3回2/3を4失点でKO。前回登板も打たれた。復調へ向け、走り込みやアメリカンノックを増やし、徹底的に追い込み直した。「前回登板ぐらいからファウルも取れるようになってきて、ちょっとずつ戻ってきているのかなと思います」とうなずいた。 今季は開幕投手を任され、チームトップの8勝。あと1本を許さず、初回の1点の援護のみの"スミ1"勝利に貢献。シーズンヤマ場へ向けて、欠かせない存在が帰ってきた。「混戦なので1つも落とせない。スキをなくして、自分の持っているものを1試合1試合出し切って貢献したい」と静かに意気込んだ。11勝を挙げてリーグ優勝に導いた15年のように、投手陣を引っ張って、逆転優勝を狙う。【湯本勝大】 ? ▽ヤクルト高津監督(小川の投球に)「イニングを追うごとにキレも出てきたし、制球もよくなってきた。立ち上がりを慎重に入っていた感じは受けました」 ▽ヤクルト村上(1回2死三塁で左前適時打)「小川さんに先に先制点をという気持ちで打席に入りました。粘り強く、くらいついていきました」

◆阪神近本光司外野手(26)が両リーグリーグ最多タイの12度目の猛打賞をマークした。4打席すべてが先頭打者でチャンスメークに努め、打率を3割1分1厘に上げ、リーグ4位に浮上した。 初回はヤクルト小川の初球を仕留めた。高めの145キロ直球にバットをかぶせ右翼線へ二塁打。3回無死は一塁内野安打を俊足でもぎ取り、6回先頭も右前打で出塁した。「自分のやるべきことはできましたが、チームが負けてしまったので悔しい気持ちです」。打線は後続が倒れ、3回には自身も盗塁死するなど1度も生還できず、笑みはなかった。 後半戦は打率3割7分2厘と絶好調だ。今季の安打数は142本で、2位の中日大島に8本差をつけてリーグトップを独走中。「常に勝つことだけを考えているので、目の前の試合1戦1戦を戦っていくだけです」。プロ初の3割&最多安打へ進撃を続ける。【前山慎治】

◆阪神小川一平投手は渾身(こんしん)の直球でピンチをしのいだ。 1点ビハインドの7回裏に登板。2安打で2死一、三塁とされたが、最後は1番塩見を直球で空振り三振に仕留めた。「昨日は点を取られてしまったので、今日はなんとしてもゼロに抑えるという気持ちでした」。前日14日ヤクルト戦は4番村上に被弾。一夜明けのマウンドで悔しさを晴らした。

◆阪神伊藤将司投手(25)が6回5安打1失点と粘投したが、援護なく7敗目を喫した。「前回低めを、変化球をうまく打たれていたんで、今回は攻める気持ちで投げることができたんじゃないかなと思います」。初回に4番村上に先制適時打を浴びたが、2回から3イニング連続3者凡退に抑えるなど、追加点は許さなかった。 前回8日のヤクルト戦(甲子園)では5回7安打3失点。1点を追う3回に山田にソロ本塁打を浴び粘りきれなかったが、この日はその山田を3打数無安打。悔しさを糧にした。矢野監督は「中盤以降はよう粘ってくれたから、こういう試合になった。いろいろ研究されてきている中で、粘れたのも収穫やと思う」と評価。球団新人では13年藤浪以来となるセ5球団勝利は、次回こそつかみ取る。

◆ヤクルト小川泰弘投手(31)が、7回2/3を6安打無失点と好投した。7月3日中日戦以来の白星で8勝目を挙げた。ヤクルト小川は、グラウンドから離れると、ボールから包丁に持ちかえる。「球場で食べるときもありますけど、自分で買って焼いたりもします」。食べるもので、体は作られるという考えで、食べ物には人一倍気をつかう。コロナで離脱中も、体調を回復するため、ビタミンBの豊富な豚肉などを意識して摂取した。普段から野菜ジュースを愛飲したり、必要な栄養素を考えながら食事をとるなどしている。 食べ物の話ではチームメートと盛り上がることもある。日本の"ミスタードーナツ"に感銘を受けたサイスニードは「小川投手からはおいしいスイーツの情報を聞いている」と明かした。助っ人投手に投球以外の助言もしているようだ。

◆V記念日にあぁ3強1人負け。阪神が3年ぶりのスミ1で2位ヤクルトに敗れ、2・5差に迫られた。先頭が5度も出塁しながら、あと1本が出ないもどかしさ。マルテ、サンズ、ロハスの外国人トリオがスタメン出場した試合はブレーキで、後半3戦全敗と悩ましい。9月15日は03年に星野阪神が優勝した記念日だったが、3位巨人もサヨナラ勝ちでこちらも2・5差に接近。虎のVロードがスカッと晴れない。「優勝記念日」に東都の虎党からため息が漏れた。0-1と1点を追う終盤8回。2死満塁の好機。逆転の夢が膨らんだ押せ押せで、6番サンズがあっけなく空振り三振に倒れた。代わったばかりの右腕清水にフォークを続けられて2球連続見逃すと、最後は力ないハーフスイング。最大のチャンスをつぶし、今季9度目の完封負けを喫した。矢野監督も「ジェリー(サンズ)がちょっと状態が悪いし、まあジュニア(ロハス)もあれやけど...」と表情が晴れなかった。 熱を帯びる優勝争いと反比例するように、虎がタイムリー欠乏症に陥っている。この日は1番近本が猛打賞の活躍。チームは1回から4イニング連続、6回も含めて5度先頭が出塁してチャンスを作った。だが、得点が入らない。前日の11残塁に続き9残塁。初回のワンチャンスを主砲村上のタイムリーで得点したヤクルトとは、対照的だった。 チーム屈指の勝負強さを誇っていたサンズも例外ではない。6回の左飛など、2度の2死満塁で凡退。前日14日は再びスタメンから外れるなど、9月は11試合で打率2割3分3厘、0本塁打、2打点の低空飛行。武器のはずのマルテ、サンズ、ロハスの助っ人トリオのスタメンも機能せず、後半戦は3戦3敗となった。 9月15日は特別な日だった。18年前の03年9月15日に星野監督が宙を舞った日だ。03年星野監督、05年岡田監督、そして今年...。16年ぶりのリーグVへ突き進む矢野阪神にとって、つながらない打線は喫緊の課題だ。矢野監督は「チカ(近本)が出てくれるだけにね、かえすところのバッターで、誰かが(調子)上がってこないとちょっと厳しい」と主軸の奮起を促した。 この日の敗戦で2位ヤクルト、3位巨人との差は2・5ゲームになったが、引き分け数の関係から、17日から阪神2連敗、ライバルの2連勝で、首位から陥落する。その週末はまず"後半戦リーグ首位"と好調な中日と2連戦。先発予想は大野雄と柳で、さらに19日の巨人戦は菅野が見込まれる。虎はセ界のトップを行くが、まだまだ厳しい戦いが続きそうだ。【桝井聡】 ▼阪神の完封負けは今季9度目。0-1敗戦は、7月11日巨人戦以来4度目。初回の失点のみの「スミ1」敗戦となると、18年8月28日ヤクルト戦以来、3年ぶり。先発の岩貞が山田哲に先制二塁打を許し1失点。打線はヤクルトの小川-近藤-石山の3投手のリレーの前に沈黙し、6安打無得点。今回と酷似した試合展開だった。

◆V記念日にあぁ3強1人負け。阪神が3年ぶりのスミ1で2位ヤクルトに敗れ、2・5差に迫られた。先頭が5度も出塁しながら、あと1本が出ないもどかしさ。マルテ、サンズ、ロハスの外国人トリオがスタメン出場した試合はブレーキで、後半3戦全敗と悩ましい。9月15日は03年に星野阪神が優勝した記念日だったが、3位巨人もサヨナラ勝ちでこちらも2・5差に接近。虎のVロードがスカッと晴れない。 阪神は最短18日にも首位から陥落の可能性がある。17、18日中日戦に連敗し、直接対決するヤクルトと巨人のどちらかが連勝したとき。このとき阪神の貯金は13、連勝したヤクルトまたは巨人の貯金は12となるため、首位チームは2位阪神にマイナス0・5ゲーム差となる。

◆ヤクルトの村上が一回2死三塁から先制の左前適時打を放った。阪神の先発・伊藤将の直球を捉え、「小川さんに先に先制点をという気持ちで打席に入った。粘り強く食らいついていった」とコメントした。

◆阪神は走者を出しながらも得点を奪えず。六回まで無得点に終わった。 一回に先頭の近本が右翼線への二塁打を放ったが、中野と糸原と右飛に打ち取られると、マルテが見逃し三振に倒れた。 二回は先頭の大山が放った飛球を遊撃・西浦と左翼・荒木が見失って、無死二塁に(記録は左翼への二塁打)。ラッキーな形で好機を作ったが、サンズが遊ゴロ、ロハスは見逃し三振に終わると、梅野が申告敬遠の後、伊藤将は二ゴロで得点を奪えなかった。 三回も先頭の近本が一塁への内野安打も、続く中野は空振り三振で一走の近本も盗塁失敗で併殺。四回は先頭のマルテが中前打も大山が遊ゴロ併殺で走者を進められなかった。 六回には近本がこの日3本目の安打を放つと、中野が捕犠打。2死後、2者連続四球で満塁としたが、サンズが左飛に倒れた。六回まで5安打も、すべてイニングの先頭。その後が続くことができず、無死からの走者を得点につなげられなかった。

◆先発した阪神・伊藤将司投手(25)は6回86球を投げて、5安打1失点で交代となった。 一回に先頭の塩見に左前打。続く荒木は三ゴロで二塁封殺も、二盗と山田の遊ゴロの間に三塁に進まれると、村上に先制の左前適時打を浴びた。 その後は立ち直り、3イニング続けて三者凡退。五回に1死二、三塁とされたが、スクイズを試みた小川を捕飛に打ち取ると、スタートを切っていた三走のサンタナもアウトとなり、併殺で無失点で切り抜けた。 六回は2死一、二塁のピンチでオスナを見逃し三振。粘り強い投球で一回に失った1点のみに抑えたが、打線の援護がなく、今季8勝目とはならなかった。

◆2位のヤクルトが、首位・阪神を相手に完封リレーで逃げ切り、連敗を2で止めた。先発の小川は7回?を投げ7三振を奪うなど6安打無失点で8勝目(4敗)。八回途中から清水、九回に登板したマクガフが、点を与えなかった。打線は一回に2死三塁から村上の左前適時打で先制し、これが決勝点。阪神とのゲーム差を2・5とした。 大台に迫っているヤクルト・村上は、この日も4番の役割を果たした。一回、先頭の塩見が左前打で出塁し、その後2死三塁。村上が先制の左前適時打を放った。 阪神先発のD2位・伊藤将(JR東日本)が投じた内角直球に詰まりながらも外野まで運んだ。89打点目を挙げ、セ・リーグトップの巨人・岡本を追いかけている。 偉業達成を臨むファンが神宮球場に詰めかけた。12768観衆がプロ野球史上最年少となる通算100号を待ち望んでいる。前日14日の阪神戦(神宮)で六回に右中間席へ34号ソロを放ち、王手をかけた。 7回表、糸井嘉男を三振に抑えてはねる小川泰弘=神宮球場(撮影・今野顕) 四回の2打席目は右翼へ強いライナー。3打席目は勝負を避けられ、四球を選んだ。八回の打席は三振。村上は通算100号を「通過点」と語っており「今はそれ以上の目標」とチームの優勝が最優先だ。それでも今季中の達成は確実。高津監督は「いいところで打ってほしい」と語っており、チームを勝利に導くべく、バットを振り続ける。

◆阪神は拙攻が続き、ヤクルトに0―1で敗戦。今季9度目の完封負けを喫した。 一回から四回まで、イニングの先頭が出塁しながらも、得点にはつながらず。六回も先頭の近本が右前打を放つと、中野が捕犠打。2死後、2者連続四球で満塁としたが、サンズが左飛に倒れた。八回にも2死満塁としたが、ヤクルトの2番手、清水の前にサンズが空振り三振。好機であと一本が出なかった。 先発の伊藤将は一回2死三塁で村上に先制の適時打を浴びたが、それ以降は粘り強い投球で追加点を与えず。6回5安打1失点と好投したが、打線の援護がなく、今季7敗目となった。

◆前夜の勢いを持ち込みたかった2位・ヤクルトとの第2戦。拙攻に次ぐ拙攻で、一回から九回までスコアボードに「0」が並んだ。 前日は満塁機で主軸が苦しむなか、マルテが九回に起死回生の同点3ランを放って執念ドロー。矢野監督は「クローザーから打ってくれるのは、うちにとって引き分けは勝ちだと思う。本当にみんなのモヤモヤを吹き飛ばしてくれるような」と喜んでいた。 ヤクルトを突き放すチャンスをものにしたかった。一回先頭の近本が右翼線への二塁打を放ってチャンスメークも後続が凡退。大山の左翼への飛球が野手の間にポトリと落ちるラッキーな二塁打で、二回無死二塁と好機を作ったが、サンズ、ロハスが倒れ、その後2死一、二塁で伊藤将が二ゴロ。四回までいずれも安打で先頭打者を出しながら、ことごとく得点に結びつかなかった。 試合前の時点で小川との対戦成績は今季3試合で2勝0敗、防御率8・78と圧倒していた。好相性に加え、打線は9日のヤクルト戦(甲子園)以来、5試合ぶりにマルテ、サンズ、ロハスの助っ人砲3人を打線に並べた。井上ヘッドコーチも「サンズが出れば、ロハスが休む。ロハスが出れば、サンズが休む感じになる。その辺の危機感というか、俺も試合に出たいというものが(ある)」と意欲を評価し、「盛り上げてくれるっていうのはあいつらが頑張ってもらわないと困る。そういった姿勢、態度とか、練習はやってくれている。助かっています」と相乗効果に期待していた。 0-1の五回にヤクルト先発・小川がスクイズを失敗し、流れが来るかと思われた六回も2死満塁でサンズが初球127キロを打ち上げて、左飛に打ち取られた。八回2死満塁もサンズが2番手清水に空振り三振。虎党のフラストレーションがたまる1敗で2位ヤクルトに2・5差に迫られた。

◆ヤクルトが無失点リレーで3連敗を阻止した。小川は要所で粘り、八回途中まで6安打に抑えて7月3日以来の8勝目。清水が八回に好救援、マクガフが20セーブ目と、一回の村上の適時打による1点を守った。小川との一問一答は以下の通り。 --清水、マクガフの継投で逃げ切った 「ピンチでマウンドを譲ってしまった。最後まで投げ切る気持ちはあったが、あとは仲間を信じて応援していた」 --首位・阪神との直接対決 「ここ2試合、不甲斐ない投球でチームに迷惑をかけていた。きょうはなんとか長いイニングを投げられてよかった」 --投球を振り返って 「毎回ピンチを作ってリズムを作れなかったが、この1週間、走者を出してから粘ることをテーマに取り組んでいた。そういうことを出せた。野手も声をかけてくれて古賀も強気でリードしてくれて、自分の良いところを出せた」 --八回もマウンドへ 「七回を終わった時点で(高津)監督の方から『完封しろ』と声をかけられた。ギアを上げて投げ切りたかったが、そこまで甘くないなと思った」 --今後へ向けて 「首位を目指して全員で団結してがんばっていきたい」

◆阪神の先発・伊藤将司投手(25)は6回1失点の好投を見せたが援護がなく、7敗目(7勝)を喫した。打線は六回まで5度、先頭打者が安打を放ち、八回には2死満塁の好機でジェリー・サンズ外野手(33)が三球三振に倒れるなど、ホームが遠かった。試合後の矢野耀大監督(52)は「ジェリーがちょっと状態が悪いし、まあジュニア(ロハス)もあれやけど、チカが出てくれるだけにね、返すところのバッターというところが誰かが(調子)上がってこないとちょっと厳しいなと」と語った。

◆阪神は再三、好機を作りながらも、八回2死満塁でジェリー・サンズ外野手(33)が三球三振に倒れるなど、今季9度目の完封負けを喫した。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ーー先発の伊藤は黒星がついたが、持ち味を出した(6回1失点) 「そうやね。立ち上がりはちょっとあれやったけど、中盤以降はよう粘ってくれたから、こういう試合になったと思うし。いろいろ研究されてきているなっていうのは、随所にあるなかでね、粘れたのも収穫やと思うし。でもこっちも、よりやっていかなあかんっていうか、そういうのは試合を重ねて出てくる。その両方出たんじゃないかなと思うけど、よく粘ってくれた」 ーー14日もそうだが、失点は1点ずつ。前回対戦時からバッテリーで工夫している 「もちろんできているから、こういう結果になっている面もあるし。でももっとできるとこもあると思うんでね。もちろん、1点っていうこの点数だけのことじゃなくて、ゼロで終わっているところでも、もうちょっとやれることはやっぱあるし。それは点をとられたからダメで、相手のあることだから勝負にいったら打たれることもあるんで。そのなかでやることやって打たれているのと、やることをやれてなくても点入らんときもあるから。そこはいいとこと、また改善していくとこというのは、どの試合でもあるので」 ーーどこかのチャンスで点が欲しかった 「もちろん、もちろん」 ーースクイズ失敗の後とか 「そうやね、その後も先頭出たりとかチャンスはつくったんで。そういうところでは、ジェリーがちょっと状態が悪いし、まあジュニアもあれやけど、チカが出てくれるだけにね、返すところのバッターというところが誰かが(調子)上がってこないとちょっと厳しいなと」 ーー近本が好調。足を絡めての攻撃は 「いやそれは相手がある事だから。今日も別にいったやん、いったけどアウトになってるだけで。誰でもかれでも足を絡められるっていうことではないからさ」

◆今こそ1点を取る野球を!! 阪神は2位・ヤクルトに0-1で完封負けを喫し、2・5ゲーム差に縮められた。球団OBの上田二朗氏(74)=本紙専属評論家=は一回無死二塁で近本を進められなかった中野の打席を問題視。送りバントするべきだったと指摘し、優勝に向けた終盤の戦いでは「1点を取りに行くさい配が必要」と訴えた。 ■一回無死二塁、中野は犠打をするべき 「スミ1」の完封負けだから、敗因は打てなかったことに尽きるのだが、ヤクルト先発の小川がそこまで調子が良かったかといえば、私にはそうは映らなかった。阪神打線の低調さが、小川に好投させてしまった感じだ。 前日のマルテの起死回生弾や、6点差を追いついた巨人3連戦など、9月に入って派手な展開が続いている。だが、錯覚してはいけない。阪神打線は序盤の好機に適時打が出ず、点を取るのが遅い。明らかに調子が落ちているし、つながりも悪く、後手後手の試合を続けている。 まず1点。単純なことだが、先制するさい配、1点を取りに行くさい配が必要だろう。一回、無死から近本が二塁打を放った。続く中野は打ってチャンスを拡大する2番として機能してきたのは理解するが、打線が低調な今は、1点を取る作戦をしてもらいたかった。1点を取らなければ2点目もない。進塁打が打てればいいが、もっと簡単にいうなら送りバントだ。 投手の立場として、1死三塁で迎えるクリーンアップは、非常にプレッシャーがかかる。外野フライで1点入るのだから、打者も楽に打席に入れる。そういう作戦の積み重ねがあれば、近本が3度も無死から安打を放ったこの試合、小川は早くにマウンドを降りていたのではないか。 本当の意味で優勝を意識する時期は、もう少し先かもしれないが、序盤から送りバントを組み入れた作戦をする時期には来ていると思う。イケイケの作戦で乗り切る時期もあれば、何が何でも1点を取りに行く作戦が絶対に必要な時期もあるのだ。終盤を迎えたこの時期に適した野球をしてもらいたい。 バントだけではなく、つながりを意識した打撃も必要。二回無死二塁からのサンズが遊ゴロ。四回無死一塁から大山が遊ゴロ併殺打。この2つのケースで送りバントしろとは言わない。が、阪神の中軸の打撃からは、つなぎを感じなかった。 対照的にヤクルトの4番・村上は一発もあるが、前日も見せていたし、この日の先制打もそうだったが、左方向へ流してつなぐ打席も目立つ。 西勇の抹消は気がかりだが、青柳が復調気配。この日の伊藤将、さらには秋山も状態は良く、先発陣は安定気配。栄光のゴールは打線の踏ん張り次第だ。(本紙専属評論家)

◆伊藤将は6回1失点の好投も打線の援護に恵まれず7敗目。「初回に1点取られて、そこから粘り強く投げられたのは良かった。攻める気持ちで投げることができた」。一回に4番・村上に先制打を許したが、二回以降は無失点に抑えて試合を作った。矢野監督は「中盤以降はよう粘ってくれたから、こういう試合になったと思う。研究されてきているなかで粘れたというのも収穫」と評価した。

◆七回に登板した小川はピンチを招きながらも無失点に抑えて前夜の悔しさを晴らした。「昨日は点を取られてしまったので、今日は何としても0点に抑えるという気持ちでした」。14日は六回に2番手で登板し、先頭の村上にソロを被弾していた。この日は1死から2本の安打で2死一、三塁とされたが、最後は塩見を高めの直球で空振り三振に斬り、意地を見せた。

◆大ピンチを3球で切り抜けた。ヤクルト・清水昇投手(24)が、1―0の八回2死満塁で先発の小川に代わって登板。フォークボールを3球続け、サンズを空振り三振に斬った。清水も、捕手の古賀も、思わずガッツポーズ。まさに勝利を決める〝清水の3球〟となった。 「絶対間違いの許されない場面。あそこで投げ切れるかというのは、救援としての真価が問われるところ。今日は狙ったところに続けて投げられたんじゃないかなと思います」 現役時代、日米通算313セーブを挙げた高津監督が、国学院大出身の3年目右腕を熱っぽくたたえた。 昨季は52試合に登板し、30ホールドポイント(HP)を挙げて最優秀中継ぎ投手のタイトルに輝いた清水。今季は52試合に登板し、これでリーグトップの35HP目だ。逆転Vへ「どんなピンチでも、ゼロで抑えるという気持ち」との決意を胸に、しびれる場面で腕を振り続ける。(横山尚杜)

◆矢野虎の得点パターンは作れたが、〝ゴール前〟での精度を欠いた。今季9度目の完封負けという屈辱を味わい、矢野監督も嘆き節だ。近本が先頭で3度出塁し、得点圏に走者を置いたが...。肝心のポイントゲッターがいなかった。 「ジェリー(サンズ)がちょっと状態が悪いし、まあジュニア(ロハス)もあれやけど、チカ(近本)が出てくれるだけにね。(走者を)かえすところのバッターというところが、誰かが(調子)上がってこないとちょっと厳しいなと」 チームとしては全部で5度、先頭打者が出塁するも、今季は虎に3戦2敗だった小川の制球力と粘りで最後まで得点できず。試合前の時点で右腕に対して打率・857(7打数6安打)と好相性を誇り、2試合ぶりに先発出場の〝ライアンキラー〟サンズの不発も誤算だった。 六回、先頭の近本がヒットで出塁し、その後マルテ、大山が連続四球で2死満塁と追い詰めながら、サンズが初球のチェンジアップを打ち上げて左飛に倒れ、虎党からため息がもれた。八回も糸原がヒット、マルテは故意四球、大山も四球で2死満塁。あと一歩、というところでスイッチした清水のフォークにS砲のバットが空を切った。 前日は11残塁も、九回のマルテの同点3ランで執念ドローに持ち込んだが、その勢いも途切れてしまった。サンズはここ5試合で打率・200(15打数3安打)、0本塁打、1打点と不調。2試合連続スタメンのロハスも4タコに終わった。 「先頭が出たりとか、チャンスはつくったんで...」 矢野監督が振り返ったように確かに得点の匂いはしていた。だが、近本が出塁し、助っ人砲がかえす〝お約束〟の場面が訪れず、神宮の2連戦で2位・ヤクルトを突き放すどころか、この日勝利した巨人とともにゲーム差を2・5に縮められた。17日からは甲子園で中日との2連戦。ホームで仕切り直し、猛虎打線がシャキッと目覚める。(新里公章)

◆実りはしなかったが、神宮で3度の快音を響かせ、希望の光となった。屈辱の完封負けの中で近本が3安打と孤軍奮闘。1番打者として、役割を果たした。 「自分のやるべきことはできましたが、チームが負けてしまったので悔しい気持ちです」 プレーボール直後の一回先頭。小川の初球を引っ張り、右翼線への二塁打を放った。三回先頭では、一塁へのゴロでベースカバーに入った小川と競走になると、快足を飛ばして内野安打にした。 六回先頭でも右前打。いずれも中軸が倒れたため、得点にはつながらなかったが、イニングの先頭でチャンスメークした。これで今季12度目の猛打賞をマーク。2019、20年に記録した自己最多となるシーズン13度に王手をかけた。 開幕直後は不振だったが、シーズンが進むにつれて状態を上げていった。8月26日に打率を3割台に乗せてからは一度も3割を切ることなく、気が付けば同・311まで上昇。この日、順位を1つ上げてリーグ4位につけた。 トップのオースティン(DeNA)はこの日5打数1安打で同・323。近本は142安打でリーグトップに立っているが、安打数だけでなく、3年目で自身初の3割到達、そして首位打者のタイトルも狙える位置にいる。 3試合連続で複数安打を記録するなど、後半戦は打率・372と絶好調。9月も半ばまできており、大事な試合が続く中で、リードオフマンが活躍を続けているのは頼もしい限りだ。17日からは甲子園に戻って中日との戦いが待っている。 「優勝争い関係なく、常に勝つことだけを考えているので、特に意識することなく目の前の試合を一戦一戦を戦っていくだけです」 一戦必勝を誓った近本。16年ぶりのリーグ優勝に向けて、2位・ヤクルトも3位・巨人も再び突き放す。選手会長が先頭に立ち、歓喜のときへと導いていく。(菊地峻太朗)

◆エース、復権!! ヤクルト・小川泰弘投手(31)が15日、阪神20回戦(神宮)に先発し、7回2/3を6安打無失点で約2カ月ぶりとなる今季8勝目(4敗)を挙げた。7月に新型コロナウイルスの検査で陽性判定を受けて離脱していた右腕が、復帰後初勝利。1―0の零封勝利に大きく貢献し、チームは首位・阪神とのゲーム差を2.5に縮めた。 仲間を信じ、ベンチで最後の瞬間を見守った。小川が復活の白星。帰ってきたエースは、お立ち台で「最後まで投げ切る気持ちだったんですけど、あとは仲間を信じて応援していました」と相好を崩した。 苦境の連続だった。回の先頭に5度出塁を許しながら捕手・古賀の強気のリードに応えて内角を突き、簡単には進塁させなかった。7三振は全て直球で奪ったもの。六回2死満塁では7打数6安打と苦手にしていたサンズを、懐へのチェンジアップで左飛に仕留めた。7月3日以来となる後半戦初勝利に「何とかやり返したいと思っていました。粘ることができて良かった」と息をついた。 苦難を乗り越えた。7月上旬、新型コロナウイルスに感染して離脱。同下旬にチームに合流したが、体の動きや心肺機能はすぐには戻らなかった。東京五輪の中断期間に行われたエキシビションマッチや2軍戦で登板を重ね、8月31日の巨人戦で復帰。ただ、なかなか本調子に戻らず、前回8日の阪神戦で4敗目を喫した。 それでも、決して後ろ向きにはならなかった。「落ち込んでいる暇はない。先のことを考えてもしようがないし、今日やれることを積み重ねていくしかない。それしかないんだよ」。若い頃から、そう前だけを向いてきた。チーム合流直後から走り込みを続け、1軍復帰後も長距離ダッシュなどでスタミナの向上に努めた。 周囲の支えが力になった。コロナの影響で2度の自宅待機を経験した青木からは「焦っても意味がない。1軍に上がったら、しっかりやれるように、じっくり追い込んだ方がいい」と金言をもらい、胸を熱くした。1軍合流後も「無理はさせない」と気遣ってくれた高津監督の思いにも「何とか応えたかった」とうなずく。 右腕の好投は、チームのモヤモヤも振り払った。13日の中日戦では九回1死一、二塁からの挟殺プレーで二塁塁審のジャッジがなかったことを巡り指揮官が約15分間、猛抗議(結果は0―1敗戦)。前日14日の阪神戦では4-1の九回に守護神・マクガフがマルテに3ランを浴び、土壇場で追い付かれた。 高津監督は「あまり気分の晴れる2日間ではなかった。1―0で勝てるとは思っていなかったけど、僕以上に選手がしっかりグラウンドに立った証拠」と目を細めた。チームは2015年以来の優勝へ踏みとどまり、首位とのゲーム差を2・5に縮めた。「スミ1」を死守し、コロナ感染から3戦目で復帰後初勝利。前回優勝を知るエースが、輝きを取り戻した。(赤尾裕希)

◆大山はチャンスに強いのか? 弱いのか? 可能なら、全野球ファンにアンケートを実施してみたいと、ずっと思っている。 ちょっとけがをして、夏前に約2カ月入院したワタクシ。その時、病室の隣のベッドにいた熱狂的虎党のおじいちゃんが「あんな勝負弱い選手は見たことない」と怒っていたのが大山だった。 確かに14日の試合は、ことごとく期待を裏切られた。15日も、走者のいない二回に二塁打。肝心の走者一塁の四回に併殺打。六回一、二塁&八回一、二塁は四球という実に微妙な結末。チャンスに強いとは思えない。どう見ても弱いやろ...とワタクシも内心でおじいちゃんに賛同だ。読者に叱られるのを承知で。 「でも、弱かったら、この賞を受賞しないでしょ」 甲子園で2軍戦戦取材中のトラ番・原田遼太郎にいきなり叱られた。 発表された7、8月の「スカパー!サヨナラ賞」。大山が賞金30万円をゲットしていた。 対象となったのは7月12日のDeNA戦。九回の5連打を締めくくったサヨナラ打の記憶は鮮明だ。 「9月度も大山になるんじゃないですか?」 原田が追い打ちをかけてきた。根拠は今月4日の巨人戦。確かにあの逆転サヨナラ2ランにはしびれた。 最も勝負強さが求められる「サヨナラ賞」を連続受賞するかも、ということは、こんな勝負強い打者はいないのか。う~ん、野球は難しい。「老人の日」にふと思い出した、おじいちゃんの大山の話だ。 昭和の時代に教わった「日本の祝日」では、9月15日は「敬老の日」だった。今は「老人の日」と呼び方も変わり、休日ではなくなっている。とはいえ、この令和の時代になっても「9・15は敬老の日」と答えてしまう。そんな世代です。 〝昔の祝日〟を知らなかったり、忘れ去った世代にとって「9・15」は星野阪神優勝記念日となる。 目を閉じて、思い出しましょう。2003年。星野仙一に負け犬根性をたたき直され、闘争心を注入されたタテジマ戦士は、日本中に大フィーバーを巻き起こし、栄光のゴールに駆け込んだ。デーゲームで赤星憲広がサヨナラ安打を放ち、夜、ヤクルト敗戦を待って決めた、18年の空白を経ての優勝。闘将が宙に舞った甲子園。9月15日の夜だった。あれから、また18年の歳月が流れたことになるのか...。 タイガース史を語る上で、最高に縁起のいい日の一つ。昔を懐かしんで笑って過ごせばいいのに、そうはいかないのが、編集局内で「阪神が勝ってド派手な紙面」を作ろうと、ない知恵を絞っているヤツらだ。 当番デスク席に陣取る白石大地が、微妙な社内の空気を伝えてきた。 「紙面総括席で、(整理部長の)矢田(雅邦)さんが『昼間から縁起が悪いなぁ』『縁起が悪すぎる』とボヤいているんですよ」 原因は何や? 「ファームの連勝記録を更新し続けてきた阪神2軍がついに負けたからなんです」 苦笑いの白石デスクに、こっちまでつぶやいてしまう。「ぜいたく言うなよ」と。19連勝ならず。立派なもんや。 それより、1軍やろ? 大山が9・15に決めていれば、カッコ良かったんだけどなぁ。改めて思う。勝負強くはない。

◆優勝を狙おうっていうチームがスミ1(一回の1点)で負けるかァ~? ちゅ~か! 新人の伊藤将が6回1失点の粘投を見せたのに見殺し...。10勝すれば新人王もあるのに、若虎の夢を砕く虎打線が今夜は憎い~!! 矢野監督に問う!! 大山・サンズをなぜ並べる? NPB通算286セーブの大ストッパー、ヤクルト・高津監督の「2人ともスランプだから慎重に投げて2人でアウトを1つ取る投球をしましょう」に、ドップリはまってしまったじゃないのさー!! 満塁の打席で2度、打ち取られたサンズを見て、俺は闘将、星野仙一監督が話してくれた言葉を思い出していた...。 「ダンカン、わしは選手を信頼しとるよ。信頼はしてるけど、信用はしとらんよ!!」 『信頼』と『信用』。う~ん、そのとき、若僧だった俺はその違いに「???」。首をかしげていたけど、60歳を超えてその意味が分かった気がするのだ!! 「星野さん、それって八回2死満塁で、サンズに結果がどーではなく代打・原口を送れ!!ってことですよね!!」。猛虎打線よ、全国の虎党に信頼超えの信用をくれー!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
61465 0.570
(↓0.005)
-
(-)
31451
(-)
434
(+1)
105
(-)
95
(+1)
0.252
(↓0.001)
3.580
(↑0.02)
2
(-)
ヤクルト
524213 0.553
(↑0.005)
2.5
(↑1)
36472
(+1)
411
(-)
106
(-)
65
(+1)
0.256
(-)
3.610
(↑0.03)
3
(-)
巨人
544415 0.551
(↑0.005)
2.5
(↑1)
30451
(+7)
432
(+6)
140
(+3)
60
(+1)
0.247
(↑0.001)
3.600
(↓0.02)
4
(-)
中日
465414 0.460
(↓0.005)
11.5
(-)
29350
(+3)
373
(+5)
63
(+1)
54
(-)
0.242
(↓0.001)
3.160
(↓0.02)
5
(-)
DeNA
435514 0.439
(↓0.004)
13.5
(-)
31450
(+6)
505
(+7)
116
(+2)
23
(-)
0.258
(-)
4.300
(↓0.03)
6
(-)
広島
435710 0.430
(↑0.006)
14.5
(↑1)
33414
(+5)
465
(+3)
93
(+1)
51
(+1)
0.260
(↑0.001)
3.940
(↑0.01)