阪神(★3対13☆)ヤクルト =リーグ戦18回戦(2021.09.09)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:高橋 奎二(3勝1敗0S)
敗戦投手:髙橋 遥人(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆ヤクルトは初回、村上とサンタナの適時打などで一挙5点を先制する。6-3で迎えた6回表にはオスナの2点適時打が飛び出すなど、終わってみれば15安打で13得点を挙げた。投げては、先発・高橋が6回3失点10奪三振の好投で今季3勝目。敗れた阪神は、投手陣が崩壊した。

◆今季のヤクルト山田哲人内野手(29)と村上宗隆内野手(21)は甲子園で4本塁打。ヤクルト選手が甲子園でシーズン5本以上打てば19年バレンティン(5本)以来。日本人選手に限れば04年岩村(5本)以来、球団17年ぶりとなる。

◆ヤクルト田口麗斗投手(25)が、移籍後初めてブルペン待機する。今季17試合すべて先発登板だったが、9日ベンチ入りした。 チームはこれまで救援左腕が坂本のみで戦うことが大半。坂本は今季36試合に登板し、防御率4・05。5日広島戦で1回1安打1失点。8日阪神戦では、2/3回で3四球を与え、2戦続けて結果を残せず、この日はベンチ外となった。 田口は巨人時代66試合でリリーフ登板を経験。ブルペンの層を厚くする狙いがあるとみられる。

◆阪神は前日8日に代打で6号同点2ランを放ったメル・ロハス・ジュニア外野手(31)を「7番右翼」で2試合ぶりにスタメン起用した。ヤクルト先発の左腕高橋に対して、両打ちのロハスは右打席に立つこととなる。9月は6試合で打率4割、2本塁打、8打点と好調の大山悠輔内野手(26)は、この日も「6番三塁」に入った。33打席連続無安打で2試合出番がない佐藤輝明内野手(22)は、この日もスタメンから外れた。 阪神先発は上肢コンディション不良から復帰し、今季初登板となる高橋遥人投手(25)。受けるのは9月3日の巨人戦以来、今季5度目のスタメンマスクとなる坂本誠志郎捕手(27)。現在、チームは8試合連続で相手に先制を許しているだけに、打線が早めの援護をしたい。

◆首位阪神が初回から守乱で5失点した。9戦連続で先制点を献上した。 先発は上肢コンディション不良でリハビリを続けていた高橋遥人投手(25)。満を持しての今季初登板でいきなりつまずいた。 1番塩見、2番青木に連打を献上。3番山田は当たり損ねの三ゴロに打ち取ったが、大山のジャンピングスローが浮いて悪送球に。無死満塁となり、4番村上に先制の左前2点打を浴びた。 なおも1死一、二塁、6番中村に左前打を許すと、ジェリー・サンズ外野手(33)がボールの持ち替えに失敗し、二塁走者がホーム生還。さらに1死一、二塁で7番サンタナの詰まった飛球を中堅の近本光司外野手(26)がチャージして後逸。これが2点二塁打となり、一気に5点を失った。 初回から2失策し、これで両リーグワーストの失策数は72となった。

◆阪神小野寺暖外野手(23)がプロ初適時打でプロ初打点を挙げた。 6点を追う4回2死一、二塁で代打登場。左腕高橋の直球を左前にはじき返し、二塁走者を生還させた。 「皆さんにチャンスの場面を作っていただきましたし、6点差ありますが、まだまだ逆転できる試合だと思うので、とにかくランナーをかえすという気持ちで打席に入りました。打つことができて良かったです」 龍谷大平安出身のヤクルト高橋とは同学年。京都翔英高時代に府内でライバルだった左腕からメモリアル打を決め、この回3得点の反撃を呼び込んだ。

◆312日ぶりの1軍登板となった阪神高橋遥人投手(25)は4回9安打6失点(自責5)で降板し、復帰マウンドを白星で飾ることはできなかった。要した球数は85球。初回に味方の失策がからみ一挙5失点。打ち取った当たりがボテボテの安打になるなど、波に乗れなかった。 初回、先頭の塩見に粘られ遊撃への内野安打で出塁を許すと、青木に直球を捉えられ右前打。山田はボテボテの当たりも、三塁手大山の送球が高めに浮く悪送球で無死満塁のピンチ。迎えた4番村上に初球の直球を左翼へ運ばれ、先制の2点適時打を許した。 なおも1死一、二塁から中村の左翼への打球をサンズがファンブルし、その間に二塁走者の山田が生還。さらに、サンタナの中堅への打球を近本が後逸(記録は二塁打)し、一気に2者が生還した。 2回はオスナの犠飛で6点目を許すも、徐々にペースを取り戻し、3、4回と無失点。4回裏2死一、二塁で打席が回り、代打小野寺を送られた。 上肢のコンディション不良でリハビリを続け、この日は昨年11月1日DeNA戦以来のマウンド。今季はここまで2軍戦で6試合に登板し17回1/3を1失点。直近の8月31日のウエスタン・リーグ広島戦(鳴尾浜)では76球を投げ、復帰後最長の5回1/3を1安打無失点に抑えていた。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)がプロで初めて守備から途中出場した。3点ビハインドの6回、2番手藤浪が山田に四球を出して1死満塁とした直後。岩貞への投手交代だけでなく、右翼ロハスが左翼に移り、左翼サンズが退いて佐藤輝が右翼に就いた。「ライト 佐藤輝明」とコールされると、スタンドから大きな拍手が起こった。 直後の6回の打席では長いトンネルを抜け出せなかった。2死一塁で左腕高橋に直球2球で追い込まれ、最後は117キロの低めボール球に手を出して空振り三振。これで今季150個目の三振となり、自己ワーストをさらに更新する34打席連続無安打となった。 9回の第2打席では、石山の高め150キロ直球に空振り三振。これで今季151個目の三振となり、97年桧山の150個を抜いて球団史上単独3位、球団日本人選手では最多三振となった。なお、同1位は14年ゴメスの166個、同2位は10年ブラゼルの153個となっている。 7日のヤクルト戦(甲子園)で今季105試合目にして初めて欠場。前日8日も出番がなく、この日もベンチスタートだった。ここまで23本塁打を放ち、球団新人記録を塗り替えるなど活躍を見せてきたが、ドラフト1位ルーキーが大きな壁にぶつかっている。

◆阪神がヤクルトにまたも2ケタ失点を喫した。7回までに14安打を浴び13点を失った。今カード初戦の7日もヤクルトに18安打を浴び、12失点で完封負けを喫している。 先発は312日ぶりの1軍登板となった阪神高橋遥人投手(25)。初回に味方の失策が絡んで5点を失うなど波に乗れず、4回9安打6失点(自責5)で降板した。 2番手で登板したのは藤浪晋太郎投手(27)。5回は最速161キロをマークし、連続三振から3者凡退と好投した。しかし6回、先頭の投手高橋、坂口に連続四球。1死から山田にも四球を与えて満塁としたところで降板となった。 3番手でマウンドに上がったのは岩貞祐太投手(30)。4番村上を遊撃中野の好守もあり打ち取ったが、オスナに右前適時打を浴び2人の生還を許した。回をまたいだ7回もヤクルト打線の勢いを止められず、この回4安打4四死球で5点を失った。 6点を追う4回に打線が3点をかえし反撃に出たが、終盤に再び大差をつけられた。

◆阪神が2ケタ失点でヤクルトに大敗し、カード負け越しを喫した。引き分けた2位巨人と2ゲーム差に、3位ヤクルトには2・5ゲーム差に迫られた。 今季初先発の高橋遥人投手(25)は、初回に2本の単打と失策で無死満塁とし、4番村上宗隆内野手(21)に左前2点適時打を浴びるなどこの回5失点。さらに2回にも犠飛で1点を失い4回6失点で降板した。5回から登板した藤浪晋太郎投手(27)も1回1/3を投げ2失点。3番手岩貞祐太投手(30)も1回2/3を5失点と流れを引き寄せられなかった。 打線の反発は4回。2死一、二塁から代打小野寺暖外野手(23)が左前適時打を放ち、プロ初打点を挙げた。続く近本光司外野手(26)も2死一、二塁から左中間へ2点適時二塁打を放った。 しかし投手陣の大量失点が重く、手痛い敗戦となった。阪神高橋に今季初黒星がついた。

◆阪神が2ケタ失点でヤクルトに大敗し、カード負け越しを喫した。引き分けた2位巨人と2ゲーム差に、3位ヤクルトには2・5ゲーム差に迫られた。

◆ヤクルトは1回に6安打に2つの敵失を絡めて打者10人で5点先制。2回はオスナの犠飛で1点を加えた。阪神は3回まで無得点。 阪神は4回に代打小野寺、近本の連続適時打で3点を返した。ヤクルトは6回2死満塁でオスナの適時打で2点を追加した。 ヤクルトは7回も打者11人で5点を加え、15安打13得点で快勝。先発高橋は今季3勝目。阪神高橋は今季初登板で1敗目。

◆阪神藤浪晋太郎投手は2イニング目に崩れた。3点差に迫った直後の5回から2番手で登板。1イニング目は7番サンタナから外角低め161キロ直球で見逃し三振を奪うなど、2奪三振で3者凡退に仕留めた。 だが、6回は先頭の9番高橋から2者連続四球を与え、なおも1死一、二塁で3番山田に暴投、四球を献上。1死満塁で降板し、3番手岩貞が2点打を浴びた。1回1/3を3四球で2失点。先発登板1試合を含めて4戦連続2失点以上と勢いに乗れない。

◆阪神が3位ヤクルトに大敗した。今季初先発の高橋遥人投手が4回6失点。期待された左のエースが課題の拙守にも足を引っ張られ、序盤で試合は崩れた。15安打を浴びて、13失点。9月の4勝は全て逆転という「逆転の虎」もさすがに発動ならず、白旗を揚げた。首位は保ったが、ヤクルト3連戦は1勝2敗で計28失点と火だるまだっだ。312日ぶりのマウンドに立った高橋を、味方は助けられなかった。 「チームも優勝争いをしている中で今日投げさせていただきましたが、試合を壊すような形になってしまい、チームに本当に申し訳ないです」。 4回9安打6失点(自責5)で今季初黒星。この日の最速は150キロを計測するも、不運な内野安打もありリズムに乗れなかった。 緊張の面持ちで向かった初回。先頭の塩見から連打を許した直後だった。山田をボテボテのゴロに仕留めるも、三塁手大山のジャンピングスローが高めに浮き悪送球。無死満塁とピンチは広がり、4番村上に初球の直球を左翼へ運ばれ2点を先制された。 相手に渡した流れは断ち切れない。1死一、二塁から、中村の左前打を処理したサンズがファンブルし、その間に二塁走者の山田が生還。さらにサンタナの中堅への飛球に近本がチャージして後逸し、2人がホームを踏んだ(記録は二塁打)。失策数は両リーグワーストの72。復帰戦の高橋をもり立てるはずが、大きく出ばなをくじかれた。後を受けた藤浪も2失点、3番手岩貞も5失点。初回の勢いのまま、ヤクルトに大勝を許した。 高橋は上肢コンディション不良でリハビリを続け、満を持して今季初マウンドに臨んだ。白星で飾ることはできなかったが、尻上がりに調子を上げて3、4回は無失点に抑えた。矢野監督は「やっぱりいいときの状態ではないよね。捉えられている打席も多かった」と指摘して上で、「次回も考えてるよ」と再び先発チャンスを与えることを明言。一方、失策が続いた野手陣については「まあまあ、締まらんわね」と苦言を呈した。 8月29日広島戦(マツダスタジアム)から9戦連続で先制を許している。打線の反発力が光るが、全てで劇的に勝利することはできない。次こそ先手を取って勝ちきりたい。【磯綾乃】

◆阪神佐藤輝明内野手(22)に光が見えない。10点ビハインドの9回、ヤクルト石山の高め150キロ直球に空振りし、6回の第1打席から2打席連続の空振り三振に終わった。7日のヤクルト戦(甲子園)から2試合連続で欠場。3試合ぶりの出番は長いトンネルの続きだった。 「三振は自分の技術不足」と常々言ってきた。これで今季151個目。97年桧山の150を抜いて球団では歴代3位、日本人選手では最多だ。自己ワーストをさらに更新する35打席連続無安打。出口が見えない。 この日はプロで初めて守備から途中出場した。3点ビハインドの6回から右翼に就いた。「ライト 佐藤輝明」とコールされると、スタンドからは大きな拍手。不振の中でも期待は変わらない。身に染みて感じているのは、他でもない本人だろう。 矢野監督は試合後、佐藤輝の今後の起用について「これから考える」と話すにとどめた。これまでも首脳陣は身ぶり手ぶりで指導し、佐藤輝も早出特打を行うなど、浮上の糸口を探し続けてきた。決して無策ではない。この日の試合前にはルーティンの「置きティー」で振り込み、フリー打撃では49スイングで柵越え10本。練習で響く快音が、試合ではなかなか出ない。 ここまで23本塁打を放ち、球団新人記録を塗り替えるなど活躍を見せてきたドラフト1位ルーキーが、分厚く大きい壁にぶつかっている。【中野椋】 ▼ルーキー佐藤輝が2三振を喫し、今季の三振が151。シーズンの最多三振は93年ブライアント(近鉄)の204三振だが、阪神の日本人打者では97年桧山の150三振を抜くワースト記録。なお、外国人も含めた球団最多は14年ゴメスの166三振。

◆上肢のコンディショニング不良だった阪神高橋遥人投手(25)が今季初登板初先発だったが、味方の拙守も重なり初回に5失点。4回6失点で今季初黒星となった。4回には3点を奪い2点差に追い上げたが、中継ぎ陣がつかまり、大敗となった。2戦連続で欠場していた佐藤輝明内野手(22)は、6回途中から右翼の守りで途中出場したが2打席とも三振。35打席無安打が続いている。 矢野燿大監督(52)の試合後の一問一答は以下の通り。 -エラーも絡んだが初回に5失点というスタートになった高橋の投球はどう見たか やっぱりいいときの状態ではないよね。もちろんヒットも、もちろんそういうのはあったとはいえ、捉えられている打席も多かったので。遥人の本来の、というところではなかった。 -失策が続いてしまったところは まあまあ、締まらんわね。 -嫌な流れとなるきっかけに 締まらんね。 -高橋は次回は いや次回も考えてる。 -中継ぎも大量失点 もちろん、踏ん張ってほしいね、そこは。 -藤浪は2イニング目に急変 それは本人に聞かないとわからない。 -佐藤輝が3試合ぶりに出場も2三振。今後は 今から考えようかなと思います。 -小野寺は代打で結果 なかなかチャンスは現状多くないけど、そういうところで打つっていうのは、自分でチャンスをつかみにいっているものになると思うし。もちろん、結果だけじゃなく内容もこっちは見ているんで。そういうところではいい打撃、最初から振りにいってのいい打撃だった。

◆阪神が3位ヤクルトに大敗した。今季初先発の高橋が4回6失点。期待された左のエースが課題の拙守にも足を引っ張られ、序盤で試合は崩れた。15安打を浴びて、13失点。9月の4勝は全て逆転という「逆転の虎」もさすがに発動ならず、白旗を揚げた。首位は保ったが、ヤクルト3連戦は1勝2敗で計28失点と火だるまだっだ。阪神がヤクルトに大敗した。この3連戦は28失点と投手陣が崩れた。2桁失点は今季6度目だが、前半戦84試合で3試合だったのが、後半戦23試合目で早くも3試合と投手陣にほころびが出ている。先発陣の防御率も前半戦2・95だったのが、後半戦は4・66と1点以上悪化。救援陣も前半戦4・13→後半戦4・65と悪化しているが、先発陣の不振ぶりがより目立つ。

◆阪神浜地真澄投手が2回を無失点で抑え、前回登板の悔しさを晴らした。4番手で登板して8回は3者凡退。9回は1死から内野安打を許したが、オスナを投ゴロ併殺。「リズム良く、ゼロで帰るんだという気持ちで投げました」。 前回8月26日のDeNA戦では7点リードの最終回を任されて1失点と締まらず。同28日に出場選手登録を抹消された。「(ファームでは)悔しさが一番にあった」と再び訪れたチャンスで結果を出した。

◆"セ界一"のヤクルト打線が火を噴いた。1回、いきなり打者一巡の猛攻で5点先制。7回にも打者11人で5点をもぎ取り、先発全員安打の合計15安打13得点で打ち勝った。 高津監督は「ホームランはなかったが、しっかりつないでというところがよくできた」と満足げだった。リーグ最少の102試合で最多の453得点と、今季は強打を発揮し続けている。

◆ヤクルト塩見泰隆外野手(28)が、突然交代した。1番中堅で先発出場も、2回の守備からベンチに下がった。 試合後高津監督は「ちょっと疲れがあったので、早めに代えました」と説明した。また、出場選手登録の抹消についても否定した。 チームは阪神3連戦を終え、10日は試合はない。次戦は11日、神宮でDeNAと戦う。

◆左のエースは俺だ! ヤクルト高橋奎二投手(24)が、6回を6安打3失点と好投。阪神高橋との"高橋ダービー"を制し、3勝目を挙げた。今季8登板のうち、6回以上自責3以内のクオリティースタートを6度記録。安定した投球を続けてきた。緊迫感あるマウンドにも気後れせず、首位阪神に2・5差。2位巨人とは0・5差に迫った。高卒6年目左腕が頼もしさを増してきた。威風堂々と投げ込んだ。負ければ首位阪神と4・5差と突き放される戦い。それでも高橋は、プレッシャーを気にしなかった。「ここ最近は自分のピッチングができている」。勝ち星はあまり伴わなくても、試合を作り続けてきた自信がある。4回に3点を失うも、動揺せずに腕を振った。6回2死一塁、佐藤輝をワンバウンドの117キロスライダーで空振り三振に封じた。役目を終えると、ベンチへ引き揚げながら、何度も両手をたたいて、感情を爆発させた。 いつも通りのマウンドで、いつも通りではないこともあった。「変化球自体もある程度コースに決まっていて。追い込んでからもストライクからボールになる変化球が投げられた」と納得した。チェンジアップやスライダー、最遅108キロのカーブがあるから直球が生きる。緩急で揺さぶり、龍谷大平安(京都)2年春のセンバツで優勝に貢献した思い出の球場で、プロで初白星を収めた。 今季初登板は6月13日ソフトバンク戦と出遅れたが、以降はコンスタントに先発登板を続ける。一番の変化として、脱力投法が好調を支えてきた。ゆったりしたフォームに重点を置く今季。「足を上げたところからゆっくりというイメージができている。あれがいいのかなと思う」と分析する。しっかり立ち、タメをつくることで、課題の制球力も向上。ストライクゾーンで勝負できることが、結果につながってきた。 首位との直接対決3連戦。初戦で6勝目を挙げた高卒2年目の奥川と、正念場で阪神相手に今季初のカード勝ち越しを成し遂げた。「後輩には負けたくないという気持ちがずっとある」と切磋琢磨(せっさたくま)し合い、左右の次世代エースとして台頭。逆転優勝へ向けて、大きな柱が誕生の予感だ。【湯本勝大】 ▽ヤクルト高津監督(阪神3連戦を奥川、高橋の若手で勝ち越し)「初戦の奥川もそうだが、この3連戦を彼らに託して、いい経験をさせて成長させたいと思った。(高橋は)3点は取られたが、よくあそこで踏ん張った」

◆首位阪神が、不振の続くドラフト1位佐藤輝明内野手(22)の出場選手登録を抹消する方針を固めた。ヤクルト戦(甲子園)の6回途中に右翼守備から3試合ぶりに出場。2打席連続の空振り三振に倒れ、35打席連続無安打となった。試合は大敗し、2位巨人、3位ヤクルトとの首位争いは混沌(こんとん)としたままだ。残りは36試合。チーム最多23本塁打のルーキーの力は不可欠で、2軍での再調整で打撃を立て直す。悩める怪物ルーキー佐藤輝に、ついに断が下された。2試合欠場が続き、3試合ぶりの出場で2打数無安打、2三振。3位ヤクルトに大敗してカード勝ち越しを逃した試合後、矢野監督は今後の起用について「今から考えようかなと思います」と言及した。その後、10日からの広島2連戦(マツダスタジアム)には帯同させず、2軍での再調整で復調を待つ方針を固めた。 事態は深刻だった。9回にヤクルト石山の高め150キロ直球に空振りし、これで今季151三振となった。97年桧山の150を抜いて球団史上3位、球団日本人選手では最多。35打席連続無安打と自己ワーストをさらに更新した。球団新人最多本塁打を更新した8月19日DeNA戦(東京ドーム)で23号を放ったのを最後に自慢の1発も出ていない。 公式戦中断期間に行われたエキシビションマッチでは、バットの左手の握りを変え、構えた位置も低くなるなど改良を重ねてきた。矢野監督、井上ヘッドコーチらが直接指導したほか、佐藤輝も早出特打で浮上のきっかけを模索。矢野監督からは「(出場機会は)奪い取ればいいんじゃない?」とハッパを掛けられていた。結果的に"ラストチャンス"となったこの日も快音は最後まで聞こえなかった。 阪神の2軍は10日に試合がなく、佐藤輝は11日からのウエスタン・リーグ広島戦(甲子園)の出場が見込まれる。そこからの5試合は甲子園で行われ、試合以外の時間も慣れ親しんだ本拠地で調整できる。10日に出場選手登録を外れると、最短で20日から再登録できる。限られた時間でバットを振り込み、心も整えて、早期の1軍復帰を目指す。 この日は6回途中にプロで初めて守備から出場し、右翼に就いた。「ライト 佐藤輝明」とコールされ、スタンドから大きな拍手を浴びた。不振の中でも期待は変わらない。身に染みて感じているのは、他でもない本人だろう。チームトップの23本塁打の打棒の復活が、16年ぶりのリーグ制覇には不可欠。優勝戦線に万全の状態で戻って来るため、プロ初の2軍降格を自らのカンフル剤にする。【中野椋】

◆阪神藤浪晋太郎(27)は2イニング目に突如乱れ、2軍再調整の可能性が高くなった。 3点差に迫った直後の5回から2番手で登板。1イニング目は7番サンタナから外角低め161キロ直球で見逃し三振を奪うなど、2奪三振で3者凡退に仕留めた。だが、6回は先頭の9番高橋から2者連続四球を与え、なおも1死一、二塁で3番山田に暴投、四球を献上。1死満塁で降板し、3番手岩貞が2点打を浴びた。1回1/3を3四球で2失点。先発登板1試合を含めて4戦連続2失点以上と勢いに乗れておらず、2軍降格が濃厚となった。

◆2年目の阪神小野寺がプロ初打点を挙げた。4回2死一、二塁で代打で出場。カウント1-2からヤクルト高橋の外角148キロ直球に手を伸ばし、遊撃の頭上をライナーで抜く左前適時打を放った。「みなさんにチャンスの場面を作っていただきましたし、とにかくランナーをかえすという気持ちで打席に入りました。打つことができて良かったです」。一塁を回るとポンポンと手をたたき、右手を上げてガッツポーズを見せた。 同学年の高橋との対戦は高校以来だった。京都翔英3年の15年夏の京都大会で、当時龍谷大平安のエース左腕だった高橋から3ランを放った。6年を経た再戦でまたしても一打を見舞った。

◆復調気配の阪神大山は反撃の口火を切った。 6点を追う4回1死、高橋から三遊間を破り、この回3得点を呼び込んだ。大量リードをつけられた8回にも二遊間を破り、4試合ぶりのマルチ安打を記録。これで9月の月間打率は4割1分7厘となった。

◆阪神近本は痛恨の「ミス」を取り返そうと必死だった。 1回に3点を失い、なお1死一、二塁でサンタナの当たりを後ろへこぼしてさらに2点を献上。巻き返そうと、4回は2死一、二塁で高橋のカーブを捉えて2点適時二塁打とした。試合中に「打ったのはカーブ。(小野寺)暖が打ってくれた後の良い流れで打席に入ることができました」とコメントした。

◆阪神は高橋遥人投手(25)が今季初登板で先発。春季キャンプ中に右脇腹を痛めて離脱すると、上肢のコンディション不良もあって出遅れていた。 7月25日のウエスタン・中日戦(鳴尾浜)で実戦復帰を果たすと、ウエスタンでは6試合で17回?を投げて1失点と好投。昨年11月1日のDeNA戦(横浜)以来、312日ぶりの1軍のマウンドとなる。 また8日の同戦で代打で出場し、同点の2ランを放ったロハスが「7番・右翼」で2試合ぶりのスタメン出場となる。

◆阪神が守備のミスも絡んで一回に5点を失った。今季初先発の高橋だったが、先頭の塩見に内野安打。青木に右前打を許すと、山田は詰まらせたゴロも、三塁・大山の一塁への送球がそれ、セーフに。今季チーム71個目の失策で無死満塁とされると、村上に左前2点打を浴びた。 さらに1死一、二塁から中村の左前打をサンズがファンブルし、二走の生還を許した。なおも、一、二塁でサンタナの中堅前への飛球に近本が前進したが、捕球できず。打球がそのまま後ろに転がる間にさらに2点を追加された(記録は2点二塁打)。 先発の阪神・高橋遥人=甲子園球場(撮影・水島啓輔) 2失策もあって一回にいきなり5点を献上。阪神は、これで9試合続けて先制を許している。

◆上肢のコンディション不良から復帰し、今季初登板先発となった阪神・高橋遥人投手(25)は4回9安打6失点(自責5)で降板となった。 一回に2本の安打と三塁・大山の失策で無死満塁とされると、村上に左前への2点打で先制を許した。1死一、二塁となると、中村の左前打をサンズがファンブルし、二走に生還された。 なおも一、二塁で続くサンタナの飛球に近本が前進したが、捕球できずに後逸。2点二塁打となり、この回に一気に5点を失った。 二回には1死一、三塁でオスナに中犠飛を浴びて追加点を奪われた。昨年11月1日のDeNA戦(横浜)以来、312日ぶりとなる1軍での登板だったが、白星とはならなかった。

◆3位のヤクルトが、首位・阪神を相手に序盤から猛攻を仕掛けた。一回は、塩見と青木の連打、山田の三ゴロ敵失で無死満塁とすると、4番・村上が先制の左前2点打。「先制のチャンスだったので、とにかくコンパクトに打って先制することを心掛けました」と振り返った。 さらに、1死一、二塁からは中村の左前打と敵失で1点を追加。なおも1死一、二塁から、サンタナが中堅への2点二塁打を放ち、「ストレートに力がある投手なので、振り負けないようにコンパクトに打ちました」とうなずいた。 二回は、1死一、三塁からオスナの中犠飛で6点目。負けられない戦いで、燕打線が序盤に活発だ。

◆阪神・小野寺暖外野手(23)がプロ初打点を記録した。 0―6とリードされた四回。大山の左前打と原口の死球で2死一、二塁で代打で打席へ。カウント1―2から高橋の148キロ直球を左前にはじき返した。プロ初適時打で初打点を記録。ガッツポーズも飛び出し「打ったのはストレート。みなさんにチャンスの場面を作っていただきましたし、6点差ありますが、まだまだ逆転できる試合だと思うので、とにかくランナーをかえすという気持ちで打席に入りました。打つことができてよかったです」と広報を通じてコメント。また2点二塁打で続いた近本は「暖(小野寺)が打ってくれた後のいい流れで打席に入ることができました」と語った。

◆阪神・佐藤輝明内野手(22)が六回途中から右翼の守備に就き、3試合ぶりの出場となった。その裏の攻撃で2死一塁で打席に立ったが、高橋の前に空振り三振に倒れた。これで自己ワーストをさらに更新する34打席連続無安打となった。

◆阪神は守備と投手陣が乱れてヤクルトに3―13と大敗。今季初登板の高橋が先発したが、一回に2本の安打と三塁・大山の失策で無死満塁とされると、村上に左前へ2点打を浴びた。 1死一、二塁から中村の左前打にサンズの失策も絡んで失点。一、二塁でサンタナの飛球に近本が後逸し、2点二塁打となった。二回にも1点を奪われ、高橋は4回9安打6失点(自責5)で降板となった。 六回には藤浪が3四球で1死満塁。ここで岩貞が登板したが、2死後、オスナ2点打を浴びた。七回には押し出し死球に2本の適時打の後、押し出しの四球で5点を追加された。 打線は三回。2死一、二塁から代打の小野寺が左前にプロ初適時打&初打点。近本も2点二塁打で続いたが、反撃はここまでだった。 また、ここ2試合出番がなかった佐藤輝も3試合ぶりに出場。2度打席に立ったが、どちらも空振り三振で35打席連続無安打となった。 これでこのカードは1勝2敗。ヤクルトには昨年9月25―27日(神宮)以来となるカード負け越しとなった。

◆ヤクルトが首位・阪神に大勝した。先発の高橋は6回を投げ、10三振を奪うなど6安打3失点で3勝目(1敗)を挙げた。打線は二回までに6点を奪い、試合を優位に進めた。 かつて輝きを放った甲子園のマウンドで、力投した。ヤクルトの高卒6年目左腕、高橋が阪神戦に先発。優勝争いに踏みとどまるためにも重要な一戦で、首位相手に真っ向勝負した。 「前回の失投を反省に、チェンジアップをゾーンから落とすことを意識して調整しました。(優勝争いは)あまり意識せず、前回同様自分のピッチングをできるようにします」 打線が、一回に一挙5得点。二回にも1点を加えて序盤で大量援護を受け、伸び伸びと投げた。一回は1死満塁のピンチを招くも、サンズを空振り三振、大山も遊ゴロに仕留めて無失点。ともに、意識して取り組んできたチェンジアップが決め球だった。 四回に3点を失ったが、6回102球を投げ6安打3失点で10奪三振。先発の役目を果たし、汗をぬぐった。 京都・龍谷大平安高2年春の選抜大会で優勝。「甲子園に出場できたから今の自分があると思っています」と大舞台での経験が今につながっている。逆転Vへ、背番号47の力は必ず必要となる。懐かしの聖地での好投を、終盤戦にも生かす。

◆ヤクルトが首位・阪神に大勝した。先発の高橋は6回を投げ、10三振を奪うなど6安打3失点で3勝目(1敗)を挙げた。打線は二回までに6点を奪い、試合を優位に進めた。高橋の一問一答は以下の通り。 先発のヤクルト・高橋=甲子園球場(撮影・甘利慈) --今の気持ちを 「久しぶりに勝てて、ちょっとほっとしています」 --どんな気持ちでマウンドへ 「なんとか先制点をあげずに粘っていこうと思ってマウンドに立ちました」 --自身の投球を振り返って 「初回に5点取っていただいたので、僕はそこから気楽にマウンドに立って投げることができました」 --きょうは何が一番よかったのか 「ここ最近ずっと変化球もいいですし、真っすぐもいいですし、きょうはうまいことバランスよく投げられたのかなと思います」 --プロ入り後、甲子園初勝利 「ここでいい思い出があったのでなんとかきょうは勝ちたいなと思っていたので、きょう勝ててよかったです」 --次の登板に向けて 「きょうみたいなピッチングがまたできるように頑張りたいと思います。これからもご声援よろしくお願いします」

◆今季初登板の阪神・高橋遥人投手(25)は先発で4回9安打6失点(自責5)。佐藤輝明内野手(22)は途中から出場したものの、2三振を喫し、35打席連続無安打となった。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ーーエラーも絡んだが、高橋は一回に5失点 「まあ、やっぱりいい時の状態ではないよね。もちろんヒットも、もちろんそういうのはあったとはいえ、捉えられている打席も多かったので。遥人の本来の、というところではなかったよね」 ーー失策が続いてしまった 「まあまあ、締まらんわね」 ーー嫌な流れになるきっかけに 「締まらんね」 ーー高橋は次回は 「いや次回も考えてるよ」 ーー中継ぎも大量失点 「もちろん、踏ん張ってほしいね、そこは」 ーー藤浪は2イニング目に急変 「それは本人に聞かないとわからない」 ーー佐藤輝が3試合ぶりに出場も2三振。今後は 「今から考えようかなと思います」 ーー小野寺は代打で結果 「なかなかチャンスは現状多くないけど、そういうところで打つっていうのは、自分でチャンスをつかみにいっているものになると思うし。もちろん、結果だけじゃなく内容もこっちは見ているんで。そういうところではいい打撃、最初から振りにいってのいい打撃だったんじゃないかなと思います」 ーー気持ちが出ていた 「それはね。もういい?」

◆ヤクルトは5番オスナが6―3の六回に貴重な2点打を放った。1死満塁から村上が倒れて迎えた打席。「なかなか追加点が取れていなかったので何とかしたかった」と、岩貞の直球をしぶとく右前に運んで二回以来の点をたたき出した。 これで打線は勢いに乗り、大勝。村上の後ろを打つ打者がチームの懸案だったが、二回には犠飛で3試合続けて打点を挙げるなど、苦手にしてきた阪神との3連戦勝ち越しに導いた。

◆代打で結果を出せていなかったが、佐藤輝が途中出場の守備から打席に入った。今までと違う気持ちで入れる打席に期待を抱いたが、2打席連続三振。状態も変わっていない。これではっきりした。現状では好転することは考えにくい。佐藤輝自身のマイナスだけでなく、チームのマイナスにもなっているので、私なら2軍での再調整の道を選ぶ。 先日の紙面でも指摘したが、重心があまりにも高すぎるから、高めのボール球に手が出てしまう。また、スタンスが狭いことにより、ミートポイントまでの時間がかかってしまい、差し込まれている。間に合っていないのだから、早めに準備する必要がある。 2軍では、打席に立つと同時に改善すること。問題となっている部分を変えることにより、ストレートを狙って打ち返せる状態にならなければならない。結果が残せていない以上、チェンジにチャレンジする勇気が必要だ。 怪物とまで呼ばれ、実際に打っていたのだから、チームとしても一日も早く元に戻さなければいけない。激しい優勝争いの中、私は佐藤輝の復調なしに栄冠はないと思っている。(本紙専属評論家)

◆試合後、阪神・矢野耀大監督(52)は35打席連続無安打の佐藤輝明内野手(22)について「今から考えようかなと思います」とコメント。長いトンネルに入った佐藤輝をデータで見てみると...。 ◆...この試合の2三振でシーズンは151三振となり、1997年に桧山進次郎が記録した「150」を抜き、球団歴代3位。1位は2014年のゴメス(166)、2位は10年のブラゼル(153)で佐藤輝は日本選手最多 ◆...このままなら、シーズン201三振ペース。NPB記録は93年のブライアント(近鉄)の「204」。日本選手では19年の村上宗隆(ヤクルト)の「184」 ◆...ちなみに、阪神野手の連続打席無安打記録は植田海の「40」 またヤクルト3連戦は1戦、3戦と大敗したが... ◆...ヤクルトにカード負け越しを喫するのは昨年9月25―27日(神宮、●●〇)以来。甲子園で負け越すのは2019年9月10―12日(●〇●)以来 ◆...ヤクルトに同一カードで2桁失点を2度以上を喫するのは1997年9月26日(●3-15)、28日(●1-16)の神宮以来、24年ぶり。甲子園では初

◆高橋が1軍に帰ってきた。4回9安打6失点(自責5)でKOされ、復活星はお預けとなったが、虎投に光が差した。 「チームも優勝争いをしている中で今日投げさせていただきましたが、試合を壊すような形になってしまい、チームに本当に申し訳ないです」 2月の宜野座キャンプ中に右脇腹の筋挫傷で離脱。昨年11月1日のDeNA戦(横浜)以来、312日ぶりの1軍マウンドは波乱から始まった。 一回無死一、二塁で山田の三ゴロを大山が一塁へ悪送球し、塁が埋まると、148キロを村上に左前へ弾き返されて2失点。その後もサンズや近本の守乱をはね返そうと懸命に腕を振ったが、この回だけで6安打を集中され、5失点。二回はオスナに直球を中犠飛にされ、0-6とされた。 だが、三、四回は意地をみせて無失点投球。本来の力強い姿を彷彿とさせた。福原投手コーチも「そんな感じに思います。1回投げたというのもあるし、次はちょっと落ち着いて投げられるかな」と、再びチャンスを与えることを明言した。 現状の先発ローテは伊藤将しか左腕がいない。左のエース候補と期待される背番号29が完全復活すれば、三つどもえの首位争いを闘う虎を押し上げる力になってくれる。矢野監督は「もちろんそういう(守備の乱れ)のはあったとはいえ、捉えられている打席も多かった。遥人の本来の、というところではなかった」と評価したが「次回も考えている」と1軍戦力としての奮起に期待した。 高橋なら、この日の悔しさを糧にして、必ずリベンジしてくれる。(新里公章)

◆これだけ緩んでは大量失点するのはたやすい。一回から〝3つ〟の守備のミスが絡んで、打者10人の猛攻を浴び5失点。ヤクルト相手には24年ぶりとなる同一カード2度の2桁失点では、矢野監督も嘆くしかなかった。 「まあまあ、締まらんわね」 7日のカード初戦で喫した0-12という大敗の悪夢も覚め切らないうちに、今度は13失点だ。負の流れの蛇口は、プレーボール即全開だった。 一回無死一、二塁で山田が放った三塁前へのボテボテの当たりを、大山が懸命に前に出て処理するも、一塁への送球が高くなり〝1つ目〟で傷口が広がった。無死満塁で村上の左前2点打で9試合連続の先制点を献上。なおも1死一、二塁からの中村の左前打で、二走・山田が三塁を回ろうとしてストップしたにもかかわらず、左翼・サンズが一旦はグラブに収めたボールをお手玉...。この〝2つ目〟の失策で、やらなくてもいい点をやると、もう止まらなかった。 近本はサンタナの打球に突っ込んだが、後逸した(撮影・水島啓輔) さらに1死一、二塁でサンタナが放った中前への当たりを、今度は近本が突っ込んで後逸。記録は2点二塁打だったが、2者が生還する痛すぎる〝3つ目〟になった。四回には2点差に迫ったが、藤浪が2イニング目のマウンドに上がった六回に9球連続ボールなど乱調に陥り2失点。その後を受けた岩貞も、七回に2押し出しを含む4四死球と荒れに荒れ、またも打者11人の猛攻を受けて5失点。守も投もこれだけ緩んでは、いいようにやられるだけだった。 燕打線には5月18日(甲子園)にも今季ワースト14失点を喫したが、ヤクルト相手に同一カードで2桁失点を2度以上を喫するのは1997年9月26日(●3-15)、28日(●1-16)の神宮以来、実に24年ぶり。甲子園では初という不名誉な記録もついてきた。 2失策を加えた失策数は、リーグワーストを突っ走る「72」。巨人は「38」で、ヤクルトは「55」だ。締まらないままでは、最高の形での締めくくりは夢に終わる。(長友孝輔)

◆〝野村イズム〟で快勝だ!! セ・リーグ3位のヤクルトは9日、阪神18回戦(甲子園)に13―3で大勝。打線が2度の打者一巡の猛攻を見せ、先発全員の15安打と活発だった。高津臣吾監督(52)が7日の試合前にミーティングを開き、1993年に日本一へ導いた際の野村克也元監督の言葉を紹介し、「一枚岩でいったら絶対に崩れることはない」と鼓舞。一丸となったナインは4カードぶりの勝ち越しを決めた。 一丸となったヤクルトは、強かった。先発全員の15安打13得点で快勝。高津監督は、序盤から猛攻を仕掛けた打線を手放しでほめた。 「もらったチャンスをしっかり生かし、一回からいい点の取り方ができた。(直後の守りで)1アウト満塁を乗り越えたのはすごく大きかった」 勢いに乗せたのは若き主砲だ。一回無死満塁から村上が先制の2点左前打。左腕・高橋の初球、148キロの直球をはじき返し「先制のチャンスだったので、とにかくコンパクトに打つことを心掛けた」。そこから打者一巡で5得点。二回にも1点を加え、序盤で大量リードを奪った。 燕打線は止まらない。七回にも打者一巡の攻撃で5点を加えて勝負あり。チームは4カードぶり、阪神戦では今季初のカード勝ち越しを決めた。 〝野村イズム〟を継承する指揮官の言葉が、チームを蘇らせた。9月は前カードの広島戦までの5試合で8得点。逆転Vへ、打線の奮起が必要不可欠だった。阪神との3連戦初戦となった7日の試合前。高津監督はナインを集めた。伝えたのは2つ。1つ目は、恩師であり1990年代の黄金時代を築いた野村元監督から、93年に日本一に輝く日本シリーズ第7戦の試合前にもらった言葉だった。惜しくも日本一になれなかった92年に続き、相手は常勝軍団の西武。2年続けて第7戦までもつれ込んだ勝負の朝。緻密な戦術を練り、徹底したミーティングを行った直後、こう言われた。『勝負は時の運や。人事を尽くして天命を待とう。あとは神様しか勝敗は左右できない』あれから28年。2回零封で胴上げ投手となった高津監督は「気分が楽になった。それまでの準備をどうしたか、どういう気持ちでグラウンドに立ったかということを言いたかったんだと思う」と思い起こし、後輩たちの肩の荷も下ろした。名将の言葉を紹介した後、選手を鼓舞した。「絶対、大丈夫だから。自分のことを理解して足元をしっかりと見つめて、チームメートを信じ、チームスワローズが一枚岩でいったら、絶対に崩れることはない」重要なのは結束力。7日に3ランを放つなど3連戦で5安打7打点と活躍した村上は「もちろん、そういう気持ちでいました」とうなずいた。首位・阪神とのゲーム差は再び2・5。移動日を挟み、11日は約2カ月ぶりに本拠地・神宮に帰還する。「スワローズの野球ができれば」と高津監督。勢いそのままに、待ちわびた多くの燕党に白星を届ける。(赤尾裕希)

◆2軍降格へ-。阪神はヤクルトに3-13で大敗。打撃不振に苦しむ阪神・佐藤輝明内野手(22)は途中出場し、2打席2三振。35打席連続無安打となり、10日に出場選手登録を抹消されることが確実となった。輝の復調なくして、リーグ優勝なし。完全復活を誰もが待っている! 空を切るバットのスイング音と虎党のため息が甲子園に響く。どれだけ苦しもうが、長いトンネルの出口はまだ見えない。佐藤輝は呆然(ぼうぜん)とした表情で敗戦の瞬間を迎えた。悩めるルーキーの今後について、ついに矢野監督は2軍降格を決断した。 「今から考えようかなと思います」 試合後は言葉を濁した指揮官だが、その後のコーチ会議などで初の抹消を決めたとみられる。 佐藤輝は六回の守備から3試合ぶりの出場。その名前がコールされただけで、場内に歓声が沸き起こった。ただ、六回2死一塁の第1打席は高橋が投じた外角低め117キロスライダーに空振り三振。九回は石山の高め150キロ直球にまたしてもバットが空を切った。これで自己ワーストを更新する35打席連続無安打。ふつふつと煮え立つ自らへの憤りを抑えながら、ベンチへと引き揚げた。 8月21日の中日戦(バンテリンドーム)で放った中前打を最後に輝きを失ったドライチは、これで球団日本選手最多の151三振にまで、その数字を伸ばした。この35打席で喫した三振は21。追い込まれてからの結果球は高めの直球が7回、そして低めの変化球が9回と同じパターンでの打ち取られ方が目立つ。 井上ヘッドが「やられ方も同じようなことをしていたらプロの世界では飯を食っていけない。そこは考えながら、体感しながら、頭と体で、あとは目で見て、人に情報を聞いてというのをやっていかないといけない」と話すように、苦しみながらも必死で打開策を模索してきた。本拠地・甲子園では早出特打に汗を流し、打撃ケージを出ても大山や糸井のバッティングにじっと目をこらした。矢野監督ら首脳陣も手を差し伸べてくれた。それでも、打てない期間が続けば続くほど、結果の出ない焦りが募った。 毎日が勝負のプロの世界。1軍は10日から広島、関東と遠征が続く。一方で2軍は11日のウエスタン・広島を皮切りに甲子園で5試合、その後は中日3連戦(ナゴヤ)が予定されている。打ち込みどころか、練習時間も限られる環境にいるよりは、一度、じっくりと自らのバッティングを見つめなおす時間があってもいい。1軍再登録は巨人戦(甲子園)の予備日となっている20日から可能。必ず、帰ってくる。 チームは大敗し、2位巨人とは2ゲーム差、3位ヤクルトとは2・5ゲーム差と三つどもえの混戦は激しさを増した。16年ぶりの悲願へ、黄金ルーキーの復活は欠かせない。佐藤輝が打たなければ、虎は勢いに乗ることができない。いまは耐えるとき。苦しみぬいた先に待つ光をつかむため、ただひたすらにバットを振り続ける。(原田遼太郎)

◆すみませんでした...。ヤクルトとの初戦に0-12の大敗をした後、「長いペナントレース、優勝するチームにもこんなことはあるさー!!」と笑いとばした俺だったけど、3戦目でまたもや3-13の大黒星...。さすがに普段は阪神びいきの俺でも、ワナワナと手を震わせながら『優勝』の2文字をひとまず引っ込めさせてもらいますわ...。 ちゅーか!! 一回の大山、サンズのエラーで今季初登板の高橋の足をひっぱる野手も野手なら、3-6の六回先頭のピッチャー高橋にストレートの四球。さらに次の坂口にこれまた1球もストライクなしの四球。そこから致命的な2点を失ったのが、今季の開幕投手・藤浪だってんだから...(涙)。揚げ句に岩貞が4四死球や押し出し...。とても優勝チームの後半戦の戦いとはほど遠いありさまなのだ。 う~ん...。巨人はまたまた引き分けでその数『15』ですかア...。勝ち数は阪神が7つも上なのに、ルールは勝率上位が優勝だから、致し方なし...。 正直36年ぶりの日本一は欲しい!! だから頼むよ~。一試合一試合、日本一のチームになるべく恥ずかしくない試合をしてくれー!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
59444 0.573
(↓0.005)
-
(-)
36438
(+3)
419
(+13)
103
(-)
92
(-)
0.251
(-)
3.600
(↓0.08)
2
(-)
巨人
524115 0.559
(-)
2
(↑0.5)
35435
(+5)
407
(+5)
134
(-)
59
(+1)
0.248
(↑0.001)
3.540
(↓0.02)
3
(-)
ヤクルト
504012 0.556
(↑0.005)
2.5
(↑1)
41453
(+13)
395
(+3)
102
(-)
60
(+1)
0.257
(↑0.002
3.640
(↑0.01)
4
(1↑)
広島
425310 0.442
(↑0.006)
13
(↑1)
38405
(+12)
442
(+5)
90
(+3)
50
(-)
0.262
(↑0.002)
3.900
(-)
5
(1↓)
中日
415314 0.436
(↓0.005)
13.5
(-)
35312
(+5)
357
(+12)
55
(-)
54
(-)
0.239
(-)
3.200
(↓0.08)
5
(-)
DeNA
415314 0.436
(-)
13.5
(↑0.5)
35431
(+5)
486
(+5)
109
(+2)
23
(-)
0.259
(↑0.001)
4.280
(↑0.01)