1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 8 | 0 | 0 |
DeNA | 0 | 0 | 1 | 0 | 7 | 0 | 0 | 0 | X | 8 | 9 | 0 | 1 |
勝利投手:宮國 椋丞(1勝0敗0S) 敗戦投手:菅野 智之(3勝6敗0S) 本塁打 |
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◆DeNAは1点ビハインドで迎えた5回裏、宮崎の適時打で同点とする。その後は代打・楠本の3ランが飛び出すなど、この回一挙7点を奪い、試合をひっくり返した。投げては、先発・宮國が5回2失点と試合をつくり移籍後初勝利。敗れた巨人は、先発・菅野が5回に崩れた。
◆DeNA三浦大輔監督(47)が試合前、移籍後初先発となる宮国椋丞投手(29)への期待を語った。 初登板が古巣の巨人戦になった理由について「ローテーションの関係です。無理くりジャイアンツ戦に持ってきたわけじゃない。ローテーションの関係で今日になりました。やってきたことをそのままマウンドで出してくれたらと思っています」と説明した。 浜口が2軍での再調整となり、結果的に宮国は中9日で古巣との対戦になった。三浦監督は「本人は(巨人への)思いはどこまであるか分からないですけど、ここまで自分でつかみ取ったチャンスですから。『ここからが勝負だ』という話はしましたし、今日からまた勝負が始まるし。やってきたことをマウンドで出せるように。ファームで結果を出したからこそ、今日のマウンドがあるわけですから。やってきたことをそのまま出してもらえたらと思います」と話した。
◆巨人菅野智之投手(31)がDeNA打線に屈した。1回に味方から2点の援護をもらったが終始、投球内容が不安定だった。3回に1点を返されると、5回につかまった。 先頭柴田を右飛に打ち取ったものの、1死から佐野の中前打、オースティンに四球、宮崎に適時二塁打、牧に死球、ソトに2点適時二塁打、山本にはスクイズを決められた。スクイズの打球を処理した際に左足のもも裏を抑え、1死一、三塁のピンチを招いたまま降板した。 2番手大江が代打楠本に初球3ランを食らい、菅野は4回1/3を被安打7、7奪三振、5与四死球、7失点。最下位に沈むDeNA打線にのみ込まれた。
◆DeNA宮国椋丞投手(29)が悲願の"復帰登板"を白星で飾った。 古巣巨人戦に先発。5回7安打2失点で、かつては自主トレをともにした相手エース菅野に投げ勝った。昨季限りで巨人を戦力外となり、亡き父の言葉を胸に一から出直した男が、新天地で歓喜の瞬間を迎えた。宮国は移籍後の初球、先頭の松原へ、126キロの外角スライダーから入った。直球とフォークを中心とした巨人時代とは違う、新しい姿。スライダー、シュートで両サイドを丁寧に突く。そんな意思が垣間見えた1球だった。吉川と岡本和に連続適時打を浴びた。だが、崩れることなく、中島をシュートで三ゴロに仕留めると、2回以降は立ち直った。 青いユニホームを着た、新たな仲間に感謝した。2回は中堅桑原がダイビングキャッチ。4回1死一、二塁のピンチでは、遊-二-一の併殺で切り抜けた。思わずグラブをたたいた。5回2死一、二塁では、初回に適時打を打たれた吉川を左飛に抑えた。左翼佐野の捕球を確認すると、本塁付近で捕手山本とグラブタッチ。野球ができる喜びがあふれ出た。 5回までに7安打を浴びながらも、わずか1四球とテンポが良かった。初回の2点で切り抜けると、味方となった青い打線が援護してくれた。宮崎の2打席連続適時打で追いつくと、ソトが勝ち越し2点二塁打。山本のスクイズに、宮国の代打楠本が2号3ランを放った。一気に7得点で8-2と大逆転した。 お立ち台では、「はじめまして。宮国と申します。素直にうれしいですし、信じられない気持ちでいっぱい。粘り強い投球ができてよかったです。本当にありがとうございました」と笑みを浮かべた。 昨季限りで巨人を戦力外となった。12球団合同トライアウトを受けたが、右肩を痛めた影響もあり直球の最速は140キロ。オファーはなかった。それでも現役を諦めなかった。どこにも所属せず自主トレに励んだ。極秘で入団テストを受け、DeNAと契約を結んだのは3月だった。「亡くなったおやじに『投げられるんだったら1年でも長く野球を続けなさい』とずっと言われていた。それでやってこられた」。父透さんの言葉が支えだった。 相手は昨季まで所属した巨人、投げ合うのは19年まで自主トレをともにした菅野だ。「昨年からこうやってマウンドに立てることが想像しづらかったですし、ましてやお世話になった菅野さん。感慨深いものはありますが、少しでも成長した姿を見せられるようなピッチングができればいい」。言葉通りの粘りの投球だった。【斎藤直樹】
◆DeNA宮国椋丞投手(29)が悲願の"復帰登板"を白星で飾った。古巣巨人戦に先発。5回7安打2失点で、かつては自主トレをともにした相手エース菅野に投げ勝った。新天地で歓喜の瞬間を迎えた右腕のお立ち台での一問一答は以下の通り。 -初勝利の気持ちは 素直にうれしいですし、信じられない気持ちでいっぱいです。 -どんなピッチングを考えて、マウンドに向かったか このマウンドに立つまでに多くの方々に支えていただいたので、まずは感謝の気持ちを持って、マウンドに上がりました。 -相手は巨人。意識は? 意識しないと言えばウソになるんですけど、チームのために腕を振りました。 -5回2失点。投球の内容は 初回、2点取られてしまったので、このままズルズルはいけないなと思って。粘り強く投げていたら、野手の方が打ってくれると思ったので、とりあえず、粘り強く投げることを心掛けました。 -良い表情で投げられていたが、意識は? 投げられる喜びだったり、マウンドに立てる喜びというものをかみしめながら、1球1球投げていました。 -DeNAファンにどんな投球を見せるか 今日みたいな粘り強いピッチングができるように、1試合でも多くチームの勝利に貢献できるように頑張りたいと思います。 -ファンの方にメッセージ まずは、はじめまして、宮国と申します。今日はスターナイトということで、初戦が僕で良いのかなと思ったんですけど、粘り強い投球ができてよかったです。本当にありがとうございました。
◆巨人が大敗を喫し、5試合白星なしとなった。 エース菅野智之投手(31)が、5回途中7失点でKO。1点リードの5回に大きく崩れた。1死からDeNA佐野に中前打、オースティンに四球で一、二塁とすると、宮崎に左翼線へ適時二塁打を浴び同点。牧へ死球を与え1死満塁から、ソトに左翼線へ2点適時二塁打を食らい、勝ち越された。続く山本にはスクイズを決められ、直後、左太もも裏を抑えて降板。トレーナーに連れられ、歩いてベンチに下がった。1死一、三塁のピンチで後を託された大江も、代打楠本に初球を右翼席に運ばれる3ランを被弾。この回一挙7失点となった。 悪い流れを断ち切ることは出来なかった。3日からの阪神3連戦は、2敗1分け。2戦目は守護神ビエイラがサヨナラ弾を浴び、3戦目は6点リードを守り切れず、失策が絡んで引き分けに持ち込まれた。8月29日に150日ぶりに立った首位の座を明け渡し、再び追う立場に変わった。流れを変えるべく臨んだカード頭だったが、大敗。昨季まで巨人に所属した宮国に、移籍後初勝利を献上した。
◆DeNA打線が5回、打者10人の猛攻で一挙に7点を奪った。楠本は宮国の代打で登場。初球のスライダーを右翼中段に運ぶ2号3ランを放った。「イメージしていたボールがきたので、思い切って振るだけでした。完璧にバットに当たっちゃったと思って走っていました」。先発宮国の代打だったが「試合前のミーティングでも宮国さんの初登板で勝ちをプレゼントするんだという話になっていた」と明かした。 新加入した右腕のために、打線は一丸となった。宮崎は「宮国が頑張っていたので援護できよかった」と話すなど、同点打を含む2打席連続適時打。勝ち越し二塁打のソトも「宮国が初登板だったので勝ち越すことができ、そして楠本も続いてくれたのでうれしい」と喜んだ。8番山本は、今季チーム初のスクイズで追加点を挙げた。打線全体で大技小技を駆使し、相手エース菅野を攻略した。
◆DeNA三浦大輔監督は試合後、宮国椋丞と並んで記念撮影に応じた。「『おめでとう、今日はいっぱい連絡くるぞ、携帯が鳴りやまないぞと。いっぱいお礼の連絡せなあかんな』と言いました」。苦労人の初白星に表情を崩した。「1月、1人で自主トレしてチャンスを待っていた。育成でDeNAに入ってからも黙々と努力して、ファームで結果を残して、チャンスをつかんで"一発快投"。本当によかった」。次回の先発起用も明言した。
◆巨人が薄暗いトンネルに迷い込んだ。エース菅野が4回1/3、被安打7、7失点でKOされた。5四死球と制球の乱調で自身2年4カ月ぶりの7失点に「ゲームをつくれなかったので、次の試合はつくれるように頑張ります」とだけ言った。8回1安打無失点で快投した前回登板と同じ108球だったが5回もたずにマウンドから去った。 打線も旧友を攻めきれなかった。1回、吉川、岡本和の連続適時打で2点を先制し、DeNA先発宮国の立ち上がりを攻めた。だが、3回、4回、5回と得点圏に走者を進めながら決定打を欠き、追加点を奪えず。逆転負けに原監督は「先制、中押し、ダメ押しというのは先人たちが言う勝利に近づける上においてね。そこの部分がちょっと足りてないかなと」と話した。 3敗2分けで5戦勝ちなしも真っ暗闇に迷い込んだわけではない。首位阪神と1・5ゲーム差の2位につける。不振でベンチスタートだった丸、中田に元木ヘッドコーチは「やるのは本人たち。この壁を乗り越えていかないと」と復調を待つ。原監督は「チーム全体が、のびのびとやっていないというかね」と躍動感を求めた。薄暗くても、恐れることはない。光源はすぐそこにある。【為田聡史】 ▽巨人宮本投手チーフコーチ(5回途中7失点で6敗目、左足もも裏をおさえて降板した菅野に)「ちょっと足がつったということ。エースで何とか流れを変えてほしかったというのが本音です。ゴロアウトがなくてボールが浮きすぎていた」
◆巨人の吉川が2試合連続で第1打席に打点をマークした。0―0の一回1死二塁で、昨季までチームメートだった宮国から左越えへ適時二塁打。1ボールから甘く入った球を逆方向に運び「余計なことを考えずに積極的に振っていった。想像していたよりも打球が伸びてくれた」とうなずいた。 8月28日から9試合続けて3番を任されている。広角に打ち分ける打撃と俊足が武器で、丸や中田、ウィーラーら当たりの出ていない打者が多い中、4番岡本和へのつなぎ役として存在感を発揮している。 6月10日に投球を受けて左手中指を骨折し、8月13日の後半戦初戦から戦列に復帰した。当初は下位打線からスタートしたが、徐々に打撃の調子を上げ、故障前に定着しかけていた3番の座をがっちりとつかんだ。
◆DeNA・宮國椋丞投手(29)が移籍後初登板初先発し、古巣を相手に5回7安打2失点と好投した。 一回に吉川、岡本に2者連続適時打を許して2点を先制されたが、二回以降は無失点。走者を背負いながらも両サイドを丁寧に突く投球で打たせて取り、本塁を踏ませなかった。 右腕の粘投に応えるように打線も奮起した。五回、相手先発の菅野に対し宮崎が2打席連続となる適時打でまずは同点に追いつくと、走者をためて今度はソトが左翼線へ2点二塁打を放って勝ち越した。さらに山本も投前へスクイズを決め、追加点。最後は代わった2番手大江から代打楠本が3ランを放ち、この回一挙7得点。宮国は先発としては2017年7月12日のヤクルト戦(東京ドーム)以来1519日ぶりとなる、勝利投手の権利を持って降板した。
◆DeNAのネフタリ・ソト内野手(32)が2―2の五回1死満塁で左翼線へ勝ち越しの2点二塁打を放った。 「チャンスの場面だったので、ストライクゾーンにきたボールは積極的に打ちにいこうと決めていました。宮国が初登板だったので勝ち越すことができ、そして楠本も(本塁打で)続いてくれたのでうれしいです」 初球140キロを振り抜き、鋭いライナーで左翼線ギリギリへ落とした。力投していた移籍後初登板の宮国を援護し、勝利投手の権利をプレゼント。適時打を放つのは7月13日の阪神戦(甲子園)以来で、この試合の第2打席まで10打席連続無安打と沈黙していた助っ人。お目覚めのタイムリーで沸かせた。
◆巨人の菅野は4回?で7安打を浴び、今季ワーストの7失点を喫した。四回まで1失点と踏ん張ったが、2―1の五回にもろくも瓦解。宮崎に適時二塁打、ソトに2点二塁打を許して逆転されると、なお1死二、三塁から山本のスクイズで加点され、打球を処理した後、足を気にするしぐさを見せて交代した。 序盤から速球の精度が悪く、変化球でかわしながらの投球だった。四回までに88球と球数がかさみ、五回にスタミナが切れたのは明らかだった。 前回登板した1日のヤクルト戦では8回を1安打無失点と好投し、4月23日以来の3勝目を手にした。だが、原監督は「復活という言葉は、まだ使えない状況だと思う。次の投球が非常に重要になってくる」と手放しには喜ばなかった。その見立ては悪い形で的中した。
◆DeNAは1―2の五回に宮崎の適時二塁打、ソトの2点二塁打、山本のスクイズ、代打楠本の3ランで7点を挙げて逆転した。宮国は移籍後初登板で5回2失点と粘り4年ぶりの勝利を挙げた。巨人は菅野が五回途中7失点と崩れた。
◆巨人は逆転負けで、引き分けを挟んで3連敗を喫した。先発した菅野が5四死球を与えるなど制球に苦しみ五回途中7安打7失点で6敗目。打線はDeNA・宮国から一回に2点こそ奪ったが、その後は救援陣を打ち崩すことができなかった。原辰徳監督(63)が振り返った。 -―菅野が五回途中7失点 「これだけ四死球というのは彼の中では、正常ではないでしょうね」 -―最後は足を気にしながら交代 「だからといって(降板させたわけではない)、そうではない状態でピッチャーが交代したというとこですね」 -―足の状態は問題ないか 「ないと思いますよ」 -―5戦未勝利。勝利から遠ざかっている 「同じような展開が多いね。先制してもなかなか中押しっていうか、次の点を重ねられないというね。そういうどっかにチーム全体がのびのびとやっていない。やっぱりタイムリーがなかなか、ここというときに出ていないね。やっぱり先制、中押し、ダメ押しというのは、よく先人たちが言う勝利に近づける上において、そこの部分がちょっと足りていないかなと。だからもうピッチャーも苦しい状態でマウンドに上がるというのが続いているからね。やっぱり投打のバランスという点においては、今はもうちょっとバッターが引っ張ってあげなきゃいけないかなっていう感じがします」 -―ウィーラーを早めに代えた 「守備も含めてバッティングの状態もあまり良くないと思いました。それで幸い今日は(ベンチに)丸が残っていてくれていたので。守備も含め、そういうのが最善であろうというふうに思いました」 -―丸はスタメンは外れたが四球を 「そうそうそう。今日スイングも良かったと思う」 -―ビエイラは休養でベンチ外に 「そうですね。今日は上がりにピッチングコーチはしていましたね」 -―1つの勝利ですべてがいい方向にいく可能性もあるが 「明日またフラットの状態からスタートだからね」
◆DeNAの楠本が今季2本目の代打本塁打で勝利を引き寄せた。5―2の五回1死一、三塁から宮国の代打で、代わったばかりの大江の初球のスライダーを捉えて右翼席へ2号3ラン。「イメージしていた球が来たので思い切って振るだけだった」と胸を張った。 4年目の今季は主に代打で起用され、打率3割1分3厘をマーク。宮国の移籍後初登板勝利に貢献し「絶対に勝ちをプレゼントするという思いが全員にあったから勝ちにつなげられた」と喜んだ。
◆DeNAは、この日からの巨人3連戦で夏の恒例イベント「YOKOHAMA STAR☆NIGHT(スターナイト)」を開催。選手が着用したのと同じ特別デザインのユニホームが来場者に配布された。イベント開始10年目を記念して、試合後には内外野を使ったプロジェクションマッピングやドローンなどによるショーも実施。球団公式ショップには、同イベントに合わせて発売された本紙特別版「BAY☆スタ」最新号(22号)も並んだ。
◆顔をしかめ、思わず天を仰いだ。巨人・菅野智之投手(31)は2-1の五回に強力DeNA打線に突如つかまった。今季ワーストの7失点で6敗目を喫し「ゲームをつくれなかったので、次の試合はつくれるように頑張ります」と短くコメントした。 前回登板の1日のヤクルト戦(京セラ)では8回1安打無失点。完全復活かと思われたが、五回1死一、二塁から宮崎、ソトに適時打を浴び、山本にはスクイズを決められた。原監督は菅野の前回登板後に「復活という言葉をまだ使えない。次の投球が重要」としていたが、的中してしまった形だ。制球のいい菅野にとって5四死球というのも異例で、「これだけ四死球(が多い)というのは正常ではない」と振り返った。 降板時は左足を気にするしぐさもあった。宮本投手チーフコーチは「問題ないみたい。ちょっと足がつったということ」と説明。先発事情は厳しく、前週のメルセデス同様、12日の広島戦(マツダ)に中4日で回るプランもあるが、状態が気がかりだ。 これでチームは5試合で勝ちなし。原監督は「(野手陣が)のびのびやっていない。ここ、というときにタイムリーがなかなか出ない」と打線にも奮起を求めた。首位・阪神とは1・5ゲーム差の2位。十分巻き返せる位置にいるが、エースで星を落としたのは痛い。(伊藤昇)
◆DeNAは7日、巨人16回戦(横浜)に8―2で勝った。先発した宮国椋丞投手(29)が、昨季まで所属した古巣を相手に移籍後初登板を果たし5回7安打2失点と力投。〝師〟と仰ぐ菅野智之投手(31)との投げ合いを制し、2017年7月12日のヤクルト戦(東京ドーム)以来、1518日ぶりとなる白星をつかんだ。 ハイタッチの輪の中心で、忘れかけていた味をかみしめた。古巣を相手に移籍後初登板勝利。宮国は、1518日ぶりにつかんだ白星に、うれしさと安堵(あんど)が入り交じった息を吐いた。 「非常にうれしいです。信じられない気持ちでいっぱいです」 高卒3年目の2013年に開幕投手も務めた逸材が、成長した姿でカムバックした。一回に2点を先制されたが「ここでずるずるいったら、何も成長できていない」と自らに言い聞かせた。速球とフォークボールを軸に活躍した巨人時代とは違い、両サイドを広く使う投球術で打者を翻弄。二回以降は走者を出しながらも無失点で粘った。 移籍後初勝利を挙げ三浦大輔監督(左)とポーズをとるDeNA・宮国椋丞=横浜スタジアム(撮影・斎藤浩一) 昨季限りで巨人を戦力外となり、移籍先が決まらない中で現役続行の意志を強く持ち続けた。年明けから各球団でキャンプが始まった2月を迎えても声は掛からず、一人自主トレに励む日々。「正直、焦る気持ちはあった」と打ち明ける。 心をつなぎ止めてくれたのは、4年前に亡くなった父・透さんの「一年でも長く野球を続けなさい」との言葉だった。入団テストを経てDeNAに育成契約で入団したのは開幕11日前の3月15日。登録期限を翌日に控えた8月30日に支配下の座を勝ち取り、1軍マウンドにたどり着いた。 初登板は、くしくも巨人戦。相手先発はハワイでの自主トレに同行させてもらい、寝食をともにした菅野だった。「周りの方への感謝を一番に、少しでも恩返しできるように投げました」。支配下が決まった際、すぐ電話で報告した〝師〟を前に堂々と投げ合った。 苦難を乗り越え、この日を迎えた宮国に、三浦監督は「一発回答。粘りの投球ができていた」と目を細めた。さらに「先発として準備してもらいます」と今後のローテーション入りも示唆した。 再出発の76球。初めて上がったハマスタのお立ち台で、宮国は「初めまして、宮国です! 1試合でも多く勝利に貢献できるよう頑張ります」と声を張った。負ければ自力でのクライマックスシリーズ進出の可能性が消えた一戦。はい上がってきた右腕とともに、ベイも上を目指す。(箭内桃子)
◆菅野は心配だね。なにしろ体の切れが悪い。下半身のバネが感じられない。良いときと同じ感覚で投げようとしても、切れとバネがない分、ストレートに力はないし、変化球は抜ける。以前は逆球でも打たれることは少なかった。この日は逆球を確実に打たれた。それほど状態は悪い。 ペナントレースの勝負どころへ向け、必要不可欠な存在であることは確かだ。いまさら、投球のどこをどう変えるとか、そんな時間的余裕もない。首脳陣は、先発させるにしても、コンディションや対戦相手など、状況をみながら使っていくしかないだろう。 と、言うより、エモトは提案したい。ビエイラに代えて、菅野を抑えに回したらどうかな。 実績もあるし、器用さもある。九回限定の1イニングなら、集中力さえ持てば、いけるはずだ。 エモトも阪神時代の1978年、前半戦は先発で9勝し、後半は抑えで11試合11セーブをマークした(シーズン通算11勝13敗11S)。年俸1000万円台だった俺にできたのだから、菅野クラスなら楽にこなせると思うよ。(本紙専属評論家)
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
58 | 43 | 4 | 0.574 (↓0.006) | - (-) |
38 | 430 (-) | 403 (+12) | 101 (-) | 91 (-) |
0.251 (↓0.002) | 3.530 (↓0.09) |
2 (-) |
巨人 |
52 | 40 | 14 | 0.565 (↓0.006) | 1.5 (-) |
37 | 429 (+2) | 398 (+8) | 134 (-) | 58 (+1) |
0.247 (-) | 3.520 (↓0.05) |
3 (-) |
ヤクルト |
49 | 39 | 12 | 0.557 (↑0.005) | 2.5 (↑1) |
43 | 437 (+12) | 387 (-) | 101 (+2) | 57 (-) |
0.255 (↑0.002) | 3.630 (↑0.04) |
4 (1↑) |
広島 |
41 | 52 | 10 | 0.441 (↑0.006) | 13 (↑1) |
40 | 392 (+8) | 433 (+7) | 86 (+3) | 50 (-) |
0.261 (↑0.001) | 3.900 (↓0.03) |
5 (1↓) |
中日 |
40 | 52 | 14 | 0.435 (↓0.005) | 13.5 (-) |
37 | 303 (+7) | 344 (+8) | 53 (-) | 54 (-) |
0.239 (↑0.002) | 3.140 (↓0.05) |
6 (-) |
DeNA |
40 | 53 | 13 | 0.430 (↑0.006) | 14 (↑1) |
37 | 422 (+8) | 480 (+2) | 107 (+1) | 23 (-) |
0.258 (-) | 4.320 (↑0.02) |
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