阪神(6対6)巨人 =リーグ戦18回戦(2021.09.05)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
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勝利投手:-
敗戦投手:-

本塁打
【巨人】中島 宏之(5号・1回表2ラン),岡本 和真(35号・5回表3ラン)

  DAZN
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◆巨人は3点を先制して迎えた5回表、岡本和の3ランが飛び出し、リードを広げる。対する阪神は、6回に代打・原口の適時打などで2点差まで迫ると、続く7回には代打・糸井の適時打などで2点を挙げ、同点とした。その後は両軍ともに得点を奪えず、試合は規定により引き分けに終わった。

◆自己ワースト31打席無安打中の阪神佐藤輝明内野手(22)が、女神の前で不振から脱出を目指す。 この日のナイターでは、佐藤輝が大ファンのアイドルグループ「ももいろクローバーZ」の高城れに(28)が、始球式を行う。高城は同グループの公式ホームページで「ピッチング練習をしっかりしてすてきな試合始めにできるように頑張ります!」とコメントしている。5月29日西武戦(メットライフドーム)ではラジオのゲストとしてスタンドに姿を見せたが、グラウンドでの“共演”は初めて。 前日4日は「7番右翼」で5試合ぶりにスタメン出場も3打数無安打2三振に終わった。この日はベテラン糸井らと早出特打を行い、トンネル脱出へ必死に汗を流していた。高城れにの前で同グループが歌う「吼えろ」を登場曲に打席に立ち、快音を残す瞬間を虎党は待っている。

◆自己ワースト31打席連続無安打と苦戦する阪神佐藤輝明内野手(22)が、「7番右翼」で2日連続のスタメンとなった。 巨人先発のメルセデスとは5打数3安打と好相性だ。 この日は、佐藤輝が大ファンのアイドルグループ「ももいろクローバーZ」の高城れに(28)が始球式を行う。“勝利の女神”の前で快音を響かせることはできるか。 連日の活躍を続ける大山悠輔内野手(26)は、2日連続で「6番三塁」に入った。4日は9回に逆転サヨナラ2ラン。7番だった3日も3安打3打点と宿敵相手に尻上がりに調子を上げている。

◆巨人中島宏之内野手(39)が、5号2ランを放ち、7試合ぶりのスタメン起用に結果で応えた。 1回、1点を先制し、なおも2死二塁から、阪神秋山のカーブを左翼席にたたき込んだ。 ベンチでは原監督からみこしをかつぐ「わっしょいポーズ」で迎えられ、笑顔で「わっしょいポーズ」を披露した。 4日には、西武時代に切磋琢磨(せっさたくま)した西武栗山が通算2000安打を達成し、1日遅れで祝砲を上げた。

◆今季ここまで9勝を挙げている阪神秋山拓巳投手(30)が、初回にまさかの3失点を喫し、今季最短の2回で降板した。 初回、先頭の松原に四球を与えると、坂本に左前打を浴びた。二塁進塁を狙った坂本を刺すも1死三塁から、吉川尚に右前適時打を浴び先制点を献上。岡本和を遊ゴロに打ち取った2死二塁から、中島にカーブを捉えられ左翼へ2ランを浴びた。 2回は先頭のウィーラーに死球を与えるなど、抜群の制球力を誇る右腕がこの日は持ち味を発揮出来ず。2回裏に打席が回り、代打小野寺を送られた。 ここまでチーム2位の9勝5敗も、巨人には1勝3敗と苦戦。「対巨人戦には強い気持ちも持っています」と強い決意で臨んだが、この日も悔しいマウンドとなった。今カードは2戦連続で阪神が劇的な勝利を収めたが、第3戦は序盤にリードを奪われる形となった。

◆「7番右翼」でスタメン出場した阪神佐藤輝明内野手(22)が、6回の守りから交代しベンチへ下がった。 2回1死一塁での第1打席ではカーブに崩され空振り三振。4回2死三塁での第2打席は巨人先発メルセデスに徹底的に内角を攻められ、6球1度もバットを振らず、最後は低めの際どいコースに自信を持って見逃したがストライク判定で見逃し三振となった。 2打数無安打2三振で33打席連続無安打となった。今季の三振数も149個と12球団ワースト。この日は、佐藤輝が大ファンのアイドルグループ「ももいろクローバーZ」の高城れに(28)が、始球式を行った。右翼からその姿を見守り、拍手をしていた。始球式後に高城れには「私も佐藤選手のファン。佐藤選手らしく野球をしてくれたら。スタメンで出られる佐藤選手が見られることがすごくうれしい」とエールを送ったが、“女神”の前でトンネル脱出の1本を打つことはできなかった。

◆久しぶりの中継ぎ登板となった阪神藤浪晋太郎投手(27)は、岡本和に3ランを浴びるなど3回4安打3失点で降板した。 2回3失点でマウンドを降りた先発秋山の後を受けて登板。先頭の坂本への4球目に161キロをマークすると、球場はどよめいた。連続四球で無死一、二塁のピンチを招いたが、岡本和を直球で追い込みカットボールで空振り三振。中島、丸と打ち取り無失点でしのいだ。4回は3者凡退で終え、阪神へ流れを取り戻しかけた。 しかし、5回1死一、二塁から4番岡本和にカットボールを捉えられ、左翼スタンドへ3ラン。打球の行方を見た藤浪は思わず右手で太ももをたたき、悔しさをあらわにした。 当初は2日中日戦(甲子園)で先発予定も、雨で流れ中継ぎ待機が続いていた。7月13日DeNA戦(甲子園)以来のリリーフは悔しいものになった。

◆阪神原口文仁捕手(29)が、2点目をたたき出した。6点を追った6回、敵失で1点を返し、なおも1死満塁で代打で登場。巨人3番手の大江の初球、141キロ直球を捉えて右前に落とし、1点をもぎ取った。原口にとっては7月14日DeNA戦(甲子園)以来で、後半戦初安打となった。 原口は「大きなチャンスでしたし、しっかり良い準備ができていたので初球から思いきって打ちに行くことができました。良いヒットになって良かったです」と、反撃の一打を振り返った。

◆巨人岡本和真内野手(25)が2戦連発となる35号3ランを放った。 3点リードの5回1死一、二塁、藤浪の137キロスライダーに体勢を崩されそうになりながらも、左翼席まで持っていった。ベンチ前では自らのバットを掲げての「わっしょいポーズ」を笑顔で披露。「前の打席がチャンスで三振だったので、何とかしたかった。いい感覚で打てましたね」と話した。

◆阪神メル・ロハス・ジュニア外野手(31)が、9月初安打でチーム4点目をマークした。 6点を追った6回、代打・原口の適時打などで3点差に迫り、なおも2死一、三塁と続いた好機で巨人畠のカットボールを捉えて中前へ好打。三塁走者をホームに迎え入れ、2点差に迫った。 ロハスにとっては8月28日広島戦(マツダスタジアム)以来の安打が貴重な適時打になった。「良い流れだったからその流れを断ち切りたくなかった。しっかりランナーをかえすことができてよかったよ」と喜んだ。

◆巨人が、1つのミスをきっかけに失点を重ね、6点リードを2イニングで同点に追いつかれた。 6点リードの6回の守備から、坂本を下げ、遊撃に若林を起用。投手も先発メルセデスから鍵谷にスイッチしたが、先頭の中野に三塁打を浴び、サンズのゴロを若林が痛恨の失策。原口、ロハスの適時打などで2点差に迫られた。 7回からは若林を一塁に移し、広岡を遊撃に起用したが、無死一塁からのマルテのゴロを二塁へ悪送球。一、三塁から糸原の二ゴロの間に1点差とされ、代打糸井に同点の適時打を許した。

◆阪神が糸井嘉男外野手(40)の適時打で、試合を振り出しに戻した。 5回を終えて0-6と、大量リードを巨人に許す展開。だが6回に巨人の失策を足がかりに4点を奪い、2点差で迎えた7回はこの回から遊撃に入った広岡の二塁悪送球から好機をつくって無死一、三塁から糸原の内野ゴロで1点差。なおも2死一塁で、代打・糸井が巨人デラロサのチェンジアップを捉えて左中間を破る同点の適時二塁打を放った。糸井は「絶対に勝ちたい! それだけです」とチームの思いを代弁。1万7247人の観衆を飲み込んだ甲子園。虎党の拍手が鳴り響いた。

◆首位阪神と2位巨人が対戦し6-6の引き分けに終わった。

◆巨人が1回に吉川の右前適時打で先制。中島の5号2ランで2点を追加した。阪神秋山は2回3失点で降板した。 巨人が5回に岡本和の左越え35号3ランで突き放した。阪神は6回に打者一巡の攻撃で4得点。2点差まで追い上げた。 阪神は2点を追う7回に糸井の適時打で追いついた。巨人との3連戦を2勝1分けで終えた。巨人は6点リードを守れず。

◆阪神ロベルト・スアレス投手が同点の9回を3者凡退で抑えた。 決め球はいずれもチェンジアップだった。先頭の松原を136キロでタイミングを外して一ゴロ。広岡も遅球で体勢を崩して投ゴロに。最後は吉川も低めを打たせて二ゴロに打ち取った。セーブはつかなかったが、9試合連続で無失点。防御率は1・31と守護神は頼もしい。

◆巨人が6点リードを逃げ切れず、痛恨の引き分けに終わった。1回に吉川の適時打で先制。中島の5号2ランでリードを広げ、5回には、岡本和の2試合連続となる35号3ランで引き離した。 大勝ムードが漂った中、6点リードの6回の守備から、坂本を下げ、遊撃に若林を起用。投手も先発メルセデスから鍵谷にスイッチしたが、先頭の中野に三塁打を浴び、サンズのゴロを若林が痛恨の失策。原口、ロハスの適時打などで2点差に迫られた。 7回からは若林を一塁に移し、広岡を遊撃に起用したが、無死一塁からのマルテのゴロを二塁へ悪送球。一、三塁から糸原の二ゴロの間に1点差とされ、代打糸井に同点の適時二塁打を許し、2イニングで追いつかれた。 中島も7回の守備から退き、迫力を欠いた打線は7回から3イニング連続の3者凡退で無得点。投手陣は8回を中川、ビエイラが無失点に抑え、引き分けで試合が終了した。 元木ヘッドコーチは「エラーね。ああいうミスをすると点になってしまう。監督が言われる『4アウト、5アウト』というのはピッチャーには苦しいからね。ああいうミスはなくしていかんといかんね」と指摘した。

◆巨人中島宏之内野手(39)が5号2ランを放ち、7試合ぶりのスタメン起用に結果で応えた。 1回、1点を先制し、なお2死二塁から、阪神秋山のカーブを左翼席に運んだ。「先制した後に最高の形で追加点が取れてよかったです。初回に点を取れば、チームも勢いがつくのでさらによかった」とコメント。5回にも左前打を放ち、マルチ安打をマークした。 ベンチでは原監督、チームメートからみこしをかつぐ「わっしょいポーズ」で迎えられ、笑顔で「わっしょいポーズ」を披露した。前夜、チームは阪神に悪夢のようなサヨナラ負けを喫し、首位から陥落。重苦しかった雰囲気を一振りで変えるとともに、若干、ぎこちなさをのぞかせた「わっしょいポーズ」で笑いも誘った。 4日には、1歳年下で西武時代に切磋琢磨(せっさたくま)した栗山が2000安打を達成した。10代のころは、ファーム施設で猛練習。食事中でも、入浴中でも、ハンガーやはしをバットに変えて、打撃論を交わし、互いを高め合った。「僕からしたら、友達みたいなもん」と認める栗山の偉業に、1日遅れで祝砲を上げた。【久保賢吾】

◆巨人が6点リードを逃げ切れず、痛恨の引き分けに終わった。5回までに6点の大量リードで快勝ムードが漂ったが、6回に坂本に代わって、遊撃に入った若林の失策なども絡み、4失点で2点差。7回には若林を一塁に移し、遊撃に入った広岡の悪送球が絡み、2点を奪われ、同点に追いつかれた。試合後の原辰徳監督(63)の主なコメントは以下の通り。 -最後はビエイラがしのぎきった 「ねぇ。まぁやっぱりいろんな意味で勢いを止めたというか、中川もよく止まったしね」 -最後はマウンドに行ったが 「明確な指示をしとくってところですね。三塁ランナーが重要だというところで」 -大きな引き分けではありますが 「それをどういうふうにするか。しかし、今日は私自身の用兵のミスというかね。そういうものがこういう同点になったのかなというのは深く反省しますね」 -改めて坂本の存在感が浮き彫りになった 「あそこの部分でしょうね。1打席というものをカバーできるというね、思ったところに今日はカバーできなかったというね。そこですかね。ずっと連戦続きで彼がずっと出っぱなしだったんでね。戦い方としてはいつも通りの戦い方ではあるけれども、結果的にはなかなか勇人のカバーをできなかった。そこを読み切れなかったというところですかね」 -若林も広岡もここを乗り越えてくれないと 「そうそうそう。それはいい糧としてくれればね、いいことです。まぁ、幸いという部分ではね、負けがつかなかったというね。これは最後の場面でも彼らを引っ込めることもできたけど、そこはあえてしなかったというのはね、今後さらに、何て言うかな、まだまだ厳しい勝負は待ってるわけだからね」

◆阪神矢野燿大監督(52)が執念采配で6点差を追いつき、今季4度目のドローに持ち込んだ。「今日のゲームは勝ちに等しい引き分けと思っている」と粘ったナインをねぎらった。巨人に2連勝し1週間ぶりに首位奪回して臨んだ3戦目。迷いのない判断で、ベンチの戦力をフルに使った。 初回いきなり3点を先制された先発秋山を2回の打順で交代させ、代打小野寺を送った。今季9勝の秋山だが2回45球。2死一、二塁だったこともあり「チャンスだったので、早めにいくしかないと思った」と判断し、今季最短で降板させた。 0-3の3回は2番手にロングリリーフ要員で待機していた藤浪を送った。3イニング目の5回に岡本和に3ランを浴びて6点差に広げられた。だがその裏、藤浪の代打で凡退したロハスをそのまま右翼へ。代わりに7番佐藤輝をベンチに下げた。復調を期待しこの日もスタメン起用したが2打席連続三振。33打席連続無安打となり、スタメン起用した試合では最短となる2打席で交代を決断した。 ロハスを残したことが6回のビッグイニングにつながった。2番中野の三塁打から始まり、サンズの遊ゴロでまず1点をかえすと、1死満塁で佐藤輝の打順7番に投手を入れていたが、代打原口が右翼へ適時打。8番梅野の二ゴロ、9番ロハスが中前適時打で4点を奪い、試合の流れを一気に呼び込んだ。 今季苦しむ7回には3連投の小川を投入し、3者凡退で攻撃のリズムをつくり、7回に代打糸井の適時二塁打などで2点を入れ、ついに0-6から6-6に追いついた。 9回に大山に代走小幡を送り、ベンチの野手は捕手の坂本しか残っていない総力戦。9回も2死満塁まで巨人を追い詰めた。2勝1分け。「ここに来るまでチーム状態もよくなかったので、今後いい戦いになるのかな」。全員野球でライバル巨人に白星を与えず、大きな弾みをつけた3連戦となった。【石橋隆雄】

◆阪神岩崎優投手(30)が同点に追いついた直後の8回に登板しピシャリと抑えた。 「良い仕事ができました」。冷静なコメントだが、マウンドでは熱い投球を見せた。先頭ウィーラーを三ゴロ、中田を空振り三振。2死で迎えた若林は、カウント1-2から2度サインに首を振り直球を選択。バットは空を切り、三振で3つ目のアウトを奪った。19年の自己最多に並ぶ26ホールド目。しっかり役割を果たした。

◆阪神秋山拓巳投手(30)が、先発では今季自身最短となる2回で降板した。 初回は吉川の適時打と中島の2ランで3失点。2回2死二塁のピンチを無失点で切り抜けた後、その裏2死一、二塁の初打席で代打小野寺を送られた。今季9勝で先発ローテをけん引する右腕の早期降板について、矢野燿大監督(52)は「チャンスだったんでね。早めにいくしかないかなと思っていきました」と説明。投球内容は「慎重にちょっとなりすぎて、攻めきれていなかったかな」と評した。

◆阪神が執念ドローで首位を守った。巨人との首位攻防第3ラウンドは先発秋山と2番手藤浪が5回までに6失点。負ければ一日天下の危機で、6回に4点を返すと、7回に代打の糸井嘉男外野手(40)が同点のタイムリー二塁打を放って6-6。2戦連続逆転勝ちで前日首位を奪った勢いそのまま、0-6から驚異の粘り腰を発揮した。 勝ちに等しい引き分けで巨人3連戦は2勝1分け。甲子園を3夜続けて熱狂させた虎の強さが際立った。目の前で必死に食らいつく後輩たちの姿に、燃えないはずがなかった。 「絶対に勝ちたい! それだけです」 1点差に迫った7回2死一塁。代打糸井が仲間の熱い思いを受け取った。デラロサに2球で追い込まれてもファウルで粘る。5球目、低めのチェンジアップを勢いよく振り抜いた。打球は左中間を真っ二つ。同点のホームを踏んだ糸原は、雄たけびを上げた。二塁をオーバーランした糸井は、思わず両腕を振り上げた。 先発秋山と2番手藤浪で、5回までに6点のリードを許す苦しい展開だった。だが、2戦連続の劇的勝利で前日奪首した猛虎打線は、全てを覆す底力を身につけていた。6回に中野の三塁打からつなぎにつないで、打者一巡の攻撃で4点をかえした。続く7回もサンズの左前打から敵失、内野ゴロ…。懸命に後ろにつないだ。矢野燿大監督も「うちの野球というか、あきらめない粘り強く全員で。そういう野球ができた結果、追いつけたかなと思います」と驚異の粘りをたたえた。一丸で戦った先に、ベテランの殊勲の一打が待っていた。 若手が躍動するチームの中で唯一の40歳野手。年齢も壁も感じさせないのが「超人」のすごさだ。この日は全体練習開始前に早出特打に参加。佐藤輝、島田、小野寺と、一回り以上離れた仲間たちと一緒に、ひたむきに汗を流した。ベンチでは仲間を鼓舞し、後輩の活躍を心から喜ぶ一方で、原口の姿を見ながら代打としての準備も貪欲に学んでいる。 今回の巨人3連戦の初戦も、7回無死一塁で代打で出場し、中越え適時二塁打で反撃の口火を切り、逆転勝ちにつなげた。どんな時もネバーギブアップの前向きさと泥臭さ。明るくて頼もしい姿が、優勝を目指すチームのムード作りにも一役買っている。 3年ぶりの巨人3連戦3連勝はならなかったが、今カードは2勝1引き分け。その全ての試合で劣勢を跳ね返す強さを見せた。この日は9回2死満塁で近本が中飛に倒れ、サヨナラ勝ちはならなかったが、大興奮のファンも惜しみない拍手を送った。負ければ陥落の一戦で執念ドローで首位を守った。リーグ優勝へ一気に突っ走る。【磯綾乃】 ▽阪神糸井 みんな本当にムードがいいし、どんなに点差があってもみんな攻めていく、勝つという思いで一体となって戦えている。全試合もちろん大事ですけど、首位を争う相手として絶対に巨人には負けられないので、チーム全員ですごく気持ちのこもった3連戦でしたし、これからも勝ちに貢献する一打を打てるように頑張ります。

◆阪神藤浪晋太郎投手が7月13日DeNA戦以来の中継ぎ登板で、岡本和に3ランを浴びるなど3回4安打3失点だった。 3回に2番手で登板。先頭坂本の4球目に161キロをマークし球場をどよめかせた。無死一、二塁はしのぐも、5回1死一、二塁で岡本和をスライダー2球で追い込みながら3球目のスライダーを左翼に放り込まれた。矢野監督は「同じ球種を3球続けているところなので、投げミスはもったいない」と指摘し、今後については「分からん」と語るにとどめた。

◆巨人チアゴ・ビエイラ投手(28)が、意地の投球で引き分けに持ち込んだ。同点の9回に登板。1死から前夜にサヨナラ弾を許した大山に二塁打を浴び、島田の内野安打で一、三塁のピンチを背負ったが、梅野を浅い右飛、木浪を四球の後、2死満塁から近本を中飛で無失点に抑えた。 サヨナラのピンチだった9回1死一、三塁から、直接マウンドに行き、ビエイラに声を掛けた原辰徳監督(63)は「明確な指示をしとくってところですね。三塁ランナーが重要だというところで。まぁ、やっぱりいろんな意味で勢いを止めたというか、中川も良く止まったしね」と8回を抑えた中川とともに評価した。

◆巨人原辰徳監督(63)は厳しい現実を潔く受け止めた。「私自身の用兵のミスが、こういう同点になったのかなと深く反省します」。 5回までの快勝ムードが、6回守備からの坂本交代で潮目が変わった。代わった若林が6回無死三塁でゴロを失策。阪神に息を吹き返すチャンスを与え、2点差まで迫られた。7回には若林を一塁に移して遊撃にすえた広岡が、無死一塁からのゴロを二塁悪送球。傷口をさらに広げ、追いつかれた。連夜のサヨナラ負けこそ防いだものの、6点リードを守れなかったのは18年7月22日広島戦以来。手痛い引き分けの責任を、指揮官が背負い込んだ。 先を見据えた「一手」だった。坂本は侍ジャパンの主力として東京五輪金メダルに貢献。チーム合流後も主将として全試合に先発出場する。この試合は遠征10連泊目だったこともあり、シーズン終盤の大勝負を見据えてベンチへ下げたことが裏目に出た。6点もリードがあれば、坂本の交代後に回ってくる打席は全員で補えるとの見通しがあったが、守備で乱れた。原監督は「いつも通りの戦い方ではあるけれども、結果的には勇人のカバーをできなかった。そこを読み切れなかったというところですかね」と冷静に振り返った。 未来をにらんだ「もう一手」も打っていた。失策を犯した2選手を、あえて最後までグラウンドに立たせた。「いい糧としてくれればね。幸いという部分では負けがつかなかった。今後さらに、まだまだ厳しい勝負は待ってるわけだからね」と肥やしになることを願った。優勝を争うヤクルト、阪神と続いた6連戦は2勝2敗2分け。勝てなかったが、負けもしなかった。残り38試合。決戦の時はまだ先にある。【浜本卓也】

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が5回で途中交代させられた。 「7番右翼」でスタメン出場も2打席連続三振で33打席連続無安打となった。今季の三振数は149個。4回2死三塁での第2打席は全球内角を攻められ、6球1度もバットを振らず、低めの際どいコースで見逃し三振となった。スタメンで2打席での交代は最短。矢野監督は「ちょっと、すぐよくなるという感じが見えないので」と説明し、今後の起用法については「分からない」と話した。この日は、大ファンのアイドルグループ「ももいろクローバーZ」の高城れに(28)が始球式を行い、右翼から拍手をしていたが“女神”の前で安打とはいかなかった。

◆阪神が執念のドローに持ち込んだ。序盤に0-6と一方的な展開となったが、6回に反転攻勢。原口、ロハスの適時打などで4点をもぎ取ると、7回にはベテラン糸井の適時二塁打などで2得点を挙げた。6点差を追いつく反発力に矢野燿大監督(52)も「今日のゲームは勝ちに等しいような引き分けだと思っています」と振り返った。矢野監督の一問一答は以下の通り。 ? -6点差を追いついた 矢野監督 うちの野球というか、あきらめない粘り強く全員で。そういう野球ができた結果、追いつけたかなと思います。 -全員野球。途中出場の原口、ロハス、糸井にタイムリー 矢野監督 本当に代打陣もね。途中からいった選手もよく頑張ってくれましたし、中継ぎの投手陣が抑えてくれたからこそ、こういうゲームになった。本当にチーム全員で戦えたかなと思います。 -2回裏、先発の秋山に代打 矢野監督 複数のチャンスだったんでね。早めにいくしかないかなと思っていきました。 -3連戦は先制されながら粘りの野球。ベンチの雰囲気は 矢野監督 雰囲気はもちろんいい形でやれていますし、まあでもこれでいいというチームではないんでね。まだまだもちろんこれから成長していかないと駄目なところもたくさんあります。でも僕たちの目指す野球をみんなやろうとしてくれています。 -巨人戦2勝1分け 矢野監督 今日のゲームは勝ちに等しいような引き分けだと思っています。2つ勝てたというのも大きいですし。チーム状態がここに来るまではあまりよくなかったんでね。そういうところではこの戦いが、今後のいい戦いになるかなと思います。 -7日からヤクルト戦 矢野監督 毎日、本当に大事なゲームばかりになるんでね。僕たちはこうやって全員で戦うというところで乗っていけるチームですし、成長していけるチーム。タイガースらしい野球をやっていきます。

◆阪神中野拓夢が6点を追う6回に先頭で右中間を襲う三塁打を放ち、4点奪取につなげた。ただ2死満塁で回ってきたこの回2度目の打席では遊ゴロ。「チャンスの場面で回ってきて打てなかったので、反省すべきところは反省して」。8月24日DeNA戦以来の猛打賞に加え、初回1死一塁では岡本和の三遊間への打球をさばき、素早い送球で打者走者をアウトにするなど攻守で貢献した。

◆阪神・佐藤輝明内野手(22)が「7番・右翼」で2試合連続でスタメン出場する。5試合ぶりにスタメン復帰した4日は、3打数無安打2三振と見せ場はなく、自己ワーストを更新する31打席連続無安打とした。 試合前には黄金ルーキーがファンと公言する4人組女性アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の高城れにが始球式に登場予定。高城の前で8月19日のDeNA戦(東京ドーム)以来となる一発を放つことができるか、注目だ。

◆人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の高城れに(28)が始球式に登場。ワインドアップで投じた1球は、きれいな軌道を描き、ワンバウンドでミットに収まった。最後はゼットポーズを決め、観客席を沸かせた。 2試合連続スタメン出場となった阪神・佐藤輝は、高城の大ファン。〝推しメン〟の投球を守備位置の右翼からうれしそうに見守り、拍手を送った。 5月29日の西武戦(メットライフ)では「ニッポン放送ショウアップナイター」のスペシャルゲストとして高城とメンバーの玉井詩織(26)が生観戦。その試合で、佐藤輝は4打数無安打2三振と雄姿を見せることはできなかった。再び訪れたチャンスでアーチを描くことはできるのか。試合前の時点で自己ワーストの31打席連続無安打中と不振に陥っているが、〝れにパワー〟を借りてフルスイングを見せる。

◆阪神・秋山拓巳投手(30)は一回に2ランを含む3安打3失点とリードを許した。 先頭の松原を歩かせると、坂本に左前打。二塁を狙った坂本は憤死したが、1死三塁に。続く吉川尚に初球を左前へはじき返されてあっさり先制点を献上した。 なおも1死一塁で4番・岡本和の三遊間への打球は中野が横っ跳びで好捕し、遊ゴロに。味方の守備に救われたが、直後に中島に甘く入ったカーブを左翼席へ運ばれて、計3失点と苦しい立ち上がりとなった。 その裏の攻撃では近本、中野の1、2番コンビの連打で無死一、三塁の反撃のチャンスを作ったが、サンズが浅めの中飛、4番のマルテは最悪の遊ゴロ併殺に倒れて無得点に終わった。

◆阪神・秋山拓巳投手(30)は今季最短タイの2回45球を投げ、3安打3失点で降板した。 一回に先頭の松原の四球からピンチを招くと、吉川尚に適時打、中島に2ランを浴びた。二回は走者を背負いながらも無失点に抑えたが、その裏の攻撃で2死一、二塁の好機を作り、秋山の打席で代打が送られて交代となった。 三回からは2番手で藤浪晋太郎投手(27)が登板。先発予定だった2日の中日戦(甲子園)が雨で流れたため、3日以降は中継ぎ要員としてベンチ入りしていた。負ければ再び首位陥落となる重要な一戦であるため、ベンチは序盤にもかかわらずジョーカーとして右腕をマウンドに送り出した。 藤浪は先頭の坂本への初球でいきなり159キロをマークすると、4球目には161キロを表示してファンをどよめかせた。その後、2者連続四球などで無死一、二塁のピンチを招いたが、岡本和を空振り三振、中島を投ゴロ、丸を空振り三振に仕留めてゼロでしのいだ。

◆勝てば首位に返り咲く巨人は岡本和真内野手(25)が五回、2試合連続となる35号3ランを放った。 3―0の五回1死一、二塁、藤浪が初球から3球連続で投じた低めのカットボールを泳がされながらも左翼席へ運んだ。4日の第2戦で、自己最多&リーグトップの34号を放った4番が、再び甲子園にアーチを描いた。打点も「94」とし、2年連続の本塁打&打点の二冠へリーグトップを独走している。

◆三回から2番手で登板した阪神・藤浪晋太郎投手(27)が0―3の五回に痛恨の3ランを被弾した。先頭の松原に中前打。1死後、吉川尚には遊撃内野安打を許して一、二塁の危機を背負うと、岡本和には3球続けて投げた低めのカットボールを左翼席へと運ばれた。3回78球を投げ、4安打3失点で五回の攻撃で代打が送られて降板。ロングリリーフとして投入されたが、ゼロに抑えて次の投手につなぐことはできなかった。

◆2試合連続でスタメン出場した阪神・佐藤輝明内野手(22)は2打数無安打2三振に倒れ、自己ワーストを更新する33打席連続無安打となった。二回1死一塁で迎えた第1打席では先発のメルセデスの低めの変化球に空振り三振。四回2死三塁の好機で回ってきた2打席目は143キロの内角直球に見逃し三振した。試合前には大ファンを公言する人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の高城れにが始球式に登場。〝推しメン〟が生観戦する前で快音を響かせることはできず、六回の守備でベンチへと下がった。

◆阪神は、相手先発のメルセデスが降板した直後の0―6の六回から反撃を開始し、打者一巡の猛攻で4点を返した。 2番手・鍵谷に対し、先頭の中野が右中間三塁打でチャンスメーク。続くサンズの遊ゴロは相手の失策を誘発して1点を返すと、マルテは四球。その後、1死満塁と好機を広げ、代打・原口が3番手・大江の初球をとらえて右前適時打で2点目を挙げた。 「打ったのはストレート。いいヒットになってよかった」と原口。さらに梅野の併殺崩れの間に1点を追加すると、途中出場のロハスが中前適時打を放ち、4点目を刻んだ。近本も死球で続き、なおも2死満塁と一打逆転のチャンスを迎えたが、この回2打席目となった中野は遊ゴロに倒れて攻撃終了は終了した。

◆阪神・糸井嘉男外野手(40)が終盤に同点タイムリーを放ち、試合を振り出しに戻し、「絶対に勝ちたい! それだけです」と広報を通じてコメントした。4―6の七回、先頭のサンズが左前打で出塁すると、マルテの遊撃のボテボテの当たりを遊撃手・広岡が悪送球して無死一、三塁。糸原の二ゴロの間に三走が生還して1点差に。大山は空振り三振に倒れたが、代打・糸井が低めのチェンジアップを拾い、左中間へとはじき返して、最大6点差から追いついた。糸井は3日の第1戦でも代打で適時打を放っており、勝負強さが光っている。

◆阪神は1点差に迫った七回2死一塁で代打・糸井嘉男外野手(40)が右中間を破る同点二塁打を放った。六回に4点、七回に2点を奪い、執念のドロー劇で首位を守った。試合後の矢野耀大監督(52)は「今日のゲームは勝ちに等しいような引き分け。ここに来るまでよくなかったですから」とコメント。この3連戦は2勝1分で、ひとつも負けることなく、終えた。「うちの野球、あきらめない野球ができました」と語っていた。

◆阪神は、最大6点差を追いつき、6―6で引き分けた。負ければ、勝率の差で再び首位陥落の可能性があったが、執念のドローで1位を死守した。 先発の秋山が一回に3失点、三回から登板した2番手・藤浪も3失点。打線は先発のメルセデスの前に無得点に抑えられていたが、投手が代わった六回から逆襲を開始した。代打・原口、途中出場のロハスの適時打などで打者一巡の猛攻で一挙4得点。七回も相手の失策からチャンスを作り、代打・糸井が同点タイムリーを放った。 投手陣は六回から馬場、小川、岩崎、スアレスと無失点リレーで流れを作った。6―6の九回裏は大山、島田の連打などで2死満塁と守護神のビエイラを追い詰めたが、近本は中飛で試合終了となった。

◆巨人は岡本和真内野手(25)が五回、2試合連続となる35号3ランを放った。35号は両リーグトップの今季35号本塁打。巨人の選手でシーズン35本塁打以上を放ったのは、2019年の坂本勇人(31歳シーズンで40本)以来、2年ぶり。巨人の選手で25歳シーズンまでに35本以上をマークしたのは、1962-65年の王貞治(22-25歳=38→40→55→42)、96、97、99年の松井秀喜(22、23、25歳=38→37→42)以来22年ぶり3人目だ。 球団右打者では63年の長嶋茂雄の27歳シーズン(37本)を抜く最年少到達となった。原辰徳監督が現役時に35本塁打以上を放ったのは、28歳シーズンだった86年(36本)の1度だけ。

◆阪神は6点差を追いついて、執念のドロー。この3連戦を「〇〇△」の2勝1分とし、首位を死守した。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 (テレビ) ーー3連戦は先制されながら粘りの野球。ベンチの雰囲気は 「もちろん、いい形でやれていますし、これでいいというチームではないんでね。これから成長していかないと駄目なところもたくさんありますし。でも僕たちの目指す野球をやろうとしてくれています」 ーー2勝1分だった 「今日のゲームは勝ちに等しいような引き分けだと思っていますし。2つ勝てたのも大きいですし。チーム状態がここに来るまではあまりよくなかったんでね。そういうところでは今後のいい戦いになるかなと思います」 ーー7日からヤクルト戦 「毎日、本当に大事なゲームばかりになるんでね。僕たちはこうやって全員で戦うというところで乗っていけるチームですし、成長していけるチームなんで。タイガースらしい野球を明日からも明後日からもやっていきます」 (囲み) ーー第2戦は2ラン2本。第3戦は相手のミスにもつけ込んだ 「いいとこでいえばもちろんそうだし。でも初回とか、ノーアウトで点が取れていないとかね。あそこで点をとることが、一番いいところに回っているんでね。6点取れたからいい、追いつけたからいいのは、前提としてあるんだけど、まだまだ強くならないと駄目なチームだから」 ーー3連戦は中継ぎを打ち込んだ 「嫌なイメージを持たせることができたしね。後半になっても行けるぞ、というのをつくれるし、相手にしてみれば嫌な形をつくれたんで。その点でも大きいかなと思います」 ーー秋山は慎重に入り過ぎた(2回3失点) 「そうやね。丁寧さと慎重というのは背中合わせ。いい打線なんで、大胆に行くのは難しいけど慎重になりすぎて、攻め切れていなかったかなと」 ーー糸井が 「代打で打つって簡単じゃないから、価値があるし、チームにとっても盛り上がるので、その点でも大きな一本でした」

◆絶対勝たなければいけない試合を「動きすぎ」で引き分けに持ち込まれてしまった原監督。状況を見極めて、ドッシリ構えたさい配で引き分けに持ち込んだ矢野監督。巨人と阪神の勢いの差は、監督の差ともいえる。 矢野監督は五回に代打に送ったロハスが凡退しても、そのまま守備に就かせた。一巡した六回にそのロハスが適時打を放った。 同じく六回の攻撃では代打・原口が適時打。七回には代打・糸井が適時二塁打。起用が次々と的中した。ベンチにいる選手個々の状態をしっかり把握しているからこそのさい配だろう。 最大の勝因である救援陣の充実も、矢野さい配のおかげ。苦しい時期があっても無理な起用をしなかったおかげで、夏場でも中継ぎ陣に安定感がある。六回以降、被安打ゼロのリレーは見事だ。 対する原監督は、正確な事情は分からないが早々と坂本をベンチに下げると、代わった選手が次々と痛恨の失策。動きすぎると、こういう結果になりがちだ。無理してつぎ込む投手起用のしわ寄せで、中継ぎ以降の投手も調子を落としている。 熾烈な戦いは続くだろうが、今の落ち着いたさい配を継続できれば、俄然、阪神が有利と見る。(本紙専属評論家)

◆巨人は痛恨の引き分けで、首位返り咲きはならなかった。一回に吉川の先制適時打、中島の5号2ランで3点を先行した。3-0の五回には岡本和の2試合連発となる35号3ランで6-0とリードを広げた。中4日で先発したメルセデスは5回無失点と好投したが、六、七回に救援陣が前夜の逆転勝ちで勢いに乗る阪神打線につかまり、6点差を追いつかれた。原辰徳監督(63)が試合を振り返った。 -―最後はビエイラがしのいだ 「まぁやっぱり、いろんな意味で勢いを止めたというか、中川もよく止まったしね」 -―一回は組み替えた打線が機能した 「そうですね」 -―松原1番は最近の調子や秋山との相性もあってか 「そうですね」 -―最後はマウンドに行ったが 「明確な指示をするという所ですね。三塁ランナーが重要だというところで」 -―大きな引き分けではある 「それをどういう風にするか。しかし、今日は私自身の用兵のミスというかね。そういうものがこういう同点になったというのは深く反省しますね」 -―改めて坂本の存在感が浮き彫りに 「あそこの部分でしょうね。1打席というものをカバーできるというね。思ったところに今日はカバーできなかった、そこですかね。ずっと連戦続きで彼(坂本)がずっと出っぱなしだったのでね。戦い方としてはいつも通りの戦い方ではあるけれども、結果的にはなかなか勇人のカバーをできなかった。そこを読み切れなかったというところですかね」 -―若林も広岡もここを乗り越えないといけない 「そうそうそう。それはいい糧としてくれればね、いいことです。まぁ幸いという部分ではね、負けがつかなかったというね。これは最後の場面でも彼らを引っ込めることもできたけど、そこはあえてしなかったというのは、今後さらにまだまだ厳しい勝負は待っているわけだからね」

◆阪神・矢野耀大監督(52)は試合後、2番手で3回3失点だった藤浪晋太郎投手(27)、「7番・右翼」で2三振を喫して、途中交代した佐藤輝明内野手(22)について言及した。 五回に岡本和に2ランを浴びた藤浪に対しては「2ストライクやからね。同じ球種を3球続けているところなので。やっぱり投げミスはもったいない」と言及。今後については「わからん」と答えた。 また33打席連続無安打となった佐藤輝については「あいつも苦しんでいるところやけど、すぐよくなるという感じが見えないので代えました」と発言。今後の起用法については藤浪同様「わからない」と明言を避けた。

◆6点差を追いついた猛虎打線の輪の中に佐藤輝はいなかった。〝推しメン〟の前で屈辱の2三振。最後までグラウンドに立つことすらかなわなかった。苦しむドラ1の途中交代について矢野監督が説明した。 「あいつ(佐藤輝)も苦しんでいるところやけど、ちょっとすぐよくなるという感じが見えないので(途中で)代えました」 二回1死一塁ではメルセデスの119キロにバットが空を切った。四回2死三塁の得点圏では、フルカウントから内角に投じられた143キロに手が出ず。自己ワーストをさらに更新する33打席連続無安打。第3打席に立つことすらなく、六回の守備からベンチへ退いた。今後の起用法について、指揮官は「わからない」と明言を避けた。 この日は大ファンを公言する「ももいろクローバーZ」の推しメン・高城れにが甲子園で始球式を行った。どん底のルーキーを救うべくやってきた高城は大きく振りかぶって、ワンバウンド投球。ライトから見つめた佐藤輝も拍手を送った。 野球を好きになったきっかけを「佐藤輝明選手」と語った高城は、いまでは自宅にピッチングマシンを購入するほどのめり込んでいる。今回の始球式に向けては「(レスリングの)吉田沙保里さんとキャッチボールしながらフォームを見てもらって動画を撮ってもらってアドバイスをいただきました」と準備した。 だが、その期待に応えることができず、先輩たちの同点劇を応援することしかできなかった。それでも高城は「佐藤選手が打席に立っている姿を見られるのがファンとして本当に幸せ」と虎党の思いを代弁。矢野監督も、ファンも、推しメンもみんなが復活を願っている。必ずこの暗闇の出口を見つけ出す。(原田遼太郎)

◆どうか抜けてくれ―。思いを込めて振りぬいた打球は、ぐんぐんと伸びて外野の深部へ。中堅手・丸は左手を伸ばしたが、白球はグラブを弾いて芝生に弾む。快足を飛ばして悠々と三塁に到達した中野は充実の笑みを浮かべた。 「今日の内容としては出塁するところはしっかり出塁できたので良かったかなと思います」 スタンドで見守る虎党の誰もが敗戦を覚悟してたが、ルーキーの頭に「諦め」の二文字はなかった。6点差を追う六回、鍵谷に対し、追い込まれてから3球ファウルで粘ると、7球目の高めのフォークに反応。幸運も重なり、好機を演出した。この一打で火がついた猛虎打線はこの回、2本の適時打が飛び出すなど一挙4得点を挙げた。 中野自身は一、八回にも安打を放ち、8月24日のDeNA戦(京セラ)以来、今季8度目の猛打賞を記録。3日の第1戦で1番に座り、勝ち越しの3点三塁打を放った新人の勢いは本物だ。中野から始まった逆襲劇に矢野監督は「嫌なイメージを持たせることができた。相手にしてみれば嫌な形を作れたんで、その点でも大きい」とうなずいた。 毎日のように試合が行われるプロ野球の世界。全てが初めてとなるプロ1年目にとってはタフな生活だが、活躍を続けられる秘訣は日々の準備にある。「(ケアなどを)毎日やることによって、いい形で試合に入っていけるのかなと思うし、今はそういう細かいところを大事にしている」。試合前の入念なストレッチはもちろん、試合後は長風呂をして疲労回復に努めていることが後半戦に入って生きている。 「(相手に)離されても全然追いつける雰囲気があるし、とてもいい雰囲気で来ているので、次のヤクルト戦もいい流れで入っていけるようにやっていきたい」 執念のドローに持ち込んだ立役者は意気込んだ。終盤に驚異の粘り強さを見せる虎を支えているのは背番号「51」だ。(織原祥平)

◆セ・リーグ2位の巨人は5日、阪神18回戦(甲子園)に6-6で引き分けた。坂本勇人内野手(32)を六回の守備から途中交代後、失策が続いて6点差を守り切れなかった。6点リードから勝てなかったのは2018年7月22日の広島戦(マツダ)以来3年ぶり。首位攻防3連戦は連夜の逆転負けで首位を明け渡し、最後は最悪の形で引き分け。原辰徳監督(63)は「私自身の用兵のミス」と責任を負った。 遊撃手の失策から失点を重ね、勝利すれば首位浮上の一戦でまさかの引き分け。原監督は責任を背負い、悔しさをにじませた。 「今日は私自身の用兵のミスというか。そういうものが、同点につながったのかなと深く反省しますね」 岡本和の3ランなどで五回終了時には6-0の圧勝ムード。負担の大きな遊撃で4試合フル出場が続いていた大黒柱の坂本を、六回の守備からベンチへ下げたのが悪夢の始まりだった。「連戦続きで彼がずっと出っぱなしだった。いつも通りの戦い方ではあるけれども、結果的にはなかなか勇人のカバーをできなかった。読み切れなかった」代わりに遊撃に入った若林が、六回無死三塁で遊ゴロをファンブルする適時失策。勢いに乗った阪神に打者一巡で4点を返された。七回は遊撃に広岡を置いたが、無死一塁でマルテのゴロを二塁悪送球。一、三塁とされ、2失点で同点とされた。チームの38失策はリーグ最少だが、痛恨のミスが続いた。九回1死一、三塁のピンチでは原監督自らマウンドへ。2死満塁からビエイラが近本を中飛に封じ、何とか引き分けた。「(失策した2人は)糧としてくれればいい。幸い負けがつかなかった。まだ厳しい勝負は待っている」。首位攻防戦は3戦すべて逃げ切れず、2敗1分けで首位・阪神に1・5ゲーム差。苦い経験を教訓に前へ進む。(谷川直之)

◆粘った! 追いついた! 負けなかった! 阪神は6点差を追いつき、巨人に引き分けた。負ければ首位陥落だったが、七回に代打・糸井嘉男外野手(40)が同点二塁打。リーグ優勝へ大事な3連戦を2勝1分けと大健闘した。矢野燿大監督(52)も「勝ちに等しいゲーム」と絶賛。これが全員野球や! アカン…大敗や…一日天下やったか…ン? 6点差がみるみるうちに縮まってるやん。え、巨人、焦ってる? うわっ、糸井の二塁打で追いついた。こりゃ勝てる、と思ったけど、これが今季の虎の執念や! 〝粘虎〟で首位を守った。もう、勝ったも同然や! 「絶対に勝ちたい! それだけです。全試合もちろん大事だけど、首位を争う相手として、絶対に巨人に負けられないので、チーム全員ですごく気持ちがこもった3連戦でした」 七回、試合を振りだしに戻した糸井がナインの思いを代弁した。3時間59分の末、今季4度目のドロー。先発した秋山が今季最短の2回3失点でKOされ、2番手・藤浪も3回3失点。同一カード3連勝の山は高いかと思った矢先、巨人は坂本を六回の守備から下げるなど、原監督が動いた。 〝飛車〟抜きで戦えるほど、今の虎は甘くない! 虎党の思いはすぐに実現した。相手失策に乗じて好機を広げた無死一、三塁から糸原の二ゴロの間に1点差とし、なおも2死一塁で代打・糸井がドカン! 追い込まれながらもデラロサの低めチェンジアップを捉え、左中間への適時二塁打。ベンチスタート組に苦しんだ巨人とは対照的に、虎の層の厚さを証明した。執念が勝った。「今日のゲームは勝ちに等しいような引き分けだと思っています」矢野監督は試合後のインタビューで胸を張った。試合後のファンの反応を見れば、その通りだとわかる。球場に駆けつけたのは1万7247人。勝ちきれず、グラウンドであいさつをする虎戦士たちに、万雷の拍手が降り注いだのだった。「嘉男(糸井)がああいうバッティングをしたりとか、元気に元気にやってくれて。代打で打つって簡単じゃないから。難しいから」と矢野監督は力を込める。40歳のベテランはレギュラーを奪われても勝負の季節に向けて体を作ってきた。キャンプからフルメニューをこなし、暑くなると、休息を増やすどころか「ベンチにいるってことは運動量が減るということなので、走り込みとかも極力はやる」とランニングメニューを日課とし、外野芝を走った。代打打率・220(41打数9安打)ながら、8月は・308(13打数4安打)、9月は・667(3打数2安打)と、これぞ〝神様〟。糸井は「調子良い悪い関係なしに、気持ちでやるしかないと思います」という。甲子園での伝統の一戦だからこそ根性が生きた。3連戦で1敗でもすれば首位返り咲きはなかった中で2勝1分け。7日からヤクルトと戦う矢野監督は「僕たちは全員で戦うというところで乗っていけるチーム、成長していけるチーム」と声を弾ませれば、糸井も「どんなに点差があってもみんな攻めていく、勝つという思いで一体となって戦えている」と実感する。踏まれても踏まれても、起き上がる。相手がギブアップするまで、虎は食らいつく。最高のムードになってきたでぇ!(新里公章)

◆スクイズやろー!! 同点で迎えた九回1死一、三塁。2試合連続のサヨナラの大チャンスが巡ってきたー!! そのとき、巨人は原監督が自らマウンドへ。グフフフ、ここや! ペナントレースを左右するシーンが来たやんけえ!! 俺の記憶によれば、原監督がマウンドへ足を運んだときは巨人の投手が踏ん張るのだ(と思う)。ならば、その〝勝利の方程式〟も阪神で最もバントのうまい梅野(三塁走者は俊足の小幡)のスクイズで崩壊させたろやないかー!! しかし、結果はそのまま梅野に打たせて浅い右飛。終わってみれば6-6の引き分け…。 「なんでスクイズせーへんのや!!」とカリカリする俺と「いや、でも0-6からよく追い付いたわー!!」とニコニコの俺が頭の中で行ったり来たり…。 判決!! 2軍が22年ぶりに巨人の持つファーム記録を塗り替える16連勝を達成したから、今日はこのくらいにしたったるわー!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
58424 0.580
(-)
-
(-)
39430
(+6)
391
(+6)
101
(-)
91
(-)
0.253
(↑0.001
3.440
(↓0.02)
2
(-)
巨人
523914 0.571
(-)
1.5
(-)
38427
(+6)
390
(+6)
134
(+2)
57
(+1)
0.247
(-)
3.470
(↑0.02)
3
(-)
ヤクルト
483912 0.552
(↓0.006)
3.5
(↓0.5)
44425
(+1)
387
(+6)
99
(-)
57
(-)
0.253
(↓0.001)
3.670
(↓0.03)
4
(-)
中日
405114 0.440
(↑0.007)
13.5
(↑0.5)
38296
(+2)
336
(-)
53
(-)
54
(-)
0.237
(-)
3.090
(↑0.03)
5
(-)
広島
405210 0.435
(↑0.006)
14
(↑0.5)
41384
(+6)
426
(+1)
83
(+2)
50
(+2)
0.260
(↑0.001)
3.870
(↑0.03)
6
(1↓)
DeNA
395313 0.424
(↓0.005)
15
(↓0.5)
38414
(-)
478
(+2)
106
(-)
23
(-)
0.258
(-)
4.340
(↑0.02)