阪神(☆2対1★)中日 =リーグ戦16回戦(2021.09.01)・阪神甲子園球場=
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中日
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阪神
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勝利投手:伊藤 将司(7勝6敗0S)
(セーブ:スアレス(1勝1敗28S))
敗戦投手:松葉 貴大(2勝3敗0S)
  DAZN
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◆阪神は1点を追う6回裏、マルテの適時打で同点とする。なおも2死一三塁の好機で大山の適時打が飛び出し、勝ち越しに成功した。投げては、先発・伊藤将が7回4安打1失点の好投で今季7勝目。敗れた中日は9回に一打同点の好機をつくるも、あと1本が出なかった。

◆阪神近本光司外野手(26)が絶好調だ。8月は出場16試合で62打数25安打、打率4割3厘。月間25安打は両リーグ最多で、マルチ安打を10度記録するなど猛打を見せた。9月に入っても好調を維持できるか。

◆両チームのスタメンが発表された。 大山悠輔内野手(26)が「6番三塁」でスタメン復帰。佐藤輝明内野手(22)は、3戦連続のベンチスタートとなった。 前日8月31日には虎史上初の外国人クリーンアップを結成したが、1日で解体。ここまで後半戦全試合で先発出場していたメル・ロハス・ジュニア外野手(31)がスタメンから外れた。ジェフリー・マルテ内野手(30)は「3番一塁」で、ジェリー・サンズ外野手(33)が「4番左翼」で先発。打線を組み替え連敗ストップを目指す。 阪神先発は伊藤将司投手(25)。中日は松葉貴大投手(31)が先発する。

◆2試合ぶりにスタメン復帰した阪神大山悠輔内野手(26)が勝ち越し打を決めた。 「6番三塁」で先発。同点に追いついた直後の6回裏2死一、三塁、3ボールから右腕田島の外角145キロ直球にバットの先っぽで食らいついた。根元までバットを折りながら右前に落とし、値千金の1点をゲットした。 「とにかくランナーをかえしたいという気持ちだけでした。勝ち越すことができて良かったです」 試合前の時点で得点圏打率1割9分6厘はリーグワースト。不振に苦しむ主将が意地の一打を放った。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が代打で登場するも、今季144個目の三振を喫し、自己ワーストをさらに更新する27打席連続無安打となった。 1点リードの7回1死。3試合連続で代打で登場。中日福の直球にバットが空を切り、8月28日広島戦(マツダスタジアム)の3打席目から5打席連続三振となった。 代打が告げられ打席に向かう直前、登場曲のももいろクローバーZの「吼えろ」が途中で止まった。梅野を空振り三振に仕留めた中日3番手三ツ間が打者1人で交代。左腕福がマウンドに上がり、再び「吼えろ」が流れた。投球練習の間にベンチでデータなどの確認を行ったが、結果は振るわなかった。

◆中日祖父江大輔投手(34)が緊急降板した。1点ビハインドの8回に4番手で登板。1死一塁で、サンズへカウント2ボール2ストライクから7球目を投じる前に、なんらかの異変があった模様で阿波野投手コーチとトレーナーがマウンドに向かった。そのまま、与田監督が岡田への交代を告げ、祖父江はベンチに戻った。 試合後、与田監督は「詳細は分かったら報告します。明らかに動きがおかしかったから交代したということです」と話すにとどめた。

◆阪神が中心打者の活躍で、連敗を4で止めた。 1点を追う6回、先頭の近本光司外野手(26)が右前打で出塁。続く中野拓夢内野手(25)がバントを決め、1死二塁の好機をつくった。ここでジェフリー・マルテ内野手(30)が2試合連続となる適時打を中前に放って同点。なおも敵失で2死一、三塁と好機は続き、打撃不振に苦しむ大山悠輔内野手(26)が右前に勝ち越し打を放った。 先発の伊藤将司投手(25)が7回1失点と好投し、7勝目を挙げた。

◆ルーキーの粘りがチームを救った。阪神伊藤将司投手(25)が7回4安打1失点で7勝目を手にした。「もちろん気持ちも入っていましたし、連敗を止められたことはうれしく思います」。ウイニングボールを手にしたスアレスを、ベンチの前で笑顔で迎え入れた。 初回から3イニング連続3者凡退の完璧な立ち上がりだった。4回1死で高松に初安打を許すと、味方の失策もからみ2安打で先制点を献上。気落ちしそうな場面でも、集中力を切らさなかった。4番ビシエドを外低めのツーシームで遊ゴロに仕留め、5番福留をカーブで右飛。持ち前の制球と緩急で丁寧に投げ分け、味方の援護を待った。 25日DeNA戦(京セラドーム大阪)では、自己最短の3回7安打5失点で6敗目。「前回はふがいないピッチングをしてしまったので、今回はしっかり長いイニングを投げられるよう、チームに貢献できるように入りました」。より低めへの意識を高め、この日は勝利を呼び込む快投に変えた。 矢野監督も「前回、ピッチャーに打たれたりね。本当に悔しい投球でしたけど。将司らしい投球で、梅野としっかりと意識を合わせて、丁寧に丁寧に投げてくれた結果じゃないですかね」とねぎらった。連敗の悪い流れをフレッシュな救世主が止めた。【磯綾乃】 ▽阪神梅野(伊藤将について)「投打になかなかかみ合うことがなくて、きつい試合が続いたけど、誰か連敗を止める人がいないといけない中で、本当に将司らしい、左右使ったピッチングが出来たと思うし、プラス緩急もしっかり投げていたし。将司が粘り強く投げてくれたんで、本当にそれに尽きると思う」

◆阪神岩崎優投手(30)が、3者凡退と完璧なリリーフを見せた。 2-1の8回にマウンドへ。先頭の渡辺は3球スライダーを続けて空振り三振。木下拓を初球で遊ゴロに仕留めると、最後は代打福田を二ゴロに打ち取った。 降板後には、広報を通じて「良い仕事が出来ました」と淡々とコメント。リーグ前半戦は「0点で抑えることができてよかったです」がお決まりコメントで、グッズも発売されたほどだったが、8月22日の中日戦(バンテリンドーム)では「良い結果になって良かったです」とコメントしており、後半戦になってバリエーションが増えたようだ。

◆阪神は初回、近本の安打と2四球で2死満塁としたが、大山が投ゴロで無得点。中日は3回まで阪神伊藤将に完全に抑えられた。 中日が4回、大島の適時打で1点を先制。阪神は6回1死二塁からマルテの適時打で追いつき、大山の適時打で2-1と勝ち越した。 阪神先発の伊藤将は7回1失点と好投し、救援陣につないでリードを守り切った。伊藤将は7勝目。阪神は連敗を4で止めた。スアレス28セーブ。中日松葉は3敗。

◆阪神は大山悠輔内野手(26)が6回に勝ち越し打を放ち、先発の伊藤将司投手(25)が7回1失点の好投でチームの連敗を4で止めた。 夏の甲子園大会が終わり、阪神が本拠地・甲子園に戻って2試合目。今季最長連敗に終止符を打った投打のヒーローがお立ち台で、ファンに喜びの声を届けた。 -まずは伊藤投手。ナイス・ピッチングでした 伊藤 ありがとうございます。 -今日の投球を振り返って 伊藤 そうですね。低めに丁寧に今日は投げられていたと思うので、いい結果になりました。 -前回(8月25日DeNA戦は3回5失点で6敗目)の登板を踏まえて、今日はどういう気持ちでマウンドに上がったのか 伊藤 前回はふがいないピッチングをしてしまったので、今回はしっかり長いイニングを投げられるよう、チームに貢献できるように入りました。 -序盤から気合いを感じる投球。どこがよかったか 伊藤 打たせて取るのが自分のスタイルなので、そういうのが生かせたと思います。 -大山選手の勝ち越しタイムリーは見ていたのか 伊藤 見てました。 -その瞬間、どうたったか 伊藤 大山さんだったらやってくれると思っていたので、本当にやってくれてよかったです。 -あらためて大山選手にメッセージを 伊藤 ヒット打ってくれてありがとうございます。 -大山選手、ナイスバッティングでした 大山 ありがとうございます。 -大山選手の決勝タイムリーで勝ちました。今の気持ちを 大山 本当は初回のチャンス(2死満塁)で得点を取って将司を楽に投げさせたかったんですけど(投ゴロと)本当にふがいないバッティングをしてしまったので、そこをチーム、将司がカバーしてくれたので、あそこは死ぬ気で行きました。 -3ボールからだったが 大山 ストレートが来たら行こうと思っていた。見る気はなかったですし、しっかり振り抜くことができたので、当たりはちょっとあれですけど、結果的にヒットになってくれて本当によかったなと思います。 -スタメンで気合が入っていたと思うが 大山 試合に出たらタイガースの代表として、チームに貢献するだけだと思うので、だれがどこに出ても精いっぱい頑張るだけだと思うので、しっかり勝ちに貢献できるように頑張りたいと思います。 -今後に向けての言葉を 伊藤 厳しい試合が続くと思いますが、ファンの皆さん、ご声援よろしくお願いします。 大山 これからも頑張ります。応援よろしくお願いします。

◆阪神は連敗を4で止めた。ルーキー伊藤将司投手(25)が7回1失点の好投。苦しんでいた大山悠輔内野手(26)が6回に勝ち越し打を放った。矢野燿大監督(52)の一問一答は以下の通り ? -伊藤将は前回登板の悔しい思いもあった中で7回1失点という投球 前回ピッチャーに打たれたりね。本当に悔しい投球でしたけど。本当に丁寧に行きながら、将司らしい投球で、梅野しっかりと意識を合わせて、丁寧に丁寧に投げてくれた結果じゃないですかね。 -ルーキーが修正して投げ続ける難しさもあるが、ここまでをどう見ているか やっぱり投げていくと将司のパターンであったり攻め方、球筋とかね、いろいろ覚えられる。そういう中でどう勝っていくかっていうのは、こういう丁寧さと『変わらない勇気』と『変わる勇気』っていうのがやっぱり必要になってくると思う。そういうところを今後もね、挑戦していってくれたらと思います。 -6回はまず近本、中野、マルテで同点に 今本当にチーム状態が苦しい状況の中ですけど、近本が本当にチャンスメークをしてくれている。そういうところで一番チャンスに強いマルテのところに回ってね、しっかりかえしてくれたなと思います。 -勝ち越し打の大山は3ボールから打っていった いやあそこはもう『振れ、振れ』と思いましたけどね。あそこで振らないようではね、本当にこう、僕たちの野球じゃないと思うのでね。悠輔も今苦しんでいますけど、だからこそあそこは振ってほしいなと思っていました。 -今日の1本は本人にとってもチームにも大きい まあそれをどうするかは悠輔次第。そういうものを意味ある1本にしていけるようにね、悠輔も苦しいながら何とか前を向こうと努力しているんでね。なんとかここからね、調子を上げてもらいたいなと思います。 -五輪明け最初の甲子園での勝利だが、この勝ち方をどう見るか いや、まあしんどいんでね。やっぱりもっと点取りたいし、もっとワイワイやりたい。でも今はどういう形であれ勝つっていうところから何かきっかけをつかみたい状況でもあるんでね。そういうところでは目の前の試合を全力で勝つっていうところが今やれることかなと思います。 -甲子園のファンの喜んでいる顔はどう見たか 今日は喜ばせましたけど、昨日は悔しい思いをさせているんでね。そういうところではやっぱり勝ってね、喜んで帰ってもらうっていうのはもちろんですし。見ているファンの皆さんにも僕たちの野球っていうのをしっかり見てもらった上でね、喜んでもらえるような試合っていうのをこれからもしていきます。 -明日の藤浪も前回は悔しい投球。どんな投球を期待するか 2軍でしっかりとした投球を見せてくれた上でのもちろん昇格なんでね。何かファームで手応えというか、いい形でこっちに来ているのでね。思い切って、コントロールというよりは思い切ってどんどん向かっていく投球をしてくれたらと思います。

◆中日が守備の乱れもあり惜敗した。 松葉が同点に追いつかれた6回1死一塁でサンズのゴロを遊撃京田が痛恨のトンネルで併殺を取れず、2番手田島が大山に決勝打を許した。与田監督は「(先発松葉は)よく投げた。再三、京田の好プレーで助けられた」と選手をかばった。8回には5番手の祖父江が途中降板するアクシデントも。指揮官は「明らかに動きがおかしかったから交代した」と説明。祖父江が離脱なら、9月は過密日程だけに苦しくなる。

◆中日は、守備の乱れもあり惜敗した。 松葉が同点に追いつかれた6回1死一塁でサンズのゴロを遊撃京田が痛恨のトンネルで併殺を取れず、2番手田島が大山に決勝打を許した。19年5月以来の甲子園3連戦勝ち越しは2日に持ち越された。試合後の与田剛監督(55)の一問一答は以下の通り。 -先発松葉の投球内容は 「前回(8月25日ヤクルト戦)同様によく投げてくれた。前回のような突然の乱れもなくよく投げた」 -6回に同点に追いつかれた 「そこまでも0点に抑えている。相手だって3巡目に入れば多少は対応してくるし、その1点を責めるつもりは全くない」 -直後に京田のエラーからピンチが広がり勝ち越しを許した 「エラーはエラーだから。ないに越したことはないが、再三、彼は好プレーでチームを助けてきている。次にしないように。それだけ」 -阪神先発伊藤将を打ち崩せなかった 「低めのコントロール、ボールの出し入れがうまかった。際どいところによく投げてきていた。何とか攻略しないといけなかったんですけどね」 -祖父江が8回途中に降板した 「詳細は分かったら報告します。明らかに動きがおかしかったから交代したということです」

◆帰ってきた中心打者が、チームを救った。 阪神ジェフリー・マルテ内野手(30)が、1軍復帰から2試合連続でタイムリーを放った。1点を追う6回1死二塁。2打席連続空振り三振に抑えられていた中日松葉のストレートを中前にはじき返し、二塁走者の近本を同点のホームに迎え入れた。 「(先頭の)近本が塁に出てくれたし、初回は同じような場面で凡退してしまったから、絶対に打ちたいと思っていたね」と、初回1死二塁での三振の借りを返した。 前日は48日ぶりに1軍の打席に立ち、2安打3打点。虎史上初の助っ人クリーンアップは1日で解体となったが、マルテは2試合連続マルチ&適時打でチームの連敗ストップに貢献。「自分のできることは、もっともっとできると思うので、もっと貢献していきたい」と勝負の秋を見据える。好機で得点を生み出す打者の復活で、阪神打線がよみがえった。

◆虎は9月に息を吹き返す。阪神が大山悠輔内野手(26)の執念のタイムリーで連敗を「4」で止めた。6回2死一、三塁でバットを真っ二つに折りながら、右前に運んだ。8月終了時点で得点圏打率は規定打席到達者でリーグ最下位。悩める主砲が意地を見せた。9月以降に強さを発揮する矢野阪神は首位巨人を逃がさない。根元からバットをへし折られても、数10センチ残った相棒を最後まで振り抜いた。大山は目を見開き、右翼線に押し込んだ飛球の行方を追った。見た目など気にしてはいられなかった。 「本当は初回のチャンスで得点を取って(先発の伊藤)将司を楽に投げさせたかったんですけど、本当にふがいない打撃をしてしまった。そこをチーム、将司がなんとかカバーしてくれた。死ぬ気で行きました」 2戦ぶりのスタメン復帰。1回2死満塁では投ゴロ、4回1死一塁では二ゴロ併殺打に倒れていた。同点で迎えた6回2死一、三塁、リーグワーストの得点圏打率は1割9分4厘まで落ち込んでいた。右腕田島に3ボール。それでも「見る気はなかった」。狙い球の直球に両腕を伸ばした。 「弱気にならないことだけ。前向きに、前向きに」。打席に入る直前、北川打撃コーチから背中を押されていた。「振れ振れ、と。あそこで振らないようでは僕たちの野球ではない」。矢野監督の願いも通じた。外角145キロ直球にバットの先を届かせ、右前に決勝打。得点圏に走者を置いた場面では10打席ぶりの「Hランプ」をともし、今季初の5連敗を阻止した。 先発落ちした前夜の中日戦、率先して「バットボーイ」を務める背番号3がいた。4回、マルテがファウルでバットを折ると、主将自ら新品を片手に打席へ駆けた。V奪回へ、ナインを先導する立場にいる。ベンチスタートで気落ちするほど覚悟は弱くない。「とにかく勝ちたい。勝てれば何でもいい」-。勝負の季節、自身の浮沈だけに一喜一憂してはいられない。 8月は月間打率1割9分6厘、4本塁打、6打点。甲子園に戻った前日8月31日から、全体練習前の室内で打ち込むルーティンに変化をつけた。2日連続の屋外早出特打を泥臭く勝利につなげて感謝、感謝だ。 「早出はコーチも裏方さんも手伝ってくれているからできること。その方々の思いを無駄にしないように試合に臨んでいる。今日いいところで1本出て、少し恩返しができたかなと思う。明日からも続けていけるように頑張ります」 首位陥落の責任を人一倍背負い、首位再浮上へ気持ちを入れ直す。いよいよ9月に突入。真夏の悔しさは秋に晴らす。【佐井陽介】 ▽阪神北川打撃コーチ(大山決勝打の直前に耳打ち)「(内容は)内緒(笑い)。前の打席のダブルプレーは、打ち方自体は悪くないと思った。だから『紙一重でゲッツーになっただけだから同じ考えでいけ』というだけですね」 <矢野監督就任後の阪神の9月以降> ◆19年 8月終了時点で3位広島に3差で、CS進出は困難な状況に。ところが9月21日広島戦に勝って勢いをつけると、シーズン最終戦の同30日中日戦まで6連勝フィニッシュ。大逆転でCSへ駒を進めた。 ◆20年 新型コロナウイルス感染拡大で開幕が大幅に遅れ、9月以降に60試合を戦った。10月24日巨人戦から1分けを挟んで6連勝を飾り、17年以来4年ぶりの2位を確保。西勇が9月以降7勝を挙げ、チームを引っ張った。

◆阪神守護神スアレス投手がリーグトップ独走の28セーブ目を挙げた。9回1点差の登板で先頭京田に内野安打を許したが、最後は2死三塁から4番ビシエドと勝負。内角156キロで遊ゴロに仕留めた。 8月22日中日戦以来のマウンドだったが「投げないときも準備はしっかりしていたし、投げることに関しては問題なかった。チームが勝てたことが良かった」と冷静だった。

◆8回に登板した阪神岩崎優投手が3者凡退と完璧なリリーフを見せた。先頭の渡辺には3球スライダーを続けて空振り三振。木下拓を初球で遊ゴロに仕留めると、最後は代打福田を二ゴロに打ち取った。 降板後は「良い仕事が出来ました」と淡々とコメント。いつも通りの短い言葉の中に充実感をにじませた。

◆乗り越えろ。広島が投打で詰めの甘さを露呈し、DeNAに連敗を喫した。先発した高卒2年目玉村は立ち上がりと、球数が100球に達した6回にいずれも2失点。5回2/3を投げて9安打5失点で5敗目を喫した。11安打も10残塁でわずか2得点とつながりに欠いた打線では、20歳林は終盤に代打を送られた。4連勝から一転して連敗のチームだけでなく、今季台頭した若手も大きな壁に直面している。初めての経験だった。玉村は6回2死一、二塁で踏ん張ることができなかった。8番大和に左前適時打を打たれた。さらに代打楠本に左前に痛打された。試合の流れを完全にDeNAに渡した。プロ入り初のイニング途中での降板。4試合連続で達成していたクオリティースタートならず、5敗目を喫し、20歳左腕は肩を落とした。 佐々岡監督 何とか粘り強く投げていたんですけどね。6回はちょっともったいなかったかな。2死(一塁)から牧への四球というのはね。そこでしっかり粘り強く投げていれば6回3失点というところだったんですけどね。 打線を活性化させてきた若手野手も、壁にぶつかっている。三塁の1番手として先発出場を続ける20歳林は7回の打席で代打が送られた。佐々岡監督は「内容などを見て。攻撃していかないといけない。左(投手)というところもあったので、当然、点を取りにいかないといけないところですから」。この日は好機での併殺を含め2打席凡退。8月28日阪神戦の4打席目から11打席連続無安打となった。 同期の21歳小園は前日8月31日、1点を追う9回無死一、二塁からスリーバントが失敗となり、代走が送られた。8月以降は打率2割3厘。8月以降1割6分1厘の林とともに、苦しんでいる。経験の少ない若手は、時に爆発的な力を発揮するものの、安定性に欠け、失敗もつきもの。チームの勝敗を背負わせるわけにはいかない。 チームは4連勝から敵地で連敗。最下位に沈む。残りの試合も目の前の試合を全力で取りにいく姿勢を崩さない、佐々岡監督は若手に奮起を促す。「1年間通して出たことがないところで、経験していかないといけない。波を小さくしないといけない。レギュラーになっていく道だと思う」。若手だけではない。チームも同じ。首脳陣が明確なビジョンと道筋を示して、この壁を乗り越えていかなければいけない。【前原淳】

◆ルーキーの粘りがチームを救った。阪神伊藤将司投手(25)が7回4安打1失点で7勝目を手にした。「もちろん気持ちも入っていましたし、連敗を止められたことはうれしく思います」。ウイニングボールを手にしたスアレスを、ベンチの前で笑顔で迎え入れた。 初回から3イニング連続3者凡退の完璧な立ち上がりだった。4回1死で高松に初安打を許すと、味方の失策もからみ2安打で先制点を献上。気落ちしそうな場面でも、集中力を切らさなかった。4番ビシエドを外低めのツーシームで遊ゴロに仕留め、5番福留をカーブで右飛。持ち前の制球と緩急で丁寧に投げ分け、味方の援護を待った。 25日DeNA戦(京セラドーム大阪)では、自己最短の3回7安打5失点で6敗目。「前回はふがいないピッチングをしてしまったので、今回はしっかり長いイニングを投げられるよう、チームに貢献できるように入りました」。より低めへの意識を高め、この日は勝利を呼び込む快投に変えた。 チームのために腕を振る左腕は、グラウンド外でも仲間思い。最近一番うれしかったニュースは、横浜高時代の女房役に子供が生まれたこと。「その時『よっしゃー!』と思いました」。自分のことのように喜び、出産祝いに子ども用のベッドを贈った。いつかは家族も関西に招待したいと計画する。「どこか案内したいですね。おいしいご飯とか」。野球に打ち込んできたため家族旅行の思い出は、小学校高学年の時にユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行ったのが最後。コロナ禍の今、まずはグラウンドの姿で喜ばせる。 矢野監督も「前回、ピッチャーに打たれたりね。本当に悔しい投球でしたけど。将司らしい投球で、梅野としっかりと意識を合わせて、丁寧に丁寧に投げてくれた結果じゃないですかね」とねぎらった。連敗の悪い流れをフレッシュな救世主が止めた。【磯綾乃】

◆阪神の守護神スアレスがリーグトップ独走の28セーブ目を挙げた。 9回1点差の登板で先頭京田に内野安打を許したが、最後は2死三塁から4番ビシエドと勝負。内角156キロで遊ゴロに仕留めた。8月22日中日戦以来のマウンドだったが「投げないときも準備はしっかりしていたし、投げることに関しては問題なかった。チームが勝てたことが良かった」と冷静だった。

◆阪神佐藤輝明が3試合連続代打で登場し、自己ワーストを更新する27打席連続ノーヒットに倒れた。 7回1死、中日福の直球にバットが空を切り、今季144個目の三振。8月28日広島戦(マツダスタジアム)の3打席目から5打席連続三振となった。前日に続き、試合前練習で早出特打を敢行したが、結果には結びつかなかった。

◆帰ってきた中心打者が、チームを救った。阪神マルテが、1軍復帰から2試合連続でタイムリーを放った。1点を追う6回1死二塁。2打席連続空振り三振に抑えられていた中日松葉のストレートを中前にはじき返し、二塁走者の近本を同点のホームに迎え入れた。 「(先頭の)近本が塁に出てくれたし、初回は同じような場面で凡退してしまったから、絶対に打ちたいと思っていたね」と、初回1死二塁での三振の借りを返した。 前日は48日ぶりに1軍の打席に立ち、2安打3打点。虎史上初の助っ人クリーンアップは1日で解体となったが、マルテは2試合連続マルチ&適時打でチームの連敗ストップに貢献。「自分のできることは、もっともっとできると思うので、もっと貢献していきたい」と勝負の秋を見据える。好機で得点を生み出す打者の復活で、阪神打線がよみがえった。

◆今季ワーストの4連敗中の阪神は前日、攻守に精彩をかいたロハスをスタメンから外し、大山を2試合ぶりに「6番・三塁」で起用。26打席連続無安打の佐藤輝は3試合連続でベンチスタートとなった。

◆2試合ぶりのスタメン出場だった阪神・大山悠輔内野手(26)が1-1の同点に追いついた六回、なおも2死一、三塁から右前に勝ち越し打を放った。 「とにかくランナーをかえしたいという気持ちだけでした。勝ち越すことができてよかったです」 六回、先頭の近本が右前打。中野の犠打で1死二塁とし、マルテの中前適時打で同点に追いつくと、大山が2死一、三塁で、2番手・田島の145キロの直球を右前に運んだ。 不振で、前日8月31日の中日戦はスタメン落ち。この日は「6番・三塁」で出場するも一回、2死満塁の先制機で投ゴロに。四回、1死一塁では二ゴロ併殺に倒れ、スタンドはため息に包まれていた。

◆阪神・伊藤将司投手(25)は先発し、7回88球を投げて4安打1失点(自責0)の好投。勝ち投手の権利を残して降板した。 ルーキー左腕は、緩急自在の投球で、初対決となった中日打線に的を絞らせず、三回まで走者を一人も許さなかった。0-0で迎えた四回1死から高松の三遊間の打球を処理した遊撃手・中野が一塁へ悪送球(記録は安打と失策)。続く大島に中前適時打を許したが、その後はピンチをしのいだ。 0-1の六回、マルテが同点打。大山が勝ち越し打を放って、2-1と逆転。七回の打席で代打を告げられて降板した。 前回8月25日のDeNA戦(京セラ)はプロ最短となる3回5失点で降板。今季7勝目をかけた汚名返上のマウンドで好投した。

◆阪神が中日に逆転勝ちし、連敗を4で止めた。0-1で迎えた六回。1死二塁からマルテが同点打を放つと、なおも2死一、三塁とし、打席には2試合ぶりにスタメン復帰した大山が向かった。田島の145キロ直球にバットを折られながらも、右前へ。8月24日のDeNA戦(京セラ)以来、7試合ぶりの打点は決勝打と起用した矢野監督の思いに応えた。 先発した伊藤将は7回4安打1失点(自責0)と好投。8月18日のDeNA戦(東京D)以来の今季7勝目をマークした。八回は岩崎、九回はスアレスと盤石の勝ちパターンで締め、接戦をものにした。悪い流れを断ち切り、阪神が9月を上々な形でスタートした。

◆中日は逆転負けを喫した。与田剛監督(55)の主な一問一答は以下の通り。――松葉は六回途中2失点(自責1)。一回に満塁のピンチを断って立ち直った 「前回(8月25日ヤクルト戦、五回途中3失点)同様、よく投げてくれたと思います」 ――六回は守備の乱れもあって逆転を許した 「彼自身はよく投げてくれたと思うし、ボールの乱れも前回のような、突然の乱れもなかったのでね。本当によく投げたと思います」 ――六回や、相手の打順の3巡目で失点してしまう点について 「そこまではゼロ点に抑えているわけだから。それは相手だって3巡目に入ってくると多少は対応してくるし、その1点を責めるつもりは全くない」 ――六回の失点につながった京田のトンネルは 「エラーはエラーだから、しないに越したことはないけれど、再三、彼の好プレーでチームを助けてくれているし、次にしないように。それだけですね」 ――阪神・伊藤将を攻めあぐねた 「低めのコントロール、ボールの出し入れは非常にうまかった。ストライクゾーンの際どいところによく投げてきていたと思う。何とか攻略しなければいけなかったですけれどね」 ――祖父江が八回に降板。足を痛がるそぶりも見受けられたが 「詳細は分かったら報告します。まだ詳しいことは分かっていないので。明らかに動きがおかしかったので交代したということです。(2日以降は)体の動きを確認して、ということになります」

◆阪神は1点を追う六回、ジェフリー・マルテ内野手(30)と大山悠輔内野手(26)の適時打で逆転した。九回は中9日のロベルト・スアレス投手(30)が締めて、28セーブ目(1勝1敗)をマーク。先発の伊藤将司投手(25)は7勝目(6敗)を挙げた。連敗を4で止めた矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ーー大山が思い切って打った 「あそこ(カウント0ー3)で見逃すようじゃね。俺らの野球じゃないし。追いついて、さあ行けというところでね。行って、ある意味当たり前かなと思ってるけど」 ーーきっかけにしてほしい 「何がきっかけになるかなんて後から振り返らなきゃ分からへんから。でも、毎日何かきっかけをつかもうとアイツも必死にやっているし。今は苦しいけど、そんなんは現役生活をやっていく上で何回も何回もあることなんでね。自分の中で糧にして成長していけるように。信頼されるバッターになっていくということが繰り返されるから。こんなことは何度も起こるから。あいつも別にへこんでるというか、へばってることはないと思う。前向いて打席に入れば堂々と振っていくしかないので、結果的に今日のがきっかけになったとなればそれはうれしいことだから」 ーー大山、佐藤輝と練習前に特打 「それは中でも打ってるし。それぞれ打ってるから。今日だけやっているわけじゃないので。でもそういうのって今日やったから明日結果出るわけじゃないし。そんな簡単なものじゃないし。やっぱり日々の積み重ねの中から本当の自分を見つけていくという作業なんで。表向きは外で特打してるから、それをきっかけにとか、明日打てましたとか、というのはあまり直結しない。やっぱりテルもユウスケももちろんまだまだ成長していかないとダメな選手なんで。そういう積み重ねの特打かなと思う」 ーー伊藤将も序盤かテンポよく 「丁寧に投げていたね。真っすぐがコースに投げられるからこそ、変化球が生きるし。何となく変化球投手のイメージがあると思うけど、やっぱり、真っすぐがしっかり両サイドに投げられることで、投球の幅を広げている。かわしにいってでは、幅ができない。そういうところでは真っすぐをコーナーに投げられているなと。押し込んでファウルも取れている。それが、きょうの投球につながっているんじゃないかな」 ーー1点リードで勝ちパターンで締めた 「あれ(八回)も嫌な場面やけどな。チームが連敗で1点差でいくのは。本当に簡単な場面じゃない。逆に言うとすごく嫌な場面やけど、結果どうであれ、受け止める信頼関係ができているんで、あそこは優、9回はスアちゃんに任せるしかない。あそこまでいけば、ある意味、俺の仕事はほぼほぼ終わりなんで。あとは応援するだけと思って、送り出しています」

◆阪神・矢野耀大監督(52)は試合後、2日の中日戦に先発する藤浪晋太郎投手(27)について「2軍でしっかりとした投球を見せてくれた上での、もちろん昇格なんでね。ファームで手応えというか、いい形でこっちに来ているのでね。思い切って、コントロールというよりは、どんどん向かっていく投球をしてくれたらと思います」とコメントした。藤浪は8月19日のDeNA戦(東京ドーム)では4回2/3を投げて4失点で3敗目(3勝)を喫した。その後、2軍での調整を経て、勝負のマウンドに立つ。

◆中日は祖父江が八回に緊急降板した。5番手でマウンドに上がったが、足を気にするしぐさを見せ、1死一塁でサンズの打席中に交代。与田監督は「動きがおかしかったから交代した」と話すにとどめた。

◆前日、大山は試合に出ながら調子を取り戻してほしいと評論したが、まさに試合に出ていれば、こういうラッキーな当たりも出るし、そこから修正もできる。とにかく大山が決勝打を打って、連敗を止めた。喜ぶべきことで本人も少しはホッとしただろう。 だからこそ、これを本当のキッカケとしてほしい。この日の3打席、内容は決して良くない。決勝打も、3ボールから振る勇気は評価するが、打つべき球ではない。積極性が持ち味ではあるが、どれもタイミングが合っていないのに、打ってしまっているように見える。 一番の問題は、自分のスイングをしよう、という意識が強すぎること。だからスイングと、実際に飛んでいる打球が合っていない。ネクストバッターズサークルでは、腰の開きを抑える素振りを繰り返していた。修正点は自分でわかっているのだろう。ただ打席では、自分の理想とするスイングで打てる球など、まず来ない。 たとえば打撃練習で、どんな球種、コースだろうが、すべてピッチャー返しをしてみてはどうだろうか。そうやって感性を取り戻す、自分のスイングと打球を一致させていくことも手だ。 大山、そして佐藤輝の活躍なくして優勝はないと思っている。試合に出ながら修正し、復活してほしい。(本紙専属評論家)

◆どん底のなかで孤軍奮闘を続けた選手会長が止まらない。虎のリードオフマンが連日連夜響かせる快音の嵐。執念の逆転劇は近本から始まった。 「自分のスイングはできているのかなと思います。これからも積極的に自分のスイングを心がけてやっていきたい」 六回先頭。松葉の初球、136キロをはじき返した。痛烈な打球が一塁手・ビシエドの横を抜ける。右前打で反撃の口火を切ると、中野の犠打で二進。マルテの一打で同点のホームを踏んだ。そして直後に大山の決勝打。苦しみもがいていた同学年の主将が放った殊勲打に、近本もベンチから手を挙げ、たたえた。 9試合連続安打。さらに一回にも中前打を放っており、26日のDeNA戦(京セラ)から驚異の6試合連続複数安打と、勢いはとどまることを知らない。打率は・311まで上昇し、セ・リーグ単独3位をキープ。トップのDeNA・オースティンは・329で、首位打者も見えてきた。矢野監督も「チーム状態が苦しいけど、近本が本当にチャンスメークをしてくれている」と全幅の信頼を寄せている。 高校野球夏の甲子園大会が終わり、本拠地へと帰ってきた虎ナイン。近本は「時間をどう使うかも自分次第。有効に使うこともできるので、しっかりと試合に向け準備したい」と手綱を締めた。首位を追いかける立場へと変わり、苦しい状況は続く。それでも、絶好調のこの男が勝利への道を切り開く。 「塁に出てホームに帰ってくるのが自分の仕事。そのために一本でも多くヒットを打てるよう頑張りたい」 勝負の9月も猛虎打線の先頭で快音を響かせる。(原田遼太郎)

◆離れていた時間を取り戻すように、阪神・マルテが昇格から2戦連続のマルチ安打&打点だ。 「いつもやることは同じ。しっかりと準備をして、力を出しきることが自分ができること」 0-0の一回1死二塁では空振り三振に倒れていた。0-1の五回にも近本の安打、中野の投前犠打で同じ1死二塁で打席へ。今度こそ松葉をとらえ、痛烈に中前へ運んだ。リーグ戦中断期間に一時帰国していた影響もあり、前日8月31日の後半戦16戦目でやっと1軍復帰がかなった。そして前夜の2-5から同点とする3点二塁打に続いて、連夜の同点打だ。 八回にも中前打が出て2試合連続、今季25度目のマルチ安打をマーク。打率も近本に次ぎチーム2位の・289までジワジワ上げてきた。 「もっともっと貢献できると思う。もっともっと貢献していきたい」 この男がノッてくれば、虎はおのずとノッていく。(長友孝輔)

◆左腕から繰り出された白球は、捕手の構えたところに寸分の狂いもなく、バシッと収まった。阪神・伊藤将は自己最短でKOされた前回の汚名返上となる快投を披露し、7勝目。勝利の瞬間を迎えると、ベンチで力強く手をたたいて喜びを表現した。 「前回は浮いてしまったボールを打たれてしまったので、今回は低めに集めて、自分のピッチングはできた」 制球力をいかし、低めに丁寧に集める持ち味が光った。四回に味方の失策も絡んで先制点を許したが、最少失点で乗り切った。 前回8月25日のDeNA戦(京セラ)では自己最短の3回5失点で降板し、唇をかんだ。「前回はふがいないピッチングをしてしまったので、今回はしっかり長いイニングを投げられるよう、チームに貢献できるように(試合に)入った」。見事に7回4安打無四球1失点(自責0)の好投で有言実行。矢野監督も「丁寧に投げていた。真っすぐがコースに投げられるからこそ、変化球が生きるし、投球の幅を広げている」と評価した。エキシビションマッチで指揮官が課題に挙げていた直球の制球の向上が勝利の要因だ。 左腕が「夏の一番の思い出」と話すのは小学生の時の家族旅行。千葉の実家から大阪のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」へ足を運び「ジュラシック・パーク」のアトラクションなどを満喫した。「絶叫系(の乗り物)は大好き」という25歳がこの日は〝恐竜〟となって竜斬りだ。中日とは今季15試合目の登板で初対戦となったが、しっかりとねじ伏せた。 「一試合一試合、自分のピッチングをして、チームに貢献できるように、優勝できるように頑張っていきたい」 甲子園では4月24日のDeNA戦以来となる3勝目を挙げ、チームの連敗ストップに貢献した。シーズン7勝で入団時から目標としていた2桁勝利まであと3勝。今後も新人離れした活躍で白星を積み重ね、虎の勝ち頭になっていく。(織原祥平)

◆「死ぬ気で」虎救った!! 阪神は中日に2-1で逆転勝ちし、連敗を4で止めた。2試合ぶりに「6番・三塁」でスタメン出場した大山悠輔内野手(26)が六回に決勝打。バットを折りながら執念で右前に運んだ。甲子園51日ぶり勝利から0・5ゲーム差の首位・巨人を再び追いかける。鈍い音を立てて、バットが折れた。決して会心の当たりではなかったが、執念で右前に運んだ。大山が甲子園に51日ぶりの白星をもらたす決勝打。キャプテンがチームの連敗を「4」で止めた。 「あそこは、死ぬ気でいきました。当たりは、アレですけど、しっかりと振り抜くことができたので。結果的にヒットになってくれて、本当によかった」 0-1の六回、マルテの中前適時打で同点に追いつき、さらに敵失などで2死一、三塁で迎えた第3打席。3ボールからの4球目だった。「ストレートがきたら打つと決めていた」。見逃せばボールだったかもしれない2番手・田島の145キロの低めの直球を振り抜いた。 〝三度目の正直〟だった。「6番・三塁」で2試合ぶりのスタメン出場。いきなり見せ場は訪れた。一回2死満塁の先制のチャンス。だが、左腕・松葉のチェンジアップを引っかけて投ゴロに倒れると、四回1死一塁では二ゴロ併殺。スタンドは大きなため息に包まれていた。 「本当は、初回のチャンスで点を取って、(先発した伊藤)将司を楽に投げさせたかった。ふがいないバッティングをしてしまった」 試合前までの後半戦16試合は打率・156、4本塁打、6打点。得点圏打率・196は規定打席到達選手の中でワーストと負のデータが並んでいたが、バットは折れても心は折れなかった。「練習するしかない」。現状を打破すべく、バットを振って振りまくっている。甲子園でのナイター時は、練習開始1時間前の午後1時にグラウンドへ。早出特打を行うのが日課だ。新たなルーティンも加わった。見て学ぶ-。サンズや近本らのスイングを観察して参考にしている。「いろいろ意識して取り組んでいます。手伝ってくれているコーチや裏方さんの思いを無駄にしないように、と試合に臨んでいる」大山にマンツーマン指導することもある矢野監督は「(大山)悠輔も苦しいながら、なにか(調子をあげる)キッカケをつかもうと必死。今は苦しいけど、そういうことを自分の中で糧にして成長していけるように。信頼されるバッターになってもらいたい」と熱いメッセージ。3ボールから積極的に振った決勝打を「『振れ振れ』と思いましたけどね。あそこで振らないようでは、僕たちの野球じゃない」と振り返った。「勝負ごとなので、勝ち負けもありますし、打つ打てないという結果もありますが、チーム全員で、みんなが勝つという方向に向かって進んでいきたい」と大山。首位・巨人も勝ち、0・5ゲーム差は変わらず。3日からの甲子園での直接対決を前に、不調だった元4番が眠りから覚めた。(三木建次)

◆「よっしゃア! 大山悠輔、後半戦に入り4番どころかスタメンも外され...。そして、本日も一回満塁のチャンスで投ゴロ。四回には1死一塁で併殺打のどん底の中で六回に勝ち越し打!! 猛虎の元4番の意地を、牙を見せてもらったでエ!!(涙)」。な~んて俺は本日言いませーん!! ちゅーか、優勝を狙おうというチームの中心打者がスタメンどうのこうのって、ルーキーの佐藤輝と同じで何しとんねん!! ただ、あの場面カウント3-0からの自分の一振りで決めたるわ!! とバットを振りに行ったその闘志には、拍手を送らせてもらうのだ。 でも、本日のヒーローは間違いなく7回4安打1失点(自責点0)に中日打線を封じ込んでくれたルーキー・伊藤将なのだ!! 見事な7勝目オメデトウ、そしてアリガトウ!! あと3勝して2桁勝利を挙げられたら、新人王も夢じゃないでエ!! 次も好投頼んまっせー!! えっ、新人王候補の一番手は佐藤輝だって? ふ~ん、でも試合に出なきゃ取れないよね!!(うん、これで反骨心メラメラで打ちまくってくれるはずや~!)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
523712 0.584
(↑0.004)
-
(-)
42413
(+2)
371
(-)
130
(+1)
52
(-)
0.248
(↓0.001)
3.470
(↑0.03)
2
(-)
阪神
56423 0.571
(↑0.004)
0.5
(-)
42413
(+2)
379
(+1)
99
(-)
89
(-)
0.252
(↓0.001)
3.430
(↑0.03)
3
(-)
ヤクルト
473711 0.560
(↓0.006)
2.5
(↓1)
48417
(-)
374
(+2)
98
(-)
56
(-)
0.255
(↓0.002)
3.680
(↑0.02)
4
(-)
中日
385014 0.432
(↓0.005)
13.5
(↓1)
41292
(+1)
333
(+2)
53
(-)
53
(-)
0.237
(↓0.001)
3.150
(↑0.02)
4
(1↑)
DeNA
385013 0.432
(↑0.007)
13.5
(-)
42408
(+7)
463
(+2)
103
(-)
23
(+2)
0.260
(↑0.001)
4.370
(↑0.02)
6
(1↓)
広島
375110 0.420
(↓0.005)
14.5
(↓1)
45362
(+2)
417
(+7)
74
(-)
47
(-)
0.258
(-)
3.940
(↓0.04)