巨人(☆2対0★)ヤクルト =リーグ戦16回戦(2021.09.01)・京セラドーム大阪=
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ヤクルト
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巨人
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勝利投手:菅野 智之(3勝5敗0S)
(セーブ:ビエイラ(0勝0敗16S))
敗戦投手:高橋 奎二(2勝1敗0S)

本塁打
【巨人】丸 佳浩(16号・3回裏2ラン)

  DAZN
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◆巨人が3連勝。巨人は3回裏、2死三塁の好機から丸の2ランで先制に成功する。投げては、先発・菅野が8回1安打無失点の快投で今季3勝目。9回を締めたビエイラは、外国人選手の新記録となる32試合連続無失点を達成した。敗れたヤクルトは、打線が沈黙した。

◆巨人菅野智之投手(31)は4番打者を抑えられるか。 今季は10試合を投げて被打率2割4分だが、4番打者には27打数12安打、4本塁打、被打率4割4分4厘。4番打者を無安打に封じたのは6月6日日本ハム戦しかない。

◆巨人は3回1死から小林がチーム初安打で出塁。なお2死三塁から丸が2戦連発となる16号2ランで先制した。 ヤクルトは6回まで巨人先発菅野の前に1安打無得点と打線が沈黙。巨人は4回1死から岡本和が二塁打で出塁も追加点は奪えず。 巨人は菅野が8回1安打無失点で4月23日以来の3勝目を上げた。ヤクルトは無得点で2連敗でカード負け越しが決まった。高橋が1敗。巨人ビエイラ16セーブ。

◆首位巨人が1・5差の3位ヤクルトと対戦。

◆巨人チアゴ・ビエイラ投手が5月3日広島戦から32試合連続無失点。 連続試合無失点のプロ野球記録は今年の平良(西武)がマークした39試合だが、外国人投手では11年ファルケンボーグ(ソフトバンク)の31試合を抜く新記録となった。 また、連続イニング無失点は31回2/3。外国人投手の連続イニング無失点記録は65年バッキー(阪神)の34回で、あと2回1/3で並ぶ。

◆ヤクルトは勢いを止められた。 巨人との首位攻防戦第2ラウンド。負けられない戦いの中で、安打は6回2死から塩見が三塁前へのボテボテのゴロでもぎ取った内野安打のみ。今季5度目の0封負け。前日は10失点で敗戦も、今季最多タイの16安打で8得点。打線の流れを菅野に完全に断ち切られた。高津監督は「打ち合いに負けて、ロースコアで負けて、これが力の差なのかなと思いましたね」と絞り出した。 外野へ飛んだ打球は3度のみ。低く、際どいコースを攻められ、打ちあぐねた。7回2失点と踏ん張った先発の高橋を援護できず。手痛い1敗となった。 首位巨人と0・5差で迎えた直接対決も、連敗で差を広げられた。逆転優勝へ向けてこれ以上は引き離されたくない。指揮官は「明日は勝ちたい。一戦必勝なので、今日の反省をしっかりして切り替えて、明日の新しい試合に挑みたいと思う」と勝利に飢えていた。 ▽ヤクルト高橋(7回4安打2失点)「昨日のゲームの流れからして、とにかく先制点を先に与えないよう、一番にそこを考えてマウンドに上がった。丸さんのホームランは完全に失投でした。そのあとは切り替えて、追加点を与えないよう集中して投げた」

◆幾多の苦悩を重ねた大エースが復活祭だ。巨人菅野智之投手(31)が8回1安打無失点、108球の快投で4月23日以来、131日ぶりの今季3勝目をつかんだ。6月の交流戦は2戦2敗に沈み、ファームで再調整をして臨んだ7月の復帰戦も3回持たずに降板。シーズン4度目の登録抹消で舞台から姿を消し、7月中旬には東京五輪辞退を強いられた。自己ワーストの4連敗に陥った試練のトンネルから脱出。首位を走るチームの輪に加わった。お立ち台でファンを見渡し、菅野は吹っ切れたように笑い、感慨深そうに言った。 「味わったことがないような経験だった。どうしていいか分からない時期もあったけど、誰もが順調に野球人生を最後まで歩めるわけじゃない。それが今、来たんだと自分自身に言い聞かせて、現実を受け止めてやって来ました」 苦難のシーズンだった。度重なる負傷と再調整。ジャイアンツ球場で、自分の体と相談する日々を過ごした。念願だった東京五輪も辞退を余儀なくされた。「もちろん五輪に投げたかったなという思いもある。まあ...悔しさだけですね。悔しいし、どうにも出来ない感情と。言葉では簡単に力に変えるとか言いますけど、そんなに簡単なものではない」と、受け入れがたい現実と向き合った。 乗り越えて、また強くなる。前日には16安打で8得点を積み上げた強力ヤクルト打線を、6回2死までノーヒットに抑え込んだ。最速151キロの直球とカットボールを活用し、8回1安打無失点。4カ月以上勝ち星がなかったとは思えない貫禄の投球を見せつけた。 ただ、ここがゴールではない。視線はもっと先にある。「まだまだですよ。もうちょっと。決して悪くないですけど、もっと良くなるって信じてやらないと」と自らに言い聞かせるように言った。シーズンもヤマ場に入る。首位巨人に帰ってきた頼もしいエースは「どんどん取り返していきたい」とファンに誓った。次も、またその次も。この景色が見たい。【小早川宗一郎】 ▽巨人原監督(8回1安打無失点で好投した菅野に)「我々は勝負師だから。非常に厳しい世界にいるというのは、プロ選手である以上、全員が分かっているところ。七転び八起き、越えられない山はないんだというね。常に挑戦心を持つということが非常に大事なことだと思いますね」 ▽巨人小林(先発菅野を好リード)「いろんなものを背負って、苦しい思いをして取り組んできた中で、なかなかうまくいかなかったけど、今日は会ったときに顔もすっきりしていた。しっかりと相手打者と勝負できている感覚があった」

◆巨人丸佳浩外野手が今季2度目の2戦連発弾で菅野智之を援護した。3回2死三塁、ヤクルト高橋のチェンジアップを強振。右中間席へ16号決勝2ランを放り込んだ。 「散々、僕らが彼に助けられている。今日も本当だったら、もうちょっと助けてあげたかった。むしろ、また助けられた」とエースの力投に会心の一打で応えた。

◆幾多の苦悩を重ねた大エースが復活祭だ。巨人菅野智之投手(31)が8回1安打無失点、108球の快投で4月23日以来、131日ぶりの今季3勝目をつかんだ。6月の交流戦は2戦2敗に沈み、ファームで再調整をして臨んだ7月の復帰戦も3回持たずに降板。シーズン4度目の登録抹消で舞台から姿を消し、7月中旬には東京オリンピック(五輪)辞退を強いられた。自己ワーストの4連敗に陥った試練のトンネルから脱出。首位を走るチームの輪に加わった。お立ち台でファンを見渡し、菅野は吹っ切れたように笑い、感慨深そうに言った。 「味わったことがないような経験だった。どうしていいか分からない時期もあったけど、誰もが順調に野球人生を最後まで歩めるわけじゃない。それが今、来たんだと自分自身に言い聞かせて、現実を受け止めてやって来ました」 苦難のシーズンだった。度重なる負傷と再調整。ジャイアンツ球場で、自分の体と相談する日々を過ごした。念願だった東京五輪も辞退を余儀なくされた。「もちろん五輪に投げたかったなという思いもある。まあ...悔しさだけですね。悔しいし、どうにも出来ない感情と。言葉では簡単に力に変えるとか言いますけど、そんなに簡単なものではない」と、受け入れがたい現実と向き合った。 乗り越えて、また強くなる。前日には16安打で8得点を積み上げた強力ヤクルト打線を、6回2死までノーヒットに抑え込んだ。最速151キロの直球とカットボールを活用し、8回1安打無失点。4カ月以上勝ち星がなかったとは思えない貫禄の投球を見せつけた。ただ、ここがゴールではない。視線はもっと先にある。「まだまだですよ。もうちょっと。決して悪くないですけど、もっと良くなるって信じてやらないと」と自らに言い聞かせるように言った。シーズンもヤマ場に入る。首位巨人に帰ってきた頼もしいエースは「どんどん取り返していきたい」とファンに誓った。次も、またその次も。この景色が見たい。【小早川宗一郎】 ▼巨人小林(先発菅野を好リード)「いろんなものを背負って、苦しい思いをして、なかなかうまくいかなかったけど、今日は会ったときに顔もすっきりしていた。しっかりと打者と勝負できている感覚があった」

◆巨人ビエイラがNPBの外国人記録を塗り替えた。 2点リードの9回に登板し、2連投も初球で164キロをマーク。フルスロットルの投球で32試合連続無失点の新記録を樹立した。「長い日本の野球の歴史の中でたくさん外国人投手はいたと思う。その中で1番の記録にたどり着いたことは本当に自分にとって光栄ですし、本当に感慨深い」と喜んだ。 ▼ビエイラが5月3日広島戦から32試合連続無失点。連続試合無失点のプロ野球記録は今年の平良(西武)がマークした39試合だが、外国人投手では11年ファルケンボーグ(ソフトバンク)の31試合を抜く新記録となった。また、連続イニング無失点は31回2/3。外国人投手の連続イニング無失点記録は65年バッキー(阪神)の34回で、あと2回1/3で並ぶ。

◆思い出の地で躍動!! セ・リーグ首位の巨人は31日、ヤクルト15回戦(岐阜)に10―8で打ち勝ち、2連勝。岐阜出身の吉川尚輝内野手(26)が「3番・二塁」でフル出場し、4号ソロを含む3安打4打点と大活躍。中京高、中京学院大時代に何度もプレーした長良川球場で主役を担い、負ければ3位転落もあった混戦の中で、首位を守る貴重な白星をもたらした。 左翼後方にそびえる金華山、薄茶色の土が、プロを夢見て汗を流した記憶を思い起こさせた。岐阜・長良川球場の主役は、やはり吉川だった。 「むちゃくちゃ緊張しました。久々に足がずっと地に着いていない状態だったんですけど。忘れられない1日になったかなと思います」 1―1に追いついた直後の一回1死、小川からバックスクリーン左へ4号ソロ。三回に左前打を放ち、5―4の六回2死満塁では、4点差に突き放す3点三塁打を中堅へ。二塁打ならサイクル安打だった八回は左飛に倒れたが、3安打4打点で猛攻を引っ張った。 岐阜・羽島市で生まれ育ち、ともに同県にある中京高、中京学院大で学んだ生粋の岐阜っ子。長良川球場は大学リーグ戦の舞台だった。4年時の2016年に全日本大学選手権で初出場初優勝。しかしその大学時代は、他校に比べて決して良い環境にはなかった。 専用グラウンドはなく、中津川市内の球場や広場などを間借りした。「練習球は古くて真っ黒。打撃練習でも全然飛んでいかなかった」。高校のグラウンドを借り、午前7時から1時間だけの練習だった日もある。 「時間が明確に限られているので、ダラダラやるのはない。濃い内容の練習を心がけていた。一球に集中していた」と吉川。恵まれない環境に身を置いていたからこそ、高い意識が養われた。 チームは地元で躍動する吉川に引っ張られ、20日に日本ハムから加入した中田が移籍後初の2安打、不調の丸は先頭打者弾を含む2安打と、打ちも打ったり計14安打。7月1日の広島戦(東京ドーム)以来、25試合ぶりの2桁得点で首位攻防3連戦の初戦を制した。 「彼(吉川)はバントも含めてつなぎもできるので3番に置いた。居心地がいいのか、思い切りのいい打撃をしてくれている。まだ若いですけど、きょうに関してはふるさとに錦を飾った」 原監督もねぎらった。29日に4月3日以来、150日ぶりに奪い返した首位の座をキープ。わっしょい野球の中心を担う吉川が、後半戦も巨人を鼓舞する。(谷川直之) ■両親がテレビ観戦「感動!わっしょい」 吉川の父・好(このむ)さん(63)と母・陽子さん(56)は羽島市内の自宅でテレビ観戦。好さんは「もう、感動しました。妻と2人で『わっしょい、わっしょい!!』ですよ」とうれしそうだった。自身も市岐阜商高で甲子園に出場し、現在は岐阜南ボーイズで中学生を指導している。この日、球場には吉川の次兄・圭太さん(30)が訪れ、弟の雄姿を見届けた。

◆ヤクルトが巨人に連敗を喫した。0-0の三回、先発の高橋が丸に16号2ランを浴び、先制を許した。打線は巨人の菅野に8回1安打と得点を奪えず。九回はビエイラに封じられた。

◆巨人の丸が2試合連続本塁打を放った。0―0の三回2死三塁で、外角寄りのチェンジアップを、両腕を伸ばして捉え、右中間席へ16号2ランを運んだ。「先制のチャンスで、最高の形で点を取ることができて良かった」とうなずいた。 8月24日からの6連戦では打撃が低調で29日の中日戦では先発メンバーを外れた。それでも「常に前しか見ていない」と気持ちを切り替えて1安打を放ち、先発に復帰した31日のヤクルト戦では6年ぶりの初回先頭打者本塁打をマーク。勢いを持ち込み2戦連発とした。 前カードの中日戦から1番打者で起用されている。「そんなに難しく考えていない。普通に打ちにいった中でボールは見逃して、ストライクは振ってという、ただそれだけ」とシンプルなアプローチで臨み、調子を上げてきた。

◆巨人が3連勝とした。三回に丸の2試合連続となる16号2ランで先制。菅野はカットボールの制球が良く8回1安打無失点で4月23日以来の3勝目を挙げ、ビエイラが16セーブ目。ヤクルトは高橋が好投したが援護できなかった。

◆ヤクルトは巨人先発の菅野を崩せず、零封負け。後半戦2度目の連敗となった。先発した高橋奎二投手(24)は7回4安打2失点の好投だったが、三回2死三塁から浴びた丸の2ランが決勝被弾となった。高津臣吾監督(52)の主な一問一答は以下の通り ――これだけ相手先発がいいと攻略は難しい 「そうね、なかなか前に飛ばなかったので、走者になることすらできなかった。何とかつないでつないでと思ったんですけど難しかったですね」 ――前日16安打8得点を挙げた打線を上回られた 「打ち合いに負けて、ロースコアに負けて、これがちょっと力の差なのかなと思いましたね」 ――高橋は丸に被弾したが7回4安打2失点 「長打2本で点を取られたのでそこは反省するところだとは思う。ただ、あそこまで投げたので2失点でいったので、責められないかなと思います」 ――首位・巨人相手に3連敗は避けたい 「明日は勝ちたいですね。一戦必勝なので、きょうの反省をしっかりして切り替えて、明日の新しい試合に挑みたいと思います」

◆セ・リーグ首位の巨人が3連勝した。巨人・菅野、ヤクルト・高橋の投手戦となった上位対決。巨人は三回1死、小林が左越え二塁打。菅野の右飛で2死三塁とし、丸の2試合連発となる右中間への16号2ランで先制。これが決勝点となった。菅野は8回を投げ、8三振を奪うなど1安打無失点で3勝目(5敗)を挙げた。九回を無失点で締めたビエイラは16セーブ目 打者を寄せ付けない姿を取り戻した。菅野は五回2死で塩見に三塁内野安打を許すまで、無安打無失点を続ける好投で、復活を遂げた。 後半戦での巻き返しを期していたエース。8月26日の広島戦(東京ドーム)では6回5失点と結果は出なかったが、この日は前半戦の不振を忘れさせる快投だった。 一回、先頭の塩見を追い込んでから外角低めへズバッと投げ込み、空振り三振。二回先頭の4番・村上から4者連続三振。150キロを超える直球と、割合を増やしたカットボールの精度が高く、打者のバットが空を切った。 これまでにないほど、悔しさの募るシーズンだ。前半戦は2勝4敗、防御率3・29。7月1日の広島戦(東京ドーム)後に再調整のため今季4度目の登録抹消となり、目標だった東京五輪も辞退せざるを得なかった。 リーグ3連覇を目指す後半戦。復活したエースが輪に加わった。

◆巨人が首位攻防戦に2連勝。先発の菅野が8回1安打無失点で131日ぶりの復活勝利。三回に丸が2戦連発となる決勝の16号2ランを放った。守護神のビエイラは九回を三者凡退で32試合連続無失点とし、外国人選手のプロ野球新記録を樹立した。原監督が試合を振り返った。 --菅野が好投 「久々にね、本来のというかね、らしいピッチングに見えましたね。本人もかなりね、不安の中でというか、苦労しながら、早いか遅いかは別にしてもね。また次の登板というのが非常に楽しみだと思いました」 --前回は打ち込まれたが、今回は内野安打1本のみ 「今日だけの内容であるならば、かなり高い点数はあげられると思いますね。まあ、しかしこの次というのが非常に重要になってくると思うので、まあ期待したいと思いますね」 --小林もいいリード 「このところバッティングも非常に良かったんですね。まあ1打席目に口火を切るというね、やってくれましたし、リード等々に関しましてはね、素晴らしい(もの)があるというか、まあいいものが出たと思いますね」 --ビエイラが32試合連続無失点で外国人記録を更新 「そうですね、相手にせずによかったなといえるくらい、非常にこう自信に満ちた安定感のあるね、日頃の彼の練習量は並じゃないし、そのルーティンの組み方というか、そういうものも非常に尊敬に値するものがありますね」 --丸も2試合連続でいいところを見せた 「相手ピッチャーも非常に緩急をつけながらね、いいピッチングをされましたね。丸が本当にいいところでね、値千金の一発を打ってくれたということでね、これも大きいですね」 --昨日は打撃戦、今日は投手戦を制して、明日へ向けて 「主導権を握れるような野球が一番だと思うんですけど、どういう形であっても粘って粘ってね、粘りながら戦うという部分がこれから重要になると思います」 --菅野は前回大城と組んだ。今回、小林と組んだのは 「バッティングが非常に好調であると。大城と同じくらいのバッティング力があるならば、小林を使いますよ、私は。そこの部分に差があるということですよ。だから今日の一本というのは非常に大きかったと思いますよ」

◆ヤクルトの高橋は1球に泣いた。0―0の三回1死で小林に二塁打を許し初めて走者を背負うと、2死三塁で丸に甘く入ったチェンジアップを右中間席へ運ばれ「完全に失投。先制点を与えないことを一番に考えていたのに」と悔やんだ。 それ以外は速球とチェンジアップの緩急で巨人打線を翻弄し、7回4安打2失点と先発の役目を十分に果たした。高津監督は「あそこまで投げたのだから責められない」と話した。

◆トレードマークとなった雄たけびが京セラドームに響き渡る。巨人のチアゴ・ビエイラ投手(28)が九回に登板して2三振を奪うなど三者凡退で締め、天井を見上げてほえた。 「神様、そして試合に使ってもらっているチームにも感謝したい」 32試合連続無失点として、2011年のファルケンボーグ(ソフトバンク)を抜いてプロ野球の外国人記録を更新。報道陣の用意した「32」のバルーンとともに写真に納まった。 〝練習の鬼〟だ。初出場した7月の球宴。記念写真にいそしむ選手を横目に、黙々とブルペンでチューブのトレーニングを繰り返した。他の選手が練習を終えても「ルーチンだから」と一人で居残り、全力ダッシュ。全セの指揮官として現場にいた原監督は「周りの選手も驚いていた。尊敬に値する」と目を丸くする。 昨年の来日時には不安定だった制球が飛躍的に向上。スライダーでカウントが取れるようになり、安定感が増した。「数字のことを考えたことは今まで一度もない。自分の仕事をするだけ」。ブラジル出身右腕が日本の球史に名前を刻んだ。(伊藤昇)

◆わずか1安打では...。ヤクルトは今季5度目の零封負け。打線が菅野に完璧に抑えられ、高津臣吾監督(52)は悔しさをにじませた。 「なかなか前に飛ばなかった。走者になることすらできなくて、何とかつないで、と思ったけど難しかった」 打者1巡目はファウルで粘りを見せたが6三振を喫し、2巡目は変化球を打たされて内野ゴロが6個。安打は六回2死から出た塩見の三塁内野安打のみで、外野に飛んだ打球は3本。一度も二塁を踏めなかった。 巨人と0・5ゲーム差で迎えた首位攻防3連戦は、乱打戦で敗れた8月31日に続いて連敗。「打ち合いに負けて、ロースコアでも負けて、これが力の差なのかなと思いました。(菅野は)球が低いし、変化球も良く切れていた」と脱帽した。 ただ先発の高橋は好投し、打線も決して不調ではない。「明日は勝ちたい。一戦必勝。今日の反省をしっかりして、新しい試合に挑みたい」と指揮官。やられっぱなしでは終われない。優勝争いに食い下がる。(横山尚杜)

◆エースが復活!! 巨人は1日、ヤクルト16回戦(京セラ)に2―0で快勝し、3連勝で首位をキープ。菅野智之投手(31)が8回1安打無失点で4月23日以来、131日ぶりの白星となる3勝目(5敗)を挙げた。今季は右肘違和感などで4度、出場選手登録を抹消されるどん底を味わった背番号18が、輝きを取り戻した。 勝利が決まると、菅野は安堵(あんど)の笑みを浮かべた。許した安打は、六回2死で塩見が打ち損じた三塁への内野安打のみ。二塁を踏ませない圧倒ぶりだった。 「右打者の中に入る投げミスも少なかったし、外の出し入れもよかった。(小林)誠司がうまく引っ張ってくれて、より楽に投げられた」 7月1日の広島戦(東京ドーム)以来のバッテリーを組んだ同学年の小林のリードに感謝した。最速151キロの直球で内角を突き、小林の助言で割合を増やしたカットボールを丁寧に外角低めへ集めた。4連続を含む8奪三振は、制球力と切れの証明だった。 前半戦は右肘の違和感などもあり、わずか2勝。自身初の4連敗も味わった。4度目の出場選手登録抹消で、目標だった東京五輪を辞退。「五輪で投げたかった。つらかった」。テレビ画面に映る金メダルの歓喜は、悔しさなしで見ることができなかった。 「どうしていいか分からない時期もあったけど、『誰もが順調に野球人生を最後まで歩めるわけじゃない。それが今、来たんだ』と自分に言い聞かせてやってきた」 現実を受け入れ、前を向いた。上体をひねってから投げるフォームを元に戻すなどして、徐々に本来の形を取り戻した。試練を乗り越えてつかんだ通算104勝目(54敗)。「(久々の白星に)感慨深い部分はありますけど、本当にまだまだ。これからの方が大変。身が引き締まる」。重責を背負い続ける男は、かぶとの緒を締めた。 「復活という言葉を、まだ使えない状況だと思いますよ。次が非常に重要。今日だけの内容であるならば、かなり高い点数はあげられる」 原監督は菅野のすごさを知るからこそ、まだ手放しでは褒めない。2位・阪神とは0・5ゲーム差のまま。リーグ3連覇へ進む後半戦。エースが復活を力強く印象付けた。(谷川直之)

◆さすが菅野と、脱帽するしかない。右打者の外角を上手に攻めていた。カットボールとスライダーが、ほとんど真ん中に入らない。一転して投げ込む内角ストレートも、コースを間違わない。しかも、球が走っている。主砲・村上も、両外国人も球威で押していた。 終わってみれば、ヤクルト最大のチャンスは一回。菅野は前回登板(8月26日の広島戦)で一回に2本塁打を浴び、3点を失っている。この日も1死後、青木に死球。立ち上がりの不安が顔をのぞかせた。ここで山田がカウント1-0から遊ゴロ併殺に倒れた。 あの1球は外角のコースいっぱいのカットボール。ストライクが、しかもストレートが来た! と見えたとたん、小さく、鋭く曲げられ、バットの芯を外された。おいそれと対応できる球ではない。ここもやはり、菅野をほめるべきだろう。 9月に入り、エースが復活。巨人には何よりの朗報で、ヤクルトには頭痛の種か。それでも、食らいつくことだ。私がヤクルト監督1年目の15年も、8月終了時点で今年と同じく、首位(当時は阪神)に1ゲーム差につけていた。そこから混戦を抜け出し、前年最下位から優勝。あきらめなければ何かが起こることを思い出してほしい。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
523712 0.584
(↑0.004)
-
(-)
42413
(+2)
371
(-)
130
(+1)
52
(-)
0.248
(↓0.001)
3.470
(↑0.03)
2
(-)
阪神
56423 0.571
(↑0.004)
0.5
(-)
42413
(+2)
379
(+1)
99
(-)
89
(-)
0.252
(↓0.001)
3.430
(↑0.03)
3
(-)
ヤクルト
473711 0.560
(↓0.006)
2.5
(↓1)
48417
(-)
374
(+2)
98
(-)
56
(-)
0.255
(↓0.002)
3.680
(↑0.02)
4
(-)
中日
385014 0.432
(↓0.005)
13.5
(↓1)
41292
(+1)
333
(+2)
53
(-)
53
(-)
0.237
(↓0.001)
3.150
(↑0.02)
4
(1↑)
DeNA
385013 0.432
(↑0.007)
13.5
(-)
42408
(+7)
463
(+2)
103
(-)
23
(+2)
0.260
(↑0.001)
4.370
(↑0.02)
6
(1↓)
広島
375110 0.420
(↓0.005)
14.5
(↓1)
45362
(+2)
417
(+7)
74
(-)
47
(-)
0.258
(-)
3.940
(↓0.04)