巨人(☆10対8★)ヤクルト =リーグ戦15回戦(2021.08.31)・長良川球場=
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ヤクルト
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巨人
20020420X101402
勝利投手:鍵谷 陽平(3勝0敗1S)
(セーブ:ビエイラ(0勝0敗15S))
敗戦投手:坂本 光士郎(1勝2敗0S)

本塁打
【ヤクルト】青木 宣親(4号・1回表ソロ),サンタナ(9号・2回表2ラン)
【巨人】丸 佳浩(15号・1回裏ソロ),吉川 尚輝(4号・1回裏ソロ)

  DAZN
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◆巨人が乱打戦を制した。巨人は2-3で迎えた4回裏、松原の犠飛と丸の適時二塁打で2点を挙げ、逆転に成功する。直後に同点とされるも、6回に吉川の走者一掃となる適時三塁打などで4点を挙げ、再びリードを奪った。投げては、2番手・鍵谷が今季3勝目。敗れたヤクルトは、投手陣が精彩を欠いた。

◆今季のヤクルト村上宗隆内野手(21)は巨人戦に14試合出場して8本塁打。 過去に巨人戦で2桁本塁打したヤクルトの選手は99、01年ペタジーニと19年バレンティンだけ。日本人選手では球団初の巨人戦2桁本塁打へあと2本。

◆ベテランの1発で、首位攻防戦の幕が上がった。1回1死、ヤクルト青木宣親外野手が、カウント2ー1から外角の144キロ直球をフルスイング。バックスクリーン左へ、先制の4号ソロを放った。「初回だったのでチャンスメークするつもりで打席に入りましたが、いい角度で上がってくれました。先制できて良かったです」と喜んだ。 本塁打は6月8日ロッテ戦以来。0・5差で追う巨人との直接対決で、幸先良く先制した。

◆場内アナウンスも、「ホームラン」と言いかける改心の当たりだった。1点を追う2回1死、巨人ゼラス・ウィーラー内野手(34)がヤクルト先発小川のカットボールを捉えた。大飛球が中堅へ飛んだが、あと1メートルでスタンドインはならず、フェンス直撃の二塁打となった。 それでも、2回表までで両チーム4本塁打が飛び出す空中戦の展開に、「またもや本塁打か」という雰囲気が漂った。ヤクルト中堅手の塩見も打球を追うのをやめており、フェンス直撃を確認して慌てて打球を処理。場内アナウンスも「ホー...」と、この日5度目の「ホームラン」と言いかけたところでストップしていた。

◆ヤクルト小川泰弘投手が、復帰登板を飾れなかった。7月7日に新型コロナウイルス陽性判定を受けた影響で、同3日中日戦(バンテリン)以来の1軍マウンドに上った。 1回、先頭の丸に左翼へソロを浴びると、吉川尚にもバックスクリーン左へソロを放たれ、2被弾。2、3回は無失点と踏みとどまった。1点リードの4回無死満塁のピンチを招くと、松原に左犠飛を打たれ、同点に。2死一、二塁とすると、丸に右翼線へ適時二塁打を放たれ、降板となった。「調子自体はそこまで悪い状態ではなかったのですが、勝負どころでの押し込みが少し弱かったのと、粘り切れなかったのが反省点です。早くマウンドを降りてしまってチームに迷惑を掛けて申し訳ないです。この反省を生かしてしっかり調整して次回やり返したいです」とコメントした。 勝てば今季初、20年7月13日以来の首位浮上となるが、帰ってきたエースは3回2/3を4失点。チームに勢いをもたらせなかった。

◆ヤクルトは1回に青木のソロで先制。巨人は丸、吉川のソロ弾で逆転。ヤクルトは2回にサンタナの2ランで再び逆転した。 巨人は同点の6回に中島が三塁適時失策を誘い勝ち越し。なお2死満塁から吉川が中越え3点適時三塁打でリードを4点に広げた。 ヤクルトが5点を追う8回に3点を挙げて追い上げるも反撃及ばず。巨人が乱打戦を制した。ビエイラは31試合連続無失点を達成。

◆セ・リーグ首位の巨人が0・5差の2位ヤクルトと対戦。 巨人は1回に先制を許すが、丸、吉川のソロ弾で逆転。ヤクルトは2回にサンタナの2ランで再び逆転した。 巨人は同点の6回に中島が三塁適時失策を誘い勝ち越し。なお2死満塁から吉川が中越え3点適時三塁打でリードを4点に広げた。 ヤクルトは5点を追う8回に3点を挙げて追い上げるも反撃及ばず。 巨人が乱打戦を制し、首位を守った。ビエイラは31試合連続無失点を達成した。

◆巨人チアゴ・ビエイラ投手が5月3日広島戦から31試合連続無失点。 連続試合無失点のプロ野球記録は今年の平良(西武)がマークした39試合だが、外国人投手では11年ファルケンボーグ(ソフトバンク)の31試合に並ぶ最長タイ。

◆巨人は、代打中島宏之内野手が決勝打を放った。 同点の6回1死一、二塁、5球続いたヤクルト坂本の内角直球を捉えた。三塁手村上のグラブをはじく、左翼線適時二塁打で勝負強さを発揮。「当たりは良くなかったけど、点が入れば、もうどんな当たりでもいい。チャンスの打席に立たせてもらって感謝です」と話した。

◆巨人丸佳浩外野手が広島時代の15年9月7日阪神戦以来の先頭打者弾で勢いづけた。 先制された直後、ヤクルト小川の初球を左翼ポール際に運んだ。7試合ぶり15号ソロに「難しく考えずに何とか食らいついていった」。 同点の4回には右翼線への適時二塁打で2安打2打点。試合前時点で後半戦は打率1割6分7厘と苦しんでいたが、13戦ぶりのマルチ安打で復調をアピールした。

◆巨人チアゴ・ビエイラ投手がNPB外国人史上最多記録に並ぶ31試合連続無失点を達成した。 2点リードの9回に6番手として登板。1死から中村に左前打を浴びるも、無失点。11年のファルケンボーグ(ソフトバンク)に並び、「長い日本のプロ野球の歴史で数多くの外国人選手がいたと思いますが、その中でこういう記録に到達できたことは本当にうれしく思います。神様にもチームにも感謝です」と喜んだ。

◆首位巨人の吉川尚輝内野手(26)が生まれ故郷で暴れまくった。岐阜・長良川球場でヤクルトとの首位攻防戦。1回の4号ソロを皮切りに、好調な3番でサイクル安打に迫る3安打猛打賞4打点の勇姿を披露した。青春時代の思い出が詰まった球場で「感謝を込めて」と打って、走って、「わっしょいベースボール」をけん引。チームは14安打を量産し、25戦ぶりの2ケタ10得点で打ち勝った。三つどもえの大混セ。V3を狙うペナント大本命が首位固めに入る。薄暮に染まる岐阜の空を切り裂いた。同点の1回1死。吉川のバットがうなった。ヤクルト小川の144キロ直球に甲高い打球音を響かせた。バックスクリーン左に"里帰り弾"を放り込んだ。「思い切って打ちにいった。お客さんの拍手だったり応援がすごかった」と、5月11日以来となる4号ソロで凱旋(がいせん)を合図した。 ふるさとの空気は格別だった。岐阜・羽島市に生まれた。中京高、中京学院大と7年間、主戦場とした球場は、プロ入りへとつなげた鍛錬の地だった。練習でも試合でも思い出を挙げればきりがない。高校3年夏、県岐阜商に準決勝で敗れた。大学時代は「ここでスカウトとか見に来てもらってプロになれた場所でもあるので、すごくうれしいです」。黒土にまみれて流した涙と汗がよみがえった。 1点リードの6回2死満塁から中越えに3点適時三塁打でたたみかけた。首位攻防の緊迫した状況で驚異的な勝負強さは反骨心が原動力だった。「久々に足がずっと地についてない状態だった。長良川球場に来れなくてすごい悔しかった。今年もケガで間に合うか分からなかったし、周りの人のサポートでプレーできたことに僕の中でも忘れられない1日になった」。今季も6月10日オリックス戦との交流戦で左手中指に死球を受け骨折。今月13日に1軍復帰にこぎつけ、故郷での一戦に間に合わせた。 威勢のいい若武者のかけ声でチームは、7月1日以来、25戦ぶりの2ケタ得点でヤクルトに打ち勝った。2位阪神と0・5ゲーム差をつけて、150日ぶりに奪った首位をキープ。吉川は「今日から6連戦初戦で大事な試合だったので、初戦を取れたことが良かった。全員で一生懸命頑張ります」と総意を代弁した。岐阜城を眺める漆黒の夜空に、秋の誓いを立てた。【為田聡史】 ▽巨人原監督(吉川について)「まだまだ彼は若いですけど、ふるさとに錦を飾ったというところではないでしょうか」 ▽巨人メルセデス(101球の粘投も4回2/3を8安打4失点で6連勝はならず)「イニング途中で降板となり、悔しい結果となりました。次回は先発の仕事を果たせるよう頑張ります」

◆大きな1敗となった。ヤクルトは勝てば昨年7月13日以来の首位浮上チャンスで、巨人に打ち負けて3位転落。 14安打10失点の結果に高津臣吾監督(52)は「ジャイアンツにやられるときはいつも長打で失点を重ねる展開になってしまう。もちろんそこは意識してやっているが、なかなか簡単じゃない」と唇をかんだ。 記録には表れない部分で差が出た。同点で迎えた6回1死一、二塁、強い打球が三塁線に飛ぶも、村上が捕球できず、二塁打にした。勝ち越しを許し、この回4点を失った。指揮官は「与えなくていい塁、与えなくていい点というのは、いくつかありますし。そういう細かなところをしっかりやっていかないと」と守備陣を引き締めた。 それでも打線は奮起。5点差を追う8回に3連打で無死満塁とすると、代打川端が粘りを見せ、14球目で右翼へ2点適時二塁打を放つなど、3得点。今季最多タイの16安打で食らいついた。首位攻防戦3連戦の初戦を落としたが、残り2連勝をすれば、首位奪還の可能性はある。高津監督は「粘ったことが相手にとっても嫌なものでしょうし、この勢いを明日につなげたい」。岐阜から大阪へ舞台を移し、巻き返しを図る。【湯本勝大】 ▽ヤクルト川端(8回無死満塁で14球目を右翼へ適時二塁打)「とにかく何とかしようと、四球でもなんでも粘って塁に出ることだけを考えて打席に入った」

◆巨人中田翔内野手が移籍後初のマルチ安打をマークした。 1点を追う4回無死、中前への6試合ぶりの安打で出塁すると、無死満塁から松原の左犠飛で三塁からヘッドスライディングで生還した。7回は左中間への二塁打で好機を演出。原監督は「気持ちの出ている人だから。走塁も含めて、いいと思いますね」と評した。

◆巨人・吉川尚輝内野手(26)が〝地元凱旋弾〟を放った。 1―1の同点の一回1死、小川の144キロの直球をバックスクリーン左へほうり込んだ。勝ち越しの4号ソロ。岐阜・羽島市出身で中京高―中京学院大時代に長良川球場でプレーし、「ここでスカウトの方に見に来てもらってプロになれた場所でもある。プレーできるのはすごくうれしい」という思い出の地でアーチを描き、地元のファンからひときわ大きな拍手を浴びた。 1回、ソロ本塁打を放つ巨人・吉川=岐阜県岐阜市の長良川球場(撮影・福島範和) チームは一回に1点を先制されたが、その裏の攻撃で1番・丸が小川の初球をいきなり左翼ポール際へほうり込む同点の15号ソロ。さらに吉川の一発が飛び出した。しかし、二回にはヤクルト・サンタナが9号2ランを放ち、再びリード。序盤から点取り合戦の様相を呈している。

◆ヤクルトは今季初の首位へ、復帰登板の小川が長良川球場のマウンドに上がった。巨人との首位攻防戦。「大事な試合になる」と意気込んだ右腕だったが、納得のいく投球とはいかなかった。 「勝負どころでの押し込みが少し弱かった。早くマウンドを降りてしまってチームに迷惑をかけて申し訳ないです」 一回に青木の4号ソロで先制したが、その裏、先頭・丸の初球の直球を捉えられ、左翼席で同点ソロを被弾。さらに1死から吉川に勝ち越しのソロを浴びた。 二回にはサンタナの2ランで再びリードしたが、四回につかまった。先頭の中田に中前打、続く大城に四球、ウィーラーに左前打を浴び無死満塁。松原に左犠飛を浴び同点とされ、2死一、二塁から丸に右翼線へ勝ち越しの適時打二塁打を許した。 小川は、7月に新型コロナウイルスに罹患(りかん)。2軍での再調整を経て、復帰マウンドだったが、3回2/3を投げ7安打4失点と勝利投手にはなれなかった。後半戦は全試合で先発が5イニングをクリアしていたが、初めて5回に到達できなかった。 ただ、先発ローテーション投手が復帰したことはチームにとっては朗報だ。6年ぶりのリーグ優勝へ、右腕の復活は欠かせない。

◆巨人が乱打戦を制した。4―4の六回に代打中島の適時二塁打と吉川の中越え3点三塁打で勝ち越した。五回途中から継投に入り、6投手で逃げ切った。ヤクルトは相手を上回る16安打で8点を奪いながら投手陣が粘れなかった。

◆巨人が長良川球場での乱打戦を制し、首位を堅持した。1点を追う一回に丸の左越え15号ソロ、吉川の4号ソロで逆転した。逆転され、再び1点を追う四回は松原の左犠飛で同点。丸が勝ち越しの右翼線適時二塁打を放った。 またも追い付かれた巨人は六回、代打・中島の左翼線適時二塁打で勝ち越し。さらに2死満塁で吉川が中越え3点三塁打を放ち、8-4。七回に松原と広岡の適時打で2点を加えた。 ヤクルトは八回、代打・川端の2点二塁打などで3点を返した。巨人は八回途中に登板した中川が好救援で、九回はビエイラが無失点で締め、2連勝とした。2番手で登板した鍵谷が3勝目。岐阜・羽鳥市出身の吉川が3安打4打点の活躍で勝利に貢献した。

◆巨人のチアゴ・ビエイラ投手(28)がヤクルト戦の九回に登板し、1回無失点。これで球団記録を更新する31試合連続無失点となり、2011年のファルケンボーグ(ソフトバンク)が持つ外国人最多記録に並んだ。 8月には166キロをマークして日本最速記録を更新しているブラジル出身の右腕は「長い日本のプロ野球の歴史で数多くの外国人選手がいたと思いますが、その中でこういう記録に到達できたことは本当に嬉しく思います。神様にもチームにも感謝です」とコメントした。 なお、連続無失点の日本記録は西武・平良の「39」となっている。

◆巨人・吉川尚輝内野手(26)が地元・岐阜に初凱旋し、「3番・二塁」で先発出場。原監督の掲げる「わっしょいベースボール」を体現し、一回の4号ソロを含む3安打4打点と活躍した。主な一問一答は以下の通り。 --六回2死満塁で中越えの走者一掃の三塁打 「打ったのはストレートですかね。もうね、もう、なんだろ。必死です。思い切っていきましたよ。打ててよかったです! 汗だくわっしょいです」 --地元での大活躍を振り返って 「プロに入って、初めてこの長良川球場でプレーできたのですごくうれしく思っている」 --プロ入り後はなかなか戻ってくる機会がなかったが、きょうは3安打4打点 「後ろにつなぐ気持ちで打席に立った結果が最高の結果だったのでよかったと思う」 --一回の勝ち越しホームランの感触は 「すごく久しぶりの感触だったので、入ってくれて本当に良かった」 --六回には試合の流れを決める走者一掃の三塁打 「思い切って行けたことが良かったかなと思う」 6回、3点三塁打を放ち、ガッツポーズの巨人・吉川尚輝=岐阜県長良川球場 (撮影・中井誠) --あと二塁打が出ればサイクル安打。意識は 「少しはありましたけど、チームが勝てたのでそれが一番良かったです」 --高校、大学と汗をかいた球場に帰ってきて活躍できた 「高校、大学と7年間使わせてもらった球場だったので、プロに入って恩返しが少しできたかなと思っている」 --大事な首位攻防初戦で首位キープ 「きょうから(ヤクルト、阪神との)6連戦の初戦ですごく大事な試合だったので、まず初戦を取れたことが良かったと思う」 --ファンへメッセージ 「たくさんの方に応援して頂きありがとうございました。明日から大事な試合が続きますが、選手は全員で一生懸命頑張りますのでご声援よろしくお願いします」

◆首位・巨人は天王山初戦で2位・ヤクルトに勝ち、ゲーム差を1・5に広げた。地元・岐阜に初凱旋の吉川が3安打4打点。九回を締めた守護神・ビエイラは31試合連続無失点で2011年のファルケンボーグ(ソフトバンク)の持つ外国人記録に並んだ。2点差に迫られた八回無死一、三塁では、5番手でマウンドに上がった中川が追加点を許さずヤクルトの勢いを断ち切った。原監督が試合を振り返った。 --首位攻防戦。勝利への執念を双方が見せた 「そうですね、ややわが軍が上回ったということですね」 --中でも鍵谷、中川が素晴らしい働き 「締めてくれましたね。特に(中川)皓太は、あの場面で0点というのはね。やっぱり(相手に)勢いが付いたときというのは1点、2点は覚悟しながら行くんですけれども、見事でしたね」 --ビエイラが31試合連続無失点で外国人タイ記録に 「(驚いた様子で)あぁー。非常に成長しているうちの守護神ですね」 --故郷・岐阜で3番に起用した吉川が活躍 「彼はバントも含めてつなぎもできますので、そういう意味で彼を3番に置いたんですけど。非常にやっぱり居心地がいいのか、思い切りのいいバッティングをしてくれています。まだまだ彼は若いですけど、このふるさとに錦を飾ったというところではないでしょうかね」 --明日は大阪・京セラドームに移ってエース菅野が登板 「本人もね、もがいているし、彼の投球ぶりをしっかりと期待をするというところですね。何とか打線も早めに先取点を取ってカバーできたらなと思っています」

◆7月に新型コロナウイルスに感染し、復帰登板となった小川は3回2/3を7安打4失点。3―2の四回は1与四球に3安打を集中され、逆転を許した。「勝負どころでの押し込みが少し弱かったことと、粘り切れなかったのが反省点です」とうつむいた。高津監督は「やってもらわないといけない選手」と次回登板に期待した。

◆2試合ぶりに「1番・中堅」で先発復帰した丸が0-1と先制された直後の一回、小川の初球を捉え、左越えに15号先頭打者本塁打。すぐさま追い付き「先制されたが、難しく考えずにストライクに来た球をいいスイングできた」と振り返った。この日は3打数2安打2打点、2四球。思うように調子が上がらず8月30日には先発落ちも経験したが「常に前しか見ていない」と力強かった。

◆及ばなかったが、ヤクルトが驚異の集中力で巨人を土俵際まで追い詰めた。5―10の八回。中村、サンタナ、元山の3連打で作った無死満塁で、〝代打の神様〟が登場だ。川端慎吾内野手(33)が2点二塁打を放った。 「とにかく何とかしよう、と。四球でも何でも、粘って塁に出ることだけを考えて打席に立ちました」 デラロサに対し、ファウルで粘りに粘った後の14球目、スライダーを一閃。右翼線を破り、反撃ののろしを上げた。これで今季代打で打率・353(51打数18安打)、1本塁打、14打点と打ちまくる。続く塩見も中前へ適時打を放ち、8-10で2点差。後半戦は湿っていた打線がつながった。ただ、無死一、三塁から青木、山田、村上が凡退。同点、勝ち越しまでは届かなかった。 4―4の六回守備では、記録に表れなかったミスが絡んで4失点。勝てば首位に立てた攻防戦で勝機がしぼんだが、八回に意地は見せた。高津臣吾監督(52)は「ぜひ、あしたにつなげないといけないと思います。こうやって粘ったことは相手にとっても、嫌なものでしょうし、この勢いをつなげたい」と前を向いた。 阪神も敗れたものの、勝率の差で2位から3位に後退。だが、まだ49試合が残されている。点差が開いても諦めないスピリットは、貫いていく。(横山尚杜)

◆強いチームがぶつかり合うと、こういう試合になる。さすが首位攻防戦。素晴らしかった。 もしヤクルトが勝っていたら、このまま優勝があるかも...。そう予感させる勢いだった。 とにかく打線が好調だ。まるで甲子園球児のように、試合を重ねるごとに強力になっている。巨人でいま、最も計算できる先発のメルセデスから、五回途中で4点を奪った。終盤も追撃の手をゆるめず、逃げ切りリレー要員の高梨、デラロサを攻め立てた。 メルセデスからしたら、決して間違った投球ではない。内角・外角、高め・低めと、しっかり投げていながら、打たれた。極論すれば、四球を出すしか防ぎようがない。それほどの脅威を感じたはずだ。 その思いは、リリーフ陣も同様だろう。勝ったとはいえ、巨人の投手陣には〝後遺症〟が残るのではないだろうか。 この勝敗で、どう転ぶか。ヤクルトの優勝への勢いを、ひとまず止めたという点では、巨人にとって大きな意味を持つ。ただしヤクルトも、あとには引きずらないと思う。むしろ自信を深めた。日々成長していく発展途上軍団の強みが、そこにある。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
513712 0.580
(↑0.005)
-
(-)
43411
(+10)
371
(+8)
129
(+2)
52
(-)
0.249
(↑0.001
3.500
(↓0.04)
2
(1↑)
阪神
55423 0.567
(↓0.006)
0.5
(↑1)
43411
(+5)
378
(+8)
99
(-)
89
(-)
0.253
(↑0.001)
3.460
(↓0.04)
3
(1↓)
ヤクルト
473611 0.566
(↓0.007)
1.5
(↓1)
49417
(+8)
372
(+10)
98
(+2)
56
(-)
0.257
(↑0.002
3.700
(↓0.08)
4
(-)
中日
384914 0.437
(↑0.007)
12.5
(-)
42291
(+8)
331
(+5)
53
(-)
53
(-)
0.238
(↑0.003)
3.170
(↓0.02)
5
(1↑)
DeNA
375013 0.425
(↑0.006)
13.5
(-)
43401
(+7)
461
(+6)
103
(+3)
21
(-)
0.259
(↑0.001)
4.390
(-)
5
(1↓)
広島
375010 0.425
(↓0.005)
13.5
(↓1)
46360
(+6)
410
(+7)
74
(-)
47
(+2)
0.258
(-)
3.900
(↓0.04)