オリックス(☆2対0★)ソフトバンク =リーグ戦15回戦(2021.08.27)・京セラドーム大阪=
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ソフトバンク
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ORIX
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勝利投手:山本 由伸(11勝5敗0S)
敗戦投手:マルティネス(7勝3敗0S)
  DAZN
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◆オリックスが投手戦を制した。オリックスは0-0で迎えた4回裏、西村の適時二塁打で2点を先制する。投げては、先発・山本が9回4安打無失点の快投。今季11勝目を完封で飾った。敗れたソフトバンクは、先発・マルティネスが好投を見せるも、打線が援護できなかった。

◆ソフトバンクのニック・マルティネス投手(31)は今季オリックス戦3試合登板して3勝0敗、防御率0・47。このカードの失点は7月10日の1点だけで、吉田正を8打数1安打、杉本を8打数2安打と相手主軸を抑え込んでいる。

◆ソフトバンクが痛すぎる拙攻で先制のチャンスを逃した。 0-0の3回。先頭の松田、今宮の連打で無死一、二塁の好機を作った。続く甲斐は送りバントを試みるも、三進した松田がアウトになり失敗。甲斐はオリックスの一塁手中川圭が落球したため併殺は免れたが、落球した瞬間に二塁に進塁していた今宮は三塁へ。中川圭が素早く三塁に送球し、今宮は走塁死になった。一瞬にして2死一塁となり、続く三森は一ゴロ。球場のファンからはため息がもれ、工藤監督もベンチで厳しい表情を浮かべた。 オリックスのエース山本から先制点を奪うつもりが、思わぬ形で自滅。試合前に平石打撃コーチは「どんな形でも1点を何が何でも取りにいかないといけない。1点勝負になる」と話していただけに、痛すぎるミスだった。

◆オリックスは3回まで毎回走者を出すも3イニング連続併殺などで無得点。ソフトバンクもオリックス山本の前に3回まで無得点。 オリックスは4回1死二、三塁から西村の適時二塁打で2点を先取。ソフトバンクはオリックス山本の前に6回まで無得点。 オリックス山本が今季2度目の完封でリーグトップタイの11勝。自身8連勝は球団では14年の西以来7年ぶり。ソフトバンクは2試合連続完封負け。マルティネス3敗目。

◆ソフトバンクは今季初の2試合連続無得点負け。完封負けは8度目となった。首位オリックスとのゲーム差は「5」。試合後の工藤公康監督(58)の一問一答は以下の通り。 -試合前から山本の攻略は難しいと言っていた 工藤監督 そうですね。う~ん。難しいピッチャーですね。そう思います。 -ベンチから見ていても、山本は良かった 工藤監督 良かったと思います。横から見ているのでコースとか高さは分からないですけど。いやぁ...。やっぱりあのフォークボールはなかなかね、真っすぐ待ってたら、なかなか(バットが)止まらない。そのくらい良いところから落ちている。横から見ていてもストライクゾーンから落ちている。やっぱりバッターってストライクだと思ったら振りにいきますからね。あれを打つな、振るなっていうのはなかなか。振らないって決めてないと。見逃し三振でもしょうがないと思ってないと、見逃すのは難しい。あれが浮いてくれば話は別かなと思います。難しいなと、見てても思います。 -制球でも乱れなかった 工藤監督 まぁそうですね。フォアボールを連発するっていうのは去年は多少ありましたけどね。ここ最近はないので。やっぱり打っていくしかない。バッターの人もいろいろ考えてやってくれてはいるんですけど、なかなかそう思い通りに投げてくれるピッチャーではないですからね。やられたなと思います。今日は本当に。 -3回は連打が出たが、バントや走塁ミス 工藤監督 連打が出たのでバントっていうところになりましたけどね。う~ん...。なんとか送ろうとしてうまくいかない時もあるし、次の塁を盗もうとしてうまくいかない時もある。あういうのは目立ちそうですけど、一瞬の隙なのでね。あれは紙一重だと思います。あの時に(三塁へ)全く行く気がないことよりは、(一塁手中川圭が)ボールを落として目線を落として、油断ができたのでね。それを見て行って、結果的にアウトになりましたというのは、まぁ余裕でアウトだったのでそう(拙攻に)見えますけど、ああいう隙を突くって言うことはボールから目を離していないということ。僕はあの走塁を責めることはしないですね。あれがあと1秒でも遅く気が付いて、投げるのがそれていたらセーフなので。ああいう気持ちを常に持った中でやってほしいのはあります。 -山本は来週の金曜日にまた当たる可能性がある 工藤監督 また当たるでしょうね。何とか攻略する、点を取る方法を考えないといけない。良ければ攻略があったとしてもうまくいくものでもない。直球に見えてカット、フォークは芯で捉えて連打は難しい。また次回まで考えて、というところ。 -マルティネスは粘った 工藤監督 そう思いますよ。珍しく制球を乱すことありましたけど、結果的には7回まで2点。ピッチャーからするとナイスピッチング。3番から始まるところを嘉弥真君と津森君が抑えてくれて、あそこで1点取られればというところをしっかり抑えてくれた。9回は1人出たら、というところまでいった。とにかくみんなで力を合わせて何とか乗り越えていくしかない。1戦1戦しっかり戦って、今日終わったので今日は今日。明日は明日と切り替えてやっていきます。

◆ソフトバンクが今季初の2戦連続完封負けで、首位オリックスとのゲーム差が「5」に広がった。相手エース山本の前に4安打で0行進。4月1日にも同じ敵地で2安打完封負けを喫しており、今季は4試合で3勝を献上、防御率も0・89と抑え込まれている。またも天敵を打ち崩せず、工藤公康監督(58)は「やられたなと思います。今日は、本当に」と頭を抱えた。 150キロ台後半の直球に140キロ台のフォーク。4年連続日本一打線は、何度対戦しても手を焼いている。投手出身の指揮官は「あのフォークは真っすぐを待っていたら(バットが)止まらない。ストライクゾーンから落ちている。あれを振るなっていうのはなかなか...」と脱帽した。最終打者の主砲柳田も、フルカウントから145キロのフォークにバットが空を切った。 拙攻も響いた。0-0の3回に無死一、二塁の好機を作ったが、甲斐が送りバントを失敗。二塁走者の松田が三塁で封殺され、一塁転送された送球を一塁中川圭が落球して併殺は免れた。だが三塁を狙った一塁走者の今宮が、中川圭の送球で憤死。結局無得点に終わった。工藤監督は「隙を突くのはボールから目を離していないということ。(今宮の)あの走塁を責めることはしない」とかばったが、先制していれば展開は...と悔やまれるプレーになった。 首位との直接対決第1ラウンドで、勝てばその差を3ゲームに縮められたが、5に広がった。28日も負ければ、今季最大の6差に広がる。「明日は明日と切り替えてやっていきます」。4年連続日本一へ、正念場だ。【只松憲】

◆オリックス山本由伸投手(23)が、今季2度目となる完封勝利を飾り、リーグトップに並ぶ11勝目をマークした。9回4安打無失点。106球で9三振を奪う投球で三塁すら踏ませなかった。2戦連続完投勝利で、自身8連勝。これでチームは貯金11。真夏に波に乗るヨシノブが、25年ぶりVへ先導する。興奮を隠さず、絶叫した。106球目、内角フォークをストンと落とした山本は、グラブをたたいた。2点リードの9回2死一塁、迎えるは柳田。本塁打が出れば同点のピンチも、冷静さを保った。「1発だけ警戒して、落ち着いて投げようと。力まず、全力で」。フルカウントからの8球目、バットが空を切った。9回4安打で今季2度目の完封勝利。無四球で9三振を奪う投球に"力まず全力"。この言葉がピタリとはまる。2戦連続の完投に「よりチームに貢献できた」と充実の表情を見せた。 東京五輪で金メダル獲得に貢献した若き剛腕は、進化を止めない。5回1死、中村晃への2球目で国内自己最速タイの157キロを計測。「調子自体は...。試合前、まとまりきってなかったので、多少不安はあった」と振り返った。それでも耐えて勝った。 週に1度の先発登板。疲労回復法を試行錯誤。「いろいろ試したんですけど、やっぱり基本は睡眠と食事ですね」とシンプル思考にたどり着いた。日付が変わる前の就寝を心掛けるが「寝るのが下手で...、浅いんです。だから、よく夢を見てしまう」と、マウンドとは裏腹に自室では苦戦中。至福の時間は「目覚まし時計をセットせずに寝る」ことだ。球団では14年西以来となる自身8連勝。28日は土曜日ながらナイター。快投でぐっすりと眠りに就ける。 中嶋監督は「ナイスピッチングです。コントロール、キレ、全てよかった」と脱帽し「最後まで完走してほしい」と期待を込めた。後輩の宮城に並ぶリーグトップタイの11勝目を挙げた山本は「ここからまた連勝が始まったらいいなと思う」と28日に先発する20歳左腕にエール。ハイレベルなチーム内競争を刺激に、左右の両輪が首位快走の原動力になる。【真柴健】 ▼山本が4安打完封勝利で5月28日ヤクルト戦から8連勝。オリックス投手のシーズン8連勝は、14年に開幕8連勝した西以来となった。今季の完封勝ちは4月1日以来2度目で、2試合ともソフトバンク戦。同カードでシーズン2完封した投手は12年田中(楽天)以来で、オリックスでは89年星野以来32年ぶり。

◆ソフトバンクの東京五輪米国代表のマルティネスが7回2失点と力投したが、援護に恵まれず3敗目を喫した。オリックス戦は今季3勝0敗と好相性だったが4回、西村に先制決勝の2点打を浴び、初黒星となった。「いつものようにしっかりとストライクゾーンに投げ込んで打者と勝負するという投球ができなかった」。それでも先発の役割は十分果たした。「試合はつくることができた」と気持ちを切り替えた。

◆母さん、打ったよ! 4年目のオリックス西村凌外野手が決勝の2点適時二塁打を放った。0-0の4回1死二、三塁の好機。マルティネスを捉え左中間に運んだ。 20日に今季初の1軍昇格。お立ち台で「前半戦、チームに貢献できていなかった。後半戦はチームに貢献したい気持ちが形になってよかった」と喜んだ。 "奇跡の右投げ右打ち"だ。元々左利きで日常は箸もペンも左。だが小学5年で野球を始める際、母の有希さんが「左利きやからグローブは左やで」と、勘違いで右投げ用グラブをプレゼント。西村は「母親は野球を全然知らなかった。でも、ティー打撃で(トスを)投げてくれたり、一緒に練習してくれた」と、そのままグラブを左手にはめ、いつしか右投げになった。 初回には左翼守備で好捕し、山本を救った。「あまり派手なプレーができない。自分のできることをきっちり今後もやっていく」。もっともっと活躍して、女手一つで育ててくれた母に感謝を贈る。【真柴健】

◆1敗は1敗でしかないのだが、ソフトバンクにとっては痛すぎる黒星となった。4位からの逆転Vを狙うチームにとって、巨大な壁が立ちはだかった。侍ジャパンでさらに経験値を増したオリックス山本の攻略は厳しすぎた。3回には松田、今宮の連打で無死一、二塁としたが、送りバント失敗と今宮の走塁ミスで絶好機をみすみすつぶしてしまった。 山本との前回対決は、東京五輪前の7月9日。本拠地ペイペイドームで6安打を放ちながら、7回無得点に封じられた。5回1死一、二塁で柳田、中村を投ゴロ、左飛に抑えた。降板後に山本はチーム関係者に「(ホークス打線に)圧力は感じなかった」と漏らした。 約2カ月がたって、その思いに、さらなる自信と確信が積み上げられたのだろう。完封でマウンドに仁王立ちした。勝利投手の権利を得る5回を投げ終えた時点で球数は45。1イニング平均9球で料理した。ホークス側から見れば積極的に打ちに行った結果なのだろうが、戦略的にはまんまと山本の術中にはまった格好だ。 それにしてもホークスは当日移動ゲームに弱い。後半戦初の当日移動試合で黒星。前半戦は7試合で5敗を喫している。この日は東京から午前の新幹線で大阪へ移動。前日26日に、西武に0封負けを喫した痛手? もあったのか、2戦連続してホームが遠かった。2試合連続の「0封負け」は今季初めてだ。 まあ、負の要因を探っても仕方ない。追う立場に気を抜く試合は残っていない。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆オリックスの先発・山本由伸投手(23)が4安打完封で、11勝目(5敗)。自身8連勝で、チームメイトの宮城に並び、ハーラートップタイとなった。 チームの連敗を止め、自身の連勝を伸ばす。山本が先発のマウンドに上がった。7連勝中のエースが、ソフトバンク打線の前に立ちはだかった。 序盤からアクセル全開。先頭の三森を左飛に仕留めると、牧原は外角154キロ直球で三球三振。柳田も129キロのカーブで三球三振に斬り、投じた7球すべてストライクで一回を終えた。二回も三者凡退。味方打線の援護を待った。 好投する右腕を援護したい野手陣は一回1死一、三塁、二回も1死一、三塁、三回は無死一塁と好機を作るが、いずれも併殺打であと1本が出ず。もどかしい状況が続いていたが、四回だ。1死二、三塁の場面で西村が左中間へ2点二塁打。貴重な先取点をもたらし、「チャンスの場面でしたし、初球から積極的にいこうと思っていました。先制点になってくれてうれしかったです!」と振り返った。 山本は今季のソフトバンク戦3試合に登板し、2勝1敗、防御率1・27と好相性。20日の西武戦(京セラ)では9回を3安打1失点で今季10勝目をマーク。自身7連勝で初の2桁星を挙げ、「チームもいい位置にいますし、ゲーム差もない。一戦一戦、いい投球をしたいです」とさらなる飛躍に力を込めていた。 その言葉通り、援護点をもらうとさらに勢いづき、五回、六回と三者凡退。ソフトバンク打線に反撃を許さず、引き分けを挟んだチームの連敗を「2」で止め、今季2度目の完封勝利を挙げた。

◆オリックスの25歳、西村が四回に2点二塁打を放ち、今季初打点をマークした。これが決勝打となり「甘かったら初球からいこうと思っていた。結果的にヒットになってくれて良かった」と笑みを浮かべた。 1死二、三塁でマルティネスの投じた152キロに振り負けず、左中間へはじき返した。一回から3イニング連続併殺打の拙攻に終わっていた嫌な雰囲気を振り払った。 20日に今季初めて1軍に昇格し、22日の西武戦から出場した3試合全てで安打を放った。一回の左翼の守備では三森の左中間への飛球をスライディングで好捕。「前半はチームに貢献できていなかった。何としても貢献したい気持ちが形になってくれた」とほっとした様子だった。

◆ソフトバンクのマルティネスは、オリックス山本と堂々と投げ合ったが、四回に痛い2点を失った。先頭を四球で出し、1死二、三塁とピンチを広げて西村に投じた初球。内角狙いの速球が甘く入り、左中間を深々と破られた。「いつものようにしっかりストライクゾーンに投げ込んで勝負する投球ができなかった」と悔やんだ。 一~三回は走者を背負いながら毎回の併殺打で切り抜け、7回を投げきっての悔しい3敗目となった。

◆柳田のバットが空を切る。最後までマウンド上で仁王立ちしたオリックス・山本が、満面の笑みを浮かべた。今季2度目、プロ3度目の完封勝ち。自身8連勝で、宮城に並ぶ両リーグトップの11勝目をマークした。 「本当にホッとした気持ち、うれしいです。四回ぐらいに球数を確認して、このペースなら完封あるな、と思いました」 序盤からエンジン全開だ。最速157キロの直球に切れ味抜群の変化球を織り交ぜ、四回を終えた時点で35球。ソフトバンク打線に三塁を踏ませず、自身初の無四球完封を106球で終えた。 前回20日の西武戦(京セラ)から2試合連続での完投勝利。打線は一回から3イニング連続の併殺打と好機をモノにできず、嫌な流れもあったが、中嶋監督は「それすらも(山本)由伸が救ってくれたと思います。いいとき、悪いときの波が非常に少ない」と、連敗を「2」で止めたエースをたたえた。 宮城と並ぶ11勝に加え、防御率(1・64)、奪三振(140個)の3冠に輝く右腕。ハイレベルな勝利数争いを続ける宮城には「チーム、連勝中だぞ」とあえて重圧をかけたり「防御率、抜いたらしゃべらない」などと後輩をいじりながら、互いに高めあっている。 「制球ができてきているので、いいことは続けていきたい。感覚がよくなっている部分はあります。ここからまた、連勝が始まったらいいなと思います」 まだまだ進化を続ける23歳。2位ロッテとは3ゲーム差。若き剛腕が中心となり、強力先発陣で25年ぶりのリーグ優勝まで突っ走る。(西垣戸理大)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ORIX
483712 0.565
(↑0.005)
-
(-)
46396
(+2)
347
(-)
92
(-)
30
(-)
0.254
(-)
3.350
(↑0.03)
2
(1↑)
ロッテ
433814 0.531
(↑0.006)
3
(-)
48432
(+3)
400
(+1)
91
(+2)
82
(+1)
0.252
(↓0.001)
3.990
(↑0.03)
3
(1↓)
楽天
454013 0.529
(↓0.007)
3
(↓1)
45375
(+1)
367
(+3)
78
(-)
33
(-)
0.245
(-)
3.590
(↑0.01)
4
(-)
ソフトバンク
424116 0.506
(↓0.006)
5
(↓1)
44384
(-)
326
(+2)
83
(-)
62
(-)
0.249
(↓0.001)
3.170
(↑0.01)
5
(-)
西武
374516 0.451
(↓0.006)
9.5
(↓1)
45372
(+2)
404
(+7)
81
(+2)
68
(+1)
0.245
(-)
3.930
(↓0.02)
6
(-)
日本ハム
324712 0.405
(↑0.008)
13
(-)
52273
(+7)
356
(+2)
50
(-)
48
(+3)
0.228
(↑0.001)
3.570
(↑0.02)