阪神(☆9対3★)DeNA =リーグ戦21回戦(2021.08.26)・京セラドーム大阪=
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DeNA
0100010013911
阪神
10400031X91022
勝利投手:ガンケル(7勝1敗0S)
敗戦投手:坂本 裕哉(4勝3敗0S)

本塁打
【DeNA】オースティン(22号・2回表ソロ)
【阪神】近本 光司(9号・1回裏ソロ),サンズ(20号・3回裏2ラン)

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◆阪神は1-1で迎えた3回裏、サンズの2ランなどで4点を挙げ、勝ち越しに成功する。その後は7回に中野と島田の適時打などで3点を奪い、試合を決定づけた。投げては、先発・ガンケルが7回途中2失点で今季7勝目。敗れたDeNAは、投手陣が振るわなかった。

◆2位巨人に再び1ゲーム差に迫られた首位阪神が、中継ぎを入れ替えた。小野泰己投手(27)と浜地真澄投手(23)が、試合前練習に合流した。 代わって斎藤友貴哉投手(26)と石井大智投手(24)が、2軍降格とみられる。斎藤は前日25日DeNA戦で、4回に2番手で登板するも1回3失点。石井大は2回1失点だった21日中日戦から登板がなかった。 合流した小野は、25日のウエスタン・リーグ、オリックス戦で1回無安打無失点と好リリーフし勝利投手に。同じく浜地も9回に登板し、1回1安打無失点で6セーブ目を挙げていた。

◆25日にプロ野球史上初めてルーキーでサイクル安打を達成したDeNA牧秀悟内野手(23)が、後半戦で初めて2試合連続のスタメンに名を連ねた。7番二塁で出場予定。三浦監督は「昨日だけでなく前半戦から本当によくやってくれている。出ない時もありますけど、状況を見ながら使っていきたい。スタメンでも驚くことではない」と話した。前日の4安打で打率はリーグ11位の2割9分2厘まで上昇している。 牧は前日の試合後、三浦監督から直接「おめでとう」と声をかけられた。快挙から一夜明けたこの日は、全員にメディシンボールを配るなど、新人の働きをしながら、試合に備えた。

◆阪神近本光司外野手(26)が1回に今季4本目、通算8本目の先頭打者本塁打となる9号先制ソロを放った。 チームが今季3戦3敗と苦手とする先発左腕坂本の初球143キロ外角直球を右中間スタンドへ運んだ。「初球の真っすぐをしっかりとスイングすることができました」。この試合前まで近本の対坂本は8打数2安打0本塁打だった。 先頭打者本塁打通算8本は球団では歴代6位で、9本で5位の吉田義男にあと1本と迫った。 24日DeNA戦での8号以来2戦ぶりの1発となった。今季の9本中4本が京セラドーム大阪と相性がいい。近本は1年目の19年、2年目の20年といずれも9本塁打で自己最多タイに並び、自身初の2桁も見えてきた。

◆5試合ぶりに4番右翼でスタメン復帰したDeNAタイラー・オースティン外野手(29)が、復帰初打席でいきなりぶちかました。 0-1で迎えた2回の先頭。阪神ガンケルが投じた5球目の内角低めのスライダーをすくい上げ、中堅バックスクリーン上の3階席にたたき込んだ。22号同点ソロ本塁打に「(日本語で)ヤッター! スライダーをしっかり捉えることができました。同点に追いつくことができ良かったです」と喜んだ。 4回の第2打席は148キロのツーシームを中前打。2打席連続の安打を放った。20日の巨人戦(東京ドーム)で上半身を打撲。以降はスタメンを外れていたが、完全復調をアピールした。

◆来日2年目の阪神ジェリー・サンズ外野手(33)が自己最多となる20号2ランを放った。2点をリードして迎えた3回1死三塁の場面。DeNA坂本の初球スライダーを左翼席に運んだ。 サンズは「(先発の)ガンケルがバッティングでも頑張ってくれているし、近本や中野もいい流れで自分に回してくれたから、あとはランナーをかえすだけだと思っていたよ。幸運なことにフェンスも越えてくれたからうれしかったね」とコメントした。 チームメートのルーキー佐藤輝がすでに23本塁打をマーク。阪神の20本塁打以上複数は、10年ブラゼル(47本)、城島(28本)以来、11年ぶり。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が3回1死三塁で中犠飛を放ち、6戦ぶりの打点で今季通算60打点とした。佐藤輝は「取れる時に1点でも多く取っておきたい展開だったので、しっかり走者をかえすことができてよかった」とコメントした。 19日DeNA戦の9回に23号ソロを放って以降、20日の中日戦から前日25日のDeNA戦までの5試合で18打数1安打と不振だった。チーム打撃に徹して、この日チーム5得点目を奪った。

◆阪神中野拓夢内野手(25)が、7回にリーグトップの21個目の盗塁を決めた。 まずはバットで貴重な追加点を挙げた。3点差に詰め寄られた7回無死一、二塁。中野は送りバントを2球連続ファウルにして送れず追い込まれたが、粘って8球目を右前へはじき返す適時打を放った。 一塁走者となり、続く3番サンズの初球に二盗を試み成功。捕手の二塁への悪送球で、三塁走者近本が生還。前日25日の同戦と同じような展開となった。 阪神の新人で20盗塁以上は5人で、中野は4位吉田義男の22盗塁にあと1と迫った。

◆猛虎打線が10安打9得点と爆発し、今季13度目の首位陥落危機を白星で免れた。 DeNA先発左腕坂本には、試合前まで今季3戦3敗と苦手にしていたが、初回、先頭近本光司外野手(26)が初球を右中間へ9号ソロ。今季4本目、通算8本目の先頭打者本塁打で勢いづけた。3回には一気に4点を奪い坂本を4回5失点でKOした。 投げては後半戦初登板となる先発のジョー・ガンケル投手(29)が6回1/3、6安打、2失点で7勝目を挙げた。 2位巨人が敗れ、ゲーム差は2差となった。27日からは敵地マツダスタジアムで広島と3連戦を戦う。

◆DeNAは1点を追う2回オースティンの22号ソロで同点とした。阪神は3回サンズの20号2ランなどで5-1とリードを奪った。 DeNAは6回無死一塁から宮崎の左前打に失策が絡んで1点を返し、2-5とした。阪神は4回から6回まで無安打無得点。 阪神が7回にも中野の適時打などで3点を追加し、逃げ切った。ガンケルの7勝目でカード勝ち越し。DeNA坂本は3敗目。

◆阪神近本光司外野手(26)が先頭打者本塁打を含む3安打猛打賞の活躍で大量得点を演出した。 先発のジョー・ガンケル投手(29)は、7月14日DeNA戦(甲子園)以来の実戦登板で6回1/3を2失点(自責1)と好投した。 2人の活躍もあってカード勝ち越しを決めた。近本、ガンケルのヒーローインタビューは以下の通り。-先頭打者本塁打 近本 あまり得意じゃない投手なのでストレートか変化球だろうと思ったので。「ストレートだろう」と思って(初球から)いきました。 -手応えは 近本 (本塁打の)確信はありました。 -10号にあと1本 近本 大きい大きい壁、フェンスが高かったので僕の中ではいってほしかった。3年連続9本をできるだけなくして、またチームが勝てるような本塁打を打てるように頑張ります。 -あと三塁打でサイクルヒット 近本 特に(声は)なかった。三塁打というのは頭にあった。昨日も牧くんがサイクルヒットを打っていたので、今日来てくださった人のために打ちたかったというのはあったんですけど、打席の中で「ああ、無理だな」という気持ちはありました。 -いずれはサイクルヒットを 近本 ちゃんとしたサイクルは打ったことがないので、これからの野球人生でちゃんとしたサイクル(ヒット)を打ちたいなと思います。 -得点、安打ともにリーグトップ。好調か 近本 打てる日もあれば打てない日もある。しっかりチームが勝てるようなヒットを1本1本、積み重ねていければなと思います。 -明日からは広島戦 近本 1戦1戦、負けられないというかしっかり勝って優勝目指してしっかりやっていきたいなと思います。 ? -投球を振り返って ガンケル 久しぶりだったんですけど、良いテンポで投げることができました。序盤で得点、リードを取ることができて気持ち良く投げることができて本当に良かったです。 -立ち上がりの意識は ガンケル 久しぶりのゲームでの登板だったので思い切ってゾーンに向かって投げていこうと思いました。気をつかいすぎて、カウントが不利にならないようにしっかりと投げていきました。 -今日一番良かったのは ガンケル 5回をなんとかしのぐことができて、あそこで失点していたらゲームの状況も変わっていたと思うので、なんとか乗り切ってゲームをしっかりキープできたかなと思います。 -2回にガンケルの安打から勝ち越し ガンケル ラッキーなヒットでした。外野の前に落ちてくれて。ああやって先頭で出て、回の先頭で出るのはチームに良い流れを持ってこれるので、打てて良かったです。 -7勝目。10勝を楽しみにしている ガンケル 1試合1試合思い切って投げていきたいと思います。2チームが迫ってきていますしなんとか1試合1試合を勝ち抜いて最終的に良い結果になればいいなと思います。 -最後に日本語で一言 ガンケル チカモト、ハンパないって。いつもありがとう。

◆DeNAは、阪神戦を3戦3勝と得意としていた「2代目虎キラー」坂本裕哉投手(24)が4回71球で5安打5失点と崩れた。1回、先頭の近本光司に初球の143キロ直球を本塁打された。2回、5試合ぶりに復帰したオースティンに22号同点ソロアーチが出たが、3回に坂本が4安打で4失点。再び点差を広げられた。坂本は「試合を作れず先発としての役割が果たせなかったです。チーム、中継ぎ陣に申し訳ないです」と肩を落とした。 坂本は4回、近本に2球目の第1ストライクを二塁打とされ、サンズには初球を2ラン本塁打とされた。長打は4本中3本が第1ストライクだったが、三浦監督は「今日だけでなく積極的にきてるのは分かっている。今日はボールが高かったということだと思います」と、坂本が打たれた原因を分析した。 打線は9回、前日にサイクル安打を達成したルーキー牧秀悟と代打楠本泰史の連打で無死一、二塁と、反撃の足掛かりをつくった。続く倉本寿彦も右前打を放ち、二塁走者の牧が生還。1点を返したが、一塁走者の楠本が三塁でタッチアウト。反撃ムードがしぼんだ。6点差を考えれば、無理して三塁進塁を狙わず、走者をためたい場面。三浦監督は「そうだと思います。コーチの方(ほう)から(選手に)そのへんは話はしてくれてます」と話した。 DeNAはこれで、後半戦を4勝5敗1分けと1つ負け越しとなった。【斎藤直樹】

◆今年の虎は崖っぷちに強い! 阪神が投打がかみ合い、首位を守った。前夜はDeNA牧に新人初のサイクル安打を許したが、3回に3番ジェリー・サンズ外野手(33)の20号2ランなど1イニング打者4人による「サイクル返し」で勝ち越しに成功。13度目となった首位陥落危機もしのいだ。 ▼阪神サンズが今季20号本塁打。佐藤輝の23本に次いで20本塁打が2人となった。阪神で20本塁打以上が2人は、10年のブラゼル47本、城島28本以来11年ぶり。球団最多は4人で、過去3度ある。76年=ブリーデン40、田淵幸一39、掛布27、ラインバック22。79年=掛布48、ラインバック27、竹之内雅史25、スタントン23。85年=バース54、掛布雅之40、岡田彰布35、真弓明信34。今季はマルテが16本、大山が14本打っており、さらに20本超の選手が増える可能性がある。

◆阪神ドラフト6位中野拓夢内野手は2戦連続適時打を決めた。 同点の3回無死二、三塁から二ゴロで勝ち越し点をゲット。3点リードの7回無死一、二塁では送りバントを2球失敗後、右前に適時打を運んだ。「バントを決めることができなかったので、とにかく何とかしたい気持ちだけでした」。直後にリーグトップ21盗塁目となる二盗に成功し、8回にも中前適時打を放って3打点。これで6戦連続安打、3戦連続マルチ安打となった。

◆阪神がカード勝ち越しを決めた。先発ガンケルが6回1/3 6安打2失点と力投。後半戦初登板で7勝目を上げた。打線も10安打9得点とかみ合った。矢野燿大監督(52)の一問一答は以下の通り -先発ガンケルは 安心して見ていられました。いったんアメリカに帰ってそこから初登板になったんで、どうかなと思ったんですけど、そんな心配も要らないようなしっかりしたいい投球をしてくれました。 -7回途中まで 試合から離れているんで、あれぐらいの球数が一番良いのかなというところで。でもあそこまでいってくれたので本当に助かりました。 -7回1死一塁で及川が好リリーフ そういうね、どこでもいけるような内容のピッチングを見せてくれていますし。点差はありながらも嫌な場面なんですけど、しっかりダブルプレーという最高の結果で締めてくれました。 -今季3戦3敗のDeNA坂本から5得点 同じピッチャーにやられていたんでね。そういうところでは打撃コーチ、スコアラーさんも含めてみんなで取り組んでくれたおかげ、そういう成果が出たなと思います。 -3回は内野ゴロ、本塁打、犠牲フライと色んな得点 目立ったのはチカとかサンズの本塁打が目立っていますけど、そういう中でも中野の二ゴロでの1点というのはすごくチームとして大事な1点だった。中身の濃い打撃かなと思います。 -カード勝ち越し 今日もプロとしては恥ずかしいような守備のミスもありましたし、これで良いとは思えない部分もありますけど、失敗しながら何とかチャレンジして、次につなげていくような、そういう戦いをしていきます。 -広島戦に向けて 勇輝がね、ちょっとここ最近、勝てていないですけど。今日もちょっと話をしたら気持ちを前に向けて、やってくれそうな感じなんでね。明日は勇輝がしっかり抑えて全員でバックアップして勝ってきます。 -ガンケルは期間が空いたと思えないような投球 前回も無理にというか、行けなくはなかったんだけど。行ったからどうなったかというのはやっていないことだから見えないけど。ちょっと無理をさせるよりはしっかりと調整をしてと思ったので。そういったところでは期待以上の内容だったと思う。ローテーションが安定してくるっていうのはチームに安定感をもたらすんでね。ちょっと安心できるような投球を見せてくれたなと思います。 -内容的にも 全然ブランクもないしね、まあ両サイド、コーナーワークもしっかり使いながら丁寧に投げていくっていうイメージで。球数も、味方がちょっと足を引っ張っちゃったから増えちゃったけど、本来ならもう少し行そうな感じだったので。中身も問題なく投球をしてくれていたので。 -打線は3度やられていた坂本相手にいきなり近本が打った いややっぱりムードがね、違う。今日も北川(打撃)コーチが一番ドキドキしながら。試合前から緊張していたんで。そういうところでは全員でね、やっぱり何度もやられているっていうところの意識を高めてみんな取り組んできてくれたので、それが形にできて良かったなと思います。 -近本は好調 積極性もありながらハマったら今日みたいなホームランというのもありながらね。一番のキーはチカって言ってきたけどね。状態が上がってきたからこそ中心のところでというのが最近の課題の部分ではある。今日はジェリー(サンズ)に出たんでね。輝も犠牲フライも出たし、悠輔(大山)もヒットも1本。もっともっと打ってもらわないと困るんで。チカがいいというのはチャンスメークができるんで、うちの野球ができるかなと思います。 -及川が好救援 若い選手を使う上では、こっちが責任を持って送り出している。その中で期待に応えてくれることもあれば、もちろん経験として次につなげるような、うまくいかないこともあるけど。 ここで使ってみていいんじゃないかなとか、ここで及川いっていいんじゃないかなというのを見してくれてるんでね、うまくいかない時もあるかもしれないけど、楽しみなピッチャーではあるんでね、そういうところはどんどん真っ向勝負していってもらえばいいかなと思います。 -マルテが2軍で寝違えたそうだが、1軍昇格はもう少し先か。 そら首痛めてんのにすぐ上げられへんやろ(笑い)。 -ファームが13連勝 もちろんファームは勝つことだけが目的とかそういうことではない部分もある。でも戦う以上負けていいと思わないし、連勝続くっていうのはそれぞれがいい働きというか、そっちに行って悔しかったり、いろんな思いをもってやってくれてると思うんで。でも13連勝で平田さんが一番喜んでるんじゃないですか(笑い)。

◆阪神の左翼メル・ロハス・ジュニア外野手は痛恨の適時失策を喫した。4点リードの6回無死一塁。宮崎の左中間寄りの安打をトンネルし、一塁走者のホーム生還を許した。 チームはこの日も2失策で両リーグワースト64失策。矢野監督は「プロとしては恥ずかしいような守備のミスもあった。これで良いとは思えない部分もあるけど、失敗しながらなんとかチャレンジして、次につなげていく戦いをしていきます」と大勝にも気を引き締めた。

◆阪神ジョー・ガンケル投手(29)が後半戦初登板で、約2カ月ぶりの7勝目を挙げた。7回途中6安打2失点(自責1)と好投し、久々のお立ち台。インタビュアーの「日本語で」というリクエストに、慣れた様子でマイクを近づけた。 「チカモト、ハンパナイッテ!」 まさかの受け答えに、近本もファンも大爆笑。頼もしい投球と親しみやすい人柄に誰もが笑顔になった。 初回をわずか6球で3者凡退。味方の失策もからんだ5回2死満塁のピンチでは、3番佐野を2球で二ゴロに仕留め力強くグラブをたたいた。「あそこで失点していたらゲームの状況も変わっていたと思う。なんとか乗り切ってゲームをしっかりキープできたかな」。一時帰国後は当初2軍戦で調整登板する予定だったが、連日の雨で流れ、約1カ月ぶりの"ぶっつけ"マウンド。そんな不安も忘れるほど、前半戦6勝1敗の安定感は健在だった。 日本で2年目を迎え、周囲も認める勤勉さでチームに溶け込んだ。来日したばかりの昨年3月。甲子園で全体練習も終わり、野手は全員引き揚げたはずなのに、室内練習場から「コツン、コツン」と聞こえてくる。ガンケルはたった1人でネットに向かい、黙々とバント練習を行っていたという。そのひたむきさも実り、この日は3回先頭の打席で中前打をマーク。「ラッキーなヒットだったよ」と振り返ったが、そこから一挙4得点が生まれた。 矢野監督は「期待以上の内容だったと思う。ローテーションが安定してくるというのはチームに安定感をもたらすんでね。安心できるような投球を見せてくれた」とねぎらった。そんな助っ人はどこまでもチーム思い。「他のチームが近いゲーム差で追ってきている時は難しいところ。そういう時こそ自分たちのプレーをしっかりできるように準備することが大切」。一丸の勝利の中心に、誰よりも真面目な右腕がいた。【磯綾乃】

◆惜しい~。阪神近本光司外野手(26)が先頭打者アーチを含む3安打猛打賞で大量得点を演出した。 初回先頭の初球、DeNA先発坂本の真ん中付近の143キロ直球に「しっかりスイングすることができた」と右中間スタンドへ9号ソロを運んだ。「『ストレートだろうな』と思って(初球から)いった」と今季4本目、通算8本目の先頭打者本塁打に笑みを浮かべた。 3回無死一塁では右翼フェンス直撃の二塁打。7回には広い二遊間をゴロで破り、今季10度目の猛打賞を記録。三塁打が出れば、サイクル安打達成だった。8回無死一、二塁では「三塁打でサイクルというのは頭にあった」と第5打席に入ったが「最低限、進塁打を」と自身の記録よりもチームの勝利を優先。一ゴロの進塁打で仕事を果たし、9点目につなげた。 この猛打賞で近本は今季117安打となりリーグトップに躍り出た。さらに9本塁打は過去2年の自身の本塁打数に並ぶ最多タイ。「3年連続9本はなくして。チームが勝てる本塁打を打てるように頑張りたい」。2桁本塁打の壁を越え、頼れるリードオフマンが首位の虎をけん引する。【前山慎治】

◆首位陥落の危機に、虎の主軸が奮起した。1点を勝ち越した直後の3回1死三塁。サンズがDeNA左腕坂本の初球スライダーを左翼席へ20号2ラン。10戦ぶりの1発で虎党が盛り上がる中、4番大山が中堅をライナーで越える三塁打。5番佐藤輝の犠飛でこの回一気に4点を奪った。矢野監督は「何度もやられているところの意識を高めて、みんなで取り組んできてくれた。それが形になってよかった」と喜んだ。 今季3戦3敗と苦しめられていた虎キラーの坂本を「サイクル返し」で攻略した。3回の4安打は単打、二塁打、三塁打、本塁打が1本ずつ。前日25日はDeNA牧に新人初のサイクル安打を許し完敗したが、リベンジに成功した。 前日も同じ3回に9番から始まり近本、中野でチャンスを広げたが、サンズ、大山は連続見逃し三振、佐藤輝も凡退。矢野監督が「中軸が課題」と勝負どころで打てなかった3人を敗因に挙げていた。この日の矢野監督は「(クリーンアップが)もっともっと打ってもらわないと困るんで」と話したが、笑顔だった。 来日2年目のサンズは昨年の19本を超える20本。サンズは「(昨年を)超えられたことはうれしい。もっともっと打ちたい」と喜んだ。23号の佐藤輝と20発コンビを形成。阪神では10年のブラゼル、城島以来11年ぶりだ。4番大山は14本、現在、一時帰国後で2軍調整中のマルテは16本で20本以上カルテットが誕生すれば、85年日本一のバース、掛布、岡田、真弓以来36年ぶりとなる。 DeNAにカード勝ち越し、後半戦は4カード中3カード勝ち越しと堅実に白星を重ねる。27日からは敵地マツダスタジアムで最下位広島と3連戦。サンズは「遠征でも勝ち続け、首位の座を守れるようにしっかりと戦っていきたい」とナインの思いを力強く代弁。2位巨人とは再び2ゲーム差に。13度目の首位陥落危機でも、虎は底力を発揮した。【石橋隆雄】

◆阪神は2番手の及川雅貴投手が完璧なリリーフを見せた。 7回1死一塁から登板すると、代打蝦名に粘られながらも7球目、外角へ145キロ直球を投げ込み一ゴロ併殺に打ち取った。「1週間前のDeNA戦ではワンアウトも取れずに降板してしまい、悔しい思いをしたので、場面は少し違いますが今日はしっかりと抑えることができて良かったです」。前回19日(東京ドーム)には8回に登板するも2安打2四球1失点で途中降板。見事にリベンジを果たした。

◆5試合ぶりにスタメン復帰したDeNAタイラー・オースティン外野手(29)が、本塁打を含む2安打1四球と完全復活を印象づけた。 定位置の4番右翼で先発すると、2回の第1打席、カウント2-2からガンケルの内角低めスライダーを中越えに運んだ。22号同点ソロアーチに「『ヤッター!(日本語)』。スライダーをしっかり捉えることができました。同点に追いつくことができ良かったです」と振り返った。 長打後は単打だ。4回の第2打席は、初球、148キロのツーシームを中前にはじき返した。三浦監督が「今日は動くボールがいつも以上に動いていた感じがした」というガンケルから、安打を重ねた。第3打席は8球粘って四球。第4打席こそ三塁ゴロ併殺打となったが、三浦監督は「いきなりホームラン。スイングも守備も問題ないかなというところで見ていた」と評価した。 常に全力疾走の走塁でも光った。6回は無死一塁の一塁走者で、次打者の宮崎敏郎内野手が左前打。左翼手のロハスが後逸するのを確認すると、ぐんぐん速度を上げて本塁まで走って生還した。守備でも右翼から強い本塁返球を見せた。 オースティンは20日の巨人戦で、飛球を捕球した際に上半身を打ち付け、25日の阪神戦までスタメンから外れていた。主砲の復帰で、打線はベストオーダーが組めるようになった。【斎藤直樹】

◆今年の虎は崖っぷちに強い! 阪神が投打がかみ合い、首位を守った。前夜はDeNA牧に新人初のサイクル安打を許したが、3回に3番ジェリー・サンズ外野手(33)の20号2ランなど1イニング打者4人による「サイクル返し」で勝ち越しに成功。13度目となった首位陥落危機もしのいだ。 ▼阪神サンズが今季20号本塁打。佐藤輝の23本に次いで20本塁打が2人となった。阪神で20本塁打以上が2人は、10年のブラゼル47本、城島28本以来11年ぶり。球団最多は4人で、過去3度ある。76年=ブリーデン40、田淵幸一39、掛布27、ラインバック22。79年=掛布48、ラインバック27、竹之内雅史25、スタントン23。85年=バース54、掛布雅之40、岡田彰布35、真弓明信34。今季はマルテが16本、大山が14本打っており、さらに20本超の選手が増える可能性がある。

◆阪神佐藤輝明が3回1死三塁で犠飛を放ち、6戦ぶりの打点で今季通算60打点とした。 佐藤輝は「取れる時に1点でも多く取っておきたい展開だったので、しっかり走者をかえすことができてよかった」と、話した。16打席無安打が続くが、チーム打撃に徹した。右翼の守りでは、9回無死一、二塁から倉本の右前適時打で一塁大山との中継プレーで、三塁を狙った一塁走者を刺した。リーグ2位、今季7個目の補殺をマークした。

◆阪神・近本光司外野手(26)が、あっという間の先制パンチを食らわせた。 「初球の真っすぐをしっかりとスイングすることができました」 先発のガンケルがわずか6球で一回表の攻撃を抑えると、その裏だった。DeNAの先発・坂本が投じた1球目。近本は143キロを振り抜くと、打球は右中間スタンドへ。24日のDeNA戦(京セラ)以来、2試合ぶりの9号ソロでキャリアハイに並んだ。 近本は15日の広島戦(京セラ)以来今季4度目、プロ通算8度目の先頭打者弾。今季、3戦3敗と苦手とする坂本に強烈な一撃放ち、自身初の2桁本塁打に王手をかけた。

◆阪神のジェリー・サンズ外野手(33)が三回に20号2ランを放った。 「ガンケルがバッティングでも頑張ってくれているし、近本や中野も良い流れで自分に回してくれたから、あとはランナーをかえすだけだと思っていたよ。幸運なことにフェンスも越えてくれたからうれしかったね」 2-1と勝ち越し、なおも1死三塁の好機。坂本の投じた初球、128キロスライダーを振り抜いた。高々とドームに舞い上がった打球は左翼フェンスギリギリを越える2ラン。14日の広島戦(京セラ)以来の一発で、昨年の成績を超えるキャリアハイの20号に到達した。 打線はさらに4番・大山が三塁打を放つと、佐藤輝の犠飛で1点を追加。苦手の坂本から序盤に大量リードを奪い、5-1とした。

◆阪神のジョー・ガンケル投手(29)が先発し、6回?を6安打2失点(自責点1)。今季7勝目の権利を持ってマウンドを譲った。五輪期間中に一時帰国していたため、7月14日のDeNA戦(甲子園)以来、43日ぶりの実戦マウンドだった。一回はわずか6球で三者凡退。二回、オースティンにソロを浴びたが、持ち前の打たせて取る投球が光った。 六回は味方の失策も絡み1失点。なおも無死二塁としたが、ソト、牧、伊藤光を抑え、後続を断った。七回1死から桑原に右前打を浴びたところで継投。ベンチに戻る助っ人にはスタンドから大きな拍手が送られた。

◆阪神が快勝した。一回に近本が今季4度目、プロ通算8度目の先頭打者弾。この9号ソロで主導権を奪うと、1-1の三回無死一塁では再び近本が右翼フェンス直撃の二塁打を放って好機拡大。サンズの20号2ランなどで5-1とリードを広げた。近本は七回にも中前打を放って今季10度目の猛打賞。117安打でセ・リーグの安打数トップに躍り出た。 先発は7月14日のDeNA戦(甲子園)以来、43日ぶりの実戦マウンドとなったガンケル。6回?を6安打2失点(自責1)と試合をまとめ、今季7勝目を手にした。2位巨人が敗れたため、ゲーム差は「2」と広がった。

◆DeNAのオースティンが先発メンバーに20日以来に名を連ね、二回の第1打席で22号ソロを放った。ガンケルのスライダーを中越えに放り込み「しっかり捉えることができた」と納得の一発。四回は中前に運んだ。 20日の巨人戦の守備で上半身を地面に打ちつけ、翌日から欠場。25日に代打で復帰していた。

◆13度目の首位陥落の危機を迎えた阪神がDeNAに快勝した。先発したジョー・ガンケル投手(29)は6回1/3を2失点(自責1)で粘り、今季7勝目(1敗)を挙げた。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 (テレビインタビュー) ーーガンケルは 「安心して見ていられました。アメリカに帰って初登板になったんで、どうかなと思ったんですけど、心配も要らない投球をしてくれました」 ーーカード勝ち越し 「今日もプロとしては恥ずかしいような守備のミスもありましたし、良いとは思えない部分もありますけど、失敗しながら何とかチャレンジして、次につなげていく戦いをしていきます」 ーー27日からの広島戦に向けて 「勇輝が最近、勝てていないですけど。今日もちょっと話をしたら気持ちを前に向けて、やってくれそうな感じなんでね。明日は勇輝がしっかり抑えて全員でバックアップして勝ってきます」 (囲み) ーーガンケルは期間があいたと思えない投球 「無理をさせるよりはしっかりと調整をしてと思ったんで。期待以上の内容だった。ローテーションが安定するのは、チームに安定感をもたらすんでね。安心できるような投球を見せてくれた」 ーー内容的にも 「全然ブランクもないしね、両サイド、コーナーワークも使いながら丁寧に投げていくイメージで。球数も、味方がちょっと足を引っ張ったから増えたけど、本来ならもう少し行そうな感じだったので。中身も問題なく投球をしてくれていたので」 ーー打線は3度やられていた坂本相手にいきなり近本が打った 「やっぱりムードがね、違うし。きょうも北川コーチが一番ドキドキしながら、試合前から緊張していたんで。そういうところでは全員でね、何度もやられているっていうところの意識を高めて取り組んできてくれたので、形にできて良かったなと思います」 ーー近本は好調 「積極性もありながらハマったら今日みたいなホームランというのもありながらね。一番のキーはチカって言ってきたけどね。状態が上がってきたからこそ中心のところでというのが最近の課題の部分ではあるんでね。ジェリーに出たんでね。輝も犠牲フライも出たし、ユウスケもヒットも1本。もっともっと打ってもらわないと困るんで。チカがいいというのはチャンスメークができるんで、うちの野球ができるかなと思います」 ーー及川が好救援 「責任を持って送り出している。ここで使ってみていいんじゃないかなとかいうのを見せてくれてるんでね」 ーーマルテが2軍で寝違え。1軍昇格はもう少し先か。 「そら首痛めてんのにすぐ上げられへんやろ(笑)」 ーーファームが13連勝 「ファームは勝つことだけが目的ではない部分もあるし、でも戦う以上負けていいと思わないし、それぞれがいい働きというか、そっちに行って悔しかったり、いろんな思いをもってやってくれてると思うんで、でも13連勝で(ファーム監督の)平田さんが一番喜んでるんじゃないですか(笑)」

◆DeNAの坂本は今季過去3試合対戦して3勝を稼ぐなど、得意にしていた阪神打線に序盤でつかまり、4回5失点で3敗目を喫した。 一回に近本に先頭打者本塁打を浴びると、三回は投手のガンケルの安打を起点に3本の長打を許し、一挙4失点。「試合をつくれず、先発としての役割が果たせなかった」と肩を落とした。 25日に大勝した勢いをそぐ形となり、三浦監督は「全体的に球が高かった。修正できず、ずっとやられた」と指摘した。

◆阪神のガンケルが後半戦初登板で6月24日以来となる7勝目を挙げた。七回途中2失点にまとめ「いいリズムで投げることができた。チームが勝ててうれしい」と充実感を口にした。 中断期間を利用して一時帰国し、再来日後には登板予定の2軍戦が雨天中止になった。7月14日以来となるマウンドで、要所を締め「試合を想定して取り組んできた。思い切ってストライクゾーンに投げていこうと思っていた」と安堵の笑顔だった。

◆ローテーションを守り続けている投手でも立ち上がりは緊張する中で、登板間隔があいたガンケルは内心、不安を抱いていたと思う。しかしオースティンにソロ本塁打を浴びたとはいえ、一回から三回まで、梅野の構えたミットがほとんど動くことなく、正確に投げ続けていた。 ■好投尻目に大山&ロハス失策 コントロール、ボールのキレ、リズムと申し分なく、いわゆる「投げミス」がなかった。立ち上がりから試合を「締めた」ことが、三回の4点を呼び込んだといっても過言ではない。中盤からスライダーが抜けるようになったがよく粘った。そのような状況の中で、久しぶりのマウンドとなった投手に対し、大山は五回に、ロハスは六回に失策したことは注意を促し、「しっかり守ってやれよ」と言いたい。 ■ガンケルはローテきっちり守ること ローテ編成に頭を悩ませていた矢野監督にとって、ガンケルは〝孝行息子〟。首位にいる以上、阪神が最も優勝に近い存在であることは間違いない。目標を達成するためにガンケルに求めるのは今後、ローテをきっちりと守ること。それを声を大にして言いたい。またマルテの昇格時期はいつになるのか。ここもポイントの一つとして付記しておきたい。(本紙専属評論家)

◆何としても続きたかった。佐藤輝が19日のDeNA戦(東京ドーム)以来ちょうど1週間、6試合ぶりの打点をマークし、トドメを刺した。 「取れるときに1点でも多く取っておきたい展開だったので、しっかりランナーをかえすことができてよかったです」 サンズの2ランで3点差となり、大山にも三塁打が出て、押せ押せとなった三回1死三塁。カウント1-1から坂本が投じたチェンジアップを捉え、真っすぐに打ち上げた。1969年の田淵幸一の球団新人本塁打記録「22」を上回った19日の23号以来の打点を挙げ、シーズン60打点目をたたき出した。 2打数無安打と1つの敬遠四球で、ともに自己ワーストを更新する4試合連続&16打席連続無安打にはなったが、下を向いてはいられない。後半戦に入り一時は・280まで上げていた打率も、前半戦終了時の・267に戻った。仕切り直して、再出発する。(長友孝輔)

◆〝虎キラー〟が沈んだ。今季阪神戦で3戦3勝と抜群の相性を誇っていたDeNA・坂本裕哉投手(24)が、4回5安打5失点で3敗目(4勝)。D2位・牧(中大)の新人初となるサイクル安打に沸いた前夜から一転、この日は完敗を喫した。 「試合をつくれず、先発としての役割が果たせなかった。チーム、中継ぎ陣に申し訳ない」 一回先頭の近本に初球を右翼席へ運ばれると、三回も投手のガンケルに許した中前打から崩れた。前回19日の阪神戦から中6日での再戦。独特の難しさもあったが、三浦監督は「続けて対戦することは、これからもある。それよりも今日は全体的に球が高く、修正できずにやられた」と2年目左腕に改善を求めた。(浜浦日向)

◆ぶっつけ本番でもノープロブレムだ。1カ月ぶりの実戦となったガンケルは、ブランクを感じさせない安定感のある投球で7勝目をゲット。いつも通り穏やかな表情でマウンドを振り返った。 「後半戦最初の投球をすごく良い形で投げることができた。チームも勝つことができたし、勝利のチャンスを与えることができて良かったよ」 味方が失策しても落ち着いて対処した。5―1の五回2死一塁で大山の悪送球でピンチを広げ、さらに四球で満塁になったが、佐野を二ゴロとしてゼロで切り抜けた。 失点は二回のオースティンのソロと六回の左翼・ロハスのミスによる計2点のみ。七回1死で安打を許してマウンドを降りたが、2番手・及川が火消しに成功。6回?を6安打2失点(自責1)で白星をつかんだ。 五輪ブレークで一時帰国していた右腕は再来日後、登板予定だった試合が度重なる雨で2度も中止に。シート打撃などで実戦形式の練習は行ったが、試合での登板はなく、この試合が7月14日のDeNA戦(甲子園)以来、中42日での〝ぶっつけ本番〟だった。それでもブランクを感じさせない内容に、矢野監督は「期待以上の内容。ローテーションが安定してくるというのはチームに安定感をもたらすので、安心できるような投球を見せてくれたなと思う」とうなずいた。 頼もし過ぎる助っ人がカムバックしたことで先発ローテも安定。16年ぶりのリーグVへ、ここから一気に加速できる。 「2チーム(巨人とヤクルト)が後ろから迫ってきているので、なんとか一試合一試合を勝ち抜いて、最終的にいい結果を得ることができたら」 前半戦は開幕6連勝でダッシュに貢献したガンケルが、後半戦も連勝街道を突っ走り、虎を引っ張っていく。(織原祥平)

◆左翼席まで届いてくれ-と念じながら走った。サンズの10試合ぶりの一発は、昨季の19本塁打を上回る節目の20号2ラン。ベンチに戻ってナインから祝福の言葉をもらうと、?を緩めた。 「犠牲フライには十分な距離かなと思ったが、フェンスを越えてくれたので、よりうれしかった。昨年以上(打つ)というのは、思っていたこと。それを超えられたことも正直うれしい」 1―1の三回、先頭のガンケルが中前打。近本が二塁打で続き、中野の二ゴロで2-1と勝ち越し、なおも1死三塁。DeNAの左腕、坂本のスライダーを芯で捉えた。 「ガンケルがバッティングでも頑張ってくれたし、近本や中野もいい流れで、自分に回してくれて。あとはランナーをかえすだけと思っていた」 サンズは三回、左翼席へ20号2ランを放つ。お目覚めやで~! 14日の広島戦(京セラ)で2打席連続弾を放って以来、10試合ぶりの一発に興奮気味。前日25日までの5試合は打率・176(17打数3安打)、0本塁打、3打点と調子が落ち気味だった。2-10で大敗した前夜、矢野監督は「あそこらへん(3、4、5番)でババッといければ、相手もすごく嫌な感じになったと思う」とハッパをかけていた。一夜明けて、機能したクリーンアップに指揮官は「ジェリー(サンズ)に(一発が)出たんでね。(佐藤)輝にも犠牲フライが出たし」とご満悦だ。 助っ人のシーズン20本塁打以上は、2016年のゴメス(22発)以来。来日2年目。チームに溶け込み、佐藤輝はもちろん、通訳を交えて近本とも打撃論を語り合う。いまや欠かせない選手の一人となった。 2位巨人とは再び2ゲーム差。27日からの広島3連戦が終わると、31日からは7月14日以来の甲子園に戻る。サンズは「遠征に行っても勝ち続けられるように。首位の座を守れるように、しっかりと戦っていきたい」と拳を握った。もう大丈夫。残り47試合、底を脱した助っ人は、ババッと打ちまくる。(三木建次)

◆嫌なムードを早々に吹き飛ばした。阪神はDeNAに9―3で快勝。前日に2―10と大敗したリベンジを果たし、首位を堅持した。近本光司外野手(26)が今季4度目の初回先頭打者アーチで勢いをつけると、3安打猛打賞の活躍でチームをけん引。後半戦初先発だったジョー・ガンケル投手(29)も、日本語で「ハンパないって」と目を丸くした。京セラドームに放たれた白い弾道が、勝利への道を切り開いた。難敵も首位陥落の危機も、近本が吹き飛ばした。先制パンチから始まった快音ショー。ハンパない選手会長が虎の窮地を救った。 「試合前のミーティングで狙い球をしっかり決めて打席に入ることができたので、結果的に最高の形になった。チームを勢いづける一打になってよかった」 負ければ今季13度目の首位陥落の危機だった。さらに相手先発は今季3戦全敗の坂本。しかも前夜は2―10で大敗。嫌なムードが球場を包む中、一回の打席に向かった。「ストレートだろうと思っていった」。初球、狙いすまして143キロ直球を一閃。弾丸ライナーで飛び出した白球は、右中間スタンドまで届いた。 9号ソロは今季4度目、通算8度目の先頭打者弾。これで流れを呼び込むと、三回は右翼フェンス直撃の二塁打で追加点を演出し、七回も中前打。試合後、ともにお立ち台に上がったガンケルも日本語で「チカモト、ハンパないって」とその活躍を絶賛? した。 今季10度目の猛打賞で117安打とし、DeNA・佐野(116安打)を抜いてセ・リーグ単独トップに浮上。打率・301と3割台を回復し、球団では2013年のマートン、日本人選手では1993年の和田豊以来のタイトルも視野に入ってきた。 「自分の中でも(安打数は)求めているところでもある。チームの勝ちにつながるヒットを増やしていけたら」66得点はセ・リーグトップ。3年連続のタイトルを狙う盗塁は、後輩の中野(21)に続く19だ。〝3冠〟も視野に入れるが「自分も1年目から盗塁王を取って、それがチームにとっていい働きになりましたし、そういった話を中野ともした」と目を細める。身近にライバルがいることが、何よりのモチベーションだ。3度やられていた坂本を攻略し、10安打9得点と爆発した猛虎打線。先陣を切った近本に、矢野監督は「積極性もありながら、ハマったらホームランもありながら。チカ(近本)がいいというのは、チャンスメークができる。ウチの野球ができる」とうなずいた。この日も負けて、2位巨人が勝つか引き分けていれば首位陥落していたが、それも回避してゲーム差は「2」に拡大。虎の先頭に立つ選手会長として、最多安打も盗塁王も、そして首位の座だって、絶対に譲らない。「毎試合勝たなければならない状況ですし、西(勇)さんに何とか勝ちをつけれるようにチーム一丸となって戦いたい」27日は100勝のかかるエースと乗り込む広島戦(マツダ)。絶好調のリードオフマンが、引き続きハンパない活躍で勝利へと導く。(原田遼太郎)

◆全国の虎党の皆さ~ん、本日の『大吉』オメデトウ!! 43日ぶりにマウンドに登場したガンケルが7勝目となる快投を演じ、13回目の首位陥落の危機をあっさり脱出しただけじゃなくて、追う巨人は最大の武器となるはずの菅野が4連敗。そして本日、わが阪神はウエスタン・リーグでリーグ記録の13連勝に並んだのだ!! しかも、あの藤浪が先発して7回5安打1失点、1四球の完ペキ投球!! 虎の大砲秘密兵器の江越も2ホームランやー!! よっしゃア!! 阪神の2軍は君らにこの先10年まかせたわー!! って...それじゃ駄目やろー!! 1軍でその力を見せたってーや! そんな虎党には『大吉』の日だけれど...ジジイだからあえて口やかましく言うのだ! 七回無死一、二塁でバントを決められない中野(結果タイムリーは関係なし!!)と、スリーバントの指示を出せないベンチ(今後のために失敗しても必要なのだ)!! 優勝を本気で狙っとんのかア!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
55383 0.591
(↑0.004)
-
(-)
47396
(+9)
352
(+3)
98
(+2)
85
(+1)
0.251
(-)
3.350
(↑0.02)
2
(-)
巨人
493611 0.576
(↓0.007)
2
(↓1)
47394
(+2)
357
(+11)
126
(+1)
52
(-)
0.250
(-)
3.510
(↓0.08)
3
(-)
ヤクルト
463410 0.575
(-)
2.5
(↓0.5)
53402
(-)
354
(-)
94
(-)
56
(-)
0.256
(-)
3.660
(-)
4
(-)
中日
364813 0.429
(-)
14.5
(↓0.5)
46277
(-)
319
(-)
52
(-)
50
(-)
0.237
(-)
3.190
(-)
5
(-)
DeNA
354912 0.417
(↓0.005)
15.5
(↓1)
47386
(+3)
448
(+9)
94
(+1)
21
(-)
0.260
(-)
4.450
(↓0.05)
6
(-)
広島
344910 0.410
(↑0.008)
16
(-)
50336
(+11)
393
(+2)
68
(+5)
45
(-)
0.257
(-)
3.890
(↑0.02)