阪神(★2対10☆)DeNA =リーグ戦20回戦(2021.08.25)・京セラドーム大阪=
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DeNA
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阪神
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勝利投手:大貫 晋一(4勝5敗0S)
敗戦投手:伊藤 将司(6勝6敗0S)

本塁打
【DeNA】牧 秀悟(14号・3回表3ラン)

  DAZN
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◆DeNAは2回表、大貫の適時打で2点を先制する。続く3回に牧の3ランで加点すると、4回には牧と伊藤光に連続適時打が飛び出すなど、終わってみれば13安打で10得点を挙げた。投げては、先発・大貫が6回2失点の好投で今季4勝目。敗れた阪神は、投手陣が崩壊した。なお、この試合でDeNA・牧がサイクル安打を達成した。

◆阪神のルーキー伊藤将司投手(25)は、今季のDeNA戦で4試合に登板して3勝、負けなし、防御率1・20の好相性。 阪神の新人が同一チームを相手にシーズン4勝すると、99年に広島戦で4勝した福原以来22年ぶり。

◆JoshinイメージCMキャラクターを務めるNMB48の渋谷凪咲(25)が、始球式を行った。 上新電機による「Joshinプレゼントナイター」として開催。渋谷は阪神マスコットキャラクターのラッキーと手をつないで、白地にピンクのハートが描かれたユニホーム姿で登場した。 この日25歳の誕生日を迎え、背番号は「25」。豪快に振りかぶると、勢いよくボールを投げ込んだ。惜しくもワンバウンド投球となったが、梅野のミットにしっかり収まった。 「自己採点は25点です。ノーバウンドでやりたかったのと。トルネードの形で投げたかったんですが、それもあんまりちゃんとできませんでした。あと私は今日で25歳になったのも含めて、全て含めて25点です」。 自身の誕生日にちなみ辛めの採点。トルネード投法は、YouTubeチャンネル「トクサンTV」のアニキから教わったという。「次の機会はノーバウンドで始球式をしたいなと思います」と早くもリベンジへ意気込んだ。 2日連続となる毎年恒例の女性向けイベント「TORACO DAY」も開催中で、渋谷もたくさんの拍手を受けていた。

◆7勝目を狙った阪神伊藤将司投手(25)が、自己最短の3回7安打5失点で降板となった。 初回を3者凡退で立ち上がるも、2回2死二、三塁から大和を申告敬遠した後、投手大貫にツーシームを捉えられ2点先制の右前適時打を許した。3回は先頭の蝦名を出塁させた後に2死一、三塁までこぎつけながら、牧に初球の140キロ直球を右中間スタンドへの3ランにされ、序盤で5点のビハインドを背負った。 直後に代打を送られ、64球でマウンドを降りた。前回18日DeNA戦(東京ドーム)では8回2失点で6勝目を挙げるなど、4戦3勝と好相性のカードだったが、この日は序盤につかまった。

◆DeNA牧秀悟内野手(23)が62年ぶりに球団新人記録を更新した。 2回に右越え二塁打、3回に右中間へ14号3ラン、4回に中前2点打を放ち、今季8度目の猛打賞。7度で並んでいた中大の先輩、59年桑田武を超えた。本塁打には「チャンスの場面だったので、初球から打ちにいこうと決めていました。宮崎さんがつないでくれたので、ランナーをかえすことができうれしいです」とコメントした。

◆DeNAが天敵の阪神伊藤将司を攻略した。今季4試合で3勝を献上している左腕に対し、右打者8人を並べた。2回に投手の大貫が2死満塁から右前適時打で2点を先制。3回には牧が右中間へ14号3ランを放ち、降板に追い込んだ。牧は「チャンスの場面だったので、初球から打ちにいこうと決めていました。宮崎さんがつないでくれたので、ランナーをかえすことができうれしい」と話した。

◆阪神ドラフト6位の中野拓夢内野手(25)が球団史上5人目の新人20盗塁を達成した。 試合前時点で近本光司外野手(26)、塩見泰隆外野手(28)に並ぶリーグ最多の18盗塁。1回裏無死から中前打を放つと、続く3番ジェリー・サンズ外野手(33)の5球目に二盗を成功させ、リーグ単独トップに躍り出た。 5点を追う3回無死二、三塁では三塁線を破るタイムリーを記録。なおも無死一、三塁から再び二盗を決め、捕手悪送球の間に三塁走者の近本が生還した。 阪神新人の20盗塁以上は48年後藤次男の27盗塁、53年吉田義男の22盗塁、01年赤星憲広の39盗塁、19年近本の36盗塁に次いで5人目。

◆DeNA牧秀悟内野手(23)が史上70人目、75度目のサイクル安打を達成した。 NPBでのサイクル安打達成は、19年4月9日DeNA戦の阪神梅野以来。

◆DeNA牧秀悟内野手(23)がプロ野球史上初の、新人でサイクル安打を記録した。 9回の先頭打者で岩貞祐太の2球目、スライダーを右翼線に運んだ。仲の良い右翼手の佐藤輝明からの返球が遅れる間に、三塁に悠々と到達。三塁塁上で右手を上げた。場内からアナウンスがあり、花束を受け取った。 2回に右越え二塁打、3回に右中間へ14号3ラン、4回に中前2点打を放ち、今季8度目の猛打賞を達成していた。こちらは7度で並んでいた中大の先輩、59年桑田武を超える62年ぶりに球団新人記録を更新していた。 第2打席の本塁打には「チャンスの場面だったので、初球から打ちにいこうと決めていました。宮崎さんがつないでくれたので、ランナーをかえすことができうれしいです」とコメントした。第3打席の2点適時打には「自分のミスで得点を与えてしまったので、とにかく後ろにつなぐ気持ちでいました。追い込まれていましたが、コンパクトなスイングで捉えることができました」と話していた。

◆DeNAは2点リードの3回2死一、三塁から牧の14号3ランで5-0とした。阪神は3回、中野の適時打などで2点を返した。 DeNAは3点リードの4回2死満塁から牧の中前適時打などで3点を追加した。阪神は4回から6回まで無安打無得点。 DeNAは9-2の9回無死三塁から伊藤光の右犠飛で10得点。大量リードで勝利した。大貫は4勝目。阪神伊藤将は6敗目。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が、4打数無安打3三振と振るわなかった。京セラドーム大阪では、球場別でワーストの打率1割4分3厘。8試合で28打数4安打0本塁打と苦しんでいる。 この日は守備でも悔しい場面も。9回先頭のDeNA牧の打球が右翼後方のライン際へ高く上がり、右翼手の佐藤輝が追いかけた先、フェアゾーンギリギリに着地した。その間に牧は三塁を陥れ、サイクル安打を達成。同じルーキーに、新人ではプロ野球史上初の快挙を「目の前」で見せられた。

◆阪神が屈辱の記録も献上し、完敗で首位陥落の危機を迎えた。 先発のドラフト2位伊藤将司投手(25)が誤算。試合前時点でDeNA戦は4戦3勝、防御率1・20と得意にしていたが、3回5失点で6敗目(6勝)を喫した。 2回には申告敬遠直後の2死満塁で9番の大貫晋一投手(27)に痛恨の先制2点打を献上。矢野燿大監督(52)は「そりゃ痛いわな。一番確率の高いところで」と嘆くしかなかった。 投手陣は10失点と苦しみ、牧秀悟内野手(23)にプロ野球新人初のサイクル安打まで許した。 打線はドラフト6位の中野拓夢内野手(25)がタイムリーを含む2安打2盗塁と奮闘。球団史上5人目の新人20盗塁を達成してリーグ単独トップに躍り出たが、主軸に元気がなく2得点にとどまった。 指揮官は主軸について「チャンスで回るからね。毎日毎日打てるわけじゃないけど、そういうところが打ってくれないと、チームのムードが一気に上がって活気づいてというところにはつながりにくい」とさらなる奮起を期待した。 2位巨人とのゲーム差が1、3位ヤクルトとのゲーム差が2に縮まり、26日DeNA戦の結果次第で首位陥落の可能性が出てきた。

◆DeNA大貫晋一投手が投打に活躍し4勝目を挙げた。 打撃では2回2死満塁から先制の2点適時打。投げては6回3安打2失点でまとめた。7回途中1失点だった先週に続いて阪神戦の登板。「前回登板の時は打球が上がることが多かったので、低めを意識して投げることができました。初回は慎重なり過ぎてしまいましたが、イニングを追うごとに大胆かつ慎重に投げられたと思います」と振り返った。

◆阪神小川一平投手が連日の好リリーフを見せた。 5回に3番手で登板し、3回を無安打無失点、3三振を奪った。出した走者は5回に四球を与えた蝦名のみ。 「しっかり投げ切ることができましたし、0点で抑えることができてよかったです」。今季初登板だった前日24日も1回1安打無失点。2軍では先発も経験し「変化球でカウントが取れるようになりましたし、精度、ボールの強さがついてきたのは先発で投げ込んできた成果だと思う」と胸を張った。

◆7勝目を狙った阪神伊藤将司投手が、自己最短3回7安打5失点で6敗目を喫した。「抑えなければいけないところを粘り切れず早々にマウンドを降りてしまい、チームに申し訳ないです」。 DeNAには4戦3勝、防御率1・20とお得意さまにしていた。前回18日(東京ドーム)の対戦では8回2失点で6勝目。1週間後は序盤に打ち込まれ悔しいマウンドとなった。牧に二塁打と3ランなど長打も重なり「全体的にボールが高くなってしまいました」と反省しきりだった。

◆阪神近本光司外野手が中野に負けじと19盗塁目を決めた。 3回無死一塁で右前打を放つと、続く中野の2球目で二盗に成功して二、三塁と好機を広げた。中野の左前適時打で三塁まで進み、捕手伊藤光が二塁へ悪送球した間に2点目のホームを踏んだ。前日24日に「この勝ちを明日以降につなげるためにもまたいい準備をしていきたい」と話したリードオフマンは、中野とリーグトップを争いながら快足の1、2番として相手にプレッシャーをかけている。

◆阪神が大敗で、再び首位陥落の危機に直面した。 DeNAに無傷の3連勝だった伊藤将が3回5失点KOと誤算。相手の牧に史上初の新人サイクル安打を許した。連勝は2で止まり、2位巨人とのゲーム差は再び1に縮まった。26日の結果次第では4月4日から守る首位の座が危うくなる。 ▼阪神は26日にも首位から陥落する。条件は阪神●で巨人○または△、阪神△なら巨人○。今季これまで12試合連続で転落の危機を免れてきたが、今回もしのげるか。

◆阪神がDeNAに大差で敗れ、連勝は2でストップした。試合前まで対DeNA4戦3勝、防御率1・20と好相性だった先発伊藤将司投手(25)が自己最短3回で5失点KOされ6敗目となった。矢野燿大監督(52)の試合後の一問一答は以下の通り。 ? -伊藤将は2回に投手大貫に2点先制適時打を許したところが痛かった そら痛いわな。一番(アウトが取れる)確率の高いところでね、0割5分何厘っていうピッチャーでね、普通にやって打たれるわけないんだから。まあそれも野球なんだけど。まああそこで踏ん張る、踏ん張らない、まあその次もそうだけど、あそこが前回はよく粘ったと思うんだけど、そういうところで粘れないっていうのがこういう試合になっちゃったよね。 -粘れなかった要因は よくないとはあんまり思わなかったけどね。 -中野が足でかき回した そうやね。だから3、4、5が、ジェリー(サンズ)が最後に1本かな。そういうところがビッグイニングにならないんで。そこらへんが打たないと、こういう試合になっちゃう。ホント、紙一重というか、あそこらへんでババッといければね、相手もすごく嫌な感じになったと思うから。 -中軸が乗ってこないと 乗ってこないとというか、そこにチャンスがまわるからね。まあ、そういうところでは、毎日、毎日打てるわけじゃないけど、そういうところは打ってくれないと、チームとしてムードが一気に上がって、活気づいてというところにはつながりにくいので。まあ、チャンスメークっていうところはね、チカ(近本)も状態まあいっているし、まあ今日も拓夢(中野)がつないだっていうところでは、やっぱり中心がというのが現状課題の部分もあるかなと思うけど。 -クリーンアップをいじるというよりはみんな状態を上げていく それは、いつもそういうことは考えながらやっている。

◆DeNA牧秀悟内野手(23)が長いプロ野球の歴史で初となる、新人でのサイクル安打を記録した。 阪神20回戦の9回、右翼線へ三塁打を放って達成した。6番二塁で2試合ぶりにスタメン出場すると、2回に右越え二塁打、3回に14号3ラン、4回に中前打を放っていた。この時点で新人の球団記録を62年ぶりに更新する8度目の猛打賞をマークしていたが、さらなる金字塔を打ち立てた。牧はサイクルを狙っていた。「三塁打が出ればサイクルとチームメートから言われていたので」。9回先頭、岩貞の2球目のスライダーを右翼線に打ち上げた。「打った瞬間はファウルかアウトかと思っていた。回っている時にこれ行けるんじゃないかと思った」。ポトリと落ちた打球に全力疾走。仲の良い阪神佐藤輝が処理しようとする打球は、フェンス際へ転がった。三塁へ到達すると、ベンチに向かって右手を掲げた。 場内アナウンスでサイクル達成が告げられると、阪神ファンも含めて、球場全体から拍手が送られた。「長いプロ野球の歴史でこういう名誉なことができて、うれしいです。自分以上にベンチの方が喜んでくれて、うれしく思います」。守備に就く際、再び拍手を浴びると「ありがたいなあ」と実感した。 右方向への打球を調子のバロメーターにしている。第1打席に右越え二塁打、第2打席は右中間本塁打。「今日は特に京セラの広い球場で右中間にホームランが打てて、1打席も逆方向に打てて理想とした打撃ができて良かった」。柴田がけがから復帰し、後半戦はスタメンから外れる機会も増えた。「スタメンじゃない時も準備ができているのか結果につながっている。相手の投手(の分析)、自分の調整ができている」。左投手を相手にする際の基本、逆方向への打球を強く意識したことが、快挙につながった。 記録を次々に塗り替える。1試合5打点は59年8月6日麻生に並ぶ、新人の球団最多記録。20二塁打も同じく59年桑田武に並んだ。チームは下位に低迷しているが、新人にとってはモチベーションが高いままだ。この日も、今季3勝を献上している伊藤将から打てたことが、何よりうれしかった。「チームとしても個人としても伊藤さんを打てないことが続いていた。前回負けた投手から打てたことは良かった。次につながる」。大きな目で、しっかり次を見据えた。【斎藤直樹】 ▽DeNA三浦監督(牧のサイクルに)「すごいですね。新人で初ですか。打席で集中力があって、しっかり走っていたからこそ。あれだけ(逆方向へ)飛距離が出るのが牧の持ち味」 ○...牧の最後の三塁打は、同じルーキー阪神佐藤輝が守る右翼へ飛んだ。7月20日にはお互いの寮をネットで結んでインスタライブという公開トークショーを行った仲。この日の試合直前にも、二塁後方で5メートルほどの距離をとりながら話していた。牧は新人王を争う佐藤輝に負けるところを「足の速さ」と認めていたが、全力疾走することで快挙につなげた。 ▼ルーキー牧が19年4月9日梅野(阪神)以来、プロ野球70人、75度目のサイクル安打を達成。新人での達成はプロ野球史上初となった。DeNAでは18年桑原以来8人、10度目で、10度達成した球団はDeNAが初めて。ちなみに、19年に新人だった近本(阪神)が、オールスターでサイクル安打を達成している。 ▼牧は4安打5打点。新人の1試合5打点は今年の佐藤輝(阪神)も記録しているが、DeNAでは大洋時代の59年8月6日国鉄戦の麻生以来62年ぶりの球団最多タイ。また、4安打は6月1日ソフトバンク戦に次いで自身2度目。4安打を2度記録した新人は球団では牧が初めてとなった。

◆阪神ドラフト6位ルーキーの中野拓夢内野手(25)が球団史上5人目の新人20盗塁を達成した。1回1死、2ストライクからDeNA大貫の内低めスライダーを中前へ。続く3番サンズの打席で二盗を決めた。5点を追う3回無死二、三塁では外高め147キロに合わせ、三塁線を破る適時打。なおも無死一、三塁から再び二盗を成功させ、捕手の悪送球も誘って三塁走者近本のホーム生還をアシストした。 完敗の中、2安打から今季自身3度目の1試合2盗塁と奮闘。「負けてしまったことは非常に悔しいですが、盗塁をするにはまず塁に出ないといけないですし、後ろにつなぐこと、次の塁を狙うことが自分の役割。数字というよりは1日1日、自分のやるべきことを積み重ねることができている」と静かに振り返った。 試合前時点では近本、ヤクルト塩見に並んでリーグ最多の18盗塁。この日の2盗塁でリーグ単独トップに躍り出た。目標に掲げる30盗塁まで残り10個。「まずはチームが勝つことが1番。勝ちに貢献するために30盗塁も狙っていけたら」と力を込めた。 スイングの軌道に工夫を加え、5試合連続安打、2試合連続マルチ安打と打撃の状態も上昇中。1年目での盗塁王がいよいよ現実味を帯びてきている。それでも本人は至って冷静。「意識していないと言うとウソになりますが、チームのために頑張った結果、盗塁王を取れたとなればいいと思います」。レギュラー格の1人として、日々勝利を追求する。【佐井陽介】 ▼中野が20盗塁に到達。阪神の新人としては、19年近本36盗塁以来、2年ぶり5人目。中野は盗塁死が1度だけで、成功率9割5分2厘を誇る。なお新人の盗塁王は46年河西俊雄(グレートリング)39個、01年赤星憲広(阪神)39個、19年近本光司(阪神)36個の3人。中野が4人目を目指す。

◆DeNA牧秀悟内野手(23)がプロ野球史上初の、新人でサイクル安打を記録した。 ? この日の4安打すべてが中堅から右方向と、広角打法が持ち味の牧だが、試合前から広い視野を鍛えている。ほぼ毎試合行うルーティンが、永池恭男内野守備走塁コーチと行う練習。2人は正対。2つのボールを同時に上げて、両手で1つずつをキャッチする。まるでサーカスのジャグリングのような練習は、宜野湾キャンプの終盤から始めた。同コーチは「目の訓練になるので」と効果を語る。 下半身強化も並行している。腰を落とした体勢で、体の両側に振られたボールをバックハンドで捕球する。きつい練習だが、68センチもある太ももを震わせながら耐えている。7月は腰痛もあり月間打率1割9分4厘と調子を落としたが、8月は同5割2分6厘と復調。目と体を鍛え、夏場に調子を上げてきた。将来の目標は侍ジャパン入り。東京五輪で大学代表で同僚だった広島森下らに刺激を受けた。今は土台をつくっている。【DeNA担当=斎藤直樹】

◆阪神が大敗で、再び首位陥落の危機に直面した。DeNAに無傷の3連勝だった伊藤将が3回5失点KOと誤算。打線も4安打で2得点と反発力に欠け、3回途中から8回までは18人連続凡退とさっぱり。おまけに相手の牧に史上初の新人サイクル安打を許した。連勝は2で止まり、2位巨人とのゲーム差は再び1に縮まった。26日の結果次第では4月4日から守る首位の座が危うくなる。上位3チームで阪神だけ黒星となる痛い1敗となった。「そういうところで粘れないのが、こういう試合になっちゃうよね」。矢野監督は一番の敗因に投手大貫に許した先制2点適時打を挙げた。2回2死満塁。8番大和を申告敬遠し、今季この打席まで19打数1安打、打率5分3厘だった大貫と勝負。しかし伊藤将は粘られた末、6球目ツーシームを一、二塁間へもっていかれた。指揮官は「そら痛いわな。一番(アウトに取る)確率が高いところで。普通にやって打たれるわけないんだから」と深く嘆いた。伊藤将は続く3回、牧に14号3ランを浴び自己最短3回で5失点KO。今季DeNAに好相性だったが、打ち込まれた。 それでも3回、伊藤将の代打北條の四球から近本、中野の連打、相手のミスなどで2点を返し3点差。さらに無死二塁でスタンドも盛り上がったが、サンズ、大山はともに直球を見逃し三振。佐藤輝も二ゴロと主軸が凡退した。「紙一重というか、あそこでババッといければ相手もすごく嫌な感じになった。そういうところで打ってくれないとチームとしてムードが一気に上がって活気づくことにはつながりにくい」。これで大貫にはサンズが11打数2安打、大山が11打数無安打、佐藤輝も9打数1安打と苦手ぶりを深めたが、3回はここぞの場面だっただけにつなげてほしかったはずだ。 現在のブルペン陣にはビハインドの展開で打線の反撃を粘り強く待てるロングリリーフがいない。2番手斎藤が4回に登板したが、43球を費やし3失点と反攻ムードを薄めてしまい、ルーキー牧にはサイクル安打と大暴れを許した。サイクルを決められた9回の三塁打は右翼線にポトリと落ちる当たり。右翼の佐藤輝がファウルと判断したのか、打球をゆっくり追って結果的に三塁打をアシストする格好となってしまった。 これまで12度首位陥落の危機を免れ、守り続けてきた。3位ヤクルトも接近してきているだけに、厳しい戦いは続く。26日は前半戦6勝1敗のガンケルが後半戦初先発。しっかりと白星をつかむ。【石橋隆雄】

◆DeNA牧秀悟内野手(23)が25日、長いプロ野球の歴史で初となる新人でサイクル安打を記録した。 ヒーローインタビューは以下の通り。 -サイクル安打達成。今の気持ちは まずはチームが勝ってうれしいですし、個人としてもこういう名誉なことができて、すごくいい試合だったと思います。ありがとうございます。 -三塁打でサイクルと把握していたか 知っていてチームメートの方々から「こういうことはあまりないから狙っていけ」と言われていた。結果は三塁打になってすごくよかったなと思います。 -三塁打を狙っていた ヒットを打つことをまず狙っていた。結果、三塁打になればいいなと思っていた。あまりいいヒットではなかったですが、記録としては残ったのでよかった。 -打った瞬間に三塁へと思った フラフラッと上がったので、もしかしたらアウトになるかなと思ったが、全力疾走でいって三塁打になってよかった -三塁塁上では、どんな気持ちだった すごいうれしかったですし、ベンチも球場全体も阪神ファンの方も拍手してくれたので、気持ちがたかぶった。 -ビジター球場だが阪神ファンも拍手を送っていたが 守備に就くときにいつもベイスターズの方が拍手してくれるのですが、球場全体から拍手してもらったので、すごいありがたいなあと思いました。 -ルーキーで初のサイクルとなった こうして記録が残せたのはよかった。 -その他の打席も内容が濃かった。3回は貴重な追加点となる3ランだったが ピッチャーのヌキさん(大貫晋一)がすごく頑張っていて、追加点がほしい場面だったので初球から思い切っていった。結果になってよかった。 -五輪明けは状態がいいが 後半も残り少ない中で、チームも最下位にいたので、ここから上げていこうと思い、使ってくれる時は思い切って結果を残そうという気持ち中で結果が出ている。 -明日の意気込みを 明日もこういう勝ち方はもしかしたらできないかもしれないですけど、相手でも1点でも多く取って、勝ち越せるように頑張りたい。

◆阪神・中野拓夢内野手(25)が自慢の足で魅せた。この日も「2番・遊撃」で先発出場すると、一回にいきなり中前打で出塁。続くサンズの打席、その5球目だった。スタートを切ると、二塁へ。今季19盗塁目をマークし、並んでいた近本、塩見(ヤクルト)を上回り、セ・リーグ単独トップに躍り出た。

◆阪神・伊藤将司投手(25)が先発したが、序盤からDeNA打線につかまった。二回、1死から宮崎、牧に連打を浴び二、三塁のピンチ。伊藤光を遊ゴロに打ち取り、2死としたところでベンチは大和を申告敬遠で満塁とした。しかし、DeNAの先発・大貫に痛恨の2点右前打を浴び先制を許した。 三回は2死一塁から再び宮崎の中前打で一、三塁とされると、牧に3ランを浴び序盤で5失点。DeNAには試合前まで4試合に登板し、3勝負けなし、対戦防御率1・20を誇った得意の相手だったが、ついに攻略された。伊藤将は直後の打席で代打を送られ、プロ入り後最短の3回7安打5失点で降板した。

◆阪神・中野拓夢内野手(25)が、反撃ののろしを上げた。0-5の三回無死二、三塁。大貫の147キロの速球を逆方向へはじき返した。打球は三塁線を抜ける適時打。続くサンズの打席でスタートを切り、この日、2個目の盗塁をマーク。これが伊藤光の悪送球を誘い、三走・近本が生還した。 3回、二盗を決めた阪神・中野=大阪市・京セラドーム大阪(撮影・林俊志) 中野は今季20盗塁とし、直前に並ばれていた近本を再び上回り、セ・リーグ単独トップに躍り出た。

◆DeNAの牧が14号3ランを放った。2―0の三回2死一、三塁で伊藤将の初球の速球を強振。完璧に捉えた打球は右中間への本塁打となり「チャンスの場面だったので初球から打ちにいこうと決めていた。走者をかえすことができてうれしい」と胸を張った。 伊藤将に対し、チームは過去4試合、計30イニングで4点しか奪えず、3勝を献上していた。ドラフト2位新人同士の対決で手痛い一発を浴びせてこの回限りでの降板に追いやり、天敵攻略に成功した。 四回2死満塁でも2番手の斎藤から中前へ2点適時打で初の1試合5打点以上をマーク。即戦力としての期待通りの働きを見せるルーキーは、「打つべき球を打てている」と後半戦に入っても好調をキープして快打を重ねている。

◆阪神の先発・伊藤将司投手(25)が序盤からDeNA打線につかまった。 「全体的にボールが高くなってしまった。抑えなければいけないところを粘り切れず、早々にマウンドを降りてしまい、チームに申し訳ないです」 二回、1死から宮崎、牧に連打を浴び二、三塁のピンチ。伊藤光を遊ゴロに打ち取り、2死としたところでベンチは大和を申告敬遠で満塁とした。しかし、DeNAの先発・大貫に痛恨の2点右前打を浴び先制を許した。 三回は2死一塁から再び宮崎の中前打で一、三塁とされると、牧に3ランを浴び序盤で5失点。DeNAには試合前まで4試合で3勝負けなし、対戦防御率1・20を誇った得意の相手だったが、ついに攻略された。伊藤将は直後の打席で代打を送られ、プロ入り後最短の3回7安打5失点で降板した。

◆DeNAのドラフト2位・牧秀悟内野手(23)がサイクル安打を達成した。新人選手がレギュラーシーズンでサイクル安打を達成したのはプロ野球史上初の快挙。試合はDeNAが打ち勝った。 九回、先頭で打席に入ると、右翼線三塁打を放った。牧がプロ野球史に名を刻んだ。豪快なアーチをたたき込んだのは2―0の三回。2死一、三塁から、右中間最深部へと飛び込む3ラン。1年目で14本目のアーチは、球団新人単独3位に躍り出るメモリアルな一発となった。 「チャンスの場面だったので、初球から打ちにいこうと決めていた。(5番の)宮崎さんがつないでくれたので、ランナーをかえすことができてうれしい」 試合前の時点では今季、対戦打率・182(11打数2安打)と苦しめられていた阪神先発の伊藤将に対し、二回の第1打席では大学日本代表のチームメートでもある右翼手・佐藤輝の頭上を越えるフェンス直撃の二塁打。そして第2打席はそのさらに上をいく、3ランをスタンドへ運んだ。 見せ場は続いた。四回2死満塁で迎えた第3打席では、代わった斎藤から中前2点打。球団新人記録を更新する8度目の猛打賞をマークした。 スタメンに右打者を8人並べたオーダーで挑んだ一戦。6番に座った右の強打者・牧が5打点をマークし、チームに勢いをもたらした。

◆阪神はDeNAに敗れ、連勝は2で止まった。先発の伊藤将は二回2死満塁から、相手先発の大貫に2点打。さらに三回は牧に3ランを浴び、自己最短の3回7安打5失点で降板した。さらに2番手・斎藤も1回3失点とDeNA打線を止めることができなかった。 打線は大貫の前にわずか3安打。2番手以降も打ち崩せず、2得点で完敗した。2位巨人が勝ったため、ゲーム差は1に縮まった。DeNAの牧がサイクル安打を記録し、新人としてレギュラーシーズンではプロ野球史上初の快挙となった。

◆阪神の先発・伊藤将司投手(25)がプロ最短の3回7安打5失点で降板し、DeNAに完敗した。2位巨人と1差となった矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ーー伊藤将は投手に先制打を許したところが痛かった(二回の2点打) 「いや、そら痛いわな。一番確率の高いところでね、0割5分何厘っていうピッチャーでね、普通にやって打たれるわけないんだから。それも野球なんだけど。そこで踏ん張る踏ん張らない、その次もそうだけど、あそこが前回はよく粘ったと思うんだけど、そういうところで粘れないのがこういう試合になっちゃったよね」 ーー粘れなかった要因は 「よくないとはあんまり思わなかったけどね、うん」 ーーボールそのものよりも組み立て? 「結果論にもなっちゃうから。後から言えばそういうのもなくはないだろうけど。気を抜いたというのはないとは思うんだけど」 ーー中野が足でかき回した 「そうやね。だから3、4、5が、ジェリーが最後に1本かな。そういうところがビッグイニングにならないんで。そこらへんが打たないと、こういう試合になっちゃう。ホント、紙一重というか、あそこらへんでババッといければね、相手もすごく嫌な感じになったと思うから」 ーー中軸が乗ってこないと 「乗ってこないと、というか、そこにチャンスがまわるからね。毎日、毎日打てるわけじゃないけど、そういうところは打ってくれないと、チームとして、こう、なんて言うのかな、ムードが一気に上がって、活気づいてというところにはつながりにくいので。チャンスメイクっていうところはね、チカも状態まあいっているし、まあ今日も拓夢がつないだところでは、やっぱり中心がというのが現状課題の部分もあるかなと思うけど」 ーークリーンアップをいじるというよりは、みんな状態を上げていく 「それは、いつもそういうことは考えながらやっているけど」

◆DeNAの大貫が6回2失点の好投で4勝目をつかんだ。一回に2死一、三塁のピンチを招いたが、佐藤輝を外角いっぱいの直球で見逃し三振に仕留めた。直後の攻撃で自ら先制の2点適時打を放つと、味方の大量援護も得て淡々とアウトを重ね「イニングを追うごとに大胆かつ慎重に投げられた」と振り返った。 前回登板の18日も伊藤将と投げ合って敗れていたが、リベンジに成功。三浦監督は「しっかり試合をつくり、腕も振れていた」と高く評価した。

◆2-8の五回から登板した阪神・小川が3回を投げて無安打無失点、1四球と好投した。「0点で抑えることができてよかった」。最速152キロの直球に加えて「変化球でカウントが取れるようになった」。今季初登板だった前日24日のDeNA戦は1回無失点。ルーキーだった昨季は救援で21試合に登板した24歳右腕は「前半戦は(1軍で)まったく投げることができなかった。後半は、しっかり貢献できるように頑張りたい」と力を込めた。

◆先発した阪神・伊藤将はプロ最短となる3回7安打5失点で降板し、今季6敗目(6勝)。4戦3勝と相性抜群だったDeNAに初黒星を喫した。二回2死二、三塁で大和を申告敬遠した後、投手の大貫に先制の右前2点打。三回2死一、三塁から牧に右中間席に3ランを被弾した。ルーキー左腕は「全体的にボールが高くなってしまった。抑えなければいけないところで粘り切れず、早々とマウンドを降りてしまい、チームに申し訳ないです」とうなだれた。

◆抜群のスタートを切り、勢いよく二塁へ滑り込んだ。阪神・中野が今季3度目の1試合2盗塁を決めて、20盗塁の大台に到達。リーグ単独トップに立ち、史上初の快挙も視野に入ってきた。 「(盗塁王は)意識していないと言うと?になりますが、チームのために頑張った結果が『盗塁王を取れた』になればいいと思います」 一回1死で中前打を放つと、すかさず走って今季19個目。さらに、0―5の三回無死一、三塁で迎えた打席では、目の前で近本も19個目の盗塁に成功。好機が拡大すると、中野はカウント2―2から大貫の147キロ直球を捉え、三塁線を抜ける適時打を放った。続くサンズの3球目で二盗を決め、一時並んだ近本をすぐに抜いてリーグ単独トップとなる20盗塁。2得点に終わったが、ルーキーのバットと足が得点に結びついた。 中野は一回には二盗に成功し、19盗塁目をマークした 「後ろにつなぐことが自分の役割ですし、次の塁を狙うことも役割なので、数字というよりは一日一日、自分のやるべきことを積み重ねることができている」 このまま新人で盗塁王を獲得すれば、2リーグ分立以降では2001年の赤星憲広(阪神)、19年の近本に続いて3人目。内野手では初めての快挙となる。守備の負担が大きい遊撃を守りながらのタイトルには価値がある。 22日の中日戦(バンテリンドーム)から打撃不振の糸原に代わって2番に座っている。後半戦の出だしはつまずいたが、バットの角度や出し方を工夫。5試合連続安打&2戦連続の複数安打と打撃の状態も上がってきた。 「30盗塁というのは目標に掲げていますが、まずはチームが勝つことが一番なので、チームの勝ちに貢献するために30盗塁も狙っていけたら」 目標に掲げていた数字まであと「10」。その先にあるタイトル、そして16年ぶりのリーグ優勝に向けて、走り続ける。(菊地峻太朗)

◆球史にその名を刻んだ!! DeNAのドラフト2位・牧秀悟内野手(23)=中大=が25日、阪神20回戦(京セラ)でプロ野球史上75度目(70人)のサイクル安打を達成。新人では初の快挙となった。4安打5打点の大暴れで、後半戦の打率は5割超。ハマの黄金ルーキーが、5位からの逆襲を目指すチームの希望の光となる。 2回、2塁打を放つDeNAの牧秀悟=京セラドーム大阪(撮影・松永渉平) 史上初の快挙へ、さっそうとダイヤモンドを駆けた。サイクル安打に三塁打を残して迎えた九回の第5打席。「狙っていた」という牧が放った飛球は右翼線ギリギリで弾む。佐藤輝が処理しようとする打球はフェンス際へ転がった。「行け~!!」。大盛り上がりのベンチの前で三塁に達し、グッと拳を握った。 「打った瞬間はファウルかアウトかと思ったけど、回っているときに行けるなと。自分以上に、ベンチにいた方々が喜んでくれてうれしかった。長いプロ野球の歴史の中で、名誉あることでうれしい」 メモリアルな一日だった。二回に右翼フェンス直撃の一打で、球団新人タイ記録の20二塁打をマーク。三回は球団の新人で単独3位となる右越え14号3ランを放った。さらに四回の2点中前打で、球団の新人記録を62年ぶりに更新する8度目の猛打賞(1試合3安打以上)。そして九回に歴史的な一打を放つと、京セラドーム大阪の虎党からも大きな拍手を受けた。 3回DeNA2死一、三塁、牧が右中間に3ランを放つ=京セラドーム 長野・松本第一高から中大を経てドラフト2位で入団した今季は球団史上初めて、新人が一塁手での開幕スタメンを勝ち取り、シーズン序盤から打ちまくった。腰の張りで前半戦終盤に調子を落とし、スタメンを外れる機会も増えたが「その分、1打席の準備、集中力が今の結果につながっている」。後半戦は打率・526(19打数10安打)、2本塁打、9打点と再び右肩上がり。佐藤輝、広島・栗林らとハイレベルな新人王争いを展開している。 プロの世界で奮闘を続ける牧は2月の春季キャンプから大和、宮崎、佐野ら先輩のサポートに感謝している。2017年に首位打者に輝いた宮崎からは「その日に駄目でも、次にどうするかという気持ち」「成績を頭に入れながらプレーすること」など精神面で〝金言〟を授かり、好成績につなげている。コロナ禍による外出自粛が続く中、リフレッシュのお供はゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」。佐野、三嶋らチームの〝スイッチ愛好家〟の仲間入り。東京五輪開催のためハマスタが使えずに遠征続きだった日々のストレス緩和になった。記念球は「家に送りたい」。プロ初安打、初本塁打など増えていくボールは、まだ一つも実家には送っていない。日々進化し、次々とベイスターズの歴史を塗り替える孝行息子は激動の一年を駆け抜けた後、両手には抱えきれないほどの白球を手土産に、故郷の長野へと帰ることだろう。(浜浦日向)★その時牧の中大時代の恩師、清水達也監督(57)は埼玉・熊谷市の自宅で快挙を知り『すごいな』とメールで祝福。後半戦は代打出場が多かったが「試合に出ればやれるんじゃないかと思った」。4月には球団通算8000号を放っており「何か持っているんでしょう」と喜んだ。大学時代は、逆方向へ本塁打を打てるようになった3年春の打撃が印象深いという。「OBで、プロで同期になった牧と五十幡(亮汰、日本ハム)、伊藤(優輔、巨人)が寄付してくれるというので(野球)部の車が新しくなりそう。縁起がいい記録ですね」と声を弾ませた。

◆阪神はDeNAに2-10で大敗し、連勝は2で止まった。矢野燿大監督(52)は3点差に詰め寄った三回の反撃チャンスで、3者連続凡退に終わった3番・サンズ、4番・大山、5番・佐藤輝のクリーンアップに喝。勝負どころで得点が奪えなかったことに「あそこらへんでババッといければ」と嘆いた。2位・巨人と1ゲーム差。虎が13度目の首位陥落ピンチを迎えた。打つべき男たちが打たずに、打ち合いに持ち込むことなどできない。たしかに序盤の大差は痛恨だった。だが、矢野監督が何より口惜しがったのは、反撃ムードをそろってしぼませた3人だった。勢いに乗るイメージも、2位を引き離す未来も、中軸がこのままでは一向に思い描けない。 「3、4、5(番)が、そういうところが(打たないと)ビッグイニングにならないんで。そこらへんが打たないと、こういう試合になっちゃう」 この大敗の責めは、サンズ、大山、佐藤輝にも負ってもらわなくてはならない。終わってみれば今季4度目、6月5日のソフトバンク戦(甲子園)での10失点以来の2桁失点ゲームとなった。食い止められるとしたらこの3人だったが、そろいもそろって沈黙した。 「ホント、紙一重というか、あそこらへんでババッといければね、相手もすごく嫌な感じになったと思うから」指揮官がそう悔やんだのは、0-5とされた直後の三回だ。伊藤将をスパッとあきらめ、先頭で代打・北條を送り出すと、そこから近本、中野がつながり足も絡めて反撃を開始した。2-5となり、なおも無死二塁で打席には3番・サンズ。しかし、頼みの助っ人砲がここで見逃し三振。続く4番の大山も、あろうことか3球で見逃し三振に終わった。こうなれば佐藤輝でも打開は難しく、二ゴロで攻撃終了。下位からの攻撃を、クリーンアップで「ババッと」どころかブチッと断ち切った。四回以降は大貫とDeNAリリーフ陣の前に安打すら出せず。九回のサンズの左翼線二塁打まで18人連続アウト。今季ワースト15三振を喫し、とてもVを目指すチームとは思えない、ドス黒い黒星を喫した。2位巨人が4番・岡本和の決勝弾で競り勝ったのとはあまりにも対照的で、26日は今季13度目の首位陥落危機を迎える。3人そろって、ここ5試合の落ち込みが激し過ぎる。サンズが打率・176(17打数3安打)0本塁打、3打点ならば、大山は同・105(19打数2安打)1本塁打、2打点。佐藤輝に至っては同・056(18打数1安打)、0打点で、3人合わせて打率・111(54打数6安打)という中軸の惨状だ。佐藤輝は九回の右翼守備でライン際の飛球を追い切れず、DeNA・牧の三塁打を〝アシスト〟して目の前で史上初の新人サイクル安打を達成されてしまうなど、いいところナシに終わった。エンジン部分がここまでストップし、歯車がかみ合わなければ、チームも走れるわけがない。矢野監督も「そこにチャンスが回るからね。毎日毎日打てるわけじゃないけど、そういうところは打ってくれないと。チームとして、ムードが一気に上がって、活気づいてというところにはつながりにくい」ともどかしさを隠せない。ついに2位に転落するのか、また踏みとどまれるのか-。中核を担う男たちの意地を見たい。(長友孝輔)

◆悔し~い! わが阪神はDeNAに2-10のボロ雑布のような負け...。 二回、伊藤将が満塁から投手の大貫に先制のタイムリーを許すとか...。三回に2点を取り、「さあゲームはここからやー!!」と気合を入れた途端に四回、斎藤が3点を奪われるとか...。四回から八回まで打線が三者凡退を繰り返すとか...。腹ワタが煮えくりかえったわー!! しかも、牧にプロ野球史上初の新人サイクルヒットを献上する気前の良さはいらんやろー!! いや、待て待て...。この牧のサイクルが案外猛虎36年ぶりの日本一の聖火を点灯させたのでは? 阪神の怪物ルーキー佐藤輝は現在23アーチ。一方、牧は本日14アーチ、打点は佐藤輝59点、牧47点と確かに佐藤輝の方がリードしている。けど、打率は牧の方が上だし、それにまだ50試合近く残っているとなると牧の追い上げ次第で、ほぼ当確の新人王も分からんでェ? さあ、それに危機感を覚えた佐藤輝が再び猛打爆発で、わが阪神快進撃で見事V!! そー考えれば、「本日の牧のサイクルありがとう!!」とあえて言っておくのだ。

◆本当の戦いは9月の巨人、ヤクルトとの直接対決。その前提として、8月の16試合を10勝6敗で乗り切ることが優勝への条件に挙げていたが、この完敗で5敗目。チーム状態は思わしくない。 特に気になるのはクリーンアップ&6番打者だ。4人の誰かにチャンスで一発が飛び出せば、全く分からない試合だったが、肝心な場面では4人そろって沈黙してしまった。2点を返して無死二塁だった三回はクリーンアップが三振、三振、二ゴロでは話にならない。 打線全体をみても、DeNA投手陣に15三振。いくらなんでも多すぎる。淡泊というか、粘りが感じられない。 ありきたりだが、しつこい打撃が必要。チーム全体でファウルで粘るなど、相手が嫌がる打撃をしていくしかない。 マルテを昇格させることが一番の特効薬だろうが、おそらく合流は27日の広島戦からではないか。交代要員は非常に難しい。この試合だけで判断するなら、サンズよりロハスのほうが状態は良くない。ギリギリまで待っての矢野監督の判断になるだろう。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
54383 0.587
(↓0.006)
-
(-)
48387
(+2)
349
(+10)
96
(-)
84
(+3)
0.251
(↓0.001)
3.370
(↓0.08)
2
(-)
巨人
493511 0.583
(↑0.005)
1
(↑1)
48392
(+5)
346
(+3)
125
(+1)
52
(-)
0.250
(-)
3.430
(-)
3
(-)
ヤクルト
463410 0.575
(-)
2
(↑0.5)
53402
(+3)
354
(+3)
94
(-)
56
(+1)
0.256
(↓0.001)
3.660
(↑0.02)
4
(-)
中日
364813 0.429
(-)
14
(↑0.5)
46277
(+3)
319
(+3)
52
(-)
50
(-)
0.237
(-)
3.190
(↑0.01)
5
(-)
DeNA
354812 0.422
(↑0.007)
14.5
(↑1)
48383
(+10)
439
(+2)
93
(+1)
21
(-)
0.260
(↑0.001
4.400
(↑0.04)
6
(-)
広島
334910 0.402
(↓0.005)
16
(-)
51325
(+3)
391
(+5)
63
(-)
45
(-)
0.257
(-)
3.910
(↓0.02)