広島(★3対8☆)ヤクルト =リーグ戦14回戦(2021.08.21)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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ヤクルト
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広島
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勝利投手:サイスニード(2勝1敗0S)
敗戦投手:大道 温貴(4勝4敗0S)

本塁打
【ヤクルト】サンタナ(8号・4回表2ラン)

  DAZN
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◆ヤクルトは1-2で迎えた4回表、サンタナの2ランで逆転に成功する。その後は、5回に村上の適時二塁打で2点を加えると、8回には青木の2点適時二塁打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・サイスニードが5回2失点で今季2勝目。敗れた広島は、投手陣が振るわなかった。

◆ヤクルトはドミンゴ・サンタナ外野手が約1カ月ぶりの1発となる8号逆転2ランを放った。 1点ビハインドで迎えた4回無死二塁、フルカウントから高めのスライダーを左翼席へ運んだ。本塁打は7月13日巨人戦以来。「点を取られた直後だったので、すぐ取り返したい気持ちでした。いい角度で上がってくれました」と上機嫌だった。

◆ヤクルト青木宣親外野手が、通算300二塁打を達成した。史上74人目。この日の試合前時点では、残り3本と迫っていたが、1回無死一塁で右翼線へ二塁打。5回先頭での第2打席では右中間へ二塁打。8回2死満塁で迎えた第5打席で、右翼線へ2点適時二塁打。1日3本の二塁打で、一気に記録に到達した。

◆ヤクルトが1回に山田の中前適時打で先制も、広島がその裏に坂倉の犠飛で同点。さらに広島は3回、鈴木誠の犠飛で勝ち越し。 ヤクルトが4回にサンタナの2ランで逆転。5回に村上の2点二塁打で突き放し、広島大道をKO。広島は6回に暴投で1点返す。 ヤクルトは7回、2死一塁でオスナが二塁打を放ったが、一塁走者の青木が本塁憤死。その裏の広島の攻撃中、雨で中断に入った。 7回裏から試合は再開も、広島は1死一、二塁の好機を生かせず。ヤクルトは8回、青木が2点二塁打を放ってリードを広げた。 8回にリードを広げたヤクルトが連敗ストップ。先発サイスニードが2勝目。広島は大道が4敗目。連勝が止まり、最下位転落。

◆ヤクルトは2度の中断に負けず、希代のバットマンの記録を勝利で飾った。青木宣親外野手(39)が8回2死満塁で右翼へ2点適時二塁打。史上74人目の通算300二塁打を達成した。「長打を打てる選手になりたいと思ってずっとやっていた。その形が今日出せたことをうれしく思います」と喜んだ。 常に結果が出る打撃を追求し、フォームの微調整を欠かさない。39歳のベテランとなっても、人一倍の向上心で持ち続ける。この日は3本の二塁打を含む4安打の固め打ち。一気に記録を決めた。試行錯誤の日々も「ここ最近は納得のいく打席が増えていると思う」とうなずいた。 チームは降雨による2度の中断も、今季最多16安打と集中力を切らさなかった。首位阪神とは2差、2位巨人とは0・5差に接近。青木は逆転優勝へ「先が見える状態で野球ができる。すごいうれしい。チームとして1つ1つやっていくこと」と表情を引き締めた。 ▽ヤクルト高津監督「中断はやっぱり選手にとって難しい。しかも1時間あったというところはすごく難しかったんですけど、しっかり準備してよく最後までやり切ったと思います」

◆先発の広島大道温貴投手(22)が5回途中5失点でKOされ、4敗目を喫した。初回に山田に先制打を浴び、今季ヤクルト戦4度目の登板で初失点。打線が1点を勝ち越した直後の4回はサンタナに逆転2ラン、5回に村上に2点適時二塁打を浴びて降板した。前回15日阪神戦の3回2失点に続くKOに「前回の反省点と修正点は分かっていたのですが、それを試合で出せなかった」と悔やんだ。 この試合から2段モーションの投球フォームに挑戦した。「間がなかったので、フォームに間をつくるために、いろんな人に聞いて取り入れようと思った」。結果を残せなかったが、右腕は「初回は少し合わなかったけど、徐々に合ってきてしっくりきたところもあった。しっかり反省、課題をチェックして、修正していきたい」と巻き返しを誓った。 佐々岡監督は大道について「前回もそうですけど真っすぐにしろ、変化球の精度というのが、もうひと段階上がらないとなかなか」と険しい表情。次回の登板チャンスについては「全球種に対してもっと質を上げないと今の段階では厳しいというのは確かにあるが、また明日考えます」と話すにとどめた。【古財稜明】

◆ヤクルトが、2度合計1時間13分の中断にも負けず、打ち勝った。青木が史上74人目の通算300二塁打を達成。チームは連敗を2で止め、首位阪神に2差、2位巨人に0・5差と迫った。 高津監督の試合後の主な一問一答は次の通り。 -2度の中断も勝利 全体的に攻撃の方はいい追加点が取れていたのかなと思います。中盤苦しいところもあったんですけど、ここで1本、サンタナのホームランからいい展開でゲームを進められたのかなと思います。やっぱり中断は選手にとってはすごく難しい、しかも1時間あったというところはすごく難しかったんですけど、しっかり準備してよく最後までやりきったと思います。 -点を取られてもすぐに取り返せた そうですね。昨日の試合からちょっと嫌な雰囲気でゲームがスタートして、先に点を取ったんだけど、すぐに追いつかれて逆転されてというところもあったので、なんとか流れが変わらないかなと思っていました。打つ方でしっかり追いかけて、逆転して、というところができたので、その流れをズルズル引きずることなくできたのかなと思います。 -今野は登板直前に1時間待った リリーフで登板を告げられて1球も投げないで中断というのはやったことがある人しかない難しさがあります。ちなみに僕は2時間待ちましたけど。アメリカでね(笑い)。その集中力を維持するとか、次の先頭をどうやって入るかとかというところをずっと待っていたところで、走者はたまったけど、無失点で切り抜けたのは大きかったと思いますね -違う投手をという選択肢は あそこは今野しか考えていなかったです。 -村上が2打点 そうだね。まあ、ムネもそうだけど、ノリ(青木)じゃない? ノリはすげぇって書いておいて(笑い)。 -青木について 苦しんだ時期もあったんだけども、年齢を重ねてもしっかり練習をしているし、負けん気の強さをすごく感じます。こうやって結果が出ると、若い選手も見習うだろうし、いい刺激になるじゃないかなと思います。 -山田は8回の途中で交代 ケガではない。明日は普通に出られると思います。

◆広島がヤクルトに敗れ、佐々岡広島が最下位に転落した21日、2軍の由宇練習場では、会沢翼捕手(33)が紅白戦にフル出場した。 会沢は6月15日西武戦(マツダスタジアム)の8回に走者として三本間の挟殺プレーの際に左足を痛め、翌16日に出場選手登録を抹消された。「左下腿腓腹(かたいひふく)筋挫傷」と診断され、長いリハビリを経て、8月19日ウエスタン・リーグのソフトバンク戦で実戦復帰。その日は先発出場して1イニングだけで途中交代した。6月は下半身のコンディション不良から復帰した直後に離脱となっただけに「体と相談しながらやらないといけない。紅白戦と他球団を相手にする試合ではやっぱり違う」と再発防止に努めながら1軍昇格を目指していく。 この日は中村祐や小林らとバッテリーを組んで、3打席に立って1安打だった。1打席目の三遊間の当たりでは懸命に走り一塁を駆け抜けた(記録は遊ゴロ)。2打席目には岡田から右前に実戦復帰後初の安打を放った。広島2軍のウエスタン・リーグが再開する27日の中日戦から徐々に強度を上げていくことになりそうだ。 今はまだ見守ることしかできない1軍の戦いに「選手は一生懸命頑張っているし、若手も一生懸命やっている」と復帰への励みとしている。ただ、一方で勝敗だけでない、チームに欠けているものも感じている。 「一生懸命やるだけでは野球は覚えていかない。(1軍の試合を見て)気付いたこともたくさんあるので、そこを伝えるのは僕がやらないといけないことだと思っている。(自分が)試合に出る、出ないというよりも、助けてあげられることがあるんじゃないかと。今試合に出られている選手も、試合に出られるのは当たり前じゃない。そこに感じることもある」。 個々として、チームとして、やるべきことをやらなければチームは上向いていかない。残り試合も少なくなっているだけに、広島の精神的支柱である会沢の1軍復帰が待たれる。【前原淳】

◆ヤクルトの山田が、15日のDeNA戦以来4試合ぶりとなる1試合複数安打を放った。一回は無死二、三塁の好機で打席に入ると、大道の高めへの直球をしぶとく中前に落として適時打とし「走者をかえすことだけを考えていた。詰まったが先制点になって良かった」とうなずいた。 3―2の五回は無死二塁から好機を広げる左前打を放った。続く村上の右中間への二塁打で、俊足を生かして一気に生還した。 東京五輪の日本代表で金メダルを獲得し、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)からMVPに選ばれた。後半戦は5試合で無安打が1試合だけで、その勢いを保っている。

◆雨による2度の中断、計73分の"水入り"で試合終了は午後11時を過ぎた一戦。ヤクルトは序盤から得点を重ね、打ち勝った。一回に山田の中前打で先制すると、1点をリードされた四回にはサンタナが左越えに逆転8号2ラン。五回には村上が右中間に2点二塁打を放った。七回裏を迎える場面で、マツダスタジアムに大雨が降り、2度目の中断。それでも、打線は緊張の糸を切らさず、八回は青木の2点二塁打、九回に渡辺の適時打で突き放した。先発のサイスニードは5回2失点で2勝目。チームは2位・巨人に0・5ゲーム、首位・阪神とは2ゲーム差に迫った。 1回、ヤクルト・山田哲人が適時打を放つ=マツダスタジアム(撮影・村本聡) 広島は大道が五回途中5失点と乱調で、最下位に転落した。

◆中5日で先発した広島の大道は、五回途中9安打5失点で試合をつくれなかった。一回に山田に先制打を許し、2―1の四回はサンタナに浮いた変化球を左越えに2ラン。五回も3長短打を集められて2点を失い、救援を仰いだ。 制球力向上のために投球フォームの安定性を求め、二段モーションに取り組んだが、好結果は得られなかった。「前回の反省点と修正点は分かっていたが、試合で出すことができなかった。打たれてしまったが、これからの課題、やるべきことは少し見えた気がする」と話した。

◆ヤクルト・青木宣親外野手(39)が、NPB史上74人目の通算300二塁打を達成した。 一回に右翼線二塁打を放つと、五回には右中間二塁打。八回の第4打席に右翼線2点二塁打を放ち、1試合3二塁打で到達した。

◆広島は降雨による2度の中断を挟んだ3時間52分の熱戦に敗れ、最下位に転落した。佐々岡監督の主な一問一答は以下の通り。 ──降雨による2度の中断 「天候なので中断は仕方がない」 ──D3位・大道(八戸学院大)は五回途中9安打5失点で4敗目 「前回もそうですけど真っすぐにしろ、変化球の精度がもうひと段階上がらない。変化球がボールになって真っすぐを打たれたりとか。その真っすぐもスピード切れというところはね、なかなかないかなという感じはします」 ──大道の2軍再調整の可能性は 「今終わったばかりで考えます。全球種に対してもっと質を上げないと今の段階では厳しいというのは確かにあるが、また明日考えます」 ──打線は三回に2─1と逆転した 「投手がしっかり試合を作らないと後手後手になる。先発がしっかり試合を作らないとなかなか厳しい」 ──世界平和をアピールするピースナイター 「8月はいい試合をして喜んでもらえるようにというね。今日は特に長い試合になって最後まで応援してもらったが、残念な結果になった。また明日試合があるので集中します」 ──最下位に転落 「また明日頑張るだけです」

◆勝利の立役者の一人が今野だ。七回裏、広島の攻撃前に2度目の降雨中断。登板が告げられていた右腕は、59分間の中断後に再びマウンドに上がって1回を無失点。米国時代に約2時間の中断を経験して登板した高津監督は「やったことがある人しかない難しさがある。あそこで無失点で切り抜けたことは大きかった」と目を細めた。

◆サイスニードは5回4安打2失点(自責点1)で、5月18日の阪神戦(甲子園)以来となる2勝目を手にした。五回の攻撃前に降雨で14分間の中断を挟むなど難しい登板となったが、力強い直球と変化球を組み合わせて粘投。「試合が成立できて良かった。中村のリードも良かったし、守備にも助けてもらって何とか5イニング投げられた」と振り返った。

◆ヤクルトは21日、広島14回戦(マツダ)に8―3で勝利し、2位・巨人に0・5、首位・阪神とは2ゲーム差に迫った。若き4番・村上宗隆内野手(21)が五回の右中間2点二塁打を含む2安打2打点と活躍。三回には一塁へのヘッドスライディングで内野安打を記録するなど、勝利への執念を見せた。 鮮烈な打球が右中間を真っ二つに破った。この日の主役も村上だ。1点リードの五回無死一、三塁で2点二塁打。勝利をたぐり寄せる一打に、白い歯がこぼれた。 「チャンスだったので何とかしようという気持ちで打席に入りました。うまく反応して打つことができました」 真ん中高めの直球を一閃。一走・山田が激走し生還すると、本塁への送球間に三進。三塁側ベンチに向けて右手を突き出し、喜びを爆発させた。 走って、滑って、勝利への思いを表現した。まずは一回。2死一、三塁から二盗を成功させ、2年連続で2桁盗塁をマーク。188センチ、97キロの体格ながら50メートル6秒1の俊足を誇る〝走れる4番〟が足で魅了した。さらに三回だ。1死から中前へ抜けそうな打球を二塁手・菊池涼に好捕されたものの、村上は一塁にヘッドスライディングして内野安打を勝ち取った。手のけがを防ぐため普段は、頭から突っ込まない。ただ、東京五輪で悲願の金メダルを獲得し、より勝利の味を知った。得点に結びつかなかったが、これも21歳が見せた勝利への執念。ユニホームの胸マークを覆った土が誇らしく映った。チームを牽引する姿を示したかった。かつて、村上は将来についてこう語っていた。「青木さんみたいにチームを引っ張れる存在になりたい。若いですけど、僕もリーダーになれるように」試合に出始めたプロ2年目の2019年は、青木から叱咤(しった)激励を受けることも多かった。「本当にたくさん怒られて、すごく厳しく言っていただけた」。この日、史上74人目の通算300二塁打を達成した大先輩の姿を見て育った若き主砲は自立心、責任感を芽生えさせ、勝利への思いを人一倍強く抱く。チームの危機では先頭に立った。開幕直後、新型コロナウイルスの影響で青木や内川らが自宅待機となると、村上は率先してナインを鼓舞した。青木が帰還するまでの13試合で7勝3敗3分け。あの期間の奮闘が現在の3位につながっている。試合終了時、時計の針は午後11時5分を指していた。降雨で2度、計73分間の中断があった中での勝利。2位・巨人に0・5ゲーム差、首位・阪神とは今月13日以来の2ゲーム差に迫った。「中断はすごく難しい。しっかり準備して最後までやり切った」と高津監督。2年連続最下位からの逆転Vへ。背番号55の存在が頼もしい。(赤尾裕希)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
52373 0.584
(↓0.007)
-
(-)
51375
(+2)
337
(+6)
92
(-)
81
(+1)
0.252
(-)
3.350
(↓0.03)
2
(-)
巨人
473510 0.573
(↓0.007)
1.5
(-)
51380
(+2)
338
(+7)
118
(+1)
52
(-)
0.251
(↓0.001)
3.460
(↓0.04)
3
(-)
ヤクルト
45349 0.570
(↑0.006)
2
(↑1)
55397
(+8)
350
(+3)
94
(+1)
55
(+1)
0.257
(↑0.002
3.710
(↑0.02)
4
(-)
中日
364612 0.439
(↑0.007)
12.5
(↑1)
49273
(+6)
312
(+2)
52
(-)
50
(+3)
0.239
(↑0.002)
3.230
(↑0.01)
5
(1↑)
DeNA
344711 0.420
(↑0.007)
14
(↑1)
51367
(+7)
425
(+2)
91
(+3)
21
(+1)
0.260
(↑0.001)
4.400
(↑0.03)
6
(1↓)
広島
334710 0.413
(↓0.005)
14.5
(-)
53321
(+3)
383
(+8)
63
(-)
44
(+1)
0.258
(-)
3.900
(↓0.05)