1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | 5 | 11 | 0 | 1 |
DeNA | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 4 | 0 | 1 |
勝利投手:伊藤 将司(6勝5敗0S) (セーブ:スアレス(1勝1敗26S)) 敗戦投手:エスコバー(2勝2敗0S) 本塁打 |
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◆阪神は2回表、ロハス・ジュニアのソロで先制に成功する。その後1-2で迎えた8回には、大山の適時打と中野の犠飛などで3点を挙げて、試合をひっくり返した。投げては、先発・伊藤将が8回2失点6奪三振の力投で今季6勝目。敗れたDeNAは、3番手・エスコバーが誤算だった。
◆阪神ルーキーの伊藤将司投手(25)はここまで5勝5敗、防御率2・70。76回2/3を投げて被打率2割5分に抑えているが、3~5番のクリーンアップに対し96打数31安打、5本塁打で被打率3割2分3厘。今日は中軸を封じて勝利なるか。
◆阪神メル・ロハス・ジュニア外野手(31)が2回に先制の2号ソロを放った。2回1死、DeNA先発大貫の4球目チェンジアップをライナーで右翼席へ突き刺した。「大貫投手とは前にも対戦していてイメージができていたから、打席に入る前からいい準備ができていたよ。とにかくチームに貢献したいという思いだから、先制することができてよかったね」。ベンチに戻ると熊谷からメダルをかけられ、笑顔がはじけた。 大貫とは7月12日に甲子園で対戦し3打数1安打だった。ロハスの本塁打は5月18日ヤクルト戦(甲子園)以来。マルテも1軍復帰間近の中、昨年の韓国2冠が持ち前の打力で生き残りを猛アピールしている。
◆阪神がDeNAに連勝し、後半戦2カード連続勝ち越しで4連勝を飾った。 先発の新人左腕伊藤将司投手(25)が8回4安打2失点の好投で6勝目。阪神の新人投手の6勝は13年藤浪の10勝以来。左腕に限ると67年江夏12勝、86年遠山以来、35年ぶりドラフト3人目。
◆先発はDeNA大貫と阪神伊藤将。阪神が2回1死からロハスの2号ソロで先制。DeNA打線は3回まで内野安打1本。 DeNAは4回先頭の桑原が二塁打、1死後に佐野の中前適時打で同点に追いついた。両先発がともに1失点に抑えて終盤へ。 7回にDeNAが一時勝ち越しも、阪神が8回に押し出し死球など3得点で逆転勝ち。4連勝。伊藤将6勝目。DeNA3連敗。
◆阪神ドラフト2位の伊藤将司投手(25)が8回4安打2失点と好投し、6勝目を手にした。 序盤から丁寧にコースを突き、緩急で的を外した。1点リードの4回は3番佐野に中前同点打を許し、同点の7回には4番オースティンに勝ち越しソロを献上。それでも味方打線が8回表に逆転すると、8回裏を3人できった。 同点で迎えた7回表2死一、三塁ではそのまま打席に立ち、四球を選んだ。「交代するかしないか、際どいところだった。(矢野)監督も投げることを勧めてくれたので、しっかり結果を残せて良かったです」。 わずか98球でまとめ、無四球6奪三振の内容。後半戦初登板から上々の投球を披露した。 ▼伊藤将の6勝は、阪神のドラフト新人としては13年藤浪10勝以来8年ぶり。左腕に限ると、67年江夏12勝、86年遠山8勝に続き35年ぶり3人目となった。 ▼DeNA戦で伊藤将は3勝0敗、防御率1・20の好成績。対戦球団別ではいずれも最良の成績だ。
◆DeNAは7回に1度は勝ち越したが、逆転負けした。3番手で8回を任されたエスコバーが先頭から3連打、そこから四死球を続けて押し出すなど3失点。前夜も8回に登板した山崎が3失点と、勝ちパターンの救援陣が崩れた。 後半戦が始まってから3連敗で、三浦監督は「早く白星が取れるように全員でまた明日、やっていくしかない」。阪神伊藤将とは今季4度対戦し、0勝3敗となった。 ▽DeNAオースティン(2年連続の20本塁打)「捉えた感触はよかったのですが、高く上がったのでスタンドまで届くか分からずに走っていました」 ▽DeNA大貫(7回途中1失点も勝敗付かず)「試合の中で修正できたのはよかった。走者を置いて降板し、ピンチの場面を抑えてくれた砂田に感謝です」
◆阪神の守護神ロベルト・スアレス投手が後半戦初セーブとなるリーグ独走26セーブ目を挙げた。 3点リードの9回に登板。先頭桑原をスライダーで一ゴロに打ち取ると、続く森を左飛。最後は佐野を遊飛と3者凡退に抑えた。一時帰国後も変わらぬ安定感を見せる右腕は「チームが勝ったのでそれを続けていく必要がある。それに自分もしっかりと加わりたい」と冷静に話した。
◆阪神が後半戦2カード連続勝ち越しで4連勝を飾った。先発の新人左腕伊藤将司投手(25)が8回4安打2失点の好投で6勝目。矢野燿大監督(52)もルーキー左腕を絶賛。1-1の好機で打席に立たせた理由も語った。矢野監督との一問一答は以下の通り -伊藤将の投球が大きかった もちろん、もちろん。8回まで投げてくれたっていう、一番のこの試合のMVPというか、それは間違いなく将司だよね。 -エキシビションマッチで試行錯誤もしていたと思うがきょうはどこが良かったか エキシビションの中でいいピッチング、将司らしいというところがなかなか見えなかったから。そういうところでは「どうなるのかな」という気持ちは始まるまではあったけど。やっぱりまっすぐがしっかりコースに投げられていたし、ツーシーム系のボールでゴロを打たせるという、そういう投球ができていたかな。オースティンに打たれたのはね、もちろん低めに投げようと思ったのが浮いたけど、ほとんどコントロールミスっていうのがなく投げられたのはエキシビションマッチの中ではなかったから。そこらへんじゃない。 -7回は67球ということもあって打席へ立たせたか それは総合的に。ブルペンのこともあるし、将司のこともある。何か1つだけのことで判断できる状況じゃなかった。あそこまで頑張っている将司に任せてみよう、と。そういう投球を見せてくれていた。まずは、そこと、さっきも言った中継ぎ陣もオリンピックがあったり、一旦帰ったりとか。球数が増えていたりとか、いろいろあったんでね。総合的に判断して将司に任せようと。それでいかせた。 -ロハスは1発も出て状態が上がっている 追い込まれてからの甘いボールを拾ってのホームランだったと思うけど、ヒットじゃなくてホームランにできるっていうところはやっぱ大きい。甘い球を仕留められるっていうのは徐々に上がってきているかなというふうには思うけどね。あの1本に満足せず、チャンスの場面もあったんでね。そういうところでは右打席っていうのもしっかりしたものをもっと見せてくれると助かる。 -9回の佐藤輝の1本も大きかった もちろん2点と3点じゃ全然違う。あの1点も相手に与えるダメージも大きい。しぶとく打ったというところも価値がある打点やったと思う。 -代走攻勢で足も使って追い詰めた まあ、それしかというか、あの状況になったらいくしかなかったんで。そういうところではどんどんいった結果、それぞれ持ち味出してね。走ってかき回してくれたので、スタメンのメンバーだけじゃなく、そういったメンバーがしっかりと働いてくれたっていうのがチーム全体として大きいし、それぞれが持ち味を出して。出て走るっていうことは簡単なことじゃないんだけど、そういう挑戦するというか、チャレンジしてくれた。 -大山も気持ちが入っていた それもあるし、でもタカヒロ(熊谷)がしっかり走ったというのが相手の守備の体系を崩してるのもあるから。もちろん悠輔(大山)も気持ちというのはあったと思うけど、それは悠輔だけじゃなくてあそこはタカヒロの足というのが、相手の守備陣形を崩してタイムリーになったっていうのもけっこうな割合で入ってるよ。
◆阪神7番中野拓夢内野手がヤクルト塩見に並ぶリーグトップタイの18盗塁をマークした。 5回1死から四球で出塁。続く梅野の5球目に二塁を陥れた。それでも中野は「いくまでに時間がかかってしまった」と完璧を求めて反省。だが今季の盗塁死は1個だけで、盗塁を決めれば10連勝だ。8回には左犠飛で貴重な追加点をもぎ取るなど渋い働きで勝利貢献した。母校の日大山形が甲子園で初戦を突破。後輩たちにTシャツをプレゼントしたという先輩は「自分たちの野球を信じて思い切ってやってほしい」とエールを送った。
◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が打点を58とし、阪神の新人としては48年別当を抜いて単独3位に浮上した。 143試合換算なら93打点となり、58年長嶋茂雄(巨人)92を超えてセ・リーグ新人最多となる勢いだ。佐藤輝は前日17日DeNA戦で、69年田淵幸一と並び球団新人最多22本塁打に到達。年間35本塁打となるペースで、プロ野球新人記録の59年桑田武(大洋)86年清原和博(西武)の31本塁打を更新する可能性も十分。さらに塁打数182はシーズン292塁打となる計算で、プロ野球新人最多の58年長嶋290塁打を上回る好ペースだ。
◆阪神メル・ロハス・ジュニア外野手(31)が"大当たり"で4連勝を導いた。まずは0-0の2回1死。左打席で右腕の大貫を捉え、会心の先制2号ソロを右中間に運んだ。さらに同点に追いついた8回。なお無死満塁は右打席に入り、左腕のエスコバーから左足裏に死球をもらって決勝点をゲット。思わず尻もちをついたが、会心の笑みがはじけた。 「(先制弾は)すごくいい感覚で打つことができた。チームにいい流れを与えられたと思うし、チームの勝利に貢献できてよかったよ」 2回は三振を取りに来たDeNAバッテリーに追い込まれ、内角高めのつり球で1度目線を上げさせられた。ここで捕手伊藤光は勝負球に外角低めのチェンジアップを要求。対角線への緩急のある球で三振を取る意図だ。だが、大貫が投げきれず、内角低めに逆球。後半戦左打席ではこの打席前まで9打数4安打と好調のロハスは、129キロのチェンジアップにも泳がされなかった。低い弾道で5月18日ヤクルト戦(甲子園)以来の2号ソロをたたき込んだ。「状態は少しずつ良くなっているけど、まだ100%ではない」。20年に韓国プロ野球で47本塁打を放った両打ち大砲は、さらなる打撃上昇を予告した。 前半戦は51打数5安打、打率0割9分8厘と苦しんだ。だが後半戦はここまで18打数5安打、打率2割7分8厘と調子を上げている。大きな要因は家族だ。地道な2軍調整中も、休憩時間にテレビ電話で家族とやりとりするなど、あふれんばかりの愛がある。球団の許可をもらい、前半戦終了後に一時帰国。「家族と幸せな時間を過ごせたことは本当に大きなことだったよ」。つかの間の休息でリフレッシュし、後半戦の活躍につなげている。 同じ外国人枠を競うマルテは現在調整中。2軍戦は雨天の影響で思うように消化されずに、マルテは実戦不足で足踏みしている。思わぬかたちで巡ってきたチャンスをものにし、今度はチーム愛で勝利に貢献する。【前山慎治】 ▼阪神は8回にロハスの押し出し死球で勝ち越しに成功し、そのまま逃げ切った。阪神の勝利打点が死球だったのは、19年6月21日西武戦(甲子園)の7回1死満塁で、梅野がヒースから死球を受けて決勝点を挙げて以来、2シーズンぶり。 ▽阪神井上ヘッドコーチ(ロハスとマルテの外国人枠について)「チームとしては良い悩み。欲を言えばマルテも1軍にいてほしいし、ロハスもこれだけ頑張っている。ロハスも頑張っているから連勝につながっている。そこは評価したい」
◆阪神4番大山悠輔内野手は泥臭い同点打で逆転劇の土台を担った。 3打席凡退で迎えた8回無死一、三塁。1点を追う場面でエスコバーの154キロ直球を押し返し、しぶとく二遊間を抜いた。打線はこの回一挙3得点で逆転に成功。「走者をかえすことだけを考えていた。その後に逆転できて、すごくチームが一体となれたイニングだった」。先発で8回2失点と好投したドラフト2位伊藤将に白星がつき、「将司が本当に粘って投げてくれていたので、なんとかしてあげたい気持ちがあった」と主将らしく後輩を労った。
◆阪神は代走攻勢で3人全員が生還した。1点を追う8回先頭糸原が二塁打で出塁するとまず代走植田海を起用。 大山の中前適時打で同点のホームを踏んだ。次打者サンズは中前打で出塁すると代走熊谷敬宥。ロハスの死球で勝ち越しの生還を果たした。3人目は中前打で出た大山に代わって島田海吏。中野の左犠飛で4点目のホームを踏んだ。矢野監督は「それぞれが持ち味を出して、走ってかき回してくれた。試合に出て走ることは簡単じゃない」と快足3人衆の働きをたたえた。
◆? 心遣いのできる男だ。伊藤将の登板2日前の16日。千葉・横芝光町の実家に、小包が届いた。送り主は伊藤将司。中には日本酒のセットと左利き用グラブが2つ入っていた。 実は伊藤将、6月20日の父の日に「お酒を贈りたい」と語っていた。それから約2カ月。息子からのプレゼントと6勝目に、父正宏さん(51)もご満悦だ。「ホームラン1本は打たれるんで。でもよく投げたと思います。ちなみに私、日本酒はあんまり飲まないんです...(笑い)」。息子の天然ぶりに苦笑いだったが、この日の好投が何よりの"つまみ"になったはずだ。 新品のグラブの1つは知り合いの中学3年の球児の手に渡り、もう1つは正宏さんがコーチを務める地元チーム「南条日吉スポーツ少年団」の野球少年に贈られる予定。好投息子はグラウンド外でも孝行息子だった。【阪神担当=中野椋】
◆阪神佐藤輝明内野手(22)が、ダメ押しの適時打でDeNAを突き放した。2点リードの9回2死満塁。前日17日に空振り三振に仕留められた左腕桜井から右前打を放ち、貴重な1点を追加した。「チャンスだったのでヒットが出てよかった」とリベンジ成功に納得顔だ。 これで今季58打点目。球団新人打点記録で1948年(昭23)の別当薫の57打点を抜き、単独3位に浮上した。 「打点を挙げるのはいいバッターだと思うので、チャンスで打ったり勝負強い打撃ができるように頑張っていきたい」 豪快な1発だけではない。好機に1本を出せる5番打者になりつつある。矢野監督も「2点と3点じゃ全然違う。相手に与えるダメージも大きい。しぶとく打ったというところも価値がある打点」とたたえた。 4番大山の適時打で同点に追いついた直後の8回無死二、三塁では、左腕エスコバーから四球をもぎ取った。フルカウントから、今季6打数無安打2三振の天敵が投じた外角スライダーを見逃し、その後の勝ち越し劇へつなげた。「良いピッチャーですし、しっかり粘って見切れた」。2本塁打の翌日は2安打1打点で、後半戦の打率は4割9厘。怪物ルーキーが上り調子の夏を過ごす。【中野椋】
◆あっぱれドラ2ルーキー! 阪神先発の伊藤将司投手(25)が8回4安打2失点の大奮投で、チームの4連勝&堅首を導いた。球団新人左腕の6勝は86年の遠山昭治以来35年ぶりで、67年の江夏豊を含めて3人しかいない快記録だ。うち3勝がDeNAからと、キラーぶりを存分に発揮してレジェンドの仲間入り。新人王レースは同僚佐藤輝や広島栗林が優勢だが、勝ち続ければ大逆転もあるぞ。6勝目をゲットした伊藤将は攻撃陣への感謝を口にした。「野手のみなさんのおかげで勝てました」。オースティンに勝ち越しソロを被弾した直後の8回、3点を奪って逆転してくれた。それでも8回4安打2失点でチームを4連勝に導いたヒーローは色あせない。矢野監督も「この試合のMVPは将司」と絶賛した。 五輪中断の1カ月を有効利用した。前半使わなかったスライダーを加え「今日は打者のタイミングをずらすくらいはできた」と投球の幅を広げた。矢野監督から真っすぐのキレを求められた"夏休みの宿題"も完了。2回に4番オースティンから内角低めの直球で見逃し三振を奪うなど、コースに力のある直球を決めて回答した。守っても、4回2死一塁で宮崎の強烈なライナーに好反応。グラブが吹っ飛んだが落ち着いて素手で拾い、一塁送球した。 同点の7回2死一、三塁で打席がきた。「交代か際どいところだったけど、監督も投げることを勧めてくれた」。代打ではなく続投を選んでくれたことがうれしかった。打席では四球を選んだが無得点。その裏オースティンに1発を浴び、「打たれたので80点」と悔しがったが、逆転してくれた8回は「一層気持ちを引き締めて投げた」と3者凡退。小さいころ、ゴルフで鍛えたメンタルの強さを発揮した。 前半で5勝も交流戦後は不調に陥った。「秋山さんから、勝てない時は自分のコントロールできる範囲のことを考えて(気持ちを)調整していくようにと言ってもらいました」。秋山から目標イニングなど、目に見える数字を考えるように助言をもらって救われた。 DeNA戦は無傷4戦3勝のキラーぶりを存分に発揮。阪神新人左腕の6勝は86年の遠山以来35年ぶりで、67年の江夏を含めて3人しかいない快記録だ。白星をさらに重ね佐藤輝、広島栗林らが優勢な新人王争いを猛追する。【石橋隆雄】
◆阪神糸原健斗内野手が逆転劇の口火を切った。 1点を勝ち越された直後の8回表。先頭で打席に立つと、代わったばかりのエスコバーから左翼線への二塁打を放った。この一打を起点に、この回一挙3得点で試合をひっくり返した。初回には11打席ぶりの安打となる二塁打を放っており、後半戦初のマルチ安打。強力打線のつなぎ役が状態を上げてきた。
◆阪神矢野監督は伊藤将司に代打を送らない"勝負手"を切った。1-1同点の7回の攻撃。8番梅野の右前安打で2死一、三塁とチャンスが広がった。次は投手の伊藤将でセオリーなら代打の場面。次打者席では原口も準備していた。 だが、指揮官は伊藤将の続投を決断し、打席に立たせた。矢野監督は「あそこまで頑張っている将司に任せてみようと、そういう投球を見せてくれていたんで。中継ぎ陣もオリンピックがあったり、一旦(自宅に)帰ったりとか。球数が増えていたりとか、いろいろあったんで、総合的に」と説明。アルカンタラ、岩崎、スアレスらの状態とも比較しての作戦とした。伊藤将は四球を選んだが、結局この回得点は入らず。その裏、オースティンに勝ち越しソロを浴びたが、結果的に8回の逆転劇で"勝負手"が実った。
◆阪神のメル・ロハス・ジュニア外野手(31)が二回に先制の2号ソロを放った。 「大貫投手とは前にも対戦していてイメージができていたから、打席に入る前から良い準備ができていたよ。とにかくチームに貢献したいという思いだから、先制することができてよかったね」 1死から打席に入ると、カウント1-2から大貫の129キロチェンジアップを振り抜いた。白球は弾丸ライナーで右中間スタンドへ一直線。5月18日のヤクルト戦(甲子園)で来日初安打をホームランで飾って以来、出場16試合&50打席ぶりの一発。軽快にダイヤモンドを一周すると、ベンチではタイガースメダルをかけられ、満面の笑みを浮かべた。
◆阪神・中野拓夢内野手(25)が自慢の快足でチャンスを演出した。 1-1の五回1死から四球で出塁。大貫、伊藤光のDeNAバッテリーは再三の牽制(けんせい)などで厳しく盗塁をマークする。それでも、カウント2-2からの5球目。完璧なスタートを切ると、二塁に悠々セーフ。得点には結びつかなかったが足で重圧を与え続けた。 これで今季18盗塁目とし、並んでいた近本を抜いてチームトップ。ヤクルト・塩見と並んでセ・リーグトップタイに躍り出た。
◆DeNAのタイラー・オースティン内野手(29)が七回1死で勝ち越しの20号ソロを放った。 1―1の七回1死。フルカウントからの6球目135キロを一閃した。打球はきれいな放物線を描いてバックスクリーンに着弾。7月13日の阪神戦(甲子園)以来となるアーチで勝ち越しに成功した。
◆阪神・大山悠輔内野手(26)が八回に貴重な同点打を放った。 「みんながつないでくれたチャンスだったのでどんな形でもランナーをかえすという気持ちで打席に入りました」 1-2と勝ち越された直後の八回。連打で無死一、三塁の好機を作ると4番が打席へ。エスコバーの154キロに食らいついた。打球は二遊間を抜ける同点打。頼れるキャプテンが仕事を果たした。 佐藤輝が四球でつなぎ、なおも無死満塁と勝ち越しのチャンス。打席には二回に先制ソロを放ったロハスが向かった。2球で追い込まれるもファウルで粘りエスコバーの投じた6球目。何と、ロハスの左足付近に直撃。まさかの形で阪神が逆転すると、中野の左犠飛で4-2とリードを広げた。
◆阪神が終盤に逆転した。1-2で迎えた八回。連打で無死一、三塁の好機を作ると、大山がエスコバーの154キロに食らいつき、中前に運ぶ同点打。さらに無死満塁とし、打席には二回に先制ソロを放ったロハス。ファウルで粘って6球目が、何とロハスの左足付近に直撃。決勝の押し出し死球と思いがけない形で阪神が勝ち越した。 先発の伊藤将は8回4安打2失点の力投。7月3日の広島戦(マツダ)以来となる6勝目(5敗)を挙げた。九回は守護神・スアレスが無失点で締め、7月8日のヤクルト戦(神宮)以来となる今季26セーブ目。チームは今季6度目の4連勝を飾った。
◆阪神は同点に追いついた八回無死満塁でメル・ロハス・ジュニア外野手(31)が死球を受けて、勝ち越した。伊藤将司投手(25)は6勝目を挙げ、チームは4連勝。首位を堅持した矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ーーオースティンの一発はあったが伊藤将の投球が大きかった 「八回まで投げてくれた。この試合のMVPというか、間違いなく将司だよね」 ーーエキシビションマッチで試行錯誤していた 「将司らしいところが見えなかったから。『どうなるのかな』という気持ちは始まるまではあったけど。真っすぐがしっかりコースに投げられていたし、ツーシーム系のボールでゴロを打たせる投球ができていたかな」 ーーロハスは一発も出て状態が上がっている 「追い込まれてからの甘いボールを拾ってのホームランだったと思うけど、ヒットじゃなくてホームランにできるところは大きいし。甘い球を仕留められるのは徐々に上がってきている。あの1本に満足せず、チャンスの場面もあったんでね。右打席でしっかりしたものをもっと見せてくれると助かるけどね」 ーー九回の佐藤輝の1本も大きかった 「2点と3点じゃ全然違うし。あの1点も相手に与えるダメージも大きい。しぶとく打ったというところも価値がある打点やったと思う」 ーー代走攻勢で足も使って追い詰めた 「それしかというか、あの状況になったらいくしかなかったんで。どんどんいった結果、それぞれ持ち味出してね。走ってかき回してくれた」 ーー(ロハスの)押し出し死球はファウルで粘ったから 「結果的にはそういうことも言えなくはないけど。まあ、もちろんアレも大きいけど、もっと欲を言えばファウルしている球でどっかで仕留めるのがレベルの高いことだと思う。こっちとしてはその前に決めてくれると。別に押し出しでも元々大きいんでね。それは相手の投げミスだからね」 ーー大山も気持ちで打った 「それもあるし、でもタカヒロ(熊谷)がしっかり走ったというのが相手の守備を崩してるのもあるから。もちろん悠輔(大山)も気持ちというのはあったと思うけど、それは悠輔だけじゃなくてあそこはタカヒロの足というのが、相手の守備陣形を崩して、タイムリーになったのも結構な割合で入ってるよ」
◆伊藤将と大貫の見応えのある投手戦だった。投げ勝った伊藤将は七回にオースティンに一発を浴びた1球だけが失投で、ほぼ満点の内容。立ち上がりから制球が抜群で、右打者へのクロスファイヤー、左打者へのチェンジアップ、ツーシームがしっかり投げ込めていた。3割打者が並ぶDeNA打線を完ぺきに抑え込んだ。 すべての球種を思い通り操れていたから、リードする捕手もどの球種を要求しても大丈夫だと思えたはず。前半の最後は制球に苦しむシーンもあったが、この日の投球はそんな気配すら感じられなかった。もともとDeNAには相性が良かったが、この内容なら、他の球団相手でも十分に通用するだろう。 興味深いのは七回の攻防。2死一、三塁の好機で打順が巡ってきた伊藤将が、代打を送られずに打席に立って四球を選んだ。が、絶好の勝ち越し機に点を奪えず、逆にその裏、オースティンに勝ち越し被弾。動揺してもおかしくないケースだったが、我慢強い投球で後続を断った。続投を決断したベンチの信頼が厚くなる粘投だった。(本紙専属評論家)
◆DeNAは1―1の七回にオースティンの20号ソロで勝ち越したが、継投が決まらず逆転負けを喫した。八回に投入したエスコバーが先頭打者からの3連打などで3失点し、九回にも桜井が1点を失った。 後半戦開始から3連敗。三浦監督は「もちろん、早く白星をと思っている。全員でやっていくしかない」と自らに言い聞かせるように話した。
◆3打席目までいずれも走者がいる場面で凡退していた阪神・大山が、意地の同点打だ。1点を追う八回無死一、三塁でしぶとく中前へ抜いた。「走者をかえすだけ、と。結果的にヒットになってよかった。すごくチーム一体となって戦えた」。一回2死二塁では右飛、四回無死一塁では遊ゴロ併殺に倒れるなどいいところがなかったが、最後に笑った。得点圏では五輪中断期間もまたいで7月12日のDeNA戦(甲子園)以来、8打席ぶり(3四球含む)の安打だった。
◆五輪期間中に一時帰国した影響で前日17日が1軍復帰登板となっていた阪神・スアレスが、後半戦初セーブだ。3点リードの九回、最速158キロの真っすぐを軸に3人斬り。「チームが勝ったので、それをまだ続けていく必要があるので。それに自分もしっかりと加わりたい」。リーグトップのセーブ数は、栗林(広島、18セーブ)をさらに引き離し「26」となった。
◆DeNAは18日、阪神17回戦(東京ドーム)に2―5で敗れ、後半戦開幕から3連敗となった。三浦大輔監督(47)は「早く後半戦も白星をというところで、全員でまた明日やっていくしかない」と前を向いた。 救援陣に連夜の誤算が生じた。1点リードの八回にエスコバーが3連打を浴びるなどして3失点し逆転を許した。前日17日も1点を追う八回に東京五輪後初登板となった山崎が3失点。勝ちパターンを崩されている。 希望は好調な主砲だ。東京五輪で米国の銀メダル獲得に貢献したオースティンが、後半戦初アーチで自己最多に並ぶ20号のソロを放ち、一時チームを勝ち越しに導いた。ただ、阪神先発・伊藤将相手に3敗目と打線として乗り切れておらず、指揮官は「うまくいかなかった」と思案顔だった。(箭内桃子)
◆阪神・中野は同点の五回1死一塁で二盗に成功。18盗塁目となり塩見(ヤクルト)に並びリーグトップタイとしたが「スタートがあまりよくなかった。これからはそういうところが命取りになる」と気持ちを引き締めた。八回には2点差に突き放す左犠飛で7月6日のヤクルト戦(神宮)以来の打点。甲子園で戦う母校の日大山形高には奥村(ヤクルト)とともにTシャツを送ったといい「自分が甲子園に行ったときのベスト4という結果を超えてほしい」と、後輩とともに奮闘を続けるつもりだ。
◆快足トリオを一気に突っ込んだ。1-2の八回先頭で糸原が放った左翼線二塁打を号砲に、阪神・矢野監督がタクトを振りまくる。代走3連発で逆転をもたらした。 「あの状況になったら行くしかない。どんどん行った結果、それぞれ持ち味を出してね、走ってかき回してくれた」 糸原に代えて二走・植田を送り込むと、続くサンズの代走には熊谷を投入。一、三塁で熊谷がスタートを切っていたことも功を奏し、大山の打球は二塁キャンバス上を抜けて同点打になった。その大山には代走・島田。その島田はスチールを決め、チャンスを広げた。指揮官も「(途中から)出て走るって簡単なことじゃない。チャレンジしてくれた」と語ったように、足を向けて寝られない快足ぶりだった。 3盗塁で逆転勝ち。チームで複数盗塁を決めたゲームは、これで5月30日の西武戦(メットライフ)から10連勝。リーグ断トツのチーム盗塁数を「78」に伸ばした。(長友孝輔)
◆悪夢から15分。阪神のルーキー伊藤将はベンチで大はしゃぎしていた。抜群の制球と緩急を織り交ぜ、8回4安打2失点、無四球の好投で今季6勝目。DeNAには4戦3勝0敗、防御率1・20と〝ハマキラー〟を襲名だ。 「100点と言いたいですが、チャンスで無得点の後にオースティン選手にホームランを打たれてしまったので80点ですね」 1-1の七回2死一、三塁で打席が回ってきた。交代を覚悟したが、矢野監督は代打を送らなかった。「あそこまで頑張っている(伊藤)将司に任せてみようと(思った)」。伊藤将は四球を選び、満塁のおぜん立てをするも得点は入らず。直後の七回、1死からオースティンに高めのツーシームをバックスクリーンに被弾したが、打撃陣はルーキーの奮闘を見殺しにしなかった。 「野手のみなさんのおかげで勝てたと思っています」と伊藤将。八回、大山が同点打、ロハスの押し出し死球で勝利投手の権利を得ると、同期の中野も左犠飛で後押ししてくれた。勝利を呼ぶ好投に指揮官は「一番のこの試合のMVPというか、それは間違いなく将司だよね」とたたえた。 開幕から先発ローテ入りし、前半は12試合に登板して5勝5敗、防御率2・70。だが、7月に入ると調子を落とした。前回7月10日の巨人戦(甲子園)は5回を投げ、自己ワーストの6失点(自責5)。勝ち運に恵まれず、悩んでいたとき、プロ12年目の秋山のひと言でふっきれた。 「秋山さんからは勝てないときは、自分のコントロールできる範囲のことを考えるようにと。数字であれば、防御率やイニングだったり、そういうところを見て(自分の気持ちを)調整していくようにと言ってもらいました」 残り54試合。目標の2桁勝利も夢ではない。「あと4勝なので、一戦一戦、勝てるように投げたい」。16年ぶりのVのために、白星を重ねていく。(三木建次)
◆最後にともした「H」ランプが勝利をより確実なものにした。鋭く飛び出した白球は相手の心を折るには十分の一撃。阪神・佐藤輝がトドメのタイムリーを放った。 「追加点のチャンスだったので、ヒットが出てよかったです」 4-2で迎えた九回2死満塁。左腕・桜井の135キロをはじき返し右前へ。最終盤であげた大きな追加点に、矢野監督も「相手に与えるダメージも大きい。しぶとく打ったというところも価値がある打点」と絶賛だ。 これで今季58打点。1948年の別当薫を抜いて、打点数は球団新人単独3位に躍り出た。17日に田淵幸一に並ぶ球団新人記録の22本塁打をマークした怪物ルーキーが、またレジェンドを超えた。 「しっかりボール球を見極められたので。相手もエスコバー。すごくいい投手ですし、粘って見切れたのがよかった」 同点に追いついた八回無死一、二塁ではエスコバーの剛速球を見極めて、四球。内角高めや外角に逃げる変化球に手が出ていた前半戦とは、1打席1打席の内容が明らかに変わっている。特にチャンスの場面。後半戦は5試合で得点圏打率・500(6打数3安打)、4打点。課題に挙げていた「追い込まれてからの選球眼」にも磨きがかかった。勝負強さに粘りも兼ね備えた。 「やっぱり打点を挙げるのがいい打者。チャンスで打てる、勝負強い打撃ができるように頑張っていきたい」 また一つ、次のステージへと昇った黄金ルーキー。アーチとともに、勝利に直結する打点も量産していく。(原田遼太郎)
◆よう当たったなぁ~!! 阪神はDeNAに5-2で逆転勝ちし、4連勝を飾った。八回にメル・ロハス・ジュニア外野手(31)が決勝の押し出し死球。よけた左足裏に当たる〝奇跡〟で勝利を呼び込む1点をもぎ取った。二回には50打席ぶりの一発となる先制の2号ソロを放った助っ人が、1軍生き残りへ猛アピールだ。 誰がこんな決勝点を想像していただろうか。189センチ、102キロの巨体がくるっと回って、尻餅をついた。まさかの押し出し死球に、座り込んだまま苦笑い。ベンチは大爆笑で、身を乗り出したサンズはペットボトルを振り回しながら大喜びする。バットにも体にも、まさに大当たり。東京ドームが〝ロハス劇場〟と化した。 「何とか積極的に振っていって、チームのためにやっていきたいと思っていた。デッドボールという結果だったけど、何としても点を取りたい場面でしたので、勝ち越しができてよかった」 八回、2―2の同点に追いつき、なおも無死満塁。エスコバーに2球連続で空振りで追い込まれたが、眼光鋭く、必死に食らいつく。バットを短く持ってファウルで粘って6球目。左腕が投じたスライダーが足元へ来た。ロハスは必死によけようとしたが、ボールは左足裏に直接ヒット。もう一回同じ場所に死球をもらおうと思ってもほぼ不可能な〝奇跡〟が生まれた。ここまで右打席では後半戦は6打数無安打。シーズン通じても、打率・045(22打数1安打)だった。もちろんこの打席、チームメートもファンもみんな何かを起こしてほしいと願っていた。だが、結末はまさかの押し出し死球。痛さなんて感じていなかっただろう。助っ人は一塁ベース上でほほを緩めた。始まりもロハスだった。二回1死の左打席。カウント1―1から大貫の129キロチェンジアップを捉えた。ライナー性の打球は右中間席に飛び込む先制ソロ。5月18日のヤクルト戦(甲子園)以来、出場16試合&50打席ぶりとなる来日2本目の一発を放った。「すごいくいい角度で打つことができた。先制することができたし、あれでチームにいい流れを与えられたかな」マルテが東京五輪期間を利用してドミニカ共和国に一時帰国した影響で現在も2軍調整中。後半戦、代役としてロハスにチャンスが巡ってきた。14日の広島戦(京セラ)から4試合連続安打を記録するなど、生き残りへ猛アピールしている。矢野監督は「ヒットじゃなくてホームランにできるというところは大きい」と評価しつつも、押し出し死球には「右打席というのもしっかりしたものをもっと見せてくれると助かる。欲を言えばファウルにしている球でどこかで仕留めるというのがレベルの高いこと」とより上のレベルを求めた。チームはこれで4連勝。前半戦最後に失速し、2位巨人にゲーム差を詰められたが、再び勢いに乗ってきた。「(状態は)少しずつ良くなっている。まだ100%ではないですけど。少しずつ、毎日やっていって。少しでも状態を上げていって、チームの勝利のためにやっていきたい」とロハス。昨季、韓国リーグで本塁打と打点の2冠王の力はまだこんなものではない。まだまだ球場を沸かす。(菊地峻太朗)
◆『鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス』の阪神・矢野家康野球、お見事!! 先発・伊藤将の左腕にかけ、途中から勝ち越しの場面があっても代打を送らず続投させるその采配。 それ以上に、昨季韓国リーグで大活躍して鳴り物入りで虎のユニホームを着たのに、ここまで大期待外れどころか打率1割少々、ホームランはわずか1本...。俺の周りの虎党の中には「何でロハス・ジュニア使っとんねん!! どーせ打てないなら千原ジュニアを打席に立たせた方が笑い取るでェ!!」という者までいる始末...。そのロハスが本日2号先制アーチに、八回貴重な決勝の押し出し死球で阪神を勝利に導いたのだ!! この後、矢野監督がロハスを起用するかは別にして、期待していなかった(ゴメン!)選手が働いた1つの勝利が優勝した後、振り返ってみると実は大きな1勝となるものなのだ!! 後半戦4勝1敗のわが阪神。うれしいサプライズをもっと増やして、V街道を突っ走れー!!
◆あの田淵幸一に並んだと大騒ぎして一夜明け。今度は、その3代目ミスタータイガースを超えるかどうか、で1打席1打席、目が離せなくなった。四回、佐藤輝の打球は右中間方向へ詰まり気味。なのに、思わず腰を浮かしてしまう。七回、九回の右前打はライナー性なのに「アッ」と叫んでしまう。 常に何かが起きる予感はプンプン。一瞬も油断できない、とんでもないルーキーだ。次から次へと記録を塗り替えていく日々を、半ば呆れながら眺めている。 「記録ラッシュで悩まされるのはもう覚悟ができてます。田淵さんの22号も、どうせ必ず達成するので、一気に2本打って並んでくれてありがたかったです。そう思うしかないです」 東京ドームの記者席で、サトテルの1面原稿を書き続けてきたトラ番・原田遼太郎は苦笑い。 「次は新人の最多打点とか、塁打とか。球団新人記録もあれば、日本記録もある。まだまだ節目がいっぱい待ってます」 過去の記録のデータと格闘する日々を、ため息まじりにボヤいていた。 1990年。後のメジャー挑戦のパイオニア、野茂英雄の近鉄バファローズルーキー時代を担当したことがある。 プロ初勝利となったオリックス戦で、当時1試合最多奪三振タイ記録でもある「17三振」をマーク。デビュー当時から衝撃の存在だった。以来、投げるたびに奪三振フィーバーが始まる。 次のダイエー(現ソフトバンク)戦で14三振。日本記録じゃないから大騒ぎしなくていい...と安心していたら、会社から「連続2試合での31奪三振が日本記録という噂があるぞ。調べろ」という電話が。そんなデータ、どうやって調べりゃいいんや! 呆然。 その次の試合は「3試合で43奪三振はメジャー記録かもしれない」。さらに、連続試合2桁奪三振のセ・リーグ記録は「5」でパ・リーグは「4」で...という具合に、ミクロの数字に悩まされ続けたシーズンを思い出す。 野茂はよく不満を言ってきた。 「なんで勝ち負けより、記録の話ばっかりするんですか?」 記録更新は偉大さの証明でもあるんやで...と説明しても、なかなか分かってもらえなかった。 さて、令和の記録更新男はどうなんだろうか。インタビューでは「うれしいですが、あまり意識はしていません」という優等生の受け答えしか聞こえてこない。ここは、誰よりもサトテルを知る原田に聞いてみよう。 「僕らの前でも、気にしていない素振りをしてます。ただ、仙台のおじいちゃん(勲さん)に聞くと、本人はまんざらでもないらしいですよ」 こういう〝かわいい本音〟を聞くと、ますます応援したくなる。 と同時に、早い回に1本スタンドに運んでくれていたら、こんな胃が痛くなる投手戦にならなかったのになぁという思いも。ファンは自分勝手でワガママ。ルーキーなのに、そんなに毎日毎日ホームランを打てるもんじゃないのに、要求するレベルが高くなる一方に。 まあ、1年目でそういう状況になるってのが立派だ。とりあえず、田淵超えを果たせば、次なる大きな節目は新人最多記録31本の桑田武(大洋)&清原和博(西武)。早く9本打ってしまえ。そうすれば、上には誰もいなくなるのだから。
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
52 | 34 | 3 | 0.605 (↑0.005) | - (-) |
54 | 369 (+5) | 320 (+2) | 91 (+1) | 78 (+3) |
0.254 (↑0.001) | 3.300 (↑0.01) |
2 (-) |
巨人 |
47 | 33 | 10 | 0.588 (↑0.006) | 2 (-) |
53 | 377 (+3) | 325 (+2) | 117 (-) | 52 (-) |
0.252 (↓0.001) | 3.390 (↑0.01) |
3 (-) |
ヤクルト |
44 | 33 | 9 | 0.571 (↓0.008) | 3.5 (↓1) |
57 | 385 (+2) | 342 (+3) | 90 (+1) | 53 (-) |
0.255 (-) | 3.760 (-) |
4 (-) |
中日 |
34 | 45 | 12 | 0.430 (↑0.007) | 14.5 (-) |
52 | 260 (+3) | 307 (-) | 52 (+1) | 46 (+2) |
0.236 (-) | 3.280 (↑0.04) |
5 (-) |
広島 |
31 | 46 | 10 | 0.403 (↓0.005) | 16.5 (↓1) |
56 | 310 (-) | 370 (+3) | 62 (-) | 43 (+1) |
0.257 (↓0.002) | 3.880 (↑0.01) |
6 (-) |
DeNA |
31 | 47 | 11 | 0.397 (↓0.006) | 17 (↓1) |
54 | 349 (+2) | 418 (+5) | 87 (+1) | 19 (-) |
0.258 (↓0.002) | 4.480 (-) |
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