ソフトバンク(0対0)日本ハム =リーグ戦17回戦(2021.08.15)・福岡PayPayドーム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
日本ハム
0000000000000
ソフトバンク
0000000000300
勝利投手:-
敗戦投手:-
  DAZN
チケットぴあ ソフトバンク戦チケット予約 日本ハム戦チケット予約
◆ソフトバンクは先発のスチュワート・ジュニアが、5回無失点9奪三振の好投を見せる。その後は5投手の継投で、相手打線を無安打に抑え込んだ。対する日本ハムは、先発・バーヘイゲンと2番手・池田がそれぞれ3回無失点。9回裏は5番手・杉浦が締め、試合を引き分けに持ち込んだ。

◆日本ハム西川遥輝外野手(29)は通算300盗塁へあと1。 現在、西川は29歳3カ月で、過去に20代で300盗塁を達成したのは7人だけ。今日の試合で達成すれば53年木塚(南海)に並ぶ年少6位の記録になる。

◆来日3年目でプロ初先発したソフトバンクのカーター・スチュワート投手(21)が、堂々の先発デビューを飾った。 この試合で先発予定だった和田が左肩のコンディション不良で出場選手登録を抹消され、スチュワートが急きょ、代役でマウンドへ。初回、先頭の浅間には157キロの直球がユニホームをかすめて死球を与えたが、以降は1人の走者も許さない完璧な投球。5回まで無安打無失点、9奪三振で降板した。 スチュワートは「良いピッチングができて良かったです。自分自身に勝ちはつきませんでしたが、チームが勝つチャンスがある中で降板できたのは良かったです。初めての1軍の登板で今日のような投球ができて良かったし、いい経験ができたと思います」。初勝利はお預けとなったが、ペイペイドームで強烈なインパクトを残した。

◆日本ハムの先発ドリュー・バーヘイゲン投手(30)が3回1安打無失点、33球で降板した。「投球感覚は常時良く、自分のテンポを保ちながら投球することができました。状態はいい方へ向かっていると自覚しているので、次回の登板ではさらに長いイニングを任せてもらえるよう調整していきます。また、(二塁手でスタメンした)郡選手のファインプレーを始め、味方の守備にも助けてもらい感謝しています」。ショートスターターとして予定通りの交代とみられ、4回からはこの日出場選手登録された池田隆英(26)が第2先発として登板した。 バーヘイゲンの直近の登板は8日のエキシビションマッチ巨人戦(函館)に6回から2番手で登板。2回1安打無失点、33球で降板していた。荒木投手コーチは「短いイニングだったけど、しっかり自分の持ち味を出してくれ、いい内容だった。バギー(バーヘイゲン)がいいスタートを切ってくれたので、続くピッチャーも自分の持ち味を発揮して思い切って投げてもらいたい」とコメントした。

◆ソフトバンクが球団初の、継投での無安打無失点試合を達成した。17年6月14日の巨人(山口俊、マシソン、カミネロ)以来、史上5度目。 プロ初先発のスチュワートは5回までを1死球、9奪三振で無安打のまま降板。2番手津森が2死を取り、続く嘉弥真は四球で走者を背負ったが、西川を打ち取った。7回は松本が1四球も無安打。8回は板東が3人斬りで、9回は19年以来2年ぶりの1軍登板となる甲斐野にバトンをつないだ。 これまでの継投無安打無失点は3投手のリレーが最多だったが、この日のソフトバンクは6人での継投で、史上最多投手数での達成となった。

◆両軍先発ともに3回まで無失点と好調な立ち上がり。初先発のソフトバンク・スチュアートは3回まで無安打、5奪三振。 好投の両先発から両軍ともに継投策。日本ハム池田は4回から1安打無失点。ソフトバンクも6回に津森-嘉弥真とつなぎ無失点。 ソフトバンクは絶好の得点機を逃した。8回1死三塁からスクイズ失敗。投手陣は6人の継投で無安打無失点投球も引き分けた。

◆ソフトバンクは球団初の継投での無安打無得点試合を達成。6人継投は最も多い投手数での達成となった。試合は引き分け。試合後の工藤公康監督(58)の一問一答は以下の通り。 -スチュワートが好投 工藤監督 想像以上にいいピッチング。ボールに力もありましたし、変化球も良かった。次につながると思いますよ。 -5回での降板は悩んだ 工藤監督 考えましたよ。さすがにノーヒットなんで、ちょっと4回でというのはね。(甲斐)拓也にも聞いたら「まだボールの力は衰えていない」ということだったので、5回は行こうと。5回まで行ったら代えようと思っていました。ラスト1回と伝えていたので、力を振り絞って投げてくれた。良く投げてくれたと思います。 -急きょの登板だった 工藤監督 そういう中でいつでも行けると言ってくれましたし、本当にすばらしい投球。代えるのも申し訳なかったんですけど。4回が終わったときにラスト1回と言ったのでね、彼も振り絞ったところがあると思いますし。ナイスピッチングでした。勝たせてあげたかったですね。 -今後もチャンスがある 工藤監督 (日程が)スムーズに行くときと行かないときと、雨もあるのでそのへんも考えています。 -救援陣も好投 工藤監督 リリーフ陣はすごいですね。すばらしいですよ。1本もヒット許さないというのはね。後半戦にかける思いをしっかり表現してくれたので、いい形で後半をスタートできたかなと思います。1カ月の間でいい調整ができたんじゃないかなと思うと、みんな良くやってくれたなと思います。 -甲斐野は2年ぶりの登板 工藤監督 ちょっとね、先頭打者だけは緊張していたみたいですけど。先頭をしっかり取ってね、落ち着いて投げてくれた。これからにつながるいいピッチングだと思います。 -9回を任せたのは経験に期待してか 工藤監督 そこもあるんですけど、板東が1、2番の浅間、西川に打たれているところがあったので。そうじゃなければ8回に甲斐野、9回板東というのもありましたけど、そこだけ替えました。 -無安打だっただけに勝ちたかった 工藤監督 ありますけど、相手も一生懸命投げて、なんとか打たさないようにと投げている。こういうゲームになりがちだと思う。1点を取るというのも力が入るし、うまくいくときもいかないときもある。そこはプラスに考えて、次にもつながると思います。 -後半戦最初のカードを勝ち越し 工藤監督 いいスタートが切れたと思いますよ。 -8回は甲斐がスクイズ失敗 工藤監督 ちょっとぼくも、2球目のボールを見てばらけてたらな、というのもあるし、速い球なので高目に設定しちゃう。スクイズは難しいのでね。そこは切り替えてね、9回を0で抑えてくれた。今日に関して言えば、この2連戦もそうですけどね。甲斐のリードが大きかった。あいつのおかげで3試合連続0で抑えられたと考えれば、スクイズの1つくらいミスしてもおつりが来ますよ。本当にナイスリードだと思います。リリーフ陣も調子が良くなかった人間もいたんですけど、それでも0で抑えて帰ってきた。オリンピックに行って成長して帰ってきたと思いますよ。

◆日本ハムはソフトバンクに継投でノーヒットノーランを食らいながら、投手陣の踏ん張りで今季10度目の引き分けに持ち込んだ。 9回終了で無安打無得点ながら試合に負けず、引き分けとなったのはプロ野球史上初。栗山英樹監督(60)は「本当、すいません。とにかく一生懸命、向かっていったけどヒットを打てなかったのも現実なので。3試合やって1点も取れていないのも現実なので。もう1回、洗い直してしっかりやっていきます」と、振り返った。 ▼日本ハムはこの3試合の安打数が1、3、0の計4安打。連続3試合の最少安打数は、40年8月1~5日イーグルス(1、3、1)、56年5月6~9日近鉄(2、1、2)、12年4月4~6日DeNA(2、3、0)の3チームが記録した5安打があったが、4安打は史上最も少ないワースト記録となった。また3試合連続無得点は、球団では88年5月1~4日以来10度目のワーストタイ。

◆ソフトバンク甲斐野央投手(24)が、2年ぶりの1軍登板で「ノーヒットノーラン」リレーを完結させた。 9回にマウンドへ上がり、先頭浅間を二ゴロに仕留めると、西川、高浜を連続空振り三振。「エキシビションマッチでの登板はありましたが、今日はすごく緊張しました。技術というよりも、気持ちの準備をしっかりとしてマウンドに上がりました」。19年には新人ながら65試合に登板。抑えも務めたが、右肘の手術もあって昨年は登板ゼロに終わっていた。「難しい状況でしたが、0点で抑えることができて良かった」と笑顔だった。

◆ソフトバンクが、球団初の無安打無失点継投を達成した。無安打無失点継投で勝てなかった例は初めてという珍しい記録になった。 これまでは3投手のリレーが最多だったが、この日は6人での継投で、これまた史上最多。カーター・スチュワート投手(21)が5回まで1死球のみの投球で流れを作った。試合は引き分けたが、球団タイ記録3試合連続無失点で後半戦は好スタートを切った。スコアボードに、ずらりと「0」が並んだ。得点に加え、安打もゼロ。勝てはしなかったが、工藤監督は誇らしい表情だった。「すごいですね。すばらしいですよ。1本もヒットを許さないというのはね」。6人でつないで、9回まで1安打も許さず。球団初の無安打リレーで、球団タイ記録の3試合連続無失点。後半戦最初のカードは、2勝1分けの好発進になった。 快挙への流れを作ったのは、緊急マウンドのスチュワートだった。先発予定だった和田が、左肩のコンディション不良で14日に出場選手登録を抹消。急きょ代役に抜てきされ、プロ初先発を堂々と勤めあげた。 初回は先頭浅間に死球を与えたが、以降は1人も走者を出さず、最速157キロの直球とカーブ、スライダーの組み立てで9個の三振を積み上げた。工藤監督は「代えるのも申し訳なかったんですけど。4回が終わったときにラスト1回と言ったのでね。勝たせてあげたかったですね」。緊急登板だったことも考慮し、5回を投げ80球のところで継投に入った。右腕の快投に応え、津森、嘉弥真、松本、板東、甲斐野が無安打のリレーを最後までつないだ。 スチュワートは18年に大リーグでブレーブスからドラフト1巡目指名を受けたが、入団合意に至らず、19年5月に6年契約でソフトバンクに加わった。1年目は3軍で鍛え、昨年は2軍の先発ローテーションで経験を積んだ。今年4月に1軍初昇格したが、4試合に救援登板し防御率10点超えで降格。力不足を実感し「2軍に落ちてから体も鍛えて、パワーアップしていると思う」と、さらなるレベルアップに励んできた。 突然のチャンスが訪れたこの日、初勝利とはいかなかったが「初めての1軍の(先発)登板で今日のような投球ができて良かったし、いい経験ができた」と笑った。逆転優勝を狙う後半戦。新たな戦力が、強烈なインパクトを残した。【山本大地】ソフトバンク津森(2番手で2/3回を1三振無失点)「1人1人しっかり抑えることを考えて投げました。もっと調子を上げていけるように頑張ります」 ソフトバンク嘉弥真(3番手で1四球も1/3回を無失点)「先頭バッターの四球はしっかり反省します。でも、無失点で終えることができて良かったです」 ソフトバンク松本(4番手で1回を1四球無失点)「マウンド上ではノーヒットということは頭になかった。失点しないことだけを考えて投げました。結果、ノーヒットリレーができて良かったです」 ソフトバンク板東(5番手で1回無失点)「8回で0対0、ノーヒットという状況でいつも以上に緊張しました。でも自分のピッチングをすることだけを頭に入れて投げました。良い投球ができて良かったです」

◆点を取られなければ、野球は負けないが…。日本ハムはソフトバンク17回戦(ペイペイドーム)で継投による無安打無失点試合を達成されながら、9回終了試合ではプロ野球史上初めて引き分けた。打線は後半戦最初のカード計3試合で4安打無得点、41三振。これで28イニング連続無得点と深刻な状況が続くが、この日も奮闘した投手陣は計27イニングで5失点のみ。点を取らなければ、野球は勝てない。よく投げ、よく守り、打つことだけが出来なかった。9回裏を守護神の杉浦が3者凡退で締め、なんとか屈辱的な敗戦からは免れた。0-0での引き分けだが、日本ハム打線は安打数もゼロ。ソフトバンクの6投手による継投の前にノーヒットノーランを達成された栗山監督は「受け止めて、次に生かせるようにやっていきます」。指揮官にとっても就任10年目で無安打は初めてのことだ。 今カードは歴史的貧打に襲われた。打線は13日の初戦が1安打14三振、14日の2戦目が3安打13三振。「テコ入れしたつもりだったんだけど」と、6番に二塁手ではプロ初スタメンとなる郡を抜てき。7番にR・ロドリゲス、8番中島と打線を組み替えたが、プロ初先発のスチュワートが繰り出すパワーあふれる投球を打ち崩せず。リリーフ陣も打ちあぐね、この日も14三振と沈んだ。 無安打無得点に抑えられても、史上初めて引き分けに持ち込めたのは投手陣のおかげだ。前半戦は股関節痛で調子を落としていた先発バーヘイゲンが、球数制限がありながらも3回無失点、第2先発の池田も3回無失点と勝機をつないだ。 8回はB・ロドリゲスが1死三塁で仕掛けられたスクイズにも、とっさに低めへ制球。打者の空振りを誘い、飛び出した三走を盗塁死にして大ピンチを切り抜けた。栗山監督も「よく頑張った。(低めの)難しいボールを(捕手の石川)亮が止めて、慌てないでプレーができたのは大きかった」と、守り負けしなかったことはたたえた。 今カードの投手陣の失点は1試合3点以内。相手投手陣の調子の良さもあったが、打線は全く援護が出来なかった。小笠原ヘッド兼打撃コーチも「3試合、うまくいかないのが続いているので、ピッチャー陣には申し訳ないものがある」と、声を絞り出した。負けなかったことは救いだが、借金14の最下位から巻き返すには白星しかいらない。勝つためには得点がいる。栗山監督は「洗い直して、しっかりやっていきます」。早く投打がかみ合う勝利が見たい。【木下大輔】 ▼日本ハムはこの3試合の安打数が1、3、0の計4安打。連続3試合の最少安打数は、40年8月1~5日イーグルス(1、3、1)、56年5月6~9日近鉄(2、1、2)、12年4月4~6日DeNA(2、3、0)の3チームが記録した5安打があったが、4安打は史上最も少ないワースト記録となった。また3試合連続無得点は、球団では88年5月1~4日以来10度目のワーストタイ。

◆点を取られなければ、野球は負けないが…。日本ハムはソフトバンク17回戦(ペイペイドーム)で継投による無安打無失点試合を達成されながら、9回終了試合ではプロ野球史上初めて引き分けた。打線は後半戦最初のカード計3試合で4安打無得点、41三振。これで28イニング連続無得点と深刻な状況が続くが、この日も奮闘した投手陣は計27イニングで5失点のみ。点を取らなければ、野球は勝てない。 ▼日本ハムはこの3試合の安打数が1、3、0の計4安打。連続3試合の最少安打数は、40年8月1~5日イーグルス(1、3、1)、56年5月6~9日近鉄(2、1、2)、12年4月4~6日DeNA(2、3、0)の3チームが記録した5安打があったが、4安打は史上最も少ないワースト記録となった。また3試合連続無得点は、球団では88年5月1~4日以来10度目のワーストタイ。

◆ソフトバンクが、球団初の無安打無失点継投を達成した。無安打無失点継投で勝てなかった例は初めてという珍しい記録になった。これまでは3投手のリレーが最多だったが、この日は6人での継投で、これまた史上最多。カーター・スチュワート投手(21)が5回まで1死球のみの投球で流れを作った。試合は引き分けたが、球団タイ記録3試合連続無失点で後半戦は好スタートを切った。 ▼ソフトバンクが6投手のリレーでノーヒットノーランを達成した。公式戦で継投によるノーヒットノーランは17年6月14日巨人以来5度目(日本シリーズでは07年<5>戦の中日が記録)。6投手は06年4月15日日本ハムと前記巨人の3人を上回る最多人数だ。

◆6投手による「ノーヒットノーラン」は、プロ野球史上初らしい。試合後に配布された公式記録のコピーを見ていたら、「雑記」の欄にこうあった。 継投による無安打無得点試合…ソフトバンク パ2度目、プロ5度目。 2時間37分の試合はホークス投手陣の力をまざまざと見せつけた格好だが、何ともむなしいのは打撃陣も日本ハム投手陣に抑え込まれたことだ。安打の出なかったハム打線もそうだが、ホークス打線も散発3安打。無得点に封じられ、ホームが遠かった。今季、9回打ち切りルールでチーム15度目の引き分け試合。「ノーヒットノーラン」ながらドローというのも、なかなかお目にかかれるものではなかろう。 シーズン後半戦が再開してチームは2勝1分け。負けなかったのだから「好ダッシュ」には違いないのだが、3戦連続して「完封リレー」の投手陣とは対照的に、打撃陣はまだまだお目覚めとは言えないようだ。試合後、日本ハム鶴岡バッテリーコーチが「3試合連続で完封されて…。どうしたらいいんですかね」とうつむき加減で移動のバスに乗り込んだが、ホークスだって3戦5点。1試合平均2点も取れていないのだから、手放しで喜んではいられない。 初戦の3得点は柳田、松田の本塁打。適時打で挙げた得点は2戦目の2点のみ。後半戦の大テーマは「打線のつながり」のはず。機動性を高めたいと工藤監督も話していたが、まだまだ打線にエンジンがかかっていない。投打は両輪。打撃陣の「実戦感」を早く取り戻してもらいたいものだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆ソフトバンク・工藤公康監督(58)が試合前に代表取材に応じた。来日3年目で初先発となるカーター・スチュワート投手(21)に期待を込めた。 「抜ける球が多かったり、浮いたりしていましたけど。それがまとまってきて、大きく外れる球が少なくなってきた。あとは変化球でストライクが取れたりとか。彼は高さがあるので、それが低めに決まってくれば。いけるところまでいってもらえたら」 スチュワートは2018年の米国ドラフトで1巡目指名を受けたが、指名後の身体検査の影響で入団には至らず。19年にホークスに入団した。今季はウエスタン・リーグで10試合に登板して6勝0敗、防御率1・47。和田が左肩のコンディション不良となり、チャンスが回ってきた。 また指揮官は1軍帯同を続ける笠谷に先発を託す選択肢はなかったかと問われると「(エキシビションマッチで負傷した)指のことがあって、その確認が取れなかった。予告先発のこともあったので。タイミング的に時間もなかった」と説明した。さらに16日の練習で「シート打撃みたいなことをやる予定です。(笠谷の今後の起用は)中継ぎで考えるかもしれないですし、その次の先発で考えるかも」と見通しを明かした。 和田の状態にも言及。今後の調整予定に「それは本人に任せています。肩の張りでもあるので。短いイニングでも投げれば、彼ならそれくらいの調整でもいい」と信頼を寄せた。

◆ソフトバンクの小久保裕紀ヘッドコーチ(49)が試合前に代表取材に応じた。主な一問一答は以下の通り。 --後半戦は連勝発進 「いやいや、バッテリーの力ですよ。(甲斐)拓也のリードも含めて。2試合連続で完封したら。いい投手がきたら、ミーティングでも話しましたけど、そうそうチャンスはない。いかに数少ないチャンスで得点できるかという点では(14日は)デスパイネと今宮がチャンスを生かしたから勝てたわけで。がんがん点を取る展開が理想ですけど、1点差をいかに勝ち切るかとポイントになってくる。そこが逆にいえば長所で日本シリーズを4連覇している。選手にも話しましたけど、終盤の勝負強さが持ち味だと思うので、楽しみに見たいと思いますけど。ここからホークスの強さを発揮できる終盤の戦いだと思うので」 --ヘッド自身も、現役時代の経験もある 「僕はこんなに勝っていないですけど。終盤を競っておいていかれたこともありますし、2010年みたいな奇跡的な逆転もありました」 --栗原は東京五輪から復帰して、いろんな選手から聞いた話を取り入れようと 「それは拓也にもあると思いますよ。向上心の強いやつはそういうものがある。ただいろいろやっても、一番数を振った形に戻るのがこの世界。それが基本。最終的にはそこに落ち着くと思います。今まで振ってきたものを超えればそれが基本になるんでしょうけど。最終的に困ったら立ち返るのは、自分が覚え込ませたところだと」 --五輪から復帰した選手はたくましくなったか 「まだないです(笑)。これからです」 --終盤の戦いでも頼もしい存在なのでは 「もちろん。あの経験とペナントレースは比べることはできないですけど。短期決戦で似たような心境になるでしょう。でも柳田がいっていたような、1球の大切さみたいなものを感じながらプレーできたでしょうから。そういうものはチームにいい影響を与えてほしいですね」

◆ソフトバンクのカーター・スチュワート投手(21)が来日初先発で5回無安打無失点と好投した。 一回、先頭の浅間にいきなり死球を与えた。しかし西川、高浜を連続三振などで立ち上がりをしのいだ。 二回以降は走者すら許さず。五回は王、郡、ロドリゲスと圧巻の3者連続三振だ。最速は157キロを計測し、9奪三振。球数80だったが、ベンチは六回から継投。津森にバトンを託した。 スチュワートは2018年の米国ドラフトで1巡目指名を受けたが、指名後の身体検査の影響で入団には至らず。19年にホークスに入団した。今季はウエスタン・リーグで10試合に登板して6勝0敗、防御率1・47。和田が左肩のコンディション不良となり、チャンスが回ってきた。

◆先発した日本ハム・ドリュー・バーヘイゲン(30)は3回1安打無失点(無四球、3三振)で降板し、2番手・池田にマウンドを譲った。 「投球感覚は常時良く、自分のテンポを保ちながら投球することができました。状態は良い方へ向かっていると自覚しているので、次回の登板ではさらに長いイニングを任せてもらえるよう調整していきます」 中継ぎ登板で2回を投げた7月7日の西武戦以来となる後半戦初の登板。一、二回と3者凡退で切り抜けると、三回2死から今宮に中前打を許すも後続を断って、任された短いイニングを無失点に抑えた。

◆ソフトバンクが6投手の継投で日本ハム打線を無安打に抑え切った。 まずは先発のスチュワートだ。圧巻の来日初先発となった。一回無死、浅間に死球を与えたが、それ以降は走者を許さず。五回は圧巻の3者連続三振で、最速は157キロを計測した。 六回は津森がマウンドへ。2死を奪ったところでベンチは動き、左腕・嘉弥真にスイッチ。四球を与えたが、西川を打ち取りバトンをつないだ。 七回は松本が四球で走者を出しながらも無失点。八回は板東が3者凡退でリレーをつないだ。 九回を託されたのは甲斐野だ。2019年9月24日の楽天戦(楽天生命パーク)以来の1軍マウンド。最速は159キロを計測し、2三振を含む3者凡退で無安打リレーを完成させた。 継投でのノーヒットノーランは球団初の快挙。3試合連続完封は昨年の10月11日のロッテ戦(ペイペイドーム)、13日と14日のオリックス戦(京セラ)以来、球団タイ記録となった。

◆ソフトバンクは6投手の継投で日本ハム打線を無安打に抑えたが、引き分けに終わった。試合後、工藤公康監督(58)が代表取材に応じた。主な一問一答は以下の通り。 --スチュワートは5回無失点 「いいボールだったし、力もあった。変化球もよかった。次につながるんじゃないかと思いますけど」 --四回から五回は、リリーフは考えたのか 「考えましたよ。ノーヒットだったので、さすがに四回では、と。拓也(甲斐)にもどう? と聞いたらボールの力は衰えていないということだったので。五回はいこうと。五回が終わったら代えようと決めていました」 --急遽な先発で見事 「いつでもいけるといってくれたし、素晴らしいピッチングをね。彼には申し訳なかったんですけど。ナイスピッチングでしたね。勝たせてやりたかったですけど」 --来週も使いたくなる 「スムーズにいくとき、いかないとき。雨うんぬんもあるので。そのへんは考えています」 --継投でも無安打 「すごい、素晴らしいですよ」 --無安打で終えた 「一本も許さないというのはね。後半にかける思いを投手が形で表現してくれた。いい感じで後半スタートができたと思います」 --3試合連続無失点 「1カ月の間にいい調整ができたと。みんなよくやってくれたと思います」 --九回は甲斐野に 「先頭打者のときには緊張していたみたいですけど。落ち着いて投げられたので、これからにもつながる。いいピッチングだったと思います」 --勝ち切りたかった 「相手も必死で何とか打たせないようにという思いで投げている。1点を取るというのも力が入るので。うまくいかないときもあるので。負けていないわけですから、またプラスに考えて」 --八回1死三塁では甲斐がスクイズを失敗した 「甲斐の中でも、速い球なので(目付を)高く設定しちゃいますよね。あそこは低めのボール球の設定はなかなかしないでしょうしね。スクイズ自体も難しいので。切り替えて九回もゼロに抑えてくれたので。(この3連戦は)甲斐のリードも大きかったので。あいつのおかげで3試合連続でゼロで抑えられたと考えれば、スクイズの1つや2つミスしても、お釣りがきますよ。本当、ナイスリードだと思います」

◆両チームの投手が譲らず無得点で引き分け。ソフトバンクは6投手の継投で無安打無得点試合を達成した。 6人の継投で無安打無得点試合を達成した(上段左から)ソフトバンク・先発のスチュワート、2番手の津森、3番手の嘉弥真、(下段左から)4番手の松本、5番手の板東、6番手の甲斐野=ペイペイドーム 打線は八回1死三塁でスクイズに失敗した。日本ハムは3四死球での走者しか出せず、3試合連続で得点なしに終わった。

◆日本ハムはソフトバンク投手陣に圧倒され、継投での無安打無得点試合を喫した。シーズン再開後の3試合合計でわずか4安打、得点はいまだにゼロと貧打は深刻だ。 栗山監督は「本当にすみません。打てなかったのは現実なので、しっかり受け止めて次に向かっていく。洗い直してもう一度やっていく」と言うしかなかった。(ペイペイドーム)

◆ソフトバンクは八回1死三塁で、甲斐がスクイズを失敗した。投手陣は継投で無安打無得点だっただけに痛恨だった。 先頭の明石が右前打で出て、代走の周東がすかさず二盗。谷川原の犠打で三塁に進めた。甲斐は3球目の低めのボール球をバットに当てられず、飛び出した周東がアウトに。次の球で三振に倒れた。それでも工藤監督は「甲斐のリードのおかげで3試合ゼロに抑えられた。スクイズの一つや二つミスしてもおつりが来る」と責めることはなかった。

◆日本ハムはソフトバンク6投手の継投によるノーヒットノーランを喫した。後半戦再開後は3試合連続無得点。その間わずか計4安打。敵地でのソフトバンク3連戦を2敗1分けで終えた。栗山監督の試合後の主な一問一答は以下の通り。 ーー打線がノーヒットに終わった 「ほんとすみません」  ーースチュワートも尻上がりに調子を上げてきた 「われわれが一生懸命向かっていったけど、ヒットを打てなかったのも現実なので、しっかりそういうものを受け止めて次に生かせるようにやっていきます」 ーー打線がこうなってしまっている要因は 「相手がいいとかこっちが悪いとかそういうことは別問題として、3試合やって1点も取れてないというのも現実なので、もう一回洗い直してしっかりとやっていきます。ほんとに冗談じゃなくて、何がとかそういう問題でもないと思うんで、しっかりと受け止めてやっていきます」 ーー次のカードへ向けて打線のテコ入れは 「今日テコ入れしたつもりだったんだけど、これからさらにテコ入れしたら全員変わっちゃう。テコ入れとかじゃなくて考えます」

◆日本一の投手になる。力強すぎる第一歩だ。来日3年目で初先発を託されたソフトバンク・スチュワートが5回無失点。6投手での〝ノーヒットノーラン〟の口火を切り、福岡でついにベールを脱いだ。 「自分自身に勝ちはつきませんでしたが、チームが勝つチャンスがある中で降板できたのはよかったです」 ■ウエスタンで圧倒6勝0敗 一回無死、浅間に死球を与えたが、許した走者はその1人だけ。打者15人を連続で打ち取った。指揮官から「五回がラスト」と伝えられると、圧巻の3者連続三振。和田が左肩のコンディション不良となり、回ってきたチャンスをモノにした。 今季も春先に1軍を初経験するも、4試合で防御率10・13。5月13日に登録抹消となったが、ウエスタンで6勝0敗、防御率1・47と圧倒した。倉野ファーム投手統括コーチも「通用した部分と課題と。現在地がはっきりわかったのが大きい。だから(2軍に)帰ってきてから、ほとんど打たれていない」とうなりっぱなし。工藤監督は次回登板に「雨うんぬんもある」と明言しなかったが、鮮烈な印象を残したはずだ。 ■工藤監督「すごい、素晴らしい」 六回以降は津森、嘉弥真、松本、板東、甲斐野とつなぎ、プロ野球史上5度目の無安打リレーが完成。継投での達成は球団初、6投手以上は史上最多だ。後半戦開幕から投手陣がチームを引っ張り、3試合連続完封。指揮官も「すごい、素晴らしい」と手をたたいた。逆転優勝へ、鷹投に厚すぎる1枚が加わった。 「初めての1軍の登板できょうのような投球ができてよかった。いい経験ができたと思います」 待望の初勝利は、もう少し先。カーター・スチュワート。ホークスのエースになり、投手としての全てを手に入れる。(竹村岳)

DAZN

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ORIX
443511 0.557
(↑0.006)
-
(-)
53374
(+5)
325
(+3)
87
(+1)
29
(-)
0.253
(-)
3.380
(↑0.01)
2
(-)
楽天
433711 0.538
(↓0.006)
1.5
(↓1)
52353
(+2)
344
(+10)
74
(-)
29
(-)
0.246
(-)
3.630
(↓0.06)
3
(-)
ロッテ
383612 0.514
(↓0.007)
3.5
(↓1)
57394
(+3)
365
(+5)
84
(+2)
76
(+1)
0.251
(-)
3.990
(↓0.01)
4
(-)
ソフトバンク
393715 0.513
(-)
3.5
(↓0.5)
52358
(-)
301
(-)
80
(-)
57
(+1)
0.247
(↓0.002)
3.180
(↑0.03)
5
(-)
西武
344014 0.459
(↑0.007)
7.5
(-)
55337
(+10)
370
(+2)
71
(-)
62
(-)
0.246
(↑0.001)
4.050
(↑0.02)
6
(-)
日本ハム
304410 0.405
(-)
11.5
(↓0.5)
59248
(-)
327
(-)
46
(-)
40
(-)
0.226
(↓0.002)
3.550
(↑0.04)