阪神(★3対9☆)広島 =リーグ戦11回戦(2021.08.13)・京セラドーム大阪=
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広島
40001010391001
阪神
0000100023711
勝利投手:大瀬良 大地(4勝3敗0S)
敗戦投手:西 勇輝(4勝7敗0S)

本塁打
【広島】野間 峻祥(2号・5回表ソロ)
【阪神】大山 悠輔(11号・5回裏ソロ)

  DAZN
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◆広島が快勝。広島は初回、小園と松山の適時打などで幸先良く4点を先制する。そのまま迎えた5回表には、野間のソロが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・大瀬良が7回5安打1失点の力投で今季4勝目。敗れた阪神は、先発・西勇が試合をつくれなかった。

◆前半戦で20本塁打の阪神ルーキー佐藤輝明内野手(22)が後半戦も打つか。広島戦は対セ・リーグで最も高い打率3割3分3厘、4本塁打の好相性。 初対決の相手先発・大瀬良も打ち崩せるか。

◆日本野球機構(NPB)は13日、出場選手登録の公示を行い、広島は27人が登録された。東京五輪開催に伴い、中断期間中は12球団の全選手が同登録を抹消されていた。侍ジャパンとして金メダル獲得に貢献した菊池涼介内野手(31)、鈴木誠也外野手(26)、栗林良吏投手(25)の3選手も登録され、後半戦初戦の阪神戦に出場する見込み。

◆日本野球機構(NPB)は13日、リーグ後半開幕の出場選手の登録を公示した。 阪神はロハスら助っ人4人が登録。この日登録されなかったマルテ、スアレス、ガンケルも試合前練習に参加した。 登録のなかった藤浪は、先発要員のガンケルの状態が整わなかった場合に備えて、バックアップ要員として調整を続けている。

◆阪神は後半戦の開幕投手に西勇輝投手(30)を起用した。通算勝利数「99」の右腕は100勝のメモリアルをかけてマウンドに上がる。また打線は両打ち助っ人のメル・ロハス・ジュニア外野手(31)が今季13試合目のスタメン。1軍戦は51打数5安打、打率0割9分8厘に沈んでいるが、京セラドーム大阪にその快音が響くか。

◆阪神-広島11回戦の試合前に「日本代表凱旋(がいせん)セレモニー」が実施された。 東京オリンピック(五輪)で金メダルを獲得した侍ジャパンメンバーの青柳晃洋投手、岩崎優投手、梅野隆太郎捕手の阪神勢と、広島の菊池涼介内野手、鈴木誠也外野手、栗林良吏投手、森下暢仁投手の計7選手に花束が贈呈された。場内のファンからは惜しみない拍手が送られた。

◆リーグ後半戦の開幕戦で、阪神西勇輝投手(30)が初回にまさかの4失点を喫した。 先頭野間を左飛に打ち取った後、菊池涼に左前打、小園に右中間へ適時三塁打を浴び先制点を献上。その後4番鈴木誠を四球で出塁させると、1死一、三塁から坂倉の遊ゴロが併殺崩れとなり、その間に2点目。続く林、松山に連打を浴びさらに2点を失った。西川を申告敬遠し大瀬良を右飛に打ち取ったが、打者一巡の攻撃で38球を要した。 西勇は前半戦最終登板となった7月11日巨人戦(甲子園)で9回1失点と好投していた。プロ通算100勝目に王手をかけてから4試合目のマウンドは、苦しい立ち上がりとなった。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、プロ野球新人最多を更新する122個目の三振を喫した。 2回1死で後半戦の初打席を迎え、広島大瀬良に追い込まれると、最後は外角低めの141キロに手が出ず、見逃し三振に終わった。 佐藤輝明は、99年に福留(中日)が記録した121三振の新人最多記録に前半戦で並んでいた。常々「三振は自分の技術が足りないから」と語っており、後半戦も大きな宿題と向き合い続けることになりそうだ。 なお、三振のプロ野球シーズン最多記録は93年ブライアント(近鉄)の204三振。 ▽佐藤輝明の三振が122となり、99年福留(中日)を抜いて新人では単独で最多となった。143試合換算なら205三振となる計算で、93年ブライアント(近鉄)204三振を超えてプロ野球を更新するペースだ。

◆阪神大山悠輔内野手(26)が左翼6階席へたたき込む特大の11号ソロを放った。5点を追う5回、先頭で打席に入ると、広島大瀬良の初球、真ん中高め145キロ直球を逃さなかった。「高めのボールをしっかりと捉えることができました。まだまだ負けているので、次の打席も打てるように頑張ります」とコメントした。これがチームの初安打だった。 前半戦不振だった大山は五輪中断期間にツイスト打法に取り組むなど、後半戦へ向け、復調のヒントをつかもうと必死だった。後半戦開幕となったこの日、4番大山の存在感をしっかりと示した。

◆リーグ後半戦の開幕戦で、阪神西勇輝投手(30)が初回にまさかの4失点を喫した。6回5安打5失点で降板し、プロ通算100勝はまたも持ち越しとなった。 初回1死から菊池涼に左前打、小園に右中間へ適時三塁打を浴びて先制点を献上。その後4番鈴木誠を四球で歩かせると、1死一、三塁から坂倉の遊ゴロが併殺崩れとなり、その間に2点目。続く林、松山に連打を浴び、さらに2点を失った。 その後、西川を申告敬遠し大瀬良を右飛に打ち取ったが、打者一巡の攻撃で初回に38球を要した。2回以降は持ち直し3イニング連続3者凡退。だが5回は先頭野間に右翼へソロ本塁打を浴び、6回裏の攻撃で代打を送られて交代となった。 西勇は前半戦の最終登板となった7月11日巨人戦(甲子園)で9回1失点と好投したが、この日は苦しい投球。6月18日巨人戦(甲子園)で100勝に王手をかけてから、4戦連続でお預けとなった。

◆阪神が広島に敗れ、後半戦黒星発進で、公式戦中断を挟んで3連敗となった。 先発の西勇輝投手(30)は6回5安打5失点で7敗。初回1死一塁から小園海斗内野手(21)に右中間への適時三塁打を浴び1点先制を許した。その後も広島打線の勢いを止められず、この回打者一巡で4失点。2回から4回は3者凡退で立ち直ったかのように見えたが、5回先頭の野間峻祥外野手(28)に甘く入ったスライダーをとらえられ、右越えソロを浴びた。西勇100勝に王手をかけてから4連敗となった。 打線は4回まで走者を1人も出せなかったが、5回先頭の大山悠輔内野手(26)が初球の真っすぐを捉え、左越えの特大11号ソロ。4番としては2カ月ぶりにアーチを懸けた。得点はその1点のみに終わった。

◆広島は初回、1死一塁から小園の先制適時三塁打など打者一巡の猛攻で4点を奪った。阪神は3回まで無安打無得点。 広島は5回先頭の野間が右越え2号ソロで1点を追加した。阪神は5回無死から大山が左越え11号ソロで1点を返し5-1とした。 広島は7回に菊池涼の中犠飛で点差を広げ、9回にも3点を追加しリードを守り抜いた。広島大瀬良が4勝目。阪神西勇は7敗目。

◆後半戦はひと味違う! 阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が後半戦初安打となる特大の二塁打を放った。 5回に先頭打者の4番大山が左翼席への特大ソロを放った直後、先発大瀬良に2球で追い込まれてから内角低めの139キロを中堅左へ飛ばした。打球はぐんぐん伸び、左中間フェンス最上部へ直撃。あと数十センチで本塁打の二塁打で反撃の機運を高めた。 7回1死の第3打席でも追い込まれてから変化球に対応し、快音を響かせた。カウント2-2から大瀬良の外角137キロを中前へ打ち返した。豪快な二塁打から一転、軽打で出塁。公式戦では7月13日以来、今季25度目のマルチ安打とした。 9回無死一、二塁の第4打席でも追い込まれてからだ。カウント2-2から左腕フランスアの外角低め150キロに腕を伸ばすと、打球は鋭いライナーで左翼線へ弾んだ。走者2人をかえす適時二塁打。第1打席では見逃しで今季122個目の三振を喫し、新人最多記録を更新したが、しっかりと修正して今季6度目の猛打賞。後半戦も大活躍の期待を抱かせる3打席だった。

◆広島は初回、小園の先制適時三塁打など打者一巡の猛攻で4点を奪った。さらに5回先頭の野間が右越え2号ソロで1点追加。 阪神は5回大山が左越え11号ソロで1点を返すも、広島は7回に1点、9回にも3点を追加しリードを守り抜いた。 広島大瀬良が4勝目。阪神西勇は7敗目。

◆広島小園海斗内野手が猛攻の口火を切った。 「3番遊撃」で出場。初回1死一塁から、西勇の甘いカットボールを捉えた。打球は右中間を破り、一塁走者の菊池涼が先制の本塁を踏んだ。「後半戦初打席だったので、しっかり良い形で入りたかった。集中して捉えられたので、よかったです」。この一打を口火に、初回に一挙4点。中断期間を挟み、8試合連続安打と好調を維持している。

◆リーグ後半戦の開幕マウンドを託された阪神西勇輝投手(30)が、初回の4失点など、6回5安打5失点で沈んだ。 「後半戦のスタートだっただけに、立ち上がりを大事にいきすぎてしまい、大胆さに欠けてしまいました。大事な初戦でチームに迷惑を掛けてしまいました」。負けが3つ先行する7敗目。プロ通算100勝も4戦連続持ち越しとなったが、チームに貢献できなかった悔やしさが口をついた。 初回1死から菊池涼、小園に連打を浴びてあっさり先制点を献上。その後4番鈴木誠を四球で歩かせると、1死一、三塁から坂倉の遊ゴロが併殺崩れとなり、その間に三塁走者が生還した。さらに林と松山には連打を浴び、2点を失った。打者一巡の攻撃で初回に要したのは38球。2回からは持ち直し3イニング連続3者凡退に抑えたが、5回は先頭野間に右翼へのソロを被弾。流れを引き寄せることができなかった。 矢野監督は「後半のスタートということで、慎重にもなるし。なかなか大胆にいきにくいところ。2点ぐらいならね、流れとしては、まだ...。4点は、ちょっと重たかったかなと」と厳しい表情。難しさを理解しつつも、初回のビッグイニングが最後までのしかかった。次こそ、快投のメモリアル勝利で払拭(ふっしょく)したい。【磯綾乃】

◆広島大瀬良大地投手(30)が7回1失点の好投で、チームに後半戦白星発進&今季初の5連勝をもたらせた。初回4得点の援護をバックに、力で押した。失点は5回先頭の大山に浴びたソロだけで、最後まで球威は落ちなかった。「今日のピッチング、フォーム、力の入れ具合というのは、理想に近い形の球、フォームだった」。充実の91球で、今季4勝目を手にした。 右ふくらはぎ痛と約1カ月のリハビリで、志願の早期復帰を果たしたが、その代償が前半の投球に大きな影を落とした。プロ入り最長、先発7試合連続勝ち星なしの屈辱も味わった。 巻き返しに向けた準備は6月下旬から始まっていた。まだ前半戦終盤。それでも登板3日前くらいまで練習強度を上げて追い込んだ。今季から取り組む、下半身を主導にしならせるフォームには、土台となる下半身の力強さが必要だった。 迎えた後半初戦のこの日、初球から148キロを連発し、6回は最速151キロをマークした。奥歯をかみしめながら、先を見据えて汗を流した前半戦の下積みが、後半戦の好発進につながった。「これを継続してチームに貢献していけるよう頑張っていきたい」。前半戦を4連勝で締めくくったチームの勢いを、エースが自らの投球で加速させた。【前原淳】

◆新リードオフマンの広島野間峻祥外野手が攻守で躍動した。 「1番中堅」で先発。守備では4回2死からサンズの左中間への痛烈な打球に追いつき、地面すれすれでキャッチ。直後の5回先頭で、西勇の低めチェンジアップを右翼席までかっ飛ばす2号ソロ。「うまく引っかかってくれました」。7回1死一塁で三塁への内野安打、9回1死一、三塁からはダメ押しの右前適時打を放ち、盗塁も決めた。19年5月28日ヤクルト戦以来、約2年ぶりの猛打賞で貢献した。

◆首位阪神が後半戦の初戦を落とした。エース西勇輝投手(30)が初回に4点を失うなど6回5安打5失点と誤算だった。矢野燿大監督(52)の一問一答は以下の通り。 -先発西勇の印象 丁寧にいこうとしているんやけど、それが高くなって、追い込んだところで打たれるというケースが(多かった)。後半のスタートということで、慎重にもなるし、なかなか大胆にいきにくいところなんで、そこは相手側はやりやすくなったのかなと。 -初回がポイントだった まあ2点ぐらいならね、流れとしては、まだ...。4点は、ちょっと重たかったかな。打線も、そこで2点ぐらいいければよかったけど。そういうところでは、投げる方も、打つ方も、どっちも絡まなかったので。流れ的にこっちに来るところがなかったかなと思います。 -4番大山はいいスタートが切れた ホームランはもちろん打ってほしいところ。まあバッティングの状態自体は良くなってきているんで、楽しみにしています。 -佐藤輝は3安打。最後の二塁打も見事 これからプロでやっていく中で早いカウントでしっかり振るということと、追い込まれての対応と2種類が最低バッティングの形っているはず。そういうところでは追い込まれてもああやって、ボール球見逃すとか、コンパクトに振ってヒットにしていくとか、それが結果もうちょっと甘くなればホームランにもなる。コンパクトに振ってもホームランになると思う。そういうところがここからの課題だし、伸びしろだと思う。今日は追い込まれてからいい結果が出ていたんで、そこはそういう風に思っています。 -打線全体は エキシビションから良いという感じではなかったんで。そういうところでは最後、ちょこっとつながりかけたんで。まあ何とか、常に絶好調ということはないんでね。1人1人が状態を上げていく。うちは誰か(1人)が打って勝てるチームじゃないんで。何とか全員が1個でもファウル打つとか、四球を選ぶとか、そういうことが必要かなと思っています。 -近本に1本出たというのは もちろん、何もないよりは明日の気分は違うと思います。 -ガンケルと伊藤将がシートに投げたが、予定通りにいけるか まあ、そんな感じに見えるけどね。投げた後がどうか、そこは今日の時点では判断できないけど、今日の時点では大丈夫かなと思っています。

◆阪神ジョン・エドワーズ投手が5点ビハインドの8回に登板し3者凡退に抑えた。 4番鈴木誠也を変化球で芯を外して左飛。5番坂倉はこの日最速152キロ直球でバットを折り一ゴロ、6番林を鋭いスライダーで空振り三振に抑えた。「変化球の制球も良かった。そのおかげで真っすぐを生かすことができたし、内角にも投げ切れていたから良かったよ」。スアレスが一時帰国した影響で出遅れ、苦しいブルペン事情を救う存在になる。

◆広島小園海斗内野手(21)が、猛攻の口火を切った。「3番遊撃」で出場。初回1死一塁から、西勇の甘いカットボールを捉えた。打球は右中間を破り、一塁走者の菊池涼が先制の本塁を踏んだ。「後半戦初打席だったので、しっかり良い形で入りたかった。集中して捉えられたので、よかった」。この一打を口火に、初回に一挙4点。天敵西勇を相手に、試合開始早々に主導権を握った。 シーズンの打率は3割2分5厘。中断期間を挟み、7試合連続安打と好調を維持している。エキシビションマッチでは全9試合で「3番遊撃」としてフル出場を果たし、打率3割6厘と結果を残した。「体を開かないだとか、受けずにしっかりボールに入っていくということを毎日意識して続けてきた。意識せずにでもできるというか、しっかりと自分に"染みて"きているのではないかなと思います」と手応えを口にした。 チームの今季初の5連勝をバットでたぐり寄せた。「初回からしっかり点数が取れると、チームも乗ると思う。3番を打たせてもらっているので、しっかりチームのムードを上げられるようにやっていきたい」と気合十分。鯉の中軸には、頼れる若きバットマンが座っている。【古財稜明】

◆首位阪神のドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が後半戦を猛打賞で発進した。夏の甲子園大会が開催中で京セラドーム大阪での広島戦。佐藤輝は2回の第1打席で新人最多記録を更新する122三振を喫した後、全て2ストライクから3安打をマークした。試合には完敗して中断期間を挟んで3連敗。2位巨人に1ゲーム差に迫られた。対応力に磨きをかけたルーキーとともに正念場を乗り越える。主導権を握られても、今の佐藤輝なら対応できる。5回、大瀬良に2球で追い込まれてからだ。内角低めの139キロカットボールに、ボールの内側をさばくようにバットを出した。打球はスライス気味に流れ、中堅左のフェンス最上部へ直撃。特大二塁打で後半戦初安打をマークし「自分の打撃としてはいい感じでヒットが出た。しっかり振っていって、その中で結果を出すことが大事」とうなずいた。 7回には再び大瀬良から中堅右への中前打。9回無死一、二塁では左腕フランスアの外角直球に腕を伸ばし、意地の2点適時二塁打を左翼線へ飛ばした。いずれもカウント2-2と追い込まれてから。「食らいついてヒットが出ているんで、そこは良いこと」。第1打席では見逃しで122個目の三振を喫し新人最多記録を更新したが、のちの3打席は簡単に終わらなかった。 ルーキーが進化を示す今季6度目の猛打賞。矢野監督は「追い込まれてもああやってコンパクトに振ってヒットにしていくとか、それがもうちょっと甘くなればホームランにもなる。今日は追い込まれてからいい結果が出ていた」と評価した。対応力、粘り、選球眼。3安打には、着実にステップアップを重ねた証しが詰まっていた。 チームは5位広島に大敗。エキシビションマッチ最後の3試合で計1得点と湿っていた打線は、この日も爆発力を欠いた。指揮官は「常に絶好調ということはない。うちは誰か(1人)が打って勝てるチームじゃない。何とか全員が1個でもファウルを打つとか、四球を選ぶとか、そういうことが必要」と言った。 2位巨人が勝利し、4月28日以来の1差。仮に14日に阪神が負けて巨人が引き分け以上なら首位陥落となる。後半戦が幕開けし、いきなりの正念場を佐藤輝、そして打線の奮起で乗り切る。【中野椋】 ▼佐藤輝の猛打賞は6度目。いずれも3安打だが、すべてが中堅から左への安打だったのは今回が初めてだ。 ▼現在のペースなら年間の猛打賞は10度となる。新人の猛打賞プロ野球最多は58年長嶋茂雄(巨人)14度。球団記録は13度で、48年別当薫、16年高山俊、19年近本光司の3人。佐藤輝も続けるか。

◆今季1軍公式戦で初打席に立った阪神島田海吏外野手が結果を残した。6回に代打で出場し、大瀬良のカットボールを捉えて右前打。 「迷わずここまでやってきたことを出すだけだと思って打席に入りました。気負いすることなくシンプルな気持ちで打つことができました」。エキシビションマッチでアピールを続け、後半戦1軍スタート。「走攻守で貢献するという気持ちしかないので、与えられた場面でしっかり貢献できるように精いっぱい頑張りたい」と力を込めた。

◆広島の4番鈴木誠也外野手(26)が"凱旋(がいせん)適時打"で貫禄を示した。 9回2死満塁で、斎藤の低め変化球を中前にはじき返す2点適時打でとどめを刺した。東京五輪で金メダルを獲得し、チームに合流した際には「侍は強い時のカープに似ていて、懐かしいなと思った。僕は楽しんで野球をしたい。侍を通して、これが本来の自分の姿なんだと思った」と話していた。原点回帰で最終打席での一打につなげた。

◆4番が一振りでチームに光を与えた。後半開幕戦で5点を追う重苦しい空気の5回、阪神大山悠輔内野手(26)が、京セラドーム大阪の左翼5階席へ11号ソロをたたき込んだ。広島先発大瀬良の初球、高めに浮いた145キロ直球をガツン。「高めの球だったが、いい形で打つことができ、しっかり仕留めることができた」。バットが背中につきそうなほどの豪快なスイングで、打った瞬間に本塁打と分かる打球だった。 阪神はエキシビションマッチ終盤を25イニング無得点で終了。本番再開となったこの日も4回まで「0」が並んだが、頼れる主将が得点を刻んだ。 前半戦は背中の張りなどもあり、73試合で打率2割4分5厘、10本塁打、43打点と苦しんだ。4番も外れた。球宴休み後の練習再開初日から矢野監督にツイスト打法など内角の対応法を指導され、フリー打撃でも腰を残しながら回転するその打ち方に取り組んだ。大山は「エキシビションに入る前に1度しっかりリセットすることができた」と実戦までの期間に見つめ直した。エキシビションでは全11試合に4番で出場し「自分のやりたいこと、やるべきことにしっかり取り組めた」と、36打数13安打、打率3割6分1厘と数字を残した。 大山復活を誰よりも待っていた矢野監督は「打撃の状態自体はよくなってきているので楽しみ」と頼もしそうだった。本塁打は7月8日ヤクルト戦、雨の神宮で7番降格3戦目に放った決勝の勝ち越し10号3ラン以来。「4番弾」となると6月12日楽天戦以来、実に2カ月ぶりだった。勝利を最優先にする主将で4番の大山は黒星発進に「みんながひとつになって1戦1戦戦っていきたい。その中で勝ちに貢献できるように」と誓った。残り58試合。激しい優勝争いとなる中で、4番が元気を取り戻したのは大きい。【石橋隆雄】 ? ▽阪神が2位に1ゲーム差と迫られるのは、4月28日に巨人と1差となって以来。14日に阪神●で巨人○または△なら、阪神は2位に転落する。

◆広島は首位阪神に勝利し、前半戦からの連勝を今季最長の「5」に伸ばした。大瀬良大地投手(30)は7回91球を5安打1失点、5奪三振無四球で今季4勝目。ヒーローインタビューは以下の通り。 ──後半戦開幕戦で白星。今の気持ちは 「後半戦一発目ということだったので、何とか良い流れを作りたいと思っていたが、初回に4点を取ってもらって良い流れを作ってもらって、ゲームを作ることができた」 ──今季初対戦の阪神打線。振り返って 「真っすぐが良かったので、真っすぐを軸にして勝負をしていこう、とキャッチャーの坂倉と話をした。そういう形で勝負することができたので良かったと思う」 ──初回に4得点。ベンチの雰囲気は 「すごく良い雰囲気で試合に入っていくことがチームとしてできていたと思う。その裏の守備もしっかり抑えることができたので、良い形で試合を運ぶことができたと思う」 ──前半戦は3勝どまり。後半戦は良いスタートを切った 「前半戦は悔しい思いばかりだったので、後半戦のスタートは良いかなと思う。これを継続してチームに貢献できるように頑張っていきたいなと思う」 ──後半戦の意気込みを 「きょうは良い形でスタートすることができたので、一戦必勝でまずはあしたファンの皆さんとともにまた勝てるように頑張りたい。これからも応援をよろしくお願いします」

◆阪神は先発・西勇輝投手(30)が一回に4点を失い、佐藤輝明内野手(22)が猛打賞をマークしたものの、広島に完敗した。これで2位・巨人とは1差。14日午後2時開始の中日戦で巨人が引き分け以上なら、午後6時開始の広島戦で阪神が敗れれば、4月4日から守り続けてきた首位の座から陥落する。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ーー西勇について 「丁寧にいこうとしているんやけど、高くなって、追い込んだところで打たれるというケース。後半のスタートで、慎重にもなるし、大胆にいきにくいところなんで、そこは相手側はしやすくなったのかなと」 ーーやっぱり初回 「2点ぐらいならね、流れとしては、まだ...。4点は重たかったかなと。そのあとも、打線も2点ぐらい、いければよかったけど。投げる方も打つ方もからまなかったので。流れ的にこっちに来るところがなかったかなと思います」 ーー大山はいいスタートが切れた(五回に11号ソロ) 「ホームランはね、打ってほしいところやし、でもランナー置いて打ってもらいたいし、まあバッティングの状態自体は良くなってきているんで、楽しみにしています」 ーー佐藤輝は3安打 「これからプロでやっていくなかで、早いカウントでしっかり振ることと、追い込まれての対応と2種類が最低バッティングの形なんで。追い込まれてもああやって、ボール球見逃すとか、コンパクトに振ってヒットにしていくとか、それが結果もうちょっと甘くなればホームランにもなる。コンパクトに振ってもホームランになると思うし、そういうところがここからの課題だし、伸びしろだと思うし。今日は追い込まれてからいい結果が出ていたんで、そこはそういう風に思っています」 ーー打線全体は 「エキシビションから良いという感じではなかったんで。そういうところでは最後つながりかけたんで。まあ何とか、常に絶好調ということはないんでね。1人1人が状態を上げていく。うちは誰か(1人)が打って勝てるチームじゃないんで。何とか全員が1個でもファウル打つとか、四球を選ぶとか、そういうことが必要かなと思っています」 ーー近本に1本出たというのは 「もちろん、何もないよりは明日の気分は違うと思います」 ーーガンケルと伊藤将が試合前にシートに投げたが、予定通りにいけるか 「そんな感じに見えるけどね。投げた後がどうか、そこは今日の時点では判断できないけど、今日の時点では大丈夫かなと思っています」

◆広島が今季最長の連勝を5に伸ばした。一回に小園の適時三塁打や松山の2点二塁打などで4点を先制し、五回は野間が一発。大瀬良は球威があり、四回まで完璧に抑えるなど、7回1失点で4勝目。西勇が6回5失点の阪神は3連敗。

◆阪神は3―9で広島に敗れて、後半戦は黒星スタート。2位・巨人とのゲーム差は「1」となった。14日にも首位から陥落する。 通算100勝に王手をかけた先発の西勇が、一回1死一塁から小園に右中間適時三塁打を許して先制点を献上。続く鈴木誠は四球で一、三塁とされると、坂倉の内野ゴロで2点目を失った。その後、松山にも2点二塁打を浴びて、この回4失点。五回にも野間にソロを浴び、6回5安打5失点で交代。今季7敗目を喫した。 打線は0―5の五回に先頭の大山が左翼へ特大の11号ソロ。九回には無死一、二塁から佐藤輝が左翼線への2点二塁打を放ったが、反撃は及ばなかった。

◆阪神・佐藤輝明内野手(22)が1―9の九回に2点二塁打を放ち意地を見せた。 3番手の広島のフランスアから連続四球で無死一、二塁のチャンスを作ると、ドライチが打席へ。カウント2―2からの5球目、外角低めの150キロにうまくバットを出して左翼線へはじき返した。 佐藤輝は五回の第2打席で左中間二塁打、七回には中前打を放っており、今季6度目の猛打賞を記録した。

◆後半戦開幕となる先発マウンドに立った阪神・西勇輝投手(30)は6回100球を投げ、5安打5失点で降板した。 一回1死から菊池涼に左前へ運ばれると、小園の右中間適時三塁打で先制点を献上。4番・鈴木誠を四球で歩かせ、なおも一、三塁とされると、坂倉の内野ゴロで2点目を失った。その後、松山にも2点二塁打を食らい、1イニング4失点。五回にも野間にソロを浴び、6回5失点で交代が告げられた。 西勇は6月18日の巨人戦(甲子園)で通算99勝目を挙げ、節目の記録へ王手をかけていたが、そこから3戦連続黒星を喫し、前半戦を終えていた。通算100勝をかけて4度目の挑戦に臨んだが、またしても白星をつかむことはできなかった。 ◆阪神・西勇 「後半戦のスタートだっただけに、立ち上がりを大事にいきすぎてしまい、大胆さに欠けてしまいました。大事な初戦でチームに迷惑をかけてしまいました」

◆小園が一回に先制打を放った。1死から左前打で出た菊池涼を一塁に置き、西勇の甘く入ったカットボールを一振りで捉えた。鋭い当たりは右中間を深々と破り、快足を飛ばして悠々と三塁打とし「走者をかえすことができて、先制点につながるヒットになって良かった」と塁上で表情を緩めた。 チームは前半戦、阪神、巨人などの上位を上回る打率2割6分1厘をマークしながら、得点はリーグ5位の298とつながりを欠き、借金12と低迷する一因となった。 巻き返しの鍵を握る中軸で、6月13日から「3番・遊撃」を任されている21歳の有望株が早速、仕事を果たした。チームはこの回計4得点と主導権を奪った。

◆阪神・大山悠輔内野手(26)が反撃となる一発を放った。 「高めのボールをしっかりと捉えることができました」 四回まで広島の先発、大瀬良に完璧に抑えられていたが、0―5の五回先頭。初球の145キロ直球を完璧に捉えた。左翼への特大の11号ソロ。7月8日のヤクルト戦(神宮)以来となるアーチで1点を返した。 エキシビションマッチは25イニング連続無得点で終えたため、これが〝30イニングぶり〟の得点となった。

◆阪神・佐藤輝明内野手(22)が0-4の二回1死で見逃し三振に倒れ、シーズン新人最多三振記録を更新する122三振となった。 前半戦最終戦となる7月14日のDeNA戦(甲子園)で3三振。通算121三振で、1999年に福留孝介(中日)が記録した最多記録に並んでいた。 この日は、登場曲を前半戦に使用していた「ももいろクローバーZ」の「吼えろ」に戻した。エキシビションマッチが始まった7月27日のロッテ戦(甲子園)から「El Alfa」の「A Correr los Lakers」に変更したが、その日に一塁ベンチの後方にいた子供のファンから「なんでももクロの曲ないの?」と言われ、「考えます」と話していた。

◆阪神は頼みの先発・西勇輝投手(30)が一回にいきなり奪われた4失点が致命傷となり、大敗スタート。阪神OBで楽天初代監督を務めた本紙専属評論家・田尾安志氏(67)は、後半戦開幕投手の人選に疑問符をつけた。「性格的にも西勇はカード初戦ではなく、2、3戦目で白星を稼がせた方がいいタイプ」と断言。悲願の優勝へ向けて、ローテの組み換えを提言した。 ■悲願優勝へローテ組み換えを■ 一回の4失点で勝負が決まった感じだった。西勇は球のキレ以前の問題で、生命線の制球が甘かった。打たれた安打はすべて甘く入ったもの。追い込んで甘く入るから、見逃してもらえない。相手先発が復調した大瀬良だったから、1点も与えられないと意識しすぎたのかもしれない。 内容以上に気になるのは、西勇の起用法だ。矢野監督は「エースは西勇」という位置づけで、ここまでカードの初戦を託してきた。私もオリックス時代から西勇という投手を見てきている。抜群の制球力を誇る素晴らしい投手だ。 ただし、1番手タイプではない。金子(現日本ハム)という大エースがいて、その次の存在。ローテの2番手、3番手で力を発揮するタイプだった。エース同士の投げ合いではなく、ちょっと落ちる投手との投げ合いで、見下ろして投球して勝ちを稼ぐ。そういう性格を把握しているなら、カードの頭を託すのは、実は正解ではない。 最近、カード初戦で結果を残せていなかったので、後半の開幕は、五輪で疲労が蓄積している青柳が難しいのなら、秋山がふさわしいのではと思っていた。意気に感じる秋山も生きるし、西勇も特性を発揮できる。 優勝へ向けて、1試合1試合が重要になる。西勇で勝ちを拾う意味でも、ローテを再考してみてはどうだろうか。 阪神は、8月は当面の敵、巨人、ヤクルトとの対戦はない。目標を失いかけている下位チームとの対戦は、1つでも多く勝ちたい。その意味でも、この1敗は「たかが1敗」ではない。 痛い黒星発進だが、収穫はある。佐藤輝だ。グリップを下げたことで、バットが体の近くの軌道を描いている。必然的にミートする確率が高まった。もともと飛距離はあるから、この日のようなヒットの延長が、いずれホームランになる。新人の本塁打記録(31本)更新は間違いないだろうし、優勝へのカギを握る存在だ。

◆後半戦開幕の先発マウンドに上がった阪神・西勇は立ち上がりに崩れ、6回5失点で7敗目。通算100勝は、またもお預けとなった。 「後半戦のスタートだっただけに立ち上がりを大事にいきすぎてしまい、大胆さに欠けてしまった」 一回に小園の先制打や松山の2点二塁打などで4失点し、相手に主導権を握らせてしまった。二回以降は立て直したものの、序盤のビハインドが響いてチームも敗戦。矢野監督は「後半のスタートということで慎重にもなるし、大胆にいきにくいところ」と理解を示しつつ「(球が)高くなって追い込んだところで打たれるケースがあった。4点はちょっと重たかった」と表情を曇らせた。 五輪での中断期間を挟んで右腕は4連敗。「大事な初戦でチームに迷惑をかけた」と反省しきりだった。(織原祥平)

◆阪神・佐藤輝明内野手(22)が、後半戦開幕の広島戦(京セラ)に「5番・右翼」でスタメン出場。新人のシーズン最多記録を更新する122三振目も喫したものの、4打数3安打2打点と復調を印象づけた。腕を伸ばして拾った打球は、左翼線へ弾んだ。九回無死一、二塁、佐藤輝が2点二塁打。この日、3安打猛打賞で後半戦初打点もたたき出し、敗戦の中でただ一人、気を吐いた。 「自分の打撃としては、いい感じでヒットが出た。しっかり何とか食らいついて、ヒットが出ているんで、そこはいいことかなと思います」 4イニング連続三者凡退で迎えた五回。先頭の大山が左翼席上段へ特大のソロ。先輩の反撃ののろしに続けとばかりに、左中間フェンス直撃の二塁打で後半戦初安打をマークした。 さらに七回1死では中前打でチャンスメーク。1、2安打目は得点にはつながらなかったが、7月3日以来となる猛打賞で復調をうかがわせた。 前半戦終盤は連戦の疲れもあってスイングが鈍り、調子を落とした。月間MVPに輝いた5月は打率・301だったが、7月は同・227へと落ち込んだ。 オールスターに出場した後、疲労回復とともにエキシビションマッチで修正に取り組んだ。確実性を上げるため、バットの握り方や構える位置を工夫。この日の試合前も井上ヘッドコーチから構え方の指導を受けた。試合で放った3安打は、全て追い込まれてから。結果で成果を示した。 矢野監督は「追い込まれてもボール球を見逃すとか、コンパクトに振ってヒットにするとか。そういうところがここからの課題だし、伸びしろ。今日は追い込まれてからいい結果が出ていた」と進歩を認めた。 二回は見逃し三振に倒れ、新人のシーズン最多記録を更新した 二回の第1打席では見逃し三振に倒れ、1999年の福留孝介(中日)の新人シーズン記録を更新する、122三振目。不名誉な? 記録も作ったが、その一方で成長の証拠も、確かに見せた。 「しっかり振って、その中で結果を出すことが大事だと思う。これからもやっていきたい」 佐藤輝も、やることはわかっている。三振を恐れずにバットを振り、同時に結果を残す。進化を続け、後半戦もチームの勝利に貢献する。(菊地峻太朗)

◆いきなり崖っぷち! プロ野球の後半戦が開幕し、セ・リーグ首位の阪神は広島に3―9と大敗して、前半戦から3連敗となった。2位巨人が中日に勝ち、ゲーム差は4月28日以来となる「1」。14日も負ければ、4月4日から守ってきた首位から陥落する可能性が浮上した。勝負の3年目で独走してきた矢野燿大監督(52)に、正念場が訪れた。京セラに集まった4989人のほとんどは虎党だった。負けても恒例となっている試合後のスタンドへのあいさつで、矢野監督はいつも以上に深々と頭を下げた。 「投げる方も打つ方もどっちも(勝機に)絡まなかった。流れ的に、こっちに来るところがなかったかなと思います」 後半戦開幕は完敗だった。最大の誤算は期待して送り出した先発・西勇だ。一回、4本の長短打を浴びて4失点。「2点ぐらいなら流れとしては(反撃できる)。4点はちょっと重たかった」とため息をついた。 エキシビションマッチでは、25イニング無得点でフィニッシュ。打線の状態は決してよくなかった。勢いがあった開幕直後のように4点差をはね返すパワーはなかった。広島の先発・大瀬良に四回まで連続三者凡退。マルテの代役で6番に入ったロハスは4タコと機能せず、五回にようやく大山がチームの〝30イニングぶり〟の得点となる11号ソロを放った。だが、岩貞が七回に四球をきっかけに失点し、九回は斎藤が3失点と、投打の歯車はかみ合わなかった。前半戦は2008年以来となる首位で折り返したものの、2位巨人とは2ゲーム差。この日、そのライバルが中日に4―2で勝ち、差は4月28日以来となる「1」となった。きょう14日にも敗れ、巨人が引き分け以上なら、4月4日から守ってきた首位を明け渡す。後半戦開幕と同時に、いきなり正念場を迎えることになった。「(打線は)エキシビションから〝いい〟という感じではなかった。最後、ちょこっとつながりかけたんでね」1-9と大勢が決した九回、連続四球の後、佐藤輝が2点二塁打を放った場面を救いに挙げたものの、相手投手の自滅からの得点とあっては、手放しでは喜べない。1950年の2リーグ分立後、阪神がリーグ制覇した5度のうち、4度は後半戦開幕戦で勝っていた。日本一に輝いた85年からは3連勝。前半戦快進撃の勢いを、再スタートにも持ち込んでいたが―。借金11で5位に沈む広島相手に、このありさま。東京五輪期間中に一時帰国し、後半戦初戦に間に合わなかったマルテやスアレスを欠く今こそ、踏ん張りどころだ。「常に絶好調ということはないんでね。(投打とも)1人1人が状態を上げていく。うちは誰か(1人)が打って勝てるというチームじゃない。全員が1個でもファウルを打つとか、四球を選ぶとか、そういうことが必要かなと思っています」前半戦は互いにカバーしあい、チーム一丸となって泥臭く白星を積み重ねていった。後半戦もそれは変わらない。集大成の就任3年目。矢野監督の腕の見せ所だ。(三木建次)

◆日本中を襲っている豪雨。天気予報をみても、ずっと先まで傘マークばかりだ。収まらぬコロナ禍だけでもウンザリなのに、今度は自然災害の脅威かいな。みなさま、どうか備え、厳重警戒、身を守る行動をお願いします。何事も「早めの準備」が一番です。 高校野球が雨天中止で悩まされている中、タイガースの後半開幕は、幸いにも雨の影響を受けない京セラドーム。その利点を生かして(?)「早めの準備」が行われていた。報告してきたのは虎番・菊地峻太朗。 「試合前練習が始まる2時間以上前に、ドーム内でシート打撃を行いました。主力クラスの打者が並んでいました。一番の収穫は(五輪による中断期間中に)帰国していたガンケルが安定の投球を見せたことでしたね」 ナイターが行われる日の昼間に、主力がシート打撃を行うのは確かに異例だ。実を結ぶのかどうかは、もっと先になってみないと分からないが。 さて、メダルラッシュに熱狂した東京五輪が終わり、さあ、タイガースのVロードの始まりの日。大阪・難波にあるわがサンスポ編集局も、五輪フィーバーは遠い昔や! それいけタイガース! で一致団結している、と思ったら、意外にも、まだ五輪に引っ張られている男たちがいた。昨日の当番デスク・野下俊晴もその一人。 「実はわが社が全力で作成、お届けする五輪特集特別版の雑誌の担当もしておりまして...」 2面に詳細を掲載しています。サンスポ特別版「速報? 東京五輪2020」を16日に緊急発売。昨日はその最終チェックの日。野下Dは早い時間に出社して、当番デスクの激務の前に追い込み作業に携わった。「最後の最後に、全記録のページが残ってまして。お昼過ぎに会社に到着したら、すでに整理部の竹中高大デスクと田中圭くん(かの有名なイケメン俳優と同姓同名ですが、顔はあまり似ていません)がすでに作業を進めてくれていました。すべての競技の結果を、間違いがないかチェックするんですが、とてもじゃないが、時間が足りないです」タイガース同様に、早めの出勤だった野下D。細かな作業の連続で脳みそが〝沸騰〟している姿が目に浮かぶ。おつかれさま。まあ、こういう地道な努力を積み重ねて、オールカラーの永久保存版グラフは完成に向けて突き進んでおります。どうぞ、手に取って、感動の五輪の余韻にひたってくださいませ。五輪の余韻といえば、試合前にはグラウンド上でタテジマの3人、カープの4人、計7人の金メダリストが紹介されていた。いい光景だ。金メダルの勢いに乗って後半開幕! と思っていたら、西勇がいきなり4失点。カープ担当・柏村翔がほくそ笑んでいる。「阪神が金メダル効果、金メダルに続けと言ってるようですが、世界一になった決勝の米国戦の先発は誰でしたか?」森下や。「5試合すべて最後を締めたのは誰でした?」栗林だったな。「4番は誰ですか?」ハイハイ。鈴木誠也でした。みんな、カープの選手ですね。「後半、勢いがあるのはカープでしょう」実際、完敗してしまった。カープ番の言いたい放題は昨日だけにしたいもんです。

◆コラー! 西勇輝がペナント後半戦スタートの一回に、甘いコースへストライクの大バーゲン。4失点って、何しとんじゃー!! この1カ月、東京五輪の金メダルラッシュを見とったんやないか~!! 二-六回は野間のホームランの1安打に抑えているのだから...ウーン、余計に腹が立つ!! で、素人の俺の目や!! 西勇は、いい投手である! 勝ち星が計算できる投手である!! しかし、今季はその力を出せない...。投手本来の「打てるものなら打ってみろー!!」のストレートを、どこかに置き忘れてしまったように思えるのだ。ちなみに秋山は140キロのストレートなのに、それを感じさせてくれる!! いきなりの大敗の中にも収穫はあり!! 佐藤輝が左中間へ二塁打、中前打、左翼線への2点二塁打の3安打!! やみくもにフルスイングで一発を狙うだけでなく、広角の意識がハッキリと見られたのだ!! 五輪休みが『力』の怪物に『技』を与えたと思う!! よっしゃ、今度俺、サトテルのバット噛んで祝福したるわ!(それは駄目だって!!)

◆阪神は甲子園球場を高校球児に明け渡しているため、8月13日からの広島との後半戦〝開幕〟は京セラドームで迎えた。 甲子園で活躍した選手も多くいるが、ドラフト6位ルーキーの中野拓夢内野手(25)もその一人だ。日大山形高2年時だった2013年夏に出場。二塁のレギュラーとして、山形県勢初の4強入りを果たした。 その母校は今夏も出場。8月10日の開幕戦で米子東(鳥取)に4―1で勝利すると、中野も「自分も見ていて刺激をもらいましたし、これからも頑張っていこうという気持ちになった」と話していた。 刺激を受けるだけではなく、与えてもいた。1年目の今季はシーズン途中から遊撃のレギュラーに定着。打率・278、1本塁打、17打点(前半戦終了時点)の成績を残した打撃に、広い守備範囲と、攻守の両方でチームに貢献してきた。 この活躍は、しっかり山形まで届いていた。母校が甲子園出場が決まる前、同校の荒木準也監督は「中野が試合に出て活躍することは、山形でも話題になっています。『中野はすごいですね』といろいろな方から言われて、うちの野球部の選手にもすごくいい影響を与えています」と明かした。 同校は山形県大会を制して、甲子園に出場。聖地でも中野が出場したとき以来、8年ぶりに1回戦を突破した。その裏には中野のひそかな〝貢献〟もあった。 後輩が中野の活躍に影響を受け、後輩たちの活躍からは中野が刺激を受ける。相乗効果が生まれている。後半戦に「自分の調子が良い悪い関係なく、しっかりとチームに貢献できるようにやっていきたい」と意気込んでいた中野。このまま活躍を続けて、山形にもっともっと、いい知らせを届け続ける。(菊地峻太朗)

◆パワーだけでない。阪神・佐藤輝は、その気になれば、首位打者をとれる打者になるのでは、と思った。東京五輪が終わり、プロ野球の公式戦が再開された13日。阪神は3-9と広島に大敗したが、虎の黄金ルーキーは3安打2打点と奮闘した。 「何とか食らいついて。ヒットが出ているんで、そこは良いことかなと思います」 五回に左中間フェンス直撃の二塁打、七回には中前打、そして九回の2点二塁打。3本とも球に強振せず、来た球にタイミングを合わせた〝技あり〟のヒットだった。 矢野監督は「コンパクトに振ってもホームランになる。そういうところ(を知ること)が、ここからの課題だし、伸びしろだと思う」と高く評価。状況に応じたバッティングをしてほしい-というわけだ。 日米通算4367安打を放ったイチロー(現米大リーグ、マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)について「彼は打球を遠くへ飛ばす才能も兼ね備えている。本気で狙えば、何年も連続して本塁打のタイトルが取れる」と、天才打者を世に送り出したオリックス・仰木彬監督(当時)は熱く語っていた。 その逆。佐藤輝がヒット狙いに徹すれば、将来は通算2000安打、いや2500安打も夢ではないのでは。そう思わせるような一日だった。(三木建次)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
48343 0.585
(↓0.008)
-
(-)
58346
(+3)
313
(+9)
83
(+1)
71
(-)
0.251
(-)
3.370
(↓0.05)
2
(-)
巨人
443210 0.579
(↑0.006)
1
(↑1)
57361
(+4)
307
(+2)
110
(+1)
51
(-)
0.253
(↑0.001)
3.420
(↑0.02)
3
(-)
ヤクルト
42329 0.568
(-)
2
(↑0.5)
60366
(-)
335
(-)
87
(-)
51
(-)
0.255
(-)
3.810
(-)
4
(-)
中日
324312 0.427
(↓0.005)
12.5
(-)
56251
(+2)
297
(+4)
50
(+1)
41
(-)
0.237
(↓0.001)
3.320
(↓0.01)
5
(-)
広島
314210 0.425
(↑0.008)
12.5
(↑1)
60307
(+9)
352
(+3)
60
(+1)
42
(+1)
0.261
(-)
3.860
(↑0.01)
6
(-)
DeNA
314411 0.413
(-)
13.5
(↑0.5)
57344
(-)
403
(-)
85
(-)
18
(-)
0.261
(-)
4.480
(-)