1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
全セ | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 3 | 6 | 1 | 1 |
全パ | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | X | 4 | 8 | 2 | 1 |
勝利投手:宋 家豪(1勝0敗0S) (セーブ:松井 裕樹(0勝0敗1S)) 敗戦投手:栗林 良吏(0勝1敗0S) 本塁打 |
◆全パは同点の3回裏、島内の2点適時打でリードを奪う。3-3となって迎えた8回には、再び島内が適時打を放ち、勝ち越しに成功した。投げては、6番手・松井が最終回を3人で締め、オールスター初セーブ。敗れた全セは、終盤に追いつく粘りを見せるも、あと一歩及ばなかった。
◆仙台駅がプチパニックに陥った。 この日行われる球宴第2戦の会場は楽天生命パーク。新幹線で移動してきた選手をひと目見ようと、仙台駅改札付近には人が押し寄せ、警備員が出動し「改札付近には集まらないでください!」と声を張り続けた。 仙台での球宴開催は、東日本大震災が起きた11年以来、10年ぶり。16日の第1戦(メットライフドーム)は全セが5-4で勝利している。
◆NPBは、全パの楽天田中将大投手(32)と浅村栄斗内野手(30)が体調不良、日本ハム近藤健介外野手(27)が急性胃腸炎のため、球宴第2戦を欠場すると発表した。3選手は東京五輪の侍ジャパンメンバーに選出されている。 楽天の2選手は15日に国立スポーツ科学センターで2回目のワクチン接種を行った。その後、副反応とみられる症状を発症。前日16日の第1戦も体調不良で欠場していた。 第2戦は東日本大震災が発生した11年以来、10年ぶりに仙台で開催される。則本昂、松井、宋家豪とともに8年ぶりに古巣へ復帰した田中将も登板を予定していた。
◆阪神佐藤輝明内野手(22)が、球宴2日目も積極的に他球団の選手とコミュニケーションを取った。 第1戦後に「パ・リーグの選手と話してみたい」と語っていた通り、ソフトバンク柳田と記念撮影し談笑。オリックス吉田正とは記念撮影後にグータッチでお互いの健闘を祈った。 また、試合前にはアオダモの植樹セレモニーに参加した。 この日は「6番右翼」で2試合連続スタメン出場。宮城に住む祖父母が観戦する前で、本塁打を打てるか注目だ。
◆巨人岡本和真内野手(25)が、ホームランダービーの初戦でオリックス吉田正に敗れた。 4球連続アーチを含む7発を放ったオリックスの主砲に対し、後攻の岡本和は初球から2球連続で左翼席にアーチを放ったが2本届かず、5本に終わった。 岡本は「緊張しました。負けてはしまいましたけど、思っていたよりホームランを打てたので良かったです。試合で打てるように頑張ります」とコメントした。岡本を破った吉田正が、西武山川との決勝戦を制し、優勝した。
◆ソフトバンク柳田悠岐外野手(32)がホームランダービー1回戦で敗退した。チームの先輩、松田を打撃投手に迎えて、序盤はリズムに乗れなかったが、徐々に感覚をつかむと5本の柵越えを披露した。 対戦相手の後攻ヤクルト村上が20秒ほどを残して6本目を放ち敗退が決まると「オッケーイ!」と笑顔で拍手を送り、若きスラッガーをたたえた。
◆マッチョマン、ホームランダービー優勝!全パのオリックス吉田正尚外野手(28)が、球宴のホームランダービーで優勝し、賞金100万円をゲットした。 巨人岡本との1回戦を7-5で勝利。ヤクルト村上との準決勝では、打撃投手を任せたソフトバンク栗原から右腰付近に"死球"を受けるハプニングがあったが、強振6-5で接戦を制した。 決勝は前日16日に準決勝を突破していた西武山川と対戦。2分間の対戦で、4-4の同点に終わると、1分間の延長戦に臨んだ。この日4回目の打席で疲労困憊(こんぱい)だったが、5-4(計9-8)で勝利。7分間の強振劇場で、ホームランダービー初優勝を勝ち取った。 吉田正は、ファンが求める芸術作品を、必死に仕上げる。本塁打については「スタンドインした瞬間が打撃の完成系」だと常々、話しており「僕は、インパクトの瞬間に100の力をぶつけるだけ。フルスイングって勘違いされがちですけど...。フォロースルーは気にしていないんです」と、力強いコンタクトを心掛ける。 アーチを描いた後の声援、大きな拍手には「ファンが喜んでくれるなら」と笑顔。「本塁打数=強いスイングができている証し。芯に当てないとスタンドには届かない」。飛距離十分な打球に、高いコンタクト率。夢の祭典で、吉田正のすごみが、また増した。
◆ホームランダービーに代役出場した西武山川穂高内野手が、初優勝を逃した。 前日に代役で出場し決勝進出。オリックス吉田正尚外野手と対戦し、4-4で1分間の延長戦の末に8-9で上回られた。前日に続き同僚の源田壮亮内野手が打撃投手を務め、山賊タッグで臨んだが1歩及ばず「いや~、昨日よりだいぶ力んでしまいました。やっぱり力んでしまうとダメですね」と優勝した吉田をたたえた。
◆サトテル祭りだZ! 「6番右翼」でスタメン出場した全セ・阪神佐藤輝明内野手(22)が、2回にオリックス宮城から本塁打を放った。140キロ直球をさからわず左翼席最前列へ運んだ。全セのナインとベンチ前で「Zポーズ」し、喜びを分かち合った。 球宴で新人が本塁打を放つのは、19年阪神近本以来プロ野球5人目。「見てもらいたいのはホームラン」と意気込んでいたが、有言実行でファンを喜ばせた。シーズンでは前半戦だけで新人左打者歴代最多タイの20本塁打を放っている新人が、また歴史に名を刻んだ。 球宴2日目も「聞き魔」になった。第1戦後に「パ・リーグの選手と話してみたい」と語っていた通り、ソフトバンク柳田と記念撮影し談笑。オリックス吉田正とは記念撮影後会話を交わし、グータッチでお互いの健闘を祈った。同じ左打ちのスラッガーから刺激を受けていた。 この日は宮城・村田町に住む祖父勲さんと祖母美智恵さんが交流戦に続き観戦に訪れた。6月12日楽天戦では目の前で16号ソロを放ってみせたが、また恩返しの1発を届けた。 前日16日には4打数無安打2三振に終わり「しっかり振っていったんですけど、いいボールが来たんでしょうがない(笑い)」と苦笑いだったが、2戦目でしっかりと代名詞のホームランを披露。黄金ルーキーはタダでは終わらなかった。
◆東日本大震災が発生した11年以来10年ぶりの仙台開催を前に、マイナビ仙台レディースの浜田遥選手がファーストピッチセレモニーを行った。 背番号10のユニホーム姿でマウンドに立ち、力強く右腕を振った。左打席の高めへ見事にノーバウンド投球。地元仙台の野球ファンから温かい拍手を受けた。 また、ホームラン競争後の始球式を少年野球チーム「大崎ジュニアドラゴン」の齋藤蒼梧くんが務め、ヤクルト山田を相手に右腕を振り、高めの速球で空振りを奪った。復興支援セレモニーではスピーチも行った。
◆サトテルさん...すげぇ。ファン投票で球宴初選出された全パのオリックス宮城大弥投手(19)が、阪神佐藤輝に「球宴初被弾」を許した。 初回は無失点で切り抜けたが、2回1死から2球目140キロ直球を左翼席に運ばれ、苦笑いだった。 それでも予定の2回を23球で2安打1失点。最速146キロ、最遅は99キロのスローカーブで、全セの主砲たちを翻弄(ほんろう)した。 「まずは2回を投げ切れてよかった。いつも通り緩急を使って、投げられたのでよかったです。(佐藤輝は)いいバッターなので、とてもいい経験になった。緊張したけど、いい感じで投げられました」 また、宮城は"宮城"に強く、楽天生命パークでは今季2試合に先発して2勝、16回を無失点だったため、同球場では、初めての失点となった。
◆日本野球機構(NPB)は17日、楽天田中将大投手(32)浅村栄斗内野手(30)が体調不良、日本ハム近藤健介外野手(27)が急性胃腸炎で、同日のマイナビオールスターゲーム2021第2戦(楽天生命パーク)の欠場を発表した。 3人とも前日16日の第1戦に続いての欠場。楽天によると東京オリンピック(五輪)代表の田中将、浅村は前日と同じく、15日に2度目の接種を行った新型コロナウイルスワクチンの副反応による症状とみられる。野球協約の規定で球宴に選出された選手が辞退すると後半戦最初の10試合に出場できないが、ワクチンの影響による体調不良の場合は適用を免除される。 仙台での球宴開催は東日本大震災が発生した11年以来10年ぶり。8年ぶり7度目の選出となった田中将は「仙台で開催されるので選ばれたいという思いが強かった」と話していたが、無念の欠場となった。3選手は19日から仙台市内で行われる侍ジャパンの五輪直前合宿に参加予定。
◆初出場の全パ楽天島内宏明外野手(31)が"明大魂"を見せつけ、球宴初打点を挙げた。 楽天の本拠地楽天生命パークで「3番左翼」でスタメン出場。1回2死の第1打席で明大の5学年後輩の中日柳から初球の直球を中前にはじき返し、前夜に続き安打を放った。 第2打席は3回無死二、三塁の好機。ここも明大の8学年後輩の広島森下の初球直球を捉え、一、二塁間を破る右前2点適時打。球宴初打点を挙げ、先輩の意地をバットで見せた。 10年目の今季は4月下旬から4番に座り、リーグトップの66打点をマークする。目の下に遮光用のアイブラックを○×と入れる島内が地元のファンをわかせた。
◆全セの「6番右翼」でスタメン出場した阪阪神佐藤輝明内野手(22)が、第2打席では空振り三振に倒れた。 2回の第1打席にオリックス宮城から球宴1号となるソロ本塁打を放ち、4回は西武松本の146キロ直球にバットが空を切った。7回の第3打席も楽天則本昂に空振り三振に仕留められた。 球宴最終打席は1点ビハインドの9回で、楽天松井に中飛に打ち取られた。球宴2試合でを8打数1安打1本塁打4三振で終えた。 試合後の表彰式では敢闘選手賞とマイナビ賞を受賞。それぞれ100万円ずつ、計200万円をゲットした。 試合は4-3でパ・リーグが勝利した。
◆ラオウ弾! 夢の祭典でも昇天ポーズだぁ! 全パに監督推薦で初選出されたオリックスの杉本裕太郎外野手(30)が、球宴初アーチを描いた。 7番ライトでスタメン出場。1点を追う2回2死無走者で中日柳の141キロ直球を左翼席にはじき返した。 「打ったのはまっすぐです。ホームランだけ狙って打席に入っていました! 自分以外のオリックスの選手が活躍していて、居場所が無かったので、なんとか打ててよかったです!」 選出された際は「打てなくても球宴なので、チームに迷惑かけることはない。全打席本塁打狙い。オールスター限定です」と豪快に笑い飛ばし「ホームラン打たないと(MVPは)難しいですよね」と貪欲さも見せていた。 本塁打後にベンチ前で右拳を突き上げる「昇天ポーズ」も満面の笑みで披露。「オリックスファン以外の方にも覚えてもらえるように頑張りたいです」と熱を込めていた。 杉本は15年ドラフト10位。努力ではい上がってきたラオウが、オールスターでも大飛球をかっ飛ばし、少年たちに夢を見せた。
◆全セが、序盤の3回に前進守備を敷いた。1-1で迎えた3回1死二、三塁。楽天島内を迎え、シーズンさながらの前進守備でピンチ脱出を図ったが、二塁手のヤクルト山田の横をわずかに抜け、勝ち越しの2点適時打を許した。 第1戦の9回無死一、二塁にはヤクルト中村が犠打を成功。30年ぶり43度目となる球宴での犠打で勝ち越した。原監督は「中村君が犠牲心を持ちながら、送りバントをしてくれた。あそこが勝利の分岐点になったのかなと思います」と振り返ったが、守備でも勝利への最善策を選択した。
◆途中出場した阪神梅野隆太郎捕手(30)が、守備で超ファインプレーを見せた。 7回無死一、三塁のピンチで、ソフトバンク栗原の打球は二塁へのゴロ。飛び出した三塁走者のソフトバンク松田を、三本間で挟殺すると、今度は三塁進塁を狙ってすべりこんだオリックス杉本を、見逃さずにタッチした。1度はセーフと判定されたが、セ・リーグ原監督がリプレーを要求。検証の結果判定が覆り、一気に2死を奪った。梅野の好プレーも光り、この回は無失点。仙台のファンも大盛り上がりだった。
◆全セ監督の巨人原辰徳監督(62)が、代打攻勢で試合を振り出しに戻した。 2点ビハインドで迎えた8回。第1戦でMVPを獲得した広島菊池涼を代打に起用。左前打で出塁すると、次打者に巨人坂本を代打で起用し、二塁打をマーク。左翼のソフトバンク柳田の悪送球の間に1点差に迫って、なおも1死一、三塁から、代打の阪神マルテの左前適時打で同点に追いついた。
◆初球宴のソフトバンク津森宥紀投手(23)が第2の故郷で爪痕を残した。5回に全パの3番手で登板。今季ここまでリーグ6位タイの37試合に投げている2年目右腕は、持ち前の強気な投球で攻めた。 先頭のDeNA佐野は1球で右飛に。続く中日木下拓は、直球4球を続け二飛に打ち取った。2死からは東北福祉大の1学年先輩にあたる、阪神中野を迎えた。ここでも津森は真っすぐで押し、最後はフルカウントから中飛に斬った。「オールスターの舞台で登板する機会をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。大学生活での4年、ここ宮城で過ごし、最後は大学の1個上の先輩、タイガース中野さんと勝負できて良かったです。少し力みはでましたが、持ち味である、強気の真っすぐを投げることができました」。鷹のブルペンを支える若きサイドスローが、思い出の地で1イニング完全の見事な投球を見せた。
◆初出場の西武松本航が、佐藤輝を空振り三振に仕留めた。4回先頭に二塁打を浴びるも村上、岡本和を打ち取り、最後は佐藤輝に全球直球勝負で3者連続空振り三振。3回から登板し、2回1安打無失点に抑えた松本は「自分の持ち味をしっかり出せたのでとてもよかったと思います。すごい選手ばっかりでプレーできてうれしいし、刺激を感じてます」と、初球宴を満喫した。
◆「マイナビオールスターゲーム」第2戦が行われ、全パが全セを4-3で下した。
◆全セ監督の巨人原辰徳監督(62)が、オールスターでリクエストに成功し、追加点を阻止した。スタンドからは笑いと拍手が起こった。 2点ビハインドの7回無死一、三塁の守備。ソフトバンク栗原の二塁へのゴロでヤクルト山田が本塁に送球。三塁走者のソフトバンク松田が挟まれ、捕手の阪神梅野がタッチで1アウトとし、一塁から三塁を狙ったオリックス杉本にもタッチしたが、判定はセーフ。原監督がリクエストし、判定が覆った。
◆マッチョマン、ホームランダービー初優勝!全パのオリックス吉田正尚外野手(28)が、球宴のホームランダービーで初優勝し、賞金100万円をゲットした。 7分間の「マサタカ劇場」で計22発の放物線を描いた。巨人岡本との初戦を7-5で勝利。親交のある岡本の打席では、ユニークなギャグも披露。ユニホームの下に岡本の似顔絵が描かれているシャツを着て、顔の付近までまくり上げて、笑いを誘った。 ヤクルト村上との準決勝では、打撃投手を任せたソフトバンク栗原から右太もも付近に"死球"を受けるハプニングがあったが、強振を続けて6-5で接戦を制した。 決勝は前日16日に準決勝を突破していた西武山川と対戦。2分間の対戦で、4-4の同点に終わると、1分間の延長戦に臨んだ。この日4度目の打席では、肩で息をするシーンも見られるなど、さすがに疲労困憊(こんぱい)だったが、5-4(計9-8)で勝利。「マサタカ劇場」で、ファンを沸かせ、ホームランダービー初優勝に輝いた。19年は決勝で広島鈴木誠に惜しくも敗れ、リベンジに成功した。 ファンが求める芸術作品を、必死に仕上げた。吉田正は本塁打について「スタンドインした瞬間が打撃の完成系」だと常々、話しており「僕は、インパクトの瞬間に100の力をぶつけるだけ。フルスイングって勘違いされがちですけど...。フォロースルーは気にしていないんです」と、力強いコンタクトを心掛ける。 アーチを描いた後の声援、大きな拍手には「ファンが喜んでくれるなら」と笑顔。「本塁打数イコール、強いスイングができている証し。芯に当てないとスタンドには届かない」。飛距離十分な打球に、高いコンタクト率。夢の祭典で、吉田正のすごみが光った。【真柴健】
◆全セは中日の柳裕也投手(27)と木下拓哉捕手(29)がスタメンバッテリーを組んだ。柳は2回をオリックス杉本のソロによる1失点でお役御免。木下拓が普段とは違う直球主体のリードで被弾したが、「打たれた、打たれないは別として木下さんとオールスターでバッテリーを組めたことだけで良かった」と2年ぶり2度目の球宴を楽しんだ。球宴で中日勢が先発バッテリーを組んだのは、01年の野口茂樹、中村武志以来。実に20年ぶりだった。 2回は被弾する前にロッテの主軸中村奨からカットボールで空振り三振も奪った。「1つ取れて自分らしさが出せた。いい経験をさせてもらえた」。前半戦は制球力を武器にリーグ最多112奪三振を奪い、チームトップ7勝でチームをけん引した。エース候補生が後半戦に向けて活力を得た。
◆東京オリンピック(五輪)の侍ジャパンメンバーに内定している阪神岩崎優投手(30)と青柳晃洋投手(27)が、ともに好投で大舞台へ準備を整えた。 岩崎は5回に3番手でマウンドへ。先頭のソフトバンク栗原を135キロ直球で中飛に打ち取ると、ソフトバンク甲斐を直球で3球三振。最後は小深田も136キロ直球で左飛に仕留め、わずか10球で仕事を終えた。 続いて青柳が6回に登板。いつもは先発の青柳とリリーフの岩崎が、通常と異なる順番でリレー。青柳は、この回から途中出場したチームメートの梅野とバッテリーを組んだ。 先頭のロッテ荻野は全球ツーシームで二ゴロ。楽天島内も初球のツーシームで中飛に打ち取った。続く代打の西武森には四球を与えたが、最後は代打の西武山川を遊ゴロ。持ち味のゴロアウトで球宴登板を締めた。
◆全セが2回、阪神佐藤輝のソロで先制。全パはその裏、オリックス杉本のソロで追いつき、3回に楽天島内の適時打で勝ち越した。 全パは、4回から3イニング連続無安打で追加点を奪えず。全セも得点を奪えず、2点ビハインドで7回を迎えた。 全パが8回、楽天島内がこの試合3安打目となる適時二塁打で勝ち越した。9回は楽天松井が3者凡退でセーブを挙げた。 宋家豪が1勝。栗林が1敗。
◆ソフトバンク栗原陵矢捕手が一塁、三塁、左翼、捕手と4つの守備位置に就いた。 球宴で1試合で4つのポジション(外野は左翼、中堅、右翼に区別せず)を守った選手は史上初めてで、同一年でも4ポジションを守った選手はいなかった。 過去は1試合3ポジションが最多で、63年<2>戦の中西(西鉄=三、二、一)と81年<3>戦、87年<3>戦の2度あった原(巨人=ともに遊、二、三)の2人が記録している。
◆だましい! 初出場の全パ・楽天島内宏明外野手(31)が"明大魂"で球宴初打点をマークした。「3番左翼」で球宴初スタメン。同点の3回無死二、三塁、明大の8学年後輩の広島森下の初球直球を捉え、一二塁間を破る勝ち越しの右前2点適時打。元同僚の一塁手、巨人ウィーラーと並び、地元東北のファンから拍手を浴びた。 第1打席でも紫紺のユニホームをともにした後輩を打った。1回2死から明大の5学年下の中日柳の初球直球を中前へはじき返した。前夜に代打で巨人ビエイラの初球163キロを中前打としており、3打席連続で初球安打。リーグトップの66打点を誇る勝負強さを発揮した。 バットでの活躍が光るが、本望ではないかもしれない。生え抜き10年目で初の晴れ舞台。意気込みを問われると、自慢の打棒ではなく「僕のグラブさばきと球際の強さを見てください」と、やや笑いながら"島内節"で守備でのアピールを宣言。この日もソフトバンク松田の提案で遮光用のアイブラックを左目の下に○、右目の下に×と前日は逆に入れた。ファンに人気の試合中コメント"島内語録"を「松田さんの×じゃなくて○が効いています。松田さん、ありがとうございます。(真顔で)」と球宴でも披露した。 田中将と浅村が前日に続き、15日に接種した新型コロナウイルスワクチンの副反応とみられる体調不良で欠場。楽天の投打の柱を欠き、落胆する地元ファンを救う一打を、島内が見せてくれた。【桑原幹久】
◆セ・リーグのDeNA山崎康晃投手が、予告通りナックルを投げた。1-3の7回に登板。先頭打者のオリックス吉田正尚の初球、101キロを外角低めに落とした。2死二塁で迎えた4人目の打者、ロッテ・マーティンにも初球は96キロ、3球目に97キロのナックルを投じた。全3球で、いずれもボール球だった。 「昨年はオールスターゲームが行われず、ファンの皆さまだけではなく選手も寂しい思いをしました。今年は思う存分楽しませていただきました。いつも楽しみにしていただいているヤスアキジャンプの曲が、オールスターゲームでファンの皆さまに届けられよかったです。自分自身はファンの皆さまのためにと思ってナックルボールを投げられましたし、無失点で終わることができて本当に良かったと思っています」と話した。 投球全体では吉田正から2者連続安打を浴びた。しかし、無死一、三塁からソフトバンク栗原を二ゴロに打ち取り、二-捕と転送され併殺を奪った。三塁を狙った一塁走者は当初、セーフと判定されたが、原監督のリクエストでアウトに覆った。2死二塁からマーティンを一飛に抑え、無失点で切り抜けた。
◆全セの巨人高梨雄平投手(29)が、古巣楽天の本拠地仙台でマウンドに上がった。 8回、1点を勝ち越され、なおも2死三塁で登板。西武呉念庭を二ゴロに封じ、スタンドから大きな拍手を浴びた。試合後には元チームメートの楽天松井らと談笑し、スタンドに手を振った。
◆虎が誇る侍コンビが五輪へ向け頼もしい姿を見せた。 全セの阪神岩崎優投手(30)、青柳晃洋投手(27)がそれぞれ1イニングを無失点に抑えた。シーズンとは逆で「8回の男」岩崎が5回に3番手で登板。この日最速は139キロながら、独特の打者に近く低いリリースで、押し込んだ。2人目に対戦した甲斐は低め直球3球すべて空振りし三振。栗原、小深田と左打者もしっかり抑え3人で片付けた。初の球宴で持ち味を発揮。「無事に終われてよかったです。いい結果になって」と、シーズン同様にクールに振り返った。 続く6回には今季チームトップ8勝の青柳が4番手で登板し得意のツーシームで封じ込んだ。まずは荻野を二ゴロに打ち取ると、この日4打数3安打3打点でMVPを獲得した島内を、ツーシーム1球で中飛に仕留めた。「投球自体はよくなかったけど、楽しめた」と話すように、代打森には四球を与えたが、代打山川は直球を低めに丁寧に投げ、遊ゴロと青柳らしくゴロで切り抜けた。 青柳の球宴は2度目で19年第2戦(甲子園)では3番手で2イニングを投げた。プロ6年間で89試合に登板しているがリリーフ登板は1年目に1試合しかない。五輪では「クオータースロー」と呼ばれる下手寄りの変則サイドスローで、幅広い起用法で期待されている。リリーフで1イニングを抑えたのは、侍にとっても大きい。左右の違いはあるが変則左腕でリリーフ専門の巨人高梨とも意見交換。「すごい勉強になった」と、多くの収穫を手に侍の代表合宿へと向かう。試合後、青柳は「金メダルに少しでも貢献できたらいいかなと思います」と、侍モードに切り替えた。独特な投球フォームの2人が、今度は世界一をかけ、国際試合で存分に力を発揮する。【石橋隆雄】
◆全セの阪神中野拓夢内野手(25)が、東北福祉大時代を過ごした仙台に凱旋(がいせん)した。5回には大学の1学年下の後輩、ソフトバンク津森と対戦。「仙台でともにプレーすることができて、しかも対戦することができたので、非常にうれしく思います」。全6球直球勝負で中飛に倒れたが、笑顔で再会を楽しんだ。 東日本大震災から10年と節目の年の開催。「自分自身もすごい揺れを経験しましたし、非常に被災地の方は苦しい思いをしたと思う。これからもしっかりと、東北の方々に勇気を与えられるようなプレーをやっていければと思っています」。初の球宴では巨人坂本や中日大島から、打撃の調子が悪い時の考え方も教わった。「後半戦は苦しい戦いが続くと思うんですけど、自分のプレーというのを忘れずに、しっかりと思い切ってやっていきたい」。忘れられない経験になった。
◆全セの阪神ジェフリー・マルテ内野手(30)が一時は同点に追いつく適時打を放った。 2-3と1点を追う8回1死一、三塁の好機で代打出場し、楽天宋家豪の149キロを左前へはじき返した。一塁上で本来は本塁打を放った際のパフォーマンス「ラパンパラ」を遠慮気味に披露。「本塁打じゃなかったので、いいタイミングとは言えないけど、同点にする一打だったので」と、一塁コーチャーの同僚スアレスと喜びを分かち合った。 来日3年目で初球宴だったが、1戦目でも一塁守備で好捕を連発。2戦目で持ち味の勝負強さを発揮した。ベンチでは中日ビシエドらと談笑するなど楽しんだ様子。矢野監督も前半戦「打のMVP」に挙げたキーマンは、勝負の後半戦に向けて「全力でやるだけなのでしっかりと準備したい。2年間、ずっとケガをしていたので下半身の状態を整えて頑張りたい」と意気込みを語った。
◆遊撃が本職の全パ・西武源田壮亮内野手が、侍仕様のユーティリティーを発揮した。 7回の守備から途中出場し三塁に入ると、8回には二塁を守った。広島鈴木誠の打球を危なげなくさばいた。侍ジャパンでも遊撃以外での守備を求められる可能性があり、安定したグラブさばきに「サード、セカンドも守らせていただきましたが、いろんな景色を見ることができました」と本番を前に収穫を得た。
◆全パが接戦を制し、全セに勝利。工藤公康監督(58)の一問一答は以下の通り。 -接戦で勝利 工藤監督 いやもう本当、島内君の大活躍で。ここでね、楽天の選手が、特に最後の1点を小深田君のランニングで取ってくれたのは、ファンのみなさんも満足する勝利かなと思います。 -第1戦は敗れ、負けられなかった 工藤監督 今日は絶対に勝つぞと、円陣でも小深田君が話をし、島内君が話をし、松田君が島内君にマルペケを作ってですね。勝つ雰囲気が出ていましたので、今日は絶対に勝つと思っていました。 -2年ぶり、仙台では10年ぶりの球宴 工藤監督 特に今年のオールスターは2年ぶりというのもあるんですけど、震災から10年、みなさんの思いが詰まっていると思いますし、これからの10年を考えてもすごく有意義な祭典ではないかなと思います。我々も少しでも元気を届けられるようにという思いで、ベンチを明るくし、勝つことに執念を燃やして、勝利を届けられて良かったです。 -後半戦に向けて 工藤監督 パ・リーグはですね、燃えに燃えてこのペナントレースを6球団で、(ゲーム差の)開いてない中で競い合っていますので。みなさん楽しんでいただいて、その中で少しでも元気を与えられるように、シーズン最後まで頑張っていきますのでよろしくお願いします。
◆全パ・楽天則本昂大投手(30)が2イニング3奪三振の力投を見せた。 「本拠地のオールスターだったので、いいところを見せられたらいいかなと思って」。直球は最速156キロをマークし、阪神佐藤輝からはフォークで空振り三振を奪った。「やっぱり震災から10年たって、何としてもやらないといけないなという思いはあるので。これからもそういう気持ちを持って」と、後半戦への決意を新たにしていた。
◆全セ・巨人ゼラス・ウィーラー内野手が、古巣楽天の本拠地仙台で躍動した。 1回にオリックス宮城から中前打を放ち、4回には西武松本から左越え二塁打で複数安打を達成。6回には楽天則本昂と対戦し「真っすぐが来るとわかってて、打ちにいったけど力で抑えられた」と154キロの直球に空を切った。「いい思い出がたくさんある」仙台を、持ち味のハッスルプレーで沸かせた。
◆全パ・ロッテ荻野貴司外野手(35)が2戦連続で安打を放った。 2番中堅でスタメン出場し、3回に広島森下暢仁から左翼線二塁打を放ち、楽天島内の勝ち越し打を演出した。「存在感を出せるように」と意気込んだ球宴。前半戦でリーグ打率3位の技術をしっかりと見せつけた。
◆全セ・阪神近本光司外野手(26)が充実の2日間を振り返った。 2戦目は9回に代打で一邪飛だったが、1戦目には球宴新記録となる7打数連続安打をマークするなど大活躍。広島鈴木誠と熱く打撃論を交わす場面もあった。「いろんな人から話を聞いて、自分にとっていい話だったり、逆に自分とは違う意見も聞けた。すごくいい勉強になった」と語った。
◆パ・リーグのソフトバンク柳田悠岐外野手(32)は年下のスラッガーに脱帽だった。 ホームランダービーでは松田に打撃投手を務めてもらい5本の柵越え。だが対戦相手のヤクルト村上宗隆があっさり6本を放ち、1回戦敗退となった。「まず熱く! ナイスピッチングをしてくれた松田さんに感謝です。対戦相手の村上くんはさすがのパワーでした。完敗、お手上げです」。侍ジャパンの仲間となる大砲に拍手を送った。
◆阪神梅野隆太郎捕手(30)が守備で超ファインプレーを見せた。 7回無死一、三塁のピンチで、ソフトバンク栗原の打球は二塁へのゴロ。飛び出した三塁走者のソフトバンク松田を三本間で挟殺すると、続いて三塁進塁を狙ったオリックス杉本をタッチ。「追いながら後ろのランナーも見えたんで、これ行ける!って思って」。セーフと判定されたが、全セの原監督によるリクエストで、判定が覆り、一気に2死を奪った。自信のプレーに、指揮官との"意思疎通"はばっちりだった。
◆万能侍が球宴初スタメンで右に左に走り回った。全パのソフトバンク栗原陵矢捕手(25)はオールスター史上初めて1試合4ポジションを守った。「初めてはうれしいですね。なんでも。すごくいい経験ができました」と汗を拭い、充実感あふれる表情で振り返った。 「8番一塁」で先発し、4回は今季から挑戦する三塁に就いた。7回は侍ジャパンでも登録されている外野手として左翼へ。8回は本来の守備位置である捕手、9回には再び最初の一塁に戻ってフルイニングをしっかり守り抜いた。仕掛け人の工藤監督は「栗原という選手はいろんなポジションを守れるとアピールしたかった。よく頑張ってくれた」と褒めた。 試合前にはさらに「投手」にもなっていた。ホームランダービーで同郷福井出身のオリックス吉田正の相棒として優勝をアシスト。死球を当てるハプニングもあったが「ボール気味に投げても本塁打にしていただいて、助けていただきました」。自身は打席では3打数無安打と結果を残せなかったが、"五刀流"で存分に持ち味を発揮した。 複数守備をこなすユーティリティー性を期待され、東京五輪の日本代表に選ばれた。「(グラブは)4種類持っていきます。普段からロッカーに置いてます」と準備は万端整っている。「気持ちを引き締めて、日本のために頑張りたい」。初の舞台を満喫し、金メダルを懸けた戦いに向かう。【山本大地】 ▼栗原が一塁、三塁、左翼、捕手と4つの守備位置に就いた。球宴で1試合で4つのポジション(外野は左翼、中堅、右翼に区別せず)を守った選手は史上初めてで、同一年でも4ポジションを守った選手はいなかった。 過去は1試合3ポジションが最多で、63年<2>戦の中西(西鉄=三、二、一)と81年<3>戦、87年<3>戦の2度あった原(巨人=ともに遊、二、三)の2人が記録している。
◆全セ・中日大島洋平外野手(35)が8回2死二、三塁で本盗を狙った。 楽天宋家豪がフルカウントから広島鈴木誠に8球目を投じるタイミングでスタート。完璧なタイミングでだったが、鈴木誠が二ゴロに倒れてチェンジとなり得点はならず。「ノーサインです。最初から狙っていた。打球が右方向に飛びそうだったのと、四球もありそうだったので走りました」。単独で成功していれば04年の日本ハム新庄以来だった。 ▽全セ・中日ビシエド(8回に代打で空振り三振)「結果は出なかったが自分のスイングはできた。2日間でチームメートから(後半戦への)エネルギーをもらった」
◆○+○=MVP! 全パ・楽天島内宏明外野手(31)が決勝打を含む3安打3打点と活躍し、地元仙台でMVPに輝いた。同点の8回1死一塁、広島栗林の宝刀フォークを右翼線へはじき返し、送球間に三塁へスライディング。最後は土に尻をつけながら、歓喜にわく三塁ベンチへガッツポーズで返した。MVPの賞金300万円は「親に恵みます」と笑った。 "熱男"の粋な計らいにバットも乗った。10年目で初出場。独特の緊張感の中、2日続けてソフトバンク松田が遮光用のアイブラックで目の下に「○×」と書いてもらった。この日は前日とは逆の、左目の下に○、右目の下に×。「すごくリラックスして入れました」。お立ち台には、両目の下とも○で上がった。 母校の後輩も背中を押してくれた。第1打席は明大で5学年下の中日柳から中前打、第2打席は同8学年下の広島森下から右前適時打。ともに初球の直球を捉えた。「今日は本当にできた後輩ですね。後輩から全然打てていないので悩んでたんですけど、祭り気分でいけました」と球宴で"明大魂"が騒いだ。 前日に続き田中将、浅村が体調不良で欠場。「楽天の王と飛車がいない感じ。ファンの皆さんは寂しい思いをしたと思うので盛り上がってよかった」。震災時の11年以来10年ぶりの仙台開催。試合前に被災時1歳だった宮城の野球少年がスピーチした。「グッとくるものがあった。10年たって震災はこの仙台ではつきもの。被害にあった方々に野球でちょっとでも忘れられる瞬間があれば」。杜(もり)の都の夜空に願った島内の思いは、きっと届いたはずだ。【桑原幹久】 ▽全パ楽天小深田(8回に島内の適時打で一塁から生還)「島内さんがライト線を抜いたので、これはもうかえるしかないと思って一生懸命走りました」 ▽全パ・楽天松井(9回を3人で締め球宴初セーブ)「どんな手を使ってでも島内さんにMVPを渡すんだという気持ちで投げました」 ▽全パ楽天宋家豪(8回から球宴初登板。1回2失点も同初勝利)「少し悔しさは残りましたが(自己採点は)80点くらい。オールスターのマウンドに立つのは簡単ではないので、おまけの点数です」
◆熱男は第2戦でも健在だった。ソフトバンク松田宣浩内野手(38)は試合前に楽天島内の両目の下ににアイブラックで「○」と「×」を描き入れた。その効果か? 島内がMVPの活躍。 勝利の立役者となった松田は「今日はパ・リーグが勝つことができて良かったです。本当にパ・リーグ代表としてチームがまとまりあって、いいチームでした。素直に楽しかったです」と最後まで笑顔だった。
◆侍ジャパンのソフトバンク甲斐拓也捕手(28)が好リードで全パの勝利に貢献した。 オリックス宮城ら4投手とバッテリーを組み、7回までを1失点。2番手の西武松本以降は直球主体で押し、力勝負の中で抑えた。「パ・リーグのいいピッチャーとバッテリーを組めて、いい勉強になったし、すごく楽しかった。改めて幸せなことだなあと思いました」と振り返った。
◆東日本大震災発生時の11年以来10年ぶりの仙台開催の球宴を、楽天勢がジャックした。 リーグトップの66打点を誇る島内宏明外野手(31)が3安打3打点の大活躍。8回に先頭小深田大翔内野手(25)が四球で出塁。1死一塁から島内が決勝打を放ち、初出場でMVPを受賞した。 投手陣では則本昂大投手(30)が6回から登板し2回無安打3奪三振無失点。8回から登板した宋家豪投手(28)は2失点で同点に追いつかれるも勝利投手となり、9回は楽天松井裕樹投手(25)が4球で3者凡退に抑え、セーブを挙げた。 東京オリンピック侍ジャパンの田中将大投手(32)、浅村栄斗内野手(30)が体調不調で2戦とも欠場。松井は「投打の柱ですし、見たかったファンの方もたくさんいたと思いますが、その分残った5人が頑張れたので少しは喜んでくれていると思います」とファンを思った。 また、試合前には被災者を代表し、被災時1歳の宮城の野球少年がスピーチを行った。島内は「グッと来るものがありました。自分たちも強く頑張らないといけないなと思った。たまたまですけど、何とか形になってよかったです」とバットに思いを乗せた。則本昂は「(震災時に)僕はこの球団にいませんでしたが、初優勝の時はルーキーでこのチームにいて、やっぱり頑張らないといけないなという思いはすごくありました。震災から10年がたって、何としてもやらないといけないという思いはある。今年だけでなく、これからもそういう気持ちでやっていきたい」と東北のファンへ活躍を誓った。
◆全セ・原辰徳監督(62)が、オールスター史上初のリクエストに成功した。 2点ビハインドの7回無死一、三塁の守備。ソフトバンク栗原の二塁へのゴロでヤクルト山田が本塁に送球。三塁走者のソフトバンク松田が挟まれ、捕手の阪神梅野がタッチで1アウトとし、一塁から三塁を狙ったオリックス杉本にもタッチしたが、セーフと判定された。指揮官は「確信があった」とリクエストし、判定が覆った。
◆中日大島洋平外野手(35)が本盗を狙った。8回に同点に追いつき、なお2死二、三塁で楽天宋家豪がフルカウントから広島鈴木誠に8球目を投じるタイミングで完璧なスタートを決めた。 鈴木誠がスイングしたバットをよけながら足をホームに差し込んだものの、鈴木誠が二ゴロに倒れて失敗に。成功していれば史上4人目。単独での成功なら04年日本ハム新庄以来、史上2人目でセ・リーグでは初めてだった。 大島は「死ぬかと思いました。ノーサインです。最初から狙っていた。誠也も打ちたいだろうと思っていたが、ファウルの方向から打球が右方向に飛びそうだったのと、四球もありそうだったので走りました」と振り返った。現地やテレビで観戦した野球少年たちがマネすることは「やめた方がいい」と注意も促した。 チームでは今季、足でブレークした高松に次ぐ11盗塁を決めている。12年に盗塁王に輝いた竜の安打製造機は、後半戦では足で中日の反攻に貢献する。
◆「マイナビオールスターゲーム2021」の第2戦が17日、楽天生命パークで開催され、全セの阪神佐藤輝明内野手(22)が2回に左翼へ球宴1号を放った。新人選手が本塁打を放つのは球宴史上5人目の快挙だ。宮城・村田町から駆け付けた祖父勲さん、祖母美智恵さんの前で、交流戦に続く豪快アーチ。怪物ルーキーが一流プレーヤーと交流を図り、夢のような2日間を終えた。少年のような笑顔だった。ベンチ前にはヤクルト山田、巨人坂本、広島菊池涼、中日ビシエド...。球宴ならではの豪華メンバーとグータッチ。佐藤輝が顔をくしゃくしゃにして「Zポーズ」を披露した。 「真っすぐ来てくれ、と。本塁打を狙ってスイングしたんで、すごく気持ち良かった」 2回1死。夕暮れの宮城の空に、左腕宮城の直球を打ち上げた。打球は左翼席最前列へ着弾。宮城・村田町から駆け付けた祖父勲さん、祖母美智恵さんの前で球宴1号を放った。 「小さい頃、ここにプロ野球を見に来たこともありますし、祖父母も来てたんで。そういう意味でも頑張れた」。小学1年で野球を始めた時から熱血指導を受けた祖父へ、交流戦に続く恩返し弾。球宴史上5人目の新人アーチは、子どもの頃から変わらないフルスイングから生まれた。 夏休み直前の土曜日。少年時代に自身が訪れたように、球場では少年少女が水色の「佐藤輝明タオル」を揺らした。187センチのルーキーも、夏休みには公園で野球やサッカーを楽しむ純朴な子どもだった。「ラジオ体操は朝が苦手で行ったことない...。学校がなくて友だちとずっと遊べるから楽しみでした」。遊びに夢中で、花火大会などお祭りには「あまり行ったことない」と苦笑い。大人になって、プロ野球選手として野球のお祭りを楽しみ、でっかい花火を打ち上げた。 本塁打への意識はずっと特別だ。小学生の時、近所の公園の防球ネットを越える特大弾が、民家に直撃してしまったこともある。「ホームランを打つにはホームランを打つ練習をしないといけないですよ。打ちたかったんで、自然と(全力の)そういうスイングになっていたんじゃないかな」。良い子はマネしちゃダメ? なアーチストの発想。いつでも強振を貫いてきた。 試合前にはソフトバンク柳田、オリックス吉田正と記念撮影。佐藤家では長男だが弟のように笑った。敢闘選手賞、マイナビ賞もダブル受賞。計200万円のお小遣いにニンマリだった。「あらためて、野球は面白いと思いました」。しばし五輪ブレークで調整期間に入る。「いろんな選手と会話できましたし、後半戦が始まるまでいろいろ試したいです。タイガースは首位で前半戦終えることができたので、後半戦もタイガースらしい野球をやって優勝できるように頑張っていきます」。童心に帰った2日間。忘れられない夏の夜を胸に、後半戦も猛虎の強力な推進力になる。【中野椋】
◆全セの広島栗林良吏投手(25)が、球宴でホロ苦デビューとなった。「マイナビオールスターゲーム2021」の第2戦(楽天生命パーク)で、同点の8回に初登板。1死一塁から全パの楽天島内に右翼線へ決勝の適時二塁打を浴び、まさかの失点で敗戦投手に。カープの守護神にとって、学び多き初球宴になった。「防御率0・53」を誇る栗林が、お祭りムードの全パの勢いに飲み込まれた。3-3の8回に登板。1死一塁から全パの楽天島内に、追い込んでからの3球目、決め球のフォークを捉えられた。打球は右翼線を抜け、勝ち越しを許した。失点したことで、2死三塁から、登板機会がなかった巨人高梨にバトンを渡した。球宴デビュー戦で、シーズンは鉄壁の右腕がまさかの敗戦投手となった。 「高梨さんにも迷惑をかけましたし、あそこを抑えていたら、9回のところで逆転していたかもしれない。そういう意味では自分の実力不足が出て、すごく悔しい気持ちはあります」 悔しさの残る登板となった。先頭の小深田には、10球中9球で直球を投げ込み、ファウルで粘られて最終的には四球を与えた。「真っすぐで空振りが取れなかった。空振りが取れるように磨いていかないといけない」。島内に浴びた決勝打については「三振を取りに行った球を打たれた。カーブもフォークもカットボールも全部課題かなと思います」と、お祭りでも勝負師の悔しさが先行し、笑顔はなかった。 ただ、悔しさばかりではない。初出場の球宴は、多くの初対面の選手とコミュニケーションを取れる場でもあった。中日のリリーバー又吉からは「ケガをしない体作りの話」の助言をもらった。中継ぎは登板が重なるため「疲れがたまってないと思ってもたまっていることが多い。自分が思っているよりも、オフは思い切って休んでみた方が、次のシーズン、意外といいかも」などと、アドバイスを受けたという。「たくさんのチームの活躍されている方とコミュニケーションを取ることができた面ではよかった」と振り返った。 球宴での悔しさを糧に、東京五輪へ気持ちを切り替える。「自分のせいでチームが負けてしまった。そういう意味ではしっかり日本代表ではチームに貢献できるようにやっていきたい」。広島が誇る黄金ルーキーが、国際舞台に照準を定めた。【古財稜明】
◆全セの広島菊池涼介内野手(31)が、球宴2戦合計で5安打を記録した。 16日の球宴第1戦では、1発を含む4安打2打点の活躍でMVPを獲得。この日は2点を追う8回先頭の代打で登場。楽天宋家豪の直球を左前に運び、5打席連続安打を記録。同点劇の口火を切ったが、1点を追う9回2死の第2打席は三飛に倒れ、最後の打者となった。7回1死から代打で出場した鈴木誠也外野手(26)は2打席に立ち、四球と二ゴロ。18、19年に続く3開催連続の本塁打は果たせなかった。
◆全セの広島森下暢仁投手(23)が「ほぼ直球勝負」で、初出場の球宴を2回3安打2失点で終えた。 先発の大学の先輩、中日柳からの"明大リレー"で、同点の3回に2番手で登板。先頭のソフトバンク甲斐に粘られ、7球目に、この日投じた全20球中で唯一の変化球となったカーブを中前に運ばれた。1死二、三塁からは明大の先輩、楽天島内に勝ち越しの2点適時打を許したが「島内さんに打たれてよかったと思います」と先輩を立てた? 2イニング目の4回は3人で締め、侍戦士の貫禄を示した。
◆全セ・ヤクルトの五輪組はともに無安打だった。 山田哲人内野手(29)は1番二塁、村上宗隆内野手(21)は4番三塁で先発。全打席本塁打を狙った村上は、同点の8回1死一、二塁で打席がまわったが、一ゴロに倒れた。「僕自身ワクワクしましたし、次は打てるように頑張りたい」と前を向いていた。
◆全セ・侍ジャパンの巨人坂本勇人内野手が、東京オリンピック(五輪)へと気持ちを切り替えた。 オールスターが終了し「またひと勝負あるので、日本を代表して頑張ってきます」と決意を込めた。第2戦は2点を追う8回無死一塁から代打で出場。楽天宋家豪から二塁打を放った。「何回出場しても、いいものだなぁと思いました。普段戦っているメンバーと一緒に野球ができて楽しかったですね」と振り返った。
◆「マイナビオールスターゲーム2021」の第2戦が17日、楽天生命パークで開催され、全セの阪神佐藤輝明内野手(22)が2回に左翼へ球宴1号を放った。新人選手が本塁打を放つのは球宴史上5人目の快挙だ。 阪神佐藤輝の一問一答は以下の通り。 -本塁打の手応え 打った瞬間、ホームランっていう手応えはありました。 -震災から10年 こういう地でみなさんに見てもらえたってことはすごい良かったんじゃないかなと思います。 -試合前にソフトバンク柳田と話した内容は 打撃練習の意識だったり、そういうところを話していただきました。 -打撃練習中にDeNA佐野、ヤクルト村上とバットを交換し合っていた 各選手のバットの握りとか気になりますし、グリップの形、バットの形の話をしていました。 -今後へ意気込み いろんな選手と会話できましたし、後半戦が始まるまでいろいろ試したいです。タイガースは首位で前半戦終えることができたので、後半戦もタイガースらしい野球をやって優勝できるように頑張っていきます。
◆球宴に初選出された全パのオリックス宮城大弥投手(19)は、大興奮で「マスコットオールスター」に遭遇した。 丸刈り頭の癒やし系19歳左腕は、動物好き。普段は猫派の"宮城くん"だが、12球団のマスコットが集合する夢の祭典を心待ちにしていたという。 「これを言うと、多分、イジられると思うんですけど...」と前置きしながらも、大好きなのは「ヤクルトのつば九郎さん。(フリップ芸などで)いい感じにふざけているので...。面白いので、ずっと見ていたいですね」と笑顔を見せた。 この日は、全パの先発マウンドにあがり、2回を23球で2安打1失点。最速146キロ、最遅は99キロのスローカーブで、全セの主砲たちを翻弄(ほんろう)した。阪神佐藤輝に「球宴初被弾」を許したが、10代投手の先発は07年の楽天田中将以来。球団では54年梶本、56年米田に続き、65年ぶり3人目の快挙だった。 「とてもいい経験になった。緊張したけど、いい感じで投げられました」 ファン投票1位選出された19歳左腕が、ファンのハートをほっこりさせた。【真柴健】
◆夢の祭典でも、ラオウ弾で昇天ポーズだぁ! 全パのオリックス杉本裕太郎外野手(30)が、有言実行の球宴初アーチを描いた。 「本塁打だけ狙って打席に。完璧っす。打った瞬間入ると思った。自分以外のオリックスの選手が活躍して、居場所がなかったので打ててよかったです!」 1点を追う2回2死無走者で、中日柳の141キロ直球を左中間席へぶち込み「かわいい宮城が点を取られた後だったので取り返したかった」と後輩を思った。 球宴限定で「全打席本塁打狙い」だった。本塁打後にベンチ前で右拳を突き上げる「昇天ポーズ」を披露し「いっぱいカメラがあった。ここしかない! と思って長めに」と普段より5秒ほど長く"昇天"した。 打球速度は驚異の171キロを計測。怪力自慢の「ラオウここにあり」の1発だった。第1戦の試合前の本塁打競争では2発にとどまり、初戦敗退。緊張のあまり? 代打で球宴初出場した際は「間違ってマスコットバットで打席に...」と明かし、豪快に笑った。 仙台は第1歩を踏み出す地だった。「初ホームランも、この球場。好きな球場です」。ファンを魅了する一撃に加え、7回は痛烈な三塁内野安打。さらに右翼守備では6回にヤクルト山田の大飛球にジャンプしてフェンスにぶつかりながら好捕した。試合後は敢闘選手賞に選ばれ、「ラオウ」の名前を響かせた。 15年ドラフト10位の入団から6年目。遅咲きの努力の男は「もう(球宴に)悔いないですね。結果を気にせず楽しもうと思っていた」とラオウ節で、少年少女に大きな夢を見せた。【真柴健】
◆ソフトバンクホークス公式ツイッターで、阪神佐藤輝明内野手(22)とソフトバンク柳田悠岐外野手(32)のインタビュー動画が公開され、佐藤輝が打撃練習の取り組みについて絶賛された。 佐藤輝は「ホームランって狙ってますか」と聞くと柳田は「いや狙ってない。若いときは狙ってた」と返答。さらに打撃練習時の意識について「(打球を)ピッチャーの手の方に返すイメージ」とアドバイスを受けた。柳田は「彼のバッティング練習をずっと見ていましたけど、右ピッチャーの時、こっち(逆方向)に打っているんで。そういうの1年目からできるのはありえないです、普通に考えて。多分ヤバイことになりますよ」とニヤリ。最後は「頑張って! けがなく!」とエールを送られた。 動画は試合前に撮影されたもので、17日午後11時現在、再生回数8万を突破している。
◆日本野球機構(NPB)は17日、2021年NPB東日本大震災復興支援事業として、宮城県、岩手県、福島県の学童軟式野球連盟、中学校体育連盟、高等学校野球連盟に所属するチームへ試合前セレモニーでボールケースを寄贈した。また、マイナビ仙台レディースの浜田遥がファーストピッチセレモニーでノーバウンド投球。始球式は地元宮城の少年野球チーム「大崎ジュニアドラゴン」の斎藤蒼梧くんが務め、復興支援セレモニーではスピーチも行った。 ○...全セ、全パの監督、選手が、5回終了時に11年に発生した東日本大震災の復興支援メッセージボードをベンチ前で掲げた。来場者にも楽天田中将の「共に立ち向かいましょう!」など、各選手の言葉が入ったメッセージボードが配布され、一緒に掲げた。全セの巨人原監督は「常に記憶の中には持たないといけないし、できることは協力していかないといけませんね」と復興支援への思いを語った。
◆全セの阪神佐藤輝明内野手(22)が2回に左翼へ球宴1号を放った。宮城・村田町から駆けつけた祖父勲さんと祖母美智恵さんは一塁側ベンチ上付近で見守った。2回の本塁打に勲さんは「目の前で見られて幸せ。冥土の土産になります」。 近大時代も含め、現地観戦した試合は孫の本塁打率100%だ。美智恵さんは「不思議だね~。精神面で違うのかな。じいちゃん見てるって意識して頑張ろうってなるのかな」と笑顔。勲さんは「体重が減ってるように見えたから心配だけど、終わってうまい酒が飲めるように頑張って欲しい」とエールを送った。
◆「マイナビオールスター2021」に全セで出場した阪神梅野隆太郎捕手(30)が日刊スポーツに独占手記を寄せた。第2戦は途中出場ながら、青柳とのバッテリーやファインプレーで球場を沸かせた。阪神勢の大活躍を喜び、後半の勢いにつなげることを誓った。前半戦頑張ってきて、ファンの皆さんと選手の皆さんに選んでもらって、本当にこの2日間、楽しめて思い出になりました。 6回にはヤギ(青柳)と、オールスターでバッテリーを組みました。ヤギ自身も思い切って腕を振るだけ、なにも考えず自分のミットに投げ込んでくれた。同時に周りを他球団の選手の方が守っていることが、オールスターならではで、すごく楽しかったです。 お祭りを盛り上げるというところでは、タイガースの選手がここぞで結果を出せたのは、本当に大きいことです。ここだけに終わらず弾みとして、波に乗って後半も戦っていきたいなと思ってます。 前半戦、首位でターンしたということに関しては、本当に自信を持っていいと思います。その中でのベストゲーム...。例えば、僕がディレードスチールしたとか(6月13日楽天戦、9回2死から二盗)、直近で言えば9回に3点差逆転してサヨナラ勝ちしたとか(12日DeNA戦、9回2死から5連打)、そういうゲームももちろん大きい。でも個人的には、勝ち方というよりも、連敗した後の1勝が大きいと思っています。 連敗してる時って、何してもうまくいかない。どこまで連敗続くんだろう、って。点をなかなか取れなかったり、逆に点をとっても結局逆転されたり。でもそんな時だからこそ、勝つ喜び、勝つ苦しさを実感します。こんなことをして、やっと勝てるんや、って。そんな思いが強かったです。 キャプテンの悠輔(大山)とは自主トレから一緒だけど、自分自身が調子の悪い時に悠輔に聞いたりしていました。逆に悠輔はどうなってますか? とかは言ってこないけど、僕が気づいたことがあれば、たわいもない会話の中で話したりしています。調子がいい時ってそのままにされる一方で、悪い時に「こうしたほうがいい」って言われると、しんどいんじゃないかなあと思う。自分自身が苦しい時もそうだったし、あまり硬くなりすぎないように。もちろん本人の感覚もあるし、ワンポイントでちょっとでも良くなったらなあ、みたいな感覚です。違う視点から、普通の会話の中でいろんな意見交換をしています。 オールスター、五輪が終わって、チームに帰ってからはまた別のもの。自分の体力、頭を整理して。その経験をもとに、後半戦のタイガースでの引き出しというものを、どんどん自分の中に作っていきたい。まだまだ勉強です。プラスにして、経験を生かして、タイガースの力になって、優勝出来るようにというところが、今の一番の目標です。(阪神タイガース捕手)
◆全セのヤクルト村上宗隆内野手(21)が、「日産リーフ賞」を受賞した。ホームランダービー2日間を通じて、打球の平均速度が一番速かった選手に贈呈される協賛社特別賞で、村上は準決勝で敗退したものの、時速157キロを計測。2位タイ155キロで並んだ西武山川、阪神佐藤輝を上回った。「めちゃめちゃきつかったですけど、リーフ賞もいただけてうれしいです。打球速度も飛距離ももっと伸ばして、たくさんホームランを打てるように頑張ります」と振り返った。 前半戦ではセ・リーグ2位の26本塁打を放ち、自身2度目のホームランダービー出場権をゲット。1回戦ではソフトバンク柳田の5本塁打を1本上回って、勝ち抜いたが、準決勝では優勝したオリックス吉田正の6本塁打に届かず、5本塁打で敗退した。「優勝目指して頑張りたい」と意気込んで臨んだが、悲願達成とはならなかった。 それでも持ち前の長打力を発揮。弾丸ライナーで柵越えなど、豪快な打撃で"初タイトル"を獲得した。日産自動車株式会社日本マーケティング本部副本部長の増田泰久氏から日産リーフを贈呈され、パネルを受け取ると、笑顔を見せた。同車はCO2排出量ゼロの100%電気自動車(EV)で、電気自動車ならではのワクワクする加速感が魅力。次世代を担う村上に、うってつけの表彰となった。 村上は西武平良とともに最年少の21歳で東京オリンピック(五輪)を戦う侍ジャパンのメンバーに選出された。日の丸を背負い、金メダルを争う戦いの前に、弾みをつける形となった。五輪出場が決まった時には「本当に野球人生というか、すべてをかけて挑みたいと思います」と並々ならぬ覚悟を口にしていた。"日本一"の打球速度を、五輪の舞台でも発揮させ、今度は世界を驚かせる。
◆来日3年目で初出場のマルテ(阪神)は一塁守備で魅せた。二回には一塁線への打球に素早く反応。六回には杉本(オリックス)の一、二塁間の打球を横っ飛びで抑えた。3打数無安打も「いい当たりを捕球することができたんでね。やっぱりチームが勝ったのですごくうれしい」。選球眼と長打力で虎の野手陣を引っ張るM砲が、第2戦こそ本塁打で〝ラパンパラ〟を披露する。
◆第2戦に登板予定の青柳(阪神)が〝変則投手談義〟に花を咲かせた。試合前練習中、サイドスロー気味に投げる又吉(中日)、左腕の高梨(巨人)とボールを手に、真剣な表情で話し込んだ。今季は虎の先発ローテを力強くけん引してきたが、球宴ならではの時間を過ごして、新たな引き出しが増えたかも? セットアッパーの岩崎(阪神)も第2戦に登板予定だ。
◆ホームランダービーの第2戦が行われ、全パ・吉田正尚外野手(28)=オリックス=が、初優勝した。 1回戦では全セ・岡本和真内野手(25)=巨人=と対決。7発を放ち、5本の岡本和に勝利した。 全セ・村上(ヤクルト)と争った準決勝では、打撃投手を務めた全パ・栗原(ソフトバンク)の投球が右足を直撃するアクシデントも。それでも6本を放ち、5本の村上に勝利した。 第1戦を勝ち抜いた全パ・山川(西武)との決勝では、4本同士で1分間の延長戦に突入。この日だけで4度、打席に立つことになった吉田正は疲労の色を隠せなかったが、延長戦でさらに5本を放ち、合計9─8で初優勝。優勝賞金100万円をゲットした。
◆全セ・岡本和真内野手(25)=巨人=が、試合前の本塁打競争に出場し、初戦で全パ・吉田正(オリックス)に敗れた。 4球連続でアーチを放った先攻の吉田正(オリックス)が7本に対し、後攻の岡本和は、2球連続で柵越えするなど、幸先のいいスタートを切ったが、5本に終わった。 前日16日には「緊張して1本も打てないかもしれないですけど、頑張ります」と謙虚に意気込んでいた主砲だが、普段から親交のある盟友と見ごたえのある戦いを繰り広げた。
◆全セ・村上宗隆内野手(21)=ヤクルト=が、自身2度目とる本塁打競争に出場。準決勝に進出したが、全パ・吉田正(オリックス)に敗れた。また、平均打球速度が最も速かった選手に贈られる「日産リーフ賞」を受賞した。 1回戦は全パ・柳田(ソフトバンク)との対戦。先攻の柳田が5本塁打をマークすると、村上は6本塁打を放ち準決勝に進出。しかし、準決勝では先攻で吉田正放った6本塁打を上回れず、5本塁打で敗戦。2019年の初出場時に敗れた相手にリベンジはならなかった。 それでも1回戦と準決勝で計11本塁打を放ち、平均打球速度は出場選手中トップとなる157キロをマーク。21歳は「めちゃめちゃ、きつかったですけどリーフ賞もいただけてうれしいです。打球速度も飛距離ももっと伸ばして、たくさん本塁打を打てるように頑張ります」と笑顔だった。
◆「7番・右翼」で2試合連続スタメン出場した全セ・佐藤輝明内野手(22)=阪神D1位=が第1打席で先制ソロを放った。 「宮城選手の真っすぐをしっかり自分のスイングで打つことができました。おじいちゃんおばあちゃんが観に来てくれているので、二人の前で打つことができて良かったです。今日も勝つことができるように頑張ります」 二回1死で打席に立つと、全パ・宮城(オリックス)の2球目、外角の140キロ直球に反応。豪快なスイングで流し打ちすると、打球は左翼席の最前列に吸い込まれた。ベンチに戻ると、テレビカメラに向かって〝Zポーズ〟を決めた。 球宴で本塁打を放った新人選手は2019年の近本(阪神)以来、史上5人目の快挙となった。 祖父母が暮らす〝第2の故郷〟といえる仙台でアーチを描いた佐藤輝。楽天生命パークでは、6月12日の楽天との交流戦で先発の田中将から本塁打を放っており、この日も相性の良さを発揮。16日の第1戦は4打数無安打2三振に終わったが、その悔しさを晴らす一発となった。
◆全パ・杉本裕太郎外野手(30)=オリックス=が、球宴第1号を放った。「7番・右翼」で初スタメン出場を果たすと、0─1の二回2死。全セ先発の柳(中日)がカウント1─2から投じた4球目、141キロのボールを捉え、左中間席へ運んだ。 打球速度は171キロを計測する豪快なアーチ。三塁ベンチ前ではオリックスファンではおなじみとなったラオウポーズも披露した。
◆全セのゼラス・ウィーラー内野手(34)=巨人=が仙台で〝凱旋打〟を披露した。 昨季途中に楽天から巨人へトレードで移籍した助っ人は、来日7年目で初選出。移籍後初めて訪れた楽天時代の本拠地で「3番・一塁」で先発すると、第1打席で宮城(オリックス)から中前打を放った。さらに四回には松本(西武)の直球を左翼線へ運ぶ二塁打。今季の打率・319の好調ぶりを発揮し、仙台のファンから喝采を浴びた。第3打席では楽天・則本昂と対戦し、直球勝負の末、空振り三振に倒れた。 ウィーラーは選出された際に「お世話になった方がたくさんいる仙台で行われるオールスターに出場できることはうれしく、そして東北に縁を感じています」と語っていた。
◆全セ・岩崎優投手(30)=阪神=が五回に3番手で登板し、三者凡退に抑えた。 先頭の全パ・栗原(ソフトバンク)を135キロの直球で中飛に打ち取ると、続く甲斐(ソフトバンク)に対してはオール直球で3球三振に仕留めた。最後は小深田(楽天)を左飛に打ち取って充実の表情を浮かべた。 オールスターへの出場が決まったときには「出るからにはいい結果が出せるように」と話していた左腕は、きっちり無失点に抑えて次の全セ・青柳(阪神)にバトンを渡した。
◆全セ・村上宗隆内野手(21)=ヤクルト=が試合前に行われたホームランダービーを通して、打球の平均速度が一番速かった選手に贈られる「日産リーフ賞」に輝いた。 「めちゃめちゃきつかったですけど、日産リーフ賞もいただけてうれしいです。打球速度も飛距離ももっと伸ばして、たくさん本塁打を打てるように頑張ります」 17日に行われた第2戦の本塁打競争に出場し、1回戦、準決勝合計11本の柵越えを放ち、平均打球速度は157キロを計測した。同ダービーはセ・パ両リーグから4選手ずつをファン投票で選出し、2試合を通したトーナメント方式で対戦した。 村上には日産自動車・日本マーケティング本部副本部長の増田泰久氏から二酸化炭素(CO2)排出ゼロの100%電気自動車(EV)で、EVならではのワクワクする加速感が魅力の「日産リーフ」が贈呈された。
◆全セ・青柳晃洋投手(27)=阪神=は、1―3の六回に登板し、無失点に抑えた。 先頭の全パ・荻野(ロッテ)を外角低めの140キロで二ゴロ、島内(楽天)を1球で中飛に仕留めて簡単に2死としたが、代打・森(西武)には四球を与えた。それでも最後は代打・山川(西武)を低めの142キロの直球で遊ゴロに料理した。 監督推薦で自身2度目の球宴出場が決まったときには「真剣勝負でバッターと勝負したい」と話していた右腕。有言実行の全力投球で好投を披露した。
◆ソフトバンクの2年目の津森が全パの3番手として五回のマウンドに上がり、東北福祉大時代を過ごした思い出の地で球宴初登板を果たした。 憧れと語る藤川(阪神)もかつて球宴で披露した全球速球勝負で最速151キロをマーク。1回を三者凡退に抑え「少し力みは出たが、持ち味である強気の真っすぐを投げることができた」と充実感に浸った。 2死からは大学の1年先輩の中野(阪神)と対戦。力で押して中飛に仕留め「最後に勝負ができて良かった」と笑みがはじけた。
◆全パ・島内宏明外野手(31)=楽天=が、勝ち越し2点タイムリーを放った。 同点の三回1死二、三塁。2番手の全セ・森下(広島)の初球を、右前に弾き返した。 16日の1戦目に続き、全パ・松田(ソフトバンク)の提案で、右目の下に「×」、左目の下に「〇」のアイブラックを塗って放った。「打ったのはストレートです。松田さんの×じゃなくて、○が効いています。松田さん、ありがとうございます」とコメントした。
◆2度目の出場で初めて先発のマウンドに上がった中日の柳は、2回を2安打1失点だった。杉本(オリックス)に本塁打を打たれたが「楽しもうと思っていた。自分らしさは出せた」と満足げだった。 変化球投手ながら直球主体で組み立てた。「木下(拓)さんがいつもより真っすぐのサインを出してきた。いつもなら変化球のところで真っすぐを投げたりした」とオールスター戦ならではの投球を楽しんだ。 中日の選手が球宴で先発バッテリーを組むのは2001年以来。柳は「打たれる打たれないは別として、組めてよかった」とうれしそうに振り返った。
◆西武の松本は2回1安打無失点だった。四回無死二塁で村上(ヤクルト)、岡本和(巨人)、佐藤輝(阪神)とセ・リーグの強打者を3者連続で空振り三振に仕留めた。力のある直球主体の投球に「真っすぐで勝負したいなと思っていたので初めからその気でいた」と充実感を漂わせた。 対戦したいと言っていた佐藤輝には全球真っすぐを投げ込んだ。最後は外角球でバットに空を切らせ「持ち味を出せたのでとても良かった」とうなずいた。 初めての球宴の雰囲気も楽しんだ。「すごい選手ばかりの中、プレーできてとてもうれしい。すごい刺激を感じた」と笑顔だった。
◆全セのジェフリー・マルテ内野手(30)=阪神=は2―3の八回に代打で出場し、同点タイムリーを放った。 先頭の代打の全セ・菊池涼(広島)が左前打で出塁。続く代打・坂本(巨人)の左翼線二塁打と左翼手の全パ・柳田(ソフトバンク)の悪送球の失策もあって得点した。 その後、なおも1死一、三塁でウィーラー(巨人)の代打としてマルテが打席へ・全パの宋家豪(楽天)の2球目、内角低めの149キロを左前へはじき返して同点とした。一塁ベース上ではベンチに向かって〝ラパンパラ〟ポーズを決め、笑顔を見せた。 セ・リーグ5位の得点圏打率・338を誇る虎のM砲が球宴でも勝負強さを発揮した。
◆広島の森下が三回から登板し、2回2失点だった。新人王に輝いた昨季は新型コロナウイルスの影響で球宴が中止となり、初出場の舞台。先頭打者の甲斐への7球目に投げたカーブを除いて速球を投げ続け「真っすぐでどれだけ抑えられるかなという思いもあった」と真っ向勝負を振り返った。 三回1死二、三塁から島内(楽天)に右前へ2点打を許した。明大の先輩とあって「島内さんに打たれて良かった」と悔いはない様子。先発した柳(中日)も尊敬する大学の先輩で「こんなことはなかなかない」と充実感がにじんだ。
◆全パが島内(楽天)の3打点の活躍などで競り勝ち、前夜の雪辱を果たした。 全パは宮城(オリックス)、全セは柳(中日)が先発した。全セは一回、先頭の山田(ヤクルト)が空振り三振、大島(中日)も遊ゴロ。ウィーラー(巨人)は中前打を放ったが、続く村上(ヤクルト)は遊ゴロで無得点。全パはその裏、小深田(楽天)が二飛、荻野(ロッテ)が左飛。3番・島内(楽天)は中前打を放ったが、後続を断たれた。 二回、全セは1死から佐藤輝(阪神)が左中間スタンドへ一発を放ち先制。その裏、全パは2死から杉本(オリックス)が左中間席へ運ぶソロ本塁打を放ち同点に追いついた。 三回、全セは全パ2番手・松本(西武)の前に三者凡退。その裏、全セは森下(広島)が登板。全パは1死二、三塁とし、島内が右前2点打を放ち勝ち越しに成功した。 四回、全セは先頭のウィーラーが二塁打を放つが無得点に終わり、全パも三者凡退。五回は津森(ソフトバンク)が3人で全セの攻撃を終わらせ、岩崎(阪神)も走者を許さなかった。 六回、地元・楽天の則本昂が2者連続三振を奪うなど全セ打線を三者凡退に抑える。その裏、青柳(阪神)も2死から四球を与えながらも無失点で切り抜けた。 則本昂は七回も続投し、この回も無失点。全セは山崎(DeNA)が登板したが、無死一、三塁のピンチを迎える。続く栗原(ソフトバンク)の二ゴロの際の三塁上でのタッチプレーをめぐり、一旦はセーフの判定が出たものの、これに対し原監督(巨人)がリプレー検証を要求。判定が覆り、全パは得点を奪えなかった。 八回、宋家豪(楽天)がマウンドに上がると、これまで一塁→三塁→左翼と守備位置を変えていた栗原がマスクをかぶる。しかし全セは坂本(巨人)の左翼線への適時二塁打とマルテ(阪神)の左前適時打で3-3の同点とした。 その裏、全パは先頭の小深田(楽天)がこの回から登板の栗林(広島)から四球を選ぶと、1死後、島内が右翼線へ打球を放つと、小深田が激走して生還し、勝ち越し。その後二死三塁の場面で全セの投手が高梨(巨人)に代わり後続を断った。九回は松井(楽天)がマウンドに上がると三者凡退で締めくくった。
◆全セ・高梨雄平投手(29)=巨人=が、3-4の八回2死三塁から7番手として登板。全パ・呉(西武)を2球で二ゴロに仕留めた。 昨シーズンの途中から楽天からトレードで巨人に移籍。移籍後初となる古巣の本拠地での〝凱旋登板〟となったが、しっかりと役割を果たし、球場に詰めかけたファンから拍車喝采を受けた。
◆全セ・原辰徳監督(巨人)が、七回に球宴では異例のリクエストを要求する場面があった。 1-3と2点ビハインドで迎えた七回の守備だ。無死一、三塁で栗原(ソフトバンク)の打球は二塁へ転がり、三走・松田(同)が三本間で挟まれた。捕手の梅野(阪神)が三塁付近で松田をタッチアウトにした後、三塁を狙った一走・杉本(オリックス)にもタッチした。 判定はセーフとなったが、すかさず原監督がベンチを飛び出し、リクエストを要求。リプレー検証の結果、判定が覆り、杉本もアウトとなった。 前日の第1戦では球宴30年ぶりの犠打が飛び出すなど、お祭りムードの強い舞台で〝真剣勝負〟を挑んだ原監督。直後の八回には2点を奪って一時同点に追い付くなど、終盤まで勝負の行方が分からない展開に、仙台のファンが酔いしれた。
◆ルーキーイヤーだった2015年から〝6連続出場〟となった全セ・山崎康晃投手(28)=DeNA=が、1―3の七回に5番手で登板。1回2安打を許すも無失点で終えた。 「昨年はオールスターゲームが行われず、ファンの皆さまだけではなく選手も寂しい思いをした。今年は思う存分楽しませていただきました」 先頭の吉田正に対し初球、〝球宴限定〟の101キロのナックルを投じるもボールに。そこから連打で無死一、三塁のピンチを招くも、続く栗原の痛烈な二ゴロで本塁タッチアウト。さらに三塁に滑り込んだ一走にもタッチし、一度はセーフの判定も、全セ・原監督の球宴では異例のリクエストが成功し、判定が覆り併殺となった。 2死二塁から代打・マーティンに、再びナックルを2球投じるもボール。それでも最後は一飛に仕留め「ファンの皆さまのためにと思ってナックルボールを投げられたし、無失点で終わることができて本当に良かったと思っている」と満足そうに語った。
◆全セ・坂本勇人内野手(32)=巨人=が5回連続12度目の出場となった球宴を振り返った。 「何回オールスターに出場してもいいものだなぁと思いましたね。普段(敵として)戦っているメンバーと一緒に野球ができて楽しかった」 16日の第1戦(メットライフ)には「1番・遊撃」で先発して4打数1安打。この日は八回無死一塁で代打で登場し、左翼線二塁打を放ち、2試合ともに安打を記録した。 いよいよ東京五輪で侍ジャパンとしての戦いが始まる。最年長の一人で、リーダー格としても期待される巨人の主将は「またひと勝負あるので、日本を代表して頑張ってきます!」と気合を入れた。
◆「4番・三塁」で先発した全セ・村上宗隆(21)=ヤクルト=は4打数無安打に終わった。2019年に続き2度目の出場となった今年の球宴では、代打で出場した前日16日と合わせ5打数ノーヒットで快音は聞かれなかった。以下、村上の試合後の主な一問一答。 --2度目のオールスターを終えて 「ほんとに楽しくできました」 --(前日と合わせ)5打席全部ホームラン狙ってた 「はい、狙っていましたけど力不足でした。出なかったです」 --平良、宮城と対戦した感想は 「すごく僕自身もワクワクしましたし、オールスターでまた対戦する機会があれば次は打てるように頑張りたいと思います」 --ホームラン競争は 「いやあ、疲れましたね。めちゃめちゃしんどかったです」 --いろんな選手と触れ合って印象的な話などは 「いや特に印象的な話はないですけど、しっかりコミュニケーションとりながらベンチの中に入っていました」 --五輪に向けて 「応援してくださってる方々の期待に応えれるようにしっかり調整していい状態で初戦を迎えられるようにしたいです」
◆2019年に続く2度目の出場となった全セ・青柳晃洋投手(27)=阪神=がサンケイスポーツに特別手記を寄せた。この日は六回に4番手で登板し、1回無安打無失点と好投。19日に合宿がスタートする東京五輪日本代表での活躍も期待される右腕が、今後のさらなる成長を誓った。 2年前は右も左もわからない状態でしたが、オールスターに選ばれて〝よっしゃあ〟って思いでした。すごい雰囲気で、どこの球団のファンというより、本当に野球が好きなファンの前で試合ができた。すごい経験でした。周りはチームの主力選手が守備について、打席に入って。そういう経験が一昨年から今年に生きています。 今回は、少しは自信を持って臨めるかなと思っていました。楽しめたのでよかったかなと思います。ファン投票もたくさんの票を入れてもらい、評価していただけた。すごくうれしかった。本当にありがとうございました。 今季の前半戦を振り返ると、数字(8勝2敗、リーグトップの防御率1・79)はできすぎかなというところもありますが、安定した投球が続けられていることは自信になります。でも、もちろんまだまだ先がある。全然、野球下手くそですし。まだまだ伸びる部分があると思っています。 (現オリックスの)能見さんに『3年やって一人前』といわれて、今年が(1軍に定着して)3年目。その言葉を意識して、絶対に1年間頑張ろうという気持ちです。そして、もし3年できて一人前になれたら、そこから続けることがすごく大変なことも、わかっています。 だから、どうやったら生き残れるか、勝てるか、毎年いい成績を出せるかを考え続けています。まだまだ、まだまだ練習してうまくならなきゃいけない。でも、足りないことがあっても、自分で直せるポイントなら前向きに取り組めます。例えば、〝ストライクゾーンを5センチ広げてください〟は無理ですが、技術力なら、(練習を)やったらやった分だけうまくなる。コツをつかめるまで練習することは、僕のなかでは当たり前になっています。 考え方も3年前に変わりました。先発はミスしていいポジションだよっていわれて、すごく落ち着けるようになった。3年目の全く試合に出られないときでした。建さん(高橋2軍育成コーチ)から最初に、『四球は出るもの、死球も出るもの。ヒットも出るもの。点もとられるものだよ』と。安藤さん(2軍投手コーチ)と福さん(福原1軍投手コーチ)には先発と中継ぎの差も話していただきました。 僕はそれまで、出るからには全部ゼロで帰ってくるイメージ。失敗してもいいっていうのは、衝撃的でした。気持ちの切り替えにつながる。その考え方を教わって、楽になりました。 読んでいる本からも、得ることはいっぱいあります。大学のときに『十二番目の天使』(オグ・マンディーノ著)という本を読んだんです。面白くてずっと読んでいました。今でも参考というか、すごく僕の心に残った本。そういうところから、課題への向き合い方も来ているかもしれません。最も心に残っているシーンは、物語のキーになる部分なので読んでいただきたいです(笑)。お伝えしたら、ネタバレになってしまいますので(笑)。 球宴では高梨さん(巨人)や他の方としゃべることが多かったですけど、すごい勉強になりました。優勝を目指して、後半戦もベストでいけるように頑張ります。(阪神タイガース投手)
◆新人だった2015年から6回連続出場を果たした全セ・山崎康晃投手(28)=DeNA=が、本紙に独占手記を寄せた。この日は七回に登板し、1回2安打無失点。東京五輪では日本代表の守護神候補として期待を受ける右腕は、球宴の思い出やファンへの思いなどを明かした。 2年ぶりのオールスター、本当に楽しかったです! 昨季は非常に苦しんだシーズンでしたし、オールスター自体も開催されなかったので、ファンの皆さんも悲しかったと思います。連続で選んでいただけて光栄ですし、無事にけがなく投げられて良かったです。 選ばれたからには皆さんが勇気を持てるような、喜ばれるようなプレーで還元したいと思っていました。ナックルも、ずっとブルペンで投げていたんですけど...(全てボールに)。結果的に3球だけでしたが、楽しかったです。 (七回の原監督の)リクエストは勝ちに貪欲な姿勢を感じましたし、何とか無失点で抑えてやろうと思いました。マウンドに集まったときは、みんなで『アウトかな? セーフかな?』って。これもオールスターならではです。 今年は帝京高校の後輩で、シーズン中にもよく連絡を取るヤクルト・清水投手と同じチームでプレーでき、いい刺激になりました。ぜひこれからも日本代表や球宴など、一緒にプレーできる場所が増えていけばいいなと思います。 小さい頃は、近くにいる先輩として(同じ東京・荒川区出身で幼少期から交流のあった)森本稀哲さん(元日本ハムなど)がオールスターに出場している姿をテレビで見て、楽しませていただきました。そういう環境で育ってきたので、野球以外の部分でも皆さんに楽しんでもらえるような努力をしたいと思うようになりました。今はSNSの普及が進み、裏側まで見られるようになっています。ツイッターなどの媒体を使って発信しているのは、そんな思いがあるからです。 僕自身のオールスターの一番の思い出は、やはり(16年に)満員の横浜スタジアムで「康晃JUMP」の中、最後のマウンドに上がったこと。あの瞬間は、非常に印象に残っています。オールスターが終わると、次の舞台が始まります。いろいろな思いがありますが、しっかりと頑張っていきたいと思います!(横浜DeNAベイスターズ投手) この日の山崎 試合前には球団SNSの人気企画「突撃!ヤスアキマイク」で亜大の先輩、松田(ソフトバンク)らを直撃。舞台裏を軽快にリポートした。試合は七回に5番手で登板。ボールになったが初球に101キロのナックルを投げるなど盛り上げた。その後無死一、三塁とされると、原監督のリクエストで判定が覆るなど運も味方につけ、無失点で切り抜けた。
◆全セ・梅野(阪神)が球宴では珍しいリクエストの末にダブルプレーを完成。守備の好判断で盛り上げた。 「追いながら後ろのランナーも見えたので、『これ行ける!』と思って。アウトになって、ちょっとホッとした感じもありました」 六回から守備に就き、七回無死一、三塁で二ゴロを捕球した山田(ヤクルト)から送球を受けると、まずは三走・松田(ソフトバンク)を追いかけてタッチアウト。そのまま三塁を狙った杉本(オリックス)にもタッチした。「アウトの自信があった」と確信したが、セーフの判定。全セ・原監督(巨人)がすかさずリクエストを要求すると、アウトに覆った。 試合前には侍ジャパンのメンバーと交流。次は東京五輪が待っている。「プレッシャーと楽しみなところもある。一生懸命頑張ってきて、金メダルを取れるように」と力を込めた。(菊地峻太朗)
◆プロ10年目で球宴初出場の全パ・島内宏明外野手(31)=楽天=が2本の適時打を放ち、MVPに輝いた。 「しっかりホームに走ってくれた小深田(楽天)のおかげです。お祭り気分でいけました」 同点の八回1死一塁、栗林(広島)から決勝の右翼線適時二塁打。直前に登板し、同点とされた同僚の宋家豪(ソン・チャーホウ)に白星をプレゼント。松井がセーブを挙げ、楽天勢が本拠地の楽天生命パーク宮城で活躍した。 島内は第1戦に続いて松田(ソフトバンク)から、まぶしさを軽減させるアイブラックの代わりに右目下に「×」、左目下に「〇」を塗られ、3安打3打点。お立ち台には両頬を「〇」にして登場し「松田さんのおかげで緊張がほぐれました」と感謝した。 仙台での球宴は、東日本大震災が発生した2011年に復興支援を目的として第3戦を開催して以来10年ぶり。島内は楽天選手で球宴初の猛打賞(1試合3安打以上)を記録し、08年第1戦の山崎武司以来13年ぶり2人目のMVPを獲得した。 賞金300万円の使い道は「少し考えますが、親に恵みます」。前半戦をリーグ1位の66打点で折り返した男が〝混パ〟の後半戦に向けて弾みをつけた。(広岡浩二)
◆全セ・岩崎(阪神)が1―3の五回に3番手で登板。初めての球宴のマウンドだったが、落ち着いて三者凡退で1回をピシャリと抑えた。 「無事に終われて良かったです。いい結果になって」 先頭の栗原(ソフトバンク)を中飛に打ち取ると、甲斐(ソフトバンク)には直球で3度空振りを奪って三振。最後は小深田(楽天)を左飛に料理した。 前半戦最後の14日のDeNA戦(甲子園)では1失点したが、この日は3人を10球で完璧に抑えた。日本代表として戦う東京五輪に向けて、弾みをつける登板になった。 プロ8年目で初選出。他球団の選手とも交流もあった球宴を「あっという間でした」と振り返り、後半戦に向けて「きっちり仕事をできるように頑張ります」と意気込んだ。
◆厳しいコースの球をバットの芯でとらえた。反撃ムードの終盤に代打で登場した全セ・マルテ(阪神)が勝負強さを発揮し、貴重な同点打。敢闘選手賞に輝き、たった一振りで100万円をゲットだ。 「いつも全力で、と常に言っているし、やっているので。それがこうやって結果に表れてうれしいよ」 1―3の八回、連打と敵失で1点を返すと、その後1死一、三塁となり、マルテが打席へ。全パ・宋家豪(楽天)の初球を冷静に見逃し、2球目の内角低めの149キロを左前へ運んだ。セ・リーグ5位の得点圏打率・338を誇る虎の〝掃除屋〟が実力を発揮。一塁上ではコーチャーを務めた同僚のスアレスとともに控えめにラパンパラポーズをして笑顔を見せた。 「ホームランじゃなかったのでいいタイミングとはいえないけど、同点にする一打だったので(ポーズを)やった」 来日3年目で初の球宴出場。16日の試合前にはマーティン(ロッテ)や松田(ソフトバンク)らとラパンパラポーズして交流するなど、特別な時間を楽しんだ。「いろんなチームの方と交流できたことがうれしい」。100万円だけではない。この2日間でたくさん刺激を受け、後半戦への活力も得た。 「2年間はずっとけがしていたので、しっかり下半身の状態を整えて頑張りたい」 1カ月後、好スタートを切るための準備は始まっている。16年ぶりのリーグVへ、M砲が後半戦のキーマンとなる。(織原祥平)
◆〝ユーティリティー侍〟が本領発揮だ。全パ・栗原陵矢捕手(25)=ソフトバンク=が一塁、三塁、左翼、捕手と球宴史上初めて1試合で4つのポジションを守った。 「すごく楽しくやらせていただきました。捕手も久しぶりでしたし、貴重な経験をさせていただきました」 東京五輪日本代表にも選出されている若武者は「8番・一塁」で先発出場。四回に三塁、七回に左翼に就き、八回からは捕手を務めた。それぞれ自前のグラブを持参。九回は再び一塁の守備に就いた。打撃は3打数無安打に倒れたが、万能ぶりを示した。 本塁打競争では吉田正(オリックス)の打撃投手を務めた。1球だけ右膝に死球を当ててしまったが、優勝に貢献。同じ代表戦士の打撃を「(バットに球が)吸い込まれていくような感じ」と目を丸くした。 代表メンバーは引き続き仙台に残って19日から強化合宿に臨み、28日に福島市の福島県営あづま球場で行われるドミニカ共和国との五輪開幕戦に備える。栗原は、稲葉監督から「貴重な選手」とユーティリティー性を評価されており「気持ちを引き締めて、日本のためにしっかり頑張りたい」と視線を鋭くした。(横山尚杜)
◆「マイナビオールスターゲーム2021」の第2戦が行われ、全パが全セに4―3で勝ち、通算成績を86勝80敗11分けとした。全セ・佐藤輝明内野手(22)=阪神D1位、近大=は二回に左翼席へ先制ソロを放ち、敢闘選手賞を受賞した。球宴で新人が本塁打を放つのは史上5人目。黄金ルーキーが夢舞台でも歴史に名を刻んだ。夕空に向かって美しい放物線が架かる。白球は吸い込まれるようにスタンドへと消えた。杜の都が祝福の拍手に包まれる。年に一度のオールスターという夢舞台。どうしてもこの場所でアーチを届けたかった。第2の故郷・仙台で佐藤輝が一番に輝いた。 「目標としていたホームランを打てたのでうれしい。打った瞬間、手応えはありました。ホームランを狙ってスイングしたのですごく気持ちよかったです」 「6番・右翼」で2試合連続のスタメン出場。二回1死、マウンドでは全パの先発・宮城(オリックス)が腕を振る。初球は142キロのボール。2球目、外角高めに投じられた140キロ直球を捉えた。 打球速度167キロの一発は左翼席へ弾む先制弾。数えきれないほどプロ野球の記録を打ち立ててきた黄金ルーキーは、この一発で球宴史にも名を刻んだ。オールスターでは2019年の近本以来、史上5人目の新人弾。仙台で決めたZポーズは忘れられないものとなった。 「こういう地でみなさんに見てもらえたってことはすごいよかったんじゃないかと思います」父・博信さん(54)の実家がある宮城県は、幼少期から何度も足を運んだ思い入れのある場所。もちろん、東日本大震災の爪痕も直接、その目で見た。周りに何もなくなった仙台空港。いつもと違う光景に胸を痛めた。震災から10年の節目で開催された仙台での球宴。いまも復興に向け一丸となって歩む東北に選ばれしプロ野球選手として戻ってきた。スタンドでは地元の野球少年が目を輝かせてプレーを見つめている。「たくさんの方に応援していただけたので、期待に応える一心でやりました」。そして、いつも一番の味方でいてくれる祖父・勲さん(82)、祖母・美智恵さん(82)も球場に来て、見守ってくれた。「祖父母の前で打てたのでうれしい。祖父母が来ていたので頑張れたと思います」。思い出の場所で、大好きな家族の前で打ったホームランは、仙台に夢と希望を与える最高の結果になった。輝きを放つ黄金ルーキーは敢闘選手賞と2試合を通じてファンに夢と感動を届けた選手に送られる「マイナビ賞」のW受賞。合わせて賞金200万円をゲットした。勝ち取った多くの勲章。そして、トップレベルの選手と交流して培った経験値。たった2日間でものすごく成長することができた。「あらためて野球はおもしろいなと思いました。後半戦が始まるまでにいろいろ試したいです。そして、後半戦もチームのためにしっかり戦いたいです」しばしの休息を経て、再び戦いが始まる。たくさんの手土産を抱えて甲子園に帰ってくる怪物ルーキーが、後半戦もセ界の主役となる。(原田遼太郎)
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