阪神(★3対4☆)DeNA =リーグ戦15回戦(2021.07.14)・阪神甲子園球場=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
DeNA
0201000104901
阪神
0010000203701
勝利投手:今永 昇太(3勝2敗0S)
(セーブ:三嶋 一輝(1勝4敗16S))
敗戦投手:ガンケル(6勝1敗0S)

本塁打
【DeNA】宮﨑 敏郎(8号・8回表ソロ)
【阪神】近本 光司(6号・3回裏ソロ)

  DAZN
チケットぴあ 阪神戦チケット予約 DeNA戦チケット予約
◆DeNAは2回表、2死満塁の好機から桑原が2点適時打を放ち、先制に成功する。1点差とされて迎えた4回には、今永の適時打でリードを広げた。投げては、先発・今永が7回1失点10奪三振の力投で今季3勝目。敗れた阪神は、8回の好機であと1本が出なかった。

◆阪神木浪聖也内野手(27)が14日、1軍に再昇格した。 2日に出場選手登録を抹消されてから2軍で31打数10安打。前日13日広島戦ではサヨナラの中前適時打を放った。この日も鳴尾浜での広島戦で2打数1安打1打点。この後、甲子園の1軍戦に合流する見込みだ。前半戦最後の試合を総力戦で戦う。 木浪に代わり前日13日に先発したラウル・アルカンタラ投手(28)が出場選手登録を抹消された。

◆スタメンが発表され、阪神陽川尚将内野手(29)が「3番一塁」でスタメン出場する。 先発は5月16日巨人戦(東京ドーム)以来で、一塁では今季初めて。代わってジェフリー・マルテ内野手(30)が、今季初のベンチスタートとなる。 阪神は前夜に6安打2得点と抑え込まれており、打線変更で前半戦最終戦の白星を目指す。

◆俳優の伊藤あさひ(21)がファーストピッチセレモニーに登場した。 虎の顔が前面に描かれた「ウル虎ユニホーム」を着用し、阪神ロゴ入りのグラブを手にマウンドへ。力強いフォームで投げ込んだ。伊藤はこの後、ABCテレビの阪神戦中継で、5回表終了後から6回終了までゲスト出演する予定。 伊藤は、8月9日開幕の「第103回全国高校野球選手権大会」の試合と試合の間にABCテレビ(関西エリア限定)で放送される、高校野球ショートドラマ「海と空と蓮と」に出演する。同作は離島で生まれた感動の実話をドラマ化した。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が第1打席で快音を響かせた。 1死から左腕今永の初球を捉え、右翼線への二塁打で出塁。その後梅野の遊ゴロで挟殺プレーの末タッチアウトになったが、前半戦ラストゲームで甲子園のファンを沸かせた。 この日は球宴のホームランダービー組み合わせ抽選会が行われ、16日の第1戦(メットライフドーム)でマーティン(ロッテ)と対戦することが決まった。さらに全セの指揮を執る巨人原監督が第1戦での「2番左翼」での起用も明言。復調した怪物ルーキーから目が離せない。

◆阪神恒例の夏イベント「ウル虎の夏2021」の最終日は、漫才コンビ「銀シャリ」の鰻和弘(37)、橋本直(40)が盛り上げた。 スタメン選手呼び出しでは選手だけでなく、記録員の名前まで全力で、鰻が叫んだ。 鰻 力入りますもんね、大役じゃないですか。 橋本 最後...いやでもあれ全部いらんのよ。記録員の人の名前やからな。 鰻 むらばやし~! 橋本 あんまり選手より...、村林さんが一番びっくりしてると思う。「いや俺すごい呼ばれてる」って。 鰻 村林さんがすごい力入りました。 橋本 まあ一緒に戦ってる...。 鰻 記録員さんやからね。公式記録員さんの名前やから。 漫才同様抜群のコンビネーションで大役を振り返った。 背番号「8」を選んだ橋本は、関学中時代にタッチフットボールの全国大会で甲子園でプレーした経験を持つ。阪神では近本と同じ関学大OB。さらに佐藤輝の父博信さんも関学大で准教授として勤務しており「(佐藤輝のホームランは)気持ちいいじゃないですか。『バースデー』とかああいうドキュメンタリー系のやつ全部見ていますね。もうお父さんの顔まで分かりますから。近本選手も大学の...。関西学院的にも近本選手にね(活躍してほしい)」と愛たっぷりに語った。 鰻は背番号「2」の理由を「2番って言ったら阪神で梅野選手。もちろん好きなんですけど、僕前回(19年にもウル虎の夏に登場)の時1番やったんですよ。だから毎年やって9番までそろえてチーム作りたいんですよ。次は3です! チームウナギで!」と笑わせた。注目選手には「僕はガンケル選手、今日先発なんで...全部三振!(笑い)」と期待し「あと村林さん(笑い)。記録員の村林さんに、やっぱり注目しておきたいです」と最後まで"記録員いじり"を忘れなかった。

◆投打にDeNA今永昇太劇場だ。4回表1死二、三塁。9番打者として初球にスクイズを失敗した後、点差を2点に広げる中前適時打。その裏はサンズ、佐藤輝、梅野から3者連続空振り三振を奪った。梅野には草野球ばりの91キロの超スローカーブを投じた次の球で147キロを投げるなど、球速差56キロで手玉に取った。「しっかり勝って後半戦の1戦目につながるような前半戦最後にしたい」と話していたが、言葉に違わぬ奮闘ぶりだった。

◆無傷の6連勝中の阪神ジョー・ガンケル投手(29)が、5回7安打3失点でビハインドの場面での降板となった。5回に代打を送られ降板すると、6回には秋山拓巳投手(30)が、シーズンでは16年8月26日ヤクルト戦以来となる、中継ぎマウンドに上がった。 ガンケルは2回、先頭の宮崎から3連打を浴び無死満塁のピンチ。後続の伊藤光、今永を抑え2死までこぎ着けたが、桑原に2点先制の右前適時打を浴びた。近本の6号ソロで1点差に迫った4回は大和、伊藤光に連打を浴び、1死二、三塁から、投手の今永に3点目の中前適時打を許した。いつもは制球力抜群の右腕も、序盤はボールがばらつく場面もあり、少しいら立つ様子もあった。降板後は「今日はランナーを背負う場面も多く、リズムの悪い投球になってしまった。攻撃にもいい流れを持ってくることができなかったし、チームに申し訳ないね」と反省しきりだった。 ガンケルはここまで11試合に登板し6勝0敗。「前半はチーム全員でいい野球ができていたので、最後の試合を勝てるように頑張っていきたい」と意気込んでいたが、前半戦最後の登板は少し悔しいマウンドとなった。

◆首位ターンを決めた阪神と最下位DeNAが対戦。予告先発は阪神がガンケル、DeNAは今永。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が一打逆転のチャンスを逃した。1点差に迫った8回2死満塁。代わったばかりの左腕砂田にカウント2-2から低めの変化球を振らされ、空振り三振に倒れた。 これが121個目の三振。99年福留(中日)のプロ野球新人最多記録に並んだ。 2回の第1打席では右翼線への二塁打を放っていたが、逆転のチャンスで痛恨の三振を喫した。 この日は球宴のホームランダービー組み合わせ抽選会が行われ、16日の第1戦(メットライフドーム)でマーティン(ロッテ)と対戦することが決まった。さらに全セの指揮を執る巨人原監督が第1戦での「2番左翼」での起用も明言。夢の球宴を前に新人左打者最多の21号とはならなかった。 ▼ルーキー佐藤輝が3三振を喫し、今季の三振が121。三振のシーズン最多記録は93年ブライアント(近鉄)の204三振があるが、新人では99年福留(中日)の121三振に並ぶ最多タイ。

◆DeNAは2回2死満塁で桑原が右前適時打を放ち、2点を先取した。阪神は3回、近本の6号ソロで1点を返した。 DeNAは4回1死二、三塁から今永の適時打で1点を追加。阪神は6回まで追加点なく、先発ガンケルは5回3失点で降板した。 DeNAは8回に宮崎の8号ソロで1点を追加。継投で逃げ切った。今永が3勝目でカード勝ち越し。阪神ガンケルは今季初黒星。 ▽DeNA桑原(2回、無死満塁から前2者がアウトの後に先制2点打)「前の打者を何とかカバーしたいと思い打席に向かいました。追い込まれていましたが、素直にバットを出すことができました」 ▽DeNA今永(7回1失点で3勝目。打撃も2安打1打点)「7回以上投げるという責任感を持っていた。勝って終わるのか負けて終わるかは後半戦の気持ちが変わる。打撃は正直自信ないが、簡単に終わらないよう心掛けている」 ▽DeNA三浦監督(三嶋について)「やられたらやり返すという強い気持ちでマウンドに上がって、表情もボールもよく踏ん張ってやり返したと思います」

◆阪神ロベルト・スアレス投手が1点ビハインドの9回に登板し3人を10球で片付けた。 前半戦は36試合に登板し、失点はわずか4試合。「チームもいい仕事をした中で、この位置(首位)にいると思う。後半戦もこの位置を守れるように、自分だけでなくて、みんなで仕事をしたいと思います」。リーグダントツの25セーブを誇るクローザーが後半戦も9回を支える。

◆阪神中野拓夢内野手が11試合連続安打で前半戦を締めた。 5回先頭で遊撃へ内野安打。1点を追う9回には四球で出塁した。「なんとかHランプをつけることができて、いい形で個人的には締めくくることができた」。ここまで69安打を放ち、チーム2位の16盗塁。「打撃と走塁の面では思った以上の成績が残せている。後半戦はもっと厳しい展開の試合が続くと思うので、守備をしっかりとやっていきたいです」。リーグワースト13失策の守備を向上させ、もっと頼もしい男になる。

◆阪神近本光司外野手が前半戦最終ゲームで1発を決めた。 2点を追う3回1死、今永の直球を完璧にとらえ、右翼席に6号ソロを運んだ。3点を追う8回1死一塁では三遊間を破り、この回2得点の反撃に貢献。ただ、1点を追う9回2死二塁で遊飛に倒れ、「最後の打席で打つことができなかったので、悔しい気持ちの方が大きいです」。前半戦を終えて「特に(開幕直後の)前半はチームに迷惑をかけてしまうことも多かった。後半戦、チームの勝利に貢献できるように精いっぱい頑張りたい」と力を込めた。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手が今季初めてベンチスタートとなった。練習中に軽く手を痛めた模様で、大事を取った。8回に代打で出場し、走者を進塁させる三ゴロを放った。 矢野監督は「大丈夫であればスタメンで出しているけど、大丈夫じゃないから後からしかいけない」と話したが「ブレークに入るんで、しっかり合わせてやってくれると思います」と心配していない。

◆阪神秋山拓巳投手(30)が、16年8月26日ヤクルト戦以来の中継ぎで好投した。 「今日ベンチ入ることは登板翌日に聞いてたんで、しっかり準備はしてきました」。前回9日の巨人戦(甲子園)は雨天コールドで、81球の6回1失点で完投勝ち。無傷の6連勝中だった先発のガンケルが5回7安打3失点で降板し、中4日で6回から登板し、2回1安打無失点2奪三振と奮闘した。前半戦を終えて、青柳に次ぐチーム2位の7勝(4敗)をマーク。「中途半端な数字しか残せなかったんで、このブレークをいい時間にして、後半中心となれるように頑張りたい」と引き締めた。

◆阪神が終盤の猛追もあと1歩及ばず、前半戦の最終試合は惜敗となった。連敗でカード負け越しとなったものの、前日13日に前半戦の1位を確定させており、首位で五輪ブレークに入る。 無傷の6連勝中だった先発のガンケルは、5回7安打3失点で降板。3点を追う8回、代打原口からの3連打などで1点差まで詰め寄ったが、最後は2死満塁で佐藤輝が空振り三振。あと1本及ばなかった。 打線はDeNA先発今永に7回まで散発4安打に抑え込まれ、奪った1点は近本の6号ソロのみ。昨季3度の対戦で0勝2敗だった左腕に苦戦した。

◆はち切れそうな虎党の思いが、大きなため息に変わった。阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)は、バッターボックスで約5秒立ち尽くすと、悔しさを押し殺すように下を向いてベンチへ歩みを進めた。 これがスターの宿命か。3点ビハインドで迎えた8回。糸原の適時打、サンズの押し出し四球で1点差に迫り、2死満塁で巡ってきた。2日前には3点差をひっくり返すサヨナラ劇。その起点となる代打安打を放った。"再現"へ甲子園のボルテージはマックスだったが、代わったばかりの左腕砂田の直球に空振り三振。ベンチでは珍しく、バットをたたきつける音が響いた。 矢野監督 そりゃ勝負やからやられることもあるし、逆に初戦みたいなこともあるんでね。それは勝負事なんで、結果を受けて止めてどう前に進んでいくかだけしかないと思う。 第1打席では3試合連続安打となる二塁打を右翼線へ飛ばしていたが、その後は左腕今永の前に2三振。いずれも直球に押され、力なく凡退した。前半戦を無念の「KKK」で終え、積み重なった三振は121個。新人最多の99年福留(中日)に、前半戦だけで並んだ。かつて「三振は自分の技術が足りないから」と語っていた通り、大きな宿題が残った。 一方で、新人左打者歴代1位の1946年(昭21)大下弘(セネタース)に並ぶ20本のアーチを放ったことも事実。そのパワーに期待がかかる球宴ホームランダービーの組み合わせ抽選が、この日行われ、16日の第1戦(メットライフドーム)でマーティン(ロッテ)との1回戦が決まった。さらに指揮を執る巨人原監督が第1戦での「2番左翼」起用も明言。「やっぱりホームランというのを一番見てもらいたい」。すでに公言済みの1発を放つため、悔しさを夢の祭典へぶつける。【中野椋】

◆DeNAのクローザー三嶋一輝投手(31)が2日前のリベンジを果たした。9回に登板し、最速154キロで無安打1四球の無失点。「やっぱり早くリベンジしたい気持ちがありましたし、同じチームにやりかえさないといけないと思っていた。チームメートに感謝したい」。最後の打者近本光司を遊飛に打ち取り、勝利を決めると、伊藤光捕手と抱き合った。 眠れない夜を過ごしていた。12日の3連戦の初戦は、3点リードの9回に登場。6安打4失点と打たれ、今季4敗目を喫した。「一昨日3点差をひっくりかえされて。寝られなくて」と吐露した。休養が必要と判断され、前日は今季初めてベンチ入りを外れていた。 前半戦のうちに阪神にやり返すためには、この日に登板するしかなった。セーブ機会に登板させてくれた、仲間への感謝を胸にマウンドに上がった。聞こえてくるのは、阪神ファンの拍手と応援バットの大音量だ。「僕は一昨年、甲子園で2回サヨナラ食らっていて、それを思い出した。阪神ファンは熱い。拍手といい激励といい。光さんから登板前に『お前ファンが増えたな』と言われました。おかげさまでリラックスできました。気持ちをほぐしてれた」。土壇場でアメリカンジョークを飛ばしてくる強心臓の先輩捕手に感謝した。 信頼を揺るがすことなくマウンドに送り出した三浦監督も、この日の投球に安心した様子だ。「初戦でやられたらやり返すという強い気持ちでマウンドに上がって。表情もボールもよく、よく踏ん張ってやり返したと思います」と絶賛した。首位阪神にカード勝ち越しを決めて、前半戦を終了した。「この3連戦を見ても、首位阪神を相手にも戦えることを選手に自信にしてもらえればいい。後半戦もこの戦いを続けていく。反省点もあるので、課題をクリアして、後半戦いい戦いができるように」。クローザーのモヤモヤを解消して、球宴、五輪の中断期間に入れるのは大きい。【斎藤直樹】

◆無傷の6連勝中だった阪神ジョー・ガンケル投手が、前半戦最終登板で今季初黒星を喫した。 「今日はランナーを背負う場面も多く、リズムの悪い投球になってしまった。攻撃にもいい流れを持ってくることができなかったし、チームに申し訳ないね」。2回に3連打から先制を許すなど、5回7安打3失点を喫した。矢野監督は「飛ばしていってるのは分かったけど。球の質的にも調子が良くないかなというふうに見えた」と分析。それでも前半戦は12試合に登板し6勝1敗と貢献した。

◆DeNA三浦大輔監督が、今季初めて山崎康晃投手からイニング途中に砂田毅樹投手へスイッチした。 4-1から山崎が登板。2死までこぎつげたが、連続四球で押し出し。1点差となったところで交代した。長打と逆転打を警戒し、サンズには7球連続の低めツーシームだった。砂田が佐藤輝から空振り三振を奪い、ピンチを脱した。 三浦監督は「何とかひっくり返されないようにと、バッテリーで長打を警戒して低めで誘っていたのは分かった。(左の佐藤輝に)回れば砂田と決めていた。ヤス(山崎)も長打を打たれないようにとやっていたが、砂田が仕事してくれた」と交代に至った経緯を説明した。

◆阪神が終盤に猛追を見せるも、前半戦の最終試合は惜敗となった。 無傷の6連勝中だった先発のガンケルが、5回7安打3失点で今季初黒星。打線はDeNA先発の今永から、7回まで1得点と苦戦した。8回に代打原口からの3連打などで1点差まで詰め寄ったが、あと1歩及ばなかった。 連敗でカード負け越しとなったものの、前日13日に前半戦の1位を確定させている。 ? 阪神矢野燿大監督(52)の試合後の一問一答は以下の通り。 ? -8回、9回とあと1歩まで迫った 矢野監督 「ちょっと前半はね、完全に相手のペースになってしまったんで。その分1点がね、結果的に最後まで重くなっちゃったなっていう感じです」 ? -終盤の攻めは手応えも 矢野監督 「でも勝負事なんでね。負けて何か言えることないんで。やっぱり勝って、終わりたかったですけど。気持ちの部分ではみんな、なんとかしようっていうね、そういう気持ちでやってくれたっていうのは、僕としてはうれしいです」 ? -前半戦が終了し、貯金15で首位。この状況をどうとらえている 矢野監督 「21までね、貯金もいきましたし。そういうところでは、最近ちょっとうまくいかなかったんでね。若干ムードも重くなってしまっていますけど、でも首位にいることは胸張っていいと思いますし。開幕から何カ月もみんな、タイガースらしい野球をやってきてくれたんで。ブレークを挟んで、まだもう1回、そういう形に戻れるように頑張っていきます」 ? -ここまでの試合でチームとしてできてきたこと、足りないことは 矢野監督 「できることは本当に苦しい時でも全力疾走するとか、苦しい時に楽しもうとするとか、そういうところを選手たちは本当によくやってくれている。足りないとすれば、勝ってでしかそれを証明できないので。勝負事は勝ってしか証明できない。証明するためには足りないところは勝つというところだと思うので、勝てるようにしたいです」 ? -五輪ブレークに入る 矢野監督 「最初はね。みんな疲れてもいますし、気持ちも張りつめていたんでね。いったんはリラックスしてもらってね。2週、3週と体を作って、試合に向けて準備をして行きたいなと思います」 ? -後半戦への意気込み 矢野監督 「終わったばかりなんでね。しっかり考えながらやっていきたいと思います」 ? -DeNA先発の今永は 矢野監督 「状態も良さそうだったんでね。(前日13日の)坂本も同じやったけど、ボール球を振りすぎているんでね。そこはああいうペースに持っていかれてしまう...まあそれぐらい腕の振りもいいし、相手もいいボールを投げているっていうのは、もちろん俺も現役時代戦って横から見るほど簡単じゃないというのは分かっているんだけど。それをなんとか1球見逃すっていうことが一人のバッターができれば、変わってくるということはあるんだけど。そこは誰か1人がっていうよりはチーム全体でやっていかないとなかなか前に進んでいかないんでね」 ? -右バッターが苦しんだ 矢野監督 「チェンジアップがあるんでね。左バッターの方が対応しやすく見えるけど」 ? -8回の猛攻。佐藤輝は空振り三振だった 矢野監督 「そりゃ勝負やからやられることもあるし、逆に初戦みたいなこともあるんでね。それは勝負事なんで、結果を受け止めてどう前に進んでいくかだけしかないと思う」 ? -先発のガンケルは 矢野監督 「う-ん、まあ良くはなかったよね。ピッチャーに打たれるのはもったいなかったし、飛ばして行ってるのは分かったけど、状態としてはやっぱりコーナーについていく感じではちょっと甘くなったり、球の質的にも調子がいいというよりは良くないかなあというふうに見えた。すごく悪いというわけではない」 ? -秋山を6回から中継ぎで投入 矢野監督 「アキと話をしながら、中4日だけど、アキ入れるかという話をした時に『全然行けます』と言ってくれたんで。そういうところでは1枚も2枚もいてくれることで助かった。実際、今日2回、アキが行ってくれたから、ムード変わった。そういうところは助かりました」 ? -途中出場だったマルテの状態は 矢野監督 「大丈夫であればスタメンで出しているけど、大丈夫じゃないから後からしか行けない。でも後から行って、何とかしようというのはやってくれたんでね。存在というか、それが相手にプレッシャーかけられた。ブレークに入るんで、しっかり合わせてやってくれると思います」

◆阪神が矢野燿大監督(52)に来季の続投を要請する方針を固めていることが14日、分かった。3位、2位と順位を上げて迎えた3年契約最終年は、13年ぶりの首位で前半戦をターン。この日、DeNA戦(甲子園)を視察した藤原崇起オーナー兼球団社長(69)が手腕への高い評価を明かした。試合はあと1点届かず、3位ヤクルトにも2・5差に迫られたが、矢野監督は首位折り返しに「胸を張っていい」とナインをたたえ、約1カ月間の五輪ブレークを経て再進撃を期した。甲子園からため息が漏れた。9回2死二塁、近本が遊飛に倒れてゲームセット。終盤1点差まで追い上げたが、2カード連続負け越しで前半戦連敗締めとなった。矢野監督は「やっぱり勝って終わりたかった」と悔しがったが、「みんな何とかしようと、そういう気持ちでやってくれた」とナインをねぎらった。その上で「首位で折り返せるのは胸を張っていいと思うし、チームの成長を感じています」と手応えを明かした。 そんな矢野監督に、球団は来季も指揮を託す方針を固めていることが判明した。1年目の19年が3位、2年目の20年は2位と順位を上げ、3年契約の最終年は1位を行く。交流戦明けは9勝14敗1分けと苦戦したが、首位で前半戦を終えるのは08年以来13年ぶりだ。 今季は開幕ダッシュを決めて首位を独走し、貯金は最多の21まで増やした。外国人8人体制でマルテやサンズ、ガンケルらが活躍し、矢野監督が4球団競合の末に引き当てた佐藤輝や中野、伊藤将ら新人も奮闘。侍ジャパンに選出された青柳をはじめ、秋山、西勇ら先発陣が踏ん張り、最後は守護神スアレスが締めるパターンをつくって白星を量産した。外国人にも浸透する積極的な走塁、全員野球など、矢野監督が掲げる野球が花開いた前半だった。 この日、甲子園でDeNA戦を視察した藤原オーナーはその手腕を評価した。「矢野監督の思いが浸透してきて、1位でターンするというところでは、本当に矢野さんに頑張っていただいている。私自身は満足しています」。続投要請については「時期が来ればじっくり」と話すにとどめたが、総帥の信頼は厚そうだ。 もちろん勝負は後半戦。強い口調で逃げ切りVを厳命した。「巨人を打ち負かしてというのをね。後半戦でぜひとも(7勝8敗の)勝率をひっくり返す。対巨人戦、勝ち越しを頑張ってほしい」。長いプロ野球で、巨人1位&阪神2位は何度もあるが、阪神1位&2位巨人は実は1度もない。阪神は巨人がかなり順位を落とした時だけ優勝し、競れば負けてきた。今季こそ、強い阪神が強い巨人に勝つシーズンにして、負のTG史に終止符を打ちたい。 前半戦は84試合で貯金15。負けた2位巨人との2差は変わらなかったが、3位ヤクルトに2・5差まで迫られた。「開幕から何カ月も、タイガースらしい野球をやってきてくれた。ブレークを挟んでもう1回、そういう形に戻れるように頑張っていきます」。1カ月間を有効に使って、もう一度臨戦態勢を整える。16年ぶりリーグ優勝へ力強く再進撃を誓った。【桝井聡】 ▼阪神矢野監督が続投すれば来季は4年目となる。阪神の監督は中村勝広監督(90~95年途中)が最長の6年連続で務めたことはあるが、3年で交代するケースが多く、4年目は和田豊監督(12~15年)以来。吉田義男監督は計3度で通算8年、藤本定義監督は途中就任2度を含め、61~68年まで8シーズンで指揮を執っている。

◆阪神が終盤に猛追を見せるも、前半戦の最終試合は惜敗となった。◆阪神矢野監督の前半戦総括◆ -首位ターン  今年は開幕から本当にいいスタートが切れました。交流戦あたりは、本当にいい戦いができて、貯金もできて首位で折り返すということができたかなと思います。 -貯金の数  21ぐらいは行ったのかな。交流戦明けの戦いはちょっと苦しかったかなというのはありますけど。実際に貯金があって、首位で折り返せる、また監督として3年目ですけど、チームとしての成長、それはしっかり感じ取れているんでね。この首位で折り返されるというのは胸を張っていいと思いますし、チームの成長を感じています。 -具体的な成長部分  勝つこと。それがファンの方に一番喜んでもらえることなんですけど。その前に僕たちが、どういう形で臨むか。そういうものというのが、にじみ出るようなね。ファンの皆さんに何か感じ取ってもらえることにつながる。だから、僕たちは勝つことはもちろん目指すんだけど、戦い方であったり、あり方であったりというのがすごく大事じゃないかということを選手たちにもずっと伝えてきていることなんで。そういうこともしっかり理解して、僕たちの野球が、コロナで苦しんでいる皆さんの背中をちょっとでも押せるものにならないかとか、子供たちの夢につながるような、そういう未来を想像してやっていこうぜということも、しっかり理解してくれているのでね。 -野手陣の成長部分  佐藤輝というね。大型ルーキーが入ってきてくれたということも本当に大きいですし。そこに中野という選手も活躍をしてくれていますしね。そういうところで本当にチーム内の競争が激しくなって、それにつられるというか、もともとチームの中心であるべき選手がね。近本であったり、健斗(糸原)だったりが意識高くチームを引っ張ってくれていますし。大山も苦しんでいますけど、心の中でしっかり燃えて、苦しみながらもがいてやってくれている。そういう相乗効果がルーキーが入ってくれたことでより、成熟しかけている選手との融合ができているかなと思います。 -佐藤輝は印象的な本塁打が多かった 本当に僕らの想像を超えるようなことをたくさんしてくれましたし、横浜スタジアムの場外弾もビックリしましたし、埼玉では3本ホームランとか楽天でも田中投手から打ったホームランとか、本当に魅力のある選手だなと思いますし、ここからさらに良くなっていくんじゃないかと。今、ちょっと調子が下がったり、疲れたり。これはずっとあることですけど、プロの壁があったり、出るところなんでこれをどう超えるのか楽しみにしたいです。 -投手陣も安定していた 先発がまず頑張ってくれたというのがリズムよくチームが進めていける要因になっていましたし、本当にローテーションのそれぞれの投手がまず責任を果たしてくれたのが大きいですし。後はスグル(岩崎)とスアちゃん(スアレス)がね、いつも勝ちパターンの中でしっかり当たり前のように仕事をこなしてくれる。そういうパターンがしっかり作れたのは投手陣の中でも大きかったなと思います。 -青柳が8勝を挙げ、防御率1点台 すごいですよね。青柳が入ってきた時にオリンピック選手として選ばれるとか、夢にも思わなかった。逆に夢があるなと青柳を見ていると思いますし。青柳には失礼ですけど、あんなへたくそな選手があれだけ練習してはい上がってきて、チームのローテーションの中心になったり。日の丸をつけて戦うのは子どもたちに夢を与えてくれると思うんでね。キャラクターもいいですし、素晴らしい活躍で頑張ってくれていると思います。 -前半戦の投打のMVPは どうかなーMVP。うーん、難しいな...。難しいですけど、マルテですかね。一本を決めるという働きもしてくれるんですけど、つなぐというところで、相手にとってすごく嫌な打者でいてくれるので。そういうところがジェリー(サンズ)につながったり、佐藤輝につながったりという風になっているのは、マルちゃんがいてくれるのは大きな存在じゃないかなと。マルちゃんですね。 -ピッチングでのMVPは そうですね。青柳かスアちゃんか迷うところですけど、まあヤギですかね。 -理由は先ほど述べていただいたところもあると思うが そうですね。今まで苦手なフィールディングであったり、左打者であったりそういうものがあったんですけど、それを乗り越えて、本当に安定して、投げてくれていますし、自信あふれて投げている姿も、もちろん結果も含めて、MVPは青柳かなと。 -後半戦に向けて楽しみにされているファンも多い。抱負を 交流戦明けはちょっと苦しみましたけど、このオリンピックブレークは僕たちが上がるための、ブレークだと僕は信じているので、ファンの皆さんと最後に喜んで、コロナもその頃は収まってくれたらいいなと思いながら、その未来を僕たちは思い描いて、僕たちも戦っていきます。一緒に夢を見て、最後に喜べるようなシーズンにしていく力をこれからも貸して下さい。よろしくお願いします。

◆DeNA今永昇太投手(27)が、エンゼルス大谷翔平ばりの投打二刀流の活躍で今季3勝目を挙げた。 4回表1死二、三塁、9番打者として中前適時打を放ち、リードを2点に広げた。バットを極端に短く持ち、6回にも中前打。昨年8月12日以来で手術後初、プロ入り3度目のマルチ安打を記録した。「セ・リーグの場合は打撃はおまけではない。こうして打てば点になることもある。いつも木塚コーチ、川村コーチにバッティングピッチャーをやってもらっているので、練習が生きて良かった」。今季の打率は3割を超えた(3割8厘)。「正直(打撃は)自信がないんですけど、簡単に終わらないようにということだけは心掛けている。そういった熱意がチームに伝わっていけばいい」と話した。 7回1失点だった投球では、最速148キロと直球が走り、カーブで緩急をつけた。最も遅いカーブは4回、梅野隆太郎の第2打席の2球目に投げ、球速だけみれば草野球クラスの91キロだった。3球目には、プロでも一級品の切れを誇る147キロの直球で空振り。球速差56キロでほんろうし、この回は3者連続三振。7回も連続三振でしめ、三振は今季初、昨年8月1日以来の2桁に達した。「7回以上投げる責任感を持っていた。(伊藤)光さんのリードに救われた。変化球が少しよくなかったけど、変化球を消さずに、丁寧に投げられた」と振り返った。 これで2連勝のカード勝ち越しで、球宴、五輪による中断期間を迎える。「勝って終わるのか負けて終わるのかで後半戦の気持ちが変わる」と必死だった。三浦監督は「ストレートの走りもよく、チェンジアップもいい高さに決まっていた。徐々に今永も自分の投球ができている。投打にわたり、いい仕事した。後半戦は全部ローテを守ってもらうように期待してます」と期待した。「1つずつ勝利を積み重ねて、まずは勝率5割を目指します」と今永。力強く、後半戦の逆襲を誓った。【斎藤直樹】

◆阪神のジェフリー・マルテ内野手(30)が今季初めてスタメンを外れた。代わって、陽川尚将内野手(29)が「3番・一塁」で先発出場。5月16日の巨人戦(東京ドーム)以来のスタメン起用となった。先発は今季6勝負けなしのジョー・ガンケル投手(29)。

◆阪神・近本光司外野手(26)が0-2の三回1死から右越えに6号ソロを放って1点をかえした。ファウルで粘って、カウント2-2からの8球目。今永のスライダーを一閃。打球は右翼席に飛び込んだ。 「打ったのはスライダー。追い込まれていたので、なんとか塁に出ることを意識していました。いい結果になりました。まずは1点をかえすことができて良かったです」とコメントした。 6月13日の楽天戦(楽天生命パーク)で本塁打を放って以来24試合ぶりの一発だった。

◆中5日で先発した阪神のジョー・ガンケル投手(29)は5回7安打3失点で降板。今季7勝目はならなかった。 0-0の二回、3連打で無死満塁。2死までこぎつけたが、桑原に右前2点打を許した。三回に近本の6号ソロで1点差とした直後の四回、1死二、三塁から投手の今永に中前へ運ばれる適時打。五回の攻撃で代打を告げられた。 この日は前半戦最後の試合。1-3の六回からは9日の巨人戦(甲子園)に先発して7勝目を挙げた秋山が中4日でマウンドに上がった。

◆DeNAの桑原が二回、開幕7連勝を狙ったガンケルから価値ある先制の2点打を放った。 この回は3連打による無死満塁から伊藤光、今永が続けて凡退。2死で回ってきた打席で外角速球に力まずバットを合わせた。打球は一、二塁間を抜けて「前の打者を何とかカバーしたいと思って打席に入った」と胸を張った。 これで8試合連続安打とした。今季好調のトップバッターは阪神にめっぽう強い。13日までに打率3割9分をマークしたカードで、甲子園では4割を超える。チームにとっては7年続けて負け越し中の天敵だが、桑原の復活が重い空気を振り払っている。

◆虎党の拍手とともに白球は右翼スタンドへと吸い込まれていった。リードを奪われる展開となったが、近本が6号ソロ。反撃の一発を放ち、ダイヤモンドを一周した。 「追い込まれていましたし、なんとか塁に出ることを意識していました。良い結果になりました」 0―2の三回1死。今永から粘って8球目だ。139キロのスライダーを引っ張ると、打球は右翼席に着弾。6月13日の楽天戦(楽天生命パーク)以来、24試合ぶりとなるアーチだ。 ベンチ前では恒例となっている〝タイガースメダル〟を首にかけてもらい、笑顔をみせた。5、6月は絶好調も7月は試合前の時点で打率・216と少し調子を落としていた。だが、球宴前最後の試合で存在感をみせた。 これが前半戦最後の試合。首位ターンこそ決めているが、試合前の時点で2位・巨人とは2ゲーム差。白星で飾り、約1カ月後、8月13日のリーグ戦再開をいい流れで迎えたい。追いかける展開となったが、選手会長が反撃ののろしを上げた。 だが、その後は今永から追加点を奪えず。五回に先頭のD6位・中野(三菱自動車岡崎)が遊撃への中前打を放つと、矢野監督は続くガンケルに代打・糸井を告げたが、見逃し三振。中野がけん制で刺され、近本も三邪飛に終わり、得点にはつながらなかった。 守りから流れをつかみたいところだったが、先発したガンケルが二回2死満塁から桑原に右前へ先制の2点打。1―2の四回には1死二、三塁で投手の今永に中前適時打を許した。5回7安打3失点で降板。今季ここまで6勝負けなしで、2003年のムーア以来となる開幕7連勝達成とはならなかった。 甲子園では8カード連続で勝ち越しなしで迎えた前半戦最後の3連戦。八回に糸原の適時打、サンズの押し出し四球で1点差まで迫ったが、届かず。前半戦最後は連敗で終わった。貯金15をもって、後半戦に臨む。(菊地峻太朗)

◆阪神・矢野監督は1点リードされた九回に守護神のスアレスを投入する執念継投も実らず、3-4で競り負けて、前半戦最後の試合を白星で飾れなかった。 中5日で先発したガンケルが二回、2点を先制された。三回、近本の6号ソロで1点差に詰め寄ったが、直後の四回、投手の今永に適時打を浴びて5回3失点で降板。1-3の六回から登板した秋山は2回無失点と抑えたが、八回に岩崎が宮崎に被弾。1-4の八回に糸原の適時打とサンズの押し出し四球で1点差に。なおも2死満塁の好機で、D1位・佐藤輝(近大)は空振り三振に倒れた。佐藤輝はこの日、3三振で、1999年に福留孝介(中日)が作った新人最多三振(121個)のプロ野球記録に並んだ。 開幕から無傷の6勝だったガンケルは今季初黒星。前日に前半戦首位ターンを決めている阪神はラスト2試合で連敗。貯金15で、約1カ月の東京五輪ブレークに入る。

◆阪神の前半戦を振り返った時、「交流戦まで」と「リーグ戦再開以降」の2つに分けられる。コロナ禍という状況で開幕し、外国人選手が揃わないチームがある中、阪神はマルテ、サンズの活躍があり、スタートダッシュに成功した。佐藤輝と中野の2人のルーキーがカンフル剤となって、チームに刺激を与え続け、両外国人選手がうまく呼応した。 しかしリーグ戦が再開されると、2人の新人が下降線をたどった。投打のバランスは攻撃陣の得点力不足から崩れ、投手陣が疲弊し、前半戦の終了に至ったという感想だ。 後半戦のキーマンはまずは矢野監督。東京五輪期間中、1カ月に渡る中断を迎える。今までのプロ野球の歴史で経験したことのない、この貴重な4週間をいかに過ごすか。どういう考えを持ち、どんなやり方で打線を立て直すか。監督の力が問われると思う。 野手なら、もちろん大山。ここまでチームを引っ張ったといえる成績は残せなかった。「大山が4番でいいのか」「大山以外の適任者は?」といった世間の声を黙らせてほしい。投手では及川を挙げる。岩崎、藤浪。そして2軍には岩貞がいるが、どの名前も安定感に欠ける。スアレスにつなげる大事なピースとして及川の踏ん張りに期待したい。 矢野監督、大山に及川。〝未知の空白期間〟を有効に使ってほしい。

◆DeNA・今永昇太投手(27)が、7回4安打1失点の好投で3勝目(2敗)。左肩手術を乗り越え、昨年8月1日の阪神戦(甲子園)以来の2桁奪三振となる10個の三振を奪った。 投球だけではない。四回に自ら適時打を放つなど、2安打1打点。海を渡り〝二刀流〟で活躍する大谷翔平(エンゼルス)にも負けない(?)打棒で今季は打率・308をマークし、「セ・リーグは打撃もおまけじゃないので、打てば点になることもある。いつも打撃投手をしてくださる木塚投手コーチ、川村投手コーチのおかげ」と感謝した。 ある日の投手陣による練習では、他の選手が打撃手袋のみでバント練習に臨む中、今永は肘、すねの防具にフェースガードのついたヘルメットまで被って参加。「お前、そのヘルメ、試合で使わないだろ」と仲間から突っ込まれたが、日ごろから高い意識が試合につながっている。 3勝目を挙げたDeNA・今永昇太=甲子園球場(撮影・水島啓輔) 「(打撃は)正直、自信はないですが、簡単に終わらないようにということは心に決めて打席に向かっているので、そういった熱意がチームに伝わっていけばいい」と今永。マウンドのみならず、チームを引っ張るエースが、後半戦に巻き返しを期すチームの中心になる。(浜浦日向)

◆DeNAの三嶋が1点リードの九回を無安打で締め、阪神打線に雪辱した。12日は3―0から逆転サヨナラ負けを喫し、13日はベンチ入りメンバー外に。気迫で16セーブ目を手にし「寝られなくて、悔しい思いをした。九回を投げる人間として、同じチームに早くリベンジしないといけなかった」と息をついた。 名前がコールされると阪神ファンが再現を望んで歓声が起きた。「伊藤光さんが、おまえ、ファン増えたなと言ってくれてリラックスできた」と、試合後に喜び合った女房役から絶妙なアシストがあったことを明かした。

◆今永が7回4安打1失点の好投で、3勝目を挙げた。左肩手術を乗り越え、昨年8月1日以来の2桁となる10奪三振をマーク。「回を追うごとに直球、落ち球の精度が良かった」と振り返った。適時打を含む2安打1打点と投打で奮闘。前半戦最終戦で完全復活の気配を漂わせたエースに、三浦監督は「今永らしい投球」と目を細めた。

◆甲子園の借りは、甲子園で返す。2日前に3点差を守れず逆転サヨナラ負けを食らったDeNAの守護神、三嶋一輝投手(31)が4―3の九回に登板。無失点で16セーブ目を挙げ、リベンジを果たした=。 「九回を投げる投手として、早くやり返したいと思っていた。回してくれたチームメートに感謝したい」 12日は3―0の九回2死から5連打を浴びて敗れ「夜は眠れなかった」という。13日は今季初めてベンチを外れ、リフレッシュ。前半戦最後の試合で出番が巡ってきた。 名前がコールされると、虎党から〝屈辱の拍手〟が起きた。ここで声を掛けてくれたのが捕手の伊藤光。「お前、ファン増えたな」との言葉に気持ちを落ち着かせ、1安打も許さなかった。 チームは借金13の最下位ターンとなった。次に見据えるのは、後半戦での〝リベンジ〟だ。(浜浦日向) ◆八回に8号ソロを放ったDeNA・宮崎「出塁するため積極的にいった結果、最高の結果となり良かった」

◆甲子園が拍手に包まれる中、白球は右翼スタンドへと飛び込んだ。近本が6号ソロ。球宴へ弾みをつける一発を放った。 「出塁することと、次につなぐことを意識していました。結果的にホームランになったことは良かった」 0―2の三回1死。粘って今永の8球目のスライダーを捉えた。6月13日の楽天戦(楽天生命パーク)以来、24試合ぶりのアーチとなり、ベンチ前では「タイガースメダル」を受け取り、笑顔が弾けた。八回には1死一塁で山崎から左前打を放ち、新人から3年連続100安打。阪神では1998―00年の坪井智哉以来の快挙を達成した。 それでも、3―4の九回2死二塁で遊飛に倒れて、試合終了。「最後の打席で打つことができなかったので、悔しい気持ちの方が大きい」と唇をかんだ。 新人だった19年に続いて、自身2度目の球宴に選出された。初出場では史上2人目となるサイクル安打を達成し、記録にも記憶にも残った。この日、巨人・原監督が16日の第1戦(メットライフ)のスタメンを発表し、「9番・中堅」でスタメン出場することが決まった。最後の試合で一発を放ち、いざ球宴へ。 「勝って締めくくりたかったですし、個人としても特に前半はチームに迷惑をかけてしまうことも多かった」 開幕直後は不調に陥ったが、5月以降は復調。打率・292まで上げ、盗塁もリーグトップタイとなる17まで伸ばした。 「また後半戦、チームの勝利に貢献できるように精いっぱい頑張りたい」。選手会長として、リードオフマンとして、これからも先頭に立ってチームを引っ張る。(菊地峻太朗)

◆走り抜けた前半戦の最後は、あまりの悔しさでなかなか打席から動けなかった。それでも、D1位・佐藤輝(近大)がいたから、虎はいま首位に立つことができている。84試合目で刻んだ121個目の三振。この屈辱が黄金ルーキーをさらなる高みへ連れていく。 3点差を詰め、3-4とDeNAを攻め立てた八回2死満塁。山崎に代わってワンポイントの砂田を送られた。苦手とするサイドスロー気味の左腕。カウント2-2から5球目。虎党の願いもむなしく、バットをかすめた直球は伊藤光のミットにおさまり、ベンチに戻るとバットをたたきつけた。 二回は今永から右翼線に二塁打と節目の一戦は好スタートだった。しかし、その後はハマのエースを前にバットが空を切る。119、120個目を積み重ね、逆転の絶好機で巡ってきた前半戦最終打席で、1999年の福留孝介(中日)と並ぶプロ野球新人記録の121三振。下唇をグッとかみしめ、ベンチへと引き揚げる背中から猛烈な悔しさがにじみ出ていた。 シーズン121三振で1999年の福留に早くも並んだ 折り返し地点に再び待っていたプロの壁。それでも、8年ぶりの首位ターンはこの男の存在なくしては考えられない。前半戦を終えて打率・267(311打数83安打)、20本塁打、52打点。チームで誰よりも放物線を描き、誰よりも走者をホームへとかえした。塗り替えたプロ野球の歴史は数知れない。規格外のルーキーは誰よりも虎党に悲願実現の夢を与えてくれた。 矢野監督は「そりゃ勝負やからやられることもあるし、逆に初戦みたいなこともある。それは勝負事なんで、結果を受けとめてどう前に進んでいくかだけしかないと思う」と、これからに期待を込めた。16日からは「ホームランを見てもらいたい。しっかりホームランが出るように努力したいと思います」と誓った球宴も待っている。そして、その後は五輪期間でシーズンは1カ月中断する。前半戦の課題を見つめ直すには絶好の機会だ。 球宴でまたファンに夢を与える。そして1カ月、この日の屈辱を胸に後半戦に向けた牙を研ぐ。すべてが追い風になる。16年ぶりのリーグ優勝へ、黄金ルーキーはまだ足を止めない。(原田遼太郎)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
48333 0.593
(↓0.007)
-
(-)
59343
(+3)
304
(+4)
82
(+1)
71
(+1)
0.251
(↓0.001)
3.320
(↓0.01)
2
(-)
巨人
433210 0.573
(↓0.008)
2
(-)
58357
(+7)
305
(+11)
109
(+1)
51
(-)
0.252
(↑0.001)
3.440
(↓0.08)
3
(-)
ヤクルト
42329 0.568
(↑0.006)
2.5
(↑1)
60366
(+11)
335
(+7)
87
(+1)
51
(+1)
0.255
(↑0.001)
3.810
(↓0.04)
4
(-)
中日
324212 0.432
(↓0.006)
12.5
(-)
57249
(-)
293
(+2)
49
(-)
41
(-)
0.238
(↓0.001)
3.310
(↑0.01)
5
(-)
広島
304210 0.417
(↑0.009)
13.5
(↑1)
61298
(+2)
349
(-)
59
(+1)
41
(+1)
0.261
(-)
3.870
(↑0.05)
6
(-)
DeNA
314411 0.413
(↑0.008)
14
(↑1)
57344
(+4)
403
(+3)
85
(+1)
18
(-)
0.261
(-)
4.480
(↑0.02)