阪神(★2対8☆)DeNA =リーグ戦14回戦(2021.07.13)・阪神甲子園球場=
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DeNA
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阪神
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勝利投手:坂本 裕哉(3勝2敗0S)
敗戦投手:アルカンタラ(2勝2敗0S)

本塁打
【DeNA】オースティン(19号・3回表ソロ)
【阪神】サンズ(17号・9回裏ソロ)

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◆DeNAは初回に佐野、宮崎、ソトの適時打で3点を先制する。その後は3回表にオースティンのソロで加点すると、8回には4本の適時打が飛び出し、試合を決めた。投げては、先発・坂本が7回1失点の好投で今季3勝目。敗れた阪神は、投打ともに振るわなかった。

◆両チームのスタメンが発表された。阪神は、前日12日にスタメンを外れたドラフト1位新人の佐藤輝明内野手(22)が「6番右翼」で先発に復帰した。 先発は阪神がラウル・アルカンタラ投手(28)、DeNAは坂本裕哉投手(23)。アルカンタラは6月30日以来の登板で3勝目を狙う。

◆DeNA三浦大輔監督(47)は13日、前日の阪神13回戦(甲子園)で9回に4失点し4敗目を喫した抑えの三嶋一輝投手と対話を行ったと明かした。「いろいろ話はしました。悔しい気持ちもあったし。やり返す気持ちも感じた」。だが、13日の阪神14回戦では、今季初めてベンチから外した。前日に24球を投げた三嶋はノースローで練習を切り上げた。 12日の三嶋がマルテに対して投げた3球目は、153キロの外角直球で、捕手の伊藤光が跳び上がってからしゃがみ込むなど、きわどいボール判定だった。三浦監督は「審判がボールと言っていますから。ベンチの横からはコースは分からなかった。そこだけじゃなく試合の映像は見た」と話した。

◆阪神メル・ロハス・ジュニア外野手(31)が13日、出場選手登録を抹消された。 外国人枠の関係で、同日に先発要員として登録されたラウル・アルカンタラ投手(28)と入れ替わった。ロハスは2日に1軍に再昇格。12日のDeNA戦で先発し1安打するなど7試合に出場したが、打率1割8分8厘で本塁打、打点はなかった。通算成績も打率9分8厘、1本塁打と実力を発揮できていない。

◆阪神恒例の夏イベント「ウル虎の夏2021」の5日目は、お笑い芸人の陣内智則(47)が盛り上げた。 ウル虎ユニホームに虎柄マスクと帽子を着用し登場。永久欠番となった吉田義男氏(87=日刊スポーツ客員評論家)の背番号「23」をつけて、スタメン選手呼び出しなどスペシャル演出に参加した。 2位とのゲーム差が縮まってきた現状にも「ある意味、僕はめちゃめちゃ面白くなったなと」と前向き。「後半の巨人戦でちょっと今までの借りを返してもらって。本当に、16年ぶりの(リーグ優勝)。見たいですね。余裕で優勝するよりか、ヒリヒリ感が、僕は見たいですね」。久しぶりの頂点を心待ちにした。 キーマンには、近本の名前を挙げた。「昨日の佐藤君といい、大山選手も打ってくれたんで。やっぱり近本選手が出て、かき回してくれたら、怖いもんないかなと思うんですけどね。やっぱり、盗塁王もとってもらって。前半苦しんだ分、虎の顔は近本だっていうのをね、見せてもらいたいですね」。リードオフマンとしてのさらなる活躍に期待を寄せた。 9日が初日だった「ウル虎の夏2021」は前カードの巨人戦に続き、14日DeNA戦まで6日連続で開催される。14日の最終日は、お笑いコンビ「銀シャリ」が登場予定。また、虎の顔があしらわれた「ウル虎の夏2021限定オリジナルジャージー」が来場者にプレゼントされる。

◆阪神ラウル・アルカンタラ投手(28)が、3回7安打4失点と打ち込まれ、来日最短でのKOとなった。 初回、先頭の桑原から3連打を浴びるなど、この回いきなり5安打3失点。2回は、三塁大山の好守備もあり無失点でしのいだが、3回1死からオースティンに右翼へソロ本塁打を被弾。直後の攻撃で代打北條を送られ、降板となった。 アルカンタラは、ここ3戦で6回以上を投げ2失点以内と安定感ある投球を続けてきたが、この日は立ち上がりに失点。前日14日に9回2死からサヨナラ逆転勝ちした勢いに乗ることはできなかった。

◆また甲子園の空気を変えた。阪神佐藤輝明内野手(22)が、3点ビハインドの2回にDeNA坂本からチーム初安打となる二塁打を放った。 初球だった。真ん中寄りに入った内角142キロ直球を中堅左にはじき返した。少し詰まったように見えたが、強烈な打球が飛んでいった。快足を飛ばし、二塁を陥れた。 さらに4点ビハインドの7回無死二塁では、追い込まれてから外角スライダーに腕を伸ばし、一、二塁間を破った。3点差に迫る適時打。自身6試合ぶりの打点で、この回まで3安打に抑え込まれ、静まり返っていた甲子園を沸かせた。 3度目のスタメン落ちとなった前日12日は、9回2死一塁でプロ初の代打安打。その後の4連続適時打につなげ、3点差をひっくり返すサヨナラ劇の火付け役となった。「価値あるヒットになったと思います」と1球の大切さを再認識。「6番右翼」で2試合ぶりにスタメン復帰してマルチ安打で存在感を示した。

◆前夜に3者連続三振の好リリーフを見せた阪神藤浪晋太郎投手(27)が、1アウトも取れずに降板した。 3点を追う8回にマウンドへ。先頭の佐野に四球を与えると、オースティン、宮崎に連続適時二塁打を浴びた。なおも無死二塁から牧が左前打、ソトの打球は遊撃の中野が追いつくも内野安打となり3失点目。ここで斎藤にマウンドを譲った。 藤浪は前日12日のDeNA戦でも3点を追う8回に登板し、気迫の3連続三振。前夜は逆転サヨナラ劇への流れをつくったが、連日の快投とはならなかった。

◆阪神がDeNAに完敗したが、巨人がヤクルトに敗れたため、前半戦の首位ターンが決定した。 先発したラウル・アルカンタラ投手(28)が立ち上がりにいきなり3失点。3回にもオースティンにソロ本塁打を浴びた。阪神ベンチは3回で助っ人投手を下ろし、早めの継投に出て防戦。だが、DeNA先発の左腕・坂本を攻略できない。ようやく7回に1点を返したが、直後の8回に5番手の藤浪が4安打を集中され4失点で勝負を決められた。 阪神が前半戦を首位で折り返すのは、08年以来13年ぶりとなった。

◆阪神が前半戦のセ・リーグ首位通過を決めた。00年以降では03、05、08年に1位ターンしており、このうち03、05年にはセ・リーグ優勝を果たしている。 なお同じ関西のオリックスも12日にパ・リーグの前半戦首位を決めており、この両球団がセ・パ両リーグでそろって球宴前首位を確定させたのは、1972年(昭47)以来49年ぶりとなった。なおオリックスは当時、前身の阪急ブレーブス時代だった。 ◆72年の阪神 エース江夏豊は前半戦だけで15勝と順調に勝ち星を積み上げた。右の谷村智啓も防御率2・14でセ1位の安定感。22本塁打の田淵幸一は王貞治(巨人)23本塁打とデッドヒートを展開と、投打の歯車はがっちり。ところが江夏が後半戦に肩の痛みを訴えると、チームは失速。後半戦に入ると巨人の快走を許し、最後は2位に終わった。 ◆72年の阪急 4年目の福本豊は前半戦だけで61盗塁と、規格外のハイペースで盗塁を量産。山田久志も14勝をマークと、同期入団の2人がチームを引っ張った。新助っ人ソーレルはチャンスメーカーに徹し、東映から加わった大橋穣も内野を引き締めた。安定した戦いを見せたチームは、前半戦で2位南海に7・5差。最後は2位近鉄に14差という独走で優勝を飾った。

◆阪神の前半戦首位が決定した。阪神の首位ターンは08年以来9度目となり、過去8度のうち優勝は3度でV確率38%。今年の2位は巨人で、阪神1位、巨人2位で前半戦終了は72、76、08年に次いで4度目。過去3度はすべて前半戦2位の巨人が逆転優勝したが、今年はどうなるか。 ▼パはオリックスの前半戦首位が決まっており、両リーグとも関西を本拠地にしている球団が首位ターンは72年の阪神と阪急以来2度目(パの2期制時は除く)。阪神と南海、阪神と近鉄は過去になかった。

◆DeNAは1回、5安打を集中して3点を先制。3回にもオースティンの19号ソロで加点した。阪神は3回まで1安打無得点。 阪神は先発アルカンタラを3回であきらめ、継投で防戦。DeNA先発坂本は6回まで阪神打線を3安打無失点に抑える。 阪神は7回に1点、9回にも1点を返したが、DeNAは8回に4点を奪い勝負を決め、連敗を4で止めた。坂本が3勝目。阪神アルカンタラが2敗目。

◆阪神藤浪晋太郎投手(27)は1死も取れず、まさかの炎上となった。 3点差に迫った直後の8回に登板。先頭の3番佐野に四球を与えると、4番オースティン、5番宮崎には甘く入った直球で2者連続適時二塁打を浴びる。さらに2安打を許し、1四球と4連打で4失点した。前日12日DeNA戦は3点を追う8回に3者連続三振を奪い、9回の逆転サヨナラ勝利につなげていた。再びの快投に期待がかかったが、6試合ぶりの失点で試合の行方が決まった。

◆阪神高卒2年目の及川雅貴投手が、クールに同学年対決を振り返った。 7回に4番手で登板。2死を取ると、打席には桐蔭学園出身で19年ドラフト同期の森敬斗。横浜時代に神奈川県でしのぎを削った相手を、カウント2-2から中飛に打ち取った。 プロでの初対決にも「同級生ということは意識せず、チームのために投げているので、抑えられてよかったですし、3者凡退で帰ってくることができてよかったです」と、左腕は冷静だった。

◆阪神馬場皐輔がきっちり仕事をした。6回に3番手でマウンドに上がると、1死からソトに安打を浴びたが、続く伊藤光を三ゴロ併殺に打ち取り、無失点で投げ終えた。追加点を与えないというミッションを遂行した馬場は「1人1人丁寧に投げることを意識していましたし、ランナーは出しましたが0点で次につなぐことができて良かったです」と振り返った。

◆阪神ドラフト6位中野拓夢内野手が球団新人6人目となる10試合連続安打を決めた。 4点を追う5回2死。一塁前にセーフティーバントを転がし、ヘッドスライディングでHランプを灯した。「雰囲気が悪かったというのはあったので、なんとか流れを変えようと思って狙いました」。一時期の不調を乗り越え、98年坪井、01年赤星、16年高山、19年近本、木浪に続いての新人10試合連続安打。「センター中心にバッティングしていったのが復調の要因。これからもセンター中心に広角に打ち分けていきたい」と力を込めた。

◆ソフトバンクからトレード移籍した阪神二保旭投手(31)が、移籍後2度目の登板で好投した。 前回7日ヤクルト戦は先発だったが、この日は4回から中継ぎ登板。2回2安打無失点に抑えた。「チームにいい流れを持ってくるためにも3者凡退で抑えたかったです」と反省したが、矢野燿大監督(52)は投球に太鼓判。「二保は元々(先発も中継ぎも)どっちでもできると思っている。いろんなところで力になってくれるんではないかと思います」と話した。

◆DeNA先発の坂本裕哉投手(23)が幼稚園の先輩の敵(かたき)を討った。前日の9回に4失点し4敗目を喫した三嶋一輝投手(31)は福岡・周船寺第二幼稚園の先輩。「昨日の試合が今日に対するモチベーションになった。相手はノリノリで来るだろうと思ったので、ツッパリ返してやろうと思った。(三嶋は)幼稚園の直属の先輩なので」。自己最長の7回5安打1失点と好投。3勝目を挙げた。 先輩の分もやりかえしてやる。気合十分でマウンドに上がった。「6回交代といわず、最後までいってやるという気持ちでいた」。初回から飛ばした。直球は140キロ台中盤がほとんどで最速146キロだが、両コーナーに決まる制球があった。そのため、ボールを挟んで落とすチェンジアップが生きた。初球から決め球のつもりで投球していたという。 三浦監督もプロ入り後、最高の投球と評価した。「幼稚園の先輩のかたきを討ってくれたと思う。今までで一番いい投球をしていると思って見ていた。去年のファームも含めて。ボールも本当によかった。前回の悔しさを1週間ふまえてやっていた」。チームの連敗を4で止めた2年目左腕を絶賛していた。【斎藤直樹】

◆阪神サンズ外野手が最後に意地を見せた。 7点を追う9回。先頭で打席に入ると、左腕桜井の4球目のストレートを左翼へたたき込む3試合ぶりの17号ソロ。7回にも二塁打を放って佐藤輝の適時打も呼び込み、2安打2得点と気を吐いた。「こういう展開だったから、何とかチームに勢いを持ってこられるようにと意識して、強くスイングしたよ。いい結果にはなったけど、負けたことが悔しいね」と空砲を残念がった。

◆阪神はDeNAに完敗したが、巨人がヤクルトに敗れたため、前半戦の首位ターンが決定した。 先発のラウル・アルカンタラ投手(28)が初回にいきなり3失点。早めの継投に出たが、打線もDeNA先発左腕の坂本を攻略できなかった。 阪神矢野燿大監督(52)の試合後の一問一答は以下の通り。 ? -アルカンタラは立ち上がりから苦しい投球に 「うーん、いやまあ全部捉えられてるしね、アウトになってるのもしっかり打ち取ったというのがなかったしね。バッターからすると打ちにくいっていう感じには見えなかったね」 -2番手二保からつないでいって反撃ムードも 「あそこでなんとかね、1点でも2点でも取れる形ができればね、また変わったと思うし。そういうところでは、ピッチャーが頑張ってくれたからね、打線もやっぱりそこは頑張っていかないと、っていうところはあるよね」 -打線はDeNA先発坂本にてこずった 「チェンジアップがね。ちょっとてこずっているなという感じがあった。それでちょっと迷うというかそういう形になっているのかなと」 -打線の状態は底を脱した感じではない 「底はどうか知らんけど。それは知らんけど」 -佐藤輝が2安打 「きっかけがどこにあるか分からないけど、いろいろ取り組みながら。その中で苦しみながらでもヒットが出るってことは気分的にも違うし。ただ、自分のスイングというのは、テルらしさというスイングが出るのはまだ少ない。そういうのが増えてくることでアイツのバッティングという形になると思うんで。そういうのが増えていってくれたらなと思う」 -二保は中継ぎでも 「二保は元々、どっちでもできると思っているし。前回の登板より短い登板というのもあったと思うけど、しっかり腕も振ってね。二保らしさはしっかり出してくれた。中盤で点が取れればという雰囲気をつくってくれたのは二保だったんで。そういうところでは、助かるというか、いてくれると、いろんなところで力になってくれるんではないかと思います」 -首位で前半戦で折り返すことが決まった 「もちろん今、首位でいることは大事だけど、最終的に終わって首位にいることが大事なんでね。自分たちの野球がなかなかできにくい、交流戦明けになってきているんでね。明日なんとかいい形で終わって、スッキリしたいなと思っています」

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が復活の2安打を放った。屈辱のスタメン落ちから一夜明け、「6番右翼」でDeNA戦に先発復帰。7回に右前タイムリーを放つなど2安打1打点と打撃の復調をアピールした。 この日、球宴のホームランダービー出場選手が発表され、新人では異例の選出となった。16年日本ハム大谷以来となるダービーVと球宴MVPの2冠に期待がかかる。「御礼」をバットに込めた。7回無死二塁。佐藤輝は必死に腕を伸ばした。追い込まれてから左腕坂本の外角スライダーを打ち返すと一、二塁間をしぶとく破った。「食らいつけるように頑張りました」。6試合ぶりの打点で3点差に迫った。前夜にはプロ初の代打安打でサヨナラ劇を導いた。"今日もまた..."と甲子園の虎党に夢を見せた。 ファンの期待を力に変えた。この日、球宴ホームランダービー出場選手が発表され、最多の1万7027票を集めた。並み居る長距離砲を抑え新人では異例の選出。「選んでいただいたからには、打てるように一生懸命バットを振りたい」。新人初のセ・リーグ最多得票となったファン投票に続く快挙を喜んだ。 練習前には、ひと足先に行われたメジャーのホームランダービーをチェック。日頃からYouTubeで動画を見る"メジャー通"のルーキーはうなった。 「いや~、格が違いますね、飛距離とか。ちょっとでも近づけるようなバッティングをしたい」 エンゼルス大谷ら世界最高峰のパワーヒッターに刺激を受け、9戦ぶりのマルチ安打。7月は打撃が下降線でこの日を含めて打率2割2分5厘。苦しんだが、復調の兆しを見せた。矢野監督は「苦しみながらでもヒットが出るってことは気分的に違う。ただ、テルらしいスイングがまだ少ない。そういうのが増えていってくれたら」とさらなる上昇を願った。 ホームランダービーで優勝し、さらに球宴MVPとなれば16年大谷(日本ハム)以来の"2冠"。今後の戦いへ大きなはずみとなるはずだ。舞台は交流戦で本塁打を放っているメットライフドームと楽天生命パーク。「相性がいいっていうところを見せられるように。優勝できるよう頑張っていきたい」と宣言した。 チームは連夜の逆転劇とはならず、6点差で完敗も2位巨人が敗れ、前半戦の首位ターンが決まった。「いい形で終われるように。先制点を取れるように頑張っていきたい」。開幕から周囲の度肝を抜いてきた怪物ルーキーが、豪快アーチで前半戦を締めくくる。【中野椋】

◆矢野阪神が悔しい首位ターン決定だ。2位巨人がヤクルトに敗れ、阪神が前半戦を13年ぶりにセ・リーグ首位で折り返すことが決まった。 ただ、試合後の矢野燿大監督(52)に笑顔はない。「もちろん今、首位でいることは大事だけど、最終的に終わって首位にいることが大事。自分たちの野球がなかなかできにくい交流戦明けになってきている」と、厳しい表情のままだった。 前夜の興奮が一瞬で吹き飛んだ。甲子園初勝利を狙ってマウンドに上がったアルカンタラが初回からつるべ打ちで3回4失点KO。打線も終盤までエンジンがかからない。DeNA坂本に7回5安打1得点。7回佐藤輝の適時打で1点を奪うのがやっとで指揮官も「チェンジアップがね。ちょっとてこずっているなという感じがあった」。今季2戦2敗、防御率1・38と抑えられ、新たな天敵の出現だ。 指揮官も激しく動いた。アルカンタラを3回で見切ると、その後もブルペン陣を惜しみなく投入。2番手以降の二保、馬場、及川がゼロで踏ん張っただけに「あそこでなんとかね、1点でも2点でも取れる形ができればまた変わったと思う。ピッチャーが頑張ってくれたからね、打線もやっぱりそこは頑張っていかないと」と振り返った。 9回2死から打線がつながり劇的なサヨナラ勝ちを収めた大興奮の試合から一夜明けて甲子園はため息の連続...。トンネルを抜けたかに見えた打線がまた沈黙した。交流戦明けからの23試合は9勝13敗1分け。首位を走りながらも追い上げられるレース展開を強いられている。矢野監督は「明日何とかいい形で終わって、スッキリしたいなと思っています」と力を込めた。前半戦は残り1試合。笑って球宴、五輪ブレークを迎えたい。【桝井聡】

◆DeNA先発の坂本裕哉投手(23)が7回1失点と好投し、連敗を4で止めた。 前日の9回に4失点し、この日に今季初めてベンチを外れた三嶋は福岡・周船寺第二幼稚園の先輩。「昨日の試合が今日に対するモチベーションになった。相手はノリノリで来るだろうと思ったので、ツッパリ返してやろうと思った。(三嶋は)幼稚園の直属の先輩なので」。先輩の敵(かたき)を討つ快投だった。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が復活の2安打を放った。屈辱のスタメン落ちから一夜明け、「6番右翼」でDeNA戦に先発復帰。7回に右前タイムリーを放つなど2安打1打点と打撃の復調をアピール。この日、球宴のホームランダービー出場選手が発表され、新人では異例の選出となった。16年日本ハム大谷以来となるダービーVと球宴MVPの2冠に期待がかかる。「御礼」をバットに込めた。7回無死二塁。佐藤輝は必死に腕を伸ばした。追い込まれてから左腕坂本の外角スライダーを打ち返すと一、二塁間をしぶとく破った。「食らいつけるように頑張りました」。6試合ぶりの打点で3点差に迫った。前夜にはプロ初の代打安打でサヨナラ劇を導いた。"今日もまた..."と甲子園の虎党に夢を見せた。 ファンの期待を力に変えた。この日、球宴ホームランダービー出場選手が発表され、最多の1万7027票を集めた。並み居る長距離砲を抑え新人では異例の選出。「選んでいただいたからには、打てるように一生懸命バットを振りたい」。新人初のセ・リーグ最多得票となったファン投票に続く快挙を喜んだ。 練習前には、ひと足先に行われたメジャーのホームランダービーをチェック。日頃からYouTubeで動画を見る"メジャー通"のルーキーはうなった。 「いや~、格が違いますね、飛距離とか。ちょっとでも近づけるようなバッティングをしたい」 エンゼルス大谷ら世界最高峰のパワーヒッターに刺激を受け、9戦ぶりのマルチ安打。7月は打撃が下降線でこの日を含めて打率2割2分5厘。苦しんだが、復調の兆しを見せた。矢野監督は「苦しみながらでもヒットが出るってことは気分的に違う。ただ、テルらしいスイングがまだ少ない。そういうのが増えていってくれたら」とさらなる上昇を願った。 ホームランダービーで優勝し、さらに球宴MVPとなれば16年大谷(日本ハム)以来の"2冠"。今後の戦いへ大きなはずみとなるはずだ。舞台は、交流戦で本塁打を放っているメットライフドームと楽天生命パーク。「相性がいいっていうところを見せられるように。優勝できるよう頑張っていきたい」と宣言した。 チームは連夜の逆転劇とはならず、6点差で完敗も2位巨人が敗れ、前半戦の首位ターンが決まった。「いい形で終われるように。先制点を取れるように頑張っていきたい」。開幕から周囲の度肝を抜いてきた怪物ルーキーが、豪快アーチで前半戦を締めくくる。【中野椋】 ◆ホームランダービー 球宴の試合前に行う本塁打競争。2年間のブランクを経て08年に再開され、ファン投票で選ばれる形式に変わった。18年からセ・パ各4人が出場し、第1、2戦を通じて試合前にトーナメント方式で優勝を争う。現行の方式となってから、新人の出場は佐藤輝が初。

◆「ウル虎の夏2021」として開催され、阪神ファンの陣内智則(47)が甲子園に登場。試合開始前のイベントで司会を務めるなど、場内を盛り上げた。 吉田義男氏にちなんで背番号「23」のユニホームを着用し、「正直、もっとぶっちぎっていくかなというのがね。あったんですけど。ただね、ある意味僕はめちゃめちゃ面白くなったなと。余裕で優勝するよりか、ヒリヒリ感が、僕はみたいですね」と悲願のVに期待を込めた。 キーマンには近本を指名し、「やっぱり近本選手が出て、かき回してくれたら、まあ怖いもんないかなと思うんですけどね。盗塁王もとってもらって。前半苦しんだ分ね、虎の顔は近本だっていうのをね、みせてもらいたいですね」とエールを送った。

◆中12日で先発したラウル・アルカンタラ投手(28)はDeNA打線につかまり、今季最短の3回40球、7安打4失点で降板。試合を作ることがきでなかった。 立ち上がりから不安定だった。桑原、森の1、2番コンビに連打されると、佐野に右前適時打。わずか7球であっさりと先制点を献上すると、その後も宮崎、ソトにタイムリーを浴びて3失点を喫した。 三回には1死から4番・オースティンに甘く入った変化球を右翼席へ運ばれてソロを被弾。その裏の攻撃で代打が送られてマウンドを降りた。 助っ人右腕は、今季甲子園で3試合に登板し、白星なし。4度目の挑戦で本拠地初勝利を目指したが、かなわなかった。

◆阪神のD1位・佐藤輝(近大)のバットから反撃開始だ。0-4の七回。先頭のサンズが右中間を破る二塁打で出塁すると、背番号8がDeNA先発の左腕・坂本の129キロ変化球を右前へ弾き返し、二走・サンズも激走で一気に生還した。 この日、佐藤輝は「マイナビオールスターゲーム2021」(16日・メットライフ、17日・楽天生命パーク)で行われるホームランダービーの出場選手にも選出された。〝御礼タイムリー〟でゼロ行進を止め、意地をみせた。

◆1―4の八回に登板した藤浪晋太郎投手(27)が1死も奪うことができず、4失点を喫して降板した。 先頭の佐野を四球で歩かせると、4番・オースティンには高めの156キロを中堅後方へとはじき返され失点すると、宮崎にも中越えの適時二塁打を浴びた。D2位・牧(中央大)にも左前打でつながれて一、三塁とされ、ソトのボテボテの打球は遊撃への内野安打となり3点目を失った。 ここでベンチからタオルが投げられて1死を奪うこともできず無念の降板。後を継いだ6番手の斎藤は2死までこぎつけたが、桑原にタイムリーを打たれリードを広げられた。 藤浪は前日12日にも3点ビハインドの八回に登板して3者連続空振り三振を奪い、サヨナラ勝利を呼び込む好救援を披露。しかし、この試合では甘く入った球を痛打される展開となり、6月23日の中日戦(バンテリンドーム)以来、自身6試合ぶりに失点を記録した。

◆阪神は投手陣が打ち込まれてDeNAに敗れた。 中12日で先発したアルカンタラが一回から連打を食らい、一挙3失点。三回にもソロを浴びるなど来日後最短の3回7安打4失点KOとなった。 八回に登板した藤浪も佐野に与えた四球から4連打を許して4失点。1死も奪うことができず、マウンドを降りた。 打線は七回にD1位・佐藤輝(近大)が放った適時打と、九回のサンズのソロでの2得点のみと振るわなかった。 2位・巨人もヤクルトに敗れたことで阪神は首位でのシーズン折り返しが決定。前半戦最後となる14日の試合を白星で締めくくりたいところだ。

◆DeNAが1分けを挟んだ連敗を4で止めた。一回に佐野と宮崎、ソトの適時打で3点を先制し、三回にソロ本塁打のオースティンが八回には適時二塁打。坂本は的を絞らせず、7回1失点で3勝目。阪神はアルカンタラが誤算だった。

◆DeNA・坂本裕哉投手が、自己最長の7回を1失点に抑える好投で3勝目をマークした。 「相手打線が初球から積極的に打ちにきていたので、入り球から勝負球として投げていた。一球一球、意図を持ち走者が出ても冷静に打者と勝負できたことが良かった」 前夜は3―0の九回2死から、守護神の三嶋がまさかの5連打を浴びてサヨナラ負け。この悪夢が、2年目左腕の闘志に火をつけた。 「直属の幼稚園の先輩がやられてしまったので、その分やり返したいと思った」 三嶋とは同じ福岡生まれで、同じ周船第二幼稚園の出身。悔しい敗戦を、登板前夜にテレビで見ていた坂本は「逆にきょうのモチベーションになった。怖さは全くなく、相手はノリノリでくると思ったので、つっぱり返すような気持ちでいった」と有言実行の初球から強気に攻める投球で、阪神打線を封じた。

◆阪神は先発のラウル・アルカンタラ投手(28)が一回に3点を失い、打線も2得点に終わって完敗。巨人が敗れたため、前半戦の首位ターンが決まったものの、矢野耀大監督(52)の口調は重かった。 --アルカンタラは立ち上がりから苦しい投球 「うーん、いやまあ全部、とらえられてるしね、アウトになってるのもしっかり打ち取ったというのがなかったしね。まあまあ、うーん...。バッターからすると打ちにくいっていう感じには見えなかったね」 --二保からつないでいって反撃ムードも 「あそこでなんとかね、1点でも2点でも取れる形ができればね、また変わったと思うし。そういうところでは、ピッチャーが頑張ってくれたからね、打線もやっぱりそこは頑張っていかないと、っていうところはあるよね」 --打線は坂本に手こずった 「チェンジアップがね。ちょっとてこずっているなという感じがあった。それでちょっと迷うというかそういう形になっているのかなと」 -―打線の状態は底を脱した感じではない 「底はどうか知らんけど。それは知らんけど」 -―佐藤輝が2安打 「きっかけがどこにあるかわかないけど、いろいろ取り組みながら。その中で苦しみながらでもヒットが出るってことは気分的にも違うし。ただ、自分のスイングというのは、輝らしさというスイングが出るのはまだ少ない。そういうのが増えてくることでアイツのバッティングという形になると思うんで。そういうのが増えていってくれたらなと思う」 --二保は中継ぎでも 「二保は元々、どっちでもできると思っているし。前回の登板より短い登板というのもあったと思うけど、しっかり腕も振ってね。二保らしさはしっかり出してくれた。中盤で点が取れればという雰囲気を作ってくれたのは二保だったんで。そういうところでは、助かるというか、いてくれると、色んなところで力になってくれるんではないかと思います」 --首位で前半戦で折り返すことが決まった 「もちろん今首位でいることは大事だけど、最終的に終わって首位にいることが大事なんでね。自分たちの野球がなかなかできにくい、交流戦明けになってきているんでね。明日何とかいい形で終わって、スッキリしたいなと思っています」

◆前日12日に劇的な勝ち方をしただけに、この試合が大事になるとみていたが、状態が悪い打線にはアルカンタラの一回4失点は重すぎた。登板間隔が中12日と空いていた。先発は間が空きすぎると非常に調整が難しい。もともと球筋がきれいな投手。正直にストライクを取りに行き過ぎて、打ちごろの球が多かった。変化球もほとんど甘く、狙い打ちされた。 ■まだボールに自信ない...四球から崩れた藤浪 2試合連続好投の及川に続いて投げた藤浪に期待したが、四球を出してから、ボールを置きに行くようになって、急に腕が振れなくなった。ここで崩れるということはまだ自分のボールに自信がないのだろう。 動じないところもある及川は、後半戦期待できそうだが、それ以外の勝ちパターンの陣容が固まらない。二保は経験もあるし、修羅場をくぐっている投手。馬場、斎藤、春先に頑張っていた鍛冶屋、小林のけがの治り具合はどうか。エキシビションマッチをうまく使って、後半戦に向けて再編してほしい。 いまはチームのバイオリズムが1年の間で最も悪く、我慢の時期。現状でも阪神が有利なのは間違いない。バタバタすることはない。(本紙専属評論家)

◆DeNAは一回から5安打を集めて3点を先取。12日に3―0の九回に逆転サヨナラ負けした悪夢を払拭した。 適時打の佐野と宮崎は2球目で、ソトは初球をクリーンヒット。各打者の集中力が際立ち、三浦監督は「嫌な流れを初回から断ち切る、いい攻撃ができた」と満足そうだった。

◆ソフトバンクからトレード加入した二保が四回から登板し、2回を2安打無失点に抑えた。7日のヤクルト戦(神宮)で移籍後初先発(5回4失点)した以降の試合は、ブルペン待機していた。「2イニングともランナーを背負っての投球になってしまった。チームに良い流れを持ってくるためにも三者凡退で抑えたかった」。自己採点は厳しめだったが、矢野監督は「中盤で点が取れればという雰囲気を作ってくれたのは二保。色んなところで力になってくれるのではないか」と評価した。

◆サンズは1-8の九回に17号ソロを放ち、最後に意地を見せた。「なんとかチームに勢いを持ってこられるようにということを意識して、強くスイングした。良い結果にはなったけど、負けたことが悔しい」。先頭で3番手・桜井の高めの直球をとらえ、左中間へと運んだ。試合終盤での一発は空砲に終わったが、自身は最近7戦3発と打棒が復活してきている。

◆堂々と投げ込み、プロ初黒星のリベンジを果たした。高卒2年目左腕の及川が中継ぎで登板し、1回無安打無失点の好投。自己最長を更新する6試合連続無失点と安定感も光り、勝利の方程式入りも期待したくなる躍動感を見せつけた。 「ストライク先行で投げることができた。前回、ホームランを打たれてしまった桑原選手にも慎重に、その中でも思い切って投げて抑えることができたのでよかった」 0-4の七回。4番手で登板すると、投手の坂本は外角低めのスライダーで空振り三振。続く桑原との対決は初球から151キロ直球を続け、その後フルカウントから高め149キロで右飛に打ち取り、最後は森も力強い直球で中飛に抑えた。 6月26日の同戦は、1-0の七回に馬場の後を受けてマウンドに上がったが、桑原に逆転2ランを食らってプロ初黒星をつけられた。2勝目をあげた前日12日の登板で対決の機会はなかったが、きっちりやり返した。15試合で防御率1・56、2ホールド。貴重な左の中継ぎとして、勝ちパターンに組み込まれても不思議ではない成績だ。 「(森と)同級生ということは特に意識せず、チームのために投げているので、抑えられてよかったですし、三者凡退で帰ってくることができてよかった」 頼もしさを増してきた20歳の大器。前半戦残り1試合を勝利で締め、後半戦は、虎のVへの貴重なピースとなる。(新里公章)

◆連打は終わっていなかった...。約21時間前の劇的5連打での「4×」逆転サヨナラ勝利から、流れを継いだのは相手の方だった。先発したアルカンタラがプレーボール3連打など、一回から5安打を浴び、いきなり3失点。巨人が敗れ首位でのシーズン折り返しを決めた矢野虎だったが、前夜の劇勝も吹っ飛ぶ不安いっぱいの一敗を喫した。 「自分たちの野球がなかなかできにくい、交流戦明け(の戦い)になってきているんでね。明日(14日)なんとかいい形で終わって、スッキリしたいなと思っています」 1試合を残し、首位ターンを決めた。実に13年ぶりで、本来であれば16年ぶりのVへ自信を深めるタイミングとなるはずだった。だが将も振り返ったように、交流戦明け初戦の6月18日に巨人戦を勝った時点では今季最大8ゲーム差があっただけに「貯金16、2位と2ゲーム差」での首位ターン決定でも、停滞感ばかりがチームを包む。 特に、12日のDeNA戦であんな勝ち方をしただけに、0-3の九回2死からの大逆転勝利で指揮官の涙腺が決壊するほどの星を拾っただけに、その流れはつなげなくてはならなかった。だがロハスに代わって昇格し、中12日で登板したアルカンタラがカンカンと打たれて止まらなかった。一回から3失点。三回にオースティンに19号ソロを浴びると、たまらず裏の攻撃で代打を送った。ロハスともども、コロナ禍で来日が遅れるという事情はあったものの、前半戦ラス投でも3回7安打4失点KO。2勝2敗で防御率4・05という不安ばかりが残ってしまった。1-4の八回には、前日3者連続三振の快投で劇勝に貢献した藤浪が先頭への四球から4連打を浴び、1死も奪えず4失点。開幕投手からリリーフに回り、力を見せ始めたかと思うと、また四球も絡み打ち込まれる。藤浪さえ本調子なら投手陣のやり繰りも一気に楽になるだけに、悩ましい。今季ワースト16被安打。打線も2得点と逆戻り。矢野監督は「もちろん今首位でいることは大事だけど、最終的に終わって首位にいることが大事」と力を込めた。14日を気持ちよく締められれば、8月13日の広島戦(京セラ)までのひと月で、また前向きに立て直せる。残り60試合。最後にトップであるために、悪い流れのままでは折り返せない。(長友孝輔)■データBOX?...阪神の首位ターンは2008年以来13年ぶり9度目。過去8度のうちリーグ優勝は3度で、優勝確率は37・5%。08年は前半戦を終えて60勝32敗1分で、2位巨人に9・5ゲーム差をつけていたが、最終的に2位。岡田彰布監督が辞任した?...パ・リーグではオリックスが前日12日に首位ターンを決めており、この関西2球団が前半戦を揃って首位で終えるのは1972年(オリックスは当時、阪急)以来49年ぶり。同年、最終的に阪神は2位、阪急は優勝?...阪神の1試合16被安打は、5月17日のヤクルト戦(●3-14、甲子園)での15を超えて今季ワースト。2019年7月28日の巨人戦(●4―16、東京ドーム)以来?...DeNAの坂本には昨季は2試合対戦して防御率8・10と打ち込んだが、今季は4月23日(甲子園)に6回1失点で白星を献上したのに続き、連敗となった

◆虎も夢舞台も盛り上げる! 阪神はDeNAに2―8で大敗も、2位巨人も敗れて13年ぶりの首位ターンが決まった。ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=は適時打を含む2安打。試合前には「マイナビオールスターゲーム2021」(16日・メットライフ、17日・楽天生命パーク)で実施するホームランダービーに、ファン投票で両リーグ最多の1万7027票を集めて出場することが発表された。大谷の次は、輝の番だ!! 目に焼き付けた〝オオタニサン〟の雄姿が力に変わる。希望に満ちた黄金ルーキーが快音を響かせた。日米で巻き起こるフィーバーに負けていられない。甲子園では佐藤輝がホームランダービー選出御礼の2安打だ。 「いやー、もう必死に食らいついただけです。食らいつけるように頑張りました」 0-4の七回無死二塁。坂本の129キロをしぶとく右前に運んだ。意地の適時打。二回は左中間二塁打を放っており、3日の広島戦(マツダ)以来、今季24度目のマルチ安打だ。チームは大敗も2ゲーム差の2位巨人も敗れたため、2008年以来の前半戦首位ターンが確定。調子を取り戻し始めた黄金ルーキーにとって、さらに発奮材料となる吉報もあった。 「選んでいただいたからにはしっかり打てるように一生懸命バットを振りたいと思います」球宴の試合前に2日間に渡って行われるホームランダービーの出場選手がこの日、発表され、佐藤輝はNPB公式サイト&ツイッター内で行われたファン投票で、両リーグ最多の1万7027票を集めた。ファン投票での選出を始めた2008年以降、新人の出場は初の快挙。新人左打者最多タイの20発を放っている大砲へのファンの期待は、26発でセ・トップの村上(ヤクルト)も岡本和(巨人)も、22発でパ・トップの柳田(ソフトバンク)をも上回った。新人初となるセ・リーグ最多得票を集めた球宴ファン投票に続く、〝2冠〟だ。発表の7時間前、米大リーグの本塁打競争にエンゼルス・大谷翔平投手(27)が日本選手として初出場。惜しくも敗れたが、朝の眠気など吹きとぶ熱戦に、テレビにくぎ付けとなった。「格が違いますね。飛距離とか」幼少期から憧れの選手は日米通算4367安打のイチロー。MLBは、仁川学院高時代からテレビで逐一チェックする野球の教科書だった。そんな舞台で、4歳上の日本人が世界中のファンの視線を独占している-。燃えないわけがない。「ちょっとでも近づけられるように、(ホームランダービーで)優勝できるように、期待に応えられるように頑張っていきたいと思います」ホームランダービーの優勝とオールスターMVPを同一年に獲得すれば2016年、日本ハム時代の大谷以来の快挙。佐藤輝は20本塁打のうち7本を、朝に海の向こうで大谷がホームランを打った日に放っている。前を行く先輩の背中を、球宴でも追いかける。まずは14日、前半戦ラスト。「いい形で終われるように、先制点がとれるように」。夢舞台へ弾みをつけるアーチを架ける。そして自慢のパワーで夢を運ぶ怪物ルーキーが、全国に〝サトテルフィーバー〟を巻き起こす。(原田遼太郎)

◆なんでやね~ん? 前日、八回が終わって0-3の崖っぷちから九回に4点を奪い、奇跡のサヨナラ勝ちをしたら、否が応でも勢いそのままに猛虎打線爆発を期待するやろー!! それがDeNA2年目の坂本に六回まで3安打無得点。なんで? なんで? なんでやねーん! 五回、DeNAの先発・坂本は勝ち投手の権利がかかり、神経を使うマウンドのはずなのに...。佐藤輝は初球を打って遊飛、梅野も同じく初球を三ゴロ、中野もまたまた初球で内野安打、代打・陽川は初球をスイングして、3球目を左前打、近本は3球目を打って二直で無得点。その間の投球数はわずか9球...。 ファーストストライクを狙うのは決して悪くないけど、ただ甘くもないのにストライクゾーンにきたから、打ちにいくことが最近、やたらと目につくのだ。打線に勢いがあるときならともかく、下降気味のときには徹底ミーティングを要求するのであーる!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
48323 0.600
(↓0.008)
-
(-)
60340
(+2)
300
(+8)
81
(+1)
70
(-)
0.252
(-)
3.310
(↓0.06)
2
(-)
巨人
433110 0.581
(↓0.008)
2
(-)
59350
(+6)
294
(+14)
108
(-)
51
(+1)
0.251
(-)
3.360
(↓0.13)
3
(-)
ヤクルト
41329 0.562
(↑0.006)
3.5
(↑1)
61355
(+14)
328
(+6)
86
(+7)
50
(-)
0.254
(↑0.002)
3.770
(↓0.03)
4
(-)
中日
324112 0.438
(↓0.006)
12.5
(-)
58249
(+3)
291
(+8)
49
(+2)
41
(-)
0.239
(-)
3.320
(↓0.06)
5
(-)
広島
294210 0.408
(↑0.008)
14.5
(↑1)
62296
(+8)
349
(+3)
58
(+1)
40
(+1)
0.261
(↑0.002)
3.920
(↑0.01)
6
(-)
DeNA
304411 0.405
(↑0.008)
15
(↑1)
58340
(+8)
400
(+2)
84
(+1)
18
(-)
0.261
(↑0.002
4.500
(↑0.03)