阪神(☆4対3★)DeNA =リーグ戦13回戦(2021.07.12)・阪神甲子園球場=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
DeNA
0010002003410
阪神
000000004X41220
勝利投手:及川 雅貴(2勝1敗0S)
敗戦投手:三嶋 一輝(1勝4敗15S)
  DAZN
チケットぴあ 阪神戦チケット予約 DeNA戦チケット予約
◆阪神が劇的な逆転サヨナラ勝ち。阪神は3点を追う9回裏、近本、糸原、マルテが3者連続適時打を放ち、土壇場で同点とする。なおも続く好機で大山の適時打が飛び出し、試合を決めた。投げては、3番手・及川が今季2勝目。敗れたDeNAは、4番手・三嶋が誤算だった。

◆阪神青柳晃洋投手(27)が今季3度目の甲子園登板。甲子園ではここまで2戦2勝の負けなしで、15イニングを投げて防御率は1・80。失点はソロ本塁打2本、犠飛1本の3点しかなく、本拠地で適時安打を許していない。

◆阪神藤浪晋太郎投手(27)がインスタグラムを更新し、前日11日にニッポンハム・レディースで国内ツアー初優勝を果たした堀琴音(25)を祝福した。 24時間で自動消滅する投稿機能「ストーリーズ」で「1日遅れたけど...こっちゃん初優勝おめでとう」と投稿。続けて2ショット写真を投稿し「同じNクリニック生としてめちゃくちゃ刺激になります!! 負けへんように頑張らんと...」と史上2組目の姉妹でのツアー優勝に刺激を受けたようすだった。

◆両チームのスタメンが発表された。 阪神は、調子を落としているドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が7月2日広島戦以来のスタメン落ち。代わりにメル・ロハス・ジュニア外野手(31)が「6番右翼」に入った。DeNAは、11日の中日戦で活躍した高卒2年目の森敬斗内野手(19)が「2番遊撃」でこの日もスタメンに起用された。 先発は阪神が青柳晃洋投手(27)、DeNAは大貫晋一投手(27)の両右腕。

◆「ウル虎の夏2021」の4日目はお笑いコンビ「コロコロチキチキペッパーズ」の西野創人(29)、ナダル(36)が登場した。登場すると早速「(球場に入って)2秒でヤジられました」と"ナダル節"をさく裂。その後はイベントを盛り上げ、スタメン選手呼び出しを行った。 ナダルは近大出身。阪神佐藤輝と母校が同じで「3割30本30盗塁」とトリプルスリーを期待した。「やっぱり活躍されているんで。飯連れて行きたいです」。4月に近大の入学式にゲストで出席した際も同様の事を語っており、恒例の"飯おごり"宣言が飛び出したが「ボケで飯の話はしているんですけど、毎回ヤフーコメントで『ええ加減にしろよ』って来るんで...、柔らかく書いてもらうっていう(お願いをしたい)」と笑わせた。 さらに、ここぞとばかりに野球にまつわるエピソードを披露。背番号29は「井川さん、めっちゃ好きで」と元阪神井川慶氏に憧れてのものとし「こいつ(西野)もうバラしてるんでいいんですけど、ヤフーのアカウントの名前が『チェンジアップ』っていう。(井川氏の)チェンジアップがキレキレやったんで」とこちらもキレキレのトークが止まらなかった。 西野は高校球児だったこともあり「甲子園のフィールドの中に入れたのが夢のようですね」と感慨深げ。「梅野選手近くで見たらこんなかっこええねや、って。、僕キャッチャーずっとやってたんで、勝手に見ちゃいました。キャッチングとか」と興奮気味に話した。 9日が初日だった「ウル虎の夏2021」は前カードの巨人戦に続き、12~14日DeNA戦(ともに甲子園)でも開催。虎の顔があしらわれた「ウル虎の夏2021限定オリジナルジャージー」が来場者にプレゼントされる。 また、13日以降もタイガースファン芸人がスタメン選手呼び出しやヒーローインタビューのお出迎えなど、スペシャルな演出に登場する。

◆阪神青柳晃洋投手(27)が7回3失点(自責1)で降板した。 3回には無死満塁のピンチを背負うも、佐野の二ゴロの間の1点のみの最少失点で切り抜けた。 しかし7回1死で伊藤光に四球を与えた。その後犠打と四球で2死一、二塁としたところで森を迎えた。1ストライクからの122キロを左中間へはじき返され、適時二塁打で2点を失った(2点目は左翼手サンズの失策)。 青柳は6月は4戦4勝。防御率1・20と好成績を残し月間MVPに輝いた。6日ヤクルト戦(神宮)では勢い、そのままに8回無失点で8勝目を挙げていた。

◆DeNA森敬斗内野手(19)が、高卒2年目でプロ初打点を挙げた。1-0で迎えた7回2死一、二塁、1ストライクから122キロのシンカーを左中間へはじき返した。二塁走者が生還し、打点1を挙げた。「全打席意識しているのですが、平常心で打席に入ることができました。ショート方向に打ち返すイメージでいった結果、しっかり捉えることができました。貴重な追加点を取ることができうれしいです」と振り返った。 左翼サンズが打球処理を手間取る間に一塁走者も生還。一気に3-0とリードを広げた。セ・リーグの防御率1位、青柳を打っての打点となった。 今季初スタメンだった前日にも走攻守で勝利に大きく貢献した。「仁志ファーム監督をはじめコーチの方々に言われたことを思い出し自分のやれることをやろうと思いやりました」と語っていた1軍最年少、19歳の内野手。2試合連続で活躍した。

◆DeNAは3回、無死満塁の好機をつかみ佐野の二ゴロの間に1点を先制。阪神は2、3回と得点圏に走者を送るが無得点。 DeNAは5回2死一、三塁の好機を逃し追加点を奪えなかった。阪神は6回まで5安打を放つが、大貫に要所を抑えられ無得点。 DeNAは7回2点を追加、9回は三嶋で逃げ切りをはかったが、阪神は9回2死から5連打で4点を奪い逆転サヨナラ勝ちした。及川が2勝目。三嶋は4敗目。

◆阪神が驚異的な粘りを見せ、逆転サヨナラ勝ちだ。自身7連勝を狙った青柳晃洋投手(27)が、7回3失点(自責1)と粘ったが、打線が援護できず、0-3のまま9回に入った。 2死一塁から、スタメン落ちした佐藤輝明内野手(22)が代打で出場し、DeNAの守護神三嶋から中前打でつなぐと、怒濤(どとう)の反撃がはじまった。近本、糸原、マルテと3連続タイムリーで同点。さらに4番大山悠輔内野手(26)が初球をセンター前へサヨナラヒット。9回2死からの大逆転勝利で連敗を止めた。13日に勝つか引き分ければ、同日の巨人の結果に関係なく、08年以来13年ぶりの前半戦首位ターンとなる。

◆今季3度目のスタメン落ちとなっていた阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、9回2死一塁で代打で登場し、三嶋から中前打を放った。「輝シフト」で二塁ベース付近に守っていた遊撃大和の左を抜いた。 プロ3度目の代打で初安打。直近4試合は13打数1安打と苦しんでいたが、復調の一打にしたいところだ。 ▽阪神佐藤輝(3度目のスタメン落ちも9回代打で中前打。サヨナラ勝利につなげる)「もう...無我夢中で...。しっかり食らいついてシフトの間を抜けてくれてよかったです。価値ある1本になったと思います」

◆阪神が9回に3点差をひっくり返し、サヨナラ勝利を収めた。試合を決めた一打は4番大山悠輔内野手(26)。「本当にうれしいです」と喜びをかみしめた。 ヒーローインタビューは以下の通り-今の気持ちは 本当にうれしいです。 -大きな拍手。 すごく届いていたので、ありがとうございます。 -3点差。みんながつないだ。打席の前にはどんな気持ちで 打つだけでしたし、今はここ(お立ち台)に僕が立っていますけど、チーム全員の勝利だと思うので、今日の勝利はチーム一丸となって勝ち取った勝利だと思っています。 -初球見事に 打つしかないと思っていたので、とにかく振っていこうと思って打席に入りました。 -今日は悔しい思いも もちろん、悔しい気持ちもありましたし。個人的にも、もやもやした気分もありましたけど、試合は終わってなかったですし最後は打つぞと思って打席に入りました。 -打球が抜けた瞬間は 勝ったな、と。良かったです。 -祝福の瞬間はどういった気持ち 気持ちよかったです。 -主軸として大きな役割 大事なところで打てていない。なんとか最後、大事なところで打ててよかったです。 -大きな1勝 大きい1勝だと思っています。ここ数試合チームとして苦しい試合が続いていた。これで流れが変わるように、明日しっかりやっていきたいと思います。 -これからも「4番大山」の活躍を楽しみに 頑張ります。 -最後に13、14日の2試合に向けて 本当に大事な2試合だと思っているので、チーム一丸となって勝利に向かって頑張っていきますので応援よろしくお願いします。

◆DeNAが5月18日以来(5連敗)の4連敗を喫した。3点差で迎えた9回、抑えの三嶋一輝投手が6安打を浴びて一挙4失点。開幕戦以来となるサヨナラ負けを喫した。 三浦監督は三嶋の投球について「2死から。まあどのへんがというか。球場の雰囲気はああいう展開で」。その後「ボールどうこうより結果ですからね。打たれたということです」と話した。 1点差に迫られた後の2死一、三塁、3番マルテには2ストライクからの3球目、153キロ直球がボールと判定された。捕手の伊藤光が尻もちをついて悔しがるほど、きわどい球だった。「結果なので。はい。終わったことなので、明日やり返せるように頑張ります」と三浦監督は言葉を絞りだした。この次の球、154キロ直球を中前に同点打とされた。 三浦監督の三嶋に対する信頼は揺るがない。「今日はやられましたけど、今までしっかり抑えてくれてますから。本人が一番悔しいと思う」と思いやった。 8回までは3-0とリードした。7回に2年目の森敬斗内野手(19)が高校時代以来となる甲子園でプロ初打点をマークしていた。勝利をつかみかけただけに、痛い黒星となった。

◆阪神の青柳晃洋投手(27)が7回3失点(自責1)で粘った。 3回無死満塁のピンチを1失点で切り抜けたが、7回に2つの四球を出すと森に適時打を浴び2点を失った。「僕のエラーからピンチを作ったりとか、四球を出してランナーがかえってきたりとかで迷惑かけたんですけど...。なんとか粘れたんで、最後、勝ってくれて良かった」。反省の言葉が口をついたが試合はつくった。五輪前最後の登板を上々の内容で締めくくった。

◆DeNAは3回、無死満塁の好機をつかみ佐野の二ゴロの間に1点を先制。 DeNAは7回に森の適時二塁打で2点追加。9回は三嶋で逃げ切りをはかったが、阪神は9回2死から5連打で4点を奪い逆転サヨナラ勝ちした。

◆阪神が9回に4点を挙げ逆転サヨナラ勝ち。阪神の3点差以上逆転サヨナラ勝ちは09年4月7日、広島戦(甲子園)で7-10の9回裏、金本のサヨナラ2点二塁打などで4点を挙げて以来12年ぶり。 大山のサヨナラ打は昨年11月4日ヤクルト戦の本塁打以来4度目。19年5月3日DeNA戦では、この日と同じ三嶋からサヨナラ二塁打を放っている。

◆阪神及川雅貴投手(20)が9回を3人で抑え、劇的勝利を呼び込んだ。 9回のDeNA山下を二ゴロ、伊藤光は遊直、関根は空振り三振と、3者凡退に封じた。「結果として流れをつくれたのかな」とサヨナラ勝ちを呼び込む快投に頬を緩めた。 前回対戦の26日DeNA戦では桑原に逆転2ランを浴び、敗戦投手となった。「あの試合で改めてプロの洗礼というか。ボール1個分甘いだけでもああやってホームランを打たれた」と1軍のレベルの高さを痛感。その翌日には矢野監督と話し合い、及川も「1球の大切さについて改めて感じた」と反省。その敗戦を糧に「そこから少しは自分が成長できた」と、大逆転の立役者は今季2勝目を手に入れた。堂々とした投げっぷりが持ち味の若き左腕が、虎のブルペンに新風を吹かせた。

◆DeNAは開幕戦以来のサヨナラ負けで4連敗となり、最下位に転落した。3点差の9回、三嶋が6安打で4失点。マルテに同点打を浴びた場面は、2ストライクから3球目の153キロ直球がボールと判定された。きわどい判定だったが三浦監督は「結果なので。はい。終わったことなので、明日やり返せるように頑張ります」とした。三嶋については「今日はやられましたけど今までしっかり抑えてくれてますから。本人が一番悔しいと思う」と揺るがない信頼を口にした。

◆阪神メル・ロハス・ジュニア外野手は13日に出場選手登録を抹消される見込みだ。 試合後に矢野監督が「抹消になると思う」と明かした。外国人枠の関係で先発するアルカンタラと入れ替わる形だ。この日は佐藤輝に代わり、6番右翼で先発。3日広島戦(マツダスタジアム)以来のスタメンで2回に右前打を放ち4打数1安打だった。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手(30)が価値ある同点打を放った。 2点を追加し、なおも1点を追う9回2死一、三塁。追い込まれながらも、真ん中付近の154キロ直球を中前にはじき返した。「自分だけでなくて、みんなの仕事もあってのことなので、それも重ねてうれしいです」。勝負強い打撃を見せ、サヨナラ勝ちにつないだ。

◆阪神近本光司外野手(26)が反撃の適時打を放った。 3点を追う2死一、三塁で、DeNAのクローザー三嶋のフォークにくらいつき左前に運んだ。「とにかく後ろにつなぐことしか考えていませんでした」とチーム21イニングぶりの得点を呼び込んだ。「そのあとみんなが本当によく打ってくれて、勝つことができて良かったです」と、3点差逆転劇を喜んだ。

◆阪神藤浪晋太郎投手が、気迫のKKKで、逆転サヨナラ劇への流れを作った。 3点ビハインドの8回に2番手で登板。オースティン、宮崎、牧の主軸と対峙(たいじ)した。オースティンは外角低めのカットボールを振らせ、宮崎も2球で追い込み、外角低めのカットボールで空振り三振。牧はこの日最速の158キロストレートを軸に攻め、カウント2-2からの6球目、やはり外角低めのカットボールで空を切らせた。 藤浪は「状態は良かったですし、(リードされていて)そんなに気負う展開でもなかったので、思い切って、いい流れを持って来られるように投げました」と充実の汗。その言葉通り、圧倒的な投球で3者三振に切って取った。 直前の7回に青柳が2点を奪われたが、流れを引き戻した快投を矢野監督もたたえた。「晋太郎も頑張ってくれた。流れが変わるような3者三振」。重苦しいムードを一変させた投球を、3番手及川とともにたたえた。 これで藤浪は登板5試合連続で無失点と上り調子。先発からリリーフに役割が変わっても、思い切り腕を振り、チームの勝利に貢献することに変わりはない。【高垣誠】

◆阪神梅野隆太郎捕手が逆転サヨナラ勝ちの導火線となった。 9回1死から、この日3本目となる右前打で出塁。2死から5連打の大逆転劇を呼び込んだ。梅野は「みんなの根性というか、最後諦めない気持ちで、(つなげば)なにかあるんじゃないかと、ヒットを1本ずつつなぐことで気持ちも入るし、打線もそうだけど、気持ちがつながっていった9回の攻撃だと思います」と劇的勝利を振り返った。

◆阪神が9回裏に3点差をはね返す逆転サヨナラ勝ち。矢野燿大監督(52)は、2死からヒットをつないで逆転サヨナラに持って行った選手の粘り強さに感動し、インタビュー中に思わず涙ぐむシーンもあった。一問一答は以下の通り。 (テレビインタビュー) -今の気持ちは 矢野監督 いや、えー...、感動しています。 -最終回に4本のタイムリーでつないだ 矢野監督 苦しかったですけどね。本当に1人1人が......(感極まる)。 -目が潤んでいる 矢野監督 ...ちょっと待ってください。(5、6秒ほど沈黙して)全員の気持ちだと思います。 -最後は大山が決めてくれた 矢野監督 (大山)悠輔もね、苦しんでいましたし。そこまでね、みんなでつないで。(つなぐこと)でしか、この試合勝てないんでね。投げる方も、晋太郎も頑張ってくれましたし。及川も。で、青柳もね、最後の2点は悔しかったですけど、ベンチでも全員、諦めることなくやっていたんで。 -諦めずタイガースらしい野球ができた 矢野監督 ......。そうですね。1年間の中でいろいろありますけどね、僕としては勝てない中でもやりきってくれていたのはすごくうれしかったですし、その中でも結果が......。僕自身、勉強になってることですけど......。 -残り2試合に向けて 矢野監督 うーん...。そうですね。今日みたいな感動できるような試合が毎日できるわけじゃないですけど、そういう思いで僕たちは戦っているんで、一緒にやっていきたいと思います。 (囲み取材) -大山が決めたのも大きいのでは 矢野監督 いやいや、1つじゃないんだよね。誰か1人で勝てるわけじゃないし。もちろん決めたのは悠輔だけど、リュウ(梅野)が出てくれたからこそやし。みんなの、誰か1人が頑張ってこの試合展開にはならないんでね。 -昨日から打線が苦しかった 矢野監督 まあ1年間の中で状態が良かったり良くなかったりっていうのがある中で、今一番苦しい時期に来ているなっていうのは、俺も分かっていたし。その中でもみんなベンチで声を出しているし、コーチも一生懸命、何とか打開策をやっている。勝負事なんで結果は出てくるし。結果に結びつかないというところでもどかしさというか、チームを預かっている以上ね、そこの難しさというのがずっとあったんで。みんながこういう形で報いてくれたっていうのに感動している。 -佐藤輝はスタメン外れた中で食らいついた 矢野監督 うん。だからテルも大きいし、みんなが大きいのよ。誰か1人じゃない。 -青柳は失策もあった中、試合をつくった 矢野監督 まあ、でもあれも攻めているエラーなんでね。別にやることを、まあ低く投げろっていう最低限のことはやってるし、アウトにしようとやってるから。結果的にエラーってついてるんだけど、俺は全然エラーだと思っていない。強いて言えば最後の2点。四球絡みの2点というところはアイツ自身も悔しいだろうし、そこは反省するところはあるかなと思うけど、それ以外は完璧な投球だったと思います。 -藤浪、及川もよかった 矢野監督 まあね、流れが変わるような3者三振であったり、及川も気持ちもしっかり、スピードガンも一番出たんかな。そういう投球だった。オレらが目指す野球、全員でやるとか、諦めないとか。積極的とか。俺らの野球の中にはいろいろなテーマがあるけど、そういうのは本当にやりきってくれている。そういうプレーをしてくれたことに感動しています。 -残り2試合につながる 矢野監督 つなげないとね。つながるだけの価値のある勝ち方ができたと思うし、残り2戦しっかり戦っていきます。 -ロハスは外国人枠の関係で明日、抹消になる 矢野監督 抹消になると思う。

◆矢野阪神が土壇場で底力を見せた。3点を追う9回2死一塁で、今季3度目のスタメン落ちとなった佐藤輝明内野手(22)が代打で登場。中前に代打初安打を放つと、ここから怒濤(どとう)の5連打。最後は大山悠輔内野手(26)がサヨナラ打を締めた。貧打から抜け出しての激勝に、矢野燿大監督(52)は思わず涙ぐんだ。きょう13日のDeNA戦で13年ぶりの首位ターンを決める。試合を決めた4番の背中をめがけて、夢中で走った。ナインから注がれるウオーターシャワーの中、佐藤輝はなんとか主将のユニホームにたどり着き、ポンポンとたたいた。午後9時10分。甲子園に地鳴りのようなメガホン音が響いた。 眠れる虎を佐藤輝が目覚めさせた。スコアボードに0が並んだ、3点ビハインドの9回。1死から梅野が右前打で出塁すると、ゆっくりと背番号8がネクストバッターズサークルに現れた。その瞬間、大きな拍手が響く。7日ヤクルト戦(神宮)で20号を放ってから、直近4試合で13打数1安打。プロ3度目のスタメン落ちでも、虎党が見たいのはこの男だった。2死一塁。2球で追い込まれてから三嶋の3球目フォークに腕を伸ばした。 「もう...無我夢中で...。しっかり食らいついてシフトの間を抜けてくれてよかったです」 二塁ベース付近に守っていた遊撃大和の左を破った。ルーキーのプロ初代打安打から大山まで怒濤(どとう)の5連打。チーム21イニングぶりの得点は、9回に6安打を集め、一気に4点も入った。ウル虎の夏にふさわしいサヨナラ劇に「(勝ちにつながったことが)一番大きいですね。価値ある1本になったと思います」と胸を張った。 試合後のインタビューで矢野監督は、こみ上げるものを抑えられなかった。「えー...、感動しています。苦しかったですけどね。本当に一人一人が...。ちょっと待ってください...」。約5秒の沈黙の後、「全員の気持ちだと思います」と言った。 「『みんなでつないで』でしか、この試合勝てないんで。ベンチでも全員、諦めることなくやっていた。1年の中でいろいろありますけど、勝てない中でもやり切ってくれていたのはすごくうれしかった」 指揮官の涙が物語る劇勝。2位巨人に連敗してからの1勝は価値がある。引き分け以上で前半戦首位ターンが決まる13日へ「つなげないとね。つながるだけの価値のある勝ち方ができたと思う」と力を込めた。勢いそのまま、残り2戦も取りにいく。【中野椋】 ▼阪神は13日にも前半戦の首位通過が決まる。DeNA戦に○または△なら、巨人の結果にかかわらず決定。仮に阪神●でも巨人も●なら首位ターンとなる。阪神が前半戦を1位で終えれば、08年以来13年ぶり。

◆主将の、4番の感情があふれ出した。痛烈なゴロが二遊間を抜ける。逆転サヨナラを確信した瞬間、阪神大山悠輔内野手(26)は右拳を夜空に突き上げた。 四方八方から仲間のウオーターシャワーを浴びる。両拳を握り、また「よっしゃー」と叫ぶ。「いや、もう...気持ち良かったです」。言葉が続かないほどの喜びで全身が満たされた。 9回裏。21イニングぶりの得点から3点差を追いついた。なおも2死一、三塁。19年にサヨナラ打を放った三嶋と対した。「ベンチの選手も含めて全員で3点を取った。打つしかない。いい意味で割り切れた」。 4打席目までは凡退。「もちろん悔しい気持ちはあった。モヤモヤした気分はありました」。初球、外角低めスライダーに思いをぶつけて5連打を決めた。「なんとか最後、大事なところで打てて良かった」。 4番に戻って3戦目。前日11日まで2位巨人に2連敗していた。「ここ数試合、チームとして苦しい試合が続いていた」。もちろん、責任は痛感していた。 虎の4番。プロ1年目から経験しながら、いまだに慣れないという。「いや~...無理です(笑い)。本当に厳しいモノなので。1試合1試合で反応が変わってしまう世界。気持ちをコントロールするところが難しい」。だからといって、逃げるつもりはない。 「やりがいだったり、活躍した時の達成感はすごくある場所。それをもっと味わえるようにやっていきたい」。仲間の分まで背負う。それが大山の4番道だ。 試合後、主将はお立ち台で熱く訴えた。「僕1人がここに立っていますけど、チーム一丸となって勝ち取った勝利だと思います」。誰1人諦めず、最後は苦しみ続けた4番が決着をつけた。2位巨人とのゲーム差は2に広がった。そんな目に見える数字以上に重みのある1勝だ。【佐井陽介】

◆先発オーダーが発表され、阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が2日の広島戦(マツダ)以来、9試合ぶりにスタメンを外れた。黄金ルーキーのベンチスタートは今季3度目で、最近6試合では打率・143(21打数3安打)、1本塁打、3打点と不振だった。 佐藤輝に代わってメル・ロハス・ジュニア外野手(31)が「6番・右翼」で出場する。また7日のヤクルト戦(神宮)でトレードで移籍後初先発した二保旭投手(31)は中継ぎ要員として初めてベンチ入りした。

◆「ウル虎の夏2021」として開催され、お笑いコンビ「コロコロチキチキペッパーズ」が甲子園に登場。試合直前には守備に就く阪神のスタメン選手の呼び出しも行った。 ツッコミ担当の西野は「小、中、高校と野球をずっとやっていて、甲子園も目指していたので、甲子園のフィールドの中に入れたのが夢のよう」と笑顔で話せば、ボケ担当のナダルはアナウンスで審判員の名前を読み間違えるハプニングを振り返り「緊張が出ちゃいましたね」と頭をかいた。 守備に就く選手を読み上げるコロコロチキチキペッパーズ・ナダル(左)と西野創人と阪神・メル・ロハス・ジュニア=甲子園球場(撮影・宮沢宗士郎) ナダルは近大の後輩であるD1位・佐藤輝について「(同じ)近大なので、飯に連れて行きたい」と語り、今年は最終的に「3割、30本、30盗塁(の成績を残してほしい)」とエールを送った。

◆中5日で先発した阪神・青柳晃洋投手(27)は7回4安打3失点(自責点1)で降板した。 青柳は三回、先頭の伊藤光に中前打を許した後、大貫のバントを処理した後、二塁悪送球。さらに四球を与えて満塁とされ、1死後、佐野の二ゴロの間に先制点を許した。 0-1の七回には2死一、二塁から、森に左中間を破る適時二塁打を浴び、左翼手のサンズがもたつく間に一走も生還した。この日の青柳は直球、変化球の切れもまずまず。球を低めに集めて13個のゴロアウトを奪ったが、打線の援護に恵まれず、リーグトップタイに並ぶ9勝目はならなかった。

◆打撃好調のDeNA・桑原が青柳から5年ぶりとなる安打を放った。2死走者なしで迎えた五回の第3打席で、甘くなった変化球を捉えた。打球は近本のジャンプもわずかに届かず、左中間フェンスを直撃。悠々と三塁打にした。 変則右腕からの安打は通算2本目。桑原自身は近年不調で定位置を失ったため、ここ2シーズンは対戦がなかった。 今季の復活は「自分らしく打席を送ることを大前提に。迷わず、振り返りは後でする」。悪癖だった気持ちの浮き沈みを克服したという。 第1打席の凡退後に生まれた快打は、3割打者の充実ぶりを感じさせた。

◆20イニング連続無得点だった打線が0-3の九回に4者連続適時打で今季2度目のサヨナラ勝ち。連敗を「2」で止めた。同点として、なおも2死一、三塁で大山が値千金の中前にサヨナラ打を放った。 前日までの巨人3連戦で1安打と結果を残せなかったD1位・佐藤輝(近大)を先発から外し、ロハスを「6番・右翼」で起用。外国人選手をスタメンに3人並べたが、八回までは無得点だった。 3点を追う九回1死一塁で、代打・佐藤輝が意地の中前打。続く近本の左前適時打でまず1点。糸原も中前へ運び、1点差とし、マルテの中前打で追いつき、最後は大山が決めた。 中5日で先発した青柳は7回4安打3失点(自責1)。九回に3番手で登板して無失点に抑えた及川が今季2勝目を挙げた。 「ウル虎の夏2021」として開催された試合で劇的すぎる勝利。この日、試合のなかった2位・巨人とのゲーム差を「2」に広げた。

◆DeNAは3―0の九回、守護神・三嶋一輝投手が、まさかの2死から5連打を浴びて逆転サヨナラ負けを喫した。試合後、1つの判定を巡ってファンの間で物議が起こった。 九回、1点差に迫られなお2死一、三塁の場面。マルテが2ストライクと追い込まれてからの3球目、三嶋が外角低めの際どいコースに直球を投げ込むも、芦原球審の手は上がらずボールの判定。捕手・伊藤光は思わずがっくりと肩を落とした。 直後の4球目をマルテが同点打。さらに続く大山が初球を捉え逆転サヨナラ打を放ったこともあり、試合後にはツイッター上で「マルテの3球目」がトレンド入りする異常事態となった。 9回、マルテに同点打を許したDeNA・三嶋一輝=甲子園球場(撮影・松永渉平) 三浦監督は試合後、際どい判定について「結果なので。終わったことは変えられないので、明日またやり返せるようにやっていきたいと思います」と語り、打たれた三嶋についても「きょうはやられましたが、今までもしっかり抑えてくれていますから。本人が一番悔しいと思うので」と責めなかった。

◆九回の攻撃で、久しぶりに阪神の、そして矢野監督が目指す野球を見た。それは「次につなげる」という意識を持ち、「最後まであきらめない」というスタンスで全員で戦うというもの。つながりの怖さを相手に見せつけた試合だった。 その象徴はマルテの同点打。一気呵成の攻撃に直面した時、バッテリーが警戒するのは本塁打で、どうしても外角中心の配球となる。その傾向を読んでいたのか、マルテはアウトコースよりの真っすぐを中前に運んだ。単なる流れに乗って打ったのではなく、確率の高いつながりが、そこにあった。 何より救われたのがサヨナラ打を放った大山だった。そこまでの4打席は全く合ってなかった。スイングが鈍く、「もっと振ればいいのに」と思ったほど。しかし、最後の打席は無心になれた。自分のバットで勝利をつかむこともできた。一連の攻撃の中で代打で中前打を放った佐藤輝も然り。2人の打者を救ったサヨナラ劇だった。 巨人に迫られている事実は変わらないが、ここにきて、粘るという「原点」を思い出せたことは大きい。やるべきことをやる。今まで通り、そこにこだわってほしい。(本紙専属評論家)

◆3―0の九回に逆転サヨナラ負けを喫し、4連敗で最下位に転落した。守護神の三嶋が2死一塁からまさかの5連打を浴びた。マルテには2ストライクからの外角球がボール判定。三振を確信した捕手の伊藤光が思わず膝から崩れた。その直後に同点打が生まれた。三浦監督は「今までしっかり抑えてくれている。本人が一番悔しいと思う」と右腕を責めず「明日またやり返せるように」と悔しさを押し殺して前を向いた。

◆九回に登板した及川が1回を3人でピシャリ。最後は関根を151キロで空振り三振に斬った。「結果として流れを作れたと思う」。直後にチームが逆転サヨナラ勝ちし、プロ2勝目をマーク。6月26日のDeNA戦(甲子園)では逆転を許してプロ初黒星を喫したが「そこから少しは成長できたと思う」とうなずいた。

◆糸原は九回2死一、二塁で三嶋の高めの直球をしぶとく中前へ運んで1点差とした。「みんなが諦めることなく回してくれたので、なんとしても次につなぐという気持ちだった。本当に勝つことができて良かった」。前日11日は4打数無安打。この試合でも九回まで4打数無安打だったが、自身3試合ぶりの打点を記録し、サヨナラ勝ちに貢献した。

◆0―3の八回に登板した藤浪は三者三振の圧巻の内容でサヨナラへの流れを作った。「状態は良かった。思い切って、いい流れを持ってこられればと思って投げた」。先頭の4番・オースティンを外角低めのカットボールで空振り三振に斬ると、宮崎、D2位・牧(中大)も三振に仕留めた。これで自身5試合連続無失点と安定感を取り戻している。

◆先発した青柳は自身の失策なども絡んで7回4安打3失点(自責1)。「野手に迷惑をかけたが、何とか粘れて最後は勝ってくれてよかったです」。自身7連勝はお預けも、6試合連続のクオリティースタート(先発で6回以上、自責点3以下)を達成。女房役の梅野は「前半戦の集大成としてしっかり投げてくれた」とうなずいた。

◆阪神・近本は反撃の一打を放った。「後ろにつなぐことしか考えていなかった。打つことができて良かったし、その後のみんながよく打ってくれて、勝つことができて良かった」。0―3の2死一、三塁で三嶋のフォークをすくい上げて左前へ適時打。チーム21イニングぶりの得点をもたらした。自身も5試合ぶりのマルチ安打で仕事を果たした。

◆サヨナラ勝ちのきっかけは梅野のバットからだった。「気持ちで打ったようなヒットが多かった。チームが苦しいところでなんとかつなぐことができたのがよかった」。九回1死から右前で出塁し、その後近本の適時打で生還した。二、四回にも安打を放ち、今季4度目の猛打賞をマーク。捕手としても投手陣を好リードし、攻守にわたって存在感を示した。

◆マルテは土壇場で同点打を放ち、勝負強さを発揮した。「自分だけじゃなくて、みんなの仕事があってのこと。すごくうれしいよ」。1、2番コンビの連続タイムリーで1点差とした直後の九回2死一、三塁で三嶋の154キロを中前へ。これで同点に追いつき、大山の劇打につなげた。

◆「2番・遊撃」で先発出場した2年目の森が、七回2死一、二塁から左中間に適時二塁打を放ち、プロ初打点をマークした。神奈川・桐蔭学園高3年時に選抜大会に出場。それ以来の聖地での一打に「ショート方向に打ち返すイメージで、しっかり捉えることができた」と拳を握った。11日のプロ初盗塁に続く活躍。三浦監督は「よく食らいついて打った」と評価した。

◆「6番・右翼」で3日の広島戦(マツダ)以来の先発となったロハスは二回に右前打を放ったが、その後は凡退し4打数1安打と結果を残せなかった。今後について矢野監督は「抹消になると思う」と説明。13日の先発はアルカンタラが予定されており、外国人選手枠の関係で出場登録抹消となりそうだ。

◆中前に弾んだ白球を見ながら、右拳を一塁ベンチに向けて突き上げた。あまり感情を表に出さない大山が興奮を抑えきれなかった。0-3の九回、3点差を追いつき、なおも2死一、三塁。最後はキャプテンのバットでサヨナラ勝利をつかんだ。 「もう(気持ちは)打つだけでした。今、ここに僕一人で立っていますけど、チーム全員の勝利。チーム一丸となって勝ち取った勝利だと思います」 ナインから勝利のウオーターシャワーを浴びせられ、ぬれた顔をほころばせながらお立ち台の壇上から叫んだ。 サヨナラの瞬間、バンザイしながらベンチを飛び出す佐藤輝㊨(撮影・松永渉平) 虎党の誰もが負けを覚悟していた九回、奇跡が起きた。1死から梅野が右前打。2死後、代打・佐藤輝が中前打で口火を切り、近本、糸原、マルテが3者連続タイムリーで続いた。「全員で取った得点ですし、そういった場面で回ってきたので、どんな結果であっても、ずっと前を向いてやっていこうと決めていた」。三嶋の投じた初球。スライダーを無我夢中でフルスイング。4番の意地と執念の一打だった。 精神的にも肉体的にもボロボロだった。不振で6月下旬に4番を?奪されて打順は6番、そして7番に降格。10日の巨人戦(甲子園)から4番に復帰したが、周囲の期待に応えられず、2試合で7打数1安打。チームも巨人に連敗した。 「その前(の打席)までうまくいかなくて、モヤモヤした気分もあった」 この日も直前まで4打数無安打。八回無死1塁からは投ゴロ併殺に倒れ、ため息に包まれていた。仲間がおぜん立てしてくれた九回。同点では喜べない。ここで結果を出さなければ...。大山は「うれしかったですし、本当に、チームで勝てたというところが一番よかったです」と胸をなでおろした。 「チームとしても苦しい状況で、精神的にも体力的にも厳しい、つらい部分もあるが、チーム一丸となってやっていけば乗り越えられると思う」 前半戦残り2試合。笑顔で1カ月間の東京五輪ブレークを過ごすためにも、最後は連勝で締めくくる。(三木建次)

◆甲子園に響かせた快音が奇跡の逆転劇の始まりを告げる。阪神のD1位・佐藤輝(近大)が怒涛の5連打の口火を切った。 「もう、なんというか無我夢中で。しっかり食らいついてシフトを抜けてくれてよかったです」 2日の広島戦(マツダ)以来、今季3度目のベンチスタート。出番は九回2死一塁、絶体絶命の場面だった。追い込まれてから3球目。三嶋の外に逃げる変化球を捉えると、鋭い打球はあらかじめ二塁ベースの真後ろに陣取っていた遊撃手・大和の横を抜けた。左中間に弾むプロ初の代打安打に大きな拍手が場内を包んだ。 この一打で流れをつかんだ打線は5連打で逆転サヨナラ勝ち。ドラ1も「それ(勝利)が一番大きい。価値ある一本になったと思います」と胸を張った。(原田遼太郎)

◆感動の涙!! 阪神はDeNAに4-3でサヨナラ勝ち。0-3の九回2死から4者連続適時打で大逆転した。首位を走りながらも苦しい戦いが続いていたが、すべてを忘れさせてくれる劇的勝利。試合後、矢野燿大監督(52)は「感動しています」と大号泣した。 テレビインタビューに現れた矢野監督の目は真っ赤だった。苦しみを乗り越え、崖っぷちからもぎ取った1勝だからこその男泣き。ヒーローは1人じゃない。チーム一丸、すべての力を結集した〝ウル虎〟な劇勝だ。涙腺が崩壊した指揮官は、何度も言葉を詰まらせた。 「いや、えー...、感動しています。苦しかったですけどね。本当に一人一人が...。ちょっと待ってください。(5、6秒の沈黙後)全員の気持ちだと思います」 九回2死から4者連続適時打で3点ビハインドをひっくり返す大逆転のサヨナラ勝利。インタビュー中、うつむいて心を整えようとしても、歓喜のウオーターシャワーを浴びるヒーローたちの姿、そして歓喜に揺れるスタンドのファンの姿がよみがえり、涙は止まらなかった。 10日の巨人戦(甲子園)の七回からの連続無得点は、この日の八回を終えて今季ワーストを更新する20イニングまで伸びた。負ければ試合のない2位・巨人とのゲーム差は4月28日以来の「1」に縮まり、さらに13日のDeNAとの2戦目(甲子園)も敗れて4連敗となれば、首位陥落の可能性もあった。 「まあ1年間の中で状態が良かったり良くなかったりっていうのがある中で、今一番苦しい時期に来ているなっていうのは、俺も分かっていたし」 虎将もチームの疲弊に苦心していた。そんな危機を全員で乗り越えた。3点ビハインドの九回裏に4点を奪っての逆転サヨナラ勝ちは、2009年4月7日の広島戦(甲子園)以来12年ぶりだ。 「みんなベンチで声を出しているし、コーチも一生懸命、何とか打開策をやっている。勝負事なんで結果は出てくるし。結果に結びつかないというところでもどかしさというか、チームを預かっている以上ね、そこの難しさというのがずっとあったんで。みんながこういう形で報いてくれたっていうのに感動している」 交流戦6連勝フィニッシュも、リーグ再開後はこの試合まで8勝12敗1分けと苦しんできた。6日のヤクルト戦(神宮)ではサイン伝達を疑われる事態にも見舞われた。9日の巨人戦(甲子園)は降雨コールドで矢野ガッツが飛び出したが、そこから2連敗。前日11日は伝統の一戦40年ぶりの1安打0-1完封負けの屈辱を味わった。頂点を目指す虎に降りかかる、あらゆる困難を耐え忍び、乗り越える力を選手が見せてくれたから、先頭に立つ矢野監督の心は大きく揺さぶられた。 「きょうみたいな感動できるような試合が毎日できるわけじゃないですけど、そういう思いで僕たちは戦っているんで、一緒にやっていきたい。つなげないとね。つながるだけの価値のある勝ち方ができたと思うし、残り2戦しっかり戦っていきます」 13日に引き分け以上で前半戦首位ターンが決まる。この1勝で、また強くなれた。チーム一丸で球宴ブレークまで駆け抜ける。(新里公章)

◆『円城寺 あれがボールか 秋の空』。これは1961年日本シリーズで南海・スタンカが巨人・宮本敏雄に投じた限りなくストライクに見えた球を、球審の円城寺さんがボールの判定を下した...。さあ、そこから運命を分ける野球ドラマが起きたその時に記者がつづった俳句らしいのですが...(間違ってたらゴメンなさ~い!)。そして、本日わが阪神が九回に0-3から奇跡的なサヨナラ勝ちをしたのは、天にも昇るくらいにうれしいー!! 九回に2-3に迫り、2死一、三塁の場面でDeNA・三嶋がマルテにカウント0-2から投じた外角球に対しての球審のボールの判定に思わず『球審よ あれがボールか 梅雨の空』と相手投手なのに声を上げちまった俺がいて...。といって誰を責めるわけではなく、野球というもののドラマチックさ(その後のサヨナラを含め)を感じていたのだ...。 運命というものがもしあるならば...。何かが虎を優勝に導こうとしているのでは...。苦しむ4番・大山のサヨナラ打もそんな気がしてならない。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
48313 0.608
(↑0.005)
-
(-)
61338
(+4)
292
(+3)
80
(-)
70
(-)
0.252
(↑0.001
3.250
(↑0.03)
2
(-)
巨人
433010 0.589
(-)
2
(↓0.5)
60344
(-)
280
(-)
108
(-)
50
(-)
0.251
(-)
3.230
(-)
3
(-)
ヤクルト
40329 0.556
(-)
4.5
(↓0.5)
62341
(-)
322
(-)
79
(-)
50
(-)
0.252
(-)
3.740
(-)
4
(-)
中日
324012 0.444
(↓0.007)
12.5
(↓1)
59246
(+2)
283
(+6)
47
(-)
41
(-)
0.239
(-)
3.260
(↓0.03)
5
(1↑)
広島
284210 0.400
(↑0.009)
15.5
(-)
63288
(+6)
346
(+2)
57
(-)
39
(-)
0.259
(↑0.001)
3.930
(↑0.02)
6
(1↓)
DeNA
294411 0.397
(↓0.006)
16
(↓1)
59332
(+3)
398
(+4)
83
(-)
18
(-)
0.259
(↓0.001)
4.530
(-)