阪神(★1対8☆)巨人 =リーグ戦14回戦(2021.07.10)・阪神甲子園球場=
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巨人
40111010081003
阪神
0000010001811
勝利投手:メルセデス(5勝1敗0S)
敗戦投手:伊藤 将司(5勝5敗0S)

本塁打
【巨人】ウィーラー(10号・3回表ソロ),坂本 工宜(11号・4回表ソロ),岡本 和真(26号・5回表ソロ)
【阪神】サンズ(16号・6回裏ソロ)

  DAZN
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◆巨人は初回、ウィーラーの適時打などで4点を先制する。その後は、3回表にウィーラーのソロ、4回には坂本のソロが飛び出すなど、小刻みに加点した。投げては、先発・メルセデスが8回途中1失点の力投で今季5勝目。敗れた阪神は、先発・伊藤将が乱調だった。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手(30)は左腕からよく打つ。今季のマルテは右投手に打率2割5分9厘だが、左投手には打率3割5分8厘の高打率。今日は巨人先発左腕のメルセデスから安打を打てるか。

◆阪神は11試合ぶりに大山悠輔内野手(26)が4番に復帰する。大山は打撃不振のため6月29日ヤクルト戦(甲子園)からは6番に降格。7月6日からのヤクルト3連戦(神宮)では2年ぶりに7番に入り、3試合で11打数5安打の打率4割5分5厘、2本塁打、5打点と打ちまくった。特に8日は8回に決勝弾となる勝ち越しの10号3ランを放つ勝負強さを見せた。 「チーム一丸となって戦うだけ」と挑んだ2位巨人との首位攻防3連戦、9日の1戦目は5番に入っていた。本来の4番に入りチームを3連勝に導く。

◆巨人梶谷隆幸外野手(32)が、阪神戦の1回1死満塁で右手に死球を受け、途中交代した。2ストライクから、阪神伊藤将の143キロの直球が抜けた。トレーナー、元木ヘッドコーチが駆け寄る中、苦悶(くもん)の表情を浮かべながら、その場に座りこんだ。ベンチに引き揚げる際には原監督と言葉をかわし、ベンチ裏に戻った。代わりに、亀井が代走に送られた。

◆阪神先発の伊藤将司投手(25)が、自己ワーストの6失点(自責5)を喫し、プロ最短4回でマウンドを降りた。 「先発投手としてチームにいい流れを作らなければいけない中で、初回から大量失点をしてしまいチームに申し訳ないです」。 初回に自己最多の1イニング4四死球を出し4失点と、苦しい立ち上がり。その後は3回と4回にソロ本塁打を浴び、巨人に傾いた流れを止められなかった。 初回、先頭の松原の四球から3連続出塁を許し、いきなり無死満塁のピンチ。4番岡本和は空振り三振に仕留めたが、ウィーラーに先制の右前適時打を許し、梶谷に押し出し死球を与え2点目を失った。 続く北村の二ゴロの間に3点目を失い、なおも2死一、三塁。二盗を阻止しようとした梅野の二塁送球を中野が捕球できず。味方のミスから三塁走者の生還も許し、この回4点を失った。 2回は無失点で切り抜けたが、3回にウィーラー、4回に坂本にソロ本塁打を浴び、追加点を与えた。 伊藤将は前回3日広島戦(マツダスタジアム)で7回無失点と好投し、5勝目。制球力に定評がある左腕だが、五輪ブレーク前最終登板は悔しいマウンド。「この反省をしっかり次に生かせるように、しっかり練習をしていきたいと思います」と誓った。

◆西武、巨人、オリックスで活躍した清原和博氏(53)が、大阪・カンテレの地上波テレビ中継、CS放送フジテレビTWOの中継で解説を務めた。 20年6月の執行猶予(覚せい剤取締法違反)明け以降、初のテレビ解説で、PL学園の2学年後輩片岡篤史氏(51)と2人並んだ。球場入りした時にはNHKで解説に来ていた藤川球児氏(40)があいさつに訪れた。 2回1死から阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が打席に立つと「鍛えられた筋肉、体が仕上がっている。三振を恐れず振っていく強さがある」と話した。ボール球の変化球を空振り三振すると「この失敗を次に生かしてほしい」とエール。ここ最近の不調については「自分にいらだってボール球に手を出している。リラックスして打席に立てば、また開幕当初のような場外本塁打も出ると思う。佐藤選手は自分に厳しいタイプだと思う」と自分に厳しすぎず、もっと落ち着いて打席に入ってほしいと期待を込めた。

◆巨人ゼラス・ウィーラー内野手(34)が、左翼席へ10号ソロを放ち、来日から7年連続の2ケタ本塁打を達成した。 4点リードの3回無死、阪神伊藤将のカットボールをフルスイング。打った瞬間に本塁打を確信する完璧なアーチで、2ケタに乗せた。 広報を通じ「出塁の意識で積極的にスイングしていったよ。ホームランはうれしいけど、チームとして、先に次の1点が取れたことが何よりだよ」とコメントした。 1回には、チーム55イニングぶりとなる適時打をマークし「コンパクトに打ち返すことができた。先制できたし、いい形で次につなげられて良かったよ」とコメントした。

◆「ウル虎の夏2021」の開催に伴い、お笑いコンビ「ダイアン」の津田篤宏、ユースケが、前日9日のミルクボーイに続き試合前に登場した。ウル虎ジャージーを着用し、津田は持ちネタの「ゴイゴイスー」を披露。その後スタメン選手呼び出しなどで盛り上げた。 ツッコミの津田は注目選手に阪神佐藤輝を挙げ「最高じゃないですか? 良い選手が来てくれたよ、本当に。皆さん本当にすごいですけど、特に佐藤選手ね」。ボケのユースケは「ぐっすり寝て。いっぱい食べて。ホンマ突っ走っていただきたいですね」と"らしさ"全開でエールを送った。 前日9日が初日だった「ウル虎の夏2021」は9~11日巨人戦、12~14日DeNA戦(ともに甲子園)の計6試合で開催され、虎の顔があしらわれた「ウル虎の夏2021限定オリジナルジャージー」が来場者にプレゼントされる。 また、11日以降もタイガースファン芸人がスタメン選手呼び出しやヒーローインタビューのお出迎えなど、スペシャルな演出に登場する。

◆まだまだ、諦めない-。阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、6点ビハインドの4回に、11打席ぶりに快音を響かせた。 フルカウントから左腕メルセデスのスライダーを捉え、右前に運んだ。前の打席で空振り三振に仕留められていた変化球をしっかりとはじき返した。 7日ヤクルト戦(神宮)の第2打席で本塁打を放ってから、10打席無安打が続いていた。6月6日ソフトバンク戦(甲子園)以来、26試合ぶりに「6番」で起用され、存在感を示した。

◆巨人クリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(27)が、好反応で投手ライナーを捕球した。 4回2死一塁、阪神中野が放った打球に右腕を懸命に伸ばしながら、キャッチ。3アウトだったが、すぐに態勢を立て直し、一塁のウィーラーにボールを送った。一瞬、ナインも戸惑ったが、すぐにベンチに引き揚げた。

◆巨人岡本和真内野手(25)が、リーグ独走の26号ソロを放った。6点リードの5回無死、阪神石井大の直球を左翼席にたたき込んだ。 「センター方向に強い打球を打とうという気持ちで、しっかりとスイングができました」 7日の中日戦以来3試合ぶりのアーチで、本塁打争いで2位のヤクルト山田、村上に2本差をつけた。甲子園では8試合目で今季初アーチだった。

◆西武、巨人、オリックスで活躍した清原和博氏(53)が、カンテレの地上波テレビ中継、CS放送フジテレビTWOの中継で解説を務めた。20年6月の執行猶予(覚せい剤取締法違反)明け以降、初めてテレビ解説者席に座った。 86年西武時代に新人最多本塁打31本を記録している清原氏は、この試合前まで20本を記録している阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)について「確実に僕の記録は抜くと思う」と記録更新を断言した。「自分は18歳の子どもだったが、佐藤選手は仕上がっている。日本のプロ野球界でもトップクラスじゃないか。筋肉の付き方やスピードなど」とその体つきに惚れ込む。 「甲子園は浜風がきつい。東京ドームなら楽に40本打てると思う」と、左打者に不利な右翼から左翼へ強く吹く浜風が佐藤輝に影響があると話し「掛布さんやバースのように左中間へ打てば、甲子園で逆方向へ打てるように大きく気持ちを持てば、打率も上がるし三振も減る」と予測した。

◆55イニングぶりの適時打が飛び出て、ジャジャジャジャーンとばかりに、巨人が初回に4点を奪った。1回1死満塁、ウィーラーが阪神伊藤将から右前適時打。チームとして、1日の広島戦の5回に松原が放った左前適時打以来のタイムリーが生まれた。終止符を打った助っ人は「コンパクトに打ち返すことができた。先制できたし、いい形で次につなげられて良かったよ」とコメントした。 ルーキー左腕の不安定な立ち上がりを攻め立てた。なおも1死満塁から梶谷の押し出し死球、北村の二ゴロの間に追加点。さらに相手失策で4点目を挙げた。この日は4試合ぶりに松原を1番に起用。四球で出塁し、流れをつくった。3回には、ウィーラーが来日から7年連続2ケタとなる今季10号ソロを放ち、4回にも坂本が11号ソロ。4回で6点を奪って、伊藤将をKOした。【久保賢吾】

◆痛い、痛い、痛すぎる。巨人梶谷隆幸外野手(32)が1回1死満塁で右手甲付近に死球を受け、途中交代した。試合中に西宮市内の病院で精密検査を受け「右第3中手骨骨幹部骨折」と診断された。 2ストライクから、阪神伊藤将の143キロの直球が抜けた。トレーナー、元木ヘッドコーチが駆け寄る中、苦悶(くもん)の表情を浮かべながら、その場に座りこんだ。代わりに、亀井が代走に送られた。

◆西武、巨人、オリックスで活躍した清原和博氏(53)が、大阪・カンテレの地上波テレビ中継、CS放送フジテレビTWOの中継で解説を務めた。20年6月の執行猶予(覚せい剤取締法違反)明け以降、初のテレビ解説で、PL学園の2学年後輩片岡篤史氏(51)と2人並んだ。 清原氏は先日、今季限りでの引退を発表した西武松坂大輔投手(40)について「さみしいですね。ケガをしてリハビリをしている姿を見ているのが辛かった。なんでここまで頑張れるのかなと。今はゆっくり休んで、家族との時間を大事にしてほしい」と話した。02年日本シリーズ巨人対西武での特大アーチについては「真っ向勝負。全身の血管が切れたんじゃないかというくらい、松坂投手の威力に負けないように振りましたよ」と振り返り、現役時代でも会心の当たりの1本であったと話した。 99年の松坂のデビュー戦日本ハム戦で片岡氏が155キロ高め直球に空振りし尻もちをつく映像が流れると「草野球のおっさんですよ」と後輩をいじった。

◆一方的に7点リードを許す中、阪神ジェリー・サンズ外野手(33)が6回に3戦ぶりの16号ソロを放った。 巨人打線が6回までに3発を含む6安打で7点を奪う中、6回2死からサンズがフルカウントから巨人左腕メルセデスの6球目を左翼席中段までたたき込んだ。「こういう展開になってしまったけど、やるべきことは変わらないし、来た球をしっかり強く打つことができてよかった」。試合展開からか最近恒例となっている虎メダル授与もなし。ハッピーハンズも控えめだったが、今季最多1万8202人が詰めかけた甲子園の虎党に届ける1発となった。

◆巨人坂本勇人内野手(32)が、通算168度目の3安打猛打賞をマークし、小笠原道大(中日)を抜き、単独10位に立った。 1回無死一塁から左翼への二塁打を放ち、4回には今季11号ソロ。「2アウトでカウントが良かったので、思い切ってスイングしていきました。いい打撃ができましたね」と自画自賛の1発だった。 7回にも左前打を放ち、三塁打が出ればサイクル安打だったが、大量リードで7回の守備から交代した。

◆西武、巨人、オリックスで活躍した清原和博氏(53)が、大阪・カンテレの地上波テレビ中継、CS放送フジテレビTWOの中継で解説を務めた。20年6月の執行猶予(覚せい剤取締法違反)明け以降、初のテレビ解説で、PL学園の2学年後輩片岡篤史氏(51)と2人並んだ。 清原氏は阪神のラッキーセブン7回の攻撃前にジェット風船がない姿に「残念。現役時代はラッキーセブンだけ一番先に守備に行って、マウンドからいつもジェット風船を見ていた」と現役時代のエピソードを明かした。 5回に26号ソロ7回に中犠飛と2打点を挙げた巨人の4番岡本和真内野手(25)については「年々進化している。4番の仕事をどっしりと腰を据えてやっている」と評価した。途中出場の中島宏之内野手(38)については「中島選手は西武で3番、巨人で5番と自分と同じ背番号を背負ってくれているし、大阪出身(実際は兵庫)だし」と気にかけていると話した。

◆巨人が10安打8得点と阪神を圧倒した。メルセデスは7回2/3 7安打1失点で5勝目。チームは首位阪神に2・5ゲーム差に迫った。

◆巨人が初回に5番ウィーラーの右前適時打などで4点を先取した。3回にはウィーラーの右越え10号ソロで1点を追加した。 巨人が4回に坂本の11号ソロ、5回に岡本の26号ソロで突き放した。阪神の先発伊藤将は4回5安打6失点で降板した。 巨人が10安打8得点と阪神を圧倒した。メルセデスは7回2/3 7安打1失点で5勝目。チームは首位阪神に2・5ゲーム差に迫った。 阪神伊藤将司が5敗目。

◆西武、巨人、オリックスで活躍した清原和博氏(53)が、大阪・カンテレの地上波テレビ中継、CS放送フジテレビTWOの中継で解説を務めた。 20年6月の執行猶予(覚せい剤取締法違反)明け以降、初のテレビ解説。 8回2死一、三塁で巨人先発の左腕メルセデスから2番手右腕鍵谷へ交代する場面、マウンドに桑田真澄投手チーフコーチ補佐(53)の姿が見えると「ジャイアンツのユニホームが似合いますね」と話した。「(監督の)原さんがそういうポジションに抜てきしたというのは、彼が評価されたということ。一緒に戦った仲間としてうれしい。頑張ってほしいですね」とエールを送った。

◆阪神岩田稔投手が2回2安打無失点と好救援した。 8回に4番手で登板。最速146キロの直球に多彩に変化球を投げ分けた。6月中旬に中継ぎ転向し、6日に今季初昇格。初登板の7日ヤクルト戦は1死も取れず降板となったが、この日はベテラン本来の持ち味を発揮。「チームの状況をしっかり見て、行けと言われた場面でしっかり0点で抑えられるように頑張りたい」と力を込めた。

◆阪神矢野燿大監督(52)が試合後、大山を4番に戻した意図について「全体的な並びとか、流れとしてはやっぱりあの打順が一番良いなというのはある」と説明。後半戦に向けても早い段階で本来の形を取り戻そうとする思いがあった。矢野監督の一問一答は以下の通り。 -試合を振り返って 立ち上がりでね、一気に4点でちょっと重たかったですし、その後も点を取られてしまったんでね。ちょっと流れをこっちに持ってくることができなかったですね。 -追われる立場としてはカードを勝ち越すことが大事 今日で2つなんで、勝ち越しは明日なんでね、あした勝ち越しできるように頑張ります。 -9連戦、残り4試合へ向けて 向こうも疲れているし、でもこっちもね、そういう中でみんな全力出して食らいつこうとしてるんで、それを結果や勝ちという形で結びつけられるようにあと4つ戦っていきます。 -巨人にここまで7勝7敗 去年のチャンピオンのチームでもありますし、僕らはジャイアンツを意識して戦うチームですし、そこは常に意識していきますけど、ジャイアンツだけを意識して戦うわけにはいかないので、いい意味でモチベーションにして他のチームも全力で戦っていきます。 -伊藤将は今までにない状態だった まあ、球の走りとかそういうことは悪くなかったと思うけどね。コントロールかな今日は。球の走りというよりコントロール。 -打線の組み替えで4番を大山にしたのは 状態も上がりつつあると思うけど、全体的な並びとか流れとしてはやっぱりあの打順が一番良いなというのはある。後半に入るところでね、そういうきっかけをつかめたらいいなというところで、そうしました。 -メルセデスは前回崩したが今回は 印象はそんなに変わりないけどね。立ち上がりに4点あげてしまったというところで、どんどんテンポの良い投手なんで。そういうペースに持っていかれてしまったし。それだけを理由に打者陣が点を取れなかったのは良くないけど、状態的には向こうも飛ばして来ているという印象はあったね。 -佐藤輝は7回に交代したが、ケガなどでは いや、全然、全然。

◆あの「無死二、三塁」から、巨人がうっぷんを晴らした。初回から阪神先発の伊藤将からチーム55イニングぶりの適時打を含む、一挙4得点で攻め立てた。首位を走る阪神から主導権を奪うと、3回にゼラス・ウィーラー内野手(34)が2戦連発の10号ソロ。4回には坂本勇人内野手(32)が11号ソロでたたみかけた。首位阪神との3連戦初戦だった前夜は、反撃ムードが高まる7回無死二、三塁で無念の降雨コールド負け。ウルトラ倍返しで今カードの星を五分に戻した。雨雲が去り、青空が広がる甲子園で巨人打線が発動した。1回、1番松原が四球、坂本が左翼線二塁打で因縁の"無死二、三塁"を整えた。丸が冷静に四球を選び、無死満塁。1死後にウィーラーが伊藤将の高めに浮いた143キロ直球を右前へ。チーム55イニングぶりの適時打となる先制打で快勝への口火を切った。 一挙4得点の先制攻撃で前夜の悪夢を払拭(ふっしょく)した。9日のカード初戦は反攻への準備が整った7回無死二、三塁の絶好機も、雨雲に水をさされ降雨コールド負け。一夜明けたこの日、阪神を10安打8得点で沈めた。原監督は「そうですねえ。うーん、昨日の7回ぐらいから少し(打線)が動き始めましたね。それぞれがいい役割をしてくれたと思います」と、晴れやかに振り返った。 試合の悔しさは試合でしか晴らせない。前夜、先制点献上につながる失策を犯したウィーラーと坂本が汚名返上弾でやり返した。ウィーラーは先制打に続き、3回に来日から7年連続の2ケタ本塁打となる10号ソロを放ち、2安打2打点。「先制できたし、いい形で次につなげられて良かったよ。ホームランはうれしいけど、チームとして先に次の1点が取れたことが何よりだよ」と笑った。試合前にブルペンにこもり原監督から直接指導を受けた坂本は、4回の11号ソロを含む3安打で自身168度目の猛打賞。「何よりもチームが勝てたことが一番です。その中で得点に絡めたことは良かったと思います。一戦必勝、集中して戦っていきます」。1発の後はベンチ前で指揮官の前で脱帽して頭を下げた。 取り損ねた白星を奪い返し、やや湿りがちだった坂本のバットにも快音が戻った。首位阪神を猛追する"ウルトラ倍返し"でカード1勝1敗、今季同一カード7勝7敗の五分に持ち込んだ。2・5ゲーム差。虎を撃ち落とす機運が高まってきた。【為田聡史】 ◆9日阪神戦VTR 3回にウィーラー、坂本の連続失策が絡み、先制点を献上。3点を追う7回無死二、三塁、反撃ムードが高まった中で雨脚が強まり中断。その後に雨脚は弱まったが、グラウンド整備等も考慮し、27分間の中断を経て審判団が協議した上で、雨天コールドを宣告した。原監督は「9イニングで勝負したいという、それはもちろんあるけれど致し方ないところでしょうね。グラウンド整備をする、いろんなことを考えると、従うというか、そういうことだよね」と話した。

◆巨人梶谷隆幸外野手(32)が10日、阪神14回戦(甲子園)の1回1死満塁で右手甲付近に死球を受け、負傷交代した。 試合中に西宮市内の病院で精密検査を受け「右第3中手骨骨幹部骨折」と診断された。阪神伊藤将の143キロ直球が抜けて直撃。亀井が代走に送られた。原監督は「勝負の中で故意という部分ではないけれど、やっぱり骨折というのは避けてもらいたいところだね。1日でも早く治るということと、治すということ。前を向いて我々は戦うということですね」と話した。

◆東京五輪ドミニカ共和国代表の巨人クリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(27)が、阪神打線を8回途中1失点に封じ、今季5勝目を挙げた。 打線の大量援護を受け、ハイテンポで投球。6月18日の前回対戦でKOされた阪神に雪辱した。「打線も守備も非常にいい仕事をしてくれたおかげで、勝つことができた」と感謝。原監督は「非常に集中力ある素晴らしいピッチングだと思います」と評価した。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が、本塁打レジェンドの前で弾丸ヒットを奏でた。 西武や巨人、オリックスで通算525アーチをかけた清原和博氏(53)が伝統の一戦をテレビ解説。6点ビハインドの4回、強烈な安打を右前にはじき返した。新人最多本塁打は86年に西武清原がマークした31本で、あと11本に迫られた同氏も「確実に僕の記録は抜く」と称賛。佐藤輝も本塁打記録更新に意欲十分で、完敗試合で存在感を見せた。佐藤輝が球界の大先輩の前で快音を響かせた。6点ビハインドの4回。フルカウントから左腕メルセデスのスライダーをライナーで右前に運んだ。第1打席で今季116個目の三振に仕留められた変化球。今度は浮いた球を逃さなかった。 10打席無安打が続いていたが、テレビ解説に来た清原氏の前で「Hランプ」をともした。86年の31発は桑田武(大洋)と並ぶ新人最多タイで、いまだ破られていない。偉大な記録について佐藤輝はかつて「すごい方たちの記録を塗り替えることができるのはうれしいこと。しっかり自分のスイングをして積み重ねていければ」と語っていた。名刺代わりの1発はならなかったが、先輩も戦った「伝統の一戦」で躍動を届けた。 この日は1本出たが、7月は打率1割8分8厘。ボール球に手を出し三振する場面が目立つ。井上ヘッドコーチは言う。「三振しても『思い切りだけは消すなよ』と言い続けている。でもレギュラーとして出ている以上は、やらなきゃいけないことがいっぱいある。助け舟は出すけど、最終的にやるのはあいつ。そこをもう1回クリアしたら輝明だけに、今"暗明(くらあき)"になっているけど。輝く日が近いうちに来ると思います」。清原氏まであと11本。失敗と成功を繰り返し、輝く未来を目指す。【中野椋】

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が、本塁打レジェンドの前で弾丸ヒットを奏でた。 西武や巨人、オリックスで通算525アーチをかけた清原和博氏(53)が伝統の一戦をテレビ解説。6点ビハインドの4回、強烈な安打を右前にはじき返した。新人最多本塁打は86年に西武清原がマークした31本で、あと11本に迫られた同氏も「確実に僕の記録は抜く」と称賛。佐藤輝も本塁打記録更新に意欲十分で、完敗試合で存在感を見せた。清原氏が佐藤輝に熱いエールを送った。大阪・カンテレの地上波テレビ中継などの中継解説として、覚せい剤取締法違反の執行猶予が20年6月に明けてから初のプロ野球解説を務めた。甲子園に姿を見せるとファンが集まり騒然とするなど存在感は健在だった。 「確実に僕の記録は抜くと思う。自分は18歳の子どもだったけど、佐藤選手は仕上がっている」。清原氏が西武時代の86年にマークした31本の新人最多本塁打記録まであと11本と迫るが、抜くと断言。「鍛えられた筋肉、スピード。三振を恐れず振っていく強さがある」とうなり、4月9日のDeNA戦で横浜スタジアムの右中間場外へ放った3号ソロについて「どう考えても、考えられない」とパワーへの驚嘆を明かした。 「東京ドームなら楽に40本打てる。甲子園は(左打者は)浜風がきつい」とも話し、「掛布さんやバースのように左中間へ打てば、甲子園で逆方向へ打てるように大きく気持ちを持てば、打率も上がるし三振も減る」とアドバイスを送った。現在の不振については「自分にイラ立ってボール球に手を出している。リラックスして立てば」と、メンタル的なものと分析した。 4回に右前安打が出ると「ああ、打ってくれましたね」と目を細めて打球を見届けた。本塁打後の「Zポーズって何ですか?」と実況アナウンサーに質問し、大好きなアイドルグループももいろクローバーZのポーズと聞くと「全然、顔と合ってないですね」と意外な一面を知って笑った。「空振りしただけでスタンドが沸く。小さくまとまらず大きく育ってほしい」と大打者への成長を期待した。昭和&平成のアーチストが令和のアーチストの姿を焼き付けた。【石橋隆雄】

◆阪神が投打とも奮わず、前半首位ターン決定はお預けになった。初回の4点が最後まで重くのしかかった。 先発伊藤将司が今季最短4回、ワースト6失点(自責5)でKO。矢野監督は「一気に4点でちょっと重たかったですし、その後も点を取られてしまったんでね。こっちに流れを持ってくることができなかった」と、序盤の攻防を悔やんだ。 試合前まで規定投球回不足ながら、防御率2・23で"隠れ2位"だった制球力抜群のルーキーが乱れた。初回先頭の松原に四球を与えると、自己最多の1イニング4四死球を出し4失点。その後も3回にウィーラー、4回に坂本にソロ本塁打を浴びた。巨人に1勝3敗、5被弾と苦戦する左腕は「初回から大量失点をしてしまいチームに申し訳ないです」と反省しきり。矢野監督も「球の走りとかは悪くなかったと思うけどね。コントロールかな今日は」と振り返った。 組み替えた打線も、劣勢をはね返すことはできなかった。11試合ぶりに4番に復帰した大山が、6回無死一塁で初球で三ゴロ併殺に倒れるなど、好機を生かせず。矢野監督は「全体的な並びとか、流れとしてはあの打順が一番いいなというのはある。後半に入るところでね、そういうきっかけをつかめたらいいなと」と説明。だが、チームの連打が出たのは2回の1度だけ。打線全体が沈黙した。 巨人とは7勝7敗。11日が前半戦最後の伝統の一戦となる。「僕らはジャイアンツを意識して戦うチーム。いい意味でモチベーションにして他のチームも全力で戦っていきます」。宿敵相手に快勝し、今度こそ前半首位ターンを決めたい。【磯綾乃】 ▽阪神井上ヘッドコーチ(打線組み替えについて) 「悠輔(大山)を4番でいくという基本ラインがあって、もう1回、基本に近いところに持っていきたいと。(前日9日に)勝ったから流れをそのままにということもあったけど、逆の発想で勝ったからこそ変えようということ。いい感じで回ってた頃の基本形に戻れるのがベストだよと」 ▼阪神は11日の巨人戦に勝てば球宴前の首位折り返しが決まる。12日からのDeNA3連戦に全敗しても、48勝33敗3分けで勝率5割9分3厘。巨人が13日からのヤクルト2連戦に連勝しても44勝31敗10分けで5割8分7厘に終わり、阪神が上回る。阪神が前半戦を1位で通過すれば、08年以来13年ぶり。

◆阪神ドラフト8位石井大智投手も巨人打線の勢いを止められなかった。 先発伊藤将に代わり6点ビハインドの5回から登板。いきなり先頭の4番岡本和にソロ本塁打を浴びた。前回7日ヤクルト戦では山田に犠飛を許し、前々回の4日広島戦はピンチを作って降板しプロ初黒星を喫していた。チームとしては、ビハインドの展開で試合を立て直す投手が欲しいところ。右腕にとって踏ん張りどころだ。

◆阪神・大山悠輔内野手(26)が「4番・三塁」で出場。6月27日のDeNA戦(甲子園)以来、11試合ぶり4番に復帰した。また、前日9日の同戦にプロ初の7番で出場したD1位・佐藤輝(近大)は打順を1つ上げ、「6番・右翼」でスタメンに名を連ねた。

◆「6番・右翼」で先発した巨人・梶谷隆幸外野手(32)が一回1死満塁で右手甲付近に死球を受け、負傷交代した。梶谷はその場でうずくまり、治療のためベンチへ。原監督がその後、代走・亀井を球審に告げ、無念の負傷交代となった。 1回、死球を受け、ベンチに下がる梶谷隆幸(中央)。原辰徳監督も心配そう =甲子園球場(撮影・中井誠) 梶谷は5月23日の中日戦(バンテリンドーム)の守備で左太もも裏を痛め、離脱。6月22日のDeNA戦(金沢)で1軍復帰していた。なお、押し出しのため梶谷には1打点が記録された。

◆西武、巨人などで活躍した清原和博氏(53)が阪神―巨人(甲子園)でカンテレの解説を務め、阪神のD1位・佐藤輝(近大)について言及した。 二回1死走者なしで虎の黄金ルーキーが打席に立つと「オープン戦の頃から(見ていて)びっくりした。鍛え上げられた筋肉、体、仕上がっている。思い切りのよさ、三振を恐れず振っていく強さは彼の武器だと思う」とここまでの印象を語った。 清原氏は高卒1年目に新人最多タイとなる31本塁打をマークした一方で、通算でNPB最多の1955三振を記録。佐藤輝もここまでリーグトップの115三振(試合前時点)を記録していることに「今年はルーキーなのでプロの球を体感して驚いたこともあるでしょうし、ボール球を振る時もあるでしょうけど、この失敗を次に生かしてほしい」とエールを送った。

◆「ウル虎の夏2021」として開催され、お笑いコンビ「ダイアン」が甲子園に登場した。試合前のイベントでは津田が持ちギャグ「ゴイゴイスー」を披露。「めちゃくちゃうけてたな。すごい地鳴りのような。本当に最高でした」と話したが、相方のユースケに「いや、どこがやねん」とツッコまれた。 試合開始直前にはスタメン選手の呼び出しも行い、ユースケは「選手の人も出やすかったんじゃないかな、と思いますね。もう出てましたけど。魂込めました」と振り返った。

◆阪神はドラフト2位・伊藤将司投手(25)=JR東日本=が先発したが、4回を投げて5安打6失点(自責5)、4四死球の乱調で試合を作れなかった。 一回、安打と2四球などで1死満塁のピンチを背負うと、ウィーラーに右前適時打。続く梶谷には押し出しの死球を与えた。北村の二ゴロの間に追加点を許すと、味方の失策もあり、この回4点を失った。 さらに、三回にウィーラー、四回には坂本にソロを被弾。自己ワーストの6失点で降板となった。

◆カンテレで解説を務めた清原和博氏(53)は、自身が持つ新人最多本塁打記録について「佐藤(輝)選手は確実に僕の記録(31本塁打)を抜くと思う」と話した。 阪神のD1位・佐藤輝(近大)はここまで79試合に出場し、20本塁打をマークしている(試合前時点)。清原氏は虎のルーキーが4月9日に横浜スタジアムで放った場外弾についても触れ「あの場外弾は考えられない。パワーは本当にすごい」とコメント。さらに実況のアナウンサーから「(佐藤輝は)本塁打は何本くらい打てるか?」という問いには「甲子園には(右翼方向からの)浜風がある」と前置きし「東京ドームなら楽に40本は打っていると思う」と語った。

◆前夜にまさかの連続失策で敗因を作ってしまった巨人のゼラス・ウィーラー内野手(34)と坂本勇人内野手(32)が、ミスを帳消しにする一発を放った。 4回、本塁打を放つ巨人・坂本勇人=甲子園球場(撮影・松永渉平) ウィーラーは4-0の三回に左越え10号ソロ、坂本は5-0の四回に左中間へ11号ソロをスタンドインさせた。前日の阪神戦では三回にウィーラーが佐藤輝の一ゴロを、坂本が続く中野の遊ゴロをトンネルし、この回に2失点。試合は1-4で七回表途中降雨コールドで敗れていただけに、主軸がきっちりバットで取り返した。

◆カンテレで解説を務めた清原和博氏(53)は7日に現役引退を発表した西武・松坂大輔投手(40)について「魂を削り合った投手が引退していく。去年は(阪神の)藤川が引退して、今年は松坂が引退して本当に寂しい」と心境を語った。 清原氏は、巨人時代の2002年に日本シリーズの第1戦で松坂から左越えの2ラン放ったシーンをVTRで振り返り「彼とはいつも真っ向勝負だった。(本塁打を打った瞬間は)全身の血管が切れたんじゃないかと思った」と話した。 引退を決めた松坂に向けては「彼と言ったらいたずらっぽい笑顔(が印象的)。それさえ見せてくれれば十分。(引退後は)ゆっくりと休んでほしい」と言葉を送り、ねぎらった。

◆巨人は10日、一回に死球を受けて負傷交代した梶谷隆幸外野手(32)が西宮市内の病院で検査を受けた結果、「右第3中手骨骨幹部骨折」と診断されたと発表した。梶谷は1死満塁で右手甲付近に死球を受けその場でうずくまり、代走を送られていた。 1回 死球を受ける巨人・梶谷=甲子園球場(撮影・中井誠) 梶谷は5月23日の中日戦(バンテリンドーム)の守備で左太もも裏を痛め、約1カ月の離脱を経験したが、2度目の長期離脱が避けられない状況となった。

◆巨人・岡本和真内野手(25)が6-0の五回にリーグトップの左越え26号ソロを放った。阪神の2番手右腕・石井の高めの直球を豪快に左翼席へ運んだ。 この時点で2位の村上、山田(ともにヤクルト)に2本差をつけた。7-1の七回には犠飛を放ち、今季の打点はトップ独走の76に。首位・阪神との直接対決第2ラウンドは大量リードを奪っている。

◆阪神は1―8と巨人に大敗した。先発したドラフト2位・伊藤将司投手(25)=JR東日本=は一回に1死満塁のピンチを背負うと、ウィーラーに右前適時打。梶谷に押し出しの死球、北村の二ゴロの間に追加点を許した。その後、味方の失策もあり、この回4点を失った。 さらに、三回にウィーラー、四回には坂本にそれぞれソロを浴び、4回5安打6失点(自責5)と試合を作れなかった。 打線も巨人の先発、メルセデスを攻略できず。六回にサンズが放った16号ソロの1点のみに抑えられた。勝てば前半戦首位ターンが決まる戦いだったが、敗れて2位・巨人とのゲーム差は再び2・5となった。

◆巨人が3連敗を阻止。一回に伊藤将の制球難を突き、機動力も絡めて4点を奪った。この回先制打のウィーラーが三回に10号ソロ。四回は坂本、五回は岡本和が一発を放った。メルセデスは7回?1失点で5勝目。阪神は終始劣勢だった。

◆巨人のウィーラーが2試合続けての本塁打で、来日7年連続2桁アーチとした。4―0の三回先頭で伊藤将の内角球を一閃。左翼手が一歩も動かない完璧な当たりは左翼席中段に吸い込まれ「出塁の意識で、積極的にスイングしていった」と納得の様子だった。 4点を先行した一回は無死満塁で岡本和が三振に倒れた後に、直球を右前に流し打って先制打。「コンパクトに打ち返すことができた。先制できたし、いい形で次につなげられて良かった」と振り返ったように、低調だった打線を活性化させた。

◆阪神は先発のD2位・伊藤将司投手(25)=JR東日本=が一回に4点を失い、終始主導権を握られ、巨人に完敗した。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ーー試合を振り返って 「立ち上がりでね、一気に4点で重たかったですし、その後も点を取られてしまったんでね。こっちに流れを持ってくることができなかったですね」 ーー追われる立場としてはカードを勝ち越すことが大事 「きょうで2つなんで、勝ち越しはあしたなんでね、あした勝ち越しできるように頑張ります」 ーー9連戦、残り4試合へ向けて 「向こうも疲れているし、こっちもね。そういうなかで全力出して食らいつこうとしてるんで、それを結果や勝ちという形で結びつけられるようにあと4つ戦っていきます」 ーー巨人には7勝7敗 「まあ、去年のチャンピオンのチームでもありますし、僕らはジャイアンツを意識して戦うチームですし、そこは常に意識していきますけど、でもジャイアンツだけを意識して戦うわけにはいかないので、いい意味でモチベーションにして他のチームも全力で戦っていきます」 ーー伊藤将は今までにない状態だった 「球の走りは悪くなかったと思うけどね。コントロールは、えー四球から始まったし、まあ、岡本までいってくれたから。追い込んでの勝負球だったんで、あの1球がどうだったんかなというのはあるけど...。うーんまあ、コントロールかな今日は。球の走りというよりコントロール」 ーー4番を大山にしたのは 「状態も上がりつつあると思うけど、全体的な並びとか流れとしては、やっぱり、あの打順が一番良いなというのはあるし、後半に入るところでね、きっかけをつかめたらいいなというところで、そうしました」 ーーメルセデスは前回崩したけど、今回の印象は 「印象は変わりないけどね。テンポの良い投手なんで。ペースに持っていかれてしまった。それだけを理由に打者陣が点を取れなかったのは良くないけど、状態的にはうん、向こうも飛ばして来ているという印象はあったね」 ーー佐藤輝は早くに交代したが故障とか 「いや、全然、全然」

◆巨人は首位・阪神との直接対決第2ラウンドに大勝。ウィーラー、坂本、岡本和に一発が生まれ、投げては先発のメルセデスが128球の熱投で八回途中1失点で5勝目を挙げた。原辰徳監督(62)が試合を振り返った。 ――初回にチーム55イニングぶりのタイムリーも出て10安打、8得点 「昨日の七回ぐらいから少し(打線が)動き始めましたね。それぞれがいい役割をしてくれたと思います」 ――投げてはメルセデスが八回途中まで1失点 「非常にリズムのいい投手で、今日はドミニカのナショナルチームに選ばれてオリンピックに行けるということで、非常にいい気持ちの中でね、集中力ある素晴らしいピッチングだと思います」 ――今カードは1勝1敗。阪神戦は7勝7敗の五分で明日、前半戦最後の伝統の一戦 「まだあんまり考えていませんが、しかし、明日はいいゲームをしたいなと思いますね」 ――坂本は昨日、失策があったが 「そうですね。昨日は寝ずに行(ぎょう)をしていたんじゃない? (ニヤリ)えっへっへ」 ――今日の試合前練習ではアップの時に坂本の姿がグラウンドになかった。中で打ち込んでいた? 「(首をかしげて)どうだろうねえ」 ――ホームランの後、ベンチに戻ってきたときに監督に帽子を取ってあいさつしていたが 「打ちましたよ~(の報告)じゃない?(ニヤリ)えっへっへ」 ――一回に久しぶりの適時打が出た 「あれは大きかったですね。満塁で4番バッター(岡本和)が三振という中で、チーム全体に勇気というか、いいものをウィーラーが出してくれましたね」 ――ウィーラーも昨日は失策。悔しい思いも糧に 「うん。そうですね」 ――1番・松原は昨日の結果もみて 「そういうことですね。最善策ですね」 ――梶谷が骨折と発表された 「(表情を曇らせながら)うん...。当然勝負の中で故意ではないけれどもね、やっぱり骨折というのは避けてもらいたいところだね。1日でも早く治る、治すということと、前を向いてわれわれは戦うということですね」 ――メルセデスは七回まで110球。八回続投という監督の決断は 「120ぐらいはね、と思って。元気でしたしね。今日は非常に蒸し暑い中でね。終わった後、『ドミニカとどっちが暑いんだい?』って。『こっち(日本)が暑い。(ドミニカ共和国は)少しカラッとしてる』って(笑)。その中でよく頑張った(ニコニコ)」 ――東京五輪では強敵になるかも 「どうなんでしょうね、その辺は。まあ、正々堂々と戦うでしょう」

◆西武、巨人などで活躍した清原和博氏(53)が10日、阪神―巨人(甲子園)でカンテレの解説を務めた。巨人・原辰徳監督(62)が試合後にグラウンドから解説席の清原氏へ手を振る場面があった。 整列してスタンドに礼をした後、元木大介ヘッドコーチ(49)が解説席を指さして原監督に耳打ち。近くにいた宮本和知投手チーフコーチ(57)らとともに清原氏へ大きく手を振った。 これには清原氏も感激。立ち上がって一礼して手を振り返し、「鳥肌が立ちましたね。泣きそうですね。来てよかった」と語った。 清原氏は1997年から2005年まで巨人に在籍。02年から2年間の原監督の第1次政権時代も選手としてプレーしていた。 これにはネット上でファンも大興奮。「いい光景で泣ける」「ドラマのワンシーンみたい」と〝再会〟の場面を喜んでいた。

◆一回の4失点に尽きる。伊藤将は元々立ち上がりが安定している投手だが、この日は真っすぐも変化球も抜けていた。先頭の松原に四球を与え、続く坂本にはストライクを取りにいった初球を狙われた。そして、丸には四球と、悪循環に陥って大量失点につながった。 どんな投手でも立ち上がりで制球が定まらないと焦ってしまう。そういう苦しいときはリズムを変えることが大事になる。梅野が伊藤将にゆっくり返球してあげたり、タイムを取って間を作ってあげたり、リズムを変える工夫をしていれば改善できた可能性はある。 打線は大山を4番に上げたが、結果的に機能しなかった。確かに大山は打順を下げてから調子を取り戻してきた。ただ、今までマルテは4番で気持ちよくバッティングできていたし、現時点では大山に比べて調子がいい。「4番・大山」を否定するわけではないが、打順に関して矢野監督は今後も各選手の状態を見極めながら組み替えていくことになるだろう。(本紙専属評論家)

◆巨人のメルセデスが、6失点KOされた6月18日の前回対戦の雪辱を果たした。150キロ近い直球を軸に小気味良く攻め、八回途中まで1失点の快投。5勝目を挙げ「いい仕事をして勝つんだという気持ちでいたので、結果につながったと思う」と表情を緩めた。 東京五輪のドミニカ共和国代表に選ばれた。「小さい頃から夢に見ていた。本当に誇りに思う」と喜びを口にした。 岡本和(五回に26号ソロ)「甲子園で打つ本塁打は久々だったし、打ててうれしかった」

◆敗戦ムードが漂う甲子園。虎党の留飲を下げる一発を放った。サンズが唯一の得点となる16号ソロ。スコアボードに意地の「1」を刻んだ。 「こういう(ビハインドの)展開になってしまったけど、やるべきことは変わらないし、きた球をしっかり強く打つことができてよかった」 0―7と大量リードを許して迎えた六回2死。メルセデスの低めの球を捉えた。左翼席へ運ぶアーチ。球場に表示されたトラックマンのデータで飛距離133メートルを記録した。 試合展開からか、最近恒例となっている「タイガースメダル」の授与はなく、ベンチ前でのハッピーハンズも控えめ。それでも、ゼロに封じられていた左腕から、なんとか1点をもぎ取った。 打線が沈黙する中で気を吐いた。今度は勝利につながる一打を放つ。(菊地峻太朗)

◆虎キラーの快投で再び背中を視界にとらえた。巨人のクリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(27)が128球の熱投で八回途中1失点。六回にサンズに一発を浴びたが、その他は危なげない投球で5勝目を挙げ、「アグレッシブな投球ができるように準備した」と胸を張った。 もともと100球を超えると崩れるパターンが多かったが、オフには母国・ドミニカ共和国の砂浜でダッシュを繰り返すなどスタミナアップ作戦を敢行。七回を終えた時点で球数は110球に達していたものの、原監督は八回の攻撃でわざわざ打席に立たせた上で続投を指示した。「120球くらいはと思って」と指揮官。南国の母国よりも湿気の多い日本の夏の方が暑いという左腕だが、もう来日5年目。しっかりと対応した。 東京五輪ではサンチェスとともにドミニカ共和国代表に選出された。28日の開幕戦(福島県営あづま球場)ではいきなり日本代表と激突する。主戦級のメルセデスは、日本戦で登板する可能性もある。「小さいころから夢に見ていた代表でプレーできるのは本当にうれしい」。五輪本番では強敵として坂本らの前に立ちはだかることになりそうだ。(伊藤昇)

◆自己ワースト記録が並んだ。D2位・伊藤将(JR東日本)が重圧にやられた。自慢の制球が定まらず、自己最短の4回で降板。6失点もワースト(自責は5)なら1イニング4四死球、4失点も最多だった。 「先発投手としてチームに良い流れを作らなければいけない中で、初回から大量失点してしまい、申し訳ないです」 6勝目を手にできなかったルーキー左腕は、うなだれた。一回、先頭の松原に四球を与えた後、坂本に左翼線二塁打、丸も四球を許して満塁のピンチ。1死後、ウィーラーに右前に先制打を浴びると、梶谷に押し出しの死球。さらに内野ゴロと味方守備のエラーで、いきなり4失点だ。 これまでピンチを招いても粘り強い投球で最少失点で切り抜けたルーキーだが、この日は立ち直ることもできず。三回にはウィーラーに被弾。四回には坂本にも一発を浴びて試合をぶち壊し、「この反省をしっかりと次に生かせるようにしっかり練習したいと思います」と肩を落とした。 矢野監督は「球の走りは悪くなかったと思うけどね。コントロールかな。立ち上がりで一気に4点で、ちょっと重たかったし、その後も点を取られてしまったんでね。こっちに流れを持ってくることができなかった」と、大量失点が打撃陣のモチベーションを下げてしまったと分析した。 首位攻防第1ラウンドだった9日は、3点リードを守る七回無死二、三塁のピンチで降雨コールドゲーム。天も味方につけた。この日勝てば、2008年以来となる首位ターンが決まっていたが、再び巨人に2・5ゲーム差に迫られた。指揮官は「あしたは勝ち越しできるように頑張ります」と力を込めた。 先発ローテでただ一人の左腕ルーキー、伊藤将は実力を出し切れなかった。前半戦最後の伝統の一戦のマウンドは通算100勝に王手をかけているエース西勇に託す。(三木建次)

◆挽回弾!! 巨人は10日、阪神14回戦(甲子園)に8―1で快勝。連敗を2で止め、首位・阪神との差を再び2・5ゲームに詰めた。球団OBの清原和博氏(53)が12年ぶりのテレビ解説で球場に姿を現した中で、坂本勇人内野手(32)が四回に左中間席へ豪快な11号ソロを放つなど3安打1打点。9日の阪神戦で犯した失策を取り返す活躍だった。 上体が反り返るほどの豪快なスイングで、前夜に犯した痛恨失策の悔しさを晴らした。坂本は四回、左中間席へ11号ソロを運び、ベンチ前でヘルメットを取って原監督へお辞儀。その意味を指揮官は笑ってごまかした。 「『打ちましたよ~』(の報告)じゃない? 指導のお礼? どうだろうねぇ。そんなのは手前みその話でね」 舞台裏に師弟特訓があった。右手親指の骨折から6月11日に復帰して以降の坂本は直近20試合で打率・214、複数安打は2度。苦しむ主将に原監督がひそかに手を差し伸べた。全体練習前、ブルペンに坂本を呼び、打撃練習を見ながら助言を送った。 主将がプロ1年目の2007年から見てきた教えは効果てきめん。一回に左翼線二塁打、七回も左前打を放って3安打。5月7日以来約2カ月ぶり、歴代10位となる通算168度目の猛打賞を記録した。指導に応えた坂本は「何よりもチームが勝てたことが一番。その中で得点に絡めたことは良かった」と喜んだ。9日の第1戦では、0-0の三回に一塁手のウィーラーと連続してゴロを後逸。名遊撃手には珍しいミスが失点につながり、首位・阪神との直接対決初戦を落とした。だが、その悔しさを翌日に晴らすのが一流選手。ウィーラーも三回に10号ソロを放って汚名を返上した。たくましい2人の姿は、甲子園球場の放送席で12年ぶりのテレビ解説(カンテレ)を務めた清原氏をうならせた。「エラーが点に絡んだのは、選手としては一番こたえますよね。次の試合で取り返そうとするけど、ほとんどが空回りする。翌日にすぐ返したのはメンタル、心の強さを感じます」通算525本塁打の名打者は09年の日本シリーズ第2戦以来で、伝統の一戦では初解説。聖地には高校野球の甲子園大会決勝を観戦した18年夏以来の登場だった。16年の薬物事件から再起を目指す清原氏は、勝利のハイタッチの列から離れた原監督から手を振られると立ち上がって両手を挙げ、感極まった。「鳥肌が立ちました。泣きそうですね。まさか、原さんが手を振ってくるとは思わなかったので...。今まで頑張ってきて本当に良かった」。〝復活〟への道を歩むOBへ、大きな力を与える一戦にもなった。チームは前半戦首位ターンの可能性を残す。「一戦必勝、集中して戦っていきます」と坂本。失敗しても、強い心で立ち直れる。主将の全力プレーが物語っていた。(谷川直之)

◆雨! 何しとんねん!! 五回を終わって0-7。わが阪神は巨人に敗色濃厚...。ここやろー!! 五回裏が終わらなきゃノーゲーム、試合がなかったのと同じ!! 9日は阪神ピンチの七回に突然の豪雨でコールドゲームで救ってくれたのに、本日はボ~ッとしとったんやろ、しっかりせーや!! という雨に八つ当たりをするくらい、情けない惨敗だったのだ。シクシクシク...。 敗因は先発・伊藤将の4四死球を含む一回の4失点の独り相撲なのだ。でも、俺はルーキーを責める気は一切ありません!! ここまで新人で5勝は十分持てる力を発揮してくれていると思いません? 責めるべきは立ち上がり乱調のルーキーを「ま、そんな日もあるわ。まかしとかんか~い。打線がカバーしたるわ」と序盤に得点を奪ってやれないそのふがいなさだったのだ...。 さあ、これで対巨人は7勝7敗。第3戦は石にかじりついてでも、前半勝ち越しを決めておかないと、約1カ月の五輪ブレーク期間中に巨人アレルギーが無意識に広がっていくのがコワーイ!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
47303 0.610
(↓0.008)
-
(-)
63334
(+1)
288
(+8)
80
(+1)
70
(+1)
0.254
(-)
3.310
(↓0.05)
2
(-)
巨人
423010 0.583
(↑0.006)
2.5
(↑1)
61343
(+8)
280
(+1)
108
(+3)
49
(+1)
0.252
(-)
3.270
(↑0.03)
3
(-)
ヤクルト
40329 0.556
(↓0.007)
4.5
(-)
62341
(-)
322
(+5)
79
(-)
50
(-)
0.252
(↓0.002)
3.740
(↓0.02)
4
(-)
中日
323911 0.451
(↑0.008)
12
(↑1)
61239
(+6)
272
(+2)
46
(+1)
41
(+1)
0.239
(↑0.001)
3.210
(↑0.01)
5
(-)
DeNA
294310 0.403
(↓0.005)
15.5
(-)
61324
(+2)
389
(+6)
82
(+1)
17
(-)
0.259
(-)
4.590
(-)
6
(-)
広島
274210 0.391
(↑0.009)
16
(↑1)
64282
(+5)
344
(-)
57
(+1)
39
(-)
0.258
(-)
3.950
(↑0.05)