阪神(☆5対1★)巨人 =リーグ戦13回戦(2021.07.09)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
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勝利投手:秋山 拓巳(7勝4敗0S)
敗戦投手:戸郷 翔征(8勝4敗0S)

本塁打
【巨人】ウィーラー(9号・5回表ソロ)
【阪神】マルティネス(16号・6回裏ソロ)

  DAZN
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◆阪神が降雨コールド勝ち。阪神は3回裏、糸原の適時打などで2点を先制する。その後1点差に迫られた5回には、近本の適時打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・秋山が7回途中1失点の好投で今季7勝目。敗れた巨人は、守備の乱れが失点につながり、痛い敗戦を喫した。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)は巨人戦で2試合連続本塁打中。 「伝統の一戦」と称されるこのカードで2戦連発を記録した新人は54年広岡、98年高橋、01年阿部(いずれも巨人)に次いで4人目だったが、過去3人は2戦止まり。佐藤輝が3戦連発となれば初の快挙となる。

◆スタメンが発表され、阪神大山悠輔内野手(26)が「5番三塁」で先発することになった。前カードのヤクルト戦(神宮)では7番降格を経験し、5番に座るのは2日広島戦(マツダスタジアム)以来。 前日8日のヤクルト戦で決勝の10号3ランを放つなどここ3戦で2発、11打数5安打と上り調子。本拠地でクリーンアップ復帰となった。 また、前日8日に4打数無安打だった佐藤輝明内野手(22)は今季初めて7番で先発する。

◆「ウル虎の夏2021」のイベントの一環で漫才コンビ、ミルクボーイの駒場孝、内海崇が試合前にグラウンドに登場し、球場を盛り上げた。 「あ~ありがとうございます~。今、ホームランを打ったら、首にかけてもらえるメダルをいただきましたけども。こんなんなんぼあってもいいですからね」 2019年M-1グランプリ王者は、漫才でも定番の「つかみ」の阪神バージョンを披露し、虎党の心をがっちりつかんだ。 「ウル虎の夏2021」は9~11日巨人戦、12~14日DeNA戦(ともに甲子園)の計6試合で開催され、虎の顔があしらわれた「ウル虎の夏2021限定オリジナルジャージー」が来場者にプレゼントされる。 また、10日以降もタイガースファン芸人がスタメン選手呼び出しやヒーローインタビューのお出迎えなど、スペシャルな演出に登場する。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、プロ初の「7番右翼」で先発し先制のホームを踏んだ。 3回先頭の第1打席。巨人戸郷のスライダーを捉え、一塁へ強烈な打球を放った。これを一塁手ウィーラーがはじいて一失で出塁。その後8番中野の遊撃へのゴロを坂本が失策し1死一、三塁。三塁走者佐藤輝は、1番近本の二ゴロの間に生還し、阪神が無安打で1点を挙げた。 その後2番糸原に右前適時打が飛び出し、この回2点を先制。7番佐藤輝がその起点となった。

◆阪神が巨人の連続エラーにも助けられ、2点を先制した。 両チーム無得点で迎えた3回裏、先頭7番佐藤輝明内野手(22)の一ゴロをウィーラーが後逸。さらに8番中野拓夢内野手(25)の併殺コースの遊ゴロを坂本がまさかのトンネル。1死一、三塁から1番近本光司外野手(26)が二ゴロを転がした間に、無安打で先制点をゲットした。 さらに2死二塁から2番糸原健斗内野手(28)がチーム初安打となる右前適時打。「1点で終わるのか、追加点を取れるのかで展開も大きく変わってくるので、打つことができて良かったです。まだまだ援護できるように頑張ります」。2点を先制し、試合の主導権を握った。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手(30)が飛距離140メートル弾で2戦連発を決めた。 2点リードの6回裏、先頭で戸郷の149キロ直球をフルスイング。16号ソロを左翼席中段まで届かせた。 打球速度169キロ、飛距離140メートルの特大弾でナインを鼓舞した。

◆今季最多1万7088人が集まった伝統の一戦で、場外乱闘が起きた。5回に右翼席の阪神ファンから「帰れコール」の大合唱が起きた。そのコールが向けられた右中間スタンドでは、巨人のレプリカユニホームを着たファンと阪神ファンがもみ合いとなっていた。 警備員が制止し、警察が駆けつける騒ぎとなった。

◆阪神は3回、敵失2つで得た好機に内野ゴロと糸原の適時打で2点を先制。巨人は3回まで1安打だけで無得点。 巨人は5回、ウィーラーの9号ソロで1点を返したが、阪神は5回に近本の適時打、6回にマルテの16号ソロで突き放す。 巨人は7回、連打で無死二、三塁の好機をつくるも雨が強くなり中断、そのままコールドゲームになり3連戦初戦を落とした。阪神秋山は7勝目。巨人戸郷は4敗目。

◆首位阪神と2位巨人が対戦。首位攻防戦の第1ラウンド。 阪神は3回に、巨人ウィーラーと坂本の連続失策で好機を得る。近本の内野ゴロと糸原の適時打で2点を先制。 5回にも近本の適時打、6回にマルテの16号ソロで突き放す。 巨人は3回まで1安打だけで無得点。 5回にウィーラーの左翼ポール直撃の9号ソロで1点を返すが、 7回表の攻撃中に雨が激しくなり、降雨コールドで試合終了。 阪神が逃げ切り、初戦を制した。

◆「WHY? コールド?」。巨人原辰徳監督(62)が反撃ムードに水を差され、無念の雨天コールド負けを喫した。 1-4で迎えた7回、ウィーラーと松原の連打で無死二、三塁としたところで雨脚が強まり、中断。約25分間ほど経ち、雨は止み、巨人もベンチの手すりをタオルで拭き、試合再開をアピール。しかし、審判団がグラウンド状況を確認した上で、真鍋球審がコールドを告げた。その瞬間、宮本投手チーフコーチが「WHY?」と言わんばかりに両手を広げた。原監督も説明を求める形で真鍋球審に歩み寄り、言葉を交わしてベンチへ下がった。 雨天の甲子園に泣かされるのは今季2度目だ。4月6日の一戦で試合開始から雨が降り続き、4点ビハインドで7回を終えると、審判団が話し合って中断もなく"即終了"のコール。原監督はベンチを飛び出し、両手を大きく広げ、不満の表情を募らせて審判に詰め寄る一幕があった。デジャブのような試合展開で首位阪神の背中は3・5ゲーム差に広がった。

◆プロ12年目で初めて中4日で先発した阪神秋山拓巳投手(30)が、思わぬ形で7勝目をつかんだ。 3点リードの7回、先頭のウィーラー、続く松原に連打を浴び無死二、三塁のピンチを招いた。しかし、ここで雨が突然強まり試合は一時中断。雨は降りやんだものの、グラウンドコンディションが悪化し、約30分後に降雨コールドゲームが宣告された。 秋山は前回4日広島戦(マツダスタジアム)で、3回2失点で降板。リベンジを期した一戦で、7回途中6安打1失点の好投を見せた。

◆巨人戸郷翔征投手が首位攻防戦の初戦で6回4失点と打ち込まれた。 3回、味方の連続失策でピンチとなり、内野ゴロと糸原の適時打で2失点。1点差に迫った直後の5回にも近本の適時打で突き放され、6回にマルテに特大弾を浴びた。 満を持して中12日で先発も単独トップの9勝目とはならず。「粘れなかったのが一番の敗因です。次の登板までの期間でいい調整ができるようにしたい」と話した。

◆7回の巨人の攻撃中、無死二、三塁で降雨コールドゲームとなり、阪神が首位攻防3連戦の初戦を取った。阪神矢野燿大監督(52)の試合後の一問一答は以下の通り。 -先発の秋山が最後まで1失点で好投 持ち味の直球のキレ、制球というのもね、立ち上がりから飛ばしていってくれたんでね。素晴らしい投球でした。 -どんなところがよかったか きょうは真っすぐのスピード、キレというのがすごくありましたし。それが生きたからこそ、変化球もうまく使えているように感じましたし。何よりも気持ちがね。すごく向かっているなという、そういう感じがしました。 -秋山は前回の悔しさをぶつけた そういうのも感じたし、本当にボールにすごく気持ちが乗っているというか、アキのその良さと言うか、スピードガンがすごく速く出るわけではないけど、バッターにとっては速く見える。また見逃し三振っていうのは、バッターが低く見えたり、コントロールで三振を取るというのはアキのピッチングなんで。まあ、真っ直ぐがすごくよかった。 -秋山はバントもしっかり決めた 今年はすごくいいバントをずっとやってくれてるし、ピッチングにもバントって影響するんでね。そういうところはお手本となってやってくれている。 -今日は巨人先発の戸郷を打った ちょっとラッキーな形(相手の連続失策)でのチャンスになりましたけど、それでもね、1点で終わらずに、もう1本、ケント(糸原)の適時打も大きかったですし。少ないチャンスでしたけど、いけましたね。 -改めて、相手のミスからの攻撃を振り返って 何とかチカ(近本)が食らいついてというか。あそこで終わらなかったというのが大きいですね。 -5回にも近本が適時打 あの近本の適時打も、いい当たりではなかったですけど、食らいついていくっていうね、そういう気持ちがしっかり出た打撃でした。 -6回にはマルテの1発 マルテは選球眼もいいですし。勝負強さもあるし、今日みたいに本塁打も打てる打者なんで。本当にチャンスに強い、チームに欠かせない存在ですね。 -連勝でチームの雰囲気は 全体としてね、すごくいいって感じではないですけど、でも本当にこうチーム自身、みんな全員でつなげようという、そういう意識でやってくれているっていうのは非常にうれしいですし。それで苦しい中でも勝ち星を取れているところかなと思います。 -結果的に雨ではあったが、リリーフを使わずに終われた 結果的にね。うん、まあ...こういうことをどう表現していいか分からんけど、チーム的にはね(岩崎)優もスアちゃん(スアレス)も休ませられたし。アキが1人で投げきってくれたというのは明日にもつながる勝ち方ができたと思うし。運も味方についてくれたんで。そういうのも生かしながら、まだ調子が出てない選手もいるんで、そういうところで上がっていく残りの試合にしていけたらと思います。 -ウル虎ユニホームで負けていない そういうね、縁起ってやっぱり俺、どこかで担いでいるし。良いものはどんどんそういうふうにしていきたいし。またファンの人にもね、このユニホームの印象がいい印象として残っていくんで。明日も続けていけるように精いっぱい戦っていきます。 -明日の先発伊藤将に期待するところは まずはテンポ良く、まあバンバン三振取るっていうよりはテンポよくゴロを打たせていくという投球になると思うんで、その中で打線が援護してくれたらいいなと思います。 -明日へ意気込みを そうですね、初戦は天を味方にしてくれたりで取れて、こういう形をつくれましたのでね。何とか明日、あさって、どっちも取るつもりで、全員でタイガースらしい野球をやり切ります。

◆甲子園の魔物なのか。巨人が首位阪神に逃げられ、3・5ゲーム差に広がった。3点を追う7回。ウィーラーの中前打、松原の右越え二塁打で無死二、三塁の絶好機をつくった。さあ、ここから。反撃ムードが高まったときだった。雨脚が強まり、審判団が中断をコール。27分間の中断を経て、雨天コールドが宣告された。雨脚が弱まった中での"敗戦"に巨人ベンチは両手を大きく広げた。 原辰徳監督は真鍋球審に歩み寄り、説明を求めた。試合後、指揮官は「9イニングで勝負したいという、それはもちろんあるけれど、うーん...、致し方ないところでしょうね。グラウンド整備をする、いろんなことを考えると、従うというか、そういうことだよね」と冷静に話した。4月6日の同戦でも試合開始から雨が降り続き、4点を追う7回終了時に審判団の"即コールド"に泣かされた。 むろん、言い訳も、愚痴もない。「仕掛けがね、こちらが、やや遅かったというところでしょうね」と自軍の戦いに目を向け「俺たちは明日のことだからな。ステップ材料にするよ」と次戦への糧にする。3回のウィーラー、坂本の連続失策で自らの首を絞めた。敗戦を受け入れ、ミスを肥やしに、再び戦いを挑む。雨降って地固まる。【為田聡史】

◆首位阪神が巨人との首位攻防第1ラウンドを制した。先発秋山拓巳投手(30)が1失点で7勝目。打線は3回に巨人の2失策に乗じて2点を先制すると、5回には近本の適時打、6回にはマルテの16号ソロで突き放した。 この日はコールドゲームとなったため、ヒーローに選ばれた阪神糸原健斗内野手(28)と秋山は室内でインタビューに応じた。 糸原と秋山の一問一答は以下の通り。-まずは糸原選手。2回、近本選手の内野ゴロで先制した後の打席だったが、どんな思いで 糸原「いやもう、絶対打ってやろうという気持ちで打ちました」 -あの安打がチーム初安打だった 糸原「首位攻防戦ということで、気持ちも入ってましたし、しっかりタイムリー打つことができて良かったかなと思います」 -5回の第3打席も安打でチャンスメーク 糸原「2番任されているので、チャンスメークっていうところは意識してやってるんで、チャンスを作れましたし、タイムリーも打てて本当、秋山さんを援護出来て良かったかなと思います」 -秋山投手が7回1失点。後ろから見ていて 糸原「秋山さん自分の打席忘れてるくらい、集中してたんで、なんとかしっかり守ってやろうっていうふうに思って守ってました」 秋山に代わり -5回の打席は出てくるまで間があった。 秋山「あの...言わずに墓場まで持っていくつもりだったんですけど...(笑い)。後輩に、簡単にしゃべられちゃって...。5回なんとか抑えて、もう気持ちが6回にいって、攻撃のこと忘れちゃってました」 -ただ1球でバント決めた 秋山「そうですね、しっかりバントの練習を続けているんで。あの場面でも落ち着いて決めることができてよかったです」 -大事な3連戦。その初戦を託された。聞いた時の思いは 秋山「ずっといいピッチングできていなかったんで。意地を見せたかったですし。なんとかこういう形で勝つことができたので、少しは意地見せれたかなと思います」 -中4日の調整はどうだったか 秋山「早い回で降りてますし、調整も何も、本当にしっかり投げるためにがむしゃらに1日過ごしていました」 -見逃し三振が4つ 秋山「真っすぐが低めにいってて、自分らしい投球ができていたので。これをきっかけにまた次から、迷惑かけている分、取り返せるようにやっていきたいと思います」 -懸命に投げている間に打線が援護 秋山「本当に集中していたので。あまり、気にしないようにはしていましたけど。とにかく必死でした」 -7回に雨でベンチに戻っての心境は 秋山「同じように集中力を切らさないようにということと。次の打者以降の攻め方を冷静になって考えて、とにかく集中力を切らないようにと思っていました」 -今後へ 秋山「前半すごい中途半端な投球が続いていたんで、後半中心となれるように、しっかり鍛え直して、チームの一員となって、みんなと一緒に進めるように頑張っていきたいと思います」 糸原に代わり -「ウル虎の夏」が始まった。虎のユニホームの印象は 糸原「すごい派手ですけど、チームがこのユニホームで勝っているんで、引き続き明日も全員野球で頑張りたいなと思います」

◆虎の威嚇で、阪神に思わぬ形で先制点が転がり込んだ。 起点となったのはプロ初の「7番」で起用された佐藤輝明内野手(22)だ。3回先頭で、戸郷から一塁への鋭い打球を放つと、ウィーラーがはじいて失策で出塁した。さらに8番中野の併殺コースの遊ゴロを坂本がトンネル。1死一、三塁で近本が二ゴロを転がした間に佐藤輝がホームへ帰ってきた。無安打で1点をゲットした。 矢野監督 1発で大量点を、ドンってもちろん取りたいけど。こういう野球がうちの野球。全員でつなぎとか、粘りとかそういうのをやってくれた結果。 開幕から中軸を担った佐藤輝が、前日8日に決勝3ランを放った大山と入れ替わる形で5番から7番に下がった。ただ、5月2日にプロ初4番に入った時も「自分ができることはいつも通りのスイング」と泰然自若を貫いた男。「恐怖の7番」が打順関係なくフルスイングし、強烈な打球で相手のミスを誘発した。 この日は「ウル虎の夏2021」が開催され、虎の顔が前面にあしらわれたユニホームを着用した。4月16日にお披露目試合として使用された際には、藤浪がお立ち台で「大阪のおばちゃんみたい」と表現したユニホーム。そんな奇抜なデザインの勝負服で臨んだ試合は、これで3戦全勝だ。 矢野監督 縁起って、やっぱり俺どこかで担いでいる。ファンの人にも、このユニホームの印象がいい印象として残っていくんで。 相手のミスに加え、7回途中降雨コールドでのラッキー勝利。「チーム的には優(岩崎)もスアちゃん(スアレス)も休ませられた」。9連戦の4戦目に降った恵みの雨を矢野監督もプラスに捉えた。ウルトラな幸運を呼ぶ"大阪のおばちゃんユニ"で、首位攻防第2ラウンドも取る。【中野椋】

◆勝負どころをわきまえた特大弾だ。阪神ジェフリー・マルテ内野手(30)は豪雨の直前、宿敵を突き放す飛距離140メートル弾を決めた。2点リードの6回裏無死、2ボール1ストライクから戸郷の内寄り149キロ直球をフルスイング。2戦連発となる16号ソロを左翼席中段まで届かせ、「満足しているよ」と納得顔だ。 7月2日広島戦から4番起用されて7試合。早くも3本目の4番弾だ。弾道測定器トラックマンの計測で打球速度は169キロ。飛距離140メートルは今季甲子園で計測された虎アーチの中で最長となった。 ダイヤモンド1周後は「虎メダル」が引きちぎれそうなほど豪快に「ラパンパラ」パフォーマンスを披露。「打順は意識していないよ。3番でも4番でも自分のやるべきことをやるだけ。こうやって勝つことが大切。常にみんなでポジティブな結果を出せるように頑張りたいね」と自然体で喜んだ。 ここまで得点圏打率は3割4分3厘。この日は雨雲が刻一刻と近づいて1点の重みが増すタイミングで、リードを3点に広げる1発を放った。矢野監督は「本当にチャンスに強い。チームに欠かせない存在ですね」と絶賛。頼れるクラッチヒッターの存在感は増すばかりだ。【佐井陽介】

◆阪神秋山拓巳投手(30)が3回降板の屈辱をバネに、宿敵を封じた。プロ初めて中4日の間隔で先発し、降雨コールドとなる7回途中まで巨人打線を1失点で7勝目。首位攻防戦の初戦を制し、2位巨人に3・5ゲーム差。きょう10日も勝てば、13年ぶりとなる前半戦の首位ターンが決まる。激しい雨に、水浸しのグラウンド。コールド目前の光景にも、秋山は一点だけを見つめていた。「次の打者以降の攻め方を冷静になって考えて、とにかく集中力を切らないようにと思っていました」。中断したのは、7回無死二、三塁のピンチ。頭にあったのは打者を抑えることだけだった。 首位攻防戦の初戦という重要な一戦で、プロ初の中4日で先発マウンドに立った。ウル虎ユニホームの虎のように、気迫で立ち向かった。「とにかく意地を見せたろう、と思って」。先制点をもらった直後の4回。坂本、丸を変化球で打ち取ると、4番岡本和には直球をズバッと決めて見逃し三振。持ち味の制球力に直球のキレがさえた。降雨コールドながら7回途中6安打1失点。堂々の7勝目だった。 前回4日広島戦(マツダスタジアム)は、3回2失点で降板。「意地見せようぜ」。福原投手コーチからハッパを掛けられ、そのことだけを考えた。体全体を使う意識が強いあまり、腕を強く振れていなかったことに気づいた。「左肩の壁を作ることと、上体をしっかり止めて腕を走らすということを思いついた。自分の中の引き出しとして、また1つ増やしていけたかな」。悔しさをバネにした4日間が肥やしにもなった。 一戦にかける思いは、まさかのハプニングも生んだ。5回1死一塁の攻撃。打席に立つはずの秋山が一向に現れない。その舞台裏は、ヒーローインタビューで糸原から明かされた。「秋山さん、自分の打席忘れてるくらい集中してたんで、なんとかしっかり守ってやろうと思って」。隣で聞いていた秋山は苦笑い。「あの...、言わずに墓場まで持っていくつもりだったんですけど...。5回なんとか抑えて、もう気持ちが6回にいって、攻撃のこと忘れちゃってました」。慌てて打席に立った中でも、初球で犠打に成功。熱い右腕を中心にナインは一丸だった。 矢野監督も「真っすぐのスピード、キレがすごくありましたし。何よりも気持ちがね。すごく向かっているなという、そういう感じがしました」と思いを感じ取った。雨中の熱戦で連勝し、10日も勝てば前半戦首位ターンが決定。猛虎が泥臭く、必死に白星を追い求める。【磯綾乃】 ◆秋山の前回登板VTR 7月4日広島戦(マツダスタジアム)、3点リードの3回裏。先発秋山は菊池涼の適時打と小園の犠飛で1点差に詰め寄られた。4回表2死二、三塁の好機に打順が回ると、阪神ベンチは秋山を諦め代打に原口を起用。手袋をはめて打席に立つ準備をしていた秋山は、複雑な表情でベンチに下がった。原口は右飛に終わり、チャンスを生かせず。試合は5回に救援陣がつかまり、3-4で逆転負けを喫した。 ▼阪神が10日巨人戦に勝つと、今季の前半戦首位ターンが決まる。11日から球宴前最終戦の14日まで、巨人は3戦全勝でも、44勝31敗10分けで勝率5割8分7厘。阪神は同時期に4戦全敗しても、48勝33敗3分けで5割9分3厘となり、巨人を上回るため。阪神が前半戦を首位で折り返せば、08年以来13年ぶり。

◆阪神2番糸原健斗内野手(28)がチーム初安打となる適時打を放った。 1点を先制した直後の3回2死二塁。戸郷のスライダーを右前へ運び追加点を挙げた。「1点で終わるのと2点で終わるのは全然違うので、めちゃくちゃ集中して。タイムリーになってよかった」。5回にも左前打を放ちマルチ安打。「明日も変わらずやるべきことをやって、全員野球で勝ちに向かっていく」と力を込めた。

◆阪神近本光司外野手(26)が貴重な2打点で勝利に貢献した。 3回1死一、三塁の好機に「どんな形でも先制点が欲しい場面でしたし、なんとかランナーをかえしたい」としぶとく二ゴロで先制点を挙げた。1点差に迫られた5回には2死二塁から中前適時打で「少しバットの先だったとは思いますが、良い追加点になった」と振り返った。矢野監督も「(5回は)食らい付いていくっていうね、そういう気持ちがしっかり出たバッティングでした」とたたえた。

◆阪神が0-0の三回、巨人の連続失策から2点を先制した。先発・戸郷の前に二回まで走者を出すことはできなかったが、三回、7番に降格したD1位・佐藤輝(近大)のゴロを一塁手のウィーラーが後逸。続くD6位・中野(三菱自動車岡崎)は平凡な遊ゴロ。併殺と思われたが、坂本が、まさかのトンネルで無死一、三塁に。秋山は空振り三振に倒れたが、近本の二ゴロの間に三走が生還。なおも2死二塁から糸原が右前適時打を放った。

◆阪神・近本光司外野手(26)が2-1の五回、2死二塁から中前適時打を放って、巨人に傾きかけた流れを引き戻した。 ウィーラーの左翼ポール直撃のソロで1点差に迫られた直後の五回の攻撃だった。1死からD6位・中野(三菱自動車岡崎)が中前打を放ち、秋山の犠打で二進。近本が1ストライクからの2球目のカーブを中前にはじきかえした。先発の秋山にとって貴重な援護点となった。

◆13回戦 阪神7勝6敗、9日、甲子園)阪神は4-1とリードした七回表、無死二、三塁のピンチで、雨が激しくなり、降雨コールドで勝利。首位攻防戦の第1ランドを制し、2位巨人とのゲーム差を「3・5」に広げた。 阪神は三回、ウィーラー、坂本の連続失策をきっかけに1死一、三塁とし、近本の内野ゴロの間と糸原の適時打で2点を先制した。1点差に迫られた直後の五回には近本が適時打。続く六回にはマルテが2試合連続となる16号ソロで突き放した。 中4日で先発した秋山は七回途中まで6安打1失点の好投。6月9日以来、1カ月ぶりの勝ち星となる7勝目を挙げた。 前日8日のヤクルト戦で好機に凡退したD1位・佐藤輝(近大)は、打順が5番からプロ初の7番に降格となったが、3打数無安打と快音は聞かれなかった。

◆阪神との首位攻防3連戦の初戦は七回途中、降雨コールドで敗戦。三回にウィーラー、坂本の連続失策から2失点。五回にウィーラーの9号ソロで1点を返す中、じわじわと点差を広げられた。七回無死二、三塁と絶好の反撃機を迎えた場面で降雨が強まり、27分間の中断の末、無念の試合終了を迎えた。原辰徳監督(62)が振り返る。 ――最後に審判団と話していた 「まあ、説明だよね」 ――グラウンドコンディションについてか 「致し方ないところでしょうな」 ――試合は追う展開 「こちらの仕掛けが、やや遅かったというところでしょうね」 ――三回に失策が続いて先制点を与えた 「でも、あそこを2点でよく踏ん張ったと思うよ、この状況でね」――大事な試合ではあっただけに「そりゃ、もちろんそうだけど。それほど悲観的に考える必要はないよ。俺たちは明日のこと(を考える方)だからな。今日はこういうゲームになったっていうところでね」――先手を許したことで自分たちを苦しめた「仕掛けがやっぱり(遅かった)ね。もちろん残念ではあるけれど、9イニングで勝負したいという、それはもちろんあるけれど。しかし、致し方ないところでしょうね。これでグラウンド整備をする、いろんなことを考えると、従うというか、そういうことだよね」――当たりが止まっていたウィーラー、松原は復調のきっかけに「そうですね、そうですね、いいですね」――戸郷は攻める姿勢は見せた「そうですね。もう少し左バッターに対しての対策かな。あそこはね。まだほら、戸郷、〝途上〟だから」――ある意味切り替えやすくなったと「もちろん、もちろん! もう全てやっぱり、そういう風にいかないと。そういうスタイルでいっていますから」

◆阪神の3点リードで迎えた七回の巨人の攻撃中、無死二、三塁の場面で雨脚が強くなり、中断を経て、試合は降雨コールドゲームとなった。矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 (テレビインタビュー) --秋山が好投 「持ち味のストレートの切れ、コントロールというのもね、立ち上がりから飛ばしてくれたんでね。リズムはね、こっちにできた素晴らしい投球でした」 --どんなところが良かったか 「真っすぐのスピード、切れがすごくありましたし。それが生きたからこそ変化球もうまく使えているように感じましたし。何よりも気持ちがね。すごく向かっているなという、そういう感じがしました」 --巨人の戸郷を打った 「ちょっとラッキーな形でのチャンスになりましたけど、それでもね、1点で終わらずに、もう一本、健斗のタイムリーも大きかったですし。少ないチャンスでしたけど、いけましたね」 --改めて、相手のミスからの攻撃を振り返って 「何とかチカ(近本)が食らいついてというか。あそこで終わらなかったのが大きいですね」 --五回にも近本がタイムリー 「あの近本のタイムリーもね、いい当たりではなかったですけど食らいついていくっていうね、気持ちがしっかり出たバッティングでした」 --六回にはマルテの一発(16号ソロ) 「マルテは選球眼もいいですしね。勝負強さもあるし、ホームランも打てるバッターなんで。本当にチャンスに強い、チームに欠かせない存在ですね」 --連勝でチームの雰囲気は 「全体としてね、すごくいい感じではないですけど、全員でつなげる意識でやってくれているのは非常にうれしいですし。それで苦しい中でも勝ち星を取れているところかなと思います」--10日の伊藤将に期待するところは「まずはテンポ良く、まあバンバン三振取るっていうよりはテンポよくゴロを打たせていく投球になると思うんで、その中で打線が援護してくれたらいいなと思います」--意気込みを「そうですね、初戦は天を味方にしてくれたりで取れて、こういう形をつくれましたのでね。なんとかあした、あさってどっちも取るつもりで、全員でタイガースらしい野球をやり切ります」(記者囲み)--秋山は前回3回降板の悔しさをぶつけた(4日の広島戦)「そういうのも感じたし、本当にボールにすごく気持ちが乗っているというか、アキの良さはスピードガンがすごく速く出るわけではないけど、バッターにとっては速く見える。また見逃し三振は、バッターが低く見えたり、コントロールで三振を取るのはアキのピッチングなんで。真っすぐがすごくよかった」--秋山はバントもしっかり決めた(五回)「今年はすごくいいバントをずっとやってくれているし、ピッチングにもバントって影響するんでね。お手本となってやってくれている」--神宮で二、三塁でなかなか点が入らなかったが、三回は近本が内野ゴロでも1点を取ったのが大きかった「まあ、うまく行くときもあるし、行かないときもあるけれど、みんななんとかしようとしてくれているし。チカのボテボテのゴロもね、何とかバットに当てて、近本の足だったら、ゴロだったら、1点入る状況で確率が高かったんでね。それをやってくれて結果がつながったのもあるし。そういうところは、一発で大量点を、ドンってもちろん取りたいけど。こういう野球がうちの野球なんで」--続く糸原の一打も大きかった「うん、それが大きかった」--結果的に雨ではあったが、リリーフを使わずに終われた「結果的にね。うん、まあ...こういうことをどう表現していいか分からんけど、チーム的には、優もスアちゃんも休ませられたし。アキが1人で投げきってくれたのは、明日にもつながる勝ち方ができたと思うし。運も味方についてくれたんで。そういうのも生かしながら、まだ調子が出てない選手もいるんで、そういうところで上がっていく残りの試合にしていけたらと思います」--この(ウル虎の夏)ユニホームで負けていない「そういうね、縁起ってやっぱり俺、どこかで担いでいるし。良いものはどんどんそういうふうにしていきたいし。またファンの人にもね、このユニホームの印象がいい印象として残っていくんで。明日も続けていけるように精いっぱい戦っていきます」

◆阪神は上位打線が機能した。三回、1番近本の二ゴロで先制してなお2死二塁で、続く糸原がスライダーを右前へ引っ張って加点。「めちゃくちゃ集中していた。1点で終わるのか、追加点を取れるのかで、展開も大きく変わってくる」と納得の口ぶりだった。 ミスに乗じた。先頭の佐藤輝の鋭い一ゴロをウィーラーが後逸。続く中野は遊ゴロで併殺かと思われたが、名手の坂本のトンネルで無死一、三塁を得た。そして1死後、着実に先手を取った。 1点を返された直後の五回は2死二塁で、近本が「絶対に走者をかえしたい」と中前にはじき返し、貴重な追加点を挙げた。 矢野監督(秋山に)「気持ちがボールに乗っていた。直球のスピード、切れがすごくあった」 マルテ(六回に16号ソロ)「常に結果を出して、楽しんでプレーしていきたい」

◆秋山の気迫のこもった投球に拍手を送りたい。前回登板(4日の広島戦)の3回降板は相当、悔しかったと思う。その胸の内をぶつけた。執念すら感じさせる投球内容だった。 象徴は三回2死からの梶谷の打席だ。フルカウントから3球続けてストレート。梶谷はファウルで粘りながら、今までのパターンを踏まえて「いつフォークが来るか」と考えていたはず。しかしバッテリーはここでも真っすぐを選択し、見逃しの三振を奪った。一方で、ストレートで押しながら六回、先頭の坂本に対してはナックルカーブを投じて、こちらも見逃し三振だった。圧巻のピッチングだった。 秋山は1カ月勝てなかった。その理由は辛抱や我慢といった部分で安定感に欠ける傾向があった。また点が入った後に、失点するという場面もあった。しかし、この日は三回に敵失から2点が入った直後の四回は三者凡退に抑えた。勝利への執念に加え、流れを自らの手で呼び込んだことが大きかった。 秋山も確かな手ごたえを持って、後半戦に挑めると思う。チームにとっても本人にとっても価値のある1勝だった。(本紙専属評論家)

◆9日の阪神-巨人(甲子園)の五回終了後に、右翼席から突然「帰れ」コールが響き、球場が騒然とする場面があった。巨人のユニホームを着たファン数人が右翼席に現れて阪神ファンともみ合いになったとみられ、警察も駆けつける騒ぎとなったもようだ。六回の守りへ向けて右翼へ向かう佐藤輝ら阪神ナイン、審判団も心配そうに外野席を見つめていた。

◆無安打で奪った1点で終わらせなかったのは、糸原だ。三回、連続敵失と近本の二ゴロの間に先制した直後、2死二塁で右前適時打を放った。「1点で終わるのか、追加点を取れるのかで展開も大きく変わってくるので」。戸郷からは通算4打席目で初安打だ。4日の広島戦(マツダ)から7日のヤクルト戦(神宮)にかけては3試合にまたがり12打席連続無安打もあったが、ここへきて2試合連続打点と復調気配。五回にも左前打を放ち、今季15度目のマルチ安打とした。

◆チャンスが幻となった。1-4の七回、巨人はウィーラーの中前打、松原の右越え二塁打で無死二、三塁。一発が出れば同点...。だが、雨脚が強まり、グラウンドが水浸しで無情の降雨コールドが宣告された。 「9イニングで勝負したい。それはもちろんあるけど、致し方ないところでしょうね」 試合終了直後に審判団に説明を求めた原監督も、潔く受け入れた。 問題は先制を許した三回だ。先頭・佐藤輝の一ゴロをウィーラーがトンネル。続く中野の遊ゴロで併殺...と思いきや、今度は名手・坂本が後逸した。まさかの連続失策から先発の戸郷が2失点すると、五回に近本の中前適時打、六回にマルテのソロと完全に阪神にペースを握られた。 2・5ゲーム差で迎えた前半戦最後の首位攻防戦だったが、第1ラウンドを落として3・5ゲーム差となった。指揮官は「それほど悲観的に考える必要はないよ。あなた(報道陣)がこうやって(うなだれながら)見るほどのことじゃない」とファイティングポーズを取った。(伊藤昇)

◆4番・マルテが3-1の六回無死、戸郷の149キロを完璧にとらえ、2試合連続となる16号ソロを左翼席へ放り込んだ。 「満足しているよ。こうやって連勝することが大切。常にみんなでポジティブな結果を出せるように頑張りたい」 巨人戦だけで今季5発目となり、2日の広島戦(マツダ)から座った4番では7試合で早くも3発目。矢野監督も「本当にチャンスに強い、チームに欠かせない存在」と最敬礼だ。11試合連続で出塁を続けており、最近10試合で打率・324(34打数11安打)、4本塁打、8打点。どこまでも頼もしい助っ人砲だ。

◆肩口に光る虎の〝睨み〟が効いたのか-。0-0の三回先頭。D1位・佐藤輝(近大)が2ボールから、戸郷の136キロ変化球を思い切り引っ張った。痛烈な打球を一塁のウィーラーが後逸(記録は失策)。ここからチャンスが拡大し、近本の二ゴロの間に、先制のホームを駆け抜けた。 今季初の7番降格となった黄金ルーキーから始まった攻撃に、矢野監督もうなずいた。 「一発で大量点を、ドンって、もちろん取りたいけど。こういう野球がうちの野球なんで。本当に全員でつなぎとか、粘りとかそういうのをやってくれた結果かなと思います」 佐藤輝は今季、4番で11試合、5番で23試合、6番で42試合に出場。6月途中から5番が〝定位置〟だったが、7月に入り、試合前時点で7試合、打率・192、1本塁打、3打点、12三振。好機に凡退するシーンも目立ち、大山と入れ替わる形で打順降格となった。 それでも、気落ちしている暇はない。母校の仲間たちのためにも、だ。この日、オンラインで開かれた近大の東京五輪・パラリンピック出場選手の壮行会にビデオ出演。在学生と卒業生、計14人の出場選手へ、激励の言葉を贈った。 「オリンピック、パラリンピック出場おめでとうございます。日の丸を背負うのはさまざまなプレッシャーがあると思いますが、金メダル目指して頑張ってください。応援しています」 球宴ブレークまで残り5試合。この日は快音は響かなかったが、首位ターンに貢献して、金メダルに負けないくらいの輝きを放つ。(新里公章)

◆何が何でも得点が欲しい場面で、難敵相手に必死に食らいついた。結果的に七回表無死降雨コールドとなった伝統の一戦。近本が先手を打つ貴重な打点で主導権をつかみ、苦手としていた戸郷に土をつけた。 「どんな形でも先制点が欲しい場面でしたし、なんとかランナーをかえしたいと思っていた」 相手のミスから作った好機をものにした。三回無死から、一塁・ウィーラーと遊撃・坂本が連続失策で一、三塁。1死後に打席に立った。 カウント1―2から低めのフォークを転がして二ゴロ。三走を生還させて先制点を奪い、さらに一走も二塁に進めて、続く糸原の適時打を演出した。 さらに、2―1と1点差に迫られた五回。1死一塁から9番の秋山が投前犠打を決め、2死二塁と好機をお膳立てをしてくれた。「秋山さんがしっかりとバントを決めてくれていたので、絶対にランナーをかえしたいと思っていた」。低めのカーブをバットの先ながらもとらえた。打球はしぶとく中前へと抜け、大きな追加点を叩き出した。阪神は戸郷に対し、昨季は先発と中継ぎの計5度対戦し、3勝を献上。今季も6月19日に黒星を喫した。近本自身も試合前時点で16打数2安打、打点なし。チームとしても個人としても苦い思いをさせられてきた。これまでの相性はよくない。だからこそ、なんとか食らいついた。難敵を攻略する2打点に、矢野監督も「(三回は)何とかバットに当てて、近本の足だったら、ゴロだったら1点入る確率が高かった。それをやってくれて結果がつながった。(五回も)いい当たりではなかったけど、食らいついていくという、そういう気持ちがしっかり出たバッティングでした」と目を細めた。「3連戦の初戦を取れたことは、チームとしてもすごく大きい。前回(6月18―20日)の巨人戦は2、3戦目に負けてしまっているので、また集中して、みんなで一丸となって戦っていきたい」と、より気を引き締めた近本。まだ巨人との試合は続く。歓喜の秋まで、背番号5がG倒の先頭に立つ。(菊地峻太朗)

◆天にも通じた、魂の熱投! 首位の阪神は2位の巨人との大事な3連戦初戦に4-1で勝利。自身初の中4日で先発した秋山拓巳投手(30)が七回表無死降雨コールドながら、完投で7勝目を挙げた。3回で交代となった前回登板の悔しさを力に変え、今季G戦初勝利。チームは7月初の連勝で、ゲーム差は3・5に。このまま一気に突き放す!! 午後8時14分。真鍋球審がゲームセットをコールした。中断から27分間、険しい表情でベンチからグラウンドを見つめていた秋山は、あふれんばかりの笑顔とともにスイッチをオフにした。 「集中力を切らさないように、次の打者以降の攻め方を冷静になって考えて。とにかく集中力を切らさないことで(頭は)いっぱいでした」 4-1で迎えた七回。ウィーラー、松原に連打を許し無死二、三塁の大ピンチを迎えたが、秋山の勝利への執念を、天も後押しした。首位攻防戦第1ラウンド。6回0/3、6安打1失点の〝完投〟で、今季G戦4試合目で初、自身1カ月ぶりの7勝目をゲットだ。「ずっといい投球ができていなかったんで意地を見せたかった。少しは意地を見せられたかな。(前回)早い回で降りていますし、調整もなにも...。しっかり投げるために、がむしゃらに1日1日を過ごしていました」前回4日の広島戦(マツダ)は3-2とリードしていた四回の攻撃で代打を送られた。今季最短タイの3回46球、2失点で降板。これまでメッタ打ちを食らっても報道陣にきっちりと対応してきた右腕がノーコメント。悔しかった...。それから自身初の中4日。「きょうは真っすぐがしっかり低めにいっていて、自分らしい投球ができていた」と自画自賛だ。巨人打線を抑えることに〝全集中〟しすぎて、打席に入ることすら忘れていた。五回にウィーラーに被弾し、1点差に迫られた直後の五回の攻撃時。1死一塁から「バッター・秋山」とアナウンスが流れたが、ベンチから出てこない。ベンチ裏で集中しながらアンダーシャツを着替えていた。あわてて登場し、初球でバントを決めて近本の適時打につなげたが、そんな舞台裏を、お立ち台で糸原が「秋山さん、自分の打席忘れているぐらい集中していたんで、何とかしっかり守ってやろうって」と〝暴露〟。右腕は「(理由は)言わずに墓場までもっていくつもりだったけど、後輩に簡単にしゃべられちゃって...。五回をなんとか抑えて、気持ちは六回(のマウンド)でした」と頭をかいた。矢野監督は「アキ(秋山)はボールにすごく気持ちが乗っていた」と絶賛。この日からの6連戦は「ウル虎の夏2021」で、4月に続いてイエローユニホームを着用したが、これで3勝負けなし。「縁起って俺、どこかで担いでいるし」と笑顔だ。巨人を直接叩き、ゲーム差を3・5に広げた。秋山は「後半は(先発陣の)中心となれるように、もう一回、しっかり鍛え直して頑張っていきたい」と決意を新たにした。雨降って地固まる-。雨も味方につけた虎が、大きい大きい1勝をつかんだ。(三木建次)

◆出たー!! 審判がコールドゲームを告げた瞬間、巨人・原監督が両手を広げる大阪名物『グリコのポーズ』!! 六回までわが阪神が4―1と優勢に試合を進め、先発秋山も意地の投球。ところが七回、ウィーラーと松原の連打で無死二、三塁と雲行きが怪しくなってきた...。と思ったら、本物の雲行きも怪しくなってきたどころか、突然の豪雨で甲子園はたちまち田んぼになった~!! 天の救いや~!! 「♪雨雨ふれふれ もっとふれ」と八代亜紀さんの歌を口ずさみながら、雨やぎさんとあがめ奉られている(?)青柳さんに心の中で祈っちゃったもんねェ!! その祈りが通じての雨天コールド勝利!! 敗れれば1・5ゲーム差のところを3・5差にしたこの勝利は大きい!! さあ、あと2つ勝って原監督の上げた手に白旗を持たせたるでェ!!

◆♪キャッチャー、梅野~? ピッチャー... ん? どした? 「いや、ウチのオカン、阪神ファンなんやけどな。いつものローテーションと違うから、名前を忘れたらしいねん」 「ほな、俺が一緒に考えてあげるから、オカンがどんな特徴言うてたとか、教えてみてよ」 「今季6勝挙げてて、『おりゃ?』と声を出して投げる人で、中4日で先発するらしい」 「ほな、秋山拓巳やないか~。♪ピッチャー、秋山?」 なんて、ベタなスタメン呼び出しはしませんでした。これはわたしの想像です。それでも、人気芸人の登場で、楽しい試合開始になりました。甲子園で巨人、DeNAと戦う球宴前最後の6試合は「ウル虎の夏2021」。阪神ファンの人気芸人が日替わりで参戦します。第1戦はミルクボーイの駒場孝と内海崇が、選手の呼び込みを担当しました。 「あしたもダイアン(津田篤宏、ユースケ)が来ます。6日間めちゃくちゃ楽しみです」 横浜出身の若手の虎番菊地峻太朗はオードリーのラジオ番組をかかさず聞いているほどのお笑いファンです。「呼び出しコールは真面目に笑い抜きでしたけど、その前に漫才のつかみを披露して沸かせてくれました。『あっ、今、ホームランを打ったときのメダルをいただきました。ありがとうございます。こんなん、なんぼあってもいいですからねえ』と。そういう試合になってほしいです」。 メダルをなんぼでも-の展開にはなりませんでしたが、コツコツと五回までに3得点。そして六回、マルテが特大のソロを放ち、メダルを首にかけて「ラ・パンパラ」。「おりゃ?」と声を出して投げる人も粘投しました。 「秋山は、きょうは大事な一戦や。気合入っとったと思う」 ビヤ樽編集委員三木建次です。 「勝てば7勝目。2年連続の2桁勝利(昨季11勝)が見えてくる。友人で元EXILEのATSUSHIが、2年連続2桁勝ったら登場曲をつくってくれることになっているからなあ」 球宴前にあと3勝にしておけば、十分に届くというわけです。 「逆に負けたら、巨人に今季4戦4敗になる。優勝争いのライバルに相性が悪いとなったら、後半戦の起用にも影響するやろう」 中4日の秋山は、ウィーラーのソロによる得点だけに抑えて6回0/3を1失点。雨の〝セーブ〟が入ってそのまま試合終了。完投で7勝目。オリジナルの登場曲も見えてきました。 「あ~、残念。雨でグラウンドでのヒーローインタビューがなくなった。ミルクボーイはヒーローインタビューにもお出迎え役で登場するはずだったのに」 菊地が悔しがっています。ところで、笑いヌキで行われたミルクボーイの選手呼び出しコール。守備位置はいつも通りでしたが、打順が変わっていました。大山が6試合ぶりに5番に上がり、入れ替わりで佐藤輝がプロ初の7番。 「大山については、井上ヘッドコーチがきのう『そろそろやな。そういう(打順を上げる)状態になってきたよ』と言っていました。佐藤輝を下げたというより、調子が戻ってきた大山を上げていく流れになったということだと思います」 虎番キャップ長友孝輔です。大山は直近3試合で11打数5安打、2本塁打5打点。この日は快音は響かなかったものの、主砲も本来の姿に近づいています。巨人に3・5ゲーム差です。さあ一気にいきましょう。第2戦のダイアン、第3戦のココリコ遠藤章造も盛り上げてや。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
47293 0.618
(↑0.005)
-
(-)
64333
(+4)
280
(+1)
79
(+1)
69
(-)
0.254
(-)
3.260
(↑0.02)
2
(-)
巨人
413010 0.577
(↓0.009)
3.5
(↓1)
62335
(+1)
279
(+4)
105
(+1)
48
(-)
0.252
(-)
3.300
(-)
3
(-)
ヤクルト
40319 0.563
(↑0.006)
4.5
(-)
63341
(+4)
317
(+3)
79
(+1)
50
(+1)
0.254
(-)
3.720
(↑0.01)
4
(-)
中日
313911 0.443
(↑0.008)
13
(-)
62233
(+3)
270
(+1)
45
(+1)
40
(+1)
0.238
(-)
3.220
(↑0.03)
5
(-)
DeNA
294210 0.408
(↓0.006)
15.5
(↓1)
62322
(+1)
383
(+3)
81
(-)
17
(-)
0.259
(↓0.001)
4.590
(↑0.01)
6
(-)
広島
264210 0.382
(↓0.006)
17
(↓1)
65277
(+3)
344
(+4)
56
(+2)
39
(+1)
0.258
(-)
4.000
(-)