広島(☆4対3★)阪神 =リーグ戦10回戦(2021.07.04)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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阪神
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広島
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勝利投手:森下 暢仁(5勝4敗0S)
(セーブ:栗林 良吏(0勝1敗16S))
敗戦投手:石井 大智(0勝1敗0S)

本塁打
【阪神】サンズ(14号・3回表2ラン)

  DAZN
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◆広島は3点を追う3回裏、菊池涼の適時打などで2点を奪い、1点差に迫る。そのまま迎えた5回には、2死一三塁から坂倉の2点適時二塁打が飛び出し、逆転に成功した。投げては、先発・森下が6回3失点の好投で今季5勝目。敗れた阪神は、打線が中盤以降の好機を生かせなかった。

◆スタメンが発表され、阪神ジェリー・サンズ外野手(33)が、「3番左翼」で3試合ぶりに先発出場する。前日3日は8回に代打で登場し、自身11打席ぶりの安打となる左中間への適時二塁打を放っている。 チームは依然として首位陥落の危機に立たされている。阪神は●なら44勝28敗3分けで貯金16だが、勝率6割1分1厘1毛。ナイターの巨人が○なら41勝26敗10分けで貯金15ながら勝率6割1分1厘9毛となり、阪神を上回るため。助っ人がチームを救えるか、注目される。 また、2日に1軍昇格後、2試合続けてスタメン出場していたメル・ロハス・ジュニア外野手(31)はベンチスタート。3試合続けて4番で起用されているマルテは、4番継続となった。

◆阪神1番打者近本光司外野手(26)が、初回、初球を右翼線へ引っ張り今季4本目となる三塁打。1球で無死三塁の好機をつくり、2番糸原の一ゴロで先制のホームを踏んだ。 この打席で今季初球打ちは打率3割8分1厘。積極的に打ち、打線を引っ張っている。広島先発の森下には前回4月14日の対戦では5回5失点で初黒星をつけたが、昨年からこの試合前までで6試合で1勝4敗と苦手にしているだけに、チカイトコンビで貴重な先制点を奪った。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、自身初の1試合5三振を喫した。1点ビハインドの9回1死一、二塁。絶好のチャンスもフルカウントから広島の守護神栗林のフォークに空振り三振に倒れた。 広島の先発森下には3三振。5回の攻撃では、1死満塁でフルカウントから空振り三振を喫した。7回には左腕フランスアにも空振り三振に仕留められていた。チームも敗れ、屈辱の5三振となった。 4回1死一塁では、広島7番林の右前打にチャージしてがっちりと捕球すると、三塁へワンバウンドでストライク送球。二塁を回った一塁走者長野を刺した。強肩は発動させたが、打撃は振るわなかった。

◆3戦ぶりにスタメン復帰した阪神ジェリー・サンズ外野手(33)が3回に14号2ランを放った。「3番左翼」でスタメンに戻ると、1点リードの3回2死一塁での第2打席で、広島先発森下の5球目、甘く中へ入ったチェンジアップを逃さず、高々と左翼席へたたき込んだ。 「健斗(糸原)が2死から(安打で)出てくれたし、森下選手は言わずと知れた好投手だから打つことができてうれしいよ」。本塁打は6月18日巨人戦での13号満塁弾以来14試合、48打席ぶりの1発。森下には昨年から19打席、14打数目での初安打となった。笑顔でベンチへ戻ると昨日は本塁打を打ったマルテが贈呈された「金メダル」をかけられ、恒例のハッピーハンズでナインと喜び合った。

◆阪神秋山拓巳投手(30)は3回2失点で降板となった。1点差に迫られた直後の4回2死二、三塁の好機で回ってきた打席で代打原口を送られた。 秋山は広島にここ2年で10戦7勝0敗と好相性を誇っている。

◆首位阪神が最下位広島と対戦し4-3で敗戦。

◆阪神は初回に1点を先制し、3回にはサンズの14号2ランで2点を追加。広島はその裏、菊池涼の適時打などで2点を返した。 広島は5回、坂倉の左越え2点適時二塁打で逆転。阪神は4~6回まで無得点。広島森下は6回8安打3失点で降板した。 広島が1点のリードを守り、4カードぶりの勝ち越しを決めた。森下が5勝目、栗林が16セーブ目。阪神石井大智がプロ初黒星。

◆阪神が広島に逆転負けした。 初回に先頭の近本光司外野手(26)が右翼線三塁打で出て、2番糸原健斗内野手(28)の一ゴロの間に1点を先制。3回には2死一塁からジェリー・サンズ外野手(33)の14号2ランで2点を追加した。 だが、先発の秋山拓巳投手(30)は2回に菊池涼介内野手(31)に中前適時打、小園海斗内野手(21)に左犠飛を許し、2点を失った。5回から3番手で登板した石井大智投手(23)が2死一、三塁のピンチを招いたところで、岩貞祐太投手(29)にスイッチ。坂倉将吾捕手(23)に左越えに2点適時二塁打を浴び逆転を許した。 打線は5回に無死満塁、8回には1死一、二塁、9回1死一、二塁の得点機をつくったがあと1本が出なかった。 カード負け越しとなり、阪神はこれで3カード連続で勝ち越しがない。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、自身初の1試合5三振を喫した。▼1試合5三振のプロ野球タイ記録=佐藤輝(阪神) 4日の広島10回戦(マツダスタジアム)の2、4、5、7、9回に三振を喫して記録。20年7月28日秋山(阪神)以来19人目(セ・リーグ12人目)。新人では93年鶴田(中日=投手)16年茂木(楽天)に次いで3人目で、セ・リーグの新人野手では初めて。

◆阪神矢野燿大監督(52)の積極采配は実らなかった。広島戦で7連勝中と好相性だった秋山を3回で見切りをつけて継投策に入った。 援護点をもらった直後の3回に秋山が2失点すると、3-2の4回2死二、三塁の打席で代打原口をコール。原口は右飛に倒れて無得点に終わった。序盤での継投策を問われ「アキ(秋山)の状態と、(相手が)森下っていうのと、すべて含めて交代にした」と説明した。 期待を込めて送り出されたブルペン陣がつまずいてしまった。5回に3番手石井大が鈴木誠に中前打を浴びるなど2死一、三塁のピンチを招き、4番手岩貞が坂倉に2点適時打を浴びて逆転を許した。矢野監督は「1人何とか、サダ(岩貞)が頑張ってくれたらということでの起用だった」。前日3日には就任して初めてマウンドに足を運んで投手にゲキを飛ばした。この日も激しくタクトを振ったが、勝利をたぐり寄せることはできなかった。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、プロ野球記録に並ぶ屈辱の5三振を喫した。 1点ビハインドの9回1死一、二塁で広島の守護神栗林のフォークに空振り三振。毎回走者を出しながら12残塁の拙攻で敗れた試合で象徴の1人になった。矢野監督は「三振というのは結果だから、始めから小さくスイングしろとかはない」とした上で、期待と激励を込めて続けた。 「チャンスでかえすバッティングを身につけていくことが勝たせるバッター、より良いバッターになっていく。『思い切っていきながら対応できる』というものを身につけていくのは、あいつの中でも感じ取っていると思う」 ルーキーは4回1死一塁の守備で林の右前打にチャージし、三塁へワンバウンドのストライク送球で一塁走者を補殺。だが、打撃では振るわなかった。森下には3三振、7回にはフランスアに空振り三振。とりわけ5回は無死満塁で、マルテの一邪飛に続き空振り三振。その後大山が三ゴロで無得点に終わり、直後に逆転を許した。 好機にあと1本が出ない。矢野監督は「火曜日に関してはリュウ(梅野)をちょっと上げて、悠輔(大山)を1つ下げてと思っている」。6日ヤクルト戦(神宮)から6番梅野、7番大山とする打線改造を示唆した。この日のナイターで巨人が勝てば、勝率の関係で首位転落するという危機。球宴まで残り9試合。一丸となって踏ん張るしかない。【中野椋】

◆阪神ドラフト8位の石井大智投手(23)が、登板14試合目でプロ初黒星を喫した。 5回に3番手でマウンドへ上がり、先頭の菊池涼を空振り三振。野間は四球、小園を左翼手サンズの好捕で左飛に仕留めるも、続く鈴木誠に中前打を浴びて2死一、三塁のピンチを残して降板。代わった岩貞が坂倉に逆転の2点適時二塁打を浴び、敗戦投手となった。前回2日広島戦では、プロ初の回またぎで2回無失点と好投しただけに、悔しい投球となった。

◆東京五輪の侍ジャパンに内定している広島森下暢仁投手(23)が、驚異の粘り腰で5勝目をつかんだ。 最大のピンチは1点ビハインドの5回。長打、失策、四球で無死満塁となった。だが落ち着いてマルテ、佐藤輝を斬り、続く大山には三遊間への強烈な当たりだったが、林が打球に飛びつく好守で無失点。「林が助けてくれた。みんなが守ってくれているなと実感しました」と胸をなで下ろした。 虎の怪物ルーキーを完璧に抑えた。5番佐藤輝を2回は外角直球で見逃し三振。4回は外角カットボールで空振り三振に仕留め、5回は内攻め追い込み、内角カットボールで3三振を奪った。前回4月14日の対戦は右中間への1発を浴びたが、「内に投げやすいスタンスなので、しっかり投げ切ることができました」と会心のリベンジを決めた。 今季ワーストタイの8安打を浴びながらも、6回3失点と試合をつくった。2年目は先発12試合で、11度のクオリティースタート(QS=6回以上、自責点3以下)と安定感が光る。ただ、3試合連続で初回に失点しており、「初回からもっと流れを作れるような投球をしたい」と引き締めた。球界屈指のゲームメーカーが、チームを4カードぶりの同一カード勝ち越しに導いた。【古財稜明】

◆首位阪神が最下位広島に逆転負けした。ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)は5回の満塁機、9回の同点機でともに空振り三振で、プロ野球記録に並ぶ1試合5三振を記録した。新人左打者最多の20号に王手をかけてから10試合アーチがなく、12残塁の拙攻を象徴する1人となった。リーグ戦再開後、チームは5勝9敗1分けで3カード連続勝ち越しなし。首位を走ってきた虎が、苦境に立たされた。屈辱だった。佐藤輝が悔しさを押し殺すようにうつむいてベンチへ戻った。1点ビハインドの9回1死一、二塁。守護神栗林に3球で追い込まれると、フォークに左膝をついて食らいつき、ファウルで逃げた。その後2球フォークを見切ったが最後、わずかに浮いてきたフォークはバットの下を通過。1試合5三振でプロ野球記録に並んだ。 リーグ4位タイの19本塁打の技術とパワーが持ち味ながら、長打と三振が表裏一体の粗削りな面がある。矢野監督は「三振というのは結果だから、始めから小さくスイングしろとかはない」とした上で、期待と激励を込めて続けた。 「チャンスでかえすバッティングを身につけていくことが勝たせるバッター、より良いバッターになっていく。『思い切っていきながら対応できる』というものを身につけていくのは、あいつの中でも感じ取っていると思う。現状では仕方ないのかなと。もちろん何とかしてほしいというのはある」 佐藤輝は4回1死一塁の守備で林の右前打にチャージし、三塁へワンバウンドのストライク送球。強肩で一塁走者をタッチアウトに仕留めた。中継プレーを介した補殺はあったが、ダイレクト送球ではプロ初。ただ、守備での勢いを打席には生かせなかった。 前日3日に3安打し「いくつか細かい部分はありますけど、一番は構え」とフォームを微修正したと明かしていたが、バットは空を切り続けた。森下には3三振、7回にはフランスアに空振り三振。とりわけ5回は無死満塁で、マルテの一邪飛に続いて空振り三振。その後大山も三ゴロで無得点に終わり、直後に逆転を許した。 好機にあと1本が出ないず、矢野監督は「火曜日に関してはリュウ(梅野)をちょっと上げて、悠輔(大山)を1つ下げてと思っている」。6日ヤクルト戦(神宮)から6番梅野、7番大山とする打線改造を示唆した。この日のナイターで巨人が勝てば、勝率の関係で首位転落するという危機。球宴まで残り9試合。一丸となって踏ん張るしかない。【中野椋】

◆広島坂倉将吾捕手が千金の逆転打を放った。本職ではない一塁で先発。1点を追う5回2死一、三塁の好機で、岩貞の外角直球を振り抜き、決勝の左越え2点適時二塁打を放った。 お立ち台で「このチャンスを逃したらダメ、なんとかしようと思っていた」と汗をぬぐった。前日は遊撃中野の好守に阻まれて本塁憤死し、この日は2失策もあったがバットで挽回。チームが3点差以上を逆転したのは、今季74試合目で初めてだった。

◆阪神中野拓夢内野手がプロ6度目の猛打賞で、復活の兆しを見せた。2回は森下のカットボールを中堅へ運び、4回1死一塁では再び初球のカットボールを捉えて左中間二塁打。「いい投手から2本打てたということで、これからいいきっかけになると思いますし、自分の中でもこれを自信にこれからもやっていきたい」。8回はコルニエルの158キロ直球を捉えて左前打とし、4打数3安打。6月24日中日戦以来の猛打賞だ。 2日にスタメン落ちするなど苦しんでいたが、前日3日には25打席ぶりの安打をマーク。「なかなか1本出なくて、苦しんでいろいろ考えてというのはあったんですけど、昨日の1本出たことによって、自分の中で開き直りもできました」。久しぶりの安打をきっかけに、プロの壁をまた1つ乗り越えた。敗戦の中でルーキーの復調は明るい光だ。

◆阪神6番大山悠輔内野手が2度のチャンスを生かせなかった。 5回2死満塁で森下のカットボールに三ゴロ。1点ビハインドの9回2死一、二塁では栗林のフォークに空振り三振で最後の打者となった。4回に2試合ぶりの安打は放ったが、5打数1安打で打率は2割5分を切った。9試合連続で打点がなく、勝負強い主将が影を潜めている。

◆侍ジャパンに選出された広島栗林良吏投手(24)が、ヒヤヒヤの16セーブ目を手にした。 1点リードの9回に登板。1死から連続四球を許してピンチを招いたが、佐藤輝、大山を宝刀フォークで連続の空振り三振に斬り、試合を締めた。鯉の守護神は「(森下)暢仁が粘り強く投げて、逆転もしてくれたので、絶対に負けたくないと思った」と振り返った。

◆阪神ジェリー・サンズ外野手(33)は「3番左翼」で3戦ぶりにスタメン復帰し、打って守ってチームを鼓舞した。 1-0の3回2死一塁。広島先発森下の5球目、甘く中へ入ったチェンジアップを逃さず、高々と左翼席へたたき込んだ。「森下選手は言わずと知れた好投手だから打つことができてうれしいよ」。森下からは昨年から数えて19打席目での初安打。豪快な14号2ランを素直に喜んだ。 アーチは6月18日巨人戦の満塁弾以来14試合、48打席ぶり。笑顔でベンチへ戻ると、前日3日のマルテに続いて本塁打を打った選手への「メダル授与式」が待っていた。北條からかけられた大きな金メダルをゆらしながら恒例のハッピーハンズでナインと喜んだ。 守っても体を張った。5回1死一塁から左打者小園が流し打った左翼への飛球に猛ダッシュ。外野フェンスの金網部分に激突し、ユニホームの右袖を破りながら好捕した。「指名打者がないリーグだから打つだけでは。投手を助けるのは当然」と守りの意識も高い。 前カードのヤクルト3連戦では大山に代わって4番を務めて、10打数1安打。ここ2試合はスタメンを外れたが、前日3日は代打で11打席ぶりの安打となる適時二塁打を放った。「この2日間、しっかりと準備しながらも気持ちは試合に入れていた。休みになった部分もあるし、今日いい結果が出てよかった」。1点を追った9回は四球を選び、広島抑えのルーキー栗林を追い詰めた。打線が湿っている中、サンズの復調は大きい。【石橋隆雄】

◆侍ジャパン入りが内定している広島菊池涼介内野手が、18イニングぶりの得点をもたらした。 3点を追う3回、1死二塁から秋山の外角低め変化球に食らいつき、中前へはじき返す適時打。反撃の口火を切った一打に「(二塁走者の)石原が一生懸命走ってくれたので、まず1点返すことができてよかった」と喜んだ。

◆東京五輪の侍ジャパンに内定している広島森下暢仁投手(23)が、驚異の粘り腰で5勝目をつかんだ。 3回に阪神サンズに1発を許すなど序盤に3点を失ったが、4、5回のピンチはギアを上げてくぐり抜けた。6回3失点の粘投で、逆転勝利を呼び込み、首位阪神相手に4カードぶりの同一カード勝ち越しを導いた。森下が、絶体絶命のピンチを執念の粘りで切り抜けた。1点ビハインドの5回。長打、失策、四球で無死満塁となった。そこからギアチェンジした右腕は、150キロ超えの直球を連発し、変化球を交えて的を絞らせなかった。マルテ、佐藤輝を斬り、続く大山の三遊間への強烈な当たりに、林が飛びつく好守で無失点。「林が助けてくれた。みんなが守ってくれているなと実感しました」と胸をなで下ろした。流れをたぐり寄せ、直後の5回裏の味方打線の逆転劇を呼び込んだ。 本調子ではない中、踏ん張った。初回、近本に初球を弾かれて三塁打を許し、糸原の内野ゴロで先制点を献上。3試合連続で初回に失点を許し「序盤に同じことを繰り返しているので、そういうのをなくしたい」と反省した。3回にはサンズに2ランを許したが、4回は1死二、三塁から梅野を右邪飛。続く先発秋山の代打で出てきた切り札の原口を右飛に封じ、4回以降は追加点を与えなかった。 虎の怪物ルーキーも完璧に抑えた。20号アーチを目指していた5番佐藤輝を2回は外角直球で見逃し三振。4回は外角カットボールで空振り三振に仕留め、5回は内攻めで追い込み、内角カットボールでこの日3つ目三振を奪った。前回4月14日の対戦は右中間への1発を浴びたが、「内に投げやすいスタンスなので、しっかり投げ切ることができました」と会心のリベンジを決めた。 球界屈指のゲームメーカーとして、今季ワーストタイの8安打を浴びながらも、6回3失点と粘投。チームを4カードぶりの同一カード勝ち越しに導いた。2年目は先発12試合で、11度のクオリティースタート(QS=6回以上、自責点3以下)と安定感が光る。球宴、東京五輪前の公式戦の登板は残り1試合の見込み。「初回からもっと流れを作れるような投球をしたい」。若き侍戦士は、抜群の粘り腰でどこまでも食い下がる。【古財稜明】 ▽広島小園(2点を追う3回1死一、三塁で反撃の左犠飛)「とにかくつなぐ気持ちでいきました。ランナーをかえすことができてよかった」

◆首位阪神が最下位広島に逆転負けした。ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)は5回の満塁機、9回の同点機でともに空振り三振で、プロ野球記録に並ぶ1試合5三振を記録した。▼阪神佐藤輝がプロ野球タイの1試合5三振を喫し、今季通算109三振となった。阪神の新人最多は19年近本の110、プロ野球新人最多は99年福留(中日)の121だが、更新は確実なペースだ。それどころか、年間207三振になる計算で、シーズン最多記録の93年ブライアント(近鉄)の204三振(130試合制)を上回る勢い。佐藤輝と同じチーム75試合目では、ブライアントも109三振していた。助っ人大砲は固め打ちならぬ「固め三振」が多く、この年1試合3三振が27度、4三振が5度あった。ここまで佐藤輝は3三振が10度、4三振が1度、5三振が1度。ブライアントは近鉄に在籍した8シーズンで1試合5三振は1度もない。

◆首位阪神が最下位広島に逆転負けした。ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)は5回の満塁機、9回の同点機でともに空振り三振で、プロ野球記録に並ぶ1試合5三振を記録した。新人左打者最多の20号に王手をかけてから10試合アーチがなく、12残塁の拙攻を象徴する1人となった。リーグ戦再開後、チームは5勝9敗1分けで3カード連続勝ち越しなし。首位を走ってきた虎が、苦境に立たされた。屈辱だった。佐藤輝が悔しさを押し殺すようにうつむいてベンチへ戻った。1点ビハインドの9回1死一、二塁。守護神栗林に3球で追い込まれると、フォークに左膝をついて食らいつき、ファウルで逃げた。その後2球フォークを見切ったが最後、わずかに浮いてきたフォークはバットの下を通過。1試合5三振でプロ野球記録に並んだ。 リーグ4位の19本塁打の技術とパワーが持ち味ながら、長打と三振が表裏一体の粗削りな面がある。矢野監督は「三振というのは結果だから、初めから小さくスイングしろとかはない」とした上で、期待と激励を込めて続けた。 「チャンスでかえすバッティングを身につけていくことが勝たせるバッター、より良いバッターになっていく。『思い切っていきながら対応できる』というものを身につけていくのは、あいつの中でも感じ取っていると思う。現状では仕方ないのかなと。もちろん何とかしてほしいというのはある」 佐藤輝は4回1死一塁の守備で林の右前打にチャージし、三塁へワンバウンドのストライク送球。強肩で一塁走者をタッチアウトに仕留めた。中継プレーを介した補殺はあったが、ダイレクト送球ではプロ初。ただ、守備での勢いを打席には生かせなかった。 前日3日に3安打し「いくつか細かい部分はありますけど、一番は構え」とフォームを微修正したと明かしていたが、バットは空を切り続けた。森下には3三振、7回にはフランスアに空振り三振。とりわけ5回は無死満塁で、マルテの一邪飛に続いて空振り三振。その後大山も三ゴロで無得点に終わり、直後に逆転を許した。 好機にあと1本が出ず、矢野監督は「火曜日に関してはリュウ(梅野)をちょっと上げて、悠輔(大山)を1つ下げてと思っている」。6日ヤクルト戦(神宮)から6番梅野、7番大山とする打線改造を示唆した。ナイターで2位巨人も敗れたため1・5ゲーム差は変わらないが、正念場は続く。球宴まで残り9試合。一丸となって踏ん張るしかない。【中野椋】

◆阪神・ジェリー・サンズ外野手(33)が「3番・左翼」で、1日のヤクルト戦(甲子園)以来、3試合ぶりにスタメンに復帰した。疲労による不調で2日から先発を外れていたが、前日3日には代打で出場して左中間への適時二塁打。4試合ぶりに快音を響かせていた。

◆阪神のジェリー・サンズ外野手(33)が14号2ランを放ち、追加点を奪った。1―0の三回。2死から糸原が左前打。ここでサンズがカウント2―2から森下のチェンジアップを一閃。打球は左翼スタンドへと着弾した。 「打ったのはチェンジアップ。ケント(糸原)が2死から出てくれたし、森下投手は言わずと知れた好投手だから打つことができてうれしいよ」と広報を通じてコメントした。サンズは疲労による不調で、2日の同戦から先発を外れていたがスタメンに復帰。6月18日の巨人戦(甲子園)以来、14試合ぶりの一発で復調をアピールした。

◆先発した阪神・秋山拓巳投手(30)は3回46球、4安打2失点で交代となった。 一、二回と無失点に抑えたが、3―0の三回。先頭の石原に左前打、森下の投前犠打を経て、菊池涼に中前への適時打を許した。その後、1死一、三塁とされると、小園に左犠飛。3―2の1点差に迫られた。 直後の四回の攻撃。2死二、三塁の好機で秋山に打順が回ってくると、代打・原口が送られ、交代。その原口も右飛に倒れて、追加点は奪えなかった。 秋山は自身2連敗中だが、今季の広島戦は3戦3勝、防御率1・69と好相性だったが、早いイニングでマウンドを降りた。

◆阪神が無死満塁から無得点に終わった直後の五回に逆転を許した。3―2と1点リードした状況で、3番手でD8位・石井大(四国IL高知)がマウンドに上がった。1死から野間に四球。2死後、鈴木誠の中前打で一、三塁とされた。ここで矢野監督は左打者の坂倉に対して、左腕の岩貞を投入したが左翼線への2点二塁打を浴びて、3―4と逆転を許した。

◆阪神は継投策で逃げ切りを図ったが広島に逆転負けを喫した。 一回に先頭の近本が三塁打を放つと、糸原の一ゴロの間に1点を先制。三回には2死一塁で、3試合ぶりにスタメン出場のサンズが14号2ランで3―0とリードを広げた。 だが、その裏。先発の秋山が1死二塁で菊池涼に中前へ適時打、1死一、三塁からは小園に左犠飛を許して1点差に迫られた。 その直後、四回2死二、三塁の好機で秋山に打順が回ってくると、代打・原口が送られて交代。その原口も右飛で追加点は奪えなかった。 五回は無死満塁から無得点に終わると、その裏にD8位・石井大(四国IL高知)がマウンドへ。四球と安打で2死一、三塁とされたところで、左打者の坂倉に対して、左腕の岩貞を投入も、左翼線への2点二塁打を浴びて、3―4と逆転を許した。 その後は走者を出しながらも得点は挙げられずに試合終了。D1位・佐藤輝(近大)は5三振を喫した。ナイターで行われる2位・巨人が勝利した場合、勝率の差で首位陥落となる。

◆広島は3点ビハインドからの逆転勝利を飾り、2勝1敗で4カードぶりに勝ち越した。ヒーローインタビューは五回に逆転の2点二塁打を放った坂倉と6回8安打3失点で5勝目を挙げた森下が登場。2人のヒーローインタビューは以下の通り。 ──しびれる1点差を勝ち切った 板倉 「(一塁手として)マジで打球飛んでくんなと思いました」 ──緊張しましたか 「前半ちょっと足を引っ張ってしまったので、もうやりたくないなと思って待っていました」 ──森下投手の投球をどのように感じましたか 「マジで頼むと思っていました」 ──五回の打席はどのような気持ちでしたか 「その前に(森下が無死)満塁のピンチを抑えていたので、ここのチャンスを逃してはダメだと思って打席に立ちました」 ──逆転した時は、かなりのテンションで応援していた。どんな気持ちだった 森下 「いやもう、打ってくれ~と思って待っていました」 ──打った瞬間は 「うれしかったで~す」 ──五回の無死満塁のピンチはどんなプランでしたか 「たまたまで~す!!」 ──今後に向けて 「本当ふがいない投球ばかりしているので次は初回からしっかりとゼロを並べるように、チームが勝てるような投球をしていきたい。応援よろしくお願いします」 ──坂倉選手。今後に向けてお願いします 「負けが続く試合もありますけど、やっぱりみんなは勝つ気持ちでやっていますので、ひとつでもしっかり勝って喜んでもらえる試合ができるように頑張りますので応援よろしくお願いします」

◆阪神は11安打を放ちながらも12残塁の拙攻で3ー0から、逆転負けを喫した。D1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=はプロ野球タイ記録となる1試合5三振を喫した。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ーー秋山に早めに代打を出した。相手も好投手ということで、早めに勝負に出た 「もちろん、全部。アキの状態と、森下っていうのと、すべて含めて、うん。交代にしたけど」 ーー秋山の状態はそれほどよくなかった 「そうやね」 ーー継投に入ったなかで、五回に石井大を選んだのは調子を買って? 「買ってというか、そこは別に決まっていないところやし。七回ぐらいからやったら、だいたい今のパターンで行けるところはあるけど、五、六回は、みんなで何とか乗り越えてほしいというところでダイチがいいんじゃいかなと。ーー岩貞に踏ん張って欲しかった「もちろん、もちろん。一人何とかね、サダが頑張ってくれたらという起用だったんだけど」ーー森下を攻略できそうだったが「向こうも絶好調という感じじゃなかったし。これだけチャンスをつくれたというのはあれやけど。やっぱり勝負どころで向こうもギアを上げるというか、狙って三振を取りに来る状況になるし。そこで1本出ていたら、かなり状況的には変わったなと。チャンスは多くあっただけに、そこがポイントの一つかなと思うけど。ーー佐藤輝は悔しい結果「あれだけチャンスで回ってきて。前にも言ったように三振は別に結果だから、はじめから小さくスイングしろとかは全然ないし。でもチャンスでかえすバッティングも身につけていく。それが勝たせるバッターとか、よりいいバッターになっていくところでは、思い切っていきながら、どう対応できるか。あいつの中でも感じ取っていると思うので。現状では仕方がないのかなと。もちろん何とかしてほしいというのはあるけどね」ーー打順は状態見ながら「コーチとも話をしたけど、多少代えようかなと。(8番の)リュウをちょっと上げて、(6番の)悠輔を下げようかなと思っているけど。それは、その時にまた相談。みんなの意見も決めながら最終的には決めていこうかなと。とりあえず火曜日に関してはリュウをちょっと上げて、悠輔を一つ下げてと思っている」

◆広島の森下は6回3失点にまとめて、5勝目を挙げた。毎回走者を背負ったが、要所で踏ん張った。「ふがいない投球ばかりしている。チームが勝てるような投球をしていきたい」と納得していなかった。 五回の無死満塁でギアを上げ、マルテを一邪飛、佐藤輝を空振り三振に仕留めた。大山の鋭い打球は、三塁手林の好守に助けられた。「次は一回からゼロを並べられるように」と力を込めた。

◆広島は3点ビハインドから逆転勝利を飾り、2勝1敗で4カードぶりに勝ち越した。佐々岡真司監督(53)の主な一問一答は以下の通り。 ──森下が6回3失点で5勝目。よく踏ん張った 「課題の初回、立ち上がりにまた点を取られた。調子がいいようには見えなかったが四、五回のピンチを抑えて次の点を与えなかったことがこういう結果になったと思う。さすがだなと思うが、立ち上がりは調整してほしい」 ──3点ビハインドから逆転勝ちした打線は 「(1点を追う五回の)逆転のところは(野間の)四球から(鈴木)誠也が(中前打)つないで、坂倉の(左翼線2点二塁打)。その前に(五回表の一塁守備で坂倉が)エラーをしているというところで、そこを挽回したというか、しっかりといい働きをしてくれたと思います」 ──チームは4カードぶりに勝ち越し 「森下に勝ちが付いたのは本人にとって、チームにとっても大きいと思う。七、八(回)はフランスア、コルニエルと決めていた。九回(に登板した栗林)は(1死一、二塁の)ピンチを招きながらあそこで(佐藤輝と大山から)三振を取れるというのはさすがでしたし、この1勝は大きいですね」 ──6日からは前半戦最後の9連戦が始まる 「うちとしては(15ある)借金をひとつずつ返していくだけなので、1試合1試合とにかく戦うしかないです」

◆試練、乗り越えろ!! 阪神は広島に3-4で逆転負け。ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=は2度の得点機で一本が出ず、プロ野球最多タイ記録の1試合5三振を喫した。2位の巨人も敗れたため首位陥落は免れたが、虎も黄金ルーキーも試練のとき。ここを乗り越えなければ、優勝は見えてこない。 ■屈辱のプロ野球タイ記録 敵地のマツダスタジアムに虎党のため息が響く。1点ビハインドの九回、広島の守護神・栗林の連続四球でもらった1死一、二塁のチャンス。一打出れば同点、一発なら逆転の場面で佐藤輝のバットはまたしても空を切った。5打席全て三振。プロ野球タイ記録となる1試合5三振を喫した黄金ルーキーについて問われた矢野監督は、厳しい表情で注文をつけた。 「現状では仕方がないのかな。もちろん何とかしてほしいというのはあるけどね」 前日3日に猛打賞をマークし、復調の気配を漂わせていた佐藤輝だが、この日は一転して「K」の連続だった。3-4の五回1死満塁では、森下の前にフルカウントまで粘りながらも最後は内角のカットボールを空振り。九回は栗林にフォークを連投されて空振り三振に終わった。2度の得点機でともに倒れるブレーキだ。 セ・リーグの新人野手では史上初となる1試合5三振。1966年のドラフト制後で初のオープン戦新人本塁打王、交流戦は新人最多の6本塁打を放つなど、これまで数々の記録を塗り替えてきた男にとって、この結果は屈辱でしかない。今季109三振で、球団新人では2016年の高山に並び、19年の近本の最多記録まであと1となった。シーズン143試合で換算すると、207・8。ブライアント(近鉄)のプロ野球記録204三振(1993年)を上回るペースだ。 チームは九回まで毎回塁に走者を置き、計11安打と再三チャンスを作ったが、3得点止まり。「やっぱり勝負どころで向こうもギアを上げるというか、狙って三振を取りに来る状況になる。そこで一本出ていたらかなり状況的には変わったなと。チャンスは多くあっただけに、そこが(勝敗の)ポイントの一つかなと思う」と指揮官。12残塁の拙攻で最下位の広島との3連戦に負け越した。 ■矢野監督「三振は結果...小さくスイングしろとか全然ない」 交流戦明けは低空飛行が続いている佐藤輝。15打席連続無安打を記録するなど、15試合で打率・255(55打数14安打)、3本塁打、4打点。2日にはスタメン落ちも経験した。「三振は結果だから、初めから小さくスイングしろとかは全然ない」。矢野監督は持ち味を尊重しながら「勝たせるバッター、よりいいバッターになっていくというところでは、思い切っていきながらどう対応できるようなものを身につけていくかというのは、あいつの中でも感じ取っていると思う」と今後の成長に期待を込めた。 チームは最近9試合で2勝6敗1分け。虎も佐藤輝も試練を迎えているが、16年ぶりの優勝へ乗り越えていくしかない。(織原祥平)

◆勝機とみるや、一気に勝負手を打った。四回、それまでわずか46球だった秋山の打席で、阪神・矢野監督は代打の切り札・原口を送る攻めのタクトをふるった。だが、右飛に倒れて不発に終わり、痛い逆転負けを喫した。 「もちろん、全部。アキ(秋山)の状態と、(好投手の)森下っていうのと、すべて含めて。交代にしたけど」 ■一気に広島・森下攻略試みるも崩せず 試合後、淡々とした口調で采配の意図を明かした。一回に糸原の内野ゴロの間に先制し、三回にはサンズの2ランで突き放した。だが、直後に広島が2点を返す展開のなか、3-2の四回2死二、三塁。将が動いた。 秋山は昨年から広島戦は9戦負けなしの7連勝中。この日は苦しみながらも3回4安打2失点でしのいでいたが、指揮官は何としても次の1点がほしかった。「向こう(森下)も絶好調という感じじゃなかったし」。一気に森下攻略を試みたが、崩せなかった。 ■「一人何とか、岩貞が頑張ってくれたらという起用だったんだけど」 四回から必死の継投策も、中継ぎ陣が踏ん張り切れない。1点リードの五回にD8位・石井大(四国IL高知)が2死一、三塁のピンチを招き、スイッチした岩貞が147キロ直球を坂倉に捉えられ、左翼線への2点二塁打で逆転を許した。新人右腕にプロ初黒星がつき、矢野監督は「一人何とかね、サダ(岩貞)が頑張ってくれたらという起用だったんだけど」と肩を落とした。 5月30日の西武戦(メットライフ)以来、今季2度目の中継ぎ6人によるリレーとなったが、勝利に結びつかなかった。6日のヤクルト戦(神宮)からは球宴前最後の9連戦が待つ。矢野虎の底力が試される。(新里公章)

◆阪神のD6位・中野(三菱自動車岡崎)がバットで存在感をみせた。二回2死で中前打、四回1死一塁では左中間へ二塁打と森下から2安打を放つと、八回1死ではコルニエルから左前打。前日3日に連続無安打を24打席で止めると、この日は今季6度目の猛打賞。「昨日、一本出たことによって、開き直りもできましたし、いいイメージを持って打席に入れているのが3安打につながったのかな」とうなずいた。

◆先発の秋山からバトンを受けた阪神・斎藤は四回から登板した。「四球を出してしまいましたが、0点で抑えるという最低限の仕事できてよかった」。1死一塁で林に右前打を浴びたが、右翼・佐藤輝が三塁へ好送球。バックに助けられ、1回無失点だった。

◆阪神・馬場は六回に登板してわずか7球で1回無失点。林、石原と打ち取ると代打・安部は1球で中飛に斬った。「1点ビハインドの展開でしたが、しっかり3人で終えていい形で次につなぐことができてよかったです」。6月は防御率5・68。今月1日のヤクルト戦(甲子園)でも1失点していたが、復調のきっかけになりそうな無失点ピッチだった。

◆高卒2年目左腕の阪神・及川は1安打2四球も1回無失点。1点ビハインドの七回から登板し、2死満塁を招いたが長野を中飛で切り抜けた。「ピンチの場面を作ってしまいましたが、何とか踏ん張って0点で抑えることができてよかったです」。今季12試合登板で、7試合が土日での登板。週末のブルペンを支えている。

◆大きな放物線を描いて、白球が左翼席へ飛び込んだ。3試合ぶりにスタメンに名を連ねた阪神・サンズが14号2ラン。久しぶりのハッピーハンズだ。 「この2日間、先発ではなかったけど、準備はしながら、気持ちはゲームに入れていた。休みになった部分もありますし、いい結果が出て良かった」 1―0の三回2死一塁。森下のチェンジアップを完璧に捉えた。左越えの豪快なアーチ。ベンチでは北條から〝タイガースメダル〟を首にかけてもらった。 五回、小園の打球を好捕した際、ユニホームの袖が破れたサンズ(撮影・門井聡) 疲労による不調でこの2試合は先発から外れたが、この日はスタメン復帰。6月18日の巨人戦(甲子園)以来、48打席ぶりの一発を放った。 守備でも、五回1死一塁で小園の打球を金網にぶつかりながら捕球。ユニホームの袖が破れるほどのハッスルプレーで盛り上げた。 「守備の方では投手を助けるのは当然なので、捕れるアウトはしっかり捕ろうという意識でいいプレーができました」。ここからチームも自身も再上昇する。(菊地峻太朗)

◆ウグググ...。この3連戦でついに最下位のカープにまで負け越し。悪夢が...。いや、こういう追い詰められたときこそ、ポジティブにいったろーや!! クヨクヨしても結果は変わらなーい。本日の敗戦は優勝のために必要な矢野監督の『産みの苦しみのリハーサル采配』と考えちゃいましょう!! じゃなきゃ、ここまで6勝の先発・秋山を3回で交代はありえないでしょう? 優勝を争う終盤戦で先発に突然のアクシデント発生。「さあ、中継ぎ陣、しっかり試合を作ってくれー」のシミュレーションだったのだ!! じゃなきゃ、八回まで毎回の11安打、サンズの2ランがあるのに3得点ってのは、多分崖っぷちの九回に逆転できるか? やってみんかい、のランスルー(テレビ業界用語で本番と同じ感じで行う稽古)だったのだ!! じゃなきゃ、怪物ルーキー・佐藤輝の5打席5三振なんて...。今、阪神で一番怖い打者が封じ込まれている状況を、他の猛虎ナインがどうカバーするかの予行演習だったのだ!! 『備えあれば憂いなし』。さあ、これで終盤優勝目前での足踏みは心配無用。準備万端で、また先頭を突っ走り始めますかア!!

◆もえ出(いづ)るも枯るゝもおなじ野辺の草 いづれか秋にあはではつべき...と平家物語にいう。もえいづるような若草も無残に枯れる草もおなじ野辺に咲くのか...としばらく自分に語り掛けてみたのです。 何かを教えてくれようとしているのか、わがタイガースは。それとも〝人生の奥深さ〟をたたきこんでくれているのか。投手交代にのぞく矢野監督の苦悩が胸に突き刺さる。すべては結果論なのだけど...。でも、前日に3安打した佐藤輝がこの日はプロ初の5三振...大山も3三振。 この日の当番デスク白石大地は威勢のイイのがその人柄を表していて、物事を絶対に〝あきらめない〟のです。だから試合前から「私は元気です。それだけで幸せです」とやたら声のトーンが高かったのは、ひょっとして3時間43分後の結末と涙のほろ苦さにおびえていたのかもしれません。それにしても、いきなり近本の長打から先手をとり、サンズの2ランで主導権を握ったのに...。 「試合前の練習でもチームは元気でした。今は心配事の落ち穂拾いをしてる場合じゃないと思います。そういう打ちひしがれた空気感はなかったんですけど...」とサブキャップ新里公章も言ってた。 実は新里キャップよ。俺はひそかに中野拓夢遊撃手に注目してたんだ。というのは、このドラフト6位で入団したばかりの遊撃手は実にミートがうまい。前日3日にも五回無死一、三塁の大ピンチも冷静沈着なゲッツーでチームのピンチを断った。どこか冷めたクールガイなのだ。それでハッとした。彼は阪神一筋で2064安打も達成した〝打撃の職人〟藤田平の後継者になる! と。 そう思うと熱くなった。1978年、藤田平は4月30日からズーッと三振せず、この7月5日に208打席ぶりに『三振』をしたのだ(いずれも甲子園での中日戦)。 これは実に驚異的なことで、いかに藤田平がミート打法に傑出していたかを証明していた。のちにイチローが「216打席無三振」を記録して藤田平の記録は超されてしまうのだが、ドラフト元年に2位指名で阪神に入団。ポスト吉田として期待され、キャンプ初日に安芸球場でいきなり至芸のミート打撃の片鱗をのぞかせて、その小指を少し残しての正確無比のスイングを、新米虎番の筆者は当時大ヒットしていた伊東ゆかりの『小指の想い出』にかけて紹介した。のちに世界の本塁打王となる王貞治(現ソフトバンク球団会長)が「舌をまいたミートの正確さ」としても話題になった。 その研ぎ澄まされた芸術的なミートの正確さは、若い時からあえて打撃練習で合宿や遠征先の宿舎での照明を消してスイングを黙々とくりかえしていた、その姿から生まれたのであるが...。 素朴な素焼きの中のその芸術性にひかれて備前焼にも傾注していた藤田平はのちに2軍監督などでそのきまじめさから苦労をするが、バットがほとんど折れない正確無比さ。そして「三振をしない打者」としてはあのイチローでさえ一目も二目も置いていた。 それと今、苦労している佐藤輝とを比べて論じるつもりはない。が、周囲をあえて暗くしての藤田〝狂四郎〟の「円月殺法」になぜかこの日、苦い酒を流し込みながらノスタルジーをおぼえた。 解説者は簡単に三振におびえることなくフルスイングで〝挑む〟佐藤輝の姿に少しぐらいの回り道は...と「肯定論」をくりかえすが、それだけでいいのだろうか。 自分を突き詰めた厳しさゆえに〝鬼平〟と呼ばれて異彩を放っていた藤田平をフト、思った。

◆九回1死一、二塁での佐藤輝、大山の連続三振は寂しかったね。コーチは、どんなアドバイスをして打席に送り出したのか。制球に苦しみ、フォーク中心の栗林に対し、大事なのは逆方向への意識。球を呼び込むことで見極めていかなければいけないのに、ただ真っすぐを待って、フォークが来たら空振り-。2人そろって、あまりにも策がなさすぎる凡退だ。 僅差の試合は、よりベンチワークが重要になる。代打、代走を出すだけが仕事ではない。最近の阪神は、どうも選手任せになっているように感じる。打てなかったから負けた、投手が抑えたから勝った。好調なときはいいが、打線がつながらない現状、そこでどう1点を取っていくかがベンチの腕の見せどころだ。 目先の1勝にこだわってほしい。巨人は阪神と8ゲームに開いてから、原監督はがむしゃらに目の前の1勝をつかみにいっている。シーズンはまだ半分とはいえ、いまの阪神には、この姿勢が必要だ。長期計画ではなく、この試合を勝つために一番、確率が高いことはなにか。そこに純粋にこだわってほしい。 佐藤輝に対しても、然りだ。素晴らしい能力をもった選手ではあるが、優勝を目指すなら、出し続けることにこだわらなくてもいい。2位、3位でいいなら、将来を見据えて黙って使い続けてもいいが、今年は優勝できる年だ。監督は、優勝するための戦力を見極めなければいけない。 1戦目にスタメンを外れたが、もう少し外してもいい。使い続けることで本人もきつくなることがある。わたしも現役時代、3割を打った年でも調子が落ちてきた時期、2打席で交代したりした。そうやって気分転換することで、またうまくいきだすこともある。 糸井はこの日の代打でも打席で粘りがあるし、状態は悪くない。最後の1球(見逃し三振)はかわいそうだったが、スタメンで使えば、もっといいものが出てくる。ロハスは1、2戦目の内容を見ると使いづらいが、例えば陽川も1軍に上げて使えば、それなりの結果は出してくれるはずだ。 今年の阪神の強みは、なんと言っても選手層の厚さ。それを生かさない手はない。一番、勝つ確率が高い野球をやってほしい。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
44283 0.611
(↓0.009)
-
(-)
68314
(+3)
267
(+4)
73
(+1)
65
(-)
0.255
(-)
3.250
(↓0.01)
2
(-)
巨人
402710 0.597
(↓0.009)
1.5
(-)
66329
(+2)
270
(+3)
102
(+1)
47
(+2)
0.255
(↑0.001)
3.370
(-)
3
(-)
ヤクルト
38299 0.567
(-)
3.5
(↑0.5)
67325
(+3)
299
(+3)
76
(-)
48
(+1)
0.255
(↑0.002)
3.740
(↑0.01)
4
(-)
中日
283811 0.424
(-)
13
(↑0.5)
66225
(+3)
264
(+3)
43
(+2)
39
(+1)
0.237
(-)
3.320
(↑0.01)
5
(-)
DeNA
28409 0.412
(↑0.009)
14
(↑1)
66311
(+3)
370
(+2)
76
(+1)
15
(-)
0.262
(↑0.001)
4.650
(↑0.03)
6
(-)
広島
25409 0.385
(↑0.01)
15.5
(↑1)
69264
(+4)
330
(+3)
50
(-)
35
(-)
0.259
(↑0.001
4.030
(↑0.01)