阪神(☆5対3★)ヤクルト =リーグ戦10回戦(2021.06.29)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:青柳 晃洋(7勝2敗0S)
(セーブ:スアレス(1勝0敗23S))
敗戦投手:田口 麗斗(4勝5敗0S)

本塁打
【ヤクルト】村上 宗隆(23号・2回表ソロ),山田 大樹(20号・8回表ソロ)

  DAZN
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◆阪神は1点ビハインドで迎えた2回裏、7連打が飛び出すなど一挙5点を奪い、逆転に成功する。投げては、先発・青柳が7回2失点の力投。その後は岩崎、スアレスの継投でリードを守り、青柳は今季7勝目を挙げた。敗れたヤクルトは、先発・田口が2回につかまった。

◆セ界屈指の安定感を誇る阪神青柳晃洋投手(27)が29日ヤクルト戦(甲子園)でチームの連敗を「3」でストップさせる。この日は甲子園でダッシュなどで調整。「最近のヤクルトはすごく打つイメージ。オスナ選手がホームランを打ったり、山田さんや村上も好調。長打に警戒して投げたい」と意気込みを語った。 侍ジャパンにも選出された右腕は、今季ここまで11試合に登板して6勝2敗、セ・リーグトップの防御率1・96と頼もしい投球が続く。なかでも6月は3試合に登板して3勝0敗、防御率0・78。3試合の登板イニングは8回、8回、7回とブルペンも助けている。今回の登板次第では、自身初の月間MVPも十分に射程圏内だ。 「自分の成績よりも、今チームが連敗していますし、ジャイアンツもすぐそこまで迫ってきているので、どんな形でも勝ちに貢献できるように頑張っていきたい」。29日は元監督で昨年2月に死去した野村克也氏の追悼試合。2・5ゲーム差で迫る2位巨人を振り切るためにも、天国のノムさんを安心させるためにも、青柳が勝利を運ぶ快投を演じる。【桝井聡】

◆元監督で昨年2月に84歳で死去した野村克也氏の追悼試合が同氏の誕生日の29日ヤクルト戦(甲子園)で行われる。 試合前に場内ビジョンで追悼映像を流し、黙とうをささげる。球場正面入り口などに肖像パネルを設置。現役時代に薫陶を受けた福原忍投手コーチは「野村さんには投手の原点、アウトコース低め、そこを一生懸命練習しなさいと言っていただいた。ただ投げるだけではないんだよと言っていただいたことが、今でもすごく心に残っている。チームとして勝利を届けられるように頑張りたい」と勝利を誓った。

◆阪神小野寺暖外野手(23)が、1軍に合流した。29日ヤクルト戦(甲子園)の試合前練習に姿を見せた。 4月18日に育成から支配下登録された小野寺は、10日の日本ハム戦(札幌ドーム)で中前にプロ初安打を放った。13日に出場選手登録を抹消されてからも2軍で好調を維持し、打率3割7厘はウエスタン・リーグ首位打者。27日中日戦(鳴尾浜)では左翼へ5号3ランを放っていた。好調なバットで、3連敗中のチームの起爆剤となれるか。 前日28日には小幡竜平内野手(20)が、出場選手登録を抹消されている。

◆3連敗中の首位阪神が4番打者を変更した。調子が上がらない大山悠輔内野手(26)が4番を外れ、ジェリー・サンズ外野手(33)が今季初めて4番に入る。 大山は今季、背中の張りで離脱した期間を除けば、開幕から出場58試合すべてで「4番三塁」を任されてきた。だが、5月下旬に背中の張りから1軍復帰後も本来の調子を取り戻せないまま、27日DeNA戦は5打数無安打。好機で凡退が続き、得点圏打率は2割3厘まで沈んでいた。 矢野燿大監督(52)は27日の試合後に「悠輔がこの悔しさをどうしていくかが一番大事」と奮起に期待していた。2位巨人に2・5ゲーム差まで迫られている正念場。4番左翼サンズ、5番右翼佐藤輝、6番三塁大山の並びで連敗ストップを期す。

◆本塁打キングの座は渡さない。ヤクルト村上宗隆内野手(21)が、2回に23号ソロを放った。カウント2-2で迎えた7球目、真ん中に入った青柳のカットボールを右中間席へ。 「追い込まれていたのでゾーンを少し広くしてコンパクトに打つことを心がけた。少し詰まったが、しっかりと押し込むことができました」と振り返った。3連敗中と悪い流れを、先制本塁打で振り払った。 本塁打王を争う巨人岡本和が、広島戦の1回に22号2ランを放ったことで一時追いつかれたが、すぐさま1歩前に出た。

◆両球団で監督を務め、昨年2月に84歳で亡くなった野村克也氏の追悼試合として行われた。 阪神で3年、楽天で4年、野村監督の専属広報を務めた嶌村聡球団本部長(53)は、この日の開催へ向け力を注いできた。「まず天気が、開催できてよかった。いろいろ意見を出させていただきながら、させてもらった。今、前半戦でこういう戦い方を見せられるというのは、私個人としてはうれしく思っています」と快晴を喜んだ。 球団旗などは半旗。試合前には息子の楽天野村克則育成捕手コーチ(47)がビデオメッセージで登場。「残念ながら父が在籍していた3年間は最下位という不名誉な結果でしたが、チームの基盤であるとかを父がいろんなものを残したと思っています。今は空の上で母と2人でゆっくりぼやきながら野球を観戦していると思います」と話した。野村氏の野球人生を振り返る映像も流れ、始球式には孫で日大野球部の野村忠克さん(19)が登場。「偉大な祖父だったので、祖父に思いが届くように」と打席のヤクルト塩見の内角へ、ショートバウンドながらも力強く投げ込んだ。 この日の入場者には野村氏の名言などが書かれた「野村ノート」を配布した。開幕直後の3月28日には神宮での同カードでヤクルト主催の追悼試合が行われたが、この日は阪神主催で行われた。

◆阪神が2死から7連打と驚異のつながりを見せ、1イニング5得点を奪った。 ヤクルト村上に先制ソロを許した直後の2回裏。2死から8番梅野が右前打で出塁すると、9番青柳が初球を捉えて左前打でつないだ。2死一、二塁の好機から、近本の右前適時打でまずは同点。続く糸原、マルテ、サンズ、佐藤輝と、5者連続適時打で一挙5点を奪った。 3連敗中だった阪神はこの日、打線をテコ入れ。調子が上がらない大山が4番を外れ、サンズが今季初めて4番に座った。2アウトと追い込まれたところから、見事に打線がつながった。

◆ビッグイニングの締めは佐藤輝明内野手(22)だった。 2回に4点を奪い、なおも2死一、二塁。左腕田口の外角低めスライダーを右前へ運ぶ適時打を放った。「2死(走者なし)からいい攻撃が続いていたので、何とか続くことができるように、必死に打ちにいきました」。23日の中日戦で19号ソロを放って以来の打点となった。 3連敗中は自身のバットも湿っていた。27日DeNA戦の8回に16打席ぶりの安打となる二塁打を放ち、復調のきっかけをつかんでいた。この日の試合前フリー打撃でも44スイングで柵越えは1本。しっかり自分のスイングを確認するように練習を続けていた。 前日28日には、新人初のセ・リーグ最多得票で球宴のファン投票に選出され、夢舞台での本塁打を誓った。だが、シーズンは勝利が最優先。この日は4番にサンズ、6番に大山が入ったが、佐藤輝は変わらず5番として、チャンスで走者をかえす打撃をみせた。

◆7回無死からのヤクルト中村悠平捕手の打席で、球審と三塁塁審の判定が食い違うハプニングが起きた。 中村が放った打席は三塁ベース付近に飛び、三塁塁審は両手を広げてファウルの判定をしたが、球審はフェアの判定。ボールは一塁へ転送され、中村はアウトになった。 高津臣吾監督が三塁側ベンチから出て抗議したが判定は覆らず。 丹波球審は「球審の判定と三塁塁審の判定が食い違いましたが、協議の結果、フェアとして試合を再開します」とマイクを持って観衆に説明した。

◆7回のヤクルトの攻撃で珍プレーが起こった。先頭の中村が三塁線へゴロを放ち、丹波球審は右手をフェア地域に指さし「フェア」の判定、飯塚三塁塁審は大きく両手を広げ「ファウル」と大きな声で判定した。 微妙なゴロだったが、阪神の三塁手大山はベース後方の打球を捕球後、一塁へしっかりと送球していた。審判団が協議しフェアの判定で三塁ゴロに。ヤクルト高津監督が抗議したが判定は変わらず。丹波球審は場内マイクで「球審と三塁塁審の判定が食い違いましたが、協議の結果、フェアとして試合を再開します」と説明した。

◆阪神先発の青柳晃洋投手(27)が7回、101球で5安打、2失点と好投した。 3点のリードを保ち、8回の岩崎にバトンをつないだ。 2回に村上に23号ソロを許しヤクルトに先制を許したが、その裏2死一塁で打席が回ってくると左前安打を放った。続く1番近本の右前適時打では一塁から三塁へ激走するなど、すべて単打での7連打で5得点の一員としてバットで自分を援護した。

◆首位阪神が7連打5得点の猛攻を決め、4連敗を阻止した。 調子が上がらない大山悠輔内野手(26)を4番から外し、ジェリー・サンズ外野手(33)が今季初めて4番に入れた一戦。 1点を追う2回2死無走者、8番梅野隆太郎捕手(30)から5番佐藤輝明内野手(22)まで7連打。1番近本光司外野手(26)から5者連続タイムリーで5点を奪った。佐藤輝のタイムリーは自身5試合ぶりの打点となった。 先発の青柳晃洋投手(27)は7回2失点ときっちり試合を作り、チーム単独トップの7勝目(2敗)をマークした。 2点リードの9回には守護神ロベルト・スアレス投手(30)が中6日のマウンドに上がり、球団記録の登板連続セーブを14に伸ばす今季23セーブ目を記録した。

◆ヤクルトが2回に村上の右越え23号ソロで先制。阪神はその裏、2死走者なしから7者連続安打で5得点を挙げて逆転した。 ヤクルトが4回に中村の右犠飛で1点を返した。阪神青柳は6回を2失点と力投。ヤクルト田口は4回5失点で降板した。 ヤクルトは8回、山田の20号ソロで2点差に迫ったが反撃はそこまで。阪神が継投で逃げ切り連敗を3でストップ。青柳は7勝目。スアレスは23セーブ目。ヤクルト田口が5敗目。

◆阪神が驚異の集中打で連敗を「3」で止めた。3年間チームを率いた野村克也氏の追悼試合で、教え子の矢野燿大監督(52)が打線のてこ入れに着手。今季初めて4番で起用したジェリー・サンズ外野手(33)のタイムリーなどで、2回に5者連続適時打を含む7連打で5得点。試合をひっくり返し、亡き名将に甲子園で白星をささげた。【野村克也氏追悼試合アラカルト】 阪神ヤクルト10回戦(甲子園)は両球団で監督を務め、昨年2月に84歳で亡くなった野村克也氏の追悼試合として行われた。 ◆球場周辺 球場の旗はすべて半旗。球場正面には「野村克也 生涯一捕手」と文字が書かれた阪神監督時代の写真が飾られた。球場6号門付近のメモリアルウォール、イニング間のビジョンには「私の野村ノート」として野村氏と縁のある阪神OBたちが感銘を受けた言葉を掲出。駅前広場には阪神監督時代の背番号「82」「73」の街灯バナーが設置された。 ◆入場者プレゼント 入場者全員に野村監督の名言が冒頭ページに入った「野村ノート」が配布された。 ◆追悼セレモニー 息子の楽天野村克則育成捕手コーチ(47)がビデオメッセージで登場。「残念ながら父が在籍していた3年間は最下位という不名誉な結果でしたが、チームの基盤であるとかを父がいろんなものを残したと思っています。今は空の上で母と2人でゆっくりぼやきながら野球を観戦していると思います」と話した。VTRで南海での現役から楽天監督時代までを振り返った。巨人戦で新庄が敬遠の球をサヨナラ安打にする場面も流れた。 ◆始球式 孫で日大野球部の野村忠克さん(19)が登場。「緊張しました。偉大な祖父だったので、祖父に思いが届くように」と打席のヤクルト塩見の内角へ、ショートバウンドながらも力強く投げ込んだ。 ◆プロデュース 阪神で3年、楽天で4年、野村監督の専属広報を務めた嶌村聡球団本部長(53)は、この日の開催へ向け力を注いできた。「まず天気が、開催できてよかった。いろいろ意見を出させていただきながら、させてもらった。今、前半戦でこういう戦い方を見せられるというのは、私個人としてはうれしく思っています」と感慨深げだった。 ◆前回 3月28日、神宮での同カードでヤクルト主催として追悼試合を開催。先発ガンケルが6回無失点と好投。打線もマルテ、サンズのアベック弾が飛び出し、8-2で開幕3連勝。この日は全員が背番号「73」のユニホームを着用した。

◆阪神が驚異の集中打で連敗を「3」で止めた。3年間チームを率いた野村克也氏の追悼試合で、教え子の矢野燿大監督(52)が打線のてこ入れに着手。今季初めて4番で起用したジェリー・サンズ外野手(33)のタイムリーなどで、2回に5者連続適時打を含む7連打で5得点。試合をひっくり返し、亡き名将に甲子園で白星をささげた。

◆阪神青柳晃洋投手(27)が7回5安打2失点と好投し、チームトップの7勝目を挙げた。打線は1点を追う2回に一挙7連打、5連続適時打の5得点で逆転。近本光司外野手(26)は、4打数3安打1打点で2戦連続の猛打賞。打率を今季初の3割に乗せた。 お立ち台では、2回に青柳が安打を放った後、レッグカバーを取り忘れてタイムをかけた場面を、笑顔で明かした。 ? 青柳、近本のお立ち台は以下の通り ? -チーム3連敗の中、どんな気持ちでマウンドへ 青柳 連敗の状況を絶対止めるという気持ちでマウンドに上がりました。 -天気にも恵まれた 青柳 なんとか晴れてくれてね、良かったなって感じですね。 -7回2失点、投球内容を振り返って 青柳 やっぱりヤクルトいいバッターが揃ってる中、なんとか最少失点で抑えられて良かったなって思うんですけど、やっぱり村上に毎回毎回やられてるんで、次こそは絶対抑えたいと思います! -今季最多の9奪三振 青柳 そんなにイメージしてなかったですけど、数字にするとやっぱりすごいですね(笑い)。 -三振を奪えた要因は 青柳 梅野さんの配球に尽きると思います。 -梅野選手とのバッテリーで先週に続いて連敗を止めた 青柳 ピッチング内容的に止めることができて良かったですけど、僕だけで勝ったわけでもないですし、野手の方が5点取ってくれたんで、楽に投げることが出来ました。 -2回の攻撃で安打を放った 青柳 たまたまですね(笑い)。 -青柳選手の後、近本選手が同点タイムリー 近本 初球、ピッチャーがセット入って、なんかこのへんで、ランナーがヒュルヒュルヒュルって戻ったんで、何かなーと思って、心配でタイムかけたんですけど、良く見たら青柳さんの足にレッグ(カバー)がついてたんで(笑い)。それだけヒット打って興奮してたんだなっていうのは思いましたね。 -青柳投手、わざとではない 青柳 久々に塁出たんで、忘れてました(笑い)。 -同点タイムリーは追い込まれたあとの変化球 近本 2アウトから梅野さんとヤギさん(青柳)がつないでくれたチャンスだったので、なんとしても同点という気持ちあったので、結果的にヒットになったというのはうれしいです。また、後にも本当につないでもらえて5点入ったんで、すごくいい流れでダメージ与えられて良かったなと思います。 -2試合連続猛打賞。好調の要因は 近本 そうっすね...しっかりセンターに返すことですかね。基本が大事だなと思いますね。 -野村克也さんの追悼試合で勝利 近本 こういう大事な試合で連敗も止めることが出来ましたし、勝って意味のある勝利だなというふうに思いますし、またこれでチームもいい流れが、乗っていけたらなと思います。 -最後に1人ずつ、明日以降への意気込みを 青柳 今日でいい流れになったと思うので、明日からもしっかり連勝目指して頑張っていきたいと思います。 近本 しっかり自分たちの野球して、自分たちのプレーで、2位のゲーム差とか関係なく、しっかり自分たちの野球して、どんどん勝っていきたいと思います。また声援よろしくお願いします!

◆阪神守護神ロベルト・スアレス投手が9回を3者凡退で両リーグトップの23セーブ目を挙げた。 先頭オスナには内角低めに159キロのツーシームで空振り三振。宮本をチェンジアップで二ゴロ。「あと1人」コールを浴びながら、中村を160キロで中飛に仕留めた。連敗中は出番がなく、中6日でのマウンド。「勝ったんでそれがやっぱりうれしい。先週は悔しい負け方をしたんで。非常に満足している」と笑顔だった。

◆今季初4番の阪神ジェリー・サンズ外野手は6連打目となる適時打を決めた。 2回、5連打で3得点した直後の2死一、二塁。田口から中前に運ぶタイムリー。「自分が何番を打とうが、あまり関係ない。チームメートが出塁したら、かえすのが仕事。得点圏に走者がいる時にどういう投球、球種を投げてくるかを事前にしっかり頭に入れることが大事」。これで得点圏打率は3割5分1厘となった。

◆阪神近本光司外野手が、2試合連続3安打の固め打ちで、今季初めて打率を3割に乗せた。 1、2、3回と3イニング連続で打席が回り、いずれも快音を奏でた。5点を挙げた2回には、追い込まれてから低めのスライダーを拾い、右前へ同点適時打。梅野、青柳の連打に続いだ。 「なんとしても同点という気持ちがあった。(野村克也氏の追悼試合で)こういう大事な試合で連敗も止めることができたし、勝って意味のある勝利」 リーグ戦再開となった18日の巨人戦(甲子園)から、ヘルメットのフェースガードを取った。「しっかり両目で見ようという意識。両目で見ることが大事だなと」。そこから41打数17安打、打率4割1分5厘と打ちまくる。打率3割はチームトップ。セ・リーグ6位に浮上した。 「トータルな打率というより週間だったり、ここ3試合だったり5試合だったりっていうものを意識している。その結果が3割に到達した、ってだけ。またいいところで打てたらいいなと思います」 ヒーローとなった夜も、冷静に振り返るリードオフマンが頼もしい。【中野椋】

◆阪神主将大山悠輔内野手は6番から再起を期す。 今季は背中の張りで離脱した期間を除けば出場58試合すべてで4番を任されてきたが、この日は6番に打順を下げて4打数無安打。 矢野監督は「悠輔にはこれからも頑張ってもらわないとダメですし、悠輔が上がってくるというのは優勝に向けて大きなところ。4番に置いて、ちょっと力んでいるかなというのもあったし、何かしら気分転換とか、悔しさとか。そういうことが出てきたらいいなというところで6番にしました」と説明した。

◆ノムさん、虎は強くなりました-。阪神が驚異の集中打で連敗を「3」で止めた。3年間指揮を執った野村克也氏の追悼試合で、教え子の矢野燿大監督(52)が打線のてこ入れを敢行。2回に今季初めて4番で起用したジェリー・サンズ外野手(33)のタイムリーを含む5者連続適時打&7連打で5得点。試合をひっくり返し、亡き名将に甲子園で白星をささげた。終わらない猛虎劇場に甲子園が沸いた。1点を追う2回2死走者なしの場面で、ヒットパレードの幕が開いた。8番梅野が右前打で出塁すると、9番青柳が初球を左前へ引っ張った。続く近本が同点の右前タイムリー、さらに糸原が勝ち越しの中前適時打で続く。さらにマルテが、さらにさらにサンズが、最後は佐藤輝も適時打と7打者連続ヒット。13年以来となる5者連続タイムリーで一気にツバメを攻め立てた。線となった打線に矢野監督もうなずいた。 「大量得点というのは四球とかエラーとかが絡むけど、そういうことがなく、みんながヒットでつないだというところでいい攻撃ができた。ああいうつながりの野球がうちの野球」 打線に火を付けたのは指揮官の仕掛けだ。DeNAに同一カード3連敗を喫し、打線をてこ入れ。今季、背中の張りで離脱した期間を除けば、開幕から出場58試合すべてで「4番三塁」を務めた大山を打撃不振のため、6番で起用した。4番には今季初めてサンズを指名。新オーダーには今後を見据えた矢野監督の思いが込められていた。 「悠輔が上がってくるというのは優勝に向けて大きなところ。でも4番に置いてちょっと力んでいるかなというのもあったし、何かしら気分転換とか、悔しさとか。そういうことが外すことで出てきたらいいなというところで6番にした」 甲子園が独特の空気に包まれた。この日は阪神でも監督を務めた野村克也氏の追悼試合だった。観客には「野村ノート」がプレゼントされた。矢野監督は野村阪神1年目の99年に、初めて規定打席に到達し、打率3割4厘を記録するなど大きく飛躍。ノムラの教えが指導者としての礎にもなっている。 「野村監督に出会っていなければ僕の現役生活も3割打つとか、20年間やるとか、それもなかった。監督としてこうやってやることも野村監督に出会っていなかったら、なかったと思う。野村監督の教えを伝えていきながら、しっかりやっていければいいなという思いで戦った」 2位巨人も広島に競り勝ち2・5ゲーム差は変わらなかった。長丁場のシーズンはようやく折り返し地点が見え始めたところ。まだまだ勝負は続く。指揮官として先を見据えたこの日の決断、そして戦い方。天国のノムさんも満足してくれるはずだ。【桝井聡】

◆阪神が2回2死走者なしからすべて単打の7連続安打、5連続適時打で一気に5点を奪い連敗を3で止めた。この日は元監督で昨年2月に84歳で死去した野村克也氏の追悼試合として行われた。矢野燿大監督(52)の一問一答は以下の通り。 --野村克也氏の追悼試合で勝利を届けた そうですね、野村監督に出会っていなければ僕の現役生活もね、(打率)3割打つとか、20年間やるとか、それもなかったですし。監督としてね、こうやってやることも野村監督に出会っていなかったら、なかったと思うので。そういうところでは、(ヤクルトの)高津監督も教え子ですけど、野村監督の教えを何かこう伝えていきながら、しっかりやっていければいいなという思いで戦いました。 --先発の青柳は7回2失点で9三振を奪う投球 ちょっと連敗でね、どうかというところを立ち上がりからちょっと飛ばしてね、行ってくれたので、リズムに乗れたというのはヤギ(青柳)の投球が大きかった。 --6月の青柳は4戦4勝 そうですね。本人も自信を持っていますし、オリンピックに選んでいただいたというのもまた、本人の大きな励みとか自信になっていると思うのでね。そういうところもプラスになっているのかなと思います。 -2回は2死から7連打 ああいう大量得点というのは四球とかエラーとかが絡むんですけど、そういうことがなく、みんながヒットでつないだというところでいい攻撃ができました。 --4番にサンズ、6番に大山を入れた 悠輔(大山)にはこれからも頑張ってもらわないとだめですし、悠輔が上がってくるというのは優勝に向けて大きなところなんで。でも、4番に置いてちょっと力んでいるかなというのもあったし、何かしら気分転換とか、悔しさとか。そういうことが外すことで出てきたらいいなというところで6番にしました。 -4番にサンズを入れたのもつながった要因 これはもう毎日俺らは結果と戦っているし、そこは無視できるところではないので。でも、ジェリー(サンズ)が打ってくれたのはプラスだし、逆に大山がどういう感じているかというのも勝つことで、またプラスに持っていける部分もあると思うのでそれは日々の中で考えながらまた打順もやっていこうかなと思います。 --2回は青柳が自分のバットでつないだ もともとバッティングがよくないのに、打つことが好きやからそういうところじゃ、まさか打つとはね、こっちも期待していないんだけど、そういうところでもちろんつないだというのもあるし、まあ、あきらめないって言うのはチームで大事にしているところなんで、まあ、あいつは目の前のことを全力でやるってことが青柳のよさでもあるんで、打席でもそういうところが出たかなと思います。 --2番・糸原はいろんなことができる 健斗(糸原)が2番にいることで、俺らは楽なんよね。拓夢(中野)は経験はないから、どうしても任せるというよりは、こっちが引っ張っていかないと。まだまだ。『ああだぞ、こうだぞ』ということを教えていく、拓夢にとっては2番をやることが成長につながると思うんだけど。その中で言うと、チームは最初から2番にしているように、2番・健斗というのが一番、俺も楽やし、チームとして任せられる2番が健斗。そういうところはやっぱり健斗の2番は安心感というか、任せるぞという2番というのは健斗の方が今のところだいぶ上かなと。 -連敗を3で脱出 これでホッとすることなく、オリンピックまでの間、残り試合あるので。最後もう1回、みんなの戦い、タイガースの戦いをやっていきます。

◆阪神糸原健斗内野手が猛攻の流れに乗り決勝打を放った。 近本の適時打で同点になった直後の2回2死一、三塁。田口の139キロ直球を中前へ運び、2試合連続適時打とした。「とにかくクリーンアップにつなぐという気持ちで打ちました。いい形でつなぐことができてよかった」。2番に戻って2試合目。頼れるつなぎ役が状態を上げてきた。

◆ヤクルト今季初の4連敗を喫した。2回に村上が右中間へ23号ソロ。 幸先良く先制したが、直後に田口が2死から7連打を浴びて5失点。以降は流れを再び呼び込めず、主砲の1発も空砲に終わった。高津監督は「なんとかロースコアのゲームにとは思ったんですけど。裏の5点は大きかった」と肩を落とした。 ▽ヤクルト山田(8回に左翼へ20号ソロ) 終盤で1点でも返せばまだ分からないので1点返して良かったです。

◆阪神青柳晃洋投手(27)の東京五輪侍ジャパン代表メンバー内定を祝う横断幕が、早くも"新調"された。 川崎工科時代に通学路で使っていたという神奈川・川崎市の南武線平間駅の駅前に21日から掲げられていたが、投球フォームのシルエット入りのものが新しく26日から掲出。企画した平間駅近くのジュエリー店、Pitの社長、三浦尚敏さん(63)が、舞台裏を明かしてくれた。 「本当は青柳投手のフォームのシルエットが入ったものが最初から届く予定だったんですけど、手違いで...。費用はかさむけど、みなさん快く応じてくれました」 "旧式"もしっかりと同店の看板の上に掲出。「青柳フィーバー」はまだまだ続きそうだ。【阪神担当=中野椋】

◆「新火曜日の男」は連敗ストッパー! 阪神青柳晃洋投手(27)が、7回5安打2失点でチームトップの7勝目を挙げた。 「連敗の状況を絶対止めるという気持ちでマウンドに上がりました」。初回先頭の塩見から2番青木、3番山田と3連続三振。2回には村上にソロ本塁打を浴びるも、キレのあるスライダーを武器に自己最多の9奪三振。「そんなにイメージしてなかったですけど、数字にするとやっぱりすごいですね」。2週連続でチームの連敗を止め、さらに6月は4戦4勝。自身初の月間MVPが見えてきた。 今年2月の春季キャンプ。暖かい沖縄のブルペンに青柳の明るい声が響いた。 「インコースのスライダー行きます!」「ストライクのシンカー行きます!」 昨シーズンが終わると、チャートや投球映像を見ながら配球研究に取り組んだ。「偏らないようにやっていきたい。そうするには僕自身の技術を上げないと、結局ストライクが入るボールに偏っちゃう、という部分に行き着きました」。投げられるコースや球種を増やして、自分で配球の幅を広げる。向上心と探究心は、しっかり結果につながった。 この日はバットでも貢献。2回2死一塁で初球を振り抜き左前打を放ち、7連打を演出。塁上でレッグカバーを外し忘れ、近本が慌ててタイムをかけようとした。「よく見たら青柳さんの足にレッグがついてたんで。それだけヒット打って興奮してたんだなっていうのは思いましたね」とお立ち台でイジられると、「久々に塁に出たんで、忘れてました」と苦笑した。 矢野監督は「飛ばしてるなという感じに見えた。青柳のピッチングが流れを呼んでくれた。これからも引っ張っていってくれたら」と全幅の信頼を置く。目標の13勝は、高くないハードルだ。【磯綾乃】

◆中日は2点先制も雨による4度の中断の末、6回途中降雨コールドでの逆転負け。 5回に2度目の中断後、大野雄が2死から逆転を許しての敗戦に、与田監督は「雄大(大野)も抑えにいって、期待して見ていたけどしようがないですね」と振り返った。試合前から天気予報をもとにゲームプランを練り、早い仕掛けが実りかけたが「両チームとも天気を意識したゲームだったわけですし。しようがない」と繰り返した。 ▽中日京田(1軍復帰も出場機会なし) (2軍では)バッティング、守備、走塁とも2ランクレベルアップを目標にしてやってきました。変わった京田を見せられるように頑張ります。

◆ノムさん、虎は強くなりました-。阪神が驚異の集中打で連敗を「3」で止めた。3年間指揮を執った野村克也氏の追悼試合で、教え子の矢野燿大監督(52)が打線のてこ入れを敢行。2回に今季初めて4番で起用したジェリー・サンズ外野手(33)のタイムリーを含む5者連続適時打&7連打で5得点。試合をひっくり返し、亡き名将に甲子園で白星をささげた。    ▽   ▽   ▽ ▼阪神が2回に7連打と5連続適時打で5点を奪った。5連続適時打は13年5月26日の日本ハム戦の1回に記録して以来。このときは6連打だった。7打者連続安打は11年7月3日の横浜戦でも記録している。阪神の連続打者安打は46年の9者連続が最長。野村監督が指揮したヤクルトでも、93年4月14日の阪神戦(甲子園)の5回に、犠打をはさんで7連打で5点を奪っている。

◆阪神の2回2死から7連続安打、5連続適時打の火付け役となった梅野隆太郎捕手(30)は「音楽の力を感じた。歌の通り線としてつながった」と笑った。 この日、登場曲をBigfumi(ビッグフミ)の新曲「繋いでいけ」に変更。その第1打席で右前安打を放ち、ビッグイニングへとつなげた。今季3度目の猛打賞もマーク。今月は青柳を4戦4勝に導き「ヤギが配球通りに投げてくれるから」と、リードもさえた。

◆阪神3番ジェフリー・マルテ内野手も猛攻に続いた。逆転した直後の2回2死一、三塁。田口の131キロフォークに対し右膝を地面につきながら、しぶとく三遊間を破った。 「2死からみんなでつないでくれたチャンスだったから、流れに乗って打つことができてよかったよ」。2回表の守備では、宮本の強烈なライナーに反応し好捕。攻守で助っ人が奮闘した。

◆元監督、野村克也さんの追悼試合として開催された一戦で、矢野監督が動いた。リーグ戦再開後の9試合は打率・1940本塁打、3打点と不振の阪神・大山悠輔内野手(26)が「4番」から「6番」に降格。サンズを今季初めて「4番」で起用した。

◆昨年2月に死去した野村克也さん(享年84)=元南海、ヤクルト、阪神監督=の追悼試合。試合前の始球式に野村さんの孫・忠克さん(19)が登場した。日大野球部らしいきれいなフォームで投げた1球は、ショートバウンドしてミットに収まった。 「自分自身、高校野球をやっていたんですけど、甲子園(のグラウンド)には立ったことはなくて。初めてだったので緊張しました。祖父に思いが届くようにという心構えでいました」。始球式の前にはセレモニーが行われ、場内のビジョンに追悼映像を放映。その後、黙とうを捧げた。 忠克さんは小学生のころから現在に至るまで野球をしており、祖父の偉大さをひしひしと感じてきたという。「中学、高校、大学と、どこへ行っても(周りの人から)おじいちゃんの話をされるので、本当に偉大な方だなと思う」。追悼セレモニーではバックスクリーンに流れた祖父の映像を目にし「たくさんの方に慕われていたんだなと、身に染みて感じました」と語った。

◆阪神は0-1の二回、7連打&5者連続適時打で逆転した。2死走者なしから梅野、青柳の連打で一、二塁とし、近本の右前適時打で追いつき、なおも2死一、三塁。糸原がヤクルトの先発、田口の139キロ直球をたたいて、勝ち越しの中前適時打を放った。 近本は「青柳さんがつないで、チャンスだったのでランナーをかえすことができてよかった」といえば、糸原も「良い形でつなぐことができてよかった」と笑顔。 続くマルテも左前適時打を放ち、「2死からみんながつないでくれたチャンス。その流れに乗って打つことができて良かった」。不振の大山に代わって、今季初めて4番に入ったサンズも中前適時打で続き、2死一、二塁からはD1位・佐藤輝(近大)も外角スライダーを右前へ。5点目の適時打となった。 佐藤輝は「2死からいい攻撃が続いていたので、なんとか続くことができるように。必死で打ちにいった」と声を弾ませた。 この日は、元監督、野村克也さんの追悼試合として開催された。DeNAに同一カード3連敗を喫した直後の仕切り直しの一戦で、打線が序盤から爆発した。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(21)が、二回先頭で右翼席へ先制の23号ソロを放った。 相手の先発・青柳と、捕手の梅野は自身と同じく、東京五輪野球日本代表「侍ジャパン」に選出されている〝侍バッテリー〟。一回は、1―3番が3者連続三振に倒れるなど重い空気の中、若き主砲が薄暮の甲子園にアーチをかけた。青柳が投じたカットボールを捉えた。 「追い込まれていたので、ゾーンを少し広くしてコンパクトに打つことを心掛けました。少し詰まりましたが、しっかりと押し込むことができました」。こちらは、ともに「まいなびオールスターゲーム2021」にファン投票で選出された右翼手・佐藤輝の頭上を越える一撃で、スコアボードに「1」を刻んだ。

◆先発した阪神・青柳晃洋投手(27)は7回101球を投げて5安打2失点の好投。勝ち投手の権利を持って降板した。 青柳は一回、3者連続三振と最高のスタートをきった。二回、先頭の村上に高めのカットボールを右翼席に運ばれたが、直後の攻撃で、青柳も安打を放つなど、打線が7連打&5者連続適時打と大爆発。5-1の四回に中村に犠飛を打たれたが、五回以降は危なげない投球だった。

◆ヤクルトが4連敗を喫した。二回、村上が右翼席へ先制の23号ソロを放ったが、先発の田口がその裏、7連打&5者連続適時打で逆転を許した。2死から梅野、青柳の連打で一、二塁とされると近本に右前打、糸原に中前打、マルテに左前打、サンズに中前打、佐藤輝に右前打を立て続けに浴びた。田口は4回10安打5失点で5敗目(4勝)となった。

◆阪神は打線が7連打&5者連続適時打と奮起し、逆転勝利。連敗を「3」で止めた。 0-1の二回、2死から梅野、青柳の連打で一、二塁として、近本が同点打。続く、糸原が勝ち越し打を放つと、マルテ、今季初めて4番にすわったサンズにも適時打が飛び出した。 なおも2死一、二塁で、D1位・佐藤輝(近大)が5試合ぶりの打点となる右前適時打。この回、5得点を奪った。 先発した青柳は7回2失点の好投で、チームトップの7勝目。2点リードの九回に登板したスアレスは無失点に抑えて、23セーブ目を挙げた。 この日は、南海、ヤクルト、阪神の元監督で、昨年2月に亡くなった野村克也さんの追悼試合として開催された。

◆阪神は1点を追う二回2死無走者の場面で8番・梅野からの7連打の猛攻で、一挙5点。連敗を「3」で止めた矢野監督の一問一答は以下の通り。 (テレビインタビュー) ーー野村克也さんの追悼試合で勝利を届けた 「そうですね、野村監督に出会っていなければ僕の現役生活もね、3割打つとか、20年間やるとか、それもなかったですし。監督としてね、野村監督に出会っていなかったらなかったと思うので。高津監督も教え子ですけど、野村監督の教えを伝えていきながら、しっかりやっていければいいなという思いで戦いました」 ーー先発の青柳は7回2失点で9三振 「連敗でね、どうかというところを立ち上がりから飛ばしてね、行ってくれたので、リズムに乗れたというのはヤギのピッチングが大きかったです」 ーー6月は4戦4勝 「そうですね、本人も自信を持っていますし、オリンピックに選んでいただいたのも大きな励みとか自信になっていると思う」 ーー二回は7連打 「大量得点は四球とかエラーとかが絡むんですけど、みんながヒットでつないでいい攻撃ができました。その後、点を取れなかったんで、課題かなという部分と両方あります」 ーー4番にサンズ、6番大山 「悠輔にはこれからも頑張ってもらわないとだめですし、悠輔が上がってくるのは優勝に向けて大きなところなんで。でも、4番に置いて力んでいるかなというのもあったし、何かしら気分転換とか、悔しさとか。外すことで出てきたらいいなというところで6番にしました」 ーー連敗脱出 「ホッとすることなく、オリンピックまで試合あるので。最後もう1回、みんなの戦い、タイガースの戦いをやっていきます」ーー二回の攻撃は2死走者なしから「野球って怖いなという部分と。そこからでも攻撃ができると。交流戦はそういう戦いが多かったけど、ここのところは点がなかなか取れなかったので、長打がああいう場面で出てくると、いいかなというふうに思います」ーー4番にサンズを入れた「毎日俺らは結果と戦っているし、そこは無視できるところではないので。ジェリーが打ってくれたのはプラスだし、逆に大山がどう感じているかというのも勝つことで、またプラスに持っていける部分もあると思う」ーー青柳は七回まで「本当に大きいよね。さっきも言ったけれども、ジャパンに選ばれたことが自信になっているような部分もあるし、自覚というか、自分がやってやるというようなところはすごく見える」ーー青柳が自分のバットでつないだ「バッティングがよくないのに、打つことが好きやからそういうところじゃ、まさか打つとはね、あきらめないって言うのはチームで大事にしているところなんで、まあ、あいつは目の前のことを全力でやるってことが青柳のよさでもあるんで、打席でもそういうところが出たかなと思います」ーー2番・糸原はいろんなことができる「健斗が2番にいることで、俺らは楽なんよね。拓夢(中野)は経験はないから、どうしても任せるというよりは、こっちが引っ張っていかないと。まだまだ。『ああだぞ、こうだぞ』ということを教えていく、拓夢にとっては2番をやることが成長につながると思うんだけど。その中で言うと2番・健斗というのが一番、俺も楽やし」

◆青柳が、青柳らしく、粘って、チームの連敗を止めたが、自分の力を〝誤解〟してしまうシーンがあった。それが一回の三者三振。こういう時の投手心理としては、調子がいいと錯覚してしまう。その後、早いカウントで痛打を浴びるシーンを何度も見てきたし、私自身にも経験がある。実際、二回に村上にカットボールをスタンドに運ばれた。青柳自身もわかっているだろうが、改めて、「一回の三者三振」に注意を払ってもらいたい。 あとは、村上に本塁打を許した直後の攻撃だろう。2死走者なしから7連打。その中に、青柳の安打も含まれているが、2死となっても、何が起こるかわからない、と実感した試合でもあった。 両チームとも連敗中の対戦とあって、連打はあったものの、ゲームは重苦しい雰囲気だった。阪神は連敗を止めたことで、流れがまた来るだろう。その流れを以前のような大きなモノにするためには、打線の頑張りが必要だ。この日は11安打を放ったものの、すべて単打。三回以降は無得点だった。やはり長打がほしい。そういう意味では6番に降格した大山の奮起を促したい。(本紙専属評論家)

◆4連敗のヤクルトは唯一失点した二回の5点が重かった。田口が2死無走者から8、9番に連打を許してしまい、1番近本から5者続けて単打での適時打を浴びた。 高津監督は「簡単に2死を取って安心したわけではないだろうが、投手の青柳につながれたのは大きい。何か止める方法があったと思う」と嘆息。黒星先行となる5敗目を喫した田口はコメントを残すことなく去った。 巨人に3連敗し、今季1勝しかできていない阪神戦で力負け。監督は「最近は先発が試合をつくれていない。チームとして何とかしないと」と危機感を募らせた。 村上(二回に23号ソロ)「追い込まれていたのでコンパクトに打ちにいった。カットボールに少し詰まったが、しっかり押し込めた」 山田(八回のソロで2年ぶりの20号到達)「一点でも返せば分からないと思っていた」

◆阪神・マルテも打線の勢いに乗った。2―1の二回2死一、三塁で打席に立つと、田口のフォークを最後は右膝を地面につきながら引っ張り、三遊間を抜けていく左前への適時打。次につなげる一打に「2死からみんなでつないでくれたチャンスだったからその流れに乗って打つことができてよかったよ」と振り返った。

◆田口は二回2死から青柳の左前打を含む7連打を浴びて一挙5失点。その後は持ち前の粘り強さを見せたが、4回10安打5失点で5敗目(4勝)を喫した。4連敗中は先発投手が早い回に降板しており、高津監督は「先発がゲームをつくれていないのが、負けが続いている大きな原因。何とかしていかないといけない」と嘆いた。

◆阪神・糸原が勝ち越し打を放った。二回、近本の一打で同点に追いつき、なおも2死一、三塁から中前適時打で続いた。「青柳が(安打を)打ったので、負けていられないと思って、打ちました。いい形で、後ろにもつなげられて良かった」。27日のDeNA戦(甲子園)で7番から2番に復帰し、2試合連続打点。「任されたところで、自分の仕事をするだけ」と強調した。

◆阪神・サンズが今季初の4番で出場。二回2死一、二塁で中前へ適時打を放ち、役割を果たした。「自分が何番を打とうが関係ない。前のチームメートが塁に出てくれたら、かえすのが仕事。それができてよかった」。ここまで得点圏打率・351をマークしており、「得点圏のときに(相手投手が)どういう投球をするかというのを事前にしっかり頭に入れることが大事」と勝負強さの要因を語った。

◆不振で今季初めて4番から6番に降格した阪神・大山は4打数無安打だった。打者一巡の猛攻で5得点を奪った二回は先頭で二ゴロ。7連打が出た後の2死一、二塁で、右飛に倒れ、1イニングで2つのアウトを喫した。矢野監督は「(大山)悠輔には、これから頑張ってもらわないとダメ。(チームの)優勝に向けて(大山の存在は)大きなところなんで」とハッパをかけた。

◆阪神・スアレスが5―3の九回に登板。22日の中日戦(バンテリンドーム)以来のマウンドだったが、オスナを空振り三振、宮本を二ゴロに打ち取ると、最後は中村を160キロ直球で中飛に料理して、試合を締めた。「とにかく勝ったということが大きいですし、非常に満足しています」。今季23セーブ目でリーグトップを独走中だ。

◆野村さんの追悼試合で扇の要を務める阪神・梅野が攻守で奮起した。二回2死走者なしから5得点を呼び込む右前打で出塁。「なんとかヤギ(青柳)につなぐということを意識した結果。いい内容でできたのでよかった」。三、八回にも単打でチャンスを作り、今季3度目の猛打賞を記録。捕手として青柳を好リードし「俺はサポートしてあげているだけ」と謙虚に話した。

◆0-1の二回2死一、二塁。阪神・近本が右前へ同点打を放ち、5者連続適時打の口火をきった。 「2アウトから梅野さん。ヤギさん(青柳)が(連続安打で)つないでくれたチャンス。なんとしても同点にという気持ちでした」 続く糸原が勝ち越し打。マルテ、サンズ、さらにD1位・佐藤輝(近大)にも5試合ぶりの打点となる適時打が飛び出し、すべて単打の7者連続安打での5得点につながった。 近本は一回先頭で右前打、3打席目の三回にも中前打で、2試合連続となる今季8度目の猛打賞。開幕直後は不振で1割台に低迷していた打率が、今季初めて打率3割に到達し、「(1年目の2019年6月以来)2年ぶりの3割ですね」と笑った。ヘルメットのフェースガードを外したリーグ戦再開後の10試合は打率・415(41打数17安打)と絶好調。「しっかり、両目で見ることが大事だなと感じた」と明かした。 「大事な試合で、意味のある勝利だと。チームもいい流れに持っていけたら」 野村克也さんの追悼試合で連敗を3で止め、虎のリードオフマンは力を込めた。(三木建次)

◆白球が三遊間を抜けたのを確認すると、満面の笑みを浮かべた。阪神・青柳が〝つなぎ〟の打撃で一挙5得点の猛攻を呼び込んだ。 「(安打は)たまたまですね。初球は真っすぐで入ってくるだろうなと思っていたので、初球からいった結果がいい結果になったのかな」 0―1の二回2死一塁で打席に立ち、先発・田口の甘く入った初球を左前へ運んで、一、二塁に好機を拡大。続く近本の右前適時打では三塁に滑り込む激走も見せて5者連続適時打につなげた。逆転のきっかけとなった一打の直後には、一塁ベースで打撃用レガーズを外し忘れるおちゃめな一面も見せ「久々に塁に出たので忘れた」と笑った。 投げては7回2失点でチームトップの7勝目。防御率2・02でリーグトップを維持し、5月14日の巨人戦(東京D)から自身5連勝となった。 六回無死一塁では、二回にソロを浴びた村上に対し、外角低めを徹底して攻め、狙い通りの遊ゴロ(併殺崩れ)。「すごく大きなアウトだった」。野村克也さんの追悼試合で、投手の生命線である外角低めを狙う「困ったら原点」という〝ノムラの教え〟を見事体現してみせた。矢野監督も「(チームが)リズムに乗れたのはヤギ(青柳)のピッチングが大きかった。疲れが出始めたところで丁寧にいってくれたので、成長が見えた投球だった」と目を細めた。 「投げる試合は全部勝ちたい。チームの連敗を止めたといっても連敗していないのが一番いい状況。きょうはたまたま連敗で回ってきて、たまたま勝てた」 もはや〝青〟でも〝雨〟でもない。虎に勝利をもたらす福の神〝白柳さん〟だ。(織原祥平)

◆侍戦士の〝共演〟も、白星には結びつかなかった。ヤクルトは今季初の4連敗。二回先頭で村上宗隆内野手(21)が右翼席へリーグトップタイの23号ソロを放ったが、空砲となった。 「少し詰まりましたが、しっかりと押し込むことができました」。東京五輪の日本代表に選出されている若き主砲は、ともに日の丸を背負う先発・青柳、捕手・梅野の〝侍バッテリー〟からアーチを架けた。 3点を追う八回には、山田が同じく日本代表の左腕・岩崎のチェンジアップを捉え、球団の日本選手最多となる7度目のシーズン20号を左翼席へ運んだ。「1点返せて良かった」。だが、代表メンバー発表後初のアベック弾も及ばなかった。 この日は、両球団で監督を務めた野村克也さんの追悼試合。まな弟子の高津監督は「改めて野村監督の偉大さを、昔のことを少し思い出すこともありましたし、勝てなかったですけど、そういう意味ではいい時間を過ごせた」と回顧。敗戦を糧に、再浮上を目指す。(赤尾裕希)

◆ノムさん、優勝します!! 阪神はヤクルトに5-3で勝ち、連敗を3で止めた。0-1の二回、ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=の適時打など7者連続安打で一挙5得点。両球団で監督を務めた故・野村克也さんの追悼試合で鮮やかな逆転勝利を収めた虎が、優勝へ向かって再び加速する。 覚悟を胸に組んだ打線は、目を見張るほどつながった。最後はD1位・佐藤輝が締めくくり、驚異の5者連続適時打を含む7連打が完成だ。甲子園で実現した野村さんの追悼試合で、矢野監督が目指す野球があふれ出した。 「すごい野球って怖いなという部分と。そこからでもああいう攻撃ができると。ああいうつながりの野球がウチの野球なので。そういう中でまたこれから長打がああいう場面で出てくると、いいかなというふうに思う」 半旗が揺れる空の向こうに白星を届けつつも、また師に野球を教えてもらったような一戦になった。0-1の二回2死走者なしでも、虎ベンチは前の打者が自分へとつなぐはずだと、心も体も準備ができていた。だから、天国から野村さんがほほ笑んだかのような「怖い」ほどのつながりが生まれた。まずは梅野が右前打。青柳も左前打で一、二塁とし、続く近本の右前適時打で同点。さらに糸原も中前へ勝ち越し打。マルテも左前適時打。サンズも中前適時打で、最後は佐藤輝が地をはう打球を右前へ貫いた。「2死から良い攻撃が続いていたので、なんとか続くことができるように、必死で打ちにいきました」。一気に5-1とひっくり返す逆転劇。チームとしても2011年7月3日の横浜戦(甲子園)以来10年ぶりの7者連続安打で、球場一体がノムさん一色に包まれた一戦を虎がモノにした。「覚悟に勝る決断なし」この言葉も、野村さんが野球人たちに残していったものの一つだった。くしくも矢野監督がこの日、不振の大山を4番から外す決断を下していた。「4番に置いてちょっと力んでいるかなというのもあったし、気分転換とか、悔しさとか。そういうことが外すことで出てきたらいいなというところで6番にしました」当然、簡単な決断ではなかった。だが、優勝のために、指揮官として腹を決めた。巨人はこの日も勝ち、8連勝で2・5ゲーム差のまま。ここで連敗をさらに伸ばしていては、痛すぎた。結果的に新打線はつながり、将の覚悟が嫌な流れを食い止める形となった。「野村監督に出会っていなければ僕の現役生活も、3割打つとか、20年間やるとか、それもなかった。監督としてこうやってやる(指揮を執る)こともなかったと思う。野村監督の教えを伝えていきながら、しっかりやっていければという思いで戦いました」覚悟を決めて、野村さんに示したこの一勝から、虎はまた勝ち進んでいく。(長友孝輔)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
43252 0.632
(↑0.005)
-
(-)
73302
(+5)
248
(+3)
69
(-)
64
(+1)
0.255
(↑0.001
3.200
(↑0.01)
2
(-)
巨人
382510 0.603
(↑0.006)
2.5
(-)
70314
(+11)
261
(+8)
95
(+2)
43
(-)
0.254
(↑0.001)
3.420
(↓0.06)
3
(-)
ヤクルト
35297 0.547
(↓0.009)
6
(↓1)
72300
(+3)
289
(+5)
73
(+2)
43
(-)
0.250
(↓0.001)
3.860
(↓0.02)
4
(-)
中日
283510 0.444
(↓0.008)
12.5
(↓1)
70214
(+2)
238
(+3)
39
(-)
37
(-)
0.240
(↑0.001)
3.150
(↓0.01)
5
(-)
DeNA
26399 0.400
(↑0.009)
15.5
(-)
69298
(+3)
361
(+2)
74
(-)
14
(-)
0.259
(↑0.001)
4.720
(↑0.01)
6
(-)
広島
22389 0.367
(↓0.006)
17
(↓1)
74248
(+8)
311
(+11)
46
(+1)
34
(-)
0.262
(-)
4.040
(↓0.11)