阪神(★0対3☆)DeNA =リーグ戦10回戦(2021.06.25)・阪神甲子園球場=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
DeNA
2000010003911
阪神
0000000000710
勝利投手:濵口 遥大(5勝5敗0S)
(セーブ:三嶋 一輝(1勝3敗12S))
敗戦投手:西 勇輝(4勝4敗0S)

本塁打
【DeNA】オースティン(16号・1回表2ラン)

  DAZN
チケットぴあ 阪神戦チケット予約 DeNA戦チケット予約
◆DeNAは初回、オースティンの2ランが飛び出し、幸先良く先制する。そのまま迎えた6回表には、1死一二塁からオースティンが適時打を放ち、リードを広げた。投げては、先発・濱口が5回無失点で今季5勝目。敗れた阪神は、打線が7安打で無得点とつながりを欠いた。

◆DeNA先発の浜口遥大投手(26)が、前回の反省を踏まえた調整で首位阪神に挑む。前回登板の18日広島戦(東京ドーム)は2回1/3で7失点KO。前々回の登板(6月11日=日本ハム戦)が138球完封だっただけに、違いが目立った。 浜口は前回登板で結果が出なかった理由を「調整の段階で少し強度を落としすぎたかなというのはあった。体が疲労で重たいと言うよりは少し力が出ない重たさだった」と分析した。11日は中5日で138球を投げた。負担が大きかったため、18日の登板に向けて中間調整を軽くしたが、逆に出力不足に陥った。今回は中6日で、瞬発的な出力を上げるメニューを増やし、万全の体調で臨む。 シーズンの開幕投手、リーグ戦再開の開幕投手に指名した三浦監督は「前回悔しいやられ方をしているので、しっかり取り組んでいると思う」と期待している。浜口も「とにかくやり返すしかないですし、なかなか信頼を積み上げていくということはすごく難しいことだなと感じている。その積み上げたものが崩れてしまうのはすぐですし、もう1回頑張らないと今まで積み上げてきたものが無駄になってしまう」と気合十分だ。 阪神戦は今季、2勝7敗とチーム全体が手を焼いている。24日には甲子園で調整し「とにかくチームが勝つピッチングを。責任を持って。もう1回新しいカードが始まりますし、しっかりその役目を果たしたいなと思います」と意気込んだ。【斎藤直樹】

◆阪神西勇輝投手(30)が通算100勝に王手。 100勝達成となればプロ野球140人目となるが、甲子園球場で節目の100勝に到達した投手は06年8月25日上原(巨人)が最後。阪神の投手に限れば85年6月5日山本和以来出ていない。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が、この日も元気に5番・右翼でスタメンに名を連ねた。 前日24日の中日戦(バンテリンドーム)での7回の打席で、空振り三振した時の右腕山本の内角低めスライダーが左膝を直撃。苦悶(くもん)の表情でベンチへ下がり、その裏の守りから江越と交代していた。 名古屋からの移動ゲームとなったこの日、佐藤輝は試合前練習から明るい表情で汗を流した。フリー打撃では35スイングで右翼席中段にたたき込むなど3発の柵越えを放った。 前日の中日戦では4打数無安打だったが、6月は試合開始前までで18試合、打率3割2分9厘(70打数23安打)、6本塁打、9打点と絶好調。20号本塁打が出れば、プロ野球新人左打者で歴代1位の1946年(昭21)大下弘(セネタース)に並ぶ。

◆DeNA先発の浜口遥大投手(26)が突然、マウンドを降りた理由は「左脇腹の違和感」だった。 5回1死一塁、糸原健斗に1球目の141キロ直球を投げた時点で突如、マウンドを降りた。木塚コーチに寄り添われ、ベンチ裏に下がった。「浜口投手が手当てをいたします。しばらくお待ちください」のアナウンスが流れた。数分ほどし、再びマウンドに戻った。マウンドから2球の投球練習を行い、再び糸原に対し、6球目のチェンジアップで空振り三振を奪った。5回を投げきったところで、無失点で交代した。 試合後、三浦監督は「左脇腹の違和感を訴えた。あのイニングでマウンドで『あれっ』と思った」と話した。続投したことについては「おさまったというか、投げられるという判断」。5回で降板した理由は「大事をとった。本人は行く気満々だった」と話した。

◆首位阪神が最下位DeNAと対戦。阪神先発は西勇、DeNAは浜口。

◆DeNAが1回にオースティンの16号2ランで先制した。先発浜口は3回1安打無失点の立ち上がりをみせた。 DeNAオースティンは6回にも1死一、二塁から右前適時打。阪神は7回に2死一、二塁と攻めたが無得点。 阪神は8、9回も得点圏に走者を進めたが、0封負けを喫した。DeNA浜口は5勝目。三嶋が12セーブ目。阪神西勇は4敗目。

◆DeNA浜口遥大投手がアクシデントを乗り越え5勝目を挙げ、チームを5位浮上に導いた。 5回1死一塁、打者糸原に1球目を投げたところで、腰に手をやり、中堅方向を向いた。すぐに遊撃大和が駆け寄り、木塚投手コーチ、林トレーナーとベンチに下がった。2分ほどで再びマウンドに戻って続投。糸原を三振、梅野を二飛に打ち取り、5回79球2安打無失点で降板した。糸原の前打者サンズの5球目にも、脇腹を若干気にするそぶりがあった。 三浦監督は「左脇腹の違和感。あのイニングでちょっとマウンドで『あれっ』と思った。(続投は)収まったという、投げられるという判断」と説明した。通常より短い5回での降板は「大事を取った。本人は行く気満々でしたが」とした。浜口は「しっかりあの回投げ切れたので。立ち上がりからボールを操れた。久しぶりに納得いく投球ができた。5回で代わったが、来週カバーできるようにしたい」と気丈に語った。

◆阪神は通算100勝目を懸けた西勇輝投手(30)を打線が援護できず、2位に浮上した巨人に4・5ゲーム差とされた。 西勇は1回表、4番オースティンに先制2ランを献上。6回にも再びオースティンに右前適時打を浴びたが、8回3失点と懸命に試合を作った。 だが、打線は6回終了時まで二塁すら踏めなかった。7回2死一、二塁、8回1死一、三塁の好機でも得点を奪えず、西勇に白星をプレゼントできなかった。

◆阪神藤浪晋太郎投手(27)は4試合ぶりの無失点投球となった。3点ビハインドの9回に登板。2死を奪った後、2安打1四球で満塁とされたが、最後は山下を外角低め154キロで見逃し三振に仕留めた。前回23日中日戦では押し出し四球を与えるなど2/3回を4失点。今回はピンチで耐え、矢野燿大監督(52)は「今日はいい意味で力を抜きながら投げてるボールが多かった。投げている姿、ボールは前回より良かった」と及第点を与えた。

◆阪神がDeNAに0封負けを喫した。打線はDeNAの先発浜口に5回2安打で無得点と封じ込められた。矢野燿大監督(52)との一問一答は以下の通り。 -西勇は初回に味方のミスもありながら、8回まで粘りの投球だった 全体的には球のキレとかコントロールというのも良かったと思うし。立ち上がりみんな難しいところでね、ケント(糸原)はやっぱりアウトにしてやらなダメやし。そういうところで2点っていうのが、向こうにリズムを取らしてしまった。ユウキ(西勇)のピッチング自体はいつも通り、投げてくれたかなと思います。 -6回に代打を送らなかった 内容も別に悪いわけじゃないし、取られ方もね、悪いわけじゃないんで。何とか、打線が奮起してくれたらってところで、まだまだ余力はあったんで、そのままいきました。 -やっぱり打線が もちろんゼロでは勝てないんで。そういうところではのらりくらりというか。ただ、絞りにくいピッチャーではあるんで。こうやって抑えられたときは。何とか、もう1個のボールの見極めとか、そういうのがちょっと今日はなかったんで、そこらへんがゼロでいってしまったかなと。 -ヒットが出ていることはプラス材料 でも、もうちょっとね。ピシャリと抑えられるというところでもないんで。もっと打っていけるところはあると思うし、これでいいとは思えないけどね。もっともっと点を取れる打線なんでね。 -今季最多の観衆 そういうところで見せ場ももうちょっと作りたかったし、点入って喜ぶところとか見せたかったし、そういう部分でも残念やね。 -藤浪が無失点 まあまあピンチ作ったけどね。今日は力もいい意味で抜けながら投げてるボールが多かったし、ヒットとピンチは作ったけど、投げてる姿とかボールというのは前回より良かったなというふうに見てます。

◆阪神の3番ジェフリー・マルテ内野手(30)も2戦連続でマルチ安打を記録した。4回2死では浜口から左前にライナーを運び、7回は先頭でエスコバーから三遊間を破った。前日24日中日戦はタイムリー2本を決めて今季2度目の猛打賞。強い打球から状態良化がうかがえる。

◆DeNAタイラー・オースティン外野手(29)がチームの全3打点を挙げた。 1回の第1打席で逆風の右翼ポール際へ16号先制2ラン。「入ると思っていなかったので入ってくれて良かった」。6回1死一、二塁では右前適時打を放った。打率を3割3分2厘としてリーグトップに立った。「いつもチームの勝利に貢献できるようなバッティングをしてきました。これからも続けていき、頑張っていきます」と喜んだ。

◆阪神1番近本光司外野手(26)が11試合連続ヒットを記録した。 無安打で迎えた8回1死、山崎の変化球をセンター前に運んだ。打率はリーグ9位の2割9分2厘とジワジワと上昇。井上ヘッドコーチは「そんなこと(連続試合安打は)気にしていないよ。11試合? じゃあオールスターまでの17試合、全部打ってくれと伝えておくよ」とノルマを設定した。

◆この日の甲子園は今季最多の1万5011人の観衆を集めた。これまでの最多は8751人で1万人超えは今季初めて。緊急事態宣言終了後、25日からの甲子園での12試合は、年間指定席に加え、ファンクラブ会員などに先行販売しており、観客数が増えた。その後、まん延防止等重点措置への移行を受け、19日午後9時以降は発売が停止されているアルコール飲料の販売も約2カ月ぶりに再開(土、日はなし)。午後7時までの時間制限の中、ビールの売り子もスタンドを駆け回り、甲子園にも少しずつ活気が戻ってきた。

◆阪神が今季4度目の完封負けを喫し、2位巨人に4・5ゲーム差に迫られた。完敗の象徴は佐藤輝明内野手(22)か。DeNA三浦監督に松井秀喜級の警戒シフトを敷くと予告され、先発浜口らの前に作戦にハマった形の4打数2三振。前日左膝に投球が直撃した影響を感じさせずにフル出場したが、通算100勝がかかっていた西勇輝投手(30)を援護できず。今季最多の1万5011人を集めた甲子園はタメ息の連続となった。佐藤輝が悔しさをあらわにした。3点を追う9回の打席。1死一塁から2球目に暴投と相手捕手の悪送球で走者は三塁に進んだ。だが、今季最多1万5011人の観客の期待に応えられず、三嶋の内角スライダーに空振り三振。バットをたたきつけるように振り下ろし、足でポーンと蹴り上げた。続くサンズも倒れ今季4度目の0封負け。矢野監督も「見せ場ももうちょっと作りたかったし、点入って喜ぶところとか見せたかった」と悔しがった。 DeNA三浦監督は前日、佐藤輝に対して、こう予告していた。「警戒する打者の1人。松井とダブるところがある。いろんな形を使わなければ抑えられない」。巨人やメジャーで活躍した松井秀喜級の警戒警報を出し、この試合に臨んでいた。結果は4打数無安打2三振。三浦監督は「バッテリーがうまく攻めたと思います」と喜んだ。 佐藤輝の2戦連続無安打は24試合ぶり。前日24日の中日戦では4打席すべて徹底的に内角を攻められ無安打。7回の打席では空振りしたスライダーが軸足の左膝に直撃し途中交代していた。この日は2回の第1打席で先発左腕浜口が2球外角へボール球のスライダーを続け、真ん中チェンジアップでタイミングをずらし捕邪飛。5回の第2打席でも2球外角へ変化球を続け、真ん中直球で遊直。浜口は「(打つと打線が)勢いがつく打者なので注意していた」としてやったり。前日の内角攻めの影響か、左膝の影響か、佐藤輝も仕留め切れなかった。 チームもなぜか甲子園で投げる浜口を打てない。敵地横浜では9試合で4勝2敗と勝っているが、甲子園では0勝5敗と黒星をひとつもつけられていない。この日も、5回2安打無失点に抑えられた。矢野監督も「のらりくらりというか、絞りにくい投手。もう1個のボールの見極めとかが今日はなかった」と、相手の術中にはまったことを反省。「もっと打っていけるところはある。もっともっと点を取れる打線なんでね」と前を向いた。2位巨人とは4・5差に縮まった。26日はスタンドを埋める大観衆に白星を届けたい。【石橋隆雄】

◆阪神西勇輝投手(30)の通算100勝は、お預けになった。8回3失点(自責1)と先発の役割を十分果たしたが、打線の援護に恵まれなかった。 味方のミスも出た立ち上がりに付け入られた。初回先頭桑原を二失で出し、何とか2死までこぎ着けた。だが、4番オースティンに右翼ポール際へ先制2ランを被弾。6回にも1死一、二塁からオースティンに3点目の適時打を浴びた。 それでも阪神ベンチは西勇にかけた。直後の攻撃の先頭は西勇。代打も考えられたが、矢野燿大監督(53)は続投を選択した。空振り三振を喫したが、2度の強いスイング。何としても出塁し、勝ちたい意欲を体で表現した。指揮官は「(点の)取られ方も悪いわけじゃない。なんとか打線が奮起してくれたらというところで。まだまだ余力はあったんで」と説明。右腕もその期待に応え、7、8回とも無失点に抑えて反攻を待った。 エースはいつも、仲間を気遣う。初回に失策した糸原にはすぐ声をかけた。打者を三振に斬れば、捕手の梅野をたたえるかのようにグラブを突き出した。0-3で敗れた試合後は、梅野をねぎらうように背中をポンとたたいた。最後は今季最多の1万5011人の甲子園へ足を運んだファンの応援に感謝し、手を振った。 平成生まれの100勝達成は巨人菅野だけ。2人目のメモリアル勝利は、次回こそつかみ取る。【前山慎治】

◆DeNAタイラー・オースティン外野手(29)が、チームの全打点を挙げる活躍でセ・リーグの打率首位に立った。1回2死三塁の第1打席。西勇輝の143キロシュートをはじき返すと、右から左への逆風を突く右翼ポール際への16号先制2ラン。「いい球が来たら積極的にいこうと。そういう気持ちで打席に臨んだ。打った感触は非常によかった。風も吹いていたので絶対に入ってくれるとは思っていなかったが、入ってくれて良かった」と喜んだ。 6回1死一、二塁の第3打席では、右前適時打を放った。初球の142キロ、再びシュートをつまりながら外野まで運んだ。「ランナーがいてチャンスだったので、1打席目と変わらず強いスイングを心がけた」と振り返った。 この日は4打数2安打で、打率を3割3分2厘として、ウィーラー(巨人)を抜いてリーグトップに立った。「いつもチームの勝利に貢献できるようなバッティングをしてきました。これからも続けていき、頑張っていきます」と喜んだ。6月は村上宗隆(ヤクルト)と並ぶリーグ最多の8本塁打目で、月間打率は3割6分4厘でトップ、同打点は21で最多とリーグの「月間3冠王」だ。「6月のホームラン数は考えたこともなかった。いい流れで来ていたのでよかったと思います」。上機嫌で引き揚げた。【斎藤直樹】

◆阪神が今季4度目の完封負けを喫し、2位巨人に4・5ゲーム差に迫られた。完敗の象徴は佐藤輝明内野手(22)か。DeNA三浦監督に松井秀喜級の警戒シフトを敷くと予告され、先発浜口らの前に作戦にハマった形の4打数2三振。前日左膝に投球が直撃した影響を感じさせずにフル出場したが、通算100勝がかかっていた西勇輝投手(30)を援護できず。今季最多の1万5011人を集めた甲子園はタメ息の連続となった。 佐藤輝が悔しさをあらわにした。3点を追う9回の第4打席。1死三塁で三嶋の内角スライダーに空を切った。今季最多1万5011人のファンの期待に応えられなかった。バットをたたきつけるように振り下ろすと、足でポーンと蹴り上げた。続くサンズも倒れて今季4度目の0封負け。矢野監督も「ゼロでは勝てない。見せ場ももうちょっと作りたかったし、点が入って喜ぶところを見せたかった」と悔しがった。 DeNA三浦監督の術中にハマった。対戦9試合で場外弾を含む3発を浴びている佐藤輝について前日、こう予告していた。「本当に良い打者。松井とダブるところがある。いろんな形を使わないと抑えられない」。日米507本塁打の松井秀喜級と警戒警報を出し、その結果が4打数無安打2三振。先発浜口は「(打つと打線が)勢いがつく打者なので注意していた」とにんまりで、三浦監督も「バッテリーがうまく攻めた」としてやったりだった。 2回の第1打席は浜口が2球外角へボール球のスライダーを続け、チェンジアップにタイミングをずらされて捕邪飛。5回の第2打席も2球外角へ変化球を続け、真ん中直球で力ない遊直に倒れた。最初に外側を見せられ、内側を攻められて打ち取られる傾向が目立った。前日24日の中日戦は、4打席すべて徹底した内角攻めで無安打。2戦連続無安打は24試合ぶりで、相手のマークが厳しくなっていることも間違いない。 前日は7回に空振り三振した際、スライダーが軸足の左膝を直撃して途中交代。この日は何事もなかったように5番でスタメン出場したが、踏ん張る際の力の入り具合や、内角攻めの残像など、何らかの影響はあったかもしれない。3番マルテと4番大山は2安打ずつしたが、この日の打線はことごとく5番で切れた。 チームもなぜか甲子園で投げる浜口を打てない。敵地横浜では4勝2敗、防御率5・53と打ち込む。だが甲子園ではこの日も5回2安打0封されるなど0勝5敗、同1・48と歯が立たない。矢野監督も「のらりくらりというか絞りにくい投手。もう1個のボールの見極めとかが今日はなかった」と厳しい表情で言った。5連勝を決めた2位巨人との差は4・5に縮まった。だが首位チームが慌てる必要はない。連日の1万人超えが確実な26日は、白星をつかみたい。【石橋隆雄】 ▼阪神井上ヘッドコーチ(甲子園で打てない浜口について)「そんな嫌なイメージではなかったけど。同じ投手に何度もやられることが一番チームとして屈辱なので。首脳陣、選手、スコアラーすべてで対策をちゃんとやっていきますよ」

◆4番大山は2戦連続マルチ安打を記録。2回は先頭で右前にライナーを放った。9回1死でも強いゴロで一、二塁間を破り、反撃ムードを作った。 前日24日中日戦では17打席ぶりの安打を含む2安打2犠飛。連日快音を響かせ、復調気配が漂い始めた。

◆DeNAのタイラー・オースティン内野手(29)が一回2死三塁で先制の16号2ランを放った。 「ヤッタ!! 完璧に捉えることができ自分のスイングができました」 一回、先頭の桑原が二ゴロ敵失で出塁すると、柴田の投前犠打、佐野の二ゴロで2死三塁に。主砲が打席に入り、1ストライクからの2球目、外角143キロを振り抜いた。白球はきれいな放物線を描いて右翼ポール際へ着弾。16号2ランで幸先よく先制した。

◆プロ通算100勝をかけて先発した阪神・西勇輝投手(30)は8回7安打3失点(自責は1)の粘投も打線の援護に恵まれなかった。0-3の八回に代打を告げられて降板。この回、1死一、三塁としたが、得点できず、西勇の通算100勝は持ち越しとなった。 一回、先頭の桑原の二ゴロを、糸原がファンブル(記録は失策)。2死二塁からオースティンに右翼ポール際に2ランを被弾した。 二回以降は緩急をつけた投球で的を絞らせなかったが、0-2の六回、安打と四球で1死一、二塁とされ、またもオースティンに右前適時打を浴びた。

◆阪神は今季4度目の零封負け。DeNAの5人の投手から7安打を放つもチャンスで、あと一本が出なかった。 プロ通算100勝をかけて先発した西勇輝投手(30)は8回7安打3失点(自責は1)と好投したが、今季4敗目(4勝)。節目の100勝は次回登板にお預けとなった。 西勇は一回、味方守備の失策から2死二塁とされてオースティンに右越え2ランを被弾。0-2の六回、またもオースティンに右前適時打を浴びた。 24日の中日戦(バンテリンドーム)で、空振り三振した時に、山本のスライダーが左膝を直撃し、途中交代したD1位・佐藤輝(近大)は「5番・右翼」でスタメン出場。だが、この日も4打数無安打2三振。2試合連続で快音は聞かれなかった。

◆DeNAが逃げ切った。一回に先制の16号2ランを放ったオースティンが六回に追加点打。浜口は緩急でタイミングを外して5回2安打無失点で、継投も決まって5勝目を挙げた。阪神は西勇が8回3失点と粘ったが、本塁が遠かった。

◆甲子園で今季最多の観衆1万5011人の前で、阪神は今季4度目の完封負け。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ーー西勇は初回に味方のミスもありながら、八回まで粘りの投球だった(一回に糸原の失策で出塁を許し、オースティンに先制の2ラン) 「全体的には球のキレとかね、コントロールも良かったと思うし。立ち上がり難しいところでね、ケント(糸原)はやっぱりアウトにしてやらなダメやし。そういうところで2点が、向こうにリズムを取らしてしまった。ユウキ(西勇)のピッチング自体はいつも通り、投げてくれたかなと思います」 ーー六回に代打を送らなかったのも、状態を考えて。 「内容も別に悪いわけじゃないし、取られ方もね、悪いわけじゃないんで。何とか、打線が奮起してくれたらってところで、まだまだ余力はあったんで、そのままいきました」 ーーやっぱり打線が 「もちろんゼロでは勝てないんで。そういうところではのらりくらりというか。ただ、絞りにくいピッチャーではあるんで。こうやって抑えられたときは。まあまあ何とか、もう1個のボールの見極めとか、そういうのが今日はなかったんで、そこらへんがゼロでいってしまったかなと」 ーーヒットが出ていることはプラス材料 「もうちょっとね。ピシャリと抑えられるというところでもないんで。もっと打っていけるところはあると思うし、これでいいとは思えないけどね。もっともっと点を取れる打線なんでね」 ーー今季最多観衆 「そういうところで見せ場も、もうちょっと作りたかったし、点入って喜ぶところとか見せたかったし、そういう部分でも残念やね」 ーー藤浪が無失点 「ピンチ作ったけどね。今日は力もいい意味で抜けながら投げてるボールが多かったし、ヒットとピンチは作ったけど、投げてる姿とかボールというのは前回より良かったなというふうに見てます」

◆DeNAの浜口はアクシデントに耐え、5回を2安打無得点に抑えて5勝目を挙げた。 快調にアウトを重ねたが、五回1死一塁で糸原への初球を投じた後、左脇腹の違和感で一度ベンチ裏へ。処置を受けて戻り、二つのアウトを奪って白星を手にし「久しぶりに納得いく精度の投球ができた」と安堵した。 甲子園ではプロ入りから負けなし。症状も大事には至っていないようで「5回で代わってしまったので、その分、来週カバーできるようにしたい」と意気込んだ。

◆もっと攻めろ!! 阪神はDeNAに0-3で敗れ、今季4度目の零封負けを喫した。通算465本塁打を放ち、西武、中日で打撃コーチなどを務めた土井正博氏(77)=本紙専属評論家=は3点を追う六回先頭で西勇に代打を出さなかったことを疑問視。最近の負け方が雑になっていると指摘し、脇を締めることを求めた。 ■勝負の鉄則 相手が仕掛けたらこちらも仕掛ける さすがに目を疑った。六回先頭、代打で原口や北條が出てくるかと思っていると、西勇がそのまま打席に立ったからだ。 1点ビハインドなら分かる。3点を追う展開。しかも相手は5回無失点の浜口から砂田に交代していた。上位打線にまわるタイミングで一気に攻めなければチャンスはない。西勇の80に満たない球数や通算100勝がかかっていることは関係ない。相手が仕掛けてきたときは、こちらも仕掛ける。それが勝負の鉄則。あそこは絶対に代打を送るべきだった。西勇は空振り三振。簡単に最初のアウトを与えてしまったことで相手は楽になった。 今の阪神の打線の鍵は「1番・近本、2番・中野」。足の速い彼らが出塁することで相手投手の神経をすり減らすための凶器になる。この日は近本の1安打のみだったが、六回に走者がいる状況で打席がまわっていると、ビッグイニングを作れたかもしれない。矢野監督は積極的なミスは糾弾しないという姿勢をとるが、そうであれば攻めの采配が欲しかった。 ■負け方を大事に 戦い方を見つめなおし奮起を 最近の阪神は戦い方が雑に見える。とにかく凡ミスが多い。この日も一回に糸原が平凡なゴロをファンブルし、打たせて取る投球が持ち味の西勇のリズムをいきなり崩した。23日の中日戦でも近本、サンズが大事なところで走塁死となって敗れた。打線は水ものというように、打てば勝つだけでは長いシーズンを乗り越えられない。もちろん、勝つときも負けるときもある。だから、負け方を大事にしてほしい。納得いくまで攻めた上で相手が上回れば、チームとして前を向ける。巨人、ヤクルトなどを振り切り、優勝するためにはその積み重ねがポイントになる。 ミスをした方が負ける。日程が進めば進むほど、より緊迫した試合になる。今だからこそ、戦い方を見つめなおし、奮起してほしい。(本紙専属評論家)

◆充実の表情だった。DeNA・浜口遥大投手(26)が5回2安打無失点。今季5勝目をつかんだ。 「真っすぐで押しながら、緩急を使いながら、自分から勝負を仕掛けることができた。久しぶりに納得いく精度の投球ができました」 好相性の地で躍動した。甲子園では、この日を含め通算8試合で5勝0敗、防御率1・48。走者を一度も得点圏に背負うことなく、11日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来の白星を手に入れた。 左脇腹の違和感のため5回73球での降板となったが、大事には至っていない様子。次戦への影響もなさそうで「こういう形で5回で代わってしまいましたが、来週はその分をカバーできるように」と力を込めた。 広島とゲーム差なしだが、最下位を脱出した三浦監督は「球速以上にボールのスピード感も切れもあった。ナイスピッチングでした」と左腕をたたえた。(箭内桃子)

◆阪神・西勇は今季最長タイとなる8回3失点(自責1)と粘投したが、援護に恵まれずプロ通算100勝目を手にすることはできなかった。一回2死三塁でオースティンに先制2ランを被弾すると、六回にもオースティンに適時打を許した。それでも矢野監督は「全体的に球の切れとかコントロールというのも良かった。いつも通り投げてくれたかなと思う」とたたえた。

◆甲子園は〝よーいドン〟から飛び出したミスで、ため息に包まれた。一回先頭の桑原の打球を二塁手の糸原が後逸。その後2死三塁からオースティンにガツンといかれた。阪神・矢野監督もいきなりの失策から先制点を献上したシーンに苦言を呈した。 「立ち上がりは(投手は)みんな難しいところでね、ケント(糸原)はやっぱりアウトにしてやらなダメやし。そういうところで2点っていうのが、向こうにリズムを取らしてしまった」 打線はDeNA先発・浜口を打ち崩せず、一回の2失点が時間の経過とともに重くのしかかってしまった。 今季49失策は12球団ワースト。これ以上、首位を快走する虎の〝泣きどころ〟にするわけにはいかない。井上ヘッドも「もちろん野手陣はきょうの結果を見て、もう一回ふんどしを引き締めないといけないなっていうふうに思っている」と奮起に期待した。 今季最多1万5011人の観衆が詰めかけた甲子園で、ミスも絡んで今季4度目の完封負けは寂しい結果だ。指揮官は「そういうところで見せ場ももうちょっと作りたかったし、点が入って喜ぶところとか見せたかったし、そういう部分でも残念やね」と嘆いた。ヤクルトに勝って2位に浮上した巨人とのゲーム差は4・5に縮まったが、虎がチーム一丸で苦境をはね返す。(新里公章)

◆ヤバイ...。ペナントレース前半に快進撃を続けてきた阪神に副反応が出た? 何かが狂い始めているような気がするのだ。 六回、3点目を許した西勇を、矢野監督はその裏、そのまま打席に立たせたのだ。昨年までだったら全国の虎党も「何でやねん!! 代打を出さんで何しとんねん!!」とテレビの前で罵声の雨嵐だったろう...。 しかし、今季の虎党の多くは「そうやー!! それでええんやー!!」と穏やかな表情であったろう。その理由の一つは球数がまだ76球で、もう一つは西勇に100勝のチャンスを残したい!! でも、最大の理由は「まだ攻撃が4回もあるし、DeNA先発の浜口もアクシデントで交代したし絶対に引っくり返せるでェ!!」だったのだ!! ところが終わってみればまさかの零封負け...。グスン(涙) たかが1敗だが、優勝チームの条件の一つである『カモのチームを持つ』ことを考えたら、試合前まで7勝2敗だった相手に1つ落としただけでも副反応のような...。 揚げ句にゲーム差を考えて「ヤクルトに勝てー!!」と巨人を応援する副反応が出た自分がコワイ...。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
42232 0.646
(↓0.01)
-
(-)
76293
(-)
234
(+3)
69
(-)
62
(-)
0.256
(-)
3.150
(↑0.04)
2
(1↑)
巨人
352510 0.583
(↑0.007)
4.5
(↑1)
73288
(+7)
248
(+1)
89
(+2)
43
(+1)
0.252
(-)
3.400
(↑0.03)
3
(1↓)
ヤクルト
35267 0.574
(↓0.009)
5
(-)
75292
(+1)
269
(+7)
69
(-)
42
(-)
0.250
(↓0.001)
3.740
(↓0.03)
4
(-)
中日
28339 0.459
(↑0.009)
12
(↑1)
73206
(+6)
223
(+3)
39
(+1)
35
(+1)
0.238
(-)
3.060
(↑0.02)
5
(1↑)
DeNA
23399 0.371
(↑0.01)
17.5
(↑1)
72284
(+3)
355
(-)
69
(+1)
14
(-)
0.256
(-)
4.810
(↑0.07)
6
(1↓)
広島
21378 0.362
(↓0.006)
17.5
(-)
77228
(+3)
294
(+6)
43
(+1)
33
(-)
0.258
(-)
3.960
(↓0.04)