中日(★0対6☆)阪神 =リーグ戦11回戦(2021.06.24)・バンテリンドーム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
阪神
00112010161300
中日
0000000000800
勝利投手:ガンケル(6勝0敗0S)
敗戦投手:岡野 祐一郎(0勝2敗0S)
  DAZN
チケットぴあ 中日戦チケット予約 阪神戦チケット予約
◆投打のかみ合った阪神が快勝。阪神は3回表、中野の犠飛で先制に成功する。その後は、4回に糸原が適時打、5回にはマルテの適時打が飛び出すなど、小刻みに加点した。投げては、先発・ガンケルが7回無失点の好投で今季6勝目。敗れた中日は、打線が無得点と振るわなかった。

◆来日2年目の阪神ジョー・ガンケル投手(29)はここまで5勝0敗。 阪神投手が開幕から無傷の6連勝となれば17年高橋聡文以来。外国人に限れば03年に開幕7連勝したムーア以来、球団18年ぶりとなる。

◆東京オリンピック(五輪)の侍ジャパン代表メンバーに内定している阪神梅野隆太郎捕手(30)が、バンテリンドームに視察に訪れた侍ジャパンの稲葉篤紀監督(48)と対面し会話を交わした。試合前練習中に梅野からあいさつに向かうと、阪神矢野監督を交え、1分程度話し込んだ。 梅野は故障した広島会沢が辞退したことで選出された。「日の丸を背負って戦いたいという意思はずっとあった。本当に光栄。それに恥じないプレーをしていかないといけない」と気持ちを高めている。 チームは1勝1敗で、勝ち越しをかけ中日との3戦目に挑む。稲葉監督の来訪は、梅野にとって大きな刺激となったはずだ。 同じく侍ジャパン代表メンバーに内定している岩崎も、試合前練習終盤に稲葉監督と対面。3分程度会話を交わした。

◆東京五輪の侍ジャパンメンバーに内定している阪神梅野隆太郎捕手(30)が、稲葉篤紀監督ら代表首脳陣が視察した一戦で早速「御礼打」を決めた。 試合前練習中には阪神矢野監督も交えて稲葉監督らと談笑。3回に先頭で右前打を放ち、2番中野の中犠飛で先制のホームを踏んだ。

◆阪神大山悠輔内野手(26)が17打席ぶりの安打を放った。 4回、先頭で迎えた2打席目。右腕岡野の初球スライダーを強振し、痛烈なライナーで三遊間を破った。 試合前時点で15打席連続ノーヒット。1回2死一塁では三ゴロに倒れていた。

◆阪神矢野燿大監督(52)は試合後、7回裏の守備から途中交代した佐藤輝明内野手(22)について「全然大丈夫」と心配無用だとした。 佐藤輝は7回1死一塁の第4打席で、1ボール2ストライクから中日山本の127キロスライダーを空振りすると、ボールがそのまま左膝を直撃し、空振り三振苦悶の表情を浮かべ、ベンチに下がり、その裏の右翼守備は江越に代わっていた。

◆阪神先発のジョー・ガンケル投手(29)が、来日最長の7回を投げ6安打5奪三振無失点で無傷の6連勝を果たした。奪った21アウトのうち、13個がゴロアウト。四死球0でテンポ良く中日打線を打ち取った。 「全体的にいいピッチングができたと思うね。梅野がよく引っ張ってくれたし、攻撃陣も効果的に得点を重ねて相手にプレッシャーをかけてくれたから、自分にとってはすごく投げやすい状況を作ってくれたよ。みんなに感謝したいね」 勝ち投手の権利を手にしてマウンドを降りた。阪神投手が開幕から無傷の6連勝は17年高橋聡文以来。外国人に限れば03年に開幕7連勝したムーア以来、球団18年ぶりとなった。 ▼ガンケルが開幕6連勝。阪神の外国人投手では、64年バッキー9連勝、03年ムーア7連勝に次ぎ単独3位となった。過去2人の年はともにリーグ優勝を遂げている。今年はどうか。また阪神は今季、ガンケル先発の9試合で全勝。

◆阪神が3回に1点を先制した。梅野の安打から1死二、三塁と好機をつくり、中野が犠飛。ガンケルは3回無失点の立ち上がり。 阪神は4回、糸原の適時二塁打で1点を追加。5回もマルテの適時打、大山の犠飛で2点追加した。ガンケルは6回無失点の好投。 阪神は9回にマルテがダメ押しの適時二塁打。ガンケルは7回無失点で6勝目。中日は5カード連続の負け越しに終わった。中日岡野2敗目。

◆阪神先発のジョー・ガンケル投手(29)が7回を投げ無失点と好投した。奪ったアウト21個のうち、ゴロアウト13個と持ち味を発揮した。 打線は3回、1死二、三塁から中野拓夢内野手(24)の中犠飛で先制に成功した。4回には2死一塁から糸原健斗内野手(28)の適時二塁打で1点を追加した。5回にも2点を追加するなど流れを離さなかった。9回には1死一塁からジェフリー・マルテ内野手(30)の右越え適時二塁打でダメ押し。一方的な展開で中日を寄せ付けなかった。 ガンケルは開幕から無傷の6連勝。カード勝ち越しを決めた。バンテリンドームでの中日戦勝ち越しは20年7月24~26日(当時はナゴヤドーム)以来。貯金を20とした。 ▼阪神は今季の球宴前勝ち越しを決めた。24日現在42勝22敗2分け。残り18試合に全敗しても42勝40敗2分けとなるため。金本知憲監督だった17年の43勝36敗以来4年ぶり(20年は新型コロナウイルスのため球宴は開催されず)。

◆中日が5カード連続負け越しを喫した。先発岡野祐一郎が5回途中4失点でKOされ、打線もガンケルらに8安打を浴びせたがあと1本が出ず、今季5度目の完封負け。 3番高橋周は猛打賞で奮闘したが、交流戦首位打者のビシエドが15打席連続無安打でブレーキになった。与田監督は「タイミングが取れていない感じする」と主砲の復調を待ち望んだ。5回に代打出場した根尾も空振り三振に仕留められ、23打席無安打となった。 中日岡野(5回途中6安打4失点で2敗目)「粘り切ることができなかったので、この反省を次に生かしたいです」 中日ビシエド(4打数無安打で15打席連続無安打)「シーズンは長いのでいい時もあれば悪い時もある」 中日根尾(12日ぶりの代打出場も空振り三振で23打席連続無安打)「狙い球を決めて、割り切っていきましたが...」

◆阪神が中日を圧倒した。先発ガンケルが7回無失点と好投で開幕から無傷の6連勝。矢野燿大監督(52)は本領発揮の助っ人右腕をたたえた。矢野監督との一問一答は以下の通り -先発ガンケルは持ち味を出した投球だった あそこまで投げてくれたしね。内容も本当にゴロをしっかり打たす、コースを丁寧に投げる、そういうところをしっかり"らしさ"を十分に発揮してくれたかな、と。攻撃もそういうところでノッていけたんで。ガンケルのピッチングが影響してというのはあると思う。ずっと安定しているんで、間が空いてからも2回目やけど安定しているっていうのはすごく心強いし、しっかりとした投球をしてくれたかなと思います。 -大山が2安打2打点できっかけに そうやね、悠輔自身も悔しい思いをしていた。そういうところでは、内容もしっかりしたものが多かったので。毎日結果が出る世界でやっているから、どうしても気持ちのアップダウンもあるし、打順も4番ということで、いろいろ打てないときはモヤモヤもあると思うけど。こういうところからきっかけにしてもらいたい。内容のいい打席が多かったというのは、そういうところに来てくれたらいいなという、そういう試合になったので。あしたからさらに打ってくれたらなと思います。 -近本ら上位打線が好調  うちの野球でポイントというのは誰か1人というのはないんでね。その中で、あえて誰か1人と言うとチカが塁に出るというのが、うちの野球のポイントになるんで。チカが出ることが、相手にとっても嫌やし、オレらの野球をというところでは、いろいろバリエーションが増えるところ。春先は苦しんでいたけどね。だいぶん打率も上がって、気分的にも落ち着いて、チカらしくしっかり振っていけているんでね。 -6回の打席で膝にボールが当たった佐藤輝の状態 全然大丈夫。 -球場を訪れた侍ジャパン稲葉監督と会話は 大変なことやけど、日本の野球界のために全力を尽くしてやってくれると思う。うちからも3人、選んでもらったんでね。それはすごく光栄なことなんでね。選んでくれた3人も、日本の野球界のために全力でいってくれると思う。オレも金メダルはとれなかったから、そういうところでは日本の野球界のためにやってくれると思う。アドバイスっていうのは全然ないけど、もちろんプレッシャーも重圧もありながら、稲葉監督もやると思うんでね。稲葉監督らしくやってもらえたら一番それがいいと思うんで。そういう話は結構長くできた。 -稲葉監督が梅野の侍への気持ちがうれしいと はじめは会沢がっていうところで代わって出るっていうことやけど、梅自身もずっと侍には選ばれるようになりたいという思いを強く持っていたので。あとからっていう形になってもリュウにとっては関係ないというか。侍ジャパンの一員として戦うという気持ちは強く持っているんでね。そういう部分は稲葉監督もくみとってくれたっていうか。その思いが伝わってるい思うんでね。その思いをぶつけてくれたらいいんじゃないかな。 -名古屋で勝ち越せた まあまあ相性もあるし、それはどこかしらあるにはあるけど。それはそんなに俺自身が嫌だなって思って戦ってないんでね。そこは気にしていない。

◆阪神中野拓夢内野手が今季5度目の猛打賞で鬼門での勝ち越しに貢献した。 5回、中前安打で出塁し、盗塁に成功。7回には持ち味の俊足で内野安打。9回にも中前安打で出塁し、得点に絡んだ。「塁に出てしっかり帰ってくるのが自分の今やるべきスタイルでもある。それをしっかりと今日できたのは良かったと思います」。25日に向けても「自分の役割をしっかりやっていきたい」と活躍を誓った。

◆阪神3番ジェフリー・マルテ内野手が今季2度目の猛打賞と気を吐いた。 2-0の5回無死一、三塁で中野が二盗を決めた後、代わったばかりの藤嶋から中前適時打。7回には山本からフェンス直撃の左安打。9回にも橋本から右翼フェンス直撃の適時二塁打と全方向に打ち分けた。3安打2打点の働きに「1試合1試合、いい状態を維持できるように頑張っていきたい」と力を込めた。

◆阪神梅野隆太郎捕手(30)が「御前試合」となった中日戦で躍動した。侍ジャパン稲葉監督が視察する中、ガンケルに内野ゴロの山を築かせて3投手による完封リレーをリード。3回は安打で出て先制点をもたらすなど走攻守で快勝に貢献した。故障で代表を辞退した広島会沢に代わってプロで初の代表選出。東京オリンピック(五輪)まで残り18試合ながら、梅野の踏ん張りでチームは前半戦の貯金ターンが決まった。虎の扇の要が、充実の表情でマウンドの輪に加わった。今季6度目の完封勝利。ガンケル-及川-岩貞の無失点リレーを導いた梅野は、ナインとグータッチで勝利を分かち合った。「信じて投げてくれるんで。(リードに)応えてしっかり投げてくれた結果がいい方向にいった」と投手陣をたたえた。 気持ちは自然と高ぶった。この日は「侍ジャパンナイター」で稲葉監督が来訪。試合前に打撃ケージ裏で1分程度、笑顔で言葉を交わした。4月には「もちろん出たい」と東京五輪出場を熱望していた梅野は、指揮官との電話で「ありがとうございます! 本当、頑張ります」と気合みなぎる返事をしたという。 稲葉監督 やる気に満ちあふれている。そういう気持ちもくみたい。彼の力を借りながらやっていきたい。 刺激を受け攻守に奮闘した。3回先頭の第1打席で右前打。その後中野の犠飛で先制のホームを踏んだ。 梅野 結果どうこうより自分がやるべきことをゲームでは出そうと。ホームを踏めたっていうのはすごい良かったけど、全力疾走だったり、そういう元気な姿を見せられてよかった。 稲葉監督も「逆方向へのヒットは国際大会でも大事。そういうバッティングも特徴でありますし、今日はそういうものを見られて良かった」と評価した。 守りでも先発ガンケルを巧みに操り、7回で21アウトのうち13個はゴロアウト。時にはジェスチャーも交え、体全体でリードした。 梅野 良いコミュニケーションを取りながら、ゲーム中に感じたことをお互いできている。流れを渡すことなく、テンポもいいし、攻撃に持って行けるという持ち味が出せた。 セパの多士済々なメンバーと初めてコンビを組むことも考えられる国際大会。投手を気遣い、時には厳しく指摘できる捕手として立ち居振る舞いは、侍ジャパンでも大きな力となるはずだ。 チームは交流戦後初のカード勝ち越しで、貯金を再び20とした。虎の勢いを侍でも-。日の丸では背番号を阪神の2から7につけ替えて戦う。覚悟が、ひしひしと伝わってくる夜だった。【中野椋】

◆阪神高卒2年目及川雅貴投手が4試合連続無失点でゼロのバトンをつないだ。 8回から2番手で登板。2死から3番高橋周に右前打を許したが、4番ビシエドを初球145キロで投ゴロに打ち取った。この日はフレッシュ球宴の出場も決定。伸び盛りの左腕は「ヒット1本は打たれましたけど、それでも動じることなく冷静に投げきることができた」と振り返った。

◆阪神ジョー・ガンケル投手が7回無失点で開幕から無傷の6連勝を挙げた。 序盤から低めに丁寧に投げ、内野ゴロアウトは13個で、中日打線に三塁を踏ませなかった。「梅野捕手がいい配球をしてくれた。守備のみんなもいい守備をしてくれたので本当にそのおかげかな」。身長196センチは平身低頭で女房役に感謝した。今季先発した9試合全てでチームは勝利。"持っている男"は「攻撃陣もしっかり点をとってくれている。本当にチームのおかげ」とやはり謙虚だった。阪神助っ人投手の開幕から6連勝は03年ムーアが7連勝して以来18年ぶり。「もちろんすべてのゲームで勝ちたい。自分が投げた試合でチームの勝ちに貢献できたらと心から思っています」。チームの優勝のためひたすら右腕を振る。 ▼ガンケルが開幕6連勝。阪神の外国人投手では、64年バッキー9連勝、03年ムーア7連勝に次ぎ単独3位となった。過去2人の年はともにリーグ優勝を遂げている。今年はどうか。また阪神は今季、ガンケル先発の9試合で全勝。

◆一塁ベース上で中日ビシエドから言葉をかけられると、少しだけ頬を緩めた。阪神大山悠輔内野手(26)は17打席ぶりの「Hランプ」から勢いを取り戻した。 「ここ最近、自分としても結果が出ていなかった。チームの流れを止めていると思っていた」 心のつっかえを取り外した1本は1点リードの4回だ。2打席目、先頭で岡野のスライダーを強振。痛烈なライナーに感情を乗せ、三遊間を破った。久々の安打から1点を追加すると、3打席目以降は本来の放物線を取り戻した。 5回無死一、三塁では藤嶋のスプリットを左翼後方へ犠飛。7回無死一、三塁では山本の146キロを打ち返し、中堅フェンス手前まで犠飛を届かせた。 「今日はしっかり打点も取ることができた」 9回にも左前打を放ち、10戦ぶりのマルチ安打。何より2打点で大勝に導けた事実に胸をなで下ろした。 内野ゴロでも外野フライでも、泥臭く1点をもぎ取るにいく。主将として4番として、21年虎打線のテーマを大切にしている。 「打点が一番重要だと考えているので。事を起こさないことには何も始まらない。なかなかうまくはいかないですけど、そこは常に意識してやっています」 これで今季6犠飛は両リーグ単独トップ。2犠飛を決めた1日を、復調のタイミングにしたいところだ。 時にはあえて名前も挙げて叱咤(しった)激励してきた矢野監督も、ホッとひと安心といったところか。 「悠輔自身も悔しい思いをしていた。毎日結果が出る世界でどうしても気持ちのアップダウンもあるし、4番ということで打てない時はモヤモヤもあると思う。こういうところからきっかけにしてもらいたい」 指揮官の思いは本人に伝わっていることだろう。 大山は試合終了直後にはもう気を引き締めていた。 「これを続けていかないと意味がない」 もちろん、本領発揮はこれからだ。【佐井陽介】

◆北京五輪代表の川上憲伸氏(46)が「結束!侍ジャパンナイター」と銘打った24日の中日-阪神戦(バンテリンドーム)で始球式に臨み、侍ジャパン井端弘和内野守備走塁コーチ(46)から空振りを奪った。 外角高めに大きく外れたが、同学年で、ともに中日OBの井端コーチのあうんの呼吸? で空を斬らせた。 川上氏は「侍ジャパンの赤いユニホームを着用して、マウンドに立つことは緊張感がありました。打席に侍ジャパンの井端コーチが入っていたので、余計に力んでしまいました。私自身投手でしたので、東京オリンピックに出場する日本代表の投手陣には頑張って欲しいです。特にリリーフの平良投手と栗林投手がキーマンになると思います。プレッシャーはかかりますが、選手には悔いが残らないように全員で力を合わせて金メダルを取って欲しいです」とエールを送った。

◆稲葉監督は阪神岩崎優投手と初めて対面した。練習前に言葉を交わし、「ああいう特殊な投げ方で、初見でタイミングを取るのは非常に難しいなと感じる。また、1イニングしっかり抑えられる」と期待を込めた。マウンドで表情を崩さない鉄仮面のイメージとのギャップも収穫だったようで、「どちらかというとあまりしゃべらないのかなという感じがしましたけれども、会って話してみたらすごく気さく」と笑顔で振り返り、「とにかく遠慮しないで」と声を掛けたと明かした。

◆「結束! 侍ジャパンナイター」として行われ、中日OBの川上憲伸氏(45)が始球式を行った。 川上氏は2008年の北京五輪に野球日本代表として出場し、主に救援で活躍。背中に「KAWAKAMI 11」が入り、一新された赤色の日本代表ユニホームに身を包んでマウンドに上がった。打席に日本代表・井端弘和内野守備走塁コーチ(46)が立つと投球フォームに入り、ボールは外角高めに浮いたものの、見事に捕手のミットに収まった。 セレモニアルピッチを行う井端弘和氏と川上謙伸氏=バンテリンドーム(撮影・宮沢宗士郎) この試合には東京五輪で指揮を執る稲葉篤紀監督(48)、建山義紀投手コーチ(45)、井端コーチが視察に訪れ、試合前は中日・与田監督、阪神・矢野監督らと言葉を交わしていた。

◆東京五輪の野球日本代表に内定している阪神・梅野隆太郎捕手(30)が、視察に訪れた侍ジャパンの稲葉篤紀監督(48)が見守る前で、まずはバットで魅せた。 0-0の三回先頭で中日の先発、岡野のスライダーを右前へ運んだ。さらに1死二、三塁からD6位・中野(三菱自動車岡崎)の中犠飛で、先制のホームを踏んだ。 試合前練習中には、打撃ケージ裏で矢野監督と話していた稲葉監督のもとにあいさつに訪れ、このあと2分ほど笑顔で会話を交わした。

◆阪神・大山悠輔内野手(26)が1点を加えて3-0とした五回、なおも無死二、三塁から4試合ぶりの打点となる左犠飛を放った。 「みんなが良い形で打ってくれていたので、その流れに乗って打つことができました。追加点を取ることができて良かったです」 大山は1-0の四回先頭で17打席ぶりの安打となる左前打を放つと、一塁ベース上で笑顔。糸原の左中間を破る適時二塁打で生還した。 前日まで3試合連続無安打に終わり、矢野監督は「俺自身が受け止めながらどうしていくかを日々の中で考えていこうかなと思います」と心配していた。

◆日本代表の稲葉監督が視察し、岩崎(阪神)ら代表選手と言葉を交わした。国際大会で強さを発揮する変則投法の青柳(阪神)にはロングリリーフもできる中継ぎとしての起用を視野に入れ「非常に貴重。使い方を考えていかないといけない」と期待を寄せた。 故障で代表を辞退した会沢(広島)に代わって選出した梅野(阪神)には「捕手としてはもちろん、打つ方も勝負強い。走るのも速い」と走攻守を評価した。

◆阪神のジョー・ガンケル投手(29)が7回6安打無失点の好投。6勝目の権利を持ったまま降板した。 「全体的に良いピッチングができたと思う。梅野が良く引っ張ってくれたし、攻撃陣も効果的に得点を重ねて、相手にプレッシャーをかけてくれて、すごく投げやすい状況を作ってくれた」 一回、2死から高橋周に右中間二塁打を浴びたが、ビシエドをツーシームで投ゴロに打ち取ると、二回以降は内外角を投げ分けて、相手打者に的を絞らせなかった。 この日は無四球でゴロアウトは11個と、ほぼ完ぺきな内容だった。

◆中日は零封負けで与田政権下でワーストタイの5カード連続負け越し。与田剛監督(55)の主な一問一答は以下の通り。 ――岡野が五回途中4失点 「ボールが全体的に高かった。ボールカウントが先行したり、高さが一番目立ったかな」 ――タイミングなどは工夫しているように見えたが 「それは今年、ずっとやっていること。ファームにいるころから取り組んでやっていたので、きょうはそれがうまくいきませんでしたけど、いろんなことをやろうとしているのでね」 ――ビシエドは今カード無安打。状態は 「交流戦後は、波が(ある)ね。いまはタイミングが取れていないな、という感じはします」 ――根尾は試合前練習で右方向にいい打球を飛ばしていた。好調時と比べて何ができていないか 「タイミングの取り方であったり、久しぶりの打席(代打で三振)でもあったし。相手投手(ガンケル)は左打者のインコースに非常にいい投球をしていた。コントロールもよかったし微妙に動くところもあって、簡単ではなかったと思います」 ――今後も代打で 「どういう使い方をするかはまだ分かりませんけど、手首の状態もかなりよくなってきているので、体調からしっかりと見ていきたいなと思います」 ――ファームで実戦経験を積ませることも手段の一つだが1軍で期待するところは 「いろんな期待をして1軍に置いている。経験であったり、春先に彼の好調さで勝ったところもあった。若い選手を(結果が)悪いからと言って責めた目で見てほしくないな、というのはあります。いろんな使い方がある。1軍に置いているということは、それなりに何かを感じながら置いているということなので」 ――負傷していた木下拓が九回に守備に就いた 「打撃練習や走塁を含めながら最後は1イニングを守らせましたけど、問題はなかったと思う」 ――今季初先発マスクの郡司が2安打 「持ち味というか、引っ張りにかかってうまくいかないところがあったので、今日はいいヒットが出てよかったと思います」

◆阪神は効率のいい攻撃で中日に快勝。3試合無安打だった大山悠輔内野手(26)が2安打2打点と復調の兆しを見せた。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ーーガンケルは持ち味を出した投球だった(7回無失点) 「あそこまで投げてくれたしね。内容も本当にゴロをしっかり打たす、コースを丁寧に投げてくれた。攻撃もノッて行けたんで。しっかりとした投球をしてくれたかなと思います」 ーー大山が2安打2打点できっかけに 「そうやね、悠輔自身も悔しい思いをしていたし。気持ちの部分で、毎日、結果が出る世界でやっているから、どうしても気持ちのアップダウンもあるし、打順も4番ということで、打てない時はモヤモヤもあると思うけど。こういうところからきっかけにしてもらいたい。あしたからさらに打ってくれたら」 ーー近本ら上位打線が好調 「うちの野球でポイントは誰か一人というのはないんでね。その中で、あえて誰か一人と言うとチカが塁に出るのが、うちの野球のポイントになるんで。相手にとっても嫌やし、いろいろバリエーションが増えるところなんでね。春先は苦しんでいたけどね。だいぶん打率も上がって、気分的にも落ち着いて、チカらしくしっかり振っていけているんでね」ーー佐藤輝の状態(七回の打席で内角へのスライダーに空振り三振を喫した際に投球を左膝付近に受けて、その回で交代)「全然大丈夫」ーー稲葉監督と会話「大変なことやけど、日本の野球界のために全力を尽くしてやってくれると思うしね。うちからも3人、選んでもらったんでね。それはすごく光栄なことなんでね。選んでくれた3人も、日本の野球界のために全力でいってくれると思う。俺も金メダルは獲れなかったから、日本の野球界のためにやってくれると思う。アドバイスは全然ないけど、プレッシャーも重圧もありながら、稲葉監督もやると思うんでね。稲葉監督らしくやってもらえたら一番それがいいと思うんで。そういう話は結構長くできたんでね」ーー稲葉監督が梅野の侍への気持ちがうれしいと「はじめは会沢(広島)で代わって出るけど、ずっと侍には選ばれるようになりたいという思いを強く持っていたので。あとからっていう形になってもリュウにとっては関係ないというか。侍ジャパンの一員として戦うという気持ちは強く持っているんでね。そういう部分は稲葉監督もくみとってくれたっていうか。その思いが伝わってる思うんでね。その思いをぶつけてくれたらいいんじゃないかな」ーー名古屋で勝ち越せた「まあまあ相性もあるし、そんなに俺自身が嫌だなって思って戦ってないんでね。そこは気にしていない」

◆両軍のチーム力に、かなりの差があるとはいえ、阪神の文字通りの完勝だった。最近の試合を見ていると、8番・梅野が大きなポイントになっている。三回の攻撃が象徴だ。無死から梅野が右前打で出塁し、ガンケルの犠打を経て、近本が左前打で好機を広げ、中野の中犠飛で先制した。 ■投手が送り1、2番でかえす...竜は対照的 まずは梅野が安打や四球で塁に出る。そして投手が高い確率で犠打を決めて、1、2番で走者をかえす。これが最近の得点パターンだ。中日もその裏、先頭の8番・郡司が右前打を放ったものの、その後に犠打失敗。あまりにも対照的な内容だった。 不安視されていたマルテ、大山の2人にも結果が出た。しかも、この日のガンケルのように、先発陣が不調で試合が壊れるケースもない。矢野監督にとって、崩れない先発陣が一番の安心材料といえる。 ■貯金「20」キープ目標に戦ってほしい これで42勝22敗2分。私が阪神に〝注文〟を出すとすれば、貯金20をキープすること。そうすれば、自然と2位チームは脱落していく。「20」という数字にこだわり、目標にして、これから戦ってほしい。(本紙専属評論家)

◆東京五輪の代表に選ばれた阪神の梅野が、日本代表の稲葉監督が見守る前で攻守ともに躍動し「自分のやるべきことを試合で出そうと。元気な姿を見せられて良かった」と安堵感をにじませた。 先頭打者だった三回は岡野の変化球を狙い澄まして右前に運び、中野の中犠飛で先制のホームを踏んだ。守備でもガンケルら投手陣を好リードし、中日を無得点に抑えた。

◆中日のエースとして活躍し、2008年の北京五輪にも出場した川上憲伸氏が始球式を行った。「結束!侍ジャパンナイター」として行われた一戦を前にマウンドに上がり「投手陣には頑張ってほしい。救援の平良投手と栗林投手がキーマンになると思う」と期待した。 打者を務めた日本代表の井端弘和内野守備走塁コーチに投じた1球は高めに抜け「侍ジャパンのユニホームを着用して緊張感があった。力んでしまった」と振り返った。

◆阪神の大山が17打席ぶりとなる快音を響かせ、2安打2打点と活躍した。「チームの流れを止めているのも感じていた。打点も稼ぐことができて良かった」と胸をなで下ろした。 四回は先頭打者として岡野の初球を引っ張って左前へ運び、一塁ベース上でほっとした表情を浮かべた。五回と七回は犠飛を放ち、九回も左前打。4番打者は「これを続けていかないと意味がない」と引き締まった顔つきだった。 矢野監督(ガンケルに)「安定しているのはすごく心強い。攻撃も投球が影響し、乗っていけた」 中野(3安打3得点の1盗塁)「塁に出て、得点でかえってくる自分のスタイルができている」 マルテ(3安打2打点)「いつもチームの勝利に貢献できるようにと思っている。勝てているのが一番うれしい」

◆阪神の佐藤輝が七回の打席で、空振り三振した投球が左膝付近に当たった。足を引きずりながらベンチに戻り、直後の守備で交代した。矢野監督は「全然、大丈夫」と説明した。

◆全国の虎党が凍り付いた。執拗(しつよう)なインコース攻めに佐藤輝のバットが空を切る。なんと、白球はそのままルーキーの左膝を直撃...。目を疑うような〝空振り死球〟にD1位・佐藤輝(近大)は苦悶(くもん)の表情を浮かべた。 5-0とした七回1死一塁の第4打席。中日バッテリーは一発を警戒し、インコースを攻める。カウント1-2からの4球目。山本が投じたスライダーは、またしても内角。思わずバットが出た。軸足付近に投じられた球を避けることすらままならず。結果は空振り三振と踏んだり蹴ったりの打席となった。 三振に倒れた後は苦悶の表情。ベンチに退いた ヒヤッとした場面もドラ1は自力でベンチへと引き揚げ、大事をとって直後の守備から途中交代。しばらく痛そうな表情を浮かべていたが、病院などには向かわず、最後まで戦況を見守った。試合後、矢野監督は「全然、大丈夫」と説明。この日は4打数無安打と影を潜めていたルーキーだが、19本塁打、47打点はいずれもチームトップの成績。首位の原動力となっているだけに大事には至らなかったことが不幸中の幸いだ。 「勝ち越して帰ることが一番」と腕をまくった一戦は先輩たちが奮起し、勝利。25日から対戦打率・333(36打数12安打)と好相性のDeNAを本拠地・甲子園で迎える。元気な姿で次は球場のファンをわかせる。(原田遼太郎)

◆淡々と小気味よく腕を振り、スコアボードに7つのゼロを並べてニッコリと笑った。ガンケルは7回零封の快投で開幕から自身6連勝。〝負けを知らない男〟は自らの投球よりも同僚の頑張りに感謝した。 「勝つことができてよかった。梅野選手がいい配球をしてくれたし、自分の後ろを守ってくれる選手たちがいいプレーをしてくれるので、本当にチームのおかげかなと思うよ」 試合後は何度も「野手のおかげ」という言葉を口にした心優しき助っ人は、マウンドでも文句なしの投球を披露した。 援護点をもらった直後の三回に2本の安打などで2死一、二塁のピンチを招いたが、3番・高橋周を外角の変化球で二ゴロに仕留めた。 低めに集め、打たせて取る投球スタイルで、全21個のアウトのうち13個がゴロアウト。攻撃にもリズムを生み出し、7回6安打無四球無失点で6勝目を挙げ「なんとか長いイニングを投げて中継ぎ投手を休ませることができてよかったよ」と振り返った。登板した全9試合でチームも全勝しており、今や虎の〝守り神〟と化している。虎投が開幕から無傷の6連勝となれば2017年の高橋聡文以来だが、助っ人に限れば03年のムーア(7連勝)以来。優勝請負人が現れたといえる。 矢野監督は「ゴロをしっかり打たせる、コースを丁寧に投げる、そういう〝らしさ〟を十分に発揮してくれた。ずっと安定しているので、すごく心強い」と絶賛した。 今年で来日2年目。オフには日本で学んだことを取り入れた。「打者のタイミングをずらす投げ方を日本人の投手から学んだので、それに取り組んだ」。また、登板前の入念な準備は欠かさない。この日も練習後に女房役の梅野のもとに近づいて通訳を含めた3人で10分間話し込み、勝利への最終確認を行った。 「バンテリンドームで勝ち越せたのはチームにとっても大きな意味がある。このままいい試合を続けて、次も本拠地でしっかり勝ち越せるように」 次も勝つ。性格も投球もナイスな超優良助っ人がいる限り、虎が負けることはない。(織原祥平)

◆東京五輪、侍ジャパンの稲葉監督がネット裏から見つめる一戦だったのだ。1964年大会以来57年ぶりとなる東京五輪で「必勝・金メダル」を担う稲葉監督はメラメラと燃えていたのだ。 そういう状況だから、中日打線を7回無失点に封じて無キズの6勝目を挙げたガンケルを見て「追加! 追加や、オリンピックにこの投手!!」「いや...、あのガンケルですから」「ウム...。雁毛留? 変わった名前だけど力があるから入れておこうー!!」は、俺の妄想だけど...。 そのくらいに変幻自在に中日打線を手玉に取る投球は、アメリカ人にしておくのはもったいないくらいだったのだー!! さて最近、虎党の間でささやかれている『大山4番疑問説』。「ルーキーの佐藤輝を4番で起用しろ!!」なんて声もあるけど、俺はハッキリ言うのだ!! 時代が昭和、平成、令和と変わっても巨人と阪神の4番のプレッシャーは超特別なものなのだ!! 本日、2本の犠飛と決して派手じゃないけど、相手をあきらめさせる仕事をするのが嫌な(こちらからすれば良い)4番なのだ!! 全国の虎党の皆さん、虎の4番を信じましょう!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
42222 0.656
(↑0.005)
-
(-)
77293
(+6)
231
(-)
69
(-)
62
(+2)
0.256
(↑0.001
3.190
(↑0.05)
2
(-)
ヤクルト
35257 0.583
(↑0.007)
5
(-)
76291
(+4)
262
(+1)
69
(+1)
42
(-)
0.251
(↑0.001)
3.710
(↑0.04)
3
(1↓)
巨人
342510 0.576
(-)
5.5
(↓0.5)
74281
(-)
247
(-)
87
(-)
42
(-)
0.252
(-)
3.430
(-)
4
(-)
中日
27339 0.450
(↓0.008)
13
(↓1)
74200
(-)
220
(+6)
38
(-)
34
(-)
0.238
(-)
3.080
(↓0.05)
5
(-)
広島
21368 0.368
(↓0.007)
17.5
(↓1)
78225
(+1)
288
(+4)
42
(-)
33
(-)
0.258
(↓0.001)
3.920
(↑0.02)
6
(-)
DeNA
22399 0.361
(-)
18.5
(↓0.5)
73281
(-)
355
(-)
68
(-)
14
(-)
0.256
(-)
4.880
(-)