阪神(★1対2☆)巨人 =リーグ戦12回戦(2021.06.20)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
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勝利投手:髙橋 優貴(7勝2敗0S)
(セーブ:ビエイラ(0勝0敗3S))
敗戦投手:秋山 拓巳(6勝3敗0S)

本塁打
【巨人】松原 聖弥(6号・6回表2ラン)
【阪神】佐藤 輝明(18号・6回裏ソロ)

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◆巨人が接戦を制した。巨人は0-0で迎えた6回表、松原の2ランが飛び出し、先制に成功する。投げては、先発・高橋が5回無失点。その後は4人の継投でリードを守り、高橋は今季7勝目を挙げた。敗れた阪神は、先発・秋山が好投するも、打線が援護できなかった。

◆お笑いコンビ「ティモンディ」の高岸宏行(28)が、甲子園で139キロを計測した。 KONAMIの冠協賛試合「プロスピデー」として開催され、タテジマのユニホーム姿でファーストピッチセレモニーに登場。相方の前田裕太(28)を捕手役に、練習の1球目で138キロを計測。そして本番の2球目、雄たけびを上げながら全力投球した球は、139キロと表示された。140キロに迫る剛速球に、球場も沸き立った。 自身が持つ"芸能人最速"142キロ更新はならなかったが、持ち味のポジティブワードを連発。「心の190キロは出たと思います。ベストピッチだと思います。今回も自分自身、ベストを尽くせたんで、大成功、大成長ですね」。 済美高時代に立てなかった甲子園のマウンド。「僕らの代は3年夏決勝戦でサヨナラ負けをして、甲子園に行けなかった代なんで、やっぱり仲間の思いも果たそうという気持ちで今までやってきました。あとは天国におられる上甲監督(済美元監督の故上甲正典氏)に感謝の気持ちも伝えたいと思っていました」と感慨深い様子だった。 前田も「阪神の選手の方々も良かったねという声をくださって。生きていて、一生懸命やっていたらこんなに良いことがあるんだなと感慨深い気持ちになりましたね」と振り返った。 この日は、親交のある阪神秋山が先発。使用したグラブも秋山から贈られたものだった。投球時に出た雄たけびも「秋山投手になりきって投げようというのも、僕の思いもあったので、少し出ちゃいました」と意識。「このまんまの勢いで、皆さんに勇気与え続けるプレーを応援しています。阪神なら、『やればできる』とお伝えしたいですね」。済美の校訓を使ったおなじみのネタで、秋山と阪神へエールを送った。 ◆阪神秋山とティモンディ 西条出身の秋山と、済美出身で1学年下のティモンディ高岸と前田は、09年夏の愛媛大会決勝で対戦。当時はエース秋山率いる西条が大勝し、甲子園出場を決めた。昨年10月のヤクルト-広島戦(神宮)の始球式では、高岸が秋山から贈られたグラブを手に138キロを計測。昨年12月のオフには、東京都内で自主トレを行う秋山を2人がサポートし、高岸は「バキバキになって金剛力士像みたい!」と絶賛した。今年の甲子園では「秋山×ティモンディ 食べればわかる! 愛媛たっぷり弁当」が販売されている。

◆巨人に2戦連発を浴びせた。阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が18号ソロを放った。6回2死、巨人2番手右腕の畠の初球152キロ外角低めに逆らわずバットを出し、左翼ポール際へ、今季4度目の2試合連続のアーチをかけた。この打席、緩やかに右翼から左翼へ浜風は吹いていたが、パワーで運んだ。「点を取られた直後だったので、本塁打という形でまず1点かえすことができてよかったです」とベンチ前でこの日もZポーズを決めた。甲子園ビジョンで表示された18号のデータは打球速度155キロ、打球角度31度、飛距離108メートルだった。 阪神の新人で18本塁打は、80年岡田彰布(早大)に並ぶ歴代2位タイ。1位の69年田淵幸一(法大)の22本にあと4本となった。 またプロ野球新人左打者では、2位の98年高橋由伸(巨人)の19本に1本差、1位の46年大下弘(セネタース)の20本に2本差。記録更新へ着実に近づいている。新人全体の最多は59年桑田武(大洋)86年清原和博(西武)の31本。 2日連続でエンゼルス大谷ともシンクロした。この日も大谷が22号を放っており、今季7度目の"同日"本塁打となった。

◆阪神秋山拓巳投手(30)が、4試合ぶりの1発を浴びた。 両チームともに無得点で迎えた6回、先頭の巨人北村に左前打を許したが、続く代打香月を見逃し三振に仕留めた。走者を進められず、巨人の原監督がベンチ最前列のフェンスをたたいて悔しがったほど。巨人に傾きかけた流れを阪神バッテリーが引き戻したかに見えたが、続く松原に2球目のストレートを右翼スタンドにたたき込まれた。 秋山にとって5月13日中日戦(甲子園)で木下拓に浴びて以来の1発で2点先制を許し、6回で降板。及川にあとを託した。 試合前には親交のあるお笑いコンビ「ティモンディ」の高岸宏行(28)が、甲子園で139キロを計測。白星をプレゼントすることはできなかった。「まっすぐが少し散らばっていたので、それをうまく利用して試合は作ることができたと思います。ただ、相手に先制点を与えてしまい、リードされている状況でマウンドを降りてしまったので悔しいです」と振り返った。

◆阪神の先発は秋山、巨人は高橋。阪神は1回1死一、二塁の先制機も無得点。巨人は3回まで無安打無得点。 巨人は6回1死一塁で松原が6号2ランを放ち先制。阪神はその裏、2死から佐藤輝の18号ソロで1点を返した。 巨人が継投で接戦を守り抜き、2連勝。カード勝ち越しを決めた。高橋はリーグトップタイの7勝目。ビエイラ3セーブ目。阪神秋山は3敗目。

◆巨人は6回に松原の2ランで先制し逃げ切った。高橋が5回無失点でリーグトップに並ぶ7勝目。ビエイラが3セーブ目。阪神はあと一本が出なかった。

◆阪神が巨人の継投に反撃をかわされ、連敗で3カードぶりに負け越した。 先手を取ったのは巨人で、6回1死一塁から松原聖弥外野手(26)が先制の6号2ランを右翼スタンドに運んだ。 阪神はその裏に佐藤輝明外野手(22)が球団新人では歴代2位タイとなる18号ソロで反撃。7回は2四死球から2死二、三塁の逆転機をつくった。代打の北條史也内野手(26)がカウント2-2となって、巨人は鍵谷陽平投手(30)を投入し、北條は空振り三振に倒れた。9回1死二塁の同点機も生かせず、競り負けた。

◆おとん、打ったぞ。巨人松原聖弥外野手が一撃で虎を沈めた。6回1死一塁、阪神秋山の内角135キロ直球を狙い澄ました。 柵越え最短距離の右翼ポール際に6号決勝2ラン。仙台育英時代はアルプス席で太鼓係。成り上がった伏兵が"甲子園1号"に「やっぱうれしいですね。他の球場と違う感じはありますね」と笑った。 父の日に"1発芸"でヒーローになった。父秀樹さんとは「毎日、LINEでメッセージがきますけど、全部既読無視です。野球やったことないのに、配球のこととか言ってくるんすよ」と忖度(そんたく)なし。「次の日の先発ピッチャーの投球映像をYoutubeとかで引っ張ってきて送ってくる。まあ見たことないっすけど」。 そんな、おとんへ-。「いつも既読無視とか、文句垂れたりするんで、気をつけようと思います。ずっと感謝はしています。ただ野球のことは口出ししてこんでほしいなあと思います(笑い)」。聖弥より。

◆巨人が執念の継投策で首位阪神3連戦の勝ち越しを決めた。1点リードの7回2死二、三塁、代打北條の4球目がストライクでカウントが2-2になると、高梨雄平投手から鍵谷陽平投手にスイッチ。空振り三振でピンチを脱し、そのまま逃げ切った。 原辰徳監督は「ツーストライクに追い込んだら代えると。鍵谷がよく抑えてくれたというところですね。守備も非常に良かったと思いますよ」と、選手たちを称賛した。

◆阪神が巨人に競り負け、連敗でカード負け越しを喫した。惜敗後の阪神矢野燿大監督(52)の一問一答は次の通り。 【テレビ会見】 -あと1本というしびれるゲームだった 矢野監督 うんまあ、1本出なかったなという印象ですね。まあでも、全体的には何とかしのいで、という姿勢をしっかり出して何とかしようという姿勢は見せてくれた。そこは仕方ないと思います。 -9回の植田の盗塁にも、ファンはしびれた 矢野監督 うん、あそこの(植田)海の走塁というのは、彼なら当たり前という、それぐらいの選手なので。まあでも、今日の場面でね、またこれからも走って、どんどん思い切ってやってもらえたらと思います。 -6回2失点だった秋山の投球は 矢野監督 内容もよかったですしね。いつも通り、粘ろうという意識で。1球1球に対する意識も高い投球を、梅野ともいい呼吸でピッチングをしてくれたので。まあまあ、ホームランは避けたかったですけど、これも勝負なので。仕方がないと思います。 -復帰の岩崎はどう見えた 矢野監督 しっかり腕を振って投げられていましたしね。本人的にもしっかり、体も気持ちもリフレッシュして。初めての登板でゼロで抑えたというのはこれからにつながると思うので。心配ないと思います。 -佐藤輝は左方向への1発 矢野監督 まあ、浜風は普段であればああいうふうにレフトに打球が伸びるんで。テルの打球は本当に、左が打ったというより右が打ったような逆方向の打球を打てるので。これからも逆方向へのホームランも打てると思います。 -1勝2敗のこの3連戦を振り返り 矢野監督 頭はいい形で攻撃、先制できて、頭を取れたんで。そういうところでは2つ、3つといきたかったのはもちろん正直な気持ちですけど。全体的に状態が下がっているとか重いとか、そういう感じはないんで。しっかり受け止めて、また明後日から試合を戦っていきます。 【囲み取材】 -7回の攻撃で、中野に代打・北條 矢野監督 高梨という左に対してね、左(打者)がかなり苦しいんで、いろんなピッチャーがいる中でも、ちょっと左の分が悪いところなんで、ジョーで勝負に行ったというところです。 -(カウント)2-2から(巨人が)投手を代えてきた 矢野監督 そこは相手のやることなんでね。こちらには関係ないというか、全員で点を取っていくというのには変わりはないんで。それは相手側のことなんで。 -秋山の6回の被弾の場面を振り返って 矢野監督 いや、細かいところまでは横からで見られてるわけじゃないんでね。打った感じもある程度、うまく打ったのかなというのもあるし。でもホームランになったっていうことは狙ったところよりも甘く入ったのかなとも思うし。でも、それも勝負に行った中でのことだと受け止めています。 -佐藤輝が逆方向への1発 矢野監督 まあ、もともとあっちには打てるんでね。攻められ方もインサイドが多くて、ホームラン的には逆方向っていうのは少ないけど。まあセンターから左中間くらいっていうのは、普通に打てば、あっちの方向に打てるバッターなので、まあ輝の打球かなと思います。 -5番ですごく機能しているのでは 矢野監督 まあまあ、打順はオレの中ではどうこうないけど、状態的に1本出たらもう1本出たり、一発で仕留められるボールを打ったりという中で言うと、状態的には上がっているのかなと思います。 -巨人高橋に3敗目 矢野監督 それは、しっかり考えていきます。 -巨人戦は6勝6敗のタイに 矢野監督 それも途中の結果のことなので、追い越したり追い越されたりすることもあると思うんで、それは今考えるというよりは、戦いをやるということが先なので、それはあまりどうこうは考えていないです。 -岩崎は安心 矢野監督 うん、まあ、もちろん、大丈夫だと思っているけどね。投げてみての状態とか、ゼロでいけたというところですんなり、最初の登板というのはちょっとリラックスがあったかなと想像するけど、それがそういけたというのは、次の入りっていうのはスムーズに入っていけるとは思います。

◆阪神秋山拓巳投手(30)は6回4安打2失点も、親交のある「ティモンディ」に白星を届けることはできなかった。 「相手に先制点を与えてしまい、リードされている状況でマウンドを降りてしまったので悔しいです」。 序盤は、巨人打線をすいすいと抑えた。初回は7球で3者凡退の立ち上がりを見せると、3回まで無安打無失点。「真っすぐが少し散らばっていたので、それをうまく利用して試合は作ることができたと思います」。この日の最速は140キロ。130キロ後半の直球を軸にカーブやカットボールなどを織り交ぜ、的を絞らせなかった。しかし6回に1死一塁。松原に内角への直球を捉えられ、痛恨の先制2ランを浴びた。 4番岡本和、5番坂本はともに3打数無安打に抑え込むなど、安定感ある投球を見せたが3敗目。矢野監督は「1球1球に対する意識も高い投球を、梅野ともいい呼吸でピッチングをしてくれた。ホームランは避けたかったですけど、これも勝負なので。仕方がないと思います」と、好投の右腕を責めなかった。 この日はお笑いコンビ「ティモンディ」がファーストピッチセレモニーに登場。西条出身の秋山と、済美出身で1学年下のティモンディの2人は、09年夏の愛媛大会決勝で対戦した経験もあり親交が深い。高岸は秋山が贈ったグラブを使用し、秋山を意識した雄たけびとともに、139キロをたたき出した。「このまんまの勢いで、皆さんに勇気与え続けるプレーを応援しています。阪神なら、『やればできる』とお伝えしたいですね」。おなじみのネタでエールを送ったが、秋山が白星で応えるのは次戦に持ち越し。超ポジティブなパワーをもらって、次こそ7勝できるはずだ。【磯綾乃】

◆矢野阪神が1点及ばず巨人に連敗した。 矢野監督が「1本出なかったなという印象。でも何とかしようという姿勢は見せてくれた」と話すように、9回は抑えのビエイラから1死二塁の場面をつくった。代打糸井、近本が連続三振も最後まで巨人を攻めた。7回2死一、二塁では2番中野に代打北條を送った。「左の高梨は左(打者)がかなり苦しいので、(右の)ジョー(北條)で勝負にいった」と説明。カウント2-2から右の鍵谷に継投されたが「そこは相手のやることなので。全員で点を取っていくことには変わりない」と冷静に話した。 巨人先発の左腕高橋には5回4安打無失点で7勝目を献上した。今季3戦3敗となった左腕に「しっかり考えていきます」と対策し、これ以上苦手にはしたくない。昨季8勝16敗と苦しんだ巨人とここまで6勝6敗。「途中の結果なので、どうこうは考えていない」と話すが、このカード1勝2敗の連敗にも「全体的に状態が下がっているとか重いとかそういう感じはない」と、首位を走るチームの現状に悲観的ではなかった。

◆巨人高橋優貴投手(24)がリーグトップの7勝目を挙げ、同僚戸郷に並んだ。 走者を背負いならも粘り強い投球で5回無失点。「いろいろなファインプレーに助けられて何とか0に抑えられた」と仲間をたたえた。感謝を伝えたい人は他にもいる。特に登板後に必ず連絡をくれる実父と義父、父の日にとスニーカーを贈ってくれた妻と1歳の長女。「そういう人に支えられて僕がいるのは間違いない。忘れずにやっていけたら」と決意を新たにした。

◆阪神の岩崎優投手(30)が1回を無失点で抑えた。 1点ビハインドの8回に登板。先頭に安打を許すも後続を断った。矢野監督は「初めての登板でゼロで抑えたというのはこれからにつながると思う。心配ない」と、侍ジャパンに選出された虎のセットアッパーの投球に安堵(あんど)した。4日に蓄積疲労を考慮され出場選手登録を抹消されたが、18日に1軍に戻り、この日が復帰後初登板となった。

◆阪神及川雅貴投手が、3試合連続無失点と結果を出した。 2番手で登板した7回。1死から四球と安打で一、二塁のピンチを招くも、代打・石川を中飛。飛び出していた二塁走者の大城が戻れず、併殺で切り抜けた。「最近、安定したピッチングができていた中で、いつかはこういうピンチを招くようなピッチングがあるなと思ってはいたので。守備にもすごく助けられましたけど、無失点で帰って来られたのはよかったなと思います」と振り返った。

◆阪神中野拓夢内野手が194打席目でプロ初併殺打を記録した。 3回1死一塁。巨人高橋の141キロ直球を捉えたが、二塁への併殺打。1点を追う7回には代打北條を送られた。前日19日には規定打席に到達。この日は3打数1安打に終わった。

◆日刊スポーツでは18日からの巨人3連戦(甲子園)で公式ツイッターアカウント「極トラ・プレミアム」でタイガースの応援ツイッターを募集しました。この日は5回まで互いに無得点と緊迫の投手戦。1発を望む声が集まった。 「大山の豪快なホームランが見たい!です!!」(meiさん)「マルテのラパンパラが見たい!!」(スキンヘッドさん、kirameki811さん)「サトテルのホームランが見たい」(ふーたさん) 2点を追う6回に、佐藤輝が2戦連発となる18号ソロ。しかし、あと1本が出ず連敗...。ナインの前向きな姿を応援する声も。 「7回表終わってから近本選手のプレーの後ベンチでの近本の笑顔が最高でした!」(はやた(のびta)さん)「中野くんの写真、どれも笑顔ばかりで自然と頬が緩む どんなときも笑顔を絶やさない中野くんが好きすぎます!」(くづきさん)「阪神チームのみんなが尊敬しあって信頼しあってるような雰囲気が大好きです!これも矢野監督のおかげかと思います。」(ゆかちんさん) 盛り上がったのは「ティモンディ」高岸の139キロだった。「今日先発で同郷の秋山の球速と変わらへんのすごい」(りょうかなさん)「こんな感じの抑えピッチャーいそう」(ニコラ☆★さん) 親交のある秋山と"共闘"した高岸。美しいフォームと剛速球に絶賛の声が絶えなかった。

◆代走の阪神植田海内野手が大きな盗塁を決めた。 1点を追う9回1死。四球で出た梅野に代わって一塁へ。次打者への2球目、変化球を見透かしたかのようにスタートを切った。得点にはつながらなかったが、矢野監督は「(植田)海の走塁というのは、彼なら当たり前」と評価。今季の4盗塁はいずれも1点差以内。「これからもどんどん思い切ってやってもらえたら」と指揮官は積極走塁を期待した。

◆「父の日」に、選手それぞれが青色の用具を身につけてプレーした。 大山らは試合前練習時に青色のバットを使用。梅野は青いリストバンド、佐藤輝や中野は青いテーピングを着用してプレーした。ピンク色を身につけた「母の日」に続き、それぞれの形で父への思いを表していた。

◆「父の日」の1発を兵庫・西宮市の自宅で見届けた佐藤輝明内野手(22)の父博信さん(54)は、この日も愛用のビールタンブラーでその本塁打をさかなにビールを飲んだ。 「今日もビールがうまいですね。でも、負けてしまったので、そこはおいしさ半減ですけど」。銀色のタンブラーは保冷効果抜群で、毎晩のようにビールや酎ハイを楽しんでいる。 このタンブラーは今から5年前の16年。佐藤輝が仁川学院高校3年の時の「父の日」に、次男、三男と一緒に買ってきてプレゼントしてくれたもので、ずっと愛用している。小さいころから佐藤輝にずっと近くで、アドバイスを送ってきた。寮生活となった近大でも試合での動画を送ってアドバイス。今も会えば野球談議に花が咲く。「父の日ではないんですが、小学2年の3月に描いてくれたんですよ」と似顔絵を今も大事にしている。 試合後の「一番応援してくれて、一番身近で支えてくれている」というコメントを聞き、「涙ですね」と喜んだ。54歳の誕生日だった4月25日はDeNA戦(甲子園)で6号2ランを放った。22日は母晶子さん(48)の誕生日。博信さんは「ぜひ、打ってほしいですね」と父に続く母へのバースデーアーチを願った。【石橋隆雄】

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が「父の日」に球団史上初のメモリアルアーチを放った。巨人戦の6回に左翼ポール際に、18号ソロ。球団新人が伝統の一戦で2戦連続本塁打を放ったのは初。父博信さん(54)に贈る技ありの1発だった。チームは巨人に連敗し、6ゲーム差に縮まったが、怪物スラッガーの勢いは止まらない。本塁打への確信はなかった。2点を追う6回。佐藤輝が近大の先輩右腕・畠の初球、外角低め152キロに素直にバットを出した。打球は逆方向に舞い上がる。「ちょっと打球が途中で失速していたので、どうかと思いましたけど」。左翼手亀井がフェンスにぶつかってグラブを伸ばした、すぐ上を越えた。打球速度170キロを超す弾丸ではなく、155キロながら強烈なスピンがかかって108メートルも飛んだ。伝統の一戦では球団新人初となる2戦連発だった。 父にささげるメモリアルアーチとなった。博信さんは86キロ級で講道館杯を優勝するなど柔道で名をはせた。佐藤輝の高校時代にはベンチプレスマシンを購入し、筋トレ部屋に「リフォーム」するなど、怪物スラッガーへと育て上げた。「一番応援してくれていて、一番身近で支えてくれているのが父だと思う。勝ちたかったですけど、個人的に1本打つことができてよかったですし、喜んでいると思います」。最愛の父への恩返しの1発となった。 18号で80年岡田彰布に並ぶ球団新人2位タイとなった。佐藤輝は「僕の中では監督をされていた時しか見たことがないですが、打者としてもすごい方だと思うので、並ぶことは非常にうれしい」とまた1人レジェンドに並んだことを素直に喜んだ。阪神新人1位の69年田淵幸一の22本にあと4本。新人左打者でも1位の46年大下弘(セネタース)の20本に2本差。まだ80試合を残し、40・85本ペース。このままなら、59年桑田武(大洋)86年清原和博(西武)の新人最多31本を抜く可能性も高い。 この日は右翼から左翼への浜風も強くはなかったが矢野監督は「輝の打球は逆方向へ右(打者)が打ったような打球を打てる。これからも逆方向へ打てる」と期待を膨らませた。この日も大谷が22号を放っており、今季7度目の"同日"本塁打となった。ベンチ前では恒例のZポーズ。試合がない21日は大好きなももいろクローバーZ高城れにの28歳の誕生日。前祝いの1発にもなった。巨人に連敗し今季6勝6敗のタイとなったが、佐藤輝がいる今年は巨人を恐れることはない。【石橋隆雄】 ▼ルーキー佐藤輝が2試合連続の18号。巨人戦で2戦連発した新人は99年に2度記録した福留(中日)以来22年ぶりで、阪神の新人では初めて。ちなみに、「伝統の一戦」と称される同カードで2戦連発した新人は、巨人では54年広岡、98年高橋、01年阿部の3人おり、佐藤輝が4人目。 ▼シーズン18本塁打は、球団の新人では69年田淵22本に次ぎ、80年岡田18本に並ぶ2位タイ。

◆阪神の7回裏の逆転劇にタイムがかかった。 1点を追う7回2死一、二塁。2番中野の代打北條の3球目が暴投となり、二、三塁に好機は広がった。北條が4球目を空振りし、カウント2-2になったところで巨人ベンチから原監督と桑田投手チーフコーチ補佐が飯塚球審のもとに歩み寄った。3人の会話のあと4人の審判が本塁ベース付近に集まった。 原監督が、審判が何を言っているのか分からない甲子園のスタンドは騒然となった。再び原監督が出てきて、2-2の状況で左腕高梨から右腕の鍵谷に交代を告げた。北條は鍵谷のスライダーに空振り三振に倒れチャンスは生かせなかった。 試合後、責任審判だった丹波二塁塁審は「最初、打者が北條選手の時に、球審が同一打者の時は投手は代えられないんで。最初のマウンドを桑田コーチが行ったのが打者・北條の時と思って最初断ったんです」と説明した。公認野球規則には「監督(またはコーチ)が投手のもとへ行った後、ファウルラインを越えて引き上げたら、その投手は、その打者がアウトになるか、走者になるか、または攻守交代になるまで投球した後でなければ退くことはできない。ただし、その打者に代打者が出た場合は、この限りではない」と明記されている。 飯塚球審は代打北條が出た後に桑田コーチがマウンドに行ったと思い、断った。だが、実際には高梨が1番近本に死球を与えた直後に桑田コーチはマウンドに行っていたため、2番中野に矢野監督が代打北條を告げる前だった。審判4人で「代打北條の前」を確認したために、同一打者には当たらず、カウント2-2からの投手交代を認めた。

◆巨人・松原聖弥外野手(26)が六回、阪神・秋山から右翼席へ先制の6号2ランを放った。 2017年育成ドラフト育成5位で入団し、18年に支配下登録を勝ち取った松原にとって、これが甲子園での初アーチ。宮城・仙台育英高時代は控え選手で、3年夏の甲子園出場時も1学年下の上林誠知(ソフトバンク)らをスタンドから応援していた遅咲きの左打者が、聖地でアーチをかけた。

◆好投していた阪神・秋山拓巳投手(30)が0-0で迎えた六回に痛恨の2ランを被弾だ。1死二塁。松原に内角直球を右翼席に運ばれた。 秋山は三回までパーフェクト投球。四回2死から丸に初めての出塁となる右前打を許したが、岡本和を変化球で左飛に仕留めた。五回先頭の北村に左前打。続く代打・香月を見逃し三振に封じた直後の一発だった。さらに、安打と四球で1死一、二塁とされたが、後続は打ち取った。 一方、打線は巨人の先発、高橋の前に一回と四回に1死一、二塁。五回も1死二塁と得点圏に走者を進めたが、好機であと一本が出ず、五回まで無得点。

◆阪神・佐藤輝明内野手(22)が六回、2試合連続となる18号本塁打を放った。 「点を取られた直後だったので、ホームランという形で、まず1点をかえすことができて良かったです」 2点を奪われた直後の六回2死走者なし。巨人の2番手・畠の内角低めの144キロ直球を左翼席に運んだ。 この一発で、1980年の岡田彰布氏(元阪神監督)に並び、阪神の新人本塁打記録の田淵幸一氏(22本塁打)まで、あと4本とした。

◆先発した阪神・秋山拓巳投手(30)は6回4安打2失点で降板。リーグトップに並ぶ7勝目はならなかった。 「真っすぐが少し散らばっていたので、それをうまく利用して試合は作ることができたと思います。ただ相手に先制点を与えてしまい、リードされている状況でマウンドを降りてしまい、悔しいです」と振り返った。 阪神先発・秋山拓巳=甲子園球場(撮影・中島信生) 秋山は三回までパーフェクト投球。好投を続けていた六回1死一塁から松原に2ランを被弾した。今季は巨人相手に2戦2敗。「巨人に勝たなければ、という気持ちはある」と話していたが、またも宿敵から勝ち星は奪えなかった。

◆阪神は打線が5安打1得点と沈黙した。巨人3連戦を1勝2敗と負け越して、2位・巨人、ヤクルトとのゲーム差は「6」となった。ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)が0-2の六回、左翼ポール際に2試合連続となる18号ソロ。だが、奪った得点はこの一発だけ。得点圏に計5度、走者を置いたが、好機であと一本が出なかった。 先発の秋山は6回98球を投げて4安打2失点の粘投も今季3敗目(6勝)。0-0の六回、松原に2ランを被弾。一発に泣いた。 6回、阪神・佐藤輝は近大の先輩に当たる畠世周から本塁打を放った=甲子園球場(撮影・松永渉平) 佐藤輝は、岡田彰布が1980年に記録した球団の新人本塁打記録の歴代2位に並び、同1位の田淵幸一(69年)の22本塁打まで、あと「4本」とした。

◆阪神はD1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=の18号ソロによる1点のみ。巨人との3連戦は初戦は取ったものの、負け越しとなった。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 (テレビインタビュー) ーーあと一本というゲーム 「一本出なかったなという印象ですね。全体的には何とかしのいで、何とかしようという姿勢は見せてくれた。そこは仕方ないと思います」 ーー九回の植田の盗塁(1死から梅野が四球で出塁し、代走で二盗に成功) 「彼なら当たり前というぐらいの選手なので。どんどん思い切ってやってもらえたらと思います」 ーー6回2失点だった秋山は 「内容もよかったですしね。粘ろうという意識で。梅野ともいい呼吸でピッチングをしてくれたので。ホームラン(六回に松原に浴びた2ラン)は避けたかったですけど、これも勝負なので。仕方がないと思います」 ーー復帰の岩崎はどう見えた(八回に登板し、1安打無失点) 「しっかり腕を振って投げられていましたしね。体も気持ちもリフレッシュして。初めての登板でゼロで抑えたのは、これからにつながると思うので。心配ないと思います」 ーー佐藤輝は左方向への一発(六回の18号ソロ) 「浜風は普段であればああいうふうにレフトに打球が伸びるんで。輝の打球は本当に左が打ったというより右が打ったような逆方向の打球を打てるので。これからも逆方向へのホームランも打てると思います」 ーー3連戦は1勝2敗 「頭はいい形で攻撃、先制できて取れたんで。2つ、3つといきたかったのは正直な気持ちですけど。全体的に状態が下がっているとか重いとか、そういう感じはないんで。しっかり受け止めてまた明後日から試合を戦っていきます」(記者の取材に)ーー七回2死一、二塁で中野に代打・北條「高梨という左に対してね、左(打者)がかなり苦しいんで、いろんなピッチャーがいるなかでも、ちょっと左の分が悪いところなんで、ジョーで勝負に行ったというところです」ーーカウント2―2から投手を鍵谷に代えた「そこは相手のやることなんでね。こちらには関係ないというか、全員で点を取っていくというのには変わりはないんで。それは相手側のことなんで」ーー秋山の六回の本塁打について「細かいところまでは見られてるわけじゃないんでね。ある程度うまく打ったのかなというのもあるし。でもホームランになったことは狙ったところよりも甘く入ったのかなとも思うし。それも勝負に行った中でのことだと受け止めています」ーー佐藤輝が逆方向への一発「元々あっちには打てるんでね。攻められ方もインサイドが多くてホームラン的には逆方向は少ないけど。普通に打てば、あっちの方向に打てるバッターなので、輝の打球かなと思います」ーー5番ですごく機能しているの「打順は俺の中ではどうこうないけど、状態的に1本出たら、もう1本出たり、1発で仕留められるボールを打ったりという中で言うと、上がっているのかなと思います」ーー巨人・高橋に3敗目「それは、しっかり考えていきます」ーー巨人戦は6勝6敗のタイに「それも途中の結果のことなので、追い越したり追い越されたりすることもあると思うんで、今考えるよりは、戦いが先なので、どうこうは考えていないです」

◆珍しい投手交代劇だった。1点リードの七回2死二、三塁。投手交代のタイミングを巡って、巨人・原辰徳監督(62)が審判に歩み寄って確認し、球場内が騒然となるシーンがあった。 7回、巨人・高梨の交代を告げる原監督と桑田・投手チーフコーチ補佐=甲子園球場(撮影・桐原正道) この回から登板した高梨が2死一塁で近本に死球を与えたところで、桑田投手チーフコーチ補佐がマウンドで高梨に一声かけてベンチへ戻った。次打者・中野の場面で阪神は代打・北條を起用。北條から空振りを奪ってカウント2ー2としたところで、原監督と桑田投手コーチ補佐がベンチを出て審判に何かを確認し、塁審が集まって協議した後、再び原監督がベンチを出て高梨から鍵谷への投手交代を宣告。鍵谷は1球で北條を三振に仕留めた。 この場面について、試合後、丹波二塁塁審が説明した。「球審が『同一打者の時は投手は代えられないので』と、最初にマウンドへ桑田コーチが行ったのが打者・北條の時と思って最初は断ったんです。でも、実際は打者・中野の状態の時に桑田コーチが行っていた。その場合は代打で(打者が)代わっているので、同一打者に当たらず、代えられる。(二)塁からはケガなのか、何か分からなかったので、そのやり取りで一応4氏で確認して、中野選手から北條選手に代わったタイミングで確認したので、それでOK出したんです」と説明した。投手を交代しようとした原監督に対し、球審は当初、交代できないタイミングとしたが、それに対して原監督が確認を求め、交代できるタイミングであると判断が覆ったとみられる。原監督は試合後、「問題はないと思いますね」と話した。

◆巨人の高橋が5回を無失点で切り抜け、チームメートの戸郷と並んでリーグトップの7勝目を挙げた。前日19日に同じ3年目で3歳下の戸郷が7勝目をマークしており「先に勝って僕に重圧をかけてきた。そういった部分でもチーム内の競争なので」と年長者の威厳を示した。 快調にアウトを重ねた阪神の秋山とは対照的に、ピンチの連続だった。五回2死二塁では、外角低めの直球で中野から空振り三振を奪ってガッツポーズをつくった。代打を送られた六回に打線が先制し「みんなでつかんだ1勝」と感謝。今季、阪神には3戦3勝とした。

◆大山が奮起せにゃ!! 通算465本塁打の強打者で18歳で近鉄の4番打者を務めた本紙専属評論家、土井正博氏(77)と2008年阪神担当キャップの大澤謙一郎運動部長(49)が巨人戦に負け越した矢野阪神を緊急チェック。佐藤輝4番説を持ち出した大澤に対し、土井氏は「4番は大山。何クソ根性で奮起してほしい」とハッパ。詰まることを恐れず、間を取ってバットを振り切ることを求めた。 ◆世紀のV逸08年にトラ番・大澤「心配」 大澤 阪神は3連戦の初戦を勝ちましたが、そこから連敗。惜しい試合を落としたのが、もったいなくて...。僕は世紀のV逸があった2008年のトラ番なので、これだけ貯金があっても心配で心配で...。 土井 えらい、弱気やな。阪神はこれだけ貯金があるのだから、ドシっと構えていればいいんですよ。確かに今の打線の状態はしんどいですが、辛抱していれば交流戦の最後のようにチーム状態は上がってきます。 大澤 原監督は好投の先発高橋に早々に代打を送る攻めの采配で先制点を取りました。 土井 巨人は必死ですよ。引き分けではダメ、絶対勝たないといけない状況ですから。 大澤 巨人は七回代打北條の打席途中で左腕高梨から右腕鍵谷にスイッチする必死継投。負けじと代打の代打・糸井も考えられたのでは? 土井 むしろ中野をそのまま打席に送らせてもよかったかもしれません。左もうまく打つので、お前に任せたよという感じで。何度も言いますが阪神はドシっとしておくことが大事です。 大澤 佐藤輝が2試合連発。18号です。八回は勝負してくれませんでした。好機で凡フライが目立つ大山に代わって4番佐藤輝の方が期待できそうですが...。 ◆土井「大山はまずしっかり振る」 土井 今季の4番は大山。私は入団1年目、18歳で別当監督から(近鉄の)4番を任されました。先輩もいて神経を使いました。もっと落ち着いたところを打たせてほしいと思っていましたよ。大山は佐藤輝に負けんと、何クソ根性で奮起してほしい。フライが多いのはボールを捕まえていないから。詰まることを恐れてポイントが前になっているので、こすったようなスイングになっている。佐藤輝は引き付けてガン!! と振っているので、振り遅れても六回の一発のように左方向へ本塁打が出る。打球方向は考えず、まずしっかり振る、その結果、どこへ飛ぼうが構わないという形が理想です。大山の場合は1、2の3の「の」がない。間を取って「どこでもいらっしゃい...」という感じで打てばいい。 大澤 チームも大山もドシっと構えておくことが肝要なんですね。

◆案ずるな! 阪神は巨人に1-2で敗れたが、ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が六回に2試合連発となる18号ソロ。1980年の岡田彰布に並ぶ球団新人2位とした。3カードぶりの負け越しで巨人、ヤクルトとは6ゲーム差とされたが、心配無用。宿敵にガブリとかみついた輝がいる限り、大丈夫や! ◆甲子園では初!! 左方向へアーチ 左翼ポール際へ白球が飛び込む。先制され、肩を落としていた虎党は息を吹き返したかのように拍手を送った。D1位・佐藤輝(近大)が2戦連発となる18号ソロを放ち、宿敵・巨人を相手に強烈な爪痕を残した。 「ちょっと打球が途中で失速していたのでどうかと思いましたけど、追いかける場面でしたし、ホームランになってよかったです」 0―2の六回2死、近大の先輩、畠の初球だった。外角低め、152キロをコースに逆らわず、はじき返す。高々と舞い上がった打球は浜風に乗り、フェンスオーバー。2試合連発。甲子園では左方向に初のアーチだ。◆岡田彰布に並ぶ阪神新人歴代2位18号これで18本塁打とし、1980年に岡田彰布が記録した球団の新人本塁打記録の歴代2位に並んだ。「(岡田さんは)僕の中では監督をされていたときしか見たことがないですけど、バッターとしてもすごい方だと思うので、そういった方に並ぶことができたことは非常にうれしい」。このカードは1勝2敗で負け越し。巨人との今季の対戦成績も6勝6敗のタイになった。Gには07年に14勝9敗1分けとして以来、13年連続勝ち越しなしと苦い記録が残る。今季は首位を走っているとはいえ、やはり宿敵に負けるのは悔しい。だが、気を落とすことはない。今季は佐藤輝がいる。四回は左前打を放ち、3打数2安打1四球。入団直後から「負けられない戦い」と話す巨人戦でここまで打率・326(46打数15安打)と相性が良く、〝Gキラー〟を証明する。リーグ制覇のためにも避けられない巨人から2戦連発と怖さを植え付けた。矢野監督も「輝の打球は本当に左が打ったというより右が打ったような逆方向の打球を打てる。普通に打てば、あっち(左翼)の方向に打てるバッターなので、輝の打球かな」と絶賛した。◆父・博信さん「ホンマ親孝行な子です」父の日だった。父・博信さん(54)にはこれまでも多くの贈り物をしてきた。8歳のときに贈った似顔絵は額に入れて大切に保存されている。仁川学院高時代には兄弟全員でタンブラーをプレゼントした。そして、今度は父の日弾-。博信さんが「いいプレゼントをしてくれました! (4月25日の)誕生日にも打ってくれたし、22日は妻(晶子さん)の誕生日なので、いい前祝いになりましたね。ホンマ、親孝行な子です」と喜べば、佐藤輝も「一番応援してくれていて、一番身近で支えてくれているのが父。勝ちたかったですけど、個人的に1本打つことができてよかった」と感謝を伝えた。2位で並ぶ巨人、ヤクルトとは6ゲーム差と縮まった。まだ、焦ることはない。虎には孝行息子がいる。誰が相手でも打ちまくり、Vへと導く。(菊地峻太朗)

◆果敢に動いた。だが、敵はもっと動いた。カウント2-2からの投手交代を成功させる形となってしまい、打撃好調のD6位・中野(三菱自動車岡崎)に送った代打・北條は空振り三振。矢野監督の勝負手は、あと一歩のところでかわされた。 「そこは相手のやることなんでね。こちらには関係ないというか、全員で点を取っていくということに変わりはない」 ◆中野に代打・北條も空振り三振 両軍ベンチが激しく策をぶつけ合った。打席の途中での投手交代に、たしかに場内はどよめいた。それでも虎将としては、原監督を相手にしている以上、どんなことでも起こり得るということは承知していた。打てる手は打ったが、捕まえきれなかった。 「高梨という左に対してね、左(打者)がかなり苦しいんで。ジョー(北條)で勝負に行った」 1-2の七回に、左腕の高梨がマウンドに上がった。四球と死球で2死一、二塁のチャンスが生まれ、中野を迎えたところで球審に「北條」の名を告げた。チームトップの打率・290を誇り、5月以降の34試合のうち31試合にフル出場をさせてきた中野を、思い切って代えた。まだベンチには糸井もいたが、ここは右だと腹を決めていた。 ◆カウント2-2からの投手交代 しびれる一球一球が続き、カウント2-1からの暴投で、一打逆転の2死二、三塁へと状況が変わる。さらに1球ストライクののち、原監督がベンチを立った。2ストライクからの投手交代で、イヤな間ができたのち、北條は〝1球で〟空振り三振を喫した-。 昨年も8月6日(甲子園)には野手の増田大がマウンドに上がり、9月7日(東京ドーム)の顔合わせでは、今回と同様に、ボーアがカウント1-2から大竹に代わって登場した大江に空振り三振に斬られていた。星も6勝6敗の五分に戻ったが、何が起こってもおかしくない伝統の一戦だ。 「追い越したり追い越されたりすることもあると思う。それ(対戦成績は)は今考えるというよりは、戦いをやるということが先。あまりどうこうは考えていない」 この日も巨人を意識したオレンジのサングラスを装着した。もっともっと意識して、どんな策にもやり返す。(長友孝輔)

◆東京五輪もOK-。岩崎が1-2の八回、3日のオリックス戦(甲子園)以来17日ぶりに実戦登板。先頭の松原に中前打を許したが、切れのある直球と変化球を投げ分けて後続を絶った。 矢野監督は「体も気持ちもリフレッシュして、しっかり腕を振って投げられていた。(復帰後)初めての登板でゼロで抑え、これからにつながる。心配ないと思います」と声を弾ませた。 岩崎は不調のため4日に出場選手登録を抹消され、18日に昇格。青柳、梅野とともに東京五輪の代表選手に選出されると「オリンピックまでは1点もやらないぐらいの気持ちでやっていきます」と意気込んでいた。 16年ぶりの優勝を目指す虎、そして金メダルを目指す稲葉ジャパンにとっても、セットアッパーの完全復調は心強い?

◆形あるもの以上の、最高のプレゼントだ。0-0の六回1死一塁。巨人・松原聖弥外野手(26)が敵地・甲子園球場で初アーチとなる決勝の6号2ランを放った。 「何とか入ってくれて良かった。(甲子園での本塁打は)やっぱり、うれしい。他の球場と違う感じはある」 秋山が投じた内角直球に腕をたたみ、ライナーで右翼ポール際に突き刺した。緊迫した投手戦の均衡を破った。 憧れの聖地でプレーヤーとして輝いた。宮城・仙台育英高3年夏はチームが甲子園に出場した中、1学年下の上林誠知(ソフトバンク)らをスタンドから太鼓係として応援した。あれから8年。明星大(首都大学リーグ)に進んでから才能を開花させ、育成入団からはい上がった苦労人が、夢にまで見た甲子園でアーチを架けた。 決勝2ランを放った松原(左端)を、坂本(中央)らはガッツポーズで迎えた(撮影・中島信生) 20日は父の日。ITベンチャー企業「SPinno」の代表取締役CEOを務める父・秀樹さんからは毎日のようにLINEが届く。野球未経験ながら、内容は打撃フォームの指摘や配球を読む助言、翌日の対戦投手の動画など。「野球のことは口出ししてこんでほしい」と笑うが、「ずっと感謝はしています。ここまで育ててくれてありがとうございますと伝えたい」と愛を語った。 チームは首位・阪神との直接対決を2勝1敗で勝ち越し、ゲーム差を6に縮めた。松原は「おとん、そういうの嫌いなので」とプレゼントは贈っていないというが、孝行息子の活躍が何よりの恩返しになった。(樋口航)

◆悔しい~! 巨人によもやの連敗で対戦成績が6勝6敗と並ばれてもうたがなぁ...。それでも、貯金は19もあるし、2位とのゲーム差も6ある。慌てない! 慌てない!! と言いつつ、ちょっぴり内心ハラハラしているのだ。 ペナントレースというのは生き物というか、流れが大きくこの先を左右するというか...。まさか、潮目が変わった? そんなの絶対に嫌だ!! 次の中日戦は打線大爆発で、不安をかき消してくれー!! しかし、五回まで1安打だった秋山が、伏兵・松原に一発を食らうか~!! 厳しいことを言うなら心の隙? あ、そーいえば俺も、その投球内容に安心して秋山の打席で「よっ、高校通算48本塁打の〝伊予のゴジラ〟、一発打ったれ~」と浮かれていたなぁ...。えっ、この黒星、俺の責任かァ?

◆強いとは思えなかった巨人が、強いチームの勝ち方を見せた。今後を占う意味で、この1勝は大きい。崖っぷちから、希望の丘へと、引っ越したようなものだから。 苦戦していた秋山から、松原の一発で2点。北條の打席途中に高梨から鍵谷にスイッチするなど、継投もズバリ。 そもそも、1点差ゲームを競り勝つのは強い方だ、と相場が決まっている。しかも、敵地での3連戦を勝ち越し、対戦成績も五分に戻した。独走ムードすら醸し出していた阪神にとって、ダメージは深いだろうね。 もちろん、巨人もこのままでいいわけはない。何より必要なのは、前日も指摘したように、クリーンアップがそろい踏みして、怖がられる打線に戻すこと。相手になめられたかのような投手起用をされているうちは、本物ではないよ。(本紙専属評論家)

◆巨人の高橋優貴投手(24)が5回を無失点で切り抜け、チームメートの戸郷と並んでリーグトップの7勝目を挙げた。前日19日に同じ3年目で3歳下の戸郷が7勝目をマークしており、年長者の威厳を示し今季、阪神には3戦3勝とした。元巨人監督の堀内恒夫氏(73)は21日、自身のブログで「欲を言えば高橋は5回じゃなくてもう少し投げてくれれば尚良し、だな」と今後に期待していた。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
40212 0.656
(↓0.011)
-
(-)
80283
(+1)
224
(+2)
68
(+1)
60
(+1)
0.254
(↓0.001)
3.250
(↑0.02)
2
(-)
巨人
322510 0.561
(↑0.007)
6
(↑1)
76271
(+2)
244
(+1)
83
(+1)
41
(-)
0.252
(↓0.001)
3.490
(↑0.04)
2
(-)
ヤクルト
32257 0.561
(↑0.007)
6
(↑1)
79273
(+2)
255
(+1)
67
(+1)
41
(+1)
0.249
(↓0.002)
3.790
(↑0.05)
4
(-)
中日
26319 0.456
(↓0.008)
12
(-)
77193
(+1)
210
(+2)
37
(+1)
31
(+1)
0.240
(-)
3.070
(↑0.01)
5
(-)
広島
21338 0.389
(↓0.007)
15.5
(-)
81218
(+8)
270
(+10)
42
(+1)
33
(+1)
0.257
(↑0.002)
3.940
(↓0.11)
6
(-)
DeNA
22379 0.373
(↑0.011)
17
(↑1)
75278
(+10)
345
(+8)
67
(+2)
14
(-)
0.257
(↑0.001)
4.860
(-)