オリックス(☆3対2★)広島 =交流戦2回戦(2021.06.12)・京セラドーム大阪=
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広島
0000020002600
ORIX
03000000X3700
勝利投手:田嶋 大樹(3勝4敗0S)
(セーブ:平野 佳寿(0勝1敗5S))
敗戦投手:森下 暢仁(3勝4敗0S)
  DAZN
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◆オリックスが2010年以来となる交流戦優勝を決めた。オリックスは2回裏、2死満塁の好機で福田が走者一掃の適時三塁打を放ち、3点を先制する。投げては、先発・田嶋が5回無失点。その後は5投手の継投でリードを守り、田嶋は今季3勝目を挙げた。敗れた広島は、打線が6回の好機を生かしきれなかった。

◆打線が好調なオリックスだが、10日巨人戦、11日広島戦と2試合続けて完封勝ち。 オリックスが3試合連続完封勝利となれば、阪急時代の71年6月5~8日以来、球団50年ぶりの快記録となる。

◆オリックスは2回2死満塁から1番福田が走者一掃の先制適時三塁打を放った。広島打線はオリックス田嶋の前に3回まで無得点。 広島は6回無死満塁から5番会沢が押し出し四球で1得点。続く坂倉の併殺打の間に1点を返して、1点差まで詰め寄る。 オリックスが1点差を守り切り、引き分けを挟んで今季初の5連勝。田嶋は3勝。平野佳は5セーブ。広島は2引き分けを挟んで今季最長タイとなる6連敗で借金11。森下は4敗。

◆交流戦Vはオリックスだ! オリックスが、10年以来11年ぶり2度目となる交流戦優勝を果たした。 勝っても負けても、次なる得策を練る。オリックスは交流戦17試合で同一オーダーを組んだことはない。中嶋監督は常々「全員が戦力なので。より良い状態を見極めて。ベストな状態を探していく」と話すように、スタメン表は一部が日々変化する。 救援陣も固定化しない「日替わり継投」で豊富なバリエーションを披露してきた。守護神には今季メジャーから古巣に4年ぶり復帰した平野佳が君臨。救援陣は、能見投手兼任コーチを筆頭に、ヒギンス、富山、K-鈴木、山田、村西、漆原、比嘉、沢田らでリレーをつないできた。 先発陣も充実している。山本は交流戦3試合に先発して3勝。高卒2年目左腕の19歳宮城も2勝と続き、山岡、田嶋、山崎福、増井も1勝ずつと役割を果たしてきた。 "ささやき戦力アップ"も効いている。中嶋監督はNPB最長となる1軍実働29年の捕手出身監督。就任当時からの「対話重視」は変わらない。ラオウこと杉本は状態が上がらず悩んだ時期に「(監督に)年間を通してずっと良い状態が続くわけがない。誰でも絶対、疲れてきたり感覚がおかしくなるときがある」と言われ、心が楽になった。「調子が良いときは、そっとしてくれて。悪くなったときに、僕が言って欲しいことをいつも言ってくれる。精神面も打撃面の技術も。いつも、本当にありがたいです」と感謝を忘れない。 中嶋監督は試合前練習でも動き回る。外野グラウンドで練習する投手陣と談笑すると、ノックを受ける外野手や打撃マシンでバント練習する選手たちに積極的に声かけをする。19歳遊撃手の紅林が「監督のために恩返しがしたい」と話すように"マスク越し"のささやき効果は抜群。試合中のベンチでは自軍の得点に歓喜し、両拳を突き上げたかと思えば、冷静にペンを持ってメモを取る姿に、選手たちは奮起する。 これで引き分けを挟み、今季初の5連勝で、貯金を2とした。交流戦Vを自信に、ペナントレースでも96年以来、25年ぶり悲願の優勝へ-。胸の鼓動を高鳴らせる。誰かが誰かを助け、全員で勝ち進む。【真柴健】 ▼オリックスが10年以来、2度目の交流戦優勝を決めた。オリックスは昨年のパ・リーグ最下位で、今季の交流戦前は18勝22敗7分けの勝率4割5分。前年リーグ最下位球団が交流戦で優勝は09年ソフトバンク、10年オリックス、18年ヤクルトに次いで4度目となり、交流戦開始前の勝率は18年ヤクルトの3割9分5厘、10年オリックスの4割2分1厘に次いで低い。オリックスは2度とも前年最下位で交流戦開始前に負け越しからの優勝だった。

◆広島森下暢仁投手(23)が、6回3失点の粘投も打線の援護に恵まれず今季4敗目を喫した。「日本生命セ・パ交流戦」のオリックス戦に先発。両軍無得点の2回に3点を先取され、打線は6回に押し出し四球と内野ゴロで2点を返すのが精いっぱい。先発陣が14試合連続で勝ち星がないのは11年以来10年ぶりの屈辱となった。オリックス戦は18年から8連敗で、チームは2分けを挟み今季ワーストタイの6連敗。借金は11にふくらんだ。森下をもってしても、負の連鎖を止めることができなかった。両軍無得点の2回、長短打と四球で2死満塁のピンチを招き、明大の先輩のオリックス福田に逆球の高め直球をスペースのあった左中間に運ばれ、走者一掃の適時三塁打を許した。「インコースにしっかり投げ切れなかった事が、反省点です」と悔やんだ。 結果的に6回3失点で、先発としての役割は果たした。しかし野手陣が足を引っ張ってしまった。3点を追う6回には無死満塁のチャンスを作りながらも、21イニングぶりの得点となる押し出し四球と内野ゴロで2点を奪うのが精いっぱいだった。佐々岡監督は「一気に畳み掛けるというところで、勢いを感じない」と指摘。守備でも記録に残らないミスもあっただけに「(2回は)取ってほしい打球もあった」と嘆いた。 先発が勝てない試合が続く。5月19日巨人戦の九里を最後に先発は14試合連続で勝ち星がなく、22試合連続だった11年5月7日~6月6日以来10年ぶりの屈辱だ。打線も総得点数がリーグ最下位の175点にとどまる。指揮官は「打線が全く機能していない。先発が我慢してる試合でも、先に点を取られると、追いつく力がないというか。今は流れが悪い」と頭を抱えた。 チームは2分けを挟み今季最多タイの6連敗で借金は最多の11まで膨らんだ。指揮官は「まずは先発投手がしっかり守って、攻撃にいい流れを持ってこれるように」と期待した。森下は昨季の3敗を早くも上回り、3勝4敗でプロ入り後初の負けが先行となった。「次はチームが勝てるような投球をしたい」と切り替えた。オリックスには18年から8連敗中。交流戦がなかった昨季を除く3年連続の3タテだけは何としてでも阻止したい。【古財稜明】

◆交流戦Vはオリックスだ! オリックスが、10年以来11年ぶり2度目となる交流戦優勝を果たした。 中嶋聡監督は球団を通じて「選手たちが本当によく頑張ってくれた。(MVPは)もう全員ですね。誰1人欠けてもこのような成績をあげることはできなかった」とコメントした。 無観客試合での交流戦優勝決定に「まだシーズンは続きますけど、このような機会はなかなかありませんので、見て頂きたかったのはあります。もっと喜んでもらえる結果を秋に見ていただけるように頑張ります」と目線を上げた。 オリックスは引き分けを挟んで今季初の5連勝。5カード連続の勝ち越しで、貯金を2とした。

◆オリックス・リードオフマンの福田周平内野手が決勝の3点三塁打を放った。 2回に下位からつないで2死満塁とし、カウント3-2から広島森下の151キロ直球を捉えて左中間へ運び「正直(外野に)落ちるかどうか分からなかったのでうれしかった」と喜んだ。5月11日に再昇格して1番に定着した交流戦の打率は3割7分9厘と好調。優勝に「監督に良いプレゼントになった」と喜んだ。

◆交流戦、優勝だ! オリックスが広島に競り勝ち、11年ぶり2度目の優勝を果たした。2回に福田の三塁打で3点を先制。先発田嶋が5回無失点で踏ん張り、6回以降は小刻み継投でしのいだ。1分けを挟んで今季初の5連勝、貯金を2とした。交流戦Vを自信にペナントレースでも25年ぶりの優勝へ-。誰かが誰かを助ける"日替わり救世主"で勝ち進む。オリックスには優勝賞金3000万円が贈られる。ゲームセットの瞬間、中嶋監督は右拳を突き上げた。ベンチでグータッチを終えた後、ナインを迎えて拳を合わす。"マスク越し"に声を掛ける姿は現役時代から変わらない。 10年以来の交流戦Vに「選手たちが本当によく頑張ってくれた」とねぎらい、MVPは「もう全員。誰1人欠けてもこのような成績をあげることはできなかった」と日替わりヒーローたちをたたえた。 観察、声掛け、確認...。中嶋監督のささやきが選手たちを鼓舞する。昨季途中に監督代行を務め、今季が就任1年目。NPB最長となる実働29年の捕手出身監督。就任当時から「対話重視」は変わらない。「全員が戦力。ベストな状態を探していく」と勝っても負けても、次策を練る。交流戦17試合、全てで日替わりオーダーを組んだ。 人間味あふれる秋田出身の52歳。昨季途中に「一緒に1軍に行くぞ」と大阪・舞洲の風呂場から連れ出したラオウこと杉本は、悩んだ時期に「ずっと良い状態が続くわけない。誰でも絶対」と言葉をもらい、心が楽になった。好調時は「そっとしてくれる」。不調時には「精神面も打撃面の技術も。言ってほしいことを言ってくれる」と指揮官の察知能力に感謝する。 開幕から遊撃で起用されている19歳紅林は「監督に恩返しがしたい」。8日巨人戦の9回2死、中堅守備で目測を誤り、打球を後逸した福田は「僕のミスで引き分けに。(翌日は)いつも通りでした。まだ使ってくれるということは...。期待に応えたい」。大事な"優勝決定戦"で2回2死満塁から走者一掃の三塁打で3点先制を呼んだ。 今季初の5連勝でパ・リーグでは首位楽天と3ゲーム差、2位ソフトバンクに1ゲーム差。視界良好、ペナントの頂点も見える。この日は無観客試合だっただけに、指揮官は「見ていただきたかった。もっと喜んでもらえる結果を、秋に見ていただけるように」と宣言。96年以来のリーグ優勝へ-。歩みを止めない。【真柴健】 ▽オリックス森川球団本部長(優勝賞金の3000万円の使い道について)「決まったばかりなので、これからじっくり検討します」 ◆オリックス10年交流戦優勝VTR 岡田監督1年目、借金6のリーグ戦4位で交流戦に入った。坂口、後藤、T-岡田や北川、カブレラらの打線が活発で、チーム打率2割9分7厘、145得点は交流戦トップ。岡田監督は平常心を保つため「優勝」の2文字を封印し「アレ」と表現。最終戦で横浜に勝ち、16勝8敗で初優勝を果たした。パの全チームが勝ち越したため、リーグ順位は4位で交流戦前と変わらなかったが、貯金を2とした。ただ、リーグ戦に戻ると交流戦のような勢いを保てず、最終的には69勝71敗4分の借金2で5位に終わった。今年は10年のように失速せず、V争いに参戦できるか。

◆オリックス田嶋大樹投手が5回4安打無失点で今季3勝目を手にした。 直近3試合は序盤の失点が続いて計14回0/3で17失点。自身3連敗中だっただけに「捨て身の覚悟で。自分を崖っぷちに立たせてダメなら仕方ない」と決意して上がったマウンドで5月8日ロッテ戦以来、約1カ月ぶりの白星。「打ち込まれて、次どうなるか」と気持ちを込めた92球だった。

◆交流戦、優勝だ! オリックスが広島に競り勝ち、11年ぶり2度目の優勝を果たした。2回に福田の三塁打で3点を先制。先発田嶋が5回無失点で踏ん張り、6回以降は小刻み継投でしのいだ。1分けを挟んで今季初の5連勝、貯金を2とした。交流戦Vを自信にペナントレースでも25年ぶりの優勝へ-。誰かが誰かを助ける"日替わり救世主"で勝ち進む。オリックスには優勝賞金3000万円が贈られる。 ▼オリックスが10年以来、2度目の交流戦優勝を決めた。オリックスは昨年のパ・リーグ最下位で、今季の交流戦前は18勝22敗7分けの勝率4割5分。前年リーグ最下位球団が交流戦で優勝は09年ソフトバンク、10年オリックス、18年ヤクルトに次いで4度目となり、交流戦開始前の勝率は18年ヤクルトの3割9分5厘、10年オリックスの4割2分1厘に次いで低い。オリックスは2度とも前年最下位で交流戦開始前に負け越しからの優勝だった。

◆オリックス・福田周平内野手(28)が先制の3点三塁打を放った。 「1打席目からすごくスピンを感じるストレートだったので、そのストレートに負けないようにしっかりと振り切ることを考えて打席に入っていました。少し詰まって打球が上がってしまいましたが、いいところに飛んでくれたと思います!」 二回に広島先発・森下を攻め、2死満塁の好機。フルカウントからの6球目、151キロの直球にバットを出すと、打球は左中間へ。広島中堅手・西川のグラブのギリギリ横に落ちる当たりとなり、走者一掃の三塁打となった。 5月8日のロッテ戦(ZOZO)以来の勝ち星を目指す先発の田嶋も4回まで無失点。 チームはこの日の広島戦に勝利し、中日が●、楽天とDeNAが●か△で、2010年以来、2度目の交流戦の優勝が決定。オリックスが広島と引き分けても、中日、楽天、DeNAが●なら、優勝が決まる。

◆オリックス・田嶋大樹投手(24)が、先発して5回を4安打無失点と好投した。 一回、先頭の菊池涼に左前打を許し、その後、2死三塁とピンチを背負うが、4番の鈴木誠を三ゴロで無失点。二回、三回と三者凡退に打ち取り、粘りの投球で5回をゼロ封した。 田嶋は5月8日のロッテ戦(ZOZO)で挙げた2勝目以降、4試合白星なしの自身3連敗中と、ここ最近は苦しんでいたが、この日は本来の姿を発揮。「1イニング1イニング集中してマウンドに上がっていました。投げている感覚もよかったですし、なんとかゲームを作ることができてよかったです。ここまでよくない内容が続いていましたが、しっかりと気持ちの整理をして修正できたと思いますし、次につながるピッチングができたと思います」と振り返った。

◆オリックスが1分けを挟んで5連勝。二回は2死満塁から福田の三塁打で3点を先制。田嶋が5回4安打無失点で3勝目。六回以降は小刻みな継投でしのぎ、平野佳が5セーブ目。広島は好機であと一本が出ず、6連敗を喫した。

◆オリックスが2010年以来、11年ぶり2度目の交流戦優勝を決めた。この日の試合は先発の田嶋大樹投手(24)が5回を4安打無失点と好投し、5月8日のロッテ戦(ZOZO)以来、今季3勝目をマークした。 勝ったオリックスナイン=京セラドーム大阪(撮影・薩摩嘉克) 打線は二回2死満塁の好機で、福田周平内野手(28)が左中間へ走者一掃の三塁打。これが決勝打となり、チームは引き分けを挟んで2年ぶりの5連勝で、今季初の5カード連続勝ち越し。今季の交流戦を11勝5敗1分けとし、デーゲームの中日、DeNA、楽天がそれぞれ敗れたため、交流戦優勝が決まった。

◆広島は1点差に迫ったが及ばず、今季2度目の6連敗となった。佐々岡監督は「打線が全く機能していない。先に点を取られると追い付く力というのがない」と厳しく指摘した。 五回までオリックスの田嶋の前に無得点。3点を追う六回は制球の不安定な2番手、村西から2四球と安打で無死満塁の絶好機を得た。会沢の押し出し四球で1点を返したが、坂倉は二ゴロ併殺打でこの間に2点目。続く堂林も二ゴロに倒れ、反撃ムードはしぼんだ。 浮上のきっかけをつかめない状態が続き、佐々岡監督は「一戦一戦という中で、また明日」と自らに言い聞かせるように話した。

◆オリックス・田嶋大樹投手(24)が、先発して5回を4安打無失点と好投し、約1カ月ぶりの白星となる今季3勝目をマークした。 「この1カ月、苦しい状況で、自分で抱え込んでいた。トレーナーさんだったり、裏方さんが僕の心の支えとか、温かい言葉を送り続けてくれていた。こんだけ周りの人に支えてもらえていたんだ、と気づけて。これだったら、もうちょっと楽に行こうかな。そんなに抱え込んでマウンドに上がらなくても大丈夫だな、と思えた。そこが一番、デカかった」 田嶋は5月8日のロッテ戦(ZOZO)以来で挙げた2勝目以降、4試合白星なし。自身3連敗中と、ここ最近は苦しい投球が続いていた。 「いままで人をあまり頼れなかった。今回、いろんな人に温かい言葉をかけてもらって、どうにか気持ちをつなげられた。そういう経験は初めてだった。自分の味方になってくれる人がこんなにいたんだ、と。暗い話ですけど。そう思ったんです。もうちょっと自分らしさを出してもいいのかな。楽な気持ちでマウンドに上がっていいのかな、と」 周囲に励まされ、この日はマウンド上で躍動。一回、先頭の菊池涼に左前打を許し、その後、2死三塁とピンチを背負うが、4番の鈴木誠を三ゴロで無失点。二回、三回と三者凡退に打ち取り、粘りの投球で5回をゼロ封し、白星をつかんだ。 前回5日の中日戦(バンテリンドーム)では4回4失点とKOされたが、打者としては四球で出塁。「母親から『久々に走者に出た姿、見たよ』って言われて。なんか、4回でまた試合壊した。俺、ダメだなと思っていたけど、母親がそう言ってくれて、こういう見方をしてくれる人もいるんだ、と。トレーナーさんたちもいろいろ言ってくれて、もうちょっと楽に上がろうと思って。一人だけ、と抱え込まなくていいと。余裕持てた」。周りの支えに感謝し、次戦も勝ち星を目指す。

◆広島の森下は6回を6安打3失点にまとめたものの黒星先行の4敗目を喫した。「六回まで粘り強く投げられたことは良かったが、チームが勝てなかった」と責任を背負った。 二回は不運とも思える安打も重なり、3点を失った。2死一塁で紅林の強い当たりを遊撃の小園が止められずに二塁打とされた。さらに2死満塁からの福田の飛球を必死に追った中堅手の西川が捕れず、左中間に落ちて3点三塁打となった。森下は「内角に投げ切れなかった」と打たれた自らを責めた。

◆2年ぶりに開催されたプロ野球の「日本生命セ・パ交流戦」は12日、首位オリックスが広島に3―2で勝ち、優勝の可能性が残っていた中日、DeNA、楽天が敗れたため、11年ぶり2度目の優勝が決まった。交流戦は16日に全日程が終了し、セ、パ両リーグ同士の対戦は18日から再開する。 ■田嶋復活!5連勝で決めた■ オリックスの11年ぶり2度目の交流戦優勝を祝うビジョン=京セラドーム 中嶋オリックスが初の勲章を手にした。チームにとっては2010年以来、11年ぶり2度目の交流戦制覇。2年ぶりの5連勝&5カード連続の勝ち越しと、猛牛軍団の快進撃は最後まで止まらなかった。 「(交流戦優勝は)とてもいいことだとは思いますが、まだまだ試合は続きますからね。選手たちが本当によく頑張ってくれたということだと思います」 捕手として1995、96年のリーグ連覇を経験した指揮官が大喜びすることはない。目指すのはあくまでも25年ぶりのリーグ覇者。それでも、チームの好調ぶりを表す最高の結果となった。 若い先発陣は安定感抜群。6勝をマークしている22歳の山本、19歳の宮城を中心に、山岡や山崎福、ベテランの増井らがゲームメーク。そして、この男が〝復活〟すればさらに勢いづく、というのが、この日先発の24歳左腕、田嶋だった。 5月8日のロッテ戦での2勝目から1カ月以上、勝ち星から遠ざかっていた。同22日のソフトバンク戦からは3試合連続で大量失点。だが、指揮官はこの日も先発マウンドに送り込んだ。 田嶋も期待に応えた。5回無失点と快投。「トレーナーや裏方さんが僕の心を支えてくれた。野手の方、中継ぎ陣の方に感謝しかない」。奮起を見せた姿に、指揮官は「何とか取り返そうとする姿が必要。それを見せてくれたら僕は我慢できる」と目を細めた。 コロナ禍で大阪は緊急事態宣言が出ているため、土日は無観客試合となっている。「このような機会はなかなかありませんので、見ていただきたかったのはあります。もっと喜んでもらえる結果を秋に見ていただけるように頑張ります」と中嶋監督はファンに誓った。交流戦の快進撃でパ・リーグ5位から3位に浮上。首位の楽天には3ゲーム差だ。秋には球場でファンと喜びを分かち合う。(西垣戸理大)

◆中嶋監督が監督代行の昨季から掲げてきた「勝利と育成の両立」が実を結び、交流戦優勝につながった。 開幕前には山岡、山本、田嶋の若き先発陣を柱として託し、新守護神には大卒3年目の漆原を起用。二遊間を高卒3年目の太田、高卒2年目の紅林に託した。若手主体の布陣。当然、ミスによる敗戦も多かった。それでも指揮官は「誰でもミスはある。そこの精度をどう上げていくか。本人がどう考えるか」と起用し続け、奮起を促した。内野手登録で野球人生で外野初挑戦の福田を中堅手として使いながら育成し、救援に失敗したK─鈴木には、リベンジの機会をすぐさま与えた。 指揮官から「前を向くやつしか使わない」という言葉をかけられた選手たちも、期待に応えた。正遊撃手に定着してきた紅林は「僕のせいで負けた試合もあった。監督にはミスしてもずっと使ってもらっていて、感謝しかない」と頭を下げる。 将は対話重要視しており、不調に陥った杉本には「誰でも感覚がおかしくなるときは来る。粘っていけよ」と声をかけ、杉本も「僕が言ってほしいと思っていることをいつも言ってくれる。ありがたい」と感謝する。中嶋監督を中心に、選手内で生まれている一体感が、強さの秘訣だ。(オリックス担当・西垣戸理大)

◆オリックスは交流戦の最初のカードでセ・リーグ最下位のDeNAに大味な戦いで負け越した(●3―10、〇14―5、●8―11)が、そこからよく立て直したし、ようやくチームとして、かみ合い始めたと感じる。 もともと今年は、負けている試合でも相手を苦しめていた。あと一本出れば、あと一死とれば、というところで勝ち切れない印象だった。勝利の味を知らない若い選手が多い中で、そこをどう埋めるのかみてきたが、交流戦で特に感じたのは「粘り」だ。 相手投手に球数を多く投げさせるシーンが目立った。福田が16球目を適時打(6日の中日戦)するなど、相手に楽に投げさせない、嫌だなと思わせる粘りは、確実に増した。この日も二回2死二、三塁で若月が粘って四球を選び、福田の3点三塁打につなげた。大味だったチームが、結果が出て、成功体験を重ねることで、つなごうという意識が全体に浸透しているように感じる。 個々の能力はあるだけに、こうなれば面白い。課題は救援陣、抑え投手だが、ベテランの平野佳を軸にK-鈴木ら若い選手をどう使っていくか。そこがうまく機能すれば...。わたしは開幕前の順位予想でオリックスを台風の目としたが、それ以上、一番上を狙えるチームになれる。(本紙専属評論家)

DAZN

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ORIX
1151 0.688
(↑0.021)
-
(-)
187
(+3)
62
(+2)
12
(-)
5
(-)
0.286
(↓0.002)
3.620
(↑0.11)
2
(-)
中日
962 0.600
(↓0.043)
1.5
(↓1)
155
(+3)
61
(+7)
15
(+1)
8
(-)
0.250
(-)
3.500
(↓0.12)
3
(2↑)
阪神
1070 0.588
(↑0.025)
1.5
(-)
176
(+9)
71
(+1)
19
(+3)
22
(-)
0.246
(↑0.002)
3.430
(↑0.16)
4
(1↓)
DeNA
863 0.571
(↓0.044)
2
(↓1)
187
(+3)
92
(+4)
24
(-)
3
(-)
0.299
(↓0.003)
5.130
(↑0.04)
5
(1↓)
楽天
971 0.563
(↓0.037)
2
(↓1)
173
(+1)
68
(+9)
15
(+1)
7
(-)
0.266
(↓0.006)
3.840
(↓0.33)
6
(-)
ヤクルト
980 0.529
(↑0.029)
2.5
(-)
174
(+4)
68
(+2)
21
(+2)
13
(-)
0.263
(↓0.001)
4.030
(↑0.14)
7
(1↑)
巨人
773 0.500
(↑0.038)
3
(-)
168
(+11)
66
(+4)
23
(+3)
9
(+2)
0.253
(↑0.013)
3.740
(↓0.01)
8
(2↑)
西武
564 0.455
(↑0.055)
3.5
(-)
377
(+7)
80
(+3)
23
(-)
4
(-)
0.280
(↑0.004)
4.990
(↑0.15)
9
(2↓)
ロッテ
791 0.438
(↓0.029)
4
(↓1)
180
(+4)
79
(+11)
16
(-)
17
(-)
0.262
(↓0.003)
4.480
(↓0.42)
10
(1↓)
ソフトバンク
584 0.385
(↓0.032)
4.5
(↓1)
164
(+2)
50
(+4)
18
(+1)
9
(-)
0.238
(↓0.001)
2.860
(↓0.01)
11
(-)
日本ハム
6100 0.375
(↑0.042)
5
(-)
252
(+4)
65
(+3)
6
(-)
10
(-)
0.235
(↑0.005)
3.660
(↑0.05)
12
(-)
広島
293 0.182
(↓0.018)
6.5
(↓1)
444
(+2)
75
(+3)
9
(-)
12
(+1)
0.251
(↓0.004)
5.130
(↑0.13)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
38192 0.667
(↑0.006)
-
(-)
84267
(+9)
210
(+1)
64
(+3)
56
(-)
0.255
(↑0.001)
3.250
(↑0.04)
2
(-)
巨人
302310 0.566
(↑0.008)
6
(-)
80258
(+11)
229
(+4)
79
(+3)
41
(+2)
0.255
(↑0.003)
3.460
(-)
3
(-)
ヤクルト
29247 0.547
(↑0.009)
7
(-)
83257
(+4)
241
(+2)
61
(+2)
38
(-)
0.251
(-)
3.810
(↑0.03)
4
(-)
中日
25289 0.472
(↓0.009)
11
(↓1)
81180
(+3)
196
(+7)
33
(+1)
30
(-)
0.240
(-)
3.020
(↓0.04)
5
(-)
広島
18298 0.383
(↓0.008)
15
(↓1)
88175
(+2)
222
(+3)
35
(-)
30
(+1)
0.254
(↓0.001)
3.780
(↑0.01)
6
(-)
DeNA
20359 0.364
(↓0.006)
17
(↓1)
79249
(+3)
317
(+4)
61
(-)
12
(-)
0.254
(-)
4.770
(↑0.01)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
楽天
32249 0.571
(↓0.011)
-
(-)
78261
(+1)
239
(+9)
52
(+1)
28
(-)
0.244
(↓0.001)
3.510
(↓0.09)
2
(-)
ソフトバンク
292511 0.537
(↓0.01)
2
(-)
78274
(+2)
223
(+4)
58
(+1)
45
(-)
0.258
(-)
3.260
(-)
3
(-)
ORIX
29278 0.518
(↑0.009)
3
(↑1)
79262
(+3)
248
(+2)
59
(-)
19
(-)
0.255
(-)
3.610
(↑0.03)
4
(-)
ロッテ
27288 0.491
(↓0.009)
4.5
(-)
80295
(+4)
272
(+11)
62
(-)
51
(-)
0.252
(-)
4.100
(↓0.12)
5
(-)
西武
242612 0.480
(↑0.011)
5
(↑1)
81250
(+7)
262
(+3)
53
(-)
53
(-)
0.250
(↑0.002)
4.090
(↑0.02)
6
(-)
日本ハム
21345 0.382
(↑0.012)
10.5
(↑1)
83186
(+4)
255
(+3)
31
(-)
34
(-)
0.224
(↑0.001)
3.880
(↑0.01)