楽天(★2対3☆)阪神 =交流戦1回戦(2021.06.11)・楽天生命パーク宮城=
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阪神
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楽天
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勝利投手:青柳 晃洋(5勝2敗0S)
(セーブ:スアレス(1勝0敗20S))
敗戦投手:涌井 秀章(6勝4敗0S)

本塁打
【阪神】マルティネス(12号・6回表2ラン)
【楽天】茂木 栄五郎(10号・2回裏ソロ)

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◆阪神が接戦を制した。阪神は2点を追う5回表、糸井の適時打で1点差に迫る。続く6回には、1死三塁からマルテの2ランが飛び出し、逆転に成功した。投げては、先発・青柳が8回2失点の力投で今季5勝目。敗れた楽天は、打線が3回以降は無得点と振るわなかった。

◆阪神のロベルト・スアレス投手(30)は、5月13日中日戦から10試合連続セーブ。連続試合セーブの記録は98年佐々木(横浜)の22試合だが、阪神では08年藤川の11試合が最長。今日もセーブを挙げると球団記録に並ぶ。

◆阪神の糸原健斗内野手(28)とジョー・ガンケル投手(29)が1軍に合流し、楽天生命パークで行われる楽天戦の試合前練習に参加した。糸原は出場選手登録され、代わりに前日先発したラウル・アルカンタラ投手(28)が抹消された。 糸原は開幕から「2番二塁」で40試合に出場し打率3割7厘とチームを引っ張ってきたが、5月19日に下肢のコンディショニング不良で出場選手登録を抹消されていた。6月5日のウエスタン・リーグ中日戦(ナゴヤ)から4試合2軍戦に出場し10打数4安打の打率4割を残している。糸原は「チームに戻ってくることができてうれしく思っています。離脱してしまいチームに迷惑をかけてしまったので、今日からまたチームの勝利のためにガムシャラにプレーしていきたい」とコメントした。 また、ガンケルは今季先発で負けなしの5勝を挙げるも右肩の張りで5月10日に出場選手登録を抹消された。6月6日ソフトバンク戦の予告先発が発表されていたが、前日5日に喉の痛みと頭痛を訴えて登板を回避。検査の結果、新型コロナウイルスは陰性だった。ルール上、6日にいったん出場選手登録され、翌7日に特例2021対象選手として登録を外れていた。球団によると、この日までに再度検査を受けて陰性が確認されている。交流戦の最終戦となる13日楽天戦での先発を任される。

◆阪神糸原健斗内野手(28)が26日ぶりに1軍スタメン復帰した。 下肢のコンディショニング不良で5月19日に出場選手登録を抹消されていたが、この日再登録されて即「7番二塁」で先発する。5月16日巨人戦以来の1軍スタメンとなる。 「8番左翼」には糸井嘉男外野手(39)が入った。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、祖父母の前で走った。2点ビハインドで迎えた5回先頭の第2打席。四球で出塁すると、2死となった8番糸井への3球目にスタートを切った。今季5盗塁目を成功させると、捕手太田の送球が乱れる間に三進。その後、糸井の内野安打で生還した。 走るだけではもちろん終わらない。マルテの本塁打で逆転に成功した6回には、フルカウントから中前打。バットでもきっちりと存在感を見せた。 この日は宮城・村田町に住む父方の祖父勲さんと祖母美智恵さんが、佐藤輝がプロに入って初の生観戦に訪れた。高校まで毎年、盆と年末に帰省し「テル」と呼ばれかわいがられた祖父母の前で躍動。第1打席は左飛に倒れたが、走って打って。祖父母孝行のため躍動している。

◆楽天は1回に島内の先制適時三塁打、2回に茂木の10号ソロで2点を先取。先発涌井は3回まで無安打無失点。 阪神は5回に糸井の二塁内野適時安打、6回にマルテの12号2ランで逆転。先発青柳は6回まで4安打2失点。 阪神が逃げ切り4連勝。青柳が8回2失点で5勝目。スアレスが20セーブ目。楽天は涌井が7回3失点も4敗目。

◆阪神が接戦を制して4連勝を飾り、今季最多の貯金を18に増やした。 2点を追う5回、まずは8番糸井嘉男外野手(39)の適時内野安打で1点差に。続く6回に3番ジェフリー・マルテ内野手(29)の12号2ランで逆転した。 先発した青柳晃洋投手(27)は8回2失点で自身3連勝となる今季5勝目。守護神ロベルト・スアレス投手(30)は1点リードの9回を3者凡退に仕留め、両リーグトップの20セーブを記録した。

◆阪神が4連勝で貯金を今季最多の18に増やした。先発青柳晃洋投手(27)が8回2失点の力投で5勝目。6回にジェフリー・マルテ内野手(29)の12号2ランで逆転した。 ヒーローインタビューでのマルテの一問一答は以下の通り。-ナイスバッティングでした (日本語で)ありがとうございます! -本塁打の打席はどんな意識で 1打席目あんまりいい感じじゃなかったので、しっかりと修正していかなくちゃなと思った中で、いい打席が送れて本当にうれしいです。 -本塁打は狙っていたか いい「ラパンパラ」ができるタイミングではあったので、そういう意味ではみなさんと共有できてうれしく思います。 -ここ6試合で打点7。調子がいい そう思いますね。自分のいい状態がきてからチームもしっかりと勝っているので、それもうれしいですし、ファンのみなさんと勝利を一緒に分かち合えることが本当にうれしいです。 -青柳の好投をどう見ていたか 素晴らしい仕事をしてくれましたね。なぜか分からないですけど、青柳投手が投げる時はいつも私も打てるので、そういう意味では私自身としてもチームとしても本当にうれしいです。 -ファンへメッセージを みなさん3・2・1と言うので、ラパンパラで終わりましょう! 3・2・1、やっ!(ラパンパラを披露)。ありがとうございます!

◆阪神先発の青柳晃洋投手(27)が2戦連続で8回を投げ切り、2失点で5勝目を挙げた。 序盤2回までに2点を失ったが、3回以降は「0」を重ねる我慢の投球。すると打線が6回マルテ12号2ランで逆転してくれた。「初回に先制点を与えてしまったので、何とか最少失点でという気持ちで。マルちゃんの1発のおかげで勝つゲームだったので、ホント、何とかその点数を守ろうと頑張って投げました」。 今季は甲子園での先発が3度雨で流れるなど「雨柳さん」ぶりを発揮していたが、この日は快晴の楽天生命パークで快投を演じた。

◆阪神ロベルト・スアレス投手(30)が、11試合連続セーブを挙げて08年藤川球児の球団記録に並んだ。 1点リードの9回に登板。5番岡島を156キロで空振り三振に仕留めると、6番茂木、7番銀次はともに直球を意識させながらチェンジアップで遊ゴロに仕留めた。3者凡退で両リーグトップ、2年連続の20セーブに到達した。 「11試合連続とかは知らなかったですけど、それだけチームがいい戦いをできていて、セーブをあげられる機会が多くあるということ。チームにどんどんいい戦いをしてもらって、自分も準備していくだけ」 本人は至って冷静だが、2連投でも150キロ台後半を連発して完全投球。矢野監督は「いや~もう本当にスアちゃん頼りというか。なんとかスアちゃんにつなぐということを考えている」と最敬礼。11試合連続セーブが始まった5月13日中日戦から約1カ月。難攻不落の守護神が首位独走を支えている。 ? ▼阪神スアレスが11試合連続セーブ。連続試合セーブの最長記録は98年佐々木(横浜)の22試合だが、阪神では08年の藤川と並び球団記録となった。スアレスはチーム58試合で20セーブで、シーズンだと49セーブとなる計算。球団最多07年藤川の46セーブを上回る快ペースで積み上げている。

◆楽天石井GM兼監督が信頼を置く涌井にハイクオリティーを求めた。1点リードの6回1死三塁、右腕が阪神マルテに決勝の逆転2ランを被弾。7回3失点も2回までに先取した2点を守りきれず。両リーグの首位対決初戦を落とし、交流戦首位から4位へ後退。指揮官は「ロースコアで勝負しないといけない。今日の彼に出されたお題というか、2点でどうにかしてくださいというゲームにはなっていた」と熱を込めた。 通算150勝を誇る17年目右腕だからこそ、苦言を呈した。逆転弾を浴びた場面は当然ながら前進守備。初球、外角を狙ったスライダーが真ん中高めへ甘く入った。「前進守備なので何とか押していかないといけない。初球は高くぼやけるものではなく、低めに投げきるキャリアを持っている選手。丁寧に、という次元のボールじゃなかった。ただ単に投げミス。あってはいけない場面。投げきってほしかった」。涌井への期待度が、やや早い口調に表れていた。 ? ▽楽天涌井(7回3失点で4敗目)「特にありません」

◆阪神糸原健斗内野手が26日ぶりの1軍戦で快音を響かせた。 下肢コンディショニング不良のリハビリを終え、この日出場選手登録されると即「7番二塁」でスタメン。7回無死、右前にライナーを運んだ。二塁守備では1回に先制点につながる失策もあったが、5回2死二塁では一、二塁間のゴロを好守してピンチを防ぐ場面も。「また勝利のためにがむしゃらにプレーしていきたい」と引き締めた。矢野監督は「しぶとい打者なんで。帰ってきてくれると、チームがまた一段と明るくなる」とムードメーカーの復帰を喜んだ。

◆阪神が4連勝で、今季最多の貯金18とした。先発の青柳が8回2失点の好投で、自身3連勝となる5勝目。1点差の6回にマルテの12号2ランで逆転した。9回に登板したスアレスは、08年藤川に並ぶ球団記録の11試合連続セーブを挙げ、両リーグトップの20セーブを記録した。 阪神矢野燿大監督(52)の一問一答は以下の通り -先発青柳は先手を取られながら8回まで粘った 「いやいやめちゃくちゃデカいよ。嫌なエラーからなんか、あっという間に(先手を)取られて、次もソロホームランを打たれて、ちょっと、ガクッと来そうな感じのところをね。結果8回まで行ってくれたっていうのはすごく助かったし。そういう粘りっていうところにまた成長ももちろん感じるし。マルちゃん(マルテ)のホームランはあるけど、やっぱりヤギのピッチングというのが一番、勝利の貢献度は高いよね」 -楽天涌井が良かっただけに、打線は5回に貴重な1点目 「2アウトから、テル(佐藤輝)が走って、嘉男(糸井)のボテボテで、ラッキーと言えばラッキーやけど。でも、うちの野球やれているというところの1点かなと思うし。涌井はタイミングとか、間とか、そういう外すのもうまい。対戦が少ない中ではみんな打ちにくそうにはしていたけど。崩せたまではいってないけど、なんとか追い越せたというのは、あの1点はきっかけになっているよね」 -マルテのホームラン 「いやあ、見事やったね。球種は俺には分からん...フォークかカット系か分からんけど。若干浮いたかなっていうところの球だったと思うけど、それを仕留めてくれたっていうのはね。やっぱりホームランって一気に流れを持ってこられるんで。マルちゃんの状態もまた(前カードの)札幌あたりから、ちょっと良くなってきているんで。ホームランで一気に追い越せたっていうのは、ムードがこっちに来た一打で最高でした」 -昨日から指名打者での起用もいい方に 「それは俺にはちょっと分からないけど、体の疲れとかね。ジェリー(サンズ)、マルちゃんはずっと出てるから。そういうところで今日も移動ゲームやし。俺の中ではそういうふうに思いながら、DHのところはやっているんで。どうか分からないけど、ジェリーもファーストをしっかりやってくれるというところで。チーム全体としてはマルちゃんDHっていうのができるんで。まあ、明日はファーストを守ってもらおうとは思っているけど」 -スアレスが11試合連続セーブ 「いや~もうほんとにね。スアちゃん頼りというか。なんとかスアちゃんにつなぐということを俺自身も考えているし。逆に昨日みたいに3点ある方がスアちゃんにとっては難しい。今日も連投になったけど、完璧な投球をしてくれたんで、明日からも...。まあ、あんまりスアちゃんばっかりとはいかないんだけど、なんとか明日は打線が打ってくれるといいけどね」。 -糸原が帰ってきたのも攻撃面でプラス 「もちろんもちろん。しぶとい打者なんでねえ。ランナー置いても嫌やし、チャンスメークもできるし。拓夢(中野)が今、機能しているというところで言うと、あの打順(7番)かなというところであそこに入れたけど。どこ打たせても健斗(糸原)ははまると思うし。今日もベンチでも元気も、エラーもあったけど、すごく元気出してやってくれているんで。ムード的な部分もすごく大きい。帰って来てくれると、チームがまた一段と明るくなるというか、そういう感じでいいね」

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手(29)が、逆転の決勝12号2ランを放った。1点を追う6回1死三塁。楽天涌井の高めに浮いた初球スライダーを見逃さず、左翼席の中段まで運んだ。ダイヤモンドを回り、一塁ベンチ前に帰ると、虎ナインは一斉に弓引きポーズの「ラパンパラ」で大盛り上がり。仙台の虎党に代名詞となったパフォーマンスを初披露し、打ったマルテもニンマリだ。 「甘くきたところを一発で仕留めることができた。みんなでつないでくれたチャンスだったから、かえすことができてよかったよ」 マルテは来日3年目で初のDH出場となった前日10日日本ハム戦(札幌ドーム)に続き、2試合連続で3番DHで登場。矢野監督は「体の疲れとかね。ジェリー(サンズ)、マルちゃんはずっと出ているから。今日も移動ゲームだから」とその理由を説明した。ここまでサンズが4試合、マルテが2試合でDH出場。計画的なDH起用法が結果につながっている。 開幕から3番に固定されるマルテだが、6月に入ってから10試合で打率3割2分4厘。直近6試合では3本塁打7打点と好調だ。球宴のファン投票では、セ・リーグ一塁手部門でトップを独走。11日の時点で10万票以上を集める。誰からも愛されるマルちゃんはヒーローインタビューで「3、2、1、ラパンパラ~」とファンと一緒にパフォーマンス。大満足の笑顔で楽天生命パークを後にした。【桝井聡】

◆8番左翼で出場した阪神糸井嘉男外野手が反撃のタイムリーを放った。 2点を追う5回2死三塁から涌井のシンカーに食らいつき、二塁内野安打とした。「輝の走塁に燃えました。どんな形でも1点を取ることができてよかったです」。果敢な盗塁から相手の悪送球で三塁を陥れた近大後輩のプレーに奮起。今季5度目のスタメン起用となったベンチの期待に39歳のベテランが応えた。

◆阪神が接戦を制して4連勝を飾り、今季最多の貯金を18に増やした。

◆おじいちゃん、おばあちゃんのために。阪神佐藤輝明内野手(22)がセパ首位対決となった「日本生命セ・パ交流戦」の楽天戦で、4連勝&最多貯金18を呼び込んだ。 宮城在住の祖父母を招待した敵地戦。四球出塁した5回に5個目の盗塁を決めて反撃の口火を切ると、マルテの2ランで逆転した6回は中前打を決めた。12日は日米179勝の田中将と注目のモノノフ対決。交流戦逆転Vへ望みをつなぐ1発で連日の祖父母孝行だZ!おじいちゃん、おばあちゃんの元気な姿は、何よりの活力になる。祖父母がスタンドで見守る中、佐藤輝がハツラツと楽天生命パークを駆け回った。2点を追う5回に2死から四球出塁。8番糸井の3球目にスタートを切った。「2死だったんで、思い切りいきました」。猛烈なスライディングでプロ5盗塁目を決めると、送球がそれる間に一気に三進。その後、糸井の内野安打で生還し、1点差に迫った。ルーキーが反撃、逆転勝ちの口火を切った。 この日は宮城に住む祖父母が観戦に訪れた。父方の祖父勲さん(82)と、祖母美智恵さん(82)が住む村田町には高校まで毎年、盆と年末に帰省。小学1年から野球を始めて以降は、勲さんが所有する敷地の一部を整地して作られたテニスコートで、帰省のたびに特訓した。試合前にはメールで「頑張るよ!」と活躍を誓い、6回はマルテの逆転弾に続いて会心の中前打。第2の故郷へ、阪神佐藤輝として初めての"帰省"は祖父母孝行の1日となった。 走って打って躍動する孫の姿に勲さんは「大学の時よりも1回り大きくなった」と成長を実感。「このまま1歩ずつ進んでほしいなと。(これまでも)急にガタ落ちしたことがあるんで。着実にやってもらえればいいなと思います」と目を細めた。孫を思う心は、佐藤輝の力になっているはずだ。 2人は残り2戦も観戦予定。「願わくば、1本でいいんでホームランを打ってほしいなと思います」。祖父の"おねだり"に孫も気合が入る。「明日、明後日も見に来てくれると思うんで、もっとホームラン、打点とかそういうのも見てもらいたいです」。いつも応援してくれる祖父母へ、特大のアーチを届けるつもりだ。 チームは逆転勝ちで4連勝。貯金を今季最多の18に増やし、交流戦初Vにも望みをつないだ。勢いに乗り、12日の予告先発、田中将に挑む。「球界を代表する投手の1人。そういう投手に自分がどれだけやれるか。自分は自分のすることをするだけ。いつも通りと思っています」と引き締めた。「ももいろクローバーZ」のファン同士で球界を代表する"モノノフ"対決。先輩撃ちで、もっとおじいちゃん、おばあちゃんを喜ばせる。【中野椋】 ○...佐藤輝が右手に着けているのは「走塁ガード手袋」と呼ばれ、ボールを投げる利き手のけがを防止するアイテムで、1日のオリックス戦から使用している。MLBの流れを受けてNPBは18年5月8日から使用解禁。サイズは縦30センチ以内、幅13センチ以内に定められている。巨人も坂本の負傷を機に採用した。 ◆阪神が楽天を下し交流戦4連勝。阪神の交流戦4連勝は15年6月3~7日にロッテ、日本ハムにそれぞれ2勝して以来。阪神の交流戦最大連勝は08年の6連勝。

◆阪神先発の青柳晃洋投手(27)が、プロ初勝利の仙台で8回2失点と粘投し、今季5勝目を挙げた。 楽天涌井との投手戦は先に失点する苦しい展開。初回に糸原の失策から先制点を許し、2回にも茂木の10号ソロで2点目を失った。それでも「何とか最少失点でという気持ちで、ずっと投げていました」と粘りの投球で3回から「0」を重ねた。 好投が6回、マルテの12号2ランを呼んで逆転。「マルちゃんの1発のおかげで勝つゲームだったので、ホント、何とかその点数を守ろうと頑張って投げました」。1点リードを8回まで守り抜き、守護神スアレスに直接バトンを渡した。矢野監督も「めちゃくちゃデカいよ。(序盤に)ガクッと来そうな感じのところを、8回までいってくれたのはすごく助かった。一番勝利の貢献度は高いよね」と絶賛した。本来の8回の男岩崎が戦列を離れリリーフ陣が苦しい中、2試合連続で8回まで投げ抜いた。 球場名が「コボスタ宮城」だった16年6月1日、ルーキーだった青柳はプロ初登板初先発で初勝利を挙げた。予定していた先発横山が故障し、代役で5回3安打1失点。「あの時はもうホント、何だろうな。プロ野球選手じゃなかったというか、多分アマチュアみたいな投球だった」と思い返した。それ以来の仙台のマウンド。5年前は制球難で5回5四死球を与えたが、5年後はしびれる展開で8回1四球2失点。「初登板の場所でこういう投球ができたので、すべてが成長かなと思います」。穏やかな言葉の中に、先発の柱としての自信がにじみ出た。 今や東京五輪の侍ジャパンに選出濃厚なほど、変則下手投げ「クオータースロー」への期待度は高い。今季は甲子園での先発が3度雨で流れるなど「雨柳さん」ぶりを発揮し、球宴ファン投票セ先発部門でも3位と人気が高い。人気も実力も球界を代表する選手に成長したと実感する、仙台の夜となった。【石橋隆雄】 ◆阪神青柳のプロ初勝利VTR ドラフト5位入団した16年、6月1日の楽天戦(コボスタ宮城)にプロ初登板初先発。故障で離脱した横山の代役先発マウンドで、当時の金本監督に「バッターの打ちにくさに期待して出した」と送り出された。5回で3安打5四球も要所で粘って1失点に抑え、狩野恵輔の3ランなど援護も受けてプロ初勝利を挙げた。阪神新人右腕のデビュー戦先発勝利は1959年(昭34)村山実以来で、ドラフト制後の5位以下では球団初の快挙だった。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)がセパ首位対決となった「日本生命セ・パ交流戦」の楽天戦で、4連勝&最多貯金18を呼び込んだ。四球出塁した5回に5個目の盗塁を決めて反撃の口火を切ると、マルテの2ランで逆転した6回は中前打を決めた。 ▼佐藤輝が右手に着けているのは「走塁ガード手袋」と呼ばれ、ボールを投げる利き手のけがを防止するアイテムで、1日のオリックス戦から使用。MLBの流れを受けてNPBは18年5月8日から使用解禁。サイズは縦30センチ以内、幅13センチ以内に定められている。巨人も坂本の負傷を機に採用した。

◆阪神のドラフト1位・佐藤輝が足で魅せた。0-2の五回。先頭で楽天先発・涌井から四球をもぎとると、2死後に糸井の打席で今季5盗塁目となる二盗に成功。さらに、捕手からの送球が乱れる間に三進した。 そして近大の先輩でもあり、日本ハム時代の2008年9月27日の西武戦(札幌ドーム)以来、4640日ぶりに8番でスタメン出場した糸井が二塁への適時内野安打を放った。 祖父母が住む仙台で虎の黄金ルーキーが勢いをもたらし、ようやくスコアボードに「1」が刻まれた。

◆好調な助っ人が、試合をひと振りでひっくり返した。1-2の六回に先頭の近本が左翼への安打を放ち、その後1死三塁からマルテが楽天先発・涌井の133キロスライダーを完璧に捉え、今季12号となる逆転2ランを左翼席へほうり込んだ。 6回、2点本塁打を放つ阪神・マルテ=楽天生命パーク(撮影・宮沢宗士郎) 「甘くきたところを一発で仕留めることができたね。みんなでつないでくれたチャンスだったから、かえすことができてよかったよ」と声を弾ませた。 4試合ぶりの一発で、ベンチ前では恒例のラパンパラポーズを仙台の虎党へ披露。その後、二死走者なしからD1位・佐藤輝(近大)もこの日初安打となる中前打を放ち、猛虎打線が勢いづいてきた。

◆楽天の茂木が2年ぶりに2桁本塁打をマークした。1―0の二回先頭で、青柳の初球、内角高めの141キロを捉えた。高々と舞い上がった打球が右翼席へ届き「ストレートに力があるので、ストレートに振り負けず、コンパクトにスイングしようと意識した」と納得の一発となった。 若手の黒川の台頭もあり、今月上旬に3試合続けて先発落ちを経験した。しかし先発に復帰した6日の広島戦で本塁打を含む3安打3打点と奮起し、再び正三塁手に定着した。「グラウンドに立ってチームを引っ張ることが一番いいこと」と意気込む主将が、積極的な打撃でチーム一番乗りで10号に到達した。

◆頼れる男が帰ってきた。この日出場選手登録されたばかりの糸原が、3-2の七回先頭で右前打を楽天先発・涌井から放った。下肢のコンディショニング不良のため、5月19日に出場選手登録を抹消され、5日のウエスタン・中日戦(ナゴヤ)から実戦復帰し、この日1軍の舞台へ舞い戻った。

◆好調な助っ人が、試合をひと振りでひっくり返した。1-2の六回に先頭の近本が左翼への安打を放ち、その後1死三塁からマルテが楽天先発・涌井の133キロスライダーを完璧に捉え、今季12号となる逆転2ランを左翼席へほうり込んだ。 「甘くきたところを一発で仕留めることができたね。みんなでつないでくれたチャンスだったから、かえすことができてよかったよ」と声を弾ませた。 4試合ぶりの一発で、ベンチ前では恒例のラパンパラポーズを仙台の虎党へ披露。その後、二死走者なしからD1位・佐藤輝(近大)もこの日初安打となる中前打を放ち、猛虎打線が勢いづいてきた。

◆阪神は逆転で4連勝を飾り、今季最多の貯金を「18」に伸ばした。D1位・佐藤輝(近大)は宮城県に住む祖父母が観戦した一戦で、1安打1盗塁と躍動。自慢の脚力で試合を動かしたのは、0-2の五回だ。先頭で四球を選ぶと、2死後に今季5盗塁目となる二盗に成功し、捕手の送球が乱れる間に三進した。 ここで日本ハム時代の2008年9月27日の西武戦(札幌ドーム)以来、4640日ぶりに8番でスタメン出場した糸井が二塁への適時内野安打を放った。「テル(佐藤輝)の走塁に燃えました。どんな形でも1点とることができてよかった」と近大の先輩でもある背番号7も、黄金ルーキーを称えた。 1-2の六回にはマルテの逆転2ランが飛び出し、先発した青柳は8回5安打2失点(自責1)で今季5勝目をマーク。9回に登板したスアレスは、登板11試合連続セーブで今季20セーブに到達した。

◆阪神は楽天に逆転勝ちで、4連勝。貯金は今季最多の「18」となった。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ーー青柳は先手を取られながら8回まで粘った(八回2失点) 「めちゃくちゃデカいよ。嫌なエラーから、あっという間というか(先制点を)取られて、次もソロホームランを打たれて、ガクッと来そうな感じのところをね。八回まで行ってくれたのは、すごく助かったし。マルちゃんのホームランはあるけど、やっぱりヤギのピッチングが一番、勝利の貢献度は高いよね」 ーー打線は涌井が良かっただけに貴重な1点目 「(五回の攻撃は)2アウトから、(佐藤)輝が走って、(糸井)嘉男のボテボテで、ラッキーと言えばラッキーやけど。うちの野球やれているというところの1点かなと思うし。涌井はタイミングとか、間とか、外すのもうまいし。対戦が少ない中で、打ちにくそうにはしていたけど。崩せたまではいってないけど、追い越せたのは、あの1点はきっかけになっているよね」 ーーマルテのホームラン(六回の逆転12号2ラン) 「いやあ見事やったね。球種は俺には分からん...フォークかカット系か分からんけど。若干浮いたかなっていうところの球だったと思うけど、仕留めてくれたのはね。やっぱりホームランって一気に流れを持ってこられるんで。マルちゃんの状態も札幌あたりから良くなってきているんで。ホームランで一気に追い越せた。ムードがこっちに来た一打で最高でした」――10日から指名打者での起用もいい方に「俺にはちょっと分からないけど、体の疲れとかね。ジェリー(サンズ)、マルちゃんはずっと出てるから。今日も移動ゲームやし。俺の中ではそういうふうに思いながらDHのところはやっているんで。ジェリーもファーストをしっかりやってくれるというところで。チーム全体としてはマルちゃんDHができるんで。まあ明日はファーストを守ってもらおうとは思っているけど」――スアレスが11試合連続セーブ「いや~もうほんとにね。スアちゃん頼りというか。何とかスアちゃんにつなぐということを、俺自身も考えているし。逆に昨日みたいに3点ある方がスアちゃんにとっては難しい。今日も連投になったけど、完璧な投球をしてくれたんで、まあ、明日からも...。まあ、あんまりスアちゃんばっかりとはいかないんだけど、何とか明日は打線が打ってくれるといいけどね」――糸原が帰ってきたのも攻撃面でプラス「もちろんもちろん。しぶとい打者なんでねえ。ランナー置いても嫌やし、チャンスメークもできるし。拓夢(中野)が今、機能しているというところで言うと、あの打順(7番・二塁でスタメン)かなというところで入れたけど。どこ打たせても健斗は、はまると思うし。今日もベンチでも元気で、エラーもあったけど、すごい元気出してやってくれているんで。ムード的な部分もすごい大きいんで。また帰って来てくれると、チームがまた一段と明るくなるというか、そういう感じでいいね」

◆楽天の涌井は勝負どころで制球が甘くなり、7回3失点で4敗目を喫した。2―1の六回は先頭の近本を2球で追い込みながらも3球目の速球を左前に運ばれ、失策で二塁に進まれた。1死後の三塁から、マルテには初球スライダーが浮いてしまう。左翼席へ放り込まれて逆転2ラン。手痛い失投に「特にない」と言葉少なだった。 交流戦の首位から転落した。石井監督は「近本君に2ストライクと追い込んだ後、もうちょっと幅を利かせた投球ができる場面で真ん中にいった。(マルテには)絶対に低く、ボールから入ってもいい場面」と残念がった。 島内(一回の先制三塁打でリーグトップの50打点目)「(浅村が)好走塁で帰ってきてくれての打点なので感謝です」

◆楽天・涌井秀章投手(34)が先発し、7回6安打9三振3失点(自責点2)で、4敗目(6勝)を喫した。試合後の石井一久監督(47)の一問一答は以下の通り。 --試合を振り返って 「試合前からロー・スコア・ゲームを予測していた。相手より1点多く取れなかったというか、相手が1点多く取ったゲームだと思います」 --涌井の投球内容について 「全体的に涌井は悪くなかったが、ずっと先頭打者を出塁させるとチーム的には苦しくなる」 --涌井は六回、マルテに逆転2ランを被弾。初球を運ばれた 「丁寧にという次元のボールではなかった。ただ単に投げミス。絶対に低いボールから入ってもいい場面なので、もしかしたら四球でもいいぐらいの感覚で投げてほしかったと思います」 --打線は先制後、得点できなかった 「どんどん点を取れるわけではないので、やはり2点を先制した中で、最低でも2失点のゲームにしなくてはいけなかった。きょう彼(涌井)に出されたお題は、2失点でどうにかしてくださいというゲームだったと思います」

◆阪神はマルテが豪快な一撃でリーグ首位対決の初戦勝利を呼び込んだ。1―2の六回1死三塁で逆転2ラン。涌井の初球、浮いた変化球を逃さずに仕留め、左翼席中段に打ち込み「いい打席が送れて本当にうれしい」と声が弾んだ。 6月に入って計3本塁打、7打点と絶好調。早くも、来日1年目の2019年に並ぶ自己最多の12号に「自分もいい状態で、チームもしっかり勝っているのもうれしい」と手応えを口にした。 4連勝の阪神は18、19年と負け越した交流戦でことしは勝率5割以上を決めた。 スアレス(登板した11試合連続でセーブを挙げ、20セーブ目)「それだけ、チームがいい戦いができている。自分自身も準備していくだけ」 佐藤輝(観戦に訪れた祖父母の前で1安打1盗塁)「きょうはチームに貢献できた。あすもあさっても、見に来てくれる。ホームランだったりを見てもらいたい」 糸井(五回に佐藤輝の盗塁でつくった好機に適時内野安打)「輝の走塁に燃えた。どんな形でも1点を取ることができて良かった」

◆青柳自身にとっても、チームにとっても、大きな1勝となった。一回は2死から失策を経て、適時打を許し、二回には先頭打者に本塁打を浴びて2点を奪われるなど、嫌な流れで失点した。このままズルズルと打たれてしまうのか、と感じたが、その後、本当に青柳は粘り強く投げた。 今までならストレートで内野ゴロを打たせていた。しかし、楽天打線に通用しないとバッテリーで判断し、三回以降はチェンジアップやスライダーなど変化球を交えて、見事に立ち直った。しかも八回まで投げ切った。その粘りが逆転劇を呼び込んだのは間違いない。 7回の投球を終えた阪神・青柳=楽天生命パーク宮城(撮影・塩浦孝明) ここまでの阪神の勝ちパターンは先制し、中押しやダメ押しで追加点を奪って、その得点を投手陣で守り切る形が多かった。しかし、序盤の劣勢ムードから持ちこたえ、少ないチャンスを生かした、この勝ち方は今までにない。私が冒頭に「大きな1勝」と書いたのは、そのような意味もある。 12日の第2戦の相手先発は田中将。アドバイスを送るとすれば「恐れ過ぎないこと」。前のイメージを持たずに打席に入ってほしい。どんな結果が出るか。楽しみだ。(本紙専属評論家)

◆スアレスが11試合連続セーブで、両リーグトップのセーブ数を「20」に乗せた。「11試合とかは知らなかったけど、チームに良い戦いを続けてもらって、自分自身もその状況に向けてしっかり準備をしていくだけ」と力強い。同点の九回に登板して引き分けに持ち込んだ5月11日の中日戦(甲子園)以降は登板した全11試合でセーブを挙げており、うち7試合が1点差。2008年に藤川球児が作った球団記録に並んだ。また、チームは今季、八回終了時にリードしていれば、引き分けすらない34連勝となった。

◆1-2の六回、マルテの逆転2ランが飛び出すと、青柳はベンチで手をたたいて喜んだ。粘投が報われた瞬間だ。今季最長タイの8回を投げて5安打2失点。我慢の投球で涌井に投げ勝ち、5勝目をゲットした。 「初回、二回と先制点を与えてしまったので、なんとか最少失点でという気持ちで(投げた)」 一回2死一塁から島内に右翼線へ適時三塁打。二回先頭の茂木に右翼席に運ばれ、マウンドで肩を落とした。だが、ここから踏ん張った。ツーシーム、スライダーをコーナーに投げ分け、クイックも交えて的を絞らせなかった。「マルちゃんの一発のおかげで、勝ちゲームになった」。試合後のヒーローインタビューを打診されたが「きょうはマルちゃんです」と譲った。感謝の気持ちだ。 仙台といえば、ルーキー時代の2016年6月1日の楽天戦(楽天生命パーク、当時はコボスタ宮城)で、プロ初登板初先発し、5回1失点に抑えて初勝利を挙げた思い出の地。それから5年の月日が流れた。 「あのときはプロ野球選手じゃなかったというか、アマチュアみたいな投球だった」 成長した部分は? との問いに「こういう投球ができたので、すべてが成長かなあ」と語った。矢野監督は「粘りにまた成長を感じるし。マルちゃんのホームランもあるけど、やっぱりヤギ(青柳)のピッチングが一番、勝利の貢献度は高いよね」と絶賛した。 この日、発表された「マイナビオールスターゲーム2021」の中間発表で、青柳は3万4248票を集めて、先発投手部門の3位に浮上。虎投の中では一番手だ。 「阪神の先発の中で一番、評価をしてもらっているのはうれしい。リーグ戦に戻っても、こういう投球ができるように頑張りたい」 自分の原点でもある仙台の夜空を眺めながら、誇らしげに笑った。(三木建次)

◆糸井が近大の後輩、佐藤輝に触発されて執念の適時内野安打だ。難敵の涌井を前に作った、チーム最初のチャンス。二塁前へのボテボテの当たりだったが、気迫のこもった全力疾走で生きた。 「輝(佐藤)の走塁に燃えました。どんな形でも1点取ることができて良かったです」 二塁も踏めずに0-2のまま迎えた五回2死三塁で〝近大コンビ〟が躍動した。5月30日の西武戦(メットライフ)以来10試合&11打席ぶりの安打で、百戦錬磨の好投手に待ったをかけた。 8日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来3試合ぶりのスタメン出場だったが、糸原が1軍復帰し、7番に入ったこの日は「8番・左翼」に入った。8番での先発出場は日本ハム時代の2008年9月27日の西武戦(札幌ドーム)以来で、実に13年ぶりのことだった。

◆杜の都でラパンパラポーズを決め、勝利の雄たけびをあげた。マルテが値千金の逆転2ラン。セ・パ首位対決第1戦に競り勝った。ひと振りでひっくり返し、試合後は仙台の虎党とノリノリのパフォーマンスを披露だ。 「いいラパンパラができるタイミングだったので、皆さんと共有できてうれしい。(ファンの)皆さん、今からスリー・ツー・ワンというのでラパンパラで終わりたいと思います。よろしくお願いします! スリー・ツー・ワン、イヤァ~?」 燃える闘魂、アントニオ猪木ばりにカウントを数え、一緒におなじみの決めポーズ。先発・涌井の投球術に翻弄され、2打席連続三振で迎えた六回。1点ビハインドで1死三塁から大仕事だ。初球、133キロの高く浮いたスライダーを一閃。打球は高々と舞い上がり、左翼席中段に着弾した。「1打席目がいい感じじゃなかったので、そこはしっかりと修正していかないと、と思った」。来日3年目の経験を生かし、試合中の自己分析もさえた。4試合ぶり、殊勲のアーチを「本当にうれしい」と喜んだ。〝雨柳さん〟と呼ばれるほど雨男の青柳だが、登板日のたびに背番号31の心は晴れやかだ。「なぜかわからないけど、青柳投手が投げるときは、いつも打てる」。今季58試合で打率・286、12発、33打点で、青柳が先発した10試合は同・303、3発、8打点。因果関係は不明だが、確かに好相性? を証明した。矢野監督も「いやあ、見事やったね。やっぱりホームランって、一気に流れを持ってこられる。ムードがこっちに来た一打で、最高でした」と絶賛した。来日1年目の2019年シーズンの自己最多にも並んだが、同年の12号は9月。進化の止まらないM砲は6月は3発7打点と絶好調だ。「自分がいい状態になってから、チームもしっかりと勝っている。ファンと勝利を分かち合えることも本当にうれしい」2試合連続のDHから12日は一塁でスタメン出場予定。頼れる助っ人が、虎を頂点へ引っ張り上げる。(新里公章)

◆孫、頑張ってます! 阪神は「日本生命セ・パ交流戦」でパ・リーグ首位の楽天に3―2で競り勝った。D1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=は0―2の五回先頭で四球で出塁すると、逆襲ののろしとなる二盗を決めた。宮城は父方の祖父母が住む第2の故郷。この日、スタンドで観戦したおじいちゃん、おばあちゃんの前でイキイキと躍動した。 杜の都に佐藤輝の名が響き渡る。スタンドでは孫を見つめる祖父・勲さん(82)と祖母・美智恵さん(82)の姿があった。第2の故郷での凱旋試合。祖父母に見せた激走が、虎に勝ち星を呼び込んだ。 「2アウトだったので、思い切りいきました!」 昨年のパ最多勝で、今季も6勝している通算150勝投手・涌井に対し、攻略の糸口をつかみきれないまま迎えた0-2の五回先頭。長打を警戒するバッテリーの前に一度もバットを振らせてもらえず、四球だった。2死となった糸井の打席。3球目で走った。執念の5盗塁目は相手捕手の悪送球を誘い、一気に三塁へ。必死で作った好機に近大の先輩が内野安打で応え、反撃のホームを踏んだ。 これでチームに流れが来た。1-2の六回1死三塁からマルテが12号2ランで逆転。矢野監督は「2アウトから輝(佐藤)が走って、嘉男(糸井)のボテボテで。ラッキーやけど、ウチの野球がやれているところの1点。追い越せたのは、あの1点がきっかけになった」とターニングポイントに挙げた。六回には中前打を放ち、祖父母の声援にバットでも応えた。父・博信さん(54)の実家がある宮城は、幼少期から何度も訪れた第2の故郷。孫が来るたびに勲さんは練習に付き添い、野球の楽しさを教えてくれた。勲さんは「体つきも大学のときからまたひと回り大きくなりました。このまま一歩ずつ着実に進んでほしいです」と目を細める。メールで激励の言葉をかけるのは、美智恵さんの役目。試合前には「頑張れよ」とメッセージを送った。忙しいプロ生活でも、孫は毎回返事をくれる。美智恵さんは「最近は『チームのために打つよ』とか『チームのために頑張るよ』って。プロになって、チームのためをまず考えているんだなと感心しています」とうれしそうに語った。この日、泥だらけになってグラウンドを駆け回った雄姿は、何よりの祖父母孝行になったはずだ。チームはセ・パ首位対決第1ラウンドを制し、4連勝で貯金を2008年以来となる「18」に積み上げた。12日はメジャーから帰ってきた通算179勝投手の田中将と対戦する。「球界を代表する投手の一人。でも、自分のすることをするだけ」と力を込める。勲さんと美智恵さんは残り2戦も球場で観戦する。祖父は「一本でいいので、ホームランを打ってほしい」と胸を膨らませた。もちろん、その思いに応える。「あした、あさっても見にきてくれると思うので、もっとホームランだったりを見てもらいたいです」小さい頃から見守ってくれたおじいちゃん、おばあちゃんのために。仙台の空に、恩返しのアーチを架ける。(原田遼太郎)

◆全国の虎党の皆さーん! 阪神が勝ったし、きょうも一日、元気にまいりましょう!! では、朝から景気づけに逆転2ランを放ったマルテのお立ち台を思い出していきまっせー!! 「3、2、1、ヤー!」。 青柳さん、プロ初勝利の思い出のマウンドで、8回5安打2失点の粘投で5勝目オメデトウ&アリガトウ!! 通算150勝の涌井に投げ勝ったことは、虎の投手陣に大きな勇気を与えたのだ!! よっしゃ、2戦目は日米通算179勝のマーくんをマウンドに沈めたれー!! ガハハハ...「150+179=329勝」に連日黒星をつけて、今年の虎の恐ろしさを見せつけるのだァ!! マルテも12号2ランで大仕事をしてくれたけど、五回に猛虎打線を点火させた佐藤輝と糸井の『近大兄弟』は恐ろしか~! 2死から盗塁を決めた佐藤輝をしぶとい内野安打でホームにかえした糸井...敵じゃなくて味方で良かったわー!! 最後はスアレスが藤川球児に並ぶ11試合連続セーブで締めて...なんなら東京五輪は阪神単独チームで出場して、金メダルを取ったろーかー?

DAZN

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ORIX
1051 0.667
(↑0.024)
-
(-)
284
(+4)
60
(-)
12
(-)
5
(-)
0.288
(↓0.005)
3.730
(↑0.25)
2
(1↑)
中日
952 0.643
(↑0.028)
0.5
(-)
252
(+6)
54
(+5)
14
(-)
8
(+3)
0.250
(↑0.001)
3.380
(↓0.11)
3
(1↑)
DeNA
853 0.615
(↑0.032)
1
(-)
284
(+4)
88
(-)
24
(+1)
3
(-)
0.302
(↑0.006)
5.170
(↑0.35)
4
(3↓)
楽天
961 0.600
(↓0.043)
1
(↓1)
272
(+2)
59
(+3)
14
(+1)
7
(-)
0.272
(↓0.007)
3.510
(↑0.1)
5
(-)
阪神
970 0.563
(↑0.03)
1.5
(-)
267
(+3)
70
(+2)
16
(+1)
22
(+1)
0.244
(↓0.003)
3.590
(↑0.17)
6
(1↑)
ヤクルト
880 0.500
(↑0.033)
2.5
(-)
270
(+1)
66
(-)
19
(+1)
13
(+1)
0.264
(↓0.004)
4.170
(↑0.29)
7
(1↓)
ロッテ
781 0.467
(↓0.033)
3
(↓1)
276
(+1)
68
(+5)
16
(-)
17
(-)
0.265
(-)
4.060
(-)
8
(2↑)
巨人
673 0.462
(↑0.045)
3
(-)
257
(+5)
62
(+1)
20
(+1)
7
(-)
0.240
(↑0.003)
3.730
(↑0.19)
9
(1↓)
ソフトバンク
574 0.417
(↓0.038)
3.5
(↓1)
262
(-)
46
(+1)
17
(-)
9
(-)
0.239
(↓0.001)
2.850
(↑0.13)
10
(1↓)
西武
464 0.400
(↓0.044)
3.5
(↓1)
470
(+5)
77
(+6)
23
(+1)
4
(-)
0.276
(↑0.001)
5.140
(↑0.26)
11
(-)
日本ハム
5100 0.333
(↓0.024)
5
(↓1)
348
(-)
62
(+4)
6
(-)
10
(-)
0.230
(↓0.007)
3.710
(↓0.02)
12
(-)
広島
283 0.200
(↓0.022)
5.5
(↓1)
542
(-)
72
(+4)
9
(-)
11
(-)
0.255
(↓0.011)
5.260
(↑0.14)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
37192 0.661
(↑0.006)
-
(-)
85258
(+3)
209
(+2)
61
(+1)
56
(+1)
0.254
(↓0.001)
3.290
(↑0.04)
2
(-)
巨人
292310 0.558
(↑0.009)
6
(-)
81247
(+5)
225
(+1)
76
(+1)
39
(-)
0.252
(↑0.001)
3.460
(↑0.04)
3
(-)
ヤクルト
28247 0.538
(↑0.009)
7
(-)
84253
(+1)
239
(-)
59
(+1)
38
(+1)
0.251
(↓0.001)
3.840
(↑0.07)
4
(-)
中日
25279 0.481
(↑0.01)
10
(-)
82177
(+6)
189
(+5)
32
(-)
30
(+3)
0.240
(↑0.001)
2.980
(↓0.03)
5
(-)
広島
18288 0.391
(↓0.009)
14
(↓1)
89173
(-)
219
(+4)
35
(-)
29
(-)
0.255
(↓0.002)
3.790
(↑0.01)
6
(-)
DeNA
20349 0.370
(↑0.012)
16
(-)
80246
(+4)
313
(-)
61
(+1)
12
(-)
0.254
(↑0.002)
4.780
(↑0.08)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
楽天
32239 0.582
(↓0.011)
-
(-)
79260
(+2)
230
(+3)
51
(+1)
28
(-)
0.245
(↓0.001)
3.420
(↑0.02)
2
(-)
ソフトバンク
292411 0.547
(↓0.011)
2
(-)
79272
(-)
219
(+1)
57
(-)
45
(-)
0.258
(↓0.001)
3.260
(↑0.04)
3
(1↑)
ORIX
28278 0.509
(↑0.009)
4
(↑1)
80259
(+4)
246
(-)
59
(-)
19
(-)
0.255
(↓0.001)
3.640
(↑0.06)
4
(1↓)
ロッテ
27278 0.500
(↓0.009)
4.5
(-)
81291
(+1)
261
(+5)
62
(-)
51
(-)
0.252
(-)
3.980
(-)
5
(-)
西武
232612 0.469
(↓0.01)
6
(-)
82243
(+5)
259
(+6)
53
(+1)
53
(-)
0.248
(-)
4.110
(↑0.04)
6
(-)
日本ハム
20345 0.370
(↓0.007)
11.5
(-)
84182
(-)
252
(+4)
31
(-)
34
(-)
0.223
(↓0.002)
3.890
(-)