1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 0 | 1 | 0 | 4 | 4 | 0 | 1 | 0 | 0 | 10 | 12 | 0 | 0 |
日本ハム | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 7 | 2 | 0 |
勝利投手:秋山 拓巳(6勝2敗0S) 敗戦投手:加藤 貴之(3勝4敗0S) |
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◆阪神は1-1で迎えた4回表、マルテの適時打などで一挙4点を奪い、勝ち越しに成功する。続く5回には、佐藤輝とサンズの連続適時打などで4点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・秋山が6回途中3失点で今季6勝目。敗れた日本ハムは、投手陣が精彩を欠いた。
◆プロ2年目の阪神小野寺暖外野手(23)が7番左翼でプロ初のスタメン出場を果たす。19年育成ドラフト1位で4月19日に支配下登録され、同24日に1軍昇格して初出場。同30日に出場選手登録を抹消されたが、その後も2軍で打率3割を残すなど好調を維持している。 前日8日に出場選手登録された際には「1軍クラスの投手の球に対して肌で感じたこともあったので、次1軍に上がった時に緊張しないように、自信を持って打席に立てるように、常に1軍の投手を頭にイメージして試合や練習に取り組んできました」と話していた。
◆阪神がジェフリー・マルテ内野手(29)、ジェリー・サンズ外野手(33)、北條史也内野手(26)のタイムリーで4点を勝ち越した。 同点で迎えた4回、先頭の2番中野が右翼線三塁打でチャンスメーク。無死三塁から、3番マルテが詰まりながら中前に勝ち越しタイムリーを落とす。1死一、二塁から6番サンズが左翼線に2点二塁打を決めると、2死二塁からは8番北條が三塁強襲の適時二塁打を放った。 マルテは「中野がよく三塁まで行ってくれたから、外野フライでもいいという少し楽な気持ちで打席に入ることができた。いい所に落ちてくれて良かったね」と感謝。サンズも「みんながいい仕事をしてくれて塁に出てくれたから、ランナーをかえすという自分の仕事をすることができて良かったよ」と謙虚に振り返った。 北條は「いい攻撃が続いていましたし、自分にもいい場面で回ってきたので、しっかり集中して1本出すことができて良かったです」。この回5安打で一挙4得点。一気に流れを引き寄せた。
◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、5番初安打を放った。4回1死一塁の第2打席で左腕加藤のシュートを中前へ運んだ。その後サンズの左翼への適時打二塁打を呼び込み、4点目のホームを踏むと、8番北條も三塁強襲の適時打を放ち、チームはこの回一挙4点を挙げた。 佐藤輝はプロで初めて「5番右翼」で先発した前日8日に、プロ初の1試合4三振。同点で迎えた8回2死一、二塁の絶好機では、左腕堀のスライダーに空を切った。この日も「5番右翼」で先発。5番の悔しさを5番で晴らした。
◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が5番初安打を放った4回に続き、仰天の二塁打を放った。 5回1死一、三塁の第3打席。谷川の135キロ変化球をたたくと、佐藤輝の強烈なスイングから放たれた打球は自らの足元でワンバウンドし、そのまま大きく跳ね、一塁手高浜の頭上を越した。右翼線を転々とし2点適時二塁打となった。これで佐藤輝は今季17度目のマルチ安打。シーズン換算では43度で、19年近本と並び球団新人最多ペースだ。 佐藤輝はプロで初めて「5番右翼」で先発した前日8日に、プロ初の1試合4三振。同点で迎えた8回2死一、二塁の絶好機では、左腕堀のスライダーに空を切った。この日も「5番右翼」で先発。5番の悔しさを5番で晴らした。
◆阪神が5月8、9日DeNA戦(横浜)以来の1カ月ぶりの連勝で貯金を16とした。2位巨人とのゲーム差は今季最大の「5」に広がった。 先制を許した直後の2回。先頭の大山が左翼線二塁打で出塁。次打者佐藤輝は高い右飛。右翼手近藤がボールを三塁に返球するも、悪送球で二塁走者の大山が生還し同点とした。4回はマルテ、サンズ、北條に適時打が飛び出し4得点。さらに5回にも大山、佐藤輝、サンズの適時打で4点を追加した。6回には2死二塁からサンズの3本目の適時打でこの日4打点を挙げ、快勝した。 先発秋山拓巳は5回2/3を投げ3失点。今季最多タイの3四死球を与えるなど苦しみながらも、打線の大量援護を受け、最低限の仕事を果たした。2番手の及川は6回2死一、三塁から救援に上がり無失点に抑えるなど、相手に流れを与えなかった。 秋山は6勝目で巨人高橋と並んでリーグトップ。阪神は3カードぶりの勝ち越しを決めた。 ▼阪神が2位に5ゲーム差をつけたのは、08年9月13日広島戦に勝ち、巨人に5差として以来、13シーズンぶり。なおこの年は最大13差を逆転され優勝を逃しているが、今年はどうか。
◆日本ハム加藤貴之投手が、今季ワースト7失点(自責6)でKOされた。 1点リードの2回、味方守備の乱れから同点とされると4回に一挙4失点で勝ち越しを許した。自身4連敗と苦しい投球が続いている。「調子自体は悪くなかったと思いますが、相手打線がひと回りも、ふた回りも上でした」と白旗を揚げた。
◆日本ハム加藤、阪神秋山が先発。日本ハムは1回、近藤の左翼線適時二塁打で先制。阪神は2回、近藤の失策の間に1点を返した。 阪神は4、5回に4点ずつ追加し勝ち越し。秋山は5回2/3を投げ3失点で降板した。日本ハムは加藤が4回1/3、7失点でKO。 阪神は7回、サンズの右翼フェンス直撃の適時二塁打で突き放し2連勝。秋山は6勝目。日本ハムは2連敗。加藤は4敗目。
◆阪神3番ジェフリー・マルテ内野手が2安打1打点で10得点の猛攻に貢献した。 同点の4回無死三塁で迎えた第2打席で、中前へ勝ち越し適時打。 「中野がよく三塁まで行ってくれたから外野フライでもいいという、少し楽な気持ちで打席に入ることができた」と三塁打で好機をつくった2番中野に感謝した。5回にも中前打を放ち、その後の4得点につなげた。
◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が4Kの屈辱を一夜で晴らした。「日本生命セ・パ交流戦」の日本ハム戦で、仰天のタイムリー二塁打を含む2安打2打点。前日8日にはプロ初の5番起用で4打席連続三振を喫したが、リベンジに成功した。球団新人野手で初めて月間MVPを獲得。怪物ルーキーが5番で機能し、2位巨人と今季最大の5ゲーム差。矢野阪神が独走態勢に入った。北の大地に、大きな穴があきそうだった。5回1死一、三塁。佐藤輝が谷川の内角低めスライダーを強振。打球は自らの足元でバウンドすると、大きくはずんだ。そのまま一塁手の高浜の頭上を越し、右翼線へ抜けた。2者が生還。「いい場面で回って来ましたし、いつも通りしっかり自分のスイングをしようと思っていました。いいところに弾んでくれて、ツイてました」。本人はツキと表現したが、ラッキーヒットではない。驚異のパワーが仰天のタイムリー二塁打を生んだ。 4回には1死一塁から中前打を放ち、5番初安打をマーク。続くサンズの二塁打でベースをフルスピードで駆け回り、3点目のホームを踏んだ。マルチ安打はこれで17度目。一夜で怪物ルーキーは息を吹き返した。 気持ちの切り替えの早さは、一流選手の条件の1つだ。前夜は屈辱にまみれた。プロ初の5番に座り、プロ初の4三振。「今日も2つしましたけど、しっかり振るということを常に心掛けています。昨日のことは切り替えて新しい気持ちで試合に臨んで、しっかり2本打つことができたので良かったです」。どんなに空振りしても、信条のフルスイングに揺るがない。矢野監督は「持って生まれたものというか、あいつの中のそういうものがあるんじゃないの? あんまり動じないもん」と感心しきりだった。 この日、「5月度大樹生命月間MVP賞」が発表され、佐藤輝は初受賞を果たした。「素直にうれしいですし、これからもどんどんと取れるようにやっていきたい。開幕当初よりは慣れてきた部分もあって、状態も上がってきたかなと思います」。新人野手の受賞は球団初の快挙。数々の記録を作ってきたルーキーには、新たな勲章となった。 2ケタ得点の快勝で、2位巨人とは今季最大の5ゲーム差に広がった。3連勝を目指す札幌最終戦。「6番を打っている時と変わらず、ランナーがいる場面で回って来ることが多いので、チャンスでしっかりかえせるようにしっかりやっていきます」。さあ、北の大地で特大アーチを描こう。【磯綾乃】 ○...第3戦の日本ハムの予告先発はアーリン。佐藤輝が大ファンと公言する「ももいろクローバーZ」のメンバー、佐々木彩夏の愛称も「あーりん」だ。この日三振を喫したリリーフの玉井は、同じくメンバーの玉井詩織と同姓。夢の「ももクロリレー」が実現すれば...。打つしかないZ! ▼佐藤輝は交流戦で11打点。過去の新人の交流戦での最多打点は19年中川圭太(オリックス)12打点。佐藤輝はあと1に迫った。 ▼佐藤輝が2安打を放ち、シーズン通算17度目のマルチ安打を記録した。143試合換算なら43度となる。阪神新人最多の19年近本43度と並ぶハイペースだ。なおセ・リーグ新人最多は58年長嶋茂雄(巨人)48度。プロ野球新人最多は56年佐々木信也(高橋)54度。
◆阪神秋山拓巳投手(30)が今季自己最多タイの110球で試合を作り、リーグ最多に並ぶ6勝目を手にした。5回2/3で7安打3四球ながら6奪三振で3失点。大量援護にも支えられて自身4連勝を飾り、「野手、中継ぎの皆さんに感謝して、次からはもっと自分で勝つ試合を増やしていきたいという気持ちをすごく持っています」と力を込めた。 初回から3イニング連続で先頭打者を出塁させた。1回には4番近藤の適時二塁打で先制点を献上。際どいコースがボール球と判定される場面も多く、決して楽なマウンドではなかった。8点リードをもらった5回に1失点、6回にも1失点。「1イニングに数失点は与えなかった。そこだけは頑張りました。ただ、やっぱりチームのことを考えて、もっと(イニングを)消化したかった」と反省も忘れなかった。 これで今季交流戦は3戦3勝でフィニッシュ。次回は再びセ・リーグチームとの対決に戻る。「こうやって助けてもらったんで、何倍にもして返したい。また気持ちを入れて、セ・リーグ(チーム)にもしっかり頑張っていきたい」。主戦格としての責任感が、言葉の端々からにじみ出た。【佐井陽介】
◆日本ハムは9日、「日本生命セ・パ交流戦」の阪神2回戦(札幌ドーム)で、今季3度目の2桁失点を喫し大敗した。先発の加藤貴之投手(29)が5回途中でKO。守備では2回に近藤健介外野手(27)、5回には三塁を守っていた郡拓也捕手(23)が失点につながる悪送球と、守りから破綻した。チームは2連敗で2カードぶりの負け越し。今季ワーストの借金12へ逆戻りした。セ首位を走る猛虎の勢いに、完全にのまれた。日本ハムは守備がほころび、7点差の大敗。栗山監督は「野球にはミスはつきもので、それを試合の中で取り返していかないといけないんだけど、今はそれが出来ていない」と、冷静に現実を受け止めた。 1点リードの2回、まずは選手会長の近藤が、痛恨のミスで天を仰いだ。無死二塁から、阪神佐藤輝の飛球を捕球したまでは良かったが、右翼の守備位置から三塁へ向けて、まさかの大暴投。送球は三塁側のカメラ席に飛び込み、同点のタイムリーエラーとなった。1回に先制の適時二塁打を放っていた近藤は「タイムリーを打ったことより、守備で足を引っ張ってしまった」と猛省した。 1-5で迎えた5回は、1死満塁で、三塁手として出場してた郡が、二塁へ悪送球。本来は捕手。5年目で交流戦初スタメンだったが、悔やまれるプレーになった。 チームは前日8日に、俊足強肩で売り出し中だった五十幡と、不調から復帰したばかりの4番中田が相次いで負傷退場し、戦線離脱。なかなか、チームが形になってこない。巨人戦で久々にカード勝ち越しを決めて臨んだ阪神戦だったが、チームは2連敗。「なかなか、前の流れを生かそうとすると、今年はうまくいかない。前後際断の方がいいのかもしれない」と指揮官の苦悩は深いが、「3連敗だけは避けないと」と、立ち止まってばかりもいられない。2カードぶりの負け越しが決まり、今季最多の借金12に逆戻り。5位とのゲーム差は、今季最大の4・5に広がった。【中島宙恵】
◆阪神ジェリー・サンズ内野手が3打席連続の適時打を放った。 7回2死二塁の場面で、スライダーを右中間フェンス最上段に直撃する二塁打。二塁走者の大山が生還し、これで4打点。「粘ったことでいい結果になった」と7球目を仕留めた一打を振り返った。2日続けてフェンス上段の当たりに「もう少し狭かったらな」と広い札幌ドームに苦笑した。
◆阪神小野寺暖外野手(23)が「7番左翼」でプロ初先発したが、4打数無安打に終わった。 ウエスタン・リーグでは打率3割8厘で首位打者。その打棒を期待されて昇格したが、苦い結果となった。4月に支配下登録されたときには矢野監督も「総合的に見ても支配下の力があるのはキャンプのときから思っていた」と期待を寄せていただけに、悔しい結果となった。
◆阪神矢野燿大監督(52)がカード勝ち越しとなった試合を振り返った。4回、5回と中盤に打線がつながって終わってみれば12安打10得点の大勝だった。先発秋山はリーグトップタイの6勝目を挙げた。一問一答は以下の通り-久しぶりの連勝だが、チーム全体で点をとるような勝ち方 矢野監督 流れ的にはね、いい形で。タクム(中野)がツーベースじゃなくて、スリーベースにしてくれたっていうのも大きかった。でもまあ久しぶりにこう、3点、4点とね。とれる試合だったんで。次のイニングにはエラーも絡んだけど、要所、要所で、しっかりつなげれくれたかなと思います。 -中野が盗塁も2桁に乗せた。足でも目立っている 矢野監督 キャンプからずっと積み重ねというところで、成功率というのは高くなってきているしね。チカ(近本)が11個で、タクムが10個なんかな。そういうところではチカを追い越すという気持ちでやってもらえたらいい。その前に、今日みたいに出るというところが大事。ルーキーとして、ここまでやれるというのは本当に大したものだと思うので、どんどん数字を積み重ねていってもらいたいなと思います。 -佐藤輝は月間MVPも獲得 矢野監督 月間MVPは試合の中では、あまり思わないけどね。簡単に取れるものじゃないのでね。ルーキーでそういうものを取るっていうのは大したもんだし、そういうところでは印象が高い打点とか打ってるっていうのが月間にもつながったと思う。今日は内容的にはすごくいいっていう形ではないけど、そういう中でも1本、2本出るっていうのは、次につながっていく。あとはいいっていうところと、ホームランを打つバッターはもちろん三振も多いし、こぢんまりは打ってほしくないんどけど、そういうところでは凡打の内容っていうか、そういうところを上げていくっていうところはまだまだあると思う。逆に言うと伸びしろだと思うんで、そこら辺を楽しみにしていきたいと思います。 -昨日4三振で気持ちの持ち方も難しかった。少しずつ成長 矢野監督 少しずつというか、持って生まれたものっていうか、あいつのなかのそういうものがあるんじゃないの? あんまり動じないもん。 -秋山は 矢野監督 まあ今日はちょっと苦しかったね。今シーズンの中でも調子自体は良くなかったと思う。まあでもああいう点を取って粘るというのも、こっちは味方がたくさん点取ったんでね。長いイニング投げようという意識では持ってくれていたけど。そのなかでもしっかり粘ってくれたというのはある。悪い中でも勝てたというのはアキ自身もまた次に向けてよしというところになる。自分の状態を上げていくことをやっていってもらえれば、またアキらしい投球ができる。悪いなりに勝てたというところはそういう気持ちを前に向かすものになると思う。
◆阪神ジェリー・サンズ外野手(33)が第2打席から3打席連続で適時打を放ち4打点。ヒーローインタビューは以下の通り。 -4打数3安打4打点。3打席連続の適時打 うれしいです。もちろんチームが勝ったことが一番うれしいですけど、個人的にもいい試合になったので、うれしい、最高の気分です。 -4回、初球を打って3点リードに チームメートが粘って塁に出てくれましたし、相手投手もいいスライダーを持っていたので、なんとかいいところに打てて、ボールが落ちてくれて、ランナーをかえせて良かったと思います。 -2本目も初球。かつてのチームメート谷川との対戦 いいスライダーがきたんですけど、なんとか(二遊間の)真ん中を抜けてくれて、テル(佐藤輝)がかえってくれたんで良かったです。 -3本目。右中間フェンス直撃。7球粘っての一打 簡単にはいかなかった。粘ったことでいい結果が出ました。同じく、ランナーを帰すことが頭にありました。ああいう打球を打って「もう少し球場が狭かったらな」とは思いました。 -初めての札幌ドームはどんな球場 いい球場だと思います。素晴らしい球場ですし、雰囲気も良くて。ここがファンの皆さんで埋まればもっといいなと思いますが、それでもこれだけたくさんのタイガースファンの方々に来ていただいて本当にいい雰囲気で野球ができて楽しかったです。 -おそらく初めての北海道はどう 気温も低くて、涼しくて快適で、ホテルでいただく食事もおいしい。おすしもおいしくて、気に入っています。 -初めて(サンズを)見たファンも多くいた。メッセージを みんな大好きやで。
◆阪神中野拓夢内野手(24)の快足が猛攻を呼んだ。4回先頭の第2打席。左腕加藤の126キロスライダーを右翼線へはじき返した。二塁ベースを蹴ると三塁へヘッドスライディングで飛び込んだ。「クリーンアップの前にチャンスで回すのが役割。塁に出てかえってこれたのは良かった」。今季2本目の三塁打から4得点。矢野監督は「拓夢(中野)がツーベースじゃなくてスリーベースにしてくれたっていうのも大きかった」とたたえた。 5回には中前打で出塁し、3番マルテへの4球目でスタート。阪神のドラフト新人では19年に36盗塁の近本以来、4人目の2桁10盗塁となった。「チカを追い越すという気持ちでやってもらえたら」と指揮官は"近本超え"を期待。両リーグ2桁到達者では唯一の失敗なしで成功率は100%。「自分の中では失敗がどうこうよりは、タイミングが合ったら思いきって走っていこうと」とうなずいた。 同期入団の佐藤輝が球団新人野手では初となる月間MVPを受賞。ともにスタメンで出場する男の活躍に「月間MVPはなかなかすごいことだと思いますし、自分的には刺激にはなった」と言った。「自分もそこを取れるように、今後やっていきたい」。6月は中野が打ちまくり、2カ月連続虎のルーキーが受賞といきたいところだ。 この日の2安打で交流戦は51打数16安打、打率3割1分4厘と好調だ。現在165打席で、規定打席まであと「9」。打率2割9分3厘は同じくルーキーのDeNA牧を超えリーグ8位相当となり、一気に打率10傑入りも見えてきた。「追い込まれたらなんとかしぶとく、いやらしいバッティングをしていきたいと思います」。佐藤輝だけじゃない。ドラフト6位ルーキーも頼もしい。【中野椋】 ▼中野が10盗塁を決め、阪神のドラフト新人では19年近本以来4人目の2桁盗塁となった。なお中野は盗塁失敗が0。今季両リーグで10盗塁以上は8人いるが、盗塁成功率10割は中野だけだ。 ▼同一シーズンで「2桁盗塁で盗塁死なし」は、プロ野球過去16度。直近は16年荒木雅博(中日)13盗塁、鈴木尚広(巨人)10盗塁。阪神での達成者はまだいない。
◆阪神・小野寺暖外野手(23)が「7番・左翼」で初のスタメン出場。4月に育成から支配下登録され、同24日に1軍に昇格したが、1打数無安打で同30日に抹消。ウエスタンで打率・308、4本塁打、30打点とアピールし、前日8日に2度目の昇格を果たした。
◆阪神が1―1の四回に5安打を集中させて、一挙4得点を挙げた。まずは、先頭のD6位・中野(三菱自動車岡崎)が右翼線への三塁打。続くマルテがカウント2―2から、日本ハム・加藤の140キロの直球を詰まりながらも中前へ運んで、勝ち越しに成功した。 さらに1死からD1位・佐藤輝(近大)が中前打で一、二塁とすると、サンズが左翼へ2点二塁打。2死二塁からは北條が三塁強襲の適時二塁打でこの回4点を奪った。
◆阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が2点二塁打を放った。5―1の五回にD6位・中野(三菱自動車岡崎)とマルテの連打などで1死一、三塁とすると、大山は日本ハム三塁手・郡の失策で1点を追加。なおも1死一、三塁の場面で佐藤輝が打席に立った。 4月に金銭トレードで阪神から日本ハムに移籍した谷川に対して、カウント1―0からの2球目。低めのスライダーを振り抜いて右翼線への2点二塁打を放った。 その後、サンズも中前打で続いてこの回4得点。9―1と突き放した。
◆先発した阪神・秋山拓巳投手(30)は5回?を投げて7安打3失点。今季6勝目の権利を持って降板した。 秋山は一回、先頭の浅間に中前打。その後、2死二塁とされると近藤に左翼線に適時二塁打を浴び、先制点を許した。それでも、味方打線が五回までに9点と大量の援護点をプレゼントすると、粘り強い投球をみせた。五回に1点を失うと、六回には2死一、二塁から清水に左前へ適時打を許したところで、マウンドを降りた。
◆阪神の中野が、同じルーキーの佐藤輝に負けじと奮闘している。1―1の四回は先頭で三塁打を放ち、この回一挙4得点の足場を築いた。中前打で出た五回は今季10個目の盗塁を決めて相手を揺さぶり、再び4得点の集中打を呼び込んだ。 四回は左投げの加藤から引っ張って右翼線へ運んだ。適時打で続いたマルテが「中野が三塁まで行ってくれたから、外野フライでもいいという楽な気持ちで打席に入ることができた」と感謝したように、果敢な走塁で攻撃にリズムを与えた。 日大山形高、東北福祉大を経て三菱自動車岡崎からドラフト6位で入団した。木浪から遊撃のレギュラーを奪取し、離脱した糸原に代わって2番を任されるなど、期待を意気に感じながら成長している。
◆先発した日本ハム・加藤貴之投手(29)は、五回途中8安打7失点(自責6)で降板した。 味方打線に先制点をもらったが二回に右翼・近藤の失策で同点とされると四回に5安打で一挙4点を失うなど、この日は本来のピッチングができずに苦しんだ。
◆阪神は打線がつながり、10―3と日本ハムに大勝。3カードぶりの勝ち越しを決めた。 0―1の二回に相手のミスもあって同点に追いつくと四回、無死三塁からマルテが勝ち越しの適時打を放つ。さらに1死一、二塁でサンズが2点二塁打、2死二塁からは北條の適時二塁打で4点を奪った。 さらに、五回は相手の失策とD1位・佐藤輝(近大)の右翼線への2点二塁打、サンズの適時打で4得点。七回にもサンズが適時二塁打でさらに1点を追加し、この試合10得点とした。 先発した秋山は粘り強い投球で5回?を7安打3失点。リーグトップの巨人・高橋に並ぶ今季6勝目を挙げた。
◆改めて、佐藤輝の〝すごみ〟を感じた試合だった。プロ初の5番を務めたものの、プロ初の4三振を喫した8日の試合から一夜明けて、打撃内容に注目していたが、後遺症が全く、なかった。まるで何事もなかったかのようにゲームに臨んでいた。 143試合という長いシーズンの中で、その日の結果に直面し、整理し、消化して、次につなげるのが、プロに求められる大事な要素。佐藤輝の場合、だれに教わることなく、その作業を行っている。それが四回の中前打、五回の2点二塁打になって表れている。気持ちの切り替えのうまさを目の当たりにした。 本塁打といった数字に出ない部分でも、すでにプロであることを証明した。また三塁打と中前打を放ったように、左投手を苦にしない中野の打席もよかった。佐藤輝と中野。新人とは思えない2人がこの先も原動力となる。そのような試合だった。 それにしても、日本ハムに元気がない。この2試合、信じられないミスが目立つ。パ・リーグ最下位なのもうなずける。それだけに、阪神にしてみれば、10日の第3戦も勝たないといけない。一気に3連勝をしてほしい。それができる流れになっているのは間違いない。(本紙専属評論家)
◆阪神はD1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=らの活躍で日本ハムに快勝。4連勝(1分挟む)を飾った5月8日のDeNA戦から14日の巨人戦以来の2連勝となった。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ーー久しぶりの連勝だが、チーム全体で点をとるような勝ち方ができた 「流れ的にはね、いい形で。(四回は)タクム(中野)がツーベースじゃなくて、スリーベースにしてくれたのも大きかったし。久しぶりに3点、4点とね。とれる試合だったんで。次のイニングにはエラーも絡んだけど、要所、要所で、つなげれくれたかなと思います」 ーー(五回に)中野がが二盗を決め、盗塁を2桁に乗せた 「キャンプから積み重ねで、成功率は高くなってきているしね。チカ(近本)が11個で、タクムが10個なんかな。チカを追い越すという気持ちでやってもらえたらいいし。その前に、今日みたいに出るというところが大事やし。ルーキーとして、ここまでやれるのは本当に大したものだと思うので、どんどん数字を積み重ねてもらいたいなと思います」 ーー佐藤輝の評価 「月間MVPは試合の中では、あまり思わないけどね。簡単に取れるものじゃないのでね。ルーキーで取るのは大したもんだし、印象が高い打点とか打ってるのが、月間にもつながったと思うんで、まあ、どうやろ、今日は内容的にはすごくいい形ではないけど、1本、2本出るのは、次につながっていくし、ホームランを打つバッターはもちろん三振も多いし、小ぢんまりには打ってほしくないんどけど、凡打の内容を上げていくところはまだまだあると思うし、逆に言うと伸びしろだと思うんで、そこら辺を楽しみにしていきたいと思います」 ーー8日の試合は4三振で気持ちの持ち方も難しかった 「少しずつというか、持って生まれたものっていうか、あいつのなかのそういうものがあるんじゃないの? あんまり動じないもん」 ーー秋山は 「ちょっと苦しかったね。今シーズンの中でもうーん、調子自体は良くなかったと思うし。点を取って粘るのも、こっちは見方がたくさん点取ったんでね。長いイニング投げようという意識では持ってくれていたけど。しっかり粘ってくれたのはあるし。悪い中でも勝てたというのは、アキ自身もまた次に向けてよしというところになる。自分の状態を上げていくことをやっていってもらえれば、またアキらしい投球ができる。悪いなりに勝てたところは、気持ちを前に向かすものになると思う」
◆阪神は打線がつながり、10―3と日本ハムに大勝。3カードぶりの勝ち越しを決めた。以下、4打点のサンズの試合後のヒーローインタビュー。 --今の気持ちは 「うれしいです。チームが勝ったことが一番うれしいし、個人的にも最高にいい気持ち」 --四回には4-1になる貴重なタイムリー 「チームメートが粘って塁に出て、相手投手もいい投手。いいところにボールが落ちてくれてランナーをかえせてよかった」 --2本目は元チームメートの谷川投手からタイムリー 「1本目と同じようにチームメートが粘って塁に出てくれて、輝(佐藤輝)がかえって良かった」 --3本目は7球粘っての右翼フェンス直撃のタイムリー 「簡単にいかなかったが粘ったことでよかった。ランナーをかえすことだけ考えた。球場がもう少し狭かったらなと思ったがランナーをかえせてよかった」 --札幌ドームは初めて 「いい球場。素晴らしいし、雰囲気もいい。ファンが埋まればよかったが、多くのタイガースファンで楽しかった」 --初めての北海道は 「涼しいし気温が低くて快適。すしもいただいて気に入っています」 --タイガースファンに向けてひと言 「みんな大好きやで」
◆阪神・及川が〝先輩斬り〟で完璧な投球をみせた。9―3の六回2死一、三塁で2番手として登板。浅間を三邪飛に打ち取ると、七回は高浜を見逃し三振。2死からは近藤を中飛に料理し、横浜高出身の3人の先輩を斬った。「数試合登板を重ねてだいぶ落ち着いて投げることができてきている。落ち着きが出てきた分、自分らしい投球ができているのが今日の投球につながった」とうなずいた。
◆阪神・マルテはルーキーが作ったチャンスをものにした。「中野がよく三塁まで行ってくれたから、外野フライでもいいという少し楽な気持ちで打席に入ることができた。いいところに落ちてくれて良かった」。1-1の四回、先頭の中野が右翼線三塁打で好機を演出すると、加藤の内角直球を中前へと運んで勝ち越しに成功した。
◆もがき、苦しみながらもなんとか試合を作って白星をつかんだ。阪神・秋山は六回途中3失点の粘投でリーグトップタイの6勝目。援護してくれた野手に感謝した。 「1イニングで複数失点を与えなかったので、そこだけは頑張れたけど、やっぱりチームのことを考えるともっと(イニングを)消化したかった。こうやって(野手に)助けてもらったので何倍にもして返したい」 一回、4番・近藤に適時二塁打を浴びてあっさりと先制点を献上。9―1の五回は西川の犠飛で失点し、六回には2死一、二塁で清水に適時打を許して降板した。 5回?を110球、7安打3失点。それでも味方の大量援護もあって、今季6勝目(2敗)をゲット。勝利数でリーグトップの巨人・高橋に並んだ。 本調子ではなくても、先発として試合を作った右腕に矢野監督は「調子は良くなかったけど、しっかり粘ってくれた」と一定の評価をしつつ「悪いなりに勝てたというところは気持ちを前に向かすもの(1勝)になると思う」とこれからの活躍に期待した。 交流戦では自身3戦3勝でフィニッシュ。次から再びセ・リーグでの戦いに戻るが、秋山の挑戦は終わらない。 「(交流戦は)苦しみながらだけど、3勝することできたので、また気持ちを入れてセ・リーグ(の相手)にもしっかり頑張っていきたい」 野手に助けてもらった分、これからはチームを勝たせる投球で恩返しする。(織原祥平)
◆阪神・サンズが北海道との相性のよさ? を発揮して今季2度目の4打点と大爆発。4度目の猛打賞も記録して、虎を大勝へ導いた。 「少し気温も低くて涼しくて、快適でホテルの食事もおいしいし、すしもおいしくて、非常に気に入っています。(日本語でファンへ)ミンナダイスキヤデ!」 四回に左前へ2点打を放ち、五回には元チームメートの谷川から中前適時打。「(二塁走者の)テル(佐藤輝)がホームまでかえってくれたのでよかった」。七回に放った右翼フェンス上部を直撃する適時二塁打には「もう少し球場が狭かったら(入っていたのに)なと。球場がちょっとでかすぎるね」と舌も滑らかだった。 前日8日に今季初の6番に座り、2試合連続打点。新たな攻撃パターンでもS砲の勝負強さは健在だ。「自分としては(打順は)何も関係ないかな。前の打者が塁に出てくれたら、それをいつもかえしたい」と頼もしかった。(新里公章)
◆思い切りよく三塁ベースへ頭から飛び込んだ。阪神のD6位・中野(三菱自動車岡崎)がガッツあふれるプレーで好機を演出。猛虎打線に勢いをもたらし、12安打10得点での大勝を呼び込んだ。 「出塁して、クリーンアップの前にチャンスで回すのが役割だと思っているので、その役割を果たすという意味でも、しっかりと塁に出て(ホームに)かえってこられたのはよかった」 1―1で迎えた四回先頭。カウント2―2から加藤の126キロスライダーを引っ張ると、俊足を飛ばして三塁へヘッドスライディング。三塁打とすると、続くマルテの中前打で勝ち越しのホームを踏み、この回4得点へとつなげた。 五回には1死から中前打を放ち、続くマルテの打席では二盗に成功。そこから再び打線がつながった。2イニング連続でチャンスメーク。どちらも1イニング4得点の攻撃を呼び込んだ。 打っては2安打で、今季10度目の複数安打。走ってはチームメートでリーグ2位の近本に1差に迫る3位タイの10盗塁。失敗なしの成功率100%だ。 「タイミングが合ったら思い切って走っていこうかなというのも含めて、筒井コーチに助けてもらいながら。しっかり考えながら走れているので、これからも思い切って走っていきたい」 足には自信を持って入団したが、春季キャンプは実戦の中でなかなか盗塁ができず、プロの壁に苦しんだ。そこから、筒井コーチにも助言を求めながら、スタートやスライディングを徹底的に見直し、研究に研究を重ねた。その結果、シーズンでは高いレベルに到達した。 チームに勢いをもたらした攻撃に矢野監督は「(中野)拓夢がツーベースじゃなくて、スリーベースにしてくれたというのも大きかった。次のイニングはエラーも絡んだけど、要所、要所でしっかりつなげてくれた」とうなずき、盗塁には「ルーキーとしてここまでやれるというのはたいしたもの。どんどん数字を積み重ねていってもらいたい」と絶賛した。 「(佐藤輝の)月間MVPはなかなかすごいことだと思う。刺激になったので、なんとか自分もそこを取れるように、今後やっていきたい」 中野は同期のD1位・佐藤輝(近大)の月間MVPに闘志を燃やした。バットと足で打線の火付け役を担っていく。(菊地峻太朗)
◆受賞御礼マルチ!! 阪神は日本ハムに10-3で快勝。約1カ月ぶりの連勝で2位・巨人とのゲーム差を今季最大の「5」に広げた。ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が5月の「大樹生命月間MVP賞」に球団新人野手では初めて選ばれ、2安打2打点の活躍。16年ぶりのリーグ制覇へ、黄金ルーキーが快進撃を続ける。 空を切っていたドラ1のバットから心地いい快音が響いた。前日の借りはすぐに返す。佐藤輝が初の月間MVP戴冠に自ら花を添えるマルチ安打。汚名返上の活躍で虎を再び連勝街道へと導いた。 「昨日のことは切り替えて新しい気持ちで試合に臨んで、2本打つことができてよかった」 前夜は4三振の屈辱。やられっぱなしで終われない。まずは0-1の二回無死二塁。浅い右飛に倒れるも、これが右翼・近藤の悪送球を誘い、同点。〝持っテル〟一打で波に乗る。勝ち越した四回は5番初ヒットとなる中前打でサンズの2点打をお膳立て。そして、五回1死一、三塁の第3打席。元虎・谷川の135キロを捉えると、鋭い打球は一塁ベース手前でバウンドし右翼線を転々。トドメの2点二塁打で今季17度目のマルチ安打だ。 「チームに貢献できたということで、素直にうれしい」この日、5月の月間MVPが発表。セ・リーグ野手部門で堂々の初受賞。矢野監督は「簡単に取れるものではないので、大したもんだし、印象が高い打点を打っているのが月間にもつながったと思う」とたたえた。さらに投手部門はスアレス。阪神勢の投打ダブル受賞は2005年9月の下柳、今岡以来。03年も7月に井川、今岡が受賞している。いずれもリーグ制覇と16年ぶりの悲願へ吉兆だ。5月は月間打率・301(73打数22安打)、6本塁打、19打点。プロ初4番で逆転満塁弾、長嶋茂雄(巨人)以来63年ぶりの新人1試合3発と大きなインパクトを残した。開幕直後はプロの攻めに苦戦しながら瞬く間に、壁を乗り越えていった。急成長の裏に、きっかけとなった一打がある。「場外ホームランを打った次の日から、意識的に力を抜いて打ってみようと思った。そこからよくなってきました」4月9日のDeNA戦でハマスタの場外にかっ飛ばした3号特大ソロ。日本全国に佐藤輝明の名前をとどろかせた会心の一撃は、心のモヤも吹き飛ばした。チームは12安打10得点で約1カ月ぶりの連勝。貯金は今季最多タイの16に戻し、2位・巨人とのゲーム差は今季最大の「5」に広がった。2試合連続で5番に座った佐藤輝は「ランナーがいる場面で回ってくることが多い。チャンスでしっかりかえせるようにやっていきます」と力を込めた。5月は大山の代役として11試合で4番を務めた。クリーンアップの重圧はさらなる成長への糧となる。「いずれは4番を任せてもらえるようなバッターになりたいです」5月の勲章は一つの通過点。日本一のバッターへ-。黄金ルーキーが掲げる大きな夢への挑戦はまだまだ続く。(原田遼太郎)
◆よっしゃあ~! 正直ビビっていた交流戦で新人・中野が2安打、日本野球が染みついた助っ人・マルテが2安打、4番・大山が2安打、怪物ルーキー佐藤輝が2安打、そしてサンズが3安打4打点と、取りも取ったりの10得点の快勝で交流戦勝率5割に戻したアー!! ハーラートップタイの6勝目を挙げた秋山も、大量リードに浮足立つことなくいい仕事をしてくれたのだ!! 何がいいって...。天邪鬼(あまのじゃく)といわれるかもしれないけど、コントロールに関しては精密機械といわれている秋山が本日5回?で3四球!! 実はこの『四球を出す覚悟』が、今季の秋山を成長させていると俺は思うのだ!! そーよ! 世の中の男性諸君、この逃げることも大切よ!! もしかしたら『逃げ恥』でガッキーみたいな美人を射止められるかもよー? そして、虎党の夢はさらに続くのだ!! 2番手で4人をピシャリと抑えた2年目左腕・及川くんの先発マウンドが見た~い!! 虎党の果てしなき夢が、広大な北の大地に広がった夜だったのだ!!
◆「7番・左翼」でスタメン出場した小野寺が、プロ7打席目で初ヒットを放った。「きのうから初球を一切、振れていなかったので、どんな球でも初球から振っていこうと思った。それがヒットにつながった」。五回、アーリンの122キロ変化球を捉えると、白球は二遊間を抜けた。 大卒2年目の今季、育成から4月に支配下登録された。前日9日は初のスタメン起用も4打数無安打。それでも矢野監督は2試合連続でチャンスをくれた。「何とか期待に応えたかった」。記念球は「お母さんにあげたいと思います」と、女手一つで育ててくれた母・由子さんへ送る。
◆好投のアルカンタラをアクシデントが襲った。2-0の七回先頭で近藤の打球が左足を直撃。マウンド上で座り込むと、そのまま負傷降板し心配されたが、試合後は「足の筋肉に当たっただけなので、そんなに問題はないと思うよ」と軽傷を強調した。「試合を重ねるごとにいい感覚で投げられている」。6回0/3を3安打無失点に抑え、3試合ぶりの2勝目。矢野監督も「丁寧に投げながら球のキレも今までで一番あった。(負傷は)次の登板に響くことはないとは思っている」と説明した。
◆2点リードの八回のマウンドを託された藤浪は先頭の代打・平沼を空振り三振に斬ると、続く浅間は156キロ直球で見逃し三振。西川の初球は、この日最速の160キロを計測し、最後は156キロで二ゴロに仕留めた。「追加点を取ってくれたので、少しだけ気持ちにゆとりを持って投げることができた」。8日に続く今季2ホールド目。中継ぎ起用後、3試合連続無失点と新たな勝ちパターンが確立しつつある。
◆守護神のスアレスは4-1の九回に登板。1死二塁から王の中前適時打で1点を失い、4月1日の広島戦(マツダ)以来、登板25試合ぶりの自責点を記録。さらに一、二塁とピンチを背負ったが、最後は野村を153キロで二ゴロ併殺に片付けた。これで球団では1993年の田村勤、2008年、11年の藤川球児(08年は11試合連続)に続く、登板10試合連続セーブ。今季19セーブでセ・リーグを独走だ。
◆痛烈な打球がベース横を襲う。サンズがファーストミットを地面と白球の間にねじ込んだ。慌てて帰塁する一塁ランナー。193センチ、102キロの巨体を揺らしてダイビングタッチだ。公式戦では来日初の一塁守備。軽やかな身のこなしをみせた。 「日本に来てから、1軍の試合で(一塁守備は)初めてだけど、これまでも守ってきたポジションだし、なんの違和感もなかったよ」 1-0で迎えた六回の守備。1死一、二塁と一打同点のピンチだった。西川の初球。弾丸ライナーを好捕すると一走・浅間をタッチアウト! 日本ハムベンチはたまらずリクエストも、判定は覆らず。ビッグプレーでピンチの芽を摘んだ。 マイナー時代や韓国では経験のある一塁守備。昨季、2軍戦で守ったことはあったが1軍では初だった。五回2死では野村の打球をジャンピングキャッチと、ブランクを感じさせない美技連発。今後の戦いに大きなオプションを加え、矢野監督も「(攻守)両方で頑張ってくれたんで、申し分ないです」と喜んだ。 本職の外野では、この日のオールスターの中間発表で、佐藤輝、近本に続いて出場圏内の3位に浮上。外野を虎で独占した。投票してくれた虎党へ、〝御礼〟とばかりに八回には貴重な中前適時打を放った。 1点差に迫られた直後、再び相手を突き放す価値ある一打。S砲は「テル(佐藤)が出てくれてから何としてもかえそうという気持ちだったよ」と目を細めた。二回にも中前打を放って、今季17度目のマルチ安打。今季初盗塁も決めるなど大ハッスルの一日だ。 「しっかりと守りでもチームに貢献することは常に心がけているからよかったね」 次はパ・リーグ1位の楽天とセパ首位対決。頼もしい助っ人が、打って、走って、そして守って、虎を支える。(原田遼太郎)
◆狙いをすまし、フルスイングすると、白球は黄色く染まった右翼席へ消えていった。打った瞬間スタンドインを確信した近本はゆっくりと歩を進め、関学大の先輩・宮西から放った会心の一撃に表情を緩めた。 「ストレートを仕留められていないところがあったので、ストレートにしっかり合わせながら、先輩の宮西さんとの勝負も楽しみだったので、しっかり振り切れた。結果的にも追加点でよかったと思う」 1―0の七回、2死走者なしで打席に立つと、セットアップ左腕の初球141キロを一閃。5月19日のロッテ戦(甲子園)以来、3週間ぶりの4号ソロでリードを広げた。 相手の宮西は関学大で近本の9学年上の先輩。2019年の交流戦では2打数2三振に抑えられていたこともあり、今回の〝同門対決〟に燃えていた。「(2年前に)2三振食らっていたので。それは覚えていたし、しっかり初球から打ちにいこうとは思っていた」。積極的な姿勢で〝3度目の正直〟を決めた。
◆よっしゃあ!! 昨年韓国で20勝を挙げたアルカンタラが、気温の上昇とともに体が切れるようになって、6回0/3を3安打無失点の2勝目。リリーフに回った藤浪が八回を2三振の三者凡退で斬っての今季最大貯金『17』は苦戦が予想された交流戦だけにデカ~い!! さあ、交流戦は残り3試合。日本ハムに3連勝して交流戦で貯金1と思ったら...。えーっ、次のカードはパ首位の楽天戦!! しかも、予想先発は今季6勝の涌井に「マーくん、神の子、不思議な子」とあのノムさんをうならせた田中将、ルーキーで早くも7勝のD1位左腕、早川がくるって! ちょっと待て。これって『北斗の拳』だと、トキを必死に倒したと思ったら、それ以上に圧倒的に強いラオウが出てくるような...(分からない人はゴメンなさ~い)。 だけど、そこに一人立ち向かうケンシロウ、いやテルアキ(佐藤輝)が猛虎にはいたのだった!! 「お前はもう死んでいる!!」。テルアキー! 楽天の強力3投手に猛虎百裂拳を食らわしたれー!!
<交流戦順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (1↑) |
中日 |
8 | 4 | 2 | 0.667 (↑0.031) | - (↓0.5) |
4 | 44 (+7) | 43 (+3) | 14 (+2) | 5 (+1) |
0.250 (↑0.011) | 3.050 (↑0.08) |
2 (-) |
DeNA |
7 | 4 | 3 | 0.636 (-) | 0.5 (-) |
4 | 77 (+8) | 83 (+8) | 22 (+1) | 3 (+1) |
0.299 (↓0.001) | 5.520 (↓0.2) |
3 (1↑) |
ORIX |
8 | 5 | 1 | 0.615 (↑0.032) | 0.5 (↓0.5) |
4 | 74 (+3) | 60 (+1) | 11 (+1) | 5 (-) |
0.293 (↑0.001) | 4.280 (↑0.26) |
3 (2↓) |
楽天 |
8 | 5 | 1 | 0.615 (↓0.052) | 0.5 (↑0.5) |
4 | 64 (+3) | 54 (+7) | 12 (-) | 5 (-) |
0.274 (↓0.004) | 3.730 (↓0.26) |
5 (2↑) |
阪神 |
7 | 7 | 0 | 0.500 (↑0.038) | 2 (↑0.5) |
4 | 60 (+10) | 66 (+3) | 14 (-) | 17 (+2) |
0.243 (↑0.006) | 3.890 (↑0.07) |
5 (2↑) |
ヤクルト |
7 | 7 | 0 | 0.500 (↑0.038) | 2 (↑0.5) |
4 | 68 (+5) | 64 (+3) | 17 (+1) | 12 (+2) |
0.273 (↑0.005) | 4.690 (↑0.22) |
7 (2↓) |
ロッテ |
6 | 7 | 1 | 0.462 (↓0.038) | 2.5 (↓0.5) |
4 | 73 (+3) | 62 (+5) | 15 (-) | 17 (-) |
0.268 (↑0.007) | 4.290 (↓0.06) |
8 (2↑) |
ソフトバンク |
5 | 6 | 3 | 0.455 (↑0.055) | 2.5 (↑0.5) |
4 | 61 (+8) | 44 (+4) | 17 (+1) | 8 (+1) |
0.245 (↑0.002) | 3.120 (↓0.07) |
8 (2↓) |
巨人 |
5 | 6 | 3 | 0.455 (↓0.045) | 2.5 (↓0.5) |
4 | 52 (+1) | 55 (+3) | 19 (+1) | 7 (-) |
0.242 (↓0.01) | 3.730 (↑0.03) |
10 (1↓) |
日本ハム |
5 | 8 | 0 | 0.385 (↓0.032) | 3.5 (↓0.5) |
5 | 46 (+3) | 54 (+10) | 6 (-) | 10 (+1) |
0.237 (↓0.002) | 3.740 (↓0.36) |
11 (-) |
西武 |
3 | 5 | 4 | 0.375 (-) | 3 (-) |
6 | 60 (+8) | 68 (+8) | 21 (-) | 3 (-) |
0.272 (↑0.001) | 5.610 (↓0.13) |
12 (-) |
広島 |
2 | 7 | 2 | 0.222 (↓0.028) | 4.5 (↓0.5) |
7 | 41 (+4) | 67 (+8) | 8 (+1) | 11 (-) |
0.276 (↓0.006) | 5.810 (↓0.29) |
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
35 | 19 | 2 | 0.648 (↑0.006) | - (-) |
87 | 251 (+10) | 205 (+3) | 59 (-) | 51 (+2) |
0.254 (↑0.001) | 3.360 (↑0.01) |
2 (-) |
巨人 |
28 | 22 | 10 | 0.560 (↓0.011) | 5 (↓1) |
83 | 242 (+1) | 218 (+3) | 75 (+1) | 39 (-) |
0.253 (↓0.002) | 3.450 (-) |
3 (-) |
ヤクルト |
27 | 23 | 7 | 0.540 (↑0.009) | 6 (-) |
86 | 251 (+5) | 237 (+3) | 57 (+1) | 37 (+2) |
0.253 (↑0.002) | 3.960 (↑0.03) |
4 (-) |
中日 |
24 | 26 | 9 | 0.480 (↑0.011) | 9 (-) |
84 | 169 (+7) | 178 (+3) | 32 (+2) | 27 (+1) |
0.239 (↑0.003) | 2.890 (↑0.01) |
5 (-) |
広島 |
18 | 27 | 7 | 0.400 (↓0.009) | 12.5 (↓1) |
91 | 172 (+4) | 214 (+8) | 34 (+1) | 29 (-) |
0.259 (↓0.001) | 3.850 (↓0.09) |
6 (-) |
DeNA |
19 | 33 | 9 | 0.365 (-) | 15 (↓0.5) |
82 | 239 (+8) | 308 (+8) | 59 (+1) | 12 (+1) |
0.251 (-) | 4.850 (↓0.06) |
<パ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
楽天 |
31 | 22 | 9 | 0.585 (↓0.011) | - (-) |
81 | 252 (+3) | 225 (+7) | 49 (-) | 26 (-) |
0.244 (↓0.001) | 3.470 (↓0.06) |
2 (-) |
ソフトバンク |
29 | 23 | 10 | 0.558 (↑0.009) | 1.5 (↑1) |
81 | 271 (+8) | 217 (+4) | 57 (+1) | 44 (+1) |
0.260 (-) | 3.330 (↓0.01) |
3 (-) |
ロッテ |
26 | 26 | 8 | 0.500 (↓0.01) | 4.5 (-) |
83 | 288 (+3) | 255 (+5) | 61 (-) | 51 (-) |
0.253 (↑0.002) | 4.030 (↓0.01) |
4 (-) |
ORIX |
26 | 27 | 8 | 0.491 (↑0.01) | 5 (↑1) |
82 | 249 (+3) | 246 (+1) | 58 (+1) | 19 (-) |
0.255 (↑0.001) | 3.760 (↑0.05) |
5 (-) |
西武 |
22 | 25 | 12 | 0.468 (-) | 6 (↑0.5) |
84 | 233 (+8) | 250 (+8) | 51 (-) | 52 (-) |
0.247 (↑0.001) | 4.170 (↓0.05) |
6 (-) |
日本ハム |
20 | 32 | 5 | 0.385 (↓0.007) | 10.5 (-) |
86 | 180 (+3) | 244 (+10) | 31 (-) | 34 (+1) |
0.224 (↓0.001) | 3.910 (↓0.08) |
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