阪神(★3対7☆)オリックス =交流戦3回戦(2021.06.03)・阪神甲子園球場=
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ORIX
00021002271301
阪神
2100000003702
勝利投手:村西 良太(1勝0敗1S)
敗戦投手:岩崎 優(1勝3敗0S)

本塁打
【オリックス】紅林 弘太郎(4号・8回表2ラン)
【阪神】大山 悠輔(6号・1回裏2ラン),佐藤 輝明(14号・2回裏ソロ)

  DAZN
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◆オリックスが逆転勝利。オリックスは1点ビハインドの5回表、2死二塁から福田の適時打で同点とする。そのまま迎えた8回に、紅林の2ランでリードを奪うと、続く9回には吉田正の適時二塁打で2点を挙げ、試合を決めた。敗れた阪神は、2番手・岩崎が誤算だった。

◆オリックスには、打撃にも魅力が詰まった投手がいる。3日阪神戦(甲子園)に先発予定の山崎福也投手(28)は"甲子園記録"の保持者である。 日大三時代の3年春、センバツ甲子園に出場し、準優勝。計13安打を放ち、1大会における通算安打の最多タイ記録を樹立した。投手としても決勝までの5試合全てに先発登板するなど"二刀流"としてチームの躍進に貢献した。 「(甲子園の)イメージはすごく良いです。楽しみな気持ちが強い。(交流戦は)打席にも立てるチャンスがあるので」 ここまでのプロ通算は8打数2安打の打率2割5分で「来たボールをしっかり打つことだけ考えて打席に立ちます」と爽やかな笑顔を見せる。 打席から見える景色は「高校生のときの記憶しかないですね。なんか、懐かしい感じです。(甲子園は)高校生のときを思い出しますね」と浜風に髪をなびかせる。 打席だけでなく「マウンドも投げやすいイメージがある。高さだったりが、良い感じです」。阪神戦は過去3試合に登板して13回1/3で自責点0。好データが残るも「対決も少ないので、とくに意識はしていません」と、さらっと受け流す。 投げて、打って、走って-。ヘルメット姿の山崎福にも、注目が集まる。【オリックス担当=真柴健】

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、2回に14号ソロを放った。オリックス先発山崎福からバックスクリーン右へ運んだ。ビジョンに表記された飛距離は130メートル。試合開始から小雨が降り続け、この日は通常の浜風とは逆に左翼から右翼への追い風が吹いていた。 「追加点を取ることができてよかった。甲子園で本塁打を打ったのも久しぶりだったので、ファンのみなさんの前で打つことができてよかった」とコメント。甲子園での本塁打は5月2日広島戦での8号ソロ以来、約1カ月ぶり。オリックスとの関西ダービー3戦目でようやく1発が飛び出した。 これで交流戦4本目のアーチ。10年に巨人長野が記録した交流戦新人最多本塁打に並んだ。当時は24試合制だったが、現行は18試合。怪物ルーキーには試合数の減少も関係なく、記録更新に期待がかかる。 前日2日はオリックス先発左腕宮城には2打席凡退したが、その後2安打を放ち今季15度目のマルチ安打を放っていた。元阪神レジェンド左腕の能見からも高めフォークを右前へ運んだ。 また14本は阪神の球団新人本塁打記録でも、48年別当の13本を抜き単独3位に浮上。2位は80年岡田の18本、1位は69年田淵の22本。球界の大卒新人では、01年に13本を放った巨人阿部を抜いた。

◆阪神大山悠輔内野手(26)がサイクル安打に王手をかけた。 1回裏2死一塁、フルカウントから左腕山崎福のチェンジアップをとらえ、バックスクリーン右に先制の6号2ランを運んだ。35日ぶりの1発に「浮いてきたボールをしっかり仕留めることができました。早い回に援護することができて良かったです」と話した。 5月に背中の張りで戦線離脱した期間があり、4月29日中日戦以来の1発。値千金のアーチでチームを盛り上げた。 3回には三遊間を破り、6回には中越え二塁打。残りの打席で三塁打が出れば、サイクル安打となる。

◆オリックス山崎福也投手(28)が、1点を追う5回2死から左中間二塁打を放ち、同点の好機を演出した。阪神アルカンタラの初球152キロを捉えると、打球は遊撃手の頭上を越えた。"甲子園記録"の保持者が"甲子園初安打"を記録した。 山崎福は日大三時代の3年春、センバツ甲子園に出場し、準優勝。計13安打を放ち、1大会における通算安打の最多タイ記録を樹立した。投手としても決勝までの5試合全てに先発登板するなど"二刀流"としてチームの躍進に貢献した。 試合前には「(甲子園の)イメージはすごく良いです。楽しみな気持ちが強い。(交流戦は)打席にも立てるチャンスがあるので」と話していた。 これでプロ通算10打数3安打の打率3割。打席から見える景色は「高校生のときの記憶しかないですね。懐かしい感じです。(甲子園は)高校生のときを思い出しますね」と、ヘルメットを脱いだ二塁ベース上で浜風に髪をなびかせた。

◆阪神が1回、大山の6号2ランで先制した。2回には佐藤輝の14号ソロで追加点を挙げた。オリックスは3回まで無安打。 オリックスは4回に2点を返すと、5回に福田の中前適時打で同点とした。阪神は6回に2死二、三塁の好機をつくるも無得点。 オリックスは8回、紅林が勝ち越しの4号2ラン。逆転勝ちで2カード連続の勝ち越しを決め、村西が1勝目。阪神岩崎は3敗目。

◆阪神が痛恨の逆転負けを喫し、14試合連続で白星と黒星を交互に繰り返す「オセロ」から抜け出せない。同点の8回、岩崎優投手(29)がオリックス紅林弘太郎内野手(19)に決勝の4号2ランを浴びた。 先手を取ったのは、阪神だった。初回に大山悠輔内野手(26)の6号2ラン、2回に佐藤輝明外野手(22)の14号ソロで3点を奪取。好スタートを切ったが、中盤にオリックスに追いつかれた。3-2の5回2死無走者から、投手の山崎福也(28)に二塁打を許し、福田周平内野手(28)に同点打を打たれた。 6回2死二、三塁、7回2死一、二塁の勝ち越し機も、あと1本が出ず。逆に9回、オリックスに吉田正尚外野手(27)の2点適時二塁打でダメを押され、終盤の戦いで競り負けた。

◆前夜のヒーローが好調をキープした。阪神の北條史也内野手(26)が1回1死、カウント2-1から甘く入ったチェンジアップを左前にはじき返した。その後4番大山に2ランが飛び出し、先制のホームを踏んだ。 7回に死球を受け、ベンチに退いた。前日2日には2打席連続タイムリーで勝利に貢献。この日も4打席で2度出塁し、2番の役割を果たした。

◆阪神ラウル・アルカンタラ投手(28)が来日最長の7回を投げ、3失点と粘ったが、2勝目には届かなかった。 3回までは完全投球も4回に2失点。5回2死から投手の山崎福に浴びた二塁打をきっかけに同点に追いつかれた。6、7回も得点圏に走者を背負いながらも、適時打は許さず。7回2死一、二塁ではオリックス吉田正を来日最速155キロ速球で三邪飛に打ち取り、同点で降板した。「先制してもらったのに追いつかれてしまったのは反省点だけど、最後のピンチの場面を粘ることができたのは良かったと思う」と振り返った。

◆「日本生命セ・パ交流戦」のオリックス戦で、阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が2回に14号ソロを放った。交流戦はこれで4本塁打目で、巨人長野が記録した新人最多に並んだ。関西ダービーは負け越しとなったが、パ球団が相手でも怪物ルーキーに陰りはなかった。佐藤輝が交流戦の歴史にもその名を刻んだ。2回、オリックスの左腕山崎福の100キロのカーブを強烈な破壊音とともにかち上げた。白球は171キロの打球速度で小雨を切り裂いた。130メートルのアーチを描いてバックスクリーン右のスタンドへ消えた。この日は名物の浜風ではなく、左翼から右翼へ追い風が吹いていた。「速い球を待ちながら、しっかり遅い球についていけた。昨日(2日)は同じようにカーブにやられていたんですけど、今日は打つことができてよかった」。前日は左腕宮城に100キロ台のカーブで2打席飛球に倒れていた。反省を生かしての14号ソロだった。 本拠地での本塁打は無観客で行われた5月2日広島戦での8号満塁弾以来約1カ月ぶり。Zポーズで出迎えた矢野監督も「緩いボールを打つのも輝の能力。初めて対戦する投手から打つのは簡単ではない」とたたえた。佐藤輝が「甲子園で本塁打を打ったのも久しぶりだったので、ファンのみなさんの前で打つことができてよかった」と話すように甲子園のファンの前では4月25日DeNA戦での6号2ラン以来となった。 交流戦4本塁打は10年に巨人長野が記録した交流戦新人最多本塁打に並ぶタイ記録。この日の記録更新も期待されたが、同点の6回2死三塁では今季3度目の申告敬遠で歩かされるなど、相手の警戒は厳しくなるばかりだ。長野が打った当時は24試合制だったが、現在は18試合。まだ9試合を残しており、記録更新は時間の問題だ。 大山と今季2度目のアベック弾も勝利に結びつかず、関西ダービーは負け越しとなった。4日のソフトバンク先発は石川。球界のモノノフ(ももいろクローバーZファンの愛称)対決となる。3月5日のオープン戦では初打席初本塁打を逆方向へたたき込んでいる。公式戦ではさらにハイレベルな対決となりそうだ。「また対戦相手も変わりますし、目の前の試合に集中して、点をたくさん取れるように頑張ります」と気持ちを切り替えた。天気予報は雨のち曇り。この日のように甲子園には再び追い風が吹きそうだ。【石橋隆雄】 ▼阪神のルーキー佐藤輝が14号ソロ。阪神の新人では48年の別当(13本)を抜き、69年田淵(22本)、80年岡田(18本)に次いで単独3位となった。また、交流戦では4本目。交流戦で新人がシーズン4本塁打は10年の長野(巨人)と並び最多。10年の交流戦は24試合制だったが、今季の交流戦は18試合。佐藤輝は9試合で4本打っており、残り9試合でどれだけ伸ばせるか。

◆阪神大山悠輔内野手(26)は35日ぶりの1発から快音3連発だ。6号先制2ランから左前打、中越え二塁打で猛打賞を記録。ただ、チームは逆転負けを喫し「勝利が一番なので、やっぱり勝利につながらなかったことは悔しいです」と言葉に感情を込めた。 内容の濃い3安打だった。まずは1回裏2死一塁。フルカウントから左腕山崎福のチェンジアップをとらえ、バックスクリーン右に運んだ。3回2死一塁では山崎福の直球に食らいつき、三遊間を破ってチャンスメーク。6回1死では変則右腕比嘉の初球145キロ直球を強く打ち返し、ライナー性の飛球でフェンス手前まで持っていった。 5月上旬に背中の張りで戦線離脱し、同25日の交流戦開幕戦で1軍復帰。この日の1発は4月29日中日戦以来のオーバーフェンスでもあった。直近4戦のうち3戦で無安打に終わっていただけに、矢野監督も「ヒットは出るけど長打がなかなか出ていなかった。きっかけになる試合にしてくれたら」と今後に期待する。 試合後、主将は「自分なりに結果が出たことはプラスだと思う。それをどうやって勝ちにつなげるかをしっかり反省して、またチームが勝てるようにやっていきます」と力を込めた。次戦も変わらず、勝利のみを追求する。【佐井陽介】

◆オリックス変則右腕の村西良太投手が、ピンチをしのぎプロ初勝利を挙げた。 同点の7回2死二塁で登板。初球に死球を与え「結構、焦りました。やばいなぁって」と苦笑い。続くマルテを空振り三振に仕留めてガッツポーズした。勝利球は「能見さんからもらいました。親に贈るか、自分で保管しておきます」と笑顔。近大の後輩佐藤輝の前で、先輩の意地を見せた。

◆オリックス19歳の紅林弘太郎内野手が8回に値千金の決勝4号2ランを放った。 同点の8回1死一塁。静岡の同郷・岩崎の140キロを捉え、バックスクリーン左に放り込んだ。「中嶋監督に(開幕から)ミスしても使ってもらっていた。何とか恩返ししようと思った。初めて恩返しできてよかった」。関西ダービーを勝ち越し、4位に浮上した。

◆打撃不振の阪神ジェフリー・マルテ内野手が、13打席ぶりにヒットを記録した。 3回に初球をとらえ三遊間へゴロを放ち、全力疾走で内野安打とした。5月下旬には一時、打率を3割に乗せるも、打撃は急降下。足でもぎ取った内野安打を復調のきっかけにしたい。

◆プロ3年目の阪神湯浅京己投手(21)が、1軍初登板を果たした。 腰のケガを克服して1日に1軍に初昇格。2点を追う9回に登板。だが1死一、三塁のピンチを招き、吉田正に左中間を深々と破られて2点を失った。「初登板できた喜びはありますが、それ以上に悔しい思いが強いです」とダメ押し打を悔やんだが、矢野監督は「しっかり腕振っていいボールは投げていたと思う。これからチームの中で、大きな1つのカードになっていく投手になってくれたらと思います」と期待した。

◆悲鳴に包まれた白球が甲子園の夜空に飛んだ。虎が誇る「8回の男」が決勝弾を浴びた。3-3の同点で迎えた8回1死一塁。セットアッパー岩崎優投手(29)が投じた4球目140キロを、6番紅林にバックスクリーン左まで運ばれた。4連投となった左腕は、ガックリと両手を膝についたまま動けず。たまらずベンチからタオルが投げられた。 「勝利の方程式」が崩されて痛すぎる終盤の逆転負け。交流戦2度目のカード負け越しに矢野監督も「いい感じで先制できたんで、そのままいきたかったですけど」と悔しがった。阪神のイニング別得失点はこれで8回がワーストのマイナス22点。強みであるはずの終盤戦が弱点になりかけている。チームの快進撃を支える岩崎だが、交流戦に入ってからこれで3敗目。交流戦5試合で計3イニングを投げて8失点(自責5)。交流戦前に1・33だった防御率は15・00と跳ね上がる。 指揮官は「今までの貯金というのは優がチームを引っ張ってやってくれたところがある。優が打たれることに関しては受け止められる」と責めることはないが、配置転換やリフレッシュの意味でベンチ外にする措置については「それも考えながら。一応(中継ぎ)9人いるんで」と否定しなかった。「(天候不良で中止にならず)明日試合があるようならそれもまた考えていこうかなと思っている」とすぐに手を打つ考えだ。 どうも波に乗れない。5月14日の巨人戦(東京ドーム)で引き分けを挟んで4連勝としてから●○と白星、黒星が交互に14試合も続く。連敗もないが、連勝もないオセロ地獄。矢野監督は「いい状態と言えない中でも粘っていると思う。1年間の中でこういう状態がよくない波は絶対にある」と踏ん張りどころとし、「打者が打っていってくれると状態が上がっていくんかなと思う」と打線の奮起を期待した。西武戦に引き分けて3・5差に迫る2位巨人の存在も気になるところ。ガッチリと投打がかみ合った試合を積み重ねたい。【桝井聡】 ▼阪神は5月14日から巨人戦○●○、ヤクルト戦●○、ロッテ戦●○●、西武戦○●○、オリックス戦●○●と勝ちと負けが交互に14試合続いている。昨年6月26日~7月15日にDeNAが16試合で白黒を連続させたプロ野球記録に迫っている。

◆阪神が逆転負けで、オリックスとの3連戦を負け越した。矢野燿大監督(52)が、試合を振り返った。 ? -ゲームを振り返って 矢野監督 いい感じで先制できたんで、そのままいきたかったですけど、そうはいかなかったですね。 -大山に久々の1発が出た 矢野監督 ホームランも打てる打者なんで、そういうところでは久しぶりにああいう形で出て、今日は3本ですか? 状態を上げていってもらいたいんで、そういう形になればいいという1本ですね。 -佐藤輝にも1本が出た 矢野監督 反応で打ったと思うんですけど、緩いボールを打つのも輝の能力の中ではあるところなんで、本人の力でしっかり打てたかなと思います。 -先発アルカンタラが7回を投げた 矢野監督 1個1個はいいボールがあるかなというところがあるんですけど、どうしてもそろえてしまうというか、コントロールがある程度、いいピッチャーなんでね、そういうところではやられるパターンとしてはそろえてしまうかなというところはあると思いますけど、最後もしっかり粘ってくれたところもあるんで、いいところと次回に向けての課題はちょっと残るかなというところですね。 -岩崎の状態が心配 矢野監督 登板も多くなっていますし、今までの貯金というのは優がチームを引っ張ってやってくれたところがある。優が打たれることに関しては受け止められるというか、今まで本当に頑張ってくれているんでね。状態を上げるというのと、こちらの使い方というのは考えていく必要があるかなというところですね。 -湯浅がプロ初登板 矢野監督 点は取られましたけど、四球で崩れるとか、そういう形ではなかったですし、しっかり腕振っていいボール投げていたと思うんでね。点は取られたんですけど、これからチームの中で、大きな1つのカードになっていく投手になってくれたらと思います。 -連勝に届かない 矢野監督 チームとしては全体的に絶好調という感じではないですけど、うちは全員で戦うというのがチームの野球、持ち味なんでね。明日からもそういう野球をやっていきます。 -先発したアルカンタラは、失点はした中でも粘った 矢野監督 もうちょっと粘れるというか、ストライクがどうしても投げられるピッチャーなんで。ピンチになると、なんか点の取られ方が淡泊にちょっと見えてしまうっていうのは、結果論なんだけど。まあそういうところもあるかなと思うし。だから、いいボールと、点の取られ方というのが...。もうちょっと粘れたらなという理想はあるけど。でも、結果的に7回を投げてきてくれて、最後のピンチも粘ってくれているというところは先発として、しっかり最後を粘ってくれたんでね。こういう試合になったと思うんでね。そういうところの粘りというのがあれば、より最高かなと思うけど。 -中継ぎの疲労は 矢野監督 ここまできたら、優(岩崎)だってこれだけ投げているんだから、疲れはもちろんあると思うしね。それが影響してないとは言えないんでね。そういうところを見ながら使っていく必要があるかなと思っています。 -先日は岩貞がベンチ外。岩崎の配置転換などは 矢野監督 いや、それも考えながら。一応9人いるんで、それも考えながら。明日、試合があるようならそれもまた考えていこうかなと思っています。 -大山がセンター方向に彼らしい当たり 矢野監督 ちょっとヒットは出るけど、長打っていうのがなかなか出ていなかった。ホームランとツーベースがセンター方向に出始めたんで。きっかけになる試合にしてくれたらいいなというのと。いったん離れてから実戦というのもたっぷりやったというところではないので。そういうところではピッチャーとの慣れというのも、慣れてきたというのはあるのかなと思うし、もちろんチャンスで回る打順なんで。今日をきっかけにどんどん打ってくれたらなと思います。 -いい形になってきた 矢野監督 もっと上があるから。今がすごくいいという感じではまだないと思うんだけど、さっき言ったようにきっかけになればいいな。こういう感じで打っていたんだな、と思い出す感じになればいいなと思うけど。 -佐藤輝は交流戦でも本塁打。対応力、成長も感じる 矢野監督 まあまあ、あれくらいは打つんじゃないかなというのを打った感じにしか見えないけどね。もちろん初めて対戦するピッチャーから打つってことは簡単じゃないし。それをヒットじゃなくホームランにできるというところが輝の魅力だと思うんで。成長というか、本人の持っている力は出たかなと思う。 -白星と黒星が交互。連勝できないが、チーム状態は 矢野監督 まあ、いい状態と言えない中でも粘っていると思うし、1年間の中でこういう状態が良くない波は絶対にあるんで、そういうところでも粘っているという部分はもちろんあるし。特に最近は点を取ったら取られるという試合の中でかみ合っていない部分が出てしまっているので、そういうところでは、打者が打っていってくれると状態が上がっていくんかなと思う。打者の奮起を待ちたいかなというところです。

◆雨上がりの甲子園に突き刺した。オリックスの高卒2年目紅林弘太郎内野手(19)が8回に値千金の勝ち越し4号2ランを放った。 「打球が上がらなかったので、どうかなぁと思ったんですけど、感触はよかった。あんまり(ダイヤモンドをまわった)記憶は(残って)ないですね」 初体験の甲子園弾に笑みが絶えない。同点の8回1死一塁、同郷静岡の先輩・岩崎の140キロを捉え、バックスクリーン左に放り込んだ。「中嶋監督に(開幕から)ミスしても使ってもらっていた。何とか恩返ししようと思った。初めて恩返しできてよかった」。孝行息子は、迷わず言葉を並べた。 19年ドラフト2位で駿河総合からオリックスに入団。高校通算40本塁打を放ってきた、未来の大砲候補は19歳だ。3月26日、西武との開幕戦(メットライフドーム)。致命的な守備のミスを犯し、チームは敗戦した。「本当に、申し訳ないです...」。初の開幕1軍&初の開幕スタメンに「足が震えてしまって...」と声も震わせた。 毎日、訪れる試練。クタクタになるまで練習し、試合では神経を研ぎ澄ませる。「結構、疲れて、部屋とか、ホテルとか帰ったら、いっぱい食べてすぐ寝る。(寝付けなかったことは)ないですね」。増量にも成功し、現在は98キロ。186センチの大型遊撃手は、次第に1軍の空気にも慣れた。 中嶋監督は19歳の成長を「(普段)ぼーっとしてるでしょ(笑い)」と認め「本当に前向きだというのが見える。誰もが19歳とは思っていない」と評価した。 関西ダービーに勝ち越し、借金3。4位浮上。若手が生き生きと躍動するオリックスから、目が離せない。【真柴健】

◆オリックス・山本由伸投手(22)が先発予定の4日の中日戦(バンテリンドーム)に向けて、意気込みを語った。 「1週間、しっかり練習できたので、いい状態で来ています。特に調整で変えたところはないですけど、状態はどんどん良くなっている」 相手はエース、大野雄が先発予定。球界を代表する左腕との投げ合いに「すごい楽しみな部分はある。投げ負けないように」と力を込めた。 中日は2日現在、交流戦首位。ここまで自身は4勝5敗、防御率はリーグトップの2・39。「あしたはカード頭になるので、しっかり初戦を取れるように」と気合を入れた。

◆阪神の4番が目覚めの一発を放った。大山悠輔内野手(26)が一回2死一塁から先制の6号2ランを放った。 「浮いてきたボールをしっかり仕留めることができました。早い回に援護することができてよかったです」 オリックスの先発は左腕・山崎福。フルカウントから6球目だった。124キロチェンジアップを捉えると、白球はバックスクリーン右へ着弾した。 大山は背中の張りから1軍復帰後、初アーチ。4月29日の中日戦(バンテリンD)以来、出場12試合&48打席ぶりの一発だった。

◆主砲の一打に怪物ルーキーも続いた。阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が2-0の二回に14号ソロを放ってリードを広げた。 「追加点を取ることができてよかったです。甲子園でホームランを打ったのも久しぶりだったので、ファンのみなさんの前で打つことができてよかったです」 先頭で打席に向かうと、カウント1-1から3球目。山崎福の100キロカーブを完璧に捉えた。白球は長い滞空時間を経て、右中間席へズドン。打球速度171キロ、打球角度は31度、飛距離130メートルの一発に甲子園が大きな歓声に包まれた。 4番・大山の6号2ランに続き、黄金ルーキーの一発。佐藤輝が甲子園でホームランを放つのは、5月2日の広島戦以来、1カ月ぶりだった。

◆先発した阪神の新助っ人のラウル・アルカンタラ投手(28)が鬼門の六回を抑えた。 六回はここまで2試合でいずれも失点を喫していた。来日初登板となった5月16日の巨人戦(東京D)は、4連打を浴びて3失点。そして同27日のロッテ戦(甲子園)も3失点で負け投手となっていた。 3-3の同点で迎えたこの日も先頭の吉田正、杉本に連打を浴び、無死一、二塁のピンチ。それでも、T-岡田を152キロ直球で空振り三振に斬ると、紅林は右飛。最後は伏見を三ゴロに抑え、鬼門を切り抜けた。

◆阪神は先発した新助っ人のラウル・アルカンタラ投手(28)は来日最長の7回を投げて8安打3失点だった。三回までは一人の走者も許さない完璧な投球。しかし四回、先頭の福田に四球を与え、初めての走者を背負うと、杉本の適時打とT-岡田の犠飛で2失点。四回にも福田に適時打を浴びて、3-3の同点に追いつかれた。 六回、七回はいずれもピンチを背負う苦しい投球。七回は2死一、二塁から、パ・リーグトップの打率を誇る吉田正を迎えた。それでも、最後は三邪飛に仕留め無失点。来日最多の100球を投げた助っ人は、七回の打席で代打を送られて交代した。

◆オリックスの高卒2年目、紅林弘太郎内野手(19)が、勝ち越しの4号2ランを放った。 「感触は完璧でした! (先発の山﨑)福也さんや、中継ぎの投手の方々が頑張って投げてくださっていましたし、なんとか結果を出したいと思っていたので、打ててよかったです!」 3─3の八回1死一塁。2番手、岩崎が投じた140キロの直球をとらえ、バックスクリーン左へ運んだ。静岡・駿河総合高時代には春、夏ともに甲子園出場経験がなかった若者が、貴重な〝聖地1号〟を放った。

◆2番手で八回のマウンドに上がった阪神・岩崎優投手(29)が痛恨の2ランを浴びた。3-3で迎えた八回。先頭の杉本を空振り三振に斬ったが、T-岡田に左前打を許す。そして、6番・紅林に投じた4球目。鋭い打球はバックスクリーン左へと消えていった。岩崎はこの日で3連投。交流戦に入ってすでに2敗を喫しており、本調子を欠いている。

◆オリックスが逆転勝ちした。0―3の四回に2点返し、五回に福田が同点打。八回に紅林が勝ち越し2ラン、九回は吉田正が2点二塁打で突き放した。4番手の村西がプロ初勝利。阪神は三回以降は追加点が遠く、八回に岩崎が崩れた。

◆阪神は序盤の3点リードを守れなかった。3-3で迎えた八回、2番手の岩崎が紅林に決勝2ランを被弾し、痛恨の逆転負け。関西ダービーは1勝2敗と負け越した。 一回、大山が4月29日以来となる先制6号2ランをバックスクリーン右へ。二回にはD1位・佐藤輝(近大)が右中間に5試合ぶりの14号ソロを放って、一時はリードを3点に広げた。 三回まで走者を一人も許さなかった先発のアルカンタラが四回につかまり2失点。五回、同点に追いつかれた。アルカンタラは来日最長の7回を投げて8安打3失点と踏ん張ったが、打線は三回以降、無得点。八回に3-5と勝ち越されると、九回にも2点を奪われた。岩崎は今季3敗目(1勝)となった。

◆雨が降る甲子園。白球は高々と舞い上がり、大きな放物線を描いて右中間スタンドへと飛び込んだ。阪神のD1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=ががソロを放ち、ゆっくりとダイヤモンドを一周した。 「追加点を取ることができてよかったです。甲子園でホームランを打ったのも久しぶりだったので、ファンのみなさんの前で打つことができてよかったです」 2―0で迎えた二回先頭。カウント1―1から山崎福の100キロのカーブを捉えた。滞空時間の長い打球は、普段の浜風とは逆の左翼から右翼方向に吹く風にも乗って、右中間席へ着弾。追加点を奪った。 甲子園では5月2日の広島戦以来となる一発。約1カ月ぶりとなる本拠地でのアーチにスタンドから大きな拍手が起こる中、Zポーズだ。 この日の一発で14本塁打。球団の新人では並んでいた1948年の別当薫を上回り、歴代単独3位となった(1位は1969年、田淵幸一の22本、2位は80年、岡田彰布の18本)。 5月28日の西武戦(メットライフ)では1試合3発を放つなど、パ・リーグの投手を相手にも活躍。これで交流戦では4本塁打となり、24試合制(今季は18試合制)で行われた2010年の長野久義(巨人)の新人最多記録に9試合目で早くも並んだ。またしても歴史に名を残した。 さらに、一回には4番の大山がバックスクリーン右へ先制の2ラン。4月29日の中日戦(バンテリン)以来、背中の張りから1軍復帰後では初アーチを放った。また、大山と佐藤輝のアベック弾は4月15日の広島戦(甲子園)以来となる2度目。左右の長距離がスタンドの虎党を盛り上げた。 1勝1敗で迎えたオリックスとの関西ダービー第3戦。幸先よくリードを奪ったが、その後は追加点を奪えず、五回に3―3の同点に追いつかれた。そして終盤に中継ぎ陣が崩れ、カード負け越し。それでも、4番と黄金ルーキーと虎を引っ張るOS砲の競演で、強烈なインパクトを残した。

◆阪神は八回に岩崎優投手(29)が勝ち越し2ランを浴びて、3点リードを守れず逆転負け。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 (テレビインタビュー) ■そのままいきたかった... ーーゲームを振り返って 「いい感じで先制できたんで、そのままいきたかったですけど、そうはいかなかったですね」 ーー大山に久々の一発 「ホームランも打てる打者なんで、久しぶりにああいう形で出て、今日は3本ですか? 状態を上げてもらいたいんで、そういう形になればいいという1本ですね」 ーー佐藤輝にも1本が出た 「反応で打ったと思うんですけど、緩いボールを打つのも能力の中ではあるところなんで、本人の力でしっかり打てたかなと思います」 ーー先発・アルカンタラが7回を投げた(100球で3失点) 「どうしてもそろえてしまう。コントロールがある程度、いいピッチャーなんでね、やられるパターンとしては、そろえてしまうところはあると思いますけど、最後もしっかり粘ってくれたんで、いいところと次回に向けての課題は残るかなというところですね」 ■岩崎の起用法を考える ーー岩崎の状態が心配だ(1/3回投げて2失点で敗戦投手) 「登板も多くなっていますし、今までの貯金は優(岩崎)が引っ張ってくれたところがある。優が打たれることに関しては受け止められるというか、今まで本当に頑張ってくれているんでね。状態を上げるというのと、使い方は考えていく必要があるかなというところ」 ーー湯浅がプロ初登板(九回に登板し2失点) 「点は取られましたけど、四球で崩れるとか、はなかったですし、しっかり腕振って投げていた。チームの中で、大きな一つのカードになっていく投手になってくれたらと思います」 ーー連勝に届かない 「チームとしては全体的に絶好調という感じではないですけど、全員で戦うのが持ち味なんでね。明日からもそういう野球をやっていきます」 (記者取材に) ■アルカンタラは失点パターンが... ーーアルカンタラは失点はしたが粘った 「もうちょっと粘れるというか、ピンチになると、点の取られ方が淡泊に見えてしまうのは、結果論なんだけど。いいボールと、点の取られ方が...」 ーー中継ぎの疲労 「これだけ投げているんだから疲れは、あると思うしね。それが影響してないとは言えないんでね。そういうところを見ながら使っていく必要があるかなと思っています」 ーー先日は岩貞がベンチ外。岩崎の配置転換などは 「いや、それも考えながら。一応9人いるんで、それも考えながら。あした試合があるようなら、それもまた考えていこうかなと思っています」 ーー大山がセンター方向に彼らしい当たり 「ヒットは出るけど長打が出ていなかった。ホームランとツーベースがセンター方向に出始めたんで。きっかけになる試合にしてくれたらいいなというのと。いったん離れてから実戦を、たっぷりやったのではないので。ピッチャーに慣れてきたのはあるのかなと思うし、チャンスでまわる打順なんで。今日をきっかけにどんどん打ってくれたらなと思います」 ーーいい形になってきた 「もっと上があるから。今がすごくいいという感じでは、まだないと思うんだけど、さっき言ったように、きっかけになればいいな。こういう感じで打っていたんだなと思い出す感じになればいいなと思うけど」 ■あれくらいは打てる! ーー佐藤輝は交流戦でも本塁打。対応力、成長も感じる 「まあまあ、あれくらいは打つんじゃないかなというのを打った感じにしか見えないけどね。初めて対戦するピッチャーから打つのは簡単じゃないし。それをヒットじゃなくホームランにできるのが魅力だと思うんで。成長というか、本人の持っている力は出たかなと思う」 ■打者の奮起を熱望 ーー白星と黒星が交互。連勝できないがチーム状態は 「まあ、いい状態と言えない中でも粘っていると思うし、1年間の中で状態が良くない波は絶対にあるんで、そういうところでも粘っているという部分はもちろんあるし。特に最近は点を取ったら取られるという試合の中で、かみ合っていない部分が出てしまっているので、打者が打っていってくれると状態が上がっていくんかなと思う。打者の奮起を待ちたいかなというところです」

◆ブルペン陣の再整備を-。阪神は〝八回の男〟岩崎がオリックス・紅林に2ランを被弾し、交流戦に入って3度目の黒星を喫した。中日、西武、阪神で活躍し、楽天初代監督を務めた田尾安志氏(67)=本紙専属評論家=は、この日先発したアルカンタラと、2軍調整中の藤浪の中継ぎへの配置転換を提案。選手層は厚いだけに「柔軟に考えることが大事」と説いた。 ◆調子が落ちている岩崎 岩崎はここ最近、真っすぐの走りが悪く、ここ一番での制球も甘い。八回を任せられる内容ではない。3連投といっても中継ぎ投手の3連投など普通だ。連投どうこうではなく、調子自体が落ちているのだと思う。 これからの戦いを考えても、セットアッパーが岩崎、岩貞だけでは苦しい。ただ、代わりを務められる投手がいるかといえば、いまのブルペン陣には、いない。新たな投手が必要だ。そこでわたしが一番手に挙げたいのが、アルカンタラだ。 立ち上がりがよく、スピードもある。1イニングだけなら、もっと球威も増すだろう。適性はあると感じる。今季も1軍外国人枠は5人(ベンチ入りは4人)。投手3、野手2で、ガンケル(今週末に先発復帰予定)が先発のときだけ、アルカンタラが外れればいい。 ◆球威のある藤浪も候補 もう一人は、前から言っているが、藤浪だ。中継ぎ適性は昨季に証明済み。本人は先発にこだわっているのかもしれないが、チームのことを考えれば、藤浪が中継ぎに入ることが一番、戦力になる。アルカンタラ、藤浪という球威がある右腕2人を加えれば、ブルペンは相当、強力になるのではないか。 阪神の選手層は厚い。だからこそ、優勝を目指すのなら、柔軟性をもって、いろいろなバリエーション、パターンを考えることが大事だ。決めつけることが一番、よくない。「この投手で打たれたらしかたがない」で、終わらせてはいけない。 ◆戦力生かすため柔軟に 九回にはプロ初登板の湯浅を出して痛い追加点を奪われたが、2点差のままなら、まだまだわからない試合展開だった。そこらへんの戦い方が、非常に甘く感じる。もちろん首脳陣に考えがあるのはわかるが、新たな中継ぎ投手を発掘したいのなら、わたしはアルカンタラと藤浪を推す。 セ・リーグの首位を走っているが、今年の阪神のメンバーなら、もっともっと、いい戦いができるはずだ。せっかく戦力があるのだから、最大限に生かすべく、柔軟に考えていけばいい。(本紙専属評論家)

◆オリックスの村西がプロ2年目で初勝利を手にした。3―3の七回2死二塁から4番手で登板。ピンチを脱し、直後の八回に味方が勝ち越した。「あまり実感がない」と言いつつ、九回を抑えた能見からウイニングボールを手渡され「うれしいですね」と喜んだ。 最初の打者だった北條への初球が抜けて当ててしまい「焦った」そうで、マルテにもボールが三つ続いたが、立て直した。調子のいいカットボールで勝負し、空振り三振に仕留めた。兵庫・津名高―近大からドラフト3位でプロ入りし、初セーブを挙げた今季に白星もつかんだ。

◆夜空に舞い上がった白球はバックスクリーン左に着弾した。虎党の悲鳴を背に、オリックス・紅林はダイヤモンドを悠々と一周。決勝の4号2ランは、チームを2カード連続の勝ち越し&4位浮上にも導いた。 「打球があまり上がらなかったのでどうかな? と思ったんですけど、感触はよかったです。甲子園で打つというのは、いいですね」 3─3の八回1死一塁、岩崎が投じた140キロ直球をとらえた。静岡・駿河総合高時代には甲子園出場なし。「何とかプロでやり返そう、見返そうとやってきた」とD2位で入った世界で悔しさをばねに成長した。 1日には2本の適時打でプロ最多の4打点をマーク。中嶋監督が2軍の指揮官時代から育てる大砲は3試合で打率・333(12打数4安打)、1発、7打点と大暴れし、憧れの球場で存在感を示した。「チームはいい状態だと思う。優勝を目指して頑張りたい」と頼もしかった。(西垣戸理大)

◆雨の甲子園に快音を残すと、白球は一直線でバックスクリーン右へ飛び込んだ。大山が完全復活を見せつける先制2ラン。ダイヤモンドを一周し、白い歯がこぼれた。 「チームの勝利が一番なので、勝利につながらなかったことは悔しい」 待望の一発は一回2死一塁。フルカウントから山崎福の高めのチェンジアップを捉えた。4月29日の中日戦(バンテリン)以来、出場12試合48打席ぶりの一発だった。 三回は左前に運び、好機を拡大した 「浮いてきたボールをしっかり仕留めることができました」 開幕から4番に座ってきたが、背中の張りで5月6日に出場選手登録を抹消された。交流戦が開幕する25日のロッテ戦(甲子園)から1軍に復帰すると、9試合目でついにアーチを架けた。 さらに、三回2死一塁では左前打を放つと、六回1死では中越えの二塁打。こちらも4月29日以来となる猛打賞を記録し、完全復活をアピールした。 試合前練習でのことだ。井上ヘッドコーチが通訳を通してマルテにアドバイスをしていると、その横で耳を傾けた。復帰後はなかなか長打が出ず、不調気味。他の選手への助言も聞き、自分の打撃を見つめなおした。 六回には比嘉から中越え二塁打 矢野監督も「ホームランとツーベースがセンター方向に出始めた。今日をきっかけにどんどん打ってくれたら」と話すと「もっと上があるから。こういう感じで打っていたんだなと思い出す感じになればいい」とさらなる爆発に期待を込めた。 「自分なりに結果が出たことはプラスだと思うので、それをどうやって勝ちにつなげるかというところをしっかり反省して、またチームが勝てるようにやっていきます」 大山が誓った。4番として、主将として、目指すは勝利のみ。帰ってきた主砲が勝利に導く一打を量産する。(菊地峻太朗)

◆また、伝説作った! 阪神は「日本生命セ・パ交流戦」でオリックスに3-7で敗れたが、ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=が二回に14号ソロ。交流戦通算4本塁打とし、2010年の長野久義(巨人)の新人最多記録に並んだ。バットを振れば記録を呼ぶ。16年ぶりのリーグ優勝へ、無双のレジェンドになってくれ! プロ野球の歴史は、この男が並び、そして塗り替えるためにある。こぼれ落ちた勝ち星。悔しさをルーキーの豪快なひと振りがかき消してくれた。佐藤輝がまたもメモリアルアーチ。久々に甲子園の夜空を舞った白球は新たな伝説となった。 「速い球を待ちながら、しっかり遅い球についていけた。昨日は同じようにカーブにやられていたが、きょうは打つことができてよかった」 二回の第1打席。左腕・山崎福の100キロカーブに、屈強な下半身でタメを作る。渾身(こんしん)の力で振り抜いた。高く打ち上がった打球は長い滞空時間を経て、右中間スタンドに着弾。セ・リーグトップの巨人・岡本和、ヤクルト・村上に1差に迫る推定130メートルの14号ソロ。本拠地では5月2日の広島戦以来、32日ぶりに放った一撃に声も弾んだ。 「甲子園でホームランを打ったのも久しぶりだったので、ファンのみなさんの前で打つことができてよかった」 そして、この一本が交流戦4本目のホームランと2010年に長野久義(巨人)がマークした新人最多記録に並ぶ快挙となった。しかも当時は24試合制(現在は18試合制)。新記録樹立も時間の問題といえるだろう。 オープン戦はドラフト制以降の史上最多となる6発。新人で初の本塁打王となった。シーズンに入れば4月までの新人最多本塁打記録に並ぶ7本。5月28日の西武戦(メットライフ)ではセ・リーグ新人で長嶋茂雄(巨人)以来、63年ぶりの1試合3発。プロ入りから5カ月足らず。築き上げてきた数々の伝説に、また一つの勲章が加わった。 その伝説を刻み続けるスイングは幼少期からこだわり、磨き上げてきたものだ。小学1年生から始めた野球。ホームランの魅力にどっぷりはまった10歳の頃から、自宅に帰ると父・博信さん(54)と特訓の毎日だった。 新聞紙を粘着テープでくるんだお手製のボールでトスバッティング。実家の部屋、2室分をぶち抜いて作った練習場の壁が穴だらけになるほど一心不乱に打ち込んだ。天性のアーティストとしての素質だけではない。努力してきた日々が伝説を作る原点となっている。 矢野監督は「初めて対戦する投手から打つことは簡単じゃないし、それをヒットじゃなくホームランにできるのがテル(佐藤輝)の魅力。成長というか本人の持っている力はでた」とたたえた。チームは悔しい逆転負けで貯金は再び15。2位・巨人が3・5ゲーム差に迫り、4日からは4年連続日本一のソフトバンクとの戦いが始まる。チーム状況は好調といえない中での王者との対戦。それでも心配ない。虎にはこの男がいる。 「対戦相手も変わりますし、目の前の試合に集中して、点をたくさんとれるように頑張ります」と佐藤輝。黄金伝説は続く。期待に胸を膨らませる虎党へ、これから先も記録にも記憶にも残る一発を届けていく。(原田遼太郎)

◆よっしゃー! 42歳の能見さんが九回のマウンドを3人で抑えて、わが阪神、オリックスに連勝やー!! アレ...。能見さんはオリックス? ガーン!! そーでした、能見すなわち阪神しか、俺の頭にはないので間違えたー! しかし、4番・大山の先制2ランに怪物ルーキー、佐藤輝のホームランで3-0と勝ちムードにしたのに、逆転負けを食らうってのは...。優勝に黄色信号がともったのだ。 八回。岩崎が紅林に決勝2ランを浴びたのも、連投の疲れを考えたら悔しいけど想定内。苦しい中継ぎ陣の中で、あえて貴重な戦力の馬場をベンチから外し休ませた、矢野監督の栄光を見据えての采配も決して間違いではないのだ!! それでも貯金17到達に7度目の挑戦で、またはね返されたことが不安なのだ。こうなれば、勝負どころでのリリーフに「丁と出るか、半と出るか」の藤浪晋太郎にかけたれー!!

◆巨人は動きが早い。山口俊が米大リーグ、ジャイアンツ傘下3Aとの契約を破棄して日本球界復帰を表明。すぐに、巨人の球団幹部が獲得に乗り出す意向を示しました。しかし、トラ番たちは余裕の反応です。 「それだけピッチャーが苦しいんやろなあ」 ベテラン編集委員・三木建次です。 「菅野は近々戻ってくるみたいやけど、先発もリリーフも足らんでしょ。抑えのデラロサも抹消になったし」 だからすぐに手を挙げたのだろうとビヤ樽は言うのです。 「阪神は余裕がある。調子が下降線にはなっとるけど、それでも勝ったり負けたりの戦いを続けている。きょう勝ったら貯金が今季最多(17)になる。そういう状況をキープしてるんやから」 5月からずっと連敗がありません。サブキャップ・新里公章もうなずいています。 「苦しい展開になったときでも、きのう(2日)みたいに踏ん張って勝ちますからね」 2軍のオリックス戦(阪神が〇3-1)を鳴尾浜で取材していた織原祥平からは、うれしい話が飛び込んできました。糸原の復調です。平田2軍監督が4日の中日との2軍戦からスタメンで実戦復帰することを明かしました。「いつ呼ばれるかわからんしね」と話し、3連戦中の1軍復帰もありそうな口ぶりだったそうです。 「フリー打撃も守備練習も万全な動きでした」 織原の報告を聞いて、再びビヤ樽が、阪神は野手も層が厚い、と力説してきました。 「糸原が戻ってきたら、中野や北條もさらに頑張ると思う。中野はエラーした翌日に、ファインプレーとチャンスメークでやり返すんやから大したもんや。今年は新人や若手が頑張って、ずっと競争している」 だから、山口巨人復帰かのニュースを聞いても、みんな、ふ~んという反応だったのです。 菊地峻太朗によると、先発登板したアルカンタラも余裕の登場でした。 「スアレスと一緒にグラウンドに現れました。ずいぶんゆっくりです」 先発投手は通常、他の投手より早めに動いて、先にロッカーに戻って試合に備えます。 「これが彼の本来のペースなんでしょうか。表情も余裕があるように見えました」 そのアルカンタラは、三回までパーフェクトの立ち上がりでしたが、四、五回にあらら...。これは、当番デスクの余裕が裏目に出ました。 「好投はしてほしいけど、あんまりいいピッチングすると、ガンケルも戻って来るから西純とか若手の先発のチャンスがなくなるなあ。僕はまた西純が見たい」 デスク阿部祐亮にも、ぜいたくなことを言う余裕があったんです。アルカンタラは、あららの後は、打たれながらもなんとかしのぎました。 同点の八回に岩崎がまさかの一発を食らいましたが、救援陣は疲労もたまっていますから、こういう日もあります。 あらら、巨人が4-2を九回に追いつかれた。原監督、ピッチャー大変そうですね。どんどん補強してください。今年の阪神は、びくともしません。はい、強がりです。大山と佐藤輝にホームランが出たんだから、スカっといきたかったなあ。

DAZN

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
中日
612 0.857
(↑0.024)
-
(-)
928
(+4)
26
(+3)
7
(+3)
3
(-)
0.246
(↓0.01)
2.930
(↓0.01)
2
(-)
DeNA
522 0.714
(↑0.047)
1
(-)
944
(+4)
44
(+3)
15
(+1)
2
(+1)
0.282
(↓0.001)
4.500
(↑0.19)
3
(-)
巨人
432 0.571
(-)
2
(↓0.5)
936
(+4)
39
(+4)
12
(+2)
5
(-)
0.264
(↑0.005)
4.220
(↑0.02)
4
(1↑)
ORIX
540 0.556
(↑0.056)
2
(-)
959
(+7)
49
(+3)
10
(+1)
4
(-)
0.319
(↑0.003
5.420
(↑0.32)
5
(3↑)
楽天
441 0.500
(↑0.071)
2.5
(-)
931
(+4)
33
(+2)
7
(+1)
4
(+1)
0.253
(↓0.002)
3.460
(↑0.19)
5
(2↓)
ロッテ
441 0.500
(↓0.071)
2.5
(↓1)
940
(+3)
31
(+4)
8
(+1)
13
(+1)
0.225
(↓0.005)
3.120
(↓0.16)
7
(2↓)
阪神
450 0.444
(↓0.056)
3
(↓1)
936
(+3)
42
(+7)
10
(+2)
12
(+1)
0.236
(↓0.003)
4.050
(↓0.37)
7
(2↓)
ヤクルト
450 0.444
(↓0.056)
3
(↓1)
937
(+2)
41
(+4)
9
(+2)
8
(-)
0.242
(↑0.001)
4.560
(↑0.07)
9
(-)
広島
231 0.400
(-)
3
(↓0.5)
1224
(-)
33
(-)
3
(-)
9
(-)
0.296
(-)
5.540
(-)
10
(-)
日本ハム
350 0.375
(-)
3.5
(↓0.5)
1031
(-)
29
(-)
3
(-)
7
(-)
0.252
(-)
3.260
(-)
11
(-)
ソフトバンク
252 0.286
(↓0.047)
4
(↓1)
933
(+3)
28
(+4)
12
(+1)
4
(-)
0.247
(↑0.001)
3.040
(↓0.17)
12
(-)
西武
133 0.250
(-)
3.5
(↓0.5)
1131
(+4)
35
(+4)
11
(+2)
3
(-)
0.281
(↑0.003)
4.650
(↑0.1)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
32172 0.653
(↓0.014)
-
(-)
92227
(+3)
181
(+7)
55
(+2)
46
(+1)
0.254
(↓0.001)
3.330
(↓0.07)
2
(-)
巨人
27199 0.587
(-)
3.5
(↑0.5)
88226
(+4)
202
(+4)
68
(+2)
37
(-)
0.257
(↑0.001)
3.500
(↓0.01)
3
(-)
ヤクルト
24217 0.533
(↓0.012)
6
(-)
91220
(+2)
214
(+4)
49
(+2)
33
(-)
0.246
(-)
3.870
(-)
4
(-)
中日
22239 0.489
(↑0.012)
8
(↑1)
89153
(+4)
161
(+3)
25
(+3)
25
(-)
0.237
(↓0.002)
2.850
(-)
5
(-)
広島
18236 0.439
(-)
10
(↑0.5)
96155
(-)
180
(-)
29
(-)
27
(-)
0.260
(-)
3.610
(-)
6
(-)
DeNA
17318 0.354
(↑0.014)
14.5
(↑1)
87206
(+4)
269
(+3)
52
(+1)
11
(+1)
0.244
(-)
4.620
(↑0.03)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
楽天
27219 0.563
(↑0.01)
-
(-)
86219
(+4)
204
(+2)
44
(+1)
25
(+1)
0.238
(-)
3.400
(↑0.03)
2
(1↓)
ソフトバンク
26229 0.542
(↓0.011)
1
(↓1)
86243
(+3)
201
(+4)
52
(+1)
40
(-)
0.262
(-)
3.340
(↓0.02)
3
(-)
ロッテ
24238 0.511
(↓0.011)
2.5
(↓1)
88255
(+3)
224
(+4)
54
(+1)
47
(+1)
0.244
(↓0.001)
3.820
(↓0.01)
4
(1↑)
ORIX
23267 0.469
(↑0.011)
4.5
(-)
87234
(+7)
235
(+3)
57
(+1)
18
(-)
0.256
(↑0.001
3.900
(↑0.02)
5
(1↓)
西武
202311 0.465
(-)
4.5
(↓0.5)
89204
(+4)
217
(+4)
41
(+2)
52
(-)
0.246
(↑0.001)
3.920
(-)
6
(-)
日本ハム
18295 0.383
(-)
8.5
(↓0.5)
91165
(-)
219
(-)
28
(-)
31
(-)
0.226
(-)
3.850
(-)