阪神(★4対6☆)ロッテ =交流戦3回戦(2021.05.27)・阪神甲子園球場=
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ロッテ
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阪神
0210100004810
勝利投手:佐々木 朗希(1勝0敗0S)
(セーブ:益田 直也(0勝3敗13S))
敗戦投手:アルカンタラ(1勝1敗0S)

本塁打
【ロッテ】荻野 貴司(3号・1回表ソロ),マーティン(16号・8回表ソロ)

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◆ロッテは初回、荻野の先頭打者本塁打で幸先良く先制する。その後は逆転を許すも、6回表に角中の適時打などで3点を挙げ、再びリードを奪った。投げては、先発・佐々木朗が5回4失点でプロ初勝利。敗れた阪神は、守備の乱れが失点につながり、痛い敗戦を喫した。

◆19歳のロッテ佐々木朗希投手(19)がプロ2度目の先発。過去に交流戦で白星を挙げたロッテの10代投手は、プロ2年目の09年5月19日横浜戦で完投勝利を記録した唐川だけ。チーム2人目の交流戦10代勝利なるか。

◆阪神園芸が前夜からの「神整備」を披露した。 26日深夜からこの日の午前中にかけての降雨を想定し、26日の試合後には内野とファウルグラウンド全面を、オレンジ色のシートですっぽり覆っていた。 この日は雨がやんだ午後から、専用の機械でシートを順番に巻き上げていった。シートが巻き終わると、たまった大量の雨水がグラウンド際の排水溝へと流れていく仕組み。全てのシートがはがされると、現れたのはきれいに守られた黒土の内野グラウンド。その後、2台の整備車で円を描くように、熟練の技でならしていった。 この日はロッテの剛腕佐々木朗希投手(19)の甲子園デビュー戦。猛虎打線との注目の対決に向けて、阪神園芸も最善を尽くした。

◆ロッテ安田尚憲内野手(22)が今季初めてスタメンを外れた。 開幕から48試合連続で「4番三塁」でスタメン出場し、33打点をマークしているものの、打率は2割1分6厘と低迷。三塁守備でもミスが出ていた。安田のスタメン落ちは昨年7月5日以来。 安田に代わって、普段は遊撃を守る藤岡裕大内野手(27)が三塁でスタメン。遊撃にはアデイニー・エチェバリア内野手(32)が入った。

◆阪神の新外国人ラウル・アルカンタラ投手(28=韓国・斗山)が衝撃の来日初安打&初タイムリーを決めた。 ドラフト1位佐藤輝の同点打が飛び出した後の2回2死一、二塁。プロ初白星を狙う佐々木朗と対決し、1ボール2ストライクから外角低め150キロを痛烈なライナーで右前にはじき返した。 二塁走者サンズの本塁生還がリプレイ検証されたが、判定は覆らずセーフ。驚きの適時打となった。

◆阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、ロッテ先発佐々木朗希投手(19)との初対決で同点適時打を放った。 1点を追う2回無死一、三塁。2ボール1ストライクからの内角低め152キロ直球に逆らわず、低いライナーで三遊間を真っ二つに破り左前同点適時打。「速い真っすぐに対して、しっかり自分のスイングができたと思います。先制された後だったので、すぐに取り返すことができて良かった」と納得の1打だった。 前日の試合後にはロッテ佐々木朗との対戦について、「向こうもいい投手というのは分かってますけど、やることは変わらず自分のするべきことをするだけだと思う。まあでも、より注目が高くなると思うのでしっかり打てるように頑張りたい」と熱い思いを口にしていた。 5月18日ヤクルト戦以来4戦ぶりの適時打となった。だが試合は逆転負け。試合後、佐藤輝は佐々木朗との初対決を「すごい角度ありますし、力強い球を投げていた。すごい、いいボールだなと思いました」と振り返り、次回の対戦機会に向けて「真っすぐで抑えたいと思うんで、しっかりはじき返せるようにしっかり準備したいと思います」と代名詞の速球を捉える。

◆阪神ジェリー・サンズ外野手(33)がロッテ佐々木朗から2打席連続タイムリーを放った。 1点を追う2回無死二塁では遊撃内野安打をもぎ取り、この回2得点の逆転劇をお膳立て。3回2死三塁では一、二塁間を破り、5回2死二塁では右越え適時二塁打を決めた。 「(5回は)悠輔(大山)がツーアウトから出てくれたし、二塁まで行ってくれた。何としてもかえすという気持ちだったよ。いいバッティングができて良かったね」と振り返った。

◆ロッテ佐々木朗希投手(19)が岩手・大船渡高時代にたどり着けなかった甲子園で、プロ2度目の先発マウンドに上がった。 最速154キロの直球を主体に、セ・リーグ首位を走る阪神打線に立ち向かった。5回を投げて7安打4失点(自責3)。強い打球を打たれることも多かったが、一方で三振を5個奪うなど能力の高さも示した。投球数は94。その約65パーセントを占めた直球の平均球速は約150・7キロで、2試合連続で平均150キロを超えた。 6回の攻撃中に投球練習はしなかったものの、打線が3点を奪って逆転。プロ初勝利の権利を得て、ベンチで見守った。試合中には球団広報を通じ「要所要所でタイムリーを打たれてしまって、少しもったいないところがあったので、次はしっかり修正していきたいと思います」とコメントを寄せた。

◆ロッテ佐々木朗希投手(19)が高校時代にたどり着けなかった甲子園で、念願のプロ初勝利を挙げた。 最速154キロの直球を主体に、セ・リーグ首位を走る阪神打線に立ち向かった。5回を投げて7安打4失点(自責3)。強い打球を打たれることも多かった一方、三振を5個奪うなど能力の高さも示した。5回に降板するも、6回表にチームが逆転し、勝利投手の権利が舞い込んだ。

◆ロッテ佐々木朗希投手(19)が高校時代にたどり着けなかった甲子園で、念願のプロ初勝利を挙げた。 最速154キロの直球を主体に、セ・リーグ首位を走る阪神打線に立ち向かった。5回を投げて7安打4失点(自責3)。強い打球を打たれることも多かった一方、三振を5個奪うなど能力の高さも示した。5回に降板するも、6回表にチームが逆転し、勝利投手の権利が舞い込んだ。 19年ドラフト会議ではパ・リーグの4球団が1位競合した末に、ロッテ井口資仁監督(46)が引き当てた。プロ1年目の昨季は肉体強化のため、実戦登板はなし。2年目の今季、2軍で計画通りに実戦を重ね、5月16日の西武戦(ZOZOマリン)でデビューを果たしていた。 岩手・大船渡高時代には国内高校生歴代最速の163キロをマークしているが、現在は150キロ台前半~中盤が主体。「心と体のコントロールをすること」をテーマに、長いペナントレースを視野に入れたスタイルを作り上げてきた。

◆ロッテが初回、荻野の3号先頭打者弾で1点を先制。阪神は2回に佐藤輝、アルカンタラの適時打で2点を挙げ3回に1点を追加。 5回は1点ずつを取り合い、2-4で迎えた6回にロッテが逆転。2死一、二塁から角中の適時打で追いつき、敵失で勝ち越した。 ロッテは8回にマーティンの16号ソロで加点。継投で阪神の反撃をかわしカード勝ち越しを決めた。先発の佐々木朗希がプロ初勝利。益田が13セーブ目。阪神アルカンタラは来日初黒星。

◆ロッテ佐々木朗希投手(19)が高校時代にたどり着けなかった甲子園で、念願のプロ初勝利を挙げた。 最速154キロの直球を主体に、セ・リーグ首位を走る阪神打線に立ち向かった。5回を投げて7安打4失点(自責3)。強い打球を打たれることも多かった一方、三振を5個奪うなど能力の高さも示した。5回に降板するも、6回表にチームが逆転し、勝利投手の権利が舞い込んだ。 ▼19歳の佐々木朗がプロ初勝利。交流戦でロッテの10代投手の勝利は09年5月19日横浜戦の唐川に次いで2人目。過去に甲子園球場で白星を挙げたパ・リーグの10代投手は、ともに高卒2年目だった06年5月18日ダルビッシュ(日本ハム)と14年6月18日大谷(日本ハム)しかおらず、佐々木朗が3人目だ。なお、プロ初勝利を交流戦で記録した投手には05年6月15日ダルビッシュ、同年6月18日涌井(西武)08年6月18日前田健(広島)13年6月1日大谷らがいる。

◆阪神が逆転負けで、ロッテの「令和の怪物」佐々木朗希投手(19)にプロ初勝利を献上した。 序盤から点の取り合いとなった。初回、荻野貴司外野手(35)の通算8本目となる先頭打者弾でロッテが先制。阪神は2回に大山悠輔内野手(26)とジェリー・サンズ外野手(33)の連打で無死一、三塁とし、佐藤輝明外野手(22)とラウル・アルカンタラ投手(28)の適時打で2点を挙げて逆転した。3回にもサンズの適時打で3点目を追加し、序盤で先発の佐々木朗を攻略した。 5回にロッテはアデイニー・エチェバリア内野手(32)の犠飛で1点差に迫るも、阪神はその裏にサンズの3本目の適時打で4点目を奪った。佐々木朗は5回4失点で降板した。 だが6回にロッテ打線が奮起。2死無走者からの四球と安打で一、二塁の好機をつくり、逆転に成功した。角中勝也外野手(34)が左中間を破る同点の適時二塁打。さらに藤岡裕大内野手(27)の一、二塁間への打球を一塁のジェフリー・マルテ内野手(29)が好捕したが、一塁への送球が悪送球になり、角中が勝ち越しのホームを踏んだ。 ロッテは8回にもレオネス・マーティン外野手(33)の16号でリードを2点に広げた。 阪神は6回以降、ロッテの継投にかわされ、両リーグ最速の30勝到達は持ち越しとなった。

◆阪神が逆転負けで、ロッテの「令和の怪物」佐々木朗希投手(19)にプロ初勝利を献上した。 矢野燿大監督(52)は右腕について「将来日本を代表するスケール感はあるなと感じた」などと印象を語った。 矢野監督との一問一答は以下の通り。 ◆阪神矢野監督語録 -先発アルカンタラは負け投手になったが、良い部分も出た でも、いい悪いはちょっとはっきりしすぎているかな。(6回に)最後の2アウトとってからの、あそこのもう1人頑張ってくれたらっていうところやから。先発としてはあそこまで頑張って。いいとこと悪いとこっていうよりは、トータルでそこまでいってくれるっていうのは、先発としての役割かなと思うから。せっかく2アウト、いい形で取れたところからやから。そのあたりはこっちとしては頑張ってほしいなっていう。 -次回の登板は うーん、別に外す予定はない。 -8回の攻撃は梅野に代打を出すなど勝負をかけた もちろん、勝負に。9回、上位にしか回らないところやったし、そういうふうに自分が判断していったけど。 -梅野の状態は うん、まあ、調子というところでいうともちろん良くないというのは、リュウ(梅野)自身も俺もそうだな思っているけど。1年間戦う上でずっと調子いいというのはない。捕手でずっと出るというのも体力的にも調子的にももちろん、難しい部分もある。そういう波はどうしても1年間の中であるから、その波が今来てるのかなというところやから。こっからまた上げていってもらって、やっていってくれたらなと思います。 -佐々木朗の印象 スケール感というかね。もちろんこれだけ騒がれて入って、将来日本を代表するスケール感はあるなと感じた。特に落ち着いているよね。マウンド上で何か慌てるとか、四球でボール、ボールで崩れるとかがないので、そういうところでは何か1つ覚えてたらもっともっといいピッチャーになるんじゃないのかなと。その素材の良さとマウンドでの雰囲気というのは、いいピッチャーの素質っていうのはあるんじゃない。 -明日から対戦する西武でコロナの影響が出ている まあ、もちろん、広島の3つもなくなってしまったから、うちとしてはやりたい。まあ、やりたいのが一番やけど、こればっかりはオレらが決められないから。まあ、気持ちとしてはやりたいのは正直なところだけど、従うしかない。

◆ロッテ佐々木朗希投手(19)がプロ初勝利を挙げた。地元岩手の関係者たちも喜びに包まれた。佐々木朗の母陽子さんは球団を通じ「ヒーローインタビューでウイニングボールをどうするのかと聞かれて『両親にプレゼントします』と言ってくれたことがうれしくて、号泣しました。私だけではなくて両親にと言ってくれたのが、本当にうれしかったです。援護をしてくれた先輩方に感謝です。そしてこのような舞台を用意してくださった首脳陣の皆様、暖かく見守り応援をしていただいているファンの皆様に感謝の気持ちで一杯です。今日は本当にうれしい1日となりました」と喜びのコメントを寄せた。 陽子さんは11年3月の東日本大震災で夫の功太さん(享年37)を亡くして以降、親族のサポートも得ながら朗希ら3兄弟を育ててきた。 2000年代後半に、岩手県の教育界・スポーツ界で「早寝する子は育つ」という説が口コミで広がっていた。早寝だと、成長ホルモンが抑制されにくくなるとされている。 地元の保育士から「子どもの背を伸ばしたいなら、夜9時には寝かせないと」とアドバイスされた陽子さんは、すぐに実践。夜8時には就寝の準備をし、明かりを消していた。そのかいあってか、朗希は功太さんの181センチをはるかに超えるまでに大きくなった。 朗希も「小さい時に、いっぱい食べていっぱい寝たので、それで大きくなったので」と早寝効果の高さを認めている。栄養面でも全力でサポートしてくれた。昨年の母の日に、朗希は「今、こうやってプロ野球で野球ができているのは母のおかげだと思っています。本当に感謝をしています」と思いを寄せていた。【金子真仁】

◆阪神矢野燿大監督(52)はロッテ佐々木朗のスケールの大きさを感じ取った。 試合後に「将来日本を代表するスケール感はあるなと感じた。特に落ち着いているよね。マウンド上で何か慌てるとか、四球でボール、ボールで崩れるとかがない」と評した。さらに「何か1つ覚えたら、もっともっといいピッチャーになるんじゃないのかな」と今後の進化を予想した。

◆ロッテ佐々木朗希投手(19)がプロ初勝利を挙げた。地元岩手の関係者たちも喜びに包まれた。佐々木朗の出身地である岩手・陸前高田市の戸羽太市長(56)は「本当におめでとうございます。ヒヤヒヤしましたが、1つ勝てたので、これを自信にしてどんどん大きくなってほしいです」と喜んだ。 戸羽市長は、東日本大震災で亡くなった朗希の父・功太さん(享年37)とも付き合いが深かった。「有言実行の人。一緒にやろうという仲間作りが上手な人でした。気さくで行動力があって。先輩も後輩もみんなが付いていって」と懐かしむ。 ある日、功太さんに会いに行くと、小学校低学年の朗希とキャッチボールをしていた。「功太のやつ、朗希君に真剣に投げていたんですよ」。思わず「バカッ」と怒ったが、功太さんは当時から「朗希はすごい選手になる」と話していたという。 予言は実現し、ついにプロ野球の世界で勝利投手になった。「被災地から、ああやって逆境から活躍してくれて、みんなに目に見えない力を与えてくれる存在です」。市街地が壊滅的被害を受けた陸前高田市では、震災から10年強が過ぎ、かさ上げされた新しい大地の上にようやく新市庁舎が開かれた。「今日も昼間の市役所は、朗希君の話題がけっこうあったんですよ」。復興の象徴として、ますますの活躍を祈念する。 最後に「そういえば」と付け足した。「周りの野手の皆さんからも、すごい"勝たせてあげたい"空気を見ていて感じました。朗希も愛されキャラなんですね」。亡き友人と重ね合わせていた。【金子真仁】

◆2年ぶりの交流戦は負け越しスタートとなった。2点リードの6回に、好投していた阪神ラウル・アルカンタラ投手(28)が急変した。2人を軽快に打ち取った直後、中村奨へのスライダーが外れて四球。レアードには、高めに浮いた直球を中堅へ運ばれ2死一、二塁のピンチ。すかさず福原投手コーチが駆け寄ったが、迎えた角中にも高め直球を左翼フェンス際へ運ばれ、2人の生還を許した。 「野手のみんなが援護してくれたけど、そのリードを守りきることができなくて悔しいよ」 なおも2死二塁で左腕の岩貞にスイッチ。藤岡の一、二塁間への打球に一塁手マルテが追いつくも、まさかの悪送球。決勝点は痛恨のタイムリーエラーだった。 アルカンタラは来日2度目のマウンド。試合開始直後に先頭の荻野に先制本塁打を浴びたが、2回からは3イニング連続3者凡退。2回の攻撃では、来日初安打となる勝ち越し適時打もマークし笑顔で大喜び。持ち前の制球力を発揮し、味方の援護も受けて2勝目へ向かっていたはずだった。 6回5失点で初白星を挙げた16日巨人戦に続き、この日も6回途中5失点(自責4)。矢野監督は「いい悪いはちょっとはっきりしすぎているかな。最後の2アウト取ってから、もう1人頑張ってくれたらっていうところやから。先発としてはあそこまで頑張って」と残念がった。昨季は韓国リーグで最多勝に輝いた右腕。次戦こそ会心の投球を見せたい。【磯綾乃】

◆阪神ジェリー・サンズ外野手は「令和の怪物」との対決に勝利した。 今季初の1試合4安打。ロッテ佐々木朗に適時打2本を浴びせるなど、3打数3安打と完勝した。ただ、チームは注目右腕にプロ初白星を献上。「個人的にはいい夜でしたけど、チームが勝っていない。悔しさの方が当然大きいです」と冷静に振り返った。 1点を追う2回無死二塁では遊撃内野安打をもぎ取り、この回2得点の逆転劇をお膳立て。同点の2死一、二塁から9番アルカンタラの右前適時打で激走し、間一髪で勝ち越しのホームに滑り込んだ。3回2死三塁では佐々木朗の高め151キロをたたいて一、二塁間を破るタイムリー。5回2死二塁ではフルカウントから外角低め149キロをミートし、右越え適時二塁打を決めた。 試合後は初対決の豪腕について「期待されているのがすごく分かる、素晴らしい逸材。将来が楽しみ」と絶賛。この日も球種、配球の情報整理が生きたと言い、「その球が来た時に見逃さないようにしっかり仕留められるかがキーだと思う。これからも続けていきたい」と力を込めた。

◆ロッテ佐々木朗希投手(19)が念願のプロ初勝利を挙げた。9回2死、最後の打者の投直が守護神益田のグラブに収まると、ベンチで思わず両手を上げた。お立ち台でも「うれしいです!」と声を張り上げた。 「僕の中ではすごく長かったんですけど、たくさんの方々に支えられて、こうやって勝つことができてよかったです」 かみしめるように話し、余韻に浸った。大船渡高時代は踏めなかった甲子園のグラウンド。今は違う。「高校生にとっては特別な場所だとは思うんですけど、今のぼくにとってはそうではないので」。ペナントレースで優勝を狙うロッテの1軍投手として、責任を感じながら投げた。 初回は3者凡退に抑えるも、2回には3連打をきっかけに2点を奪われた。佐藤輝にも低め152キロを、強くレフト前へ流された。「まずは、自分の納得いくボールをあまり投げられなかったので。そこを投げられるようになってから(対策も)しっかり考えたいです」と今後への反省を忘れなかった。 岩手・大船渡高時代には国内高校生歴代最速の163キロをマークしているが、現在は150キロ台前半~中盤が主体。「心と体のコントロールをすること」をテーマに、長いペナントレースを視野に入れたスタイルを作り上げてきた。この日の最速は154キロも、平均球速は150キロ超。痛打もあったが、ファウルも多く「勝てる投手」「1年間投げ抜ける投手」を目指してスタイルを作り上げた。 11年3月の東日本大震災で被災。父と祖父母を亡くし、家も流された。お立ち台でウイニングボールの行き先を聞かれ「両親に渡したいと思います」と、孝行息子は話した。

◆令和の怪物対決に、甲子園が沸いた。「日本生命セ・パ交流戦」のロッテ戦で、阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)が2回無死一、三塁の好機で、ロッテ佐々木朗希投手と初対決。直球を流し打ち、左前に一時同点とするタイムリーを放った。3回の打席は中飛、5回は申告敬遠で、注目の対戦は2打数1安打1打点。佐々木朗にプロ初勝利を献上したが、虎の怪物ルーキーは力勝負で1歩も引かなかった。低いライナーで鮮やかに三遊間を破った。令和の怪物対決が甲子園で実現した。2回無死一、三塁。佐藤輝が佐々木朗の内角低め152キロに体を開くようにしながら逆方向へ。捕手は外角に構えていた逆球だったが、決して簡単な球ではなかった。「内寄りだった。速い真っすぐに対して、しっかり自分のスイングができた。チャンスで1本打ててよかった」と一塁側ベンチに向かって小さくガッツポーズを見せた。 3回2死一塁での2度目の対決は内角152キロで中飛に。2点リードで迎えた5回2死二塁での3打席目は、申告敬遠となりスタンドからは7061人とは思えない大きなため息がもれた。佐藤輝は「すごい角度もありますし、力強い球を投げていた。すごくいいボールだなと思いました」。将来の球界を背負うであろう右腕の実力を肌で感じた。1打席目は4球すべて直球。2打席目も初球はフォークだったが、2球目の直球で打ち取られた。「向こうも真っすぐで抑えたいと思うんで、しっかりはじき返せるように」。逆転負けでプロ初勝利を献上したが、虎のドラフト1位も1歩も引かない。今後の真剣勝負を早くも楽しみにした。 近大時代、12球団OKでドラフトを待つ中で「どちらかというとパ・リーグに行きたいですね。見ていてもパの方がおもしろいと今は感じますね」と力と力の対決に魅力を感じていた。4球団競合の末に阪神入団。ここまで全45試合に出場し、チームトップの33打点を挙げ、セ・リーグを代表するスラッガーという立場で初めての交流戦に挑んでいる。 開幕カードのロッテ戦は10打数3安打の打率3割、1打点。28日からは敵地メットライフドームで西武との3連戦。初戦の先発はオープン戦で本塁打を放った高橋が相手だ。「やることは変わらず、しっかりと自分のするべきことをするだけなんで、いい意味でいつも通りいきたい」とマイペースを貫くが、剛腕たちと対決する18試合で、さらに手のつけられない強打者に成長する。【石橋隆雄】

◆阪神梅野隆太郎捕手に代打が送られた。2点を追う8回1死二塁、第4打席が回る場面で糸井に代わった。 矢野監督は「もちろん、勝負に。9回は上位にしか回らないところやったし、自分が判断していった」と説明。開幕から勝負強い打撃を続けてきたが、この日は3打数無安打2三振。ここ6戦21打席で安打が出ていない。指揮官は「1年間戦う上でずっと調子いいというのはないし。波が今来てるのかなというところ。ここからまた上げていってもらって」と再浮上を願った。

◆U18高校日本代表の元監督で日大三島(静岡)の永田裕治監督(57)が27日、指揮を執った19年のU18W杯に高校日本代表で出場し、阪神戦でプロ初勝利を飾ったロッテ佐々木朗希投手(19)に祝福のコメントを寄せた。 「プロ初勝利、おめでとうございます。今日はヤクルトの奥川も勝ちましたが、いつも願うのは『ケガだけには気をつけてほしい』ということです。昨日はオリックスの宮城が5勝目を挙げ、先日は阪神の西(純)が初勝利と当時の仲間が、1軍の舞台で活躍しています。全員が日本の宝だと思いながら接していましたし、今、2軍で鍛錬を積んでいる子たちももちろん、大学、社会人、それぞれの舞台でみんなが頑張ってくれることがうれしいです」

◆阪神の3番手馬場皐輔投手(26)が、今季初めて1発を浴びた。1点を追う7回に登板し、3人で抑えたが、8回に先頭のマーティンに143キロストレートを左中間スタンドぎりぎりに運ばれた。今季登板9試合目の初被弾で、今季初めて自責点を記録した。防御率0・00の安定した投球を続けてきたが、悔しい被弾となった。

◆ロッテ佐々木朗希投手(19)の初勝利を先輩たちが強烈プッシュした。 初回、荻野が初球先制弾。6回には角中が2点適時二塁打を放ち「最高です。うれしいです」とベンチを沸かせた。マーティンが8回に16号ソロで突き放せば、前回に佐々木朗初白星を消した唐川が、今回は無失点救援。未来のエースの初勝利で、交流戦最初のカードを勝ち越した。

◆ロッテ佐々木朗希投手(19)がプロ初勝利を挙げた。地元岩手の関係者たちも喜びに包まれた。大船渡高時代のチームメートたちも"エース"の初勝利に心を震わせた。 中学、高校と同じチームで投手として高め合った和田吟太さん(20)は「角度のあるボールで打ち取っていて、良い形で試合展開していて、とても良かったです」と、見慣れた朗希の好投に笑顔。「初勝利してひと安心しました」とホッとしていた。 岩手大会決勝で先発した柴田貴広さん(20)は「今までいろいろ苦しいこととか、いろいろ言われてしんどいこととかあったと思うけど、そんな中、自分のペースで頑張ってきた成果だと思います。おめでとう」と思いやった。 投手仲間の大和田健人さん(19)は「高校の時に届かなかった甲子園球場のマウンドに朗希が立っているのを見られてうれしかったですし、うらやましかったです。自分も頑張らないとと思いました」と刺激を受けていた。 捕手として剛速球や鋭い変化球を受け続けた及川恵介さん(20)は「初勝利、本当におめでとう。これからもっといい投球して、チームの勝利に貢献できるように頑張って。機会があったらプロ初安打、楽しみにしてます」と打棒爆発にも期待を寄せた。 同期のムードメーカー役・村上泰宗さん(19)は「チームみんなで目標にした甲子園のマウンドに、形は違えど登板して、しかも初勝利で、感慨深かったです。これからもどんどん活躍してほしいです」と友の飛躍を楽しみにしていた。

◆ロッテ佐々木朗希投手(19)がプロ初勝利を挙げた。希代の快速球には人々を胸躍らせ、奮い立たせるパワーがある。故郷の岩手・陸前高田市で中華料理店「四海楼」を営む長田正広さん(55)も、163キロに立ち上がった1人。11年3月の東日本大震災で亡くなった朗希の父功太さん(享年37)とは大の仲良しだった。友の忘れ形見の立派な姿に涙し"伝説の担々鍋"の復活へ腕を振るった。朗希が身をかがめて店に入ってきた。表情が自然と緩む。「やっぱ、めんこいよなぁ」。昨年末の帰省時に寄ってくれた。琉希、朗希、怜希の佐々木家3兄弟は、長田さんには大事な仲間の忘れ形見だ。感慨深くなりながら、1杯のラーメンを出した。 あの頃が懐かしい。ご近所さん同士。特に夏祭り前後は町内会の一体感が最高潮になる。飲み会で、長田さんはよくオリジナルの担々鍋を差し入れした。絶品ぶりが口コミで広がり、やがて佐々木家の大みそかの定番になった。「鍋を持ってくとさ、夜8時ごろかな、功太が『御礼にこれどうぞ!』ってアワビの刺し身を持ってきてくれて」。除夜の鐘はいつも幸せを引き立てる音だった。 大津波が全てを壊した。「何人も亡くなったよ。功太だけじゃない。一緒に飲み会してたケイタも、マサルも。悔しい。悔しいよ。全部流された」。 四海楼は人気店だった。再開を願う声に押され、震災8カ月後に仮設店舗で再出発。さらに7年後の19年4月3日、盛り土で10メートル以上かさ上げされた新しい町に新店舗を開いた。「だから、朗希はオープンしてすぐ来てくれたんだな」 4月6日に日本代表候補合宿で163キロを出した数日後、母陽子さんが「連れてきたよ」と時の人と一緒にやって来た。佐々木家は震災直後に大船渡に移り住んでいた。久しぶりの再会。「本当にあの功太の息子なんだよな?」と問いかけた。「息子です」。そっくりの顔で笑っていた。 親子を見送り、目を潤ませながら誓った。もう1回、あれを作る-。記憶をたどって試作を繰り返す。仕込みが結構大変で、震災以降の多忙な日々に担々鍋を作ることは1度もなかった。タレだけだとちょっとしつこいから、鶏がらスープと割って、締めはマーボー豆腐とラーメンかな...。 故郷から巣立つ前にどうしても食べてほしかった。19年12月末。三陸から上京する直前のドラフト1位右腕が家族全員でやって来た。「頑張ってこいよ!」と、テーブルに担々鍋を置いた。湯気と熱気に包まれた幸せな時間。佐々木家の年の瀬に、実に9年ぶりに懐かしい味が戻った。 旅立ちから1年。ますます大きくなって戻ってきた朗希に「こんなの作ってみたんだ。店でも出してみようかなと思ってさ」と、担々鍋の締めを再現したラーメンを出した。朗希は辛いものが苦手だ。「でも、担々鍋だけはちょっと違うんですよ。本当においしいんです」と言う。新作も「うまいです!」と夢中ですすった。会うたびに大きくなる。懐かしい仲間の笑顔に、ますます近づいてくる。【金子真仁】

◆ロッテ佐々木朗希投手(19)がついにプロ1勝目をつかんだ。舞台は甲子園。岩手・大船渡高時代は「あと1勝」で届かなかった聖地に、運命が重なった。「日本生命セ・パ交流戦」は阪神打線に5回7安打4失点も、最速154キロ直球を軸に5三振も奪うなど、鍛え上げた能力を発揮した。涙に暮れた東日本大震災から10年2カ月。仲間たちとの野球に支えられた少年が、立派な青年として1つの節目を堂々やり遂げた。初勝利の瞬間、佐々木朗希の周りにはやっぱり、仲間たちがいた。思わず万歳した両手を下げると、先輩たちの祝福が続く幸せな時間に。お立ち台で「うれしいです!」といつになく声を張った。「楽しかったです!」。純粋な思いが次々にわき出た。 午後6時8分、甲子園で第1球を投げた。剛速球とフルスイングが、銀傘に強い音を響かせる。どよめきの中、本人は必死だった。「高校生にとっては特別な場所だとは思うんですけど、今の僕にとってはそうではないので」。役目を果たすべく投げた。「自分の納得いく球は投げられなかった」と言う。2回に3連打で2失点。猛虎のすごみを感じながら、あきらめずに5回を粘り抜いた。 高校時代があって今がある。「ずっと野球をやってきた仲間と、一緒に甲子園に行きたかったから」と、強豪私立の誘いを断った。大船渡と陸前高田。複雑な海岸線をはさんで隣り合う街で、グラウンド上の顔ぶれは味方も相手もほとんど同じまま育った。 東晃生、及川恵介、大和田健人、小嶋啓介、木下大洋、熊谷温人、熊谷萌々、熊谷優成、今野聡太、佐川侑希、佐藤良樹、柴田貴広、清水聡太、鈴木蓮、立花綾都、田中友輝、千葉宗幸、新沼紳、三上陽暉、村上泰宗、吉田夏希、和田吟太。佐々木朗希は青春を共有した3年生22人と一緒に、甲子園を夢見た。「何が何でも行きたい」とはるか聖地での大団円を求めた。 505日前、上京の朝。玄関のドアを開けたら皆の笑顔があった。小雪が舞う中、万歳三唱での出発式に「すごく感動しました」。彼らには12月、野球部のバット納めで思いを語っていた。100人以上が見守る中、同級生や後輩たちに壇上で感謝を伝え、そのまま「自分事になるんですけど」と続けた。 「僕は最初、陸前高田市で生まれて、震災があって父と祖父と祖母を亡くして。そこで多分、人生で一番泣いたし、つらい思いをしました。小中高と野球をやる中でもずっと...悲しくて。そういう思いがあったから、これから後悔しないように頑張ろうって思えたし、そういう後悔があって強くなったのかなって思います。だからみんなには、後悔したことを大切にして強くなってほしいです」 仲間と家族の支えで、涙に暮れた少年は強くなった。その証しの大事なウイニングボール。「両親に渡したいと思います」。700キロ以上離れた三陸で緊張に耐え切った母は、息子の愛に号泣した。故郷に眠る父も、きっと。【金子真仁】

◆阪神大山が、1軍復帰後2本目となる安打などで、2得点にからんだ。 先頭で迎えた2回、ロッテ佐々木朗の151キロ速球を捉えて右方向へ二塁打を放った。サンズ、佐藤輝の連打を呼び込み、いったんは逆転に成功した。5回も2死から四球を選んで出塁し、サンズの右越え二塁打で4点目のホームを踏んだ。1軍復帰最初のカードは悔しい負け越しに終わったが、28日からの西武戦で存在感を発揮する。

◆27日の阪神戦(甲子園)で2試合目の1軍戦登板を果たすロッテの2年目、佐々木朗希投手(19)は26日、キャッチボールなどで入念にフォームを確認し「しっかり投げられるレベルまで回復できている。頑張りたいなと思います」とプロ初勝利へ意欲を示した。 大船渡高3年夏には岩手大会決勝に進出したが、故障防止を理由に登板を回避。チームは敗れ、甲子園の舞台に立つことはできなかった。この日は聖地への特別な思いは口にせず、静かに闘志を燃やした。 プロ初登板した前回16日の西武戦(ZOZOマリン)は、5回6安打4失点。降板後に追い付かれ、初勝利は持ち越しとなった。「前回の反省を生かしながら、いいピッチングができるように」と佐々木朗。最速163キロ右腕が、猛虎打線と相対する。(山口泰弘)

◆ロッテ・荻野貴司外野手(35)が一回、先発・アルカンタラから初球を左翼席へ運び、今季2本目の先頭打者本塁打を放った。前回は佐々木朗希投手(19)がプロ初登板を果たした5月16日の西武戦(ZOZOマリン)。甲子園初登板の佐々木朗を2試合続けて援護射撃した。

◆ロッテ・佐々木朗希投手(19)がプロ2試合目の先発で、一回に近本を左飛、中野を遊ゴロ、マルテを空振り三振に抑えた。一回の最速は、プロ初登板を果たした5月16日の西武戦(ZOZOマリン)で最速だった154キロ。マルテのときに2度計測した。

◆阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)が0-1の二回、左前に同点適時打を放った。ロッテの先発は甲子園初登板の2年目の佐々木朗。一回は三者凡退に倒れたが、二回に反撃だ。 先頭の大山が中越えの二塁打。サンズの遊撃内野安打で無死一、三塁となり、佐藤輝がカウント2-1からの4球目。152キロの直球をはじき返した。打球は三遊間をライナーで抜けた。 「打ったのはストレート。速い真っすぐに対して、しっかり自分のスイングができたと思います。先制された後だったので、すぐに取り返すことができてよかったです」と広報を通じて、コメントを寄せた。なおも2死一、二塁からアルカンタラが右前に来日初安打となる勝ち越しの適時打を放って、2-1とした。

◆ロッテ・佐々木朗希投手(19)は「9番」に入り、1-2の三回1死でプロ初打席に立った。交流戦でセ・リーグ主催のため打席に入り、二回にタイムリーを浴びたアルカンタラと対戦したが、3球すべて見逃して三振。投球に専念するため、あえてバットを振らなかったようだ。

◆ロッテ・佐々木朗希投手(19)がプロ2度目の先発で、二回は大山に右中間二塁打を浴び、初安打を喫し、続くサンズの遊撃内野安打で一、三塁のピンチを迎えた。 続いて〝令和の怪物〟初対決となった佐藤輝に左前適時打を浴び、1-1の同点に追いつかれた。梅野、小幡を連続空振り三振で2死としたが、投手のアルカンタラに右前適時打を浴びて逆転された。 なおも一、三塁のピンチだったが、近本を二ゴロに打ち取った。二回は3連打を含む4安打で2失点。一回は三者凡退に抑え、3番のマルテから1個目の三振を奪った。

◆ロッテ・佐々木朗希投手(19)が1-2で三回を迎え、先頭の中野に四球。続くマルテの初球の前に一塁けん制球を投じたが、一塁手・レアードの失策で無死二塁。マルテを見逃し三振、大山を遊ゴロに抑えた。 続くサンズの2球目を捕手・佐藤都が捕逸で二塁走者が三進。直後の151キロの直球を右前適時打で弾き返され、3失点目を喫した。佐藤輝を中飛に抑えてチェンジとなったが、序盤の3イニングを投げ、打者15人に5安打3失点。4三振を奪っている。

◆ロッテ・佐々木朗希投手(19)が1-3で四回を迎え、先頭の梅野を見逃し三振。小幡に左前打を浴び、アルカンタラの2球目に二盗を許し、アルカンタラの捕前犠打で三進。だが、近本を右飛に抑えて無失点だった。佐々木朗は一回を三者凡退に抑えたが、二回と三回に連続失点を喫し、四回終了時でロッテが1-3とリードされている。

◆阪神のジェリー・サンズ外野手(33)が2-1の三回、2死三塁から佐々木朗の151キロの直球を右前へ運び、リードを2点に広げた。 1点差に迫られた直後の五回、2死二塁からは149キロの外角直球をジャストミート。右翼手の頭上を越える適時二塁打となった。サンズは「悠輔(大山)が2アウトから(四球で)出てくれたし、(暴投で)二塁までいってくれたから、なんとしてもかえすという気持ちだった。いいバッティングができてよかった」とコメントした。 サンズは二回にも遊ゴロ内野安打と、佐々木朗から3安打を放った。 二回に同点打を放った佐藤輝の第2打席(三回)は中飛、五回の第2打席は申告敬遠だった。

◆ロッテ・佐々木朗希投手(19)が2-3で五回を迎え、先頭の中野を二ゴロ、マルテを遊ゴロに抑えたが、大山を四球で出塁させ、次打者サンズのときに暴投。2死二塁となり、サンズに右越え適時二塁打を浴びて1失点した。続く佐藤輝は申告敬遠で一、二塁。梅野を遊ゴロに抑えてチェンジとなった。 佐々木朗は五回を投げた時点で打者24人と対戦し、7安打4失点で94球を投じた。

◆ロッテ・佐々木朗希投手(19)がプロ2度目の登板で5回を投げ5三振を奪うなど7安打4失点で降板した。打者25人に94球を投げ、3四球。五回終了時は2-4だったが、ロッテ打線が六回表に3点を返して5-4と逆転。佐々木朗に負けはつかず、逆に勝利投手の権利を得てマウンドを降りた。 甲子園でのマウンド。1-0で迎えた二回に3連打を含む4安打を浴びて2失点。三、五回にはいずれもサンズに適時打を浴びた。 最速はプロ初登板の5月16日の西武戦(ZOZOマリン)と同じ154キロ。一回に打者マルテのときに2球計測した。

◆阪神の先発、ラウル・アルカンタラ投手(28)は5回2/3回を投げて5安打5失点(自責4)で降板した。 一回、先頭の荻野に初球の直球を左翼席に運ばれて先制を許すも、二回以降は150キロ台の速球を武器に四回まで走者を一人も許さなかった。 3-1の五回にエチェバリアに中犠飛。再び2点リードとなった五回、2死一、二塁から角中に左中間への2点二塁打を浴びて同点に追いつかれて降板した。 ここで岩貞がマウンドへ。藤岡の一、二塁間のゴロをマルテが好捕したが、一塁に悪送球(記録は内野安打とマルテの失策)。二塁走者が生還して4-5と逆転を許した。

◆阪神は4-6と逆転負けを喫し、交流戦開幕カードのロッテ戦に1勝2敗。4月27日-29日の中日戦以来、7カードぶりの負け越しとなった。 ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)が0-1の二回、甲子園初登板の2年目・佐々木朗から左前に同点適時打を放った。さらに、先発したアルカンタラが一時勝ち越しの適時打。サンズも三回、五回と2打席連続適時打。五回終了時で4-2としたが、アルカンタラが2点リードを守り切れなかった。 4-2の六回、角中に2点二塁打を浴び、さらに適時失策で逆転を許すと、打線は六回以降はロッテ救援陣に封じ込められて、佐々木朗(5回4失点)にプロ初勝利を献上した。 来日2勝目を目指したアルカンタラは5回2/3を投げて5安打5失点(自責4)で初黒星。

◆ロッテ・佐々木朗希投手(19)が今季2度目の登板で5回7安打4失点。六回の攻撃で打線が逆転し、プロ2年目で念願の初勝利を挙げた。 「要所要所でタイムリーを打たれてしまって、少しもったいなかったところがあったので、次はしっかり修正していきたいと思います」 ようやくたどり着いた甲子園のマウンドだった。大船渡高3年時は夏の岩手大会決勝で、登板を回避して敗退。悔し涙を流した夏から1年10カ月後、あこがれのマウンドに立った。一回は三者凡退に抑えたが、1-0で迎えた二回に3連打を含む4安打で2失点。三、五回にはいずれもサンズに適時打を浴びた。3四球5奪三振で、打者25人に対して94球を投げた。この日の最速は154キロ。一回に対戦したマルテに2球を投じた。五回終了時で2-4。ところが、直後の六回表に打線が3点を返して逆転した。佐々木朗に負けがつかず、逆に勝利投手の権利を得た。初登板となった今月16日の西武戦は5回6安打4失点。勝利投手の権利を得たが、中継ぎがリードを守れずに勝敗がつかなかった。この日は5-4の八回にマーティンの16号ソロが飛び出し、さらに佐々木朗を援護射撃。体づくりに専念したプロ1年目を経て2年目で〝令和の怪物〟が大きく花開いた。

◆ロッテ・佐々木朗希投手(19)が5回を投げ、打者25人に94球。7安打4失点(自責3)に抑えて、プロ初勝利を飾った。ヒーローインタビューの内容は以下の通り。 --プロ初勝利 「うれしいです」 --初めて甲子園で投げた 「初めての甲子園なので雰囲気をかみしめながら投げたいと思っていました」 --楽しめたか 「楽しかったです。内容はまだまだ反省点が多いんですけど、次に修正していけたらと思います」 --五回まで投げた 「投げさせてもらった形だったんですけど、結果的に投げてよかったと思います」 --六回に打線が勝ち越した 「びっくりしました。ベンチで見ていました」 --ここまでの道程は 「僕の中ではすごく長かったんですけど、たくさんの方々に支えてもらって、勝つことが出来てよかったです。もっと内容も改善できると思うので、次いいピッチングができるようにしたいと思います」 --ウイニングボールは 「両親に渡したいと思います」 --次回に向けて 「もっといいピッチングできるように頑張ります」

◆甲子園が一瞬の静寂に包まれる。誰もが固唾をのんで見守った阪神・佐藤輝vsロッテ・佐々木朗の注目対決。聖地に快音が響き渡った。令和の怪物は俺だ! 一塁ベース上で虎のドラ1が右手を突き上げた。 「速い真っすぐに対してしっかり自分のスイングができたと思います。先制された後だったので、すぐに取り返すことができてよかった」 0-1の二回。佐々木朗との初対戦は無死一、三塁の絶好機で巡ってきた。150キロ台の直球を続ける右腕に対してカウント2-1から4球目。この日のファーストスイングだった。内角低め152キロを捉えると、白球はあっという間に左前へ。第1Rの勝者は佐藤輝。18日のヤクルト戦(甲子園)以来4試合ぶりの打点を挙げ、試合を振り出しに戻した。 「いい投手ということは分かっています。より注目が高くなると思うので、しっかり打てるように頑張ります」 3学年下の佐々木朗との対戦を前に、静かに闘志を燃やしていた。2019年のドラフト会議で4球団競合の末、ロッテに入団した163キロ右腕。その1年後、同じく4球団競合の末、阪神にやってきた規格外のスラッガー。三回2死一塁の第2打席は151キロの直球に差し込まれ、中飛。そして五回の第3打席は申告敬遠。令和のプロ野球界を担う2人はバッターボックスとマウンドで互いに火花を散らした。これから何度も繰り広げていく名勝負の幕が開いた瞬間だった。 ルーキーの活躍で火が付いた打線は、五回2死二塁からサンズが右越えの適時二塁打を放ち、4-2と突き放す。この日3安打2打点と奮闘したS砲は「悠輔(大山)が2死から二塁まで行ってくれたし、何としても返す気持ちだったよ」と胸を張った。 しかし、六回に先発のアルカンタラがつかまり、マルテの失策も絡んで逆転を許した。八回には馬場がマーティンに16号ソロを浴びて万事休す。佐々木朗に7安打を浴びせたものの、初白星を献上してしまった。4月27日-29日の中日戦(バンテリンドーム)以来、7カードぶりの負け越しとなった。

◆阪神はロッテ・佐々木朗希投手(19)に7安打を浴びせながらも、逆転負けを喫して、プロ初白星を献上した。試合後の矢野耀大監督(52)の一問一答は以下の通り。 ーーアルカンタラは負け投手になったが、良い部分もでた(5回2/3を投げて5失点=自責4) 「いい悪いは、はっきりしすぎているかな。(3点を奪われた六回は)最後の2アウトとってからの、もう一人頑張ってくれたらっていうところやから。先発としてはあそこまで頑張って、うん。いいとこと悪いとこっていうよりは、トータルでそこまでいってくれるっていうのは、先発としての役割かなと思うから。せっかく2アウト、いい形でとれたところからやから。そのあたりはこっちとしては頑張ってほしいなっていう。うん」 ーー八回の攻撃は梅野に代打を出したりして勝負をかけた 「もちろん、勝負に。九回、上位にしか回らないところやったし、そういうふうに自分が判断していったけど」 ー―梅野の状態は 「うん、まあ、もちろん良くないのは、リュウ自身も俺も思っているけど。1年間戦う上で調子いいというのはないし、捕手で出るのも体力的にも調子的にも難しい部分もある。波は1年間の中であるから、その波が今来てるところやから。こっから上げていってもらって、やっていってくれたらなと思います。 ーー佐々木朗の印象 「スケール感というかね。もちろんこれだけ騒がれて入って、将来日本を代表するスケール感はあるなと感じたし。特に落ち着いているよね。マウンド上で何か慌てるとか、フォアボールで崩れるとかがないので、そういうところでは何か一つ覚えてたら、もっといいピッチャーになるんじゃないのかなと、その素材の良さとマウンドでの雰囲気は、いいピッチャーの素質っていうのはあるんじゃない」 ー―西武でコロナ影響が出ているが 「広島の3つもなくなってしまったから、うちとしてはやりたいし。やりたいのが一番やけど、こればっかりは俺らが決められないから。やりたいのは正直なところだけど、従うしかないんで。まあ、指示待ちかな。そこは」 ー―アルカンタラの次回登板 「うーん、別に外す予定はないけど」

◆どっしりせい! ロッテに逆転負けし、交流戦最初のカードを負け越した矢野阪神に西武、中日で打撃コーチを務めた土井正博氏(77)=本紙専属評論家=はロッテ・佐々木朗希投手(19)を攻略するチャンスはあったと指摘。チームは投打ともに状態を落としているが、貯金は15。交流戦は同一カード3連敗だけを避ける、我慢の時期だと強調した。 ◆球種も多くなく、狙い球絞りやすい 佐々木朗が素晴らしい才能を持った投手であることは間違いないが、この日は打ち崩せない内容ではなかった。 力感のないフォームから150キロ強の速球を投げてくるが、球筋はきれいで荒れてくるようなボールはない。球種も多くないので、狙いを絞りやすいところも案外あった。走者が出てクイックになれば、変化球を投げにくそうにしていた。阪神は走者が出たときに、もっといろいろな動きをみせれば、リズムを崩すことができただろう。 佐々木朗は序盤は真っすぐで押していたが、二回に2点を失った後、開き直ったようで、フォークも交えながら抑えにかかっていた。打線が1点をかえした五回、直後に失点しており、勝ちパターンになりにくい展開だったが、投げている間に逆転してもらった。運の強さもあるのだろう。プロの世界で生きるためには大切なことだ。 ◆投打の状態低下...どっしり構えて我慢 交流戦まで貯金を積み上げてきた阪神だが、このタイミングで投打ともに状態が落ちてきた。打線も1番・近本の出塁が減り、相手も戦いやすい。3番・マルテはつなげず、梅野も自分の打撃を崩している。打線がプチンと切れるので、大量得点ができない。リリーフ陣にも疲れが見え、先発の代え時が難しい。引っ張ったアルカンタラが六回2死から打たれ、後手に回った継投策が象徴的だった。 どんな強いチームでも1年中調子がいいということはありえない。阪神はこの交流戦は3連戦で3連敗だけはしないことを心掛けてほしい。1勝2敗なら、貯金は1つ減るだけだ。投打、特にリリーフの状態が上がるまでは我慢、辛抱の時期。貯金がまだ15もあるのだから、どっしりと構えればいい。3連戦はまず1つ勝つという気持ちでやってほしい。(本紙専属評論家)

◆プロ野球ロッテの佐々木朗希投手がプロ初勝利を挙げた27日、母陽子さん(48)は岩手県大船渡市の自宅でテレビ観戦で19歳の投球を見守った。 佐々木朗は小学3年時に東日本大震災で父を亡くした。試合後のヒーローインタビューでウイニングボールを両親に渡すと話した姿に、陽子さんは「号泣した。わたしだけでなくて両親に、と言ってくれたのが本当にうれしかった」と球団を通じて喜びを伝えた。 陽子さんは、佐々木朗を含む3兄弟を女手一つで育てた。つらい経験を乗り越え、昨年からプロの世界に入り、親元を離れて暮らしている息子の活躍を願ってきた。震災から10年を迎えた節目の年に白星をつかんだことに感慨を口にし「本当にうれしい一日になった。皆さまに感謝の気持ちでいっぱい」と話した。 佐々木朗は両親への思いを聞かれ「一番感謝しなくてはいけないのかなと思う」と語った。

◆打ち出の小づちのようにバットを振れば「H」のランプがともった。サンズは昨年7月28日のヤクルト戦(神宮)以来、来日2度目となる1試合4安打の大活躍。2打点も挙げたが、敗戦に笑顔はなかった。 「個人的にはいい夜だったけど、やっぱりチームが勝っていないので。負けた悔しさの方が当然大きいよ」 二回無死二塁で先発・佐々木朗から遊撃内野安打を放って好機を拡大すると二進後、アルカンタラの来日初安打で激走。スライディングで一時勝ち越しとなる2点目のホームを踏んだ。三回と五回には適時打。2点を追う八回にも先頭で左前に運び、孤軍奮闘した。 これで得点圏打率は梅野(・452)、マルテ(・353)に続くリーグ3位の・347。好調を維持するS砲は、初対戦した佐々木朗について「期待されているのがすごく分かる、素晴らしい逸材だなと思いました」とポテンシャルを評価していた。(織原祥平)

◆「日本生命セ・パ交流戦」で阪神はロッテに4―6で敗れた。先発したラウル・アルカンタラ投手(28)が六回2死から踏ん張りきれず、逆転負け。矢野燿大監督(52)は「そこまでいってくれるというのは先発としての役割」と六回を投げきれなかったことを指摘した。交流戦の開幕カードで3年ぶりに負け越したが、まだまだここから巻き返しや! 悲劇と喜劇が目まぐるしく入れ替わり、最後は暗転した。矢野監督は六回2死から崩れた甲子園初登板のアルカンタラに苦言を呈した。5回?で8奪三振も、5安打5失点(自責4)で初黒星。チームも交流戦負け越し発進となった。 「最後の2アウトをとってからの、もう一人頑張ってくれたらというところ。トータルでそこまでいってくれるのは、先発の役割と思うから。そのあたりはこっちとしては頑張ってほしい」 4-2の六回、先頭の荻野を直球で見逃し三振に斬り、続くマーティンは152キロで右飛。あと1死で中継ぎ陣へバトンを渡せるはずだった。しかし、中村奨を四球、レアードは中前打で一、二塁。ここで角中に高め直球をガツンといかれた。左中間を深々と破る2点二塁打で同点とされ、ベンチもたまらず岩貞にスイッチ。それでも悪い流れは変えられず、藤岡の一塁内野安打にマルテの悪送球(記録は失策)が絡み、勝ち越された。 「野手のみんなが援護してくれたけど、リードを守り切ることができなくて悔しい」と助っ人もガックリ。一回先頭の荻野に先頭打者弾を浴び、いきなり雲行きが怪しくなったと思ったら、その後12人連続アウトと好投。二回には来日初安打がタイムリーと打席でもハッスル。そして魔の六回。『ジキルとハイド』のような90球だった。 対戦を「楽しみ」と指揮官が話していた佐々木朗から4点を奪い、快勝ムードで試合を進めながらも敗戦。2018年以来の交流戦負け越しスタートとなった。同年の交流戦は11位と苦しんだだけに、負のスパイラルに陥るわけにはいかない。この日は八回、21打席連続無安打と不振の梅野に代打・糸井を出すなど、勝負手を打った。最善を尽くしたからこそ、後ろは振り返らない。 西武との28日からの3連戦(メットライフ)はコロナ禍の影響で流動的な部分も否定できないが、将は「広島の3つもなくなってしまったから、ウチとしてはやりたい」と力を込めた。舞台を変えて仕切り直し、貯金15を積み上げたセ・リーグ首位の底力を示す。アルカンタラについても「別に外す予定はない」とキッパリ。チーム一丸で、やり返す。(新里公章)

◆ロッテ・佐々木朗希投手(19)が小4から所属した岩手・大船渡市の猪川野球クラブスポーツ少年団で父母会会長を務めた佐々木秀さん(44)は27日、当時を振り返りながら初勝利を祝福した。 猪川野球クラブスポーツ少年団の父母会会長として佐々木朗と接した佐々木さんは「甲子園のマウンドは、自分でもぎ取ったと思います」と好投に目を細めた。 小4時に岩手・陸前高田市から大船渡市に転居し、チームに加入した朗希少年は「負けず嫌いだけど、すごくいい子。礼儀正しい。お父さんを亡くしたと聞いていましたが、一生懸命で前向きだった」と鮮明に記憶している。 震災直後、ほとんどの野球グラウンドに仮設住宅が建ち、練習場所の確保もままならない環境の中で朗希少年は野球に励んだ。ゴツゴツした石ばかりの河川敷、犬のふんが散らばっている小さな原っぱなどでボールを追い、たまにグラウンドを借りられれば、40―50分ほどの距離もいとわず歩いて通ったという。 小6時、ZOZOマリン(当時QVCマリン)で行われた岩手沿岸被災地域の学童のための「リアスリーグ」第1回大会決勝でプレー。マウンドにも立った。「ロッテに入ったのは、やはり運命だったんだなと。日本を代表するエースになって海外を見据えてほしい」と壮大な野球人生を応援し続ける。

◆プロ2年目のロッテ・佐々木朗希投手(19)が27日、阪神最終戦(甲子園)に先発し、5回7安打4失点。六回に打線が逆転して勝ち投手の権利が転がり込み、2度目の登板でプロ初勝利を挙げた。岩手・大船渡高時代に踏めなかった甲子園のマウンドで6-4の勝利に貢献。ヒーローインタビューに臨んだ〝令和の怪物〟は、記念球を母・陽子さんと2011年3月11日の東日本大震災で亡くなった父・功太さん(享年37)にささげることを明かした。 三塁側ベンチで勝利の瞬間を迎え、黒いマスクに隠れていない佐々木朗の目は穏やかだった。 「初めての甲子園だったので、雰囲気を感じながら一生懸命投げたいと思いました。楽しかったです」 勝敗が付かなかった16日の初登板から中10日。セ・リーグ首位の阪神打線と対峙し、一回から150キロ台を連発して三者凡退で発進した。二回に佐藤輝らに打たれて逆転されても崩れない。鋭く落ちる球で空振り三振を取るなど5奪三振。追加点を許した三回は失策や捕逸が絡み、最速154キロの球速が落ちても5回4失点でまとめた。 19歳の力投に応えるように、打線が2点を追う六回に3得点して逆転。プロ初黒星が消えたどころか、勝利投手の権利が生まれ「びっくりしました」。最速154キロを計測するなど94球。高校時代にあと一歩届かなかった聖地で輝きを放った。 小3で野球を始め、4年生になる直前の2011年3月11日に東日本大震災が発生。父・功太さん(当時37歳)と祖父母を失い、岩手・陸前高田市の自宅は津波で流された。大船渡市に移ってからの野球人生は、節々で悔し涙を流した。 大船渡一中の軟式野球部在籍時に腰を疲労骨折。3年夏の大会直前、将来性を優先した指導者に起用しないと告げられて悔し泣き。将来はプロ野球選手でなく、スポーツトレーナーを志そうと考えた時期もあった。 最速163キロを計測した大船渡高時代は3年時の2019年夏の岩手大会決勝(対花巻東)で、故障を未然に防ぐ指導者の判断で登板せず。「地元のみんなで行きたい」と目標にしてきた甲子園出場を目前に敗退し、涙を流した。 令和の怪物の話題性をさらに高めることになったが、甲子園は「高校生にとっては特別な場所だとは思うが、今の僕にとってはそうではない」。過去を思い返すよりも前を向き、プロで開花できる下地をつくった。 1年目の昨季は2軍でも試合に投げず、体づくりに専念。「いろいろな過程を踏みながら、今年に入っても投げながら本当にいい経験ができて、環境を用意してくれた球団に感謝しています。僕の中では長かったです」と道のりを振り返った。 記念の白球にも感謝の気持ちを込める。「ウイニングボールは両親に渡したい。一番感謝しなくてはいけない」。佐々木朗を含む3兄弟を女手一つで育てた母・陽子さんと、天国の父にささげることを明らかにした。 もう、涙はない。プロ入り同期のヤクルト・奥川が同日にプロ2勝目を挙げた。佐々木朗は同世代のライバルとしのぎを削り、令和の球界でファンを魅了し続ける。(山口泰弘)

◆令和の名勝負が幕を開けた! 「日本生命セ・パ交流戦」で阪神はロッテに4―6で敗れ、交流戦開幕カードに負け越した。ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=は、初対戦となった高卒2年目のロッテ・佐々木朗希投手(19)から二回に反撃のタイムリー。ともにドラフト会議で4球団競合した〝令和の怪物対決〟で意地を見せた。 プロ野球の歴史に新たな名勝負が刻まれた。7061人が固唾をのんで見守った佐藤輝vs佐々木朗の注目対決。一瞬の静寂から、甲子園に快音が響き渡る。一塁ベース上で右手を突き上げたのは、虎のドラ1だった。 「チャンスだったので一本ほしいところで打てたのはよかったです。(佐々木朗は)すごく角度がありますし、力強い球を投げていて、いいボールだなと思いました」 令和の怪物対決が初実現したのは、0-1の二回無死一、三塁。佐々木朗が続けて投げた150キロ台の直球を平然と見送ると、カウント2-1から4球目。この日のファーストスイングが内角低めの152キロを捉えた。白球はあっという間に左前へ。18日のヤクルト戦(甲子園)以来、4試合ぶりの打点で第1ラウンドを制した。 佐藤輝は低めの内角球をうまく左前へと運んだ(撮影・門井聡) 三回2死一塁の第2打席は、151キロに差し込まれて中飛。五回2死二塁の第3打席は、ロッテベンチが1年目ながらその威圧感に敬意を表したのか申告敬遠。試合には敗れたが、3学年上の先輩として意地を見せた。 ともにドラフト会議で4球団競合の末、プロ入りした大物同士。実質2打席、たった6球だったが、見る者に手に汗握らせた。昭和の時代から、村山実vs長嶋茂雄、江夏豊vs王貞治など名勝負が繰り広げられてきた。ただ、この2人はセ・リーグとパ・リーグ。次回登板は日本シリーズか、さもなくば来年の交流戦。それでも佐藤輝は「向こうも真っすぐで抑えたいと思ってくる。しっかりはじき返せるように準備したいと思います」と再び相まみえるときを見すえた。令和の名勝負が、ここから始まる。 交流戦開幕カードは1勝2敗と負け越した。とはいえ、チームはまだ首位。次の相手は強力打線を擁する西武だ。打ち負けるわけにはいかない。 「やることは変わらず、しっかりと自分のするべきことをするだけ。いい意味でいつも通り、いきたいと思います」 セ界が誇る令和の怪物は、淡々と語った。球団初の勝率1位を誓った交流戦は、まだ始まったばかり。次こそ勝利へのアーチを描く。(原田遼太郎)

◆佐々木朗が好素材なのは間違いない。それだけに、勝ち星を伸ばしていくための課題を挙げさせてもらう。 最大の魅力であるストレートは、ほとんど150キロ台をマークしていた。それでいて、打たれた7安打はすべてストレート。プロの打者は当然、速球に合わせて打席に入るわけだし、速球を打つ経験値もある。したがって、速球をより生かす道を探りたい。 まずは、内角を突くことだ。ストレートの荒れ球がない分、打者に怖さを与えないため、カウントを追い込む前に、速球をさほど苦もなく打ち返されている。インハイで打者を起こしてからなら、簡単に踏み込まれることもないだろうし、外角の速球でも、小さな変化球でも、打ち取りやすくなるはずだ。 ただし、それ以前に、緩急をつけるため、緩い変化球が欲しい。スライダー系とフォークボールだけの現状では、投球の幅も狭まり、楽には勝てないだろう。 バッテリーを組む佐藤都も、年齢こそ23歳と上ながら、同じプロ2年生。2人で配球を研究してもらいたい。また、佐々木朗も遠慮することはない。もっとサインに首を振り、自分の投げたい球にこだわっていいと思う。(本紙専属評論家)

◆佐々木朗希くん、憧れの甲子園でのプロ初勝利で、2年前の夏に届かなかった場所への思いに終止符は打てましたか!? 打てたー!! そりゃ、素晴らしい!! ならばプロ初勝利オメデトウ!! 君が日本一の投手になったとき、その1勝目をプレゼントしたのは、わが阪神...。最初の一歩を踏み出させてあげたのはタイガース...。阪神タイガースに足を向けて寝られへんでエ...。(何ちゅう嫌な大人なんだよ?) 一方、わが阪神は...。先発投手陣がもう少し粘ってほしいなあ。ジメジメ...。中盤以降に打線がもうひと爆発して追加点を奪ってほしいなあ。ジメジメ...。いか~ん! 気持ちが、ジメジメ梅雨に入っとるがなあ!! 猛虎よ、梅雨空気分を連勝でスカッと晴らしてくれー!!

◆27日の阪神戦(甲子園)でプロ初勝利を挙げたロッテ・佐々木朗希投手(19)が一夜明けた28日、次回の登板に備えて出場選手登録を抹消された。プロ初登板の5月16日西武戦(ZOZOマリン)後も翌17日に抹消され、中10日で27日の阪神戦に先発した。 千葉に戻った佐々木朗は、広島戦(ZOZOマリン)の試合前練習でランニング、ストレッチなどを行って調整。練習後は、阪神戦で16号ソロを放ったレオネス・マーティン外野手(33)と談笑した。

DAZN

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
中日
201 1.000
(-)
-
(-)
159
(+3)
6
(+3)
2
(+1)
1
(-)
0.253
(↓0.058)
2.000
(↓0.5)
2
(1↓)
巨人
210 0.667
(↓0.333)
0.5
(↑0.5)
1514
(-)
8
(+2)
5
(-)
4
(+1)
0.293
(↓0.078)
2.000
(↑0.5)
2
(1↑)
DeNA
210 0.667
(↑0.167)
0.5
(↓0.5)
1526
(+11)
25
(+8)
11
(+3)
0
(-)
0.336
(↑0.036)
7.000
(-)
2
(1↑)
ロッテ
210 0.667
(↑0.167)
0.5
(↓0.5)
1513
(+6)
10
(+4)
3
(+2)
1
(-)
0.252
(↑0.006
3.120
(↑0.06)
2
(1↑)
ヤクルト
210 0.667
(↑0.167)
0.5
(↓0.5)
1511
(+5)
9
(+2)
3
(+1)
4
(+3)
0.237
(↑0.01)
3.000
(↑0.5)
6
(3↓)
ORIX
120 0.333
(↓0.167)
1.5
(↓0.5)
1525
(+8)
26
(+11)
4
(+2)
0
(-)
0.339
(↓0.015)
9.360
(↓1.42)
6
(3↑)
楽天
120 0.333
(↑0.333)
1.5
(↑0.5)
158
(+2)
14
(-)
3
(+1)
0
(-)
0.204
(↓0.03)
4.680
(↑2.63)
6
(3↓)
日本ハム
120 0.333
(↓0.167)
1.5
(↓0.5)
159
(+2)
11
(+5)
1
(-)
4
(+1)
0.200
(-)
3.240
(↓0.06)
6
(3↓)
阪神
120 0.333
(↓0.167)
1.5
(↓0.5)
1510
(+4)
13
(+6)
2
(-)
4
(+2)
0.215
(↑0.012
3.330
(↓0.83)
10
(1↓)
ソフトバンク
021 0.000
(-)
2
(-)
156
(+3)
9
(+3)
1
(-)
1
(-)
0.224
(↓0.018)
3.240
(↑0.14)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
29142 0.674
(↓0.016)
-
(-)
98201
(+4)
152
(+6)
47
(-)
38
(+2)
0.256
(-)
3.190
(↓0.04)
2
(-)
巨人
25177 0.595
(↓0.015)
3.5
(-)
94204
(-)
171
(+2)
61
(-)
36
(+1)
0.258
(↓0.003)
3.280
(↑0.04)
3
(-)
ヤクルト
22177 0.564
(↑0.011)
5
(↑1)
97194
(+5)
182
(+2)
43
(+1)
29
(+3)
0.246
(↑0.001)
3.680
(↑0.03)
4
(-)
中日
18228 0.450
(-)
9.5
(↑0.5)
95134
(+3)
141
(+3)
20
(+1)
23
(-)
0.237
(↓0.002)
2.790
(↓0.01)
5
(-)
広島
16206 0.444
(-)
9.5
(↑0.5)
101135
(+4)
151
(+4)
26
(-)
19
(+1)
0.258
(↑0.003)
3.340
(↓0.01)
6
(-)
DeNA
14306 0.318
(↑0.016)
15.5
(↑1)
93188
(+11)
250
(+8)
48
(+3)
9
(-)
0.243
(↑0.004)
4.790
(↓0.05)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
24198 0.558
(-)
-
(-)
92216
(+3)
182
(+3)
41
(-)
37
(-)
0.262
(↓0.002)
3.390
(-)
1
(1↑)
楽天
24198 0.558
(↑0.01)
0
(↓0.5)
92196
(+2)
185
(-)
40
(+1)
21
(-)
0.234
(↓0.001)
3.460
(↑0.07)
3
(-)
ロッテ
22207 0.524
(↑0.012)
1.5
(↑0.5)
94228
(+6)
203
(+4)
49
(+2)
35
(-)
0.248
(-)
3.910
(↑0.02)
4
(-)
西武
19209 0.487
(-)
3
(-)
95177
(+4)
186
(+4)
31
(+1)
50
(+1)
0.242
(↑0.002)
3.780
(↑0.03)
5
(-)
ORIX
19247 0.442
(↓0.01)
5
(↓0.5)
93200
(+8)
212
(+11)
51
(+2)
14
(-)
0.250
(↑0.002)
3.940
(↓0.16)
6
(-)
日本ハム
16265 0.381
(↓0.009)
7.5
(↓0.5)
96143
(+2)
201
(+5)
26
(-)
28
(+1)
0.219
(↓0.001)
3.910
(↑0.01)